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2013年06月24日 (月) | Edit |
今朝カウンタが80万ヒットを超えていました。
いつもご愛読ありがとうございます。ZAPが完成してネタが尽きた感があり、100万までキッツイですね。なんとか辿り尽きたいものです。

またまたシツコク位相関係です。
今回でホントにオッシマイにしますので、ご容赦くださいませ。

DAC (Sound Blaster X-Fi Surround 5.1 Pro)のチャンデバ機能の遅れを正確に確認したところ、とんだ事が判明しました。実は、このチャンデバが内蔵しているフィルタの位相特性は普通の-12dB/Octアナログフィルタと殆ど同じです。

以前計測した時はFrieveAudio並に殆ど遅れがなかったはずなのに。。。ナンデヤネン。。

使い方が分からずに暫く放ってあったDACのチャンデバがうまく使えるようになり、それまで使っていたプレートアンプ内蔵フィルタよりも音楽の聞こえ方が明らかに良くなったため、有頂天になって計測したのですが、その際、どうやら観測波形の極性(プラス/マイナス)を逆に読んでいた模様です。実は、サブウーハ用に使っているDayton DTA-100a T-AMPの出力極性はIconAMPをはじめとする僕が今までに使ったアンプ達とは逆になっています。買ってすぐFrieveAudioで計測して気付いたのですが、波形観測の際にその事を考慮する(波形を上下逆にする)のを忘れた模様です。アンプには極性が逆のがあるようなので、皆さんもお気をつけください。

という事で、今回はDaytonプレートアンプを引っ張り出してきて位相特性をもう一度比較してみました。

下が結果です。
遅れ実績まとめグラフ
赤がプレートアンプのLPF、青がDACのチャンデバです。ついでにフィルタ無しの密閉型(水色)とバスレフ型(緑: 共鳴は60Hz)も計測しました。FrieAudioのチャンデバの遅れは密閉型単独と全く同じです。
これらの計測には全てAlpair6Mを使用しました。バスレフは8LのTONO箱。それ以外は2.5L密閉ZAP箱です。ちなみに、Alpair6MとAlpair10の遅れは殆ど同じです。

上図で見る限り、プレートアンプのLPF(赤)よりもDACチャンデバ(青)の方が遅れは少なくなっています。これにより、聴感的に好ましく感じたのだと思われます。とはいえ、このDACチャンデバの位相はバスレフ型(60Hz)と同等まで遅れており、もしかすると普通のアナログフィルタなのか???と疑問が生じます。

下は63Hzの過渡正弦波挙動です。
63まとめグラフ
波形の色は上のグラフに対応しています。密閉型が最も遅れが少なくDACチャンデババスレフがほぼ同等、プレートアンプLPFが最も遅れています。この図では分かりにくいですが、時間スケールを縮めて観測すると、バスレフの波形振幅は他の波形に比べて明らかに緩やかに増加します。つまり位相が遅れるだけではなく、アタック音の振幅の立ち上がりも鈍くなると言う事です。振幅の俊敏な立ち上がりという観点でも密閉型(フィルタなし)が最も優れます。なお、バスレフだけ波形の極性(上下)が反転します(図には反転してプロットしています)。

という事で、やっぱりDACチャンデバの方がプレートアンプLPFよりも遅れが少ないヤン。メデタシメデタシ!。。。とは参りません。

プレートアンプLPFの特性を確認しました。
DAYTON Ftoku 1
ピンクがプレートアンプのLPFです。緑がDACチャンデバ、青が22mH+400μFのパッシブネットワークです。プレートアンプを使っている頃は、メイン側にHPFを使わないアドオン方式を採用していたため、カットオフをこのようにかなり下げていました。

このようなカットオフ設定では、上の結果のようにプレートアンプLPFはDACチャンデバよりも遅れるのですが、試しに同等のカットオフ特性で比較したところ、両者の遅れ具合はピッタリ同じになる事が分かりました。さらに、パッシブネットワークでも遅れ具合は殆ど同じでした。

つまり、カットオフ特性を揃えて比較すると、プレートアンプのLPF(アクティブ)もDACチャンデバもパッシブネットワークも遅れ具合は同じであったという事です。わざわざグラフをお見せする必要もないほどピッタリ同じです。やはり、このDACのチャンデバはアナログフィルタを使っているのでしょうか。。。なんだかガックシ。。

DACの事はさておき、ここで重要なのは、たとえ密閉型サブウーハでも、(パッシブでもアクティブでも)アナログフィルタのカットオフを下げるとテキメンに遅れが増大するという事です。この点で、アドオン方式は不利と言えるでしょう。

