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2012年12月30日 (日) | Edit |
GAMAの音量評価は今し方終了しました。ZAPも評価しようとしたところ、奥さんからレッドカードをくらってしまったので、こちらの結果は来年に持ち越しです。。。。

GAMAの結果はまだまとめ中なので、今回は評価条件を決めるための準備データをお見せします。以前データに誤りが見つかったので掲載を取りやめた記事の修正版です。

スタジオのモニタリングレベル(音量)てどのくらい? 」では、サラウンド方式においてモニタリング レベルを統一しようという動きがあった事を紹介しました。しかし、ステレオソースの場合、このへんは全く統一されておらず、同じ平均音量(例えば75dBA)で再生するには、ソース毎にアンプのボリュームを変更する必要があります。特にクラシック(オーケストラ)はダイナミックレンジが広いため信号の平均レベルが低く、一般的なジャズ/ロックのソースに比べてアンプのボリュームを相当上げる必要があります。特に超絶バスドラをレンジ一杯に収録した例の「春の祭典」では、他のクラシックソースよりも更に信号レベルが低くなっています。これとは反対に、コンプレッションを全体に効かせたと思われるマドンナのソースでは、一般的なジャズ/ロックよりもボリュームを絞る必要があります。

という事で、ステレオソースの3つのジャンルの楽曲のスペクトルを調べてみました。
図中、黄色の領域は聴覚の感度が比較的高い周波数領域(500Hz~4kHz)、グレーの直線は基準ピンクノイズ(-18dBFSrms)、赤の直線は平均的なソース信号レベルