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2013年07月03日 (水) | Edit |
いよいよシリーズ最終回です。

今回は1発正弦波による過渡応答について詳しく見てみます。

以前の記事にも、バスレフの1発正弦波に対する応答が大きく崩れる事は書きました。しかし、どうしてあのように激しくヘンテコリンに歪むのか不思議に思えました。
今回は、ポート音だけをピックアップする例の方法を使ってこの謎に迫ります。

とりあえず波形です。
80Hz
1発80時間
60Hz
1発60時間
80Hz
1発50時間
いつもの通り、白が信号、青が振動板音緑がポート音赤が合成音です。

60Hzの波形で詳しく見てみましょう。
1発概要
- 各ピークに番号を振っています。
- ポート音(緑)の山(+) 1は、1つ前の信号の谷(-) 1 に対応する反転した応答でしたよね。これを念頭に波形を見てください。
- 番号0のピークは、以前の記事に書いたように様々な要因によって生じる過渡期の挙動です。ここでは気にしません。
- 黄色の縦線のところで信号は終わります。振動板音は素早く応答していますが、バスレフはとっくに信号が終わった後に信号の山(2)に対応する応答として谷(2)を出力した後も3?、4?、5?とダラダラと音を出していますね。

下は信号に対応する部分だけを示しています。
1発実際応答
- バスレフは信号が終わってから音が収束するまでに随分長く掛かっています。信号に対応しない部分、つまり付帯音あるいはノイズが多いという事です。

信号が終わった後の減衰振動部だけを抜き出して見ました。
最後屁
50、60、80Hzの減衰部を全て重ね合わせています。また、図には60Hzの正弦波を参考に表示しています。

- 信号周波数が変わっても減衰振動部の周波数は変わらず一定です。そして、その周波数はほぼバスレフの共鳴周波数(60Hz)に一致する事がわかります。つまり、信号音が何Hzであれ、最後屁として常に60Hz(共鳴周波数)の音がボーと出ると言う事です。
- これは僕にはトッテモ困った性質に見えます。といのは、箱の定在波にしろ筒っぽの共振音にしろ、長時間「音楽」を聴いていると、そのような常に一定周波数で動かない音の「癖」は、僕にはスゴク気に障るように思えるからです。
- 再三申すように、音楽信号は一時たりとも留まらぬ過渡の嵐です。このような動的挙動に起因する付帯的現象(音)が多かれ少なかれノベツクマナク発生しているはずです。

もう少し長い時間スパンで観測してみました。
7発 
60Hzの7発正弦波信号の再生波形です。上がバスレフ型、下が密閉型。
-  バスレフ型は位相が遅れるのみならず、立ち上がりも立ち下がりもダラダラとしています。ビシットバシットとは行きません。
-  どちらも一切の補正なしの状態です。密閉型はFrieveAudioでF特を50Hzまでフラットに補正すると、過渡期の応答がもっと信号波形に近付きます。

今回のデータは以上です。

という事で、LEANAUDIO初期から僕にはどうしても違和感を覚えて聴感的に受け入れる事できず、波形を観測してもヨウワカラン事が多くてずーーーっと気になっていたバスレフ君の謎を、今回の5回のシリーズでほぼ解明できたのではないかと思います。

バスレフ型というのは、実質的に密閉型にアナログLPFを介して密閉型サブウーハを逆相接続でアドオンしたのと似たような特性を筒っぽ一つで実現するという、極めて巧妙な機構です。しかし、今回のシリーズでお見せしたように、時間ドメイン的に問題も多く(密閉に比べて時間的遅れが大きく、動的挙動が複雑であるためこれに由来する付帯的現象(音)が多い)、またポートから各種の付帯音(ポート自体の共振音、箱内部の定在波音、風切り音)も放出するという、音楽再生装置としては様々な基本的問題を抱えています。

僕がどうしても不思議に思うのは、金に糸目をつけずに超ウルトラ微細な現象に拘りながら音質(オンシツ?)だ原音再生だ高忠実度だをツイキューしたと高らかに謳う何十万エンも何百万エンもする最先端のハイエンド装置に、このように明らかに超基本的な音楽再生上の問題を抱える古典的技術が、未だに何の疑問も無くアッタリマエに採用されている事です。そして、日々精進して耳を鍛えデンセンをキキワケル方々が、それらをアッタリマエのように受け入れているという事です。

もちろん、30年も前には十分な代替技術も無かったでしょうが、もう21世紀ですよ。ニジューイッセーキッ!+13年。周辺技術が素晴らしく発達し極めて低コストで利用できる中、なんぼでもやりようはアリマンガナ。。と思うのですが。。。不思議です。

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