今回の結果を、2つ前の記事のシミュレーション結果グラフの中にプロットしてみました(赤枠内、黄領域)。
遅れ実績まとめグラフ2

まとめ
○ カットオフが極端に低かったプレートアンプLPF()からDACチャンデバ()に交換する事により、遅れは減少した。これにより、一部の楽曲でどうしても拭えなかった違和感が解消された。ただし、これは単純にLPFのカットオフ特性が高周波側にシフトした事に起因するものであり、DACフィルタの位相特性が優れていたためではなかった。

○ 密閉型サブウーハであっても、アナログフィルタのカットオフを極端に下げると遅れが問題になる可能性がある。特に、比較的大型のメインスピーカに大型サブウーハアドオンする場合はカットオフが極端に下がるため、この問題が深刻となる。そのような場合、位相回転のない高性能デジタルフィルタの使用が望まれる。

○ バスレフ型の過渡応答挙動の問題は、単純な時間的(位相)遅れだけでは評価できない(例えば、振幅の立ち上がりも緩やか(アタック音の立ち上がりが鈍る、共鳴周波数以下で波形がヘンテコリン等)。さらに、各種付帯音も発生する。このため、遅れが同等であっても、密閉型サブウーハ+アナログフィルタの方が音楽再生クオリティの面では有利であろう(コノミノモンダイは別のハナシ)。

○ バスレフ型の場合、原理的に、同調周波数を下げれば下げるほど遅れ時間は確実に増加する(共鳴点で必ず180°遅れ、共鳴点の周波数が下がれば遅れ時間は単純に増加する)。上図の は同調50Hzの推測値を示す。赤▲は同調40Hzのシミュレーション結果を示す。バスレフ型で40Hzまたはソレ以下までフラットに特性を伸ばす場合、時間的遅れが大幅に増加する事を覚悟する必要がある。

○ 密閉型サブウーハ+位相回転が実質的に無い高性能デジタルフィルタを使えば、密閉型スピーカ本来の優れた応答性を維持したまま低音特性をフラットに伸ばす事ができる(水色 は3"ドライバ(2.5L密閉)による実測結果、青▲は22cmウーハ(34L密閉)によるシミュレーション結果)。

追記
人間の耳はどのくらいまで、音のタイミングを聞き分けられるのでしょうか?

高さや、到来方向の異なる二つの音に時間的なずれを与え、どのくらいのずれがあれば前後関係が正しく知覚されるかを実験すると、充分に訓練を積んだ被験者では20 msくらいのずれがあれば、前後関係がぎりぎりで判断できるそうです。

これはあくまでも前後関係を認識できるかどうかの限界です。音楽のリズムの感知はもっと微妙なはずです。

音楽(特にジャズ)のリズムは非常に微妙に揺らいでおり、僕達はそれを少なくとも1曲の間、半ば無意識に、しかし夢中になって、音を追いかけながら身を委ねます(別にリズムがドーノコーノなんか全く「考えない」)。で、時々イyェー!と叫んでしまう。ベースとドラムスのリズムは、その曲の間ずーーーーーっと連続的に繰り返し微妙に揺らいでいます。繰り返し繰り返しヒタスラ繰り返しズーーーーーーっとです。ズーーーーーっと。

凡庸なベーシストと抜きん出たベーシストではノリ(グルーブ感)が全く違います。学生の頃、たまに野外ジャズフェスに出かけましたが、通常、ロンさんやジャコさんのようなベーシストを望む事はできません。余りにベースやドラムスのノリが宜しくないと気分が悪くなるので、そのようなバンドの演奏中はそのヘンを散策に出かけました。超一流と普通の一流のビートのタイミングの違いは如何ほどなのでしょうか。一体何msの差なのでしょうか?メチャクチャ微妙だと思います。

そのような微妙な音楽を、音階の高低(周波数)によってタイミングが最大で10msも変化する状態で聴き続けると、ダンダン気分が悪くなるのも仕方ないような気がしないでもアリマセン。このような現象は、「オンシツ」の違いに集中した短時間のヒカクシチョーでは余り気になりませんが、「オト」ではなく「音楽」を聴き続けるとダンダン違和感が募ります。

あくまでも直感的にですが、音楽再生装置の低音の遅れは10msを十分に下まわって欲しいナァ。。。と思います。理想を言えばは5ms以下でしょうか。

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テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
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