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2009年03月08日 (日) | Edit |
前回の記事でお約束したAlpair 6ユニットの評価記事の翻訳版を掲載します。

マニアの掲示板のようなところに掲載されている文章なので、仲間うちの符丁みたいなのも多く、論文とは違って文脈的にもあまり明確ではありませんが、なんとか訳してみましたので参考にしてください。かなりのスピード意訳でエイヤのところもありますのでご了承願います。原文のリンク先も載せましたので、正確にはそちらをどうぞ。

コメント著者のDr. Jim Griffinはもう退職されていますが、ハイエンドスピーカー システムの設計に多年の経験を持つエンジニアだそうです。スピーカービルダー(自作派?)には世界的に名の知られている方だそうで、多数の設計を発表されているそうです。欧米における長岡鉄男氏のような存在かもしれません。
海の向こうでは工学博士はそれこそザラにいますので、長岡鉄男氏レベルの実力であれば十分に工学博士として通用する事を付け加えておきます。

下はMr.Mark Fenlon(マークオーディオのマークさん)によるDr. Griffinの紹介文です。
"Jim Griffin (PhD) is an engineer, now retired he spends much of his
> time on high-end speaker systems. Jim's expertise and passion for
> audio speaker design is recognised by many system builders around the
> world. Jim has published many of his designs and is a regular
> contributor on the most popular audio forums. Jim Griffin is
> considered by many in the audio world to be a lead expert on
> loudspeaker system designs"

原文は「コチラ」からどうぞ。
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Mark Audio Alpair 6用の小型MLTLボックス
Dr. Jim Griffin

Alpair10(以下A10)用の新設計MLTLボックスについては先日レポートしましたが、実はこれと同時にAlpair6(以下A6)を使用したMLTLボックスも開発しました。Alpair6ユニットの構造はA10とそっくりで、スピン加工されたアルミ製コーンとこれを囲む頑丈なコンポジットポリマー フレームによって構成されます。A6は非常に小型のユニットであり、そのコーン径は約6cm(2.36インチ)しかありません。A6もA10同様にコーン径に比べて大きなフランジを持ちます(A6のフランジ径は4.5インチ)。これもA10と同じですが、A6の振動板エッジはよくある凸タイプではなく、凹タイプとなっています(訳者: FOSTEX FEシリーズと同じように、奥へ引っ込むタイプのエッジ)。A6の定格インピーダンスは4Ωであるため、一部のアンプでは使用できないかもしれません。

多くの方は小径のA6は小型のサラウンドスピーカーやデスクトップ コンピュータ モニタ用だと思われるでしょう。確かにA6のSPL値は86 dBですから、場内放送用にはもちろん適しません(片振幅Xmaxは5mmありますが、小さなコーンで大量のエアをドライブする事はできませんから)。このような小型スピーカーは多くの場合狭い部屋には十分であり、圧迫感も与えないSAFフレンドリーなスピーカーと言えます。しかし今回は少しばかりサイズの限界を伸ばして、A6がフルレンジMTLTでどのような性能を示すかを見てみる事にしました。このA6用MLTLの設計にはMartin J. King?氏の優れたワークシート(MJKワークシート)を使用しました。このワークシートにはユニットのT/Sパラメータと設計初期値(ボックス寸法およびユニットからポートまでの距離)を入力し、欲しい応答特性が得られるまで設計値を変更しながら繰り返し計算を行います。初期値としては数年前に行ったTangBand製ユニットを使用したMLTLプロジェクトの値を採用しました。今回のA6プロジェクトの低域応答性としてF3を45Hzに設定し、ポートの同調周波数は51 Hzに合わせました。ポートの長さを3インチから4インチへ伸ばせば、周波数応答特性への影響を最小限にとどめながらポートの同調周波数とF3を数Hz下げる事ができると予測されます。

このAlpair 6 MLTLプロトタイプは、天板と側板に堅いウオールナットの無垢板を使用し、前面と背面および底面にはMDF材を使用して作製しました。ボックスの完成外寸は[高さ35.25インチx幅5.5インチx奥行き5.5インチ]です(板厚は0.75インチ)。ユニットの高さをリスニング位置に合わせるために底上げしています。

MLTL内部のアクティブポートの寸法: 長さ(上面から底面までの距離)=30インチ、上面からユニットまでの距離=10インチ、上面からポートまでの距離=27インチ、ストレート断面の寸法=4インチx4インチ、詰め物(吸音材?)の密度=0.50lbs per cubic feet、ポート半径=0.75インチ、ポート長=4インチ、底上げ高さ=5.25インチ
バッフル前面にはグリル取り付け用のマグネットを埋め込みました。

このような小さなスピーカーは適度なボリュームで良質の音楽を聴く分には問題ない事は知っていましたが、限界近くでは負担が大きいだろうと予測していました。

しかし、このかわいいユニットがお気に入りの曲を極めて印象的に鳴らしてくれたのには驚きました。ユニット自体の周波数特性のおかげでバッフル ステップ フィルタも必要ありません。マークオーディオが公開しているA6の特性グラフを見ると175~550Hzの領域に3~4dBのハンプ(こぶ)があります。バッフルの幅が5.5インチなので、このハンプがちょうどバッフルステップ補正の役割を果たしてくれます。

このスピーカーで低音SPLコンテストに優勝する事はもちろん不可能ですが、その性能にはきっと驚かれるはずです。ボーカルは男性/女性を問わず全くSibilant(シューシューいう、歯擦音的な)ではありません。高域はシンバルのきらめき感が素晴らしい。

結論として、このかわいいユニットはサイズなりに見事な仕事をし、私が定義したSAFの基準を立派に満たします。壁を揺るがす低音は決して期待できませんが、小型/中型におけるソリッドな音楽再現は素晴らしく楽しいものです。


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ほとんどが箱の説明で、ユニットそのものに関しては最後の方に少しあるだけです。しかし日本のオーディオ評論家のように意味不明の形容詞を羅列せず、いかにも技術屋が書いた文章という感じで僕には好感が持てます。

文中にあるMLTLとは「Mass Loaded Transfer Line」の略で、細長いボックスに吸音材をつめたような構造となっており、海の向こうでは流行中の低音増強法のようです。
日本ではあまり知られていないのではないでしょうか。
マークオーディオの担当者の方が参考になるサイトを教えてくださいました。
興味のある方は「コチラ」をどうぞ。日本語です。

僕は小型密閉箱+サブウーハー+デジタルイコライジングが一番シンプルで効果的な方法だと思っているので、その辺は全く興味がありませんから解説は控えます。

それと「バッフルステップ」というのが出てきますが、これはバッフルのサイズで決まる特定の周波数で音波の回析現象(いわゆる回り込み)によって周波数特性にステップ(段差)が出来てしまう事を指すようです。これも日本ではあまり話題になりませんが、向こうではわざわざLCR回路を組み込んでこれを補正するのが当たり前のようです。向こうの人は信号ラインにそういう部品をかませる事にあまり抵抗感がないようですね。しかしこれも音場補正してしまえばとっとと片付く話です。

向こうの方々もなかなか凝り性ですね。しかし思うのですが、海のこっちでも向こうでもスピーカーやる人はスピーカーしか見てないという感じを受けます。システム全体を見渡せばもっと楽にシンプルにできる事がいっぱいあると思うんですけど。。

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ジャンル:趣味・実用
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