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2013年11月15日 (金) | Edit |
今やヘッドフォンは家庭用音楽再生装置の主流を占めつつあると言って良いでしょう。新規参入するメーカーも後を絶ちませんし、老舗の高級オーディオ専業メーカー(B&W、JBL等)も自社ブランド ヘッドフォンの販売に熱心ですよね。

そのような中、JBLがDSPを内蔵した意欲的な製品(有線式)を発売しました。
intro.jpg
JBL S700 (製品ページ)
ヨドバで34,800YEN
独自のデジタル信号処理(DSP)機能"LiveStage™"シグナル・プロセッシング・テクノロジーを採用。ヘッドホン・ハウジングに内蔵された "LiveStage™"DSPをオンにすることで、目の前に広大なライブステージが広がったような臨場感を体験することができます。

DSP内蔵ヘッドフォンについてネットで調べていたところ、さる方のブログで下記のような気になるコメントを見つけました。

JBLのヘッドフォンS700は興味深いコンセプトのもとに作られています。ヘッドフォンに直接インストールされたバッテリー駆動の「LiveStage」DSPは、普通なら非現実なアイデアだと警笛を鳴らされるかもしれません。少なくとも良質な設計がなされたヘッドフォンを持っていれば、今さら必要のない技術かもしれません。なぜなら、左右それぞれの耳に対して厳密にミックスされたレコーディング音源は、精巧なヘッドフォンのイヤーカップ(あるいはスピーカーなど)を通して再生すれば三次元空間の効果を生み出すはずだから。

これは大いなる勘違いです。これが世間の標準的な認識であるとするならば、メーカーは正しい情報を提供する事に注力する必要があるでしょう。

一般に出回っているステレオソースは、前方に設置した2本のスピカで再生する事を前提に制作されています。つまり、左右のクロストークが盛大に発生する状態を前提としているという事です。左のスピカから出た音は右耳にもハッキリと聞こえますよね。でも、左耳の方が少しだけ大きく聞こえ、少しだけ早く音が届きます。ヒトはこの左右の聞こえ方の僅かな違いを頼りに空間を認識します。

ヘッドフォンの場合、左右耳のクロストークは一切発生しません。左チャンネルの音は右耳には絶対届かないという事です。このため、音場は完全に左右に拡がってしまい、全体的に散漫に聞こえるため、僕には「音楽」に集中し辛く感じられます。

例えば、僕がよく聴く60年代のジャズのスタジオ録音盤では、ベースが殆ど片方の耳だけでしか聞こえない場合が多くあり、これは非常に気になります。通常、低音は高音に比べて頭部を回り込んで反対側の耳にも届きやすい(回折現象が強く生じる)ので、低周波音ではほとんど方向感覚(定位感)が生じません。サブウーハは部屋の何処に置いてもよいと言われるのはそのためです。それなのに、ヘッドフォンではベースの低音が片側だけからはっきりと聞こえます。これでは、不自然に感じて当然でしょう。

これに対する最も原始的な対策として、左右の信号を適度に混ぜてクロストークを人為的に発生させるという方法があります。以前の記事では、自作の抵抗入りアダプタを紹介しましたよね(コチラ参照)。

DSPを使えば、さらに複雑な処理が可能です。
例えば、周波数に応じてクロストークの度合を変化させる事ができます。低音ほど反対側の耳に届きやすく、高音ほど届きにくいという現象を人工的に発生させるという事です。また、反対側の耳への音の到達を遅延させる事もできます。

さらには、理想的な広さと残響特性を持つリスニングルーム(モニタルーム)を想定して、擬似的な反響音を生成する事もできます(もちろん定在波はなし)。部屋の広さ、残響特性、スピカの左右の間隔、スピカとの距離等をパラメータ化して、ユーザが好みに合わせて調整できるようにしても構いません。お好みのバーチャル リスニングルームを作れるという事です。

しかし、「生の音場」を再現しようとすると、またまた幻影を追いかけてグルグルする事になります。あくまでも、スタジオ(モニタルーム)または理想的リスニングルームにおける2chステレオ スピカ再生の擬似的再現を目指すべきでしょう。なぜならば、「生」を再現しようとしても、ソースによって録音条件が千差万別だからです。ソースから「生」に遡る手立てが無いという事です。「生の音場」の再現を目指すのであれば、最初からバイノラル方式で録音すべきです。絶対に。。。

以上で述べたヘッドフォン用DSP処理は、早い話が、ステレオソースの擬似的バイノーラル化であると言えます。もちろん、ソースが最初からヘッドフォン再生を前提に制作されるようになれば理想的です。その場合、逆にスピカ再生時に多少のDSP処理を通せば良いでしょう。そもそもスピカによるステレオ再生の音場は、再三申しておるように、極めてエーカゲンです(グリコのオマケ)。あくまでもヘッドフォンを基準として制作し、スピカで再生する場合は多少処理を加える(あるいはモノラルでもOK)という方が理に適っているように僕には思えます。

DSPなら何でもできます。小さなヘッドホンにすら内蔵できます。コストも大してかかりません。上手に使い倒さない手はありません。ホンマニ。

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テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
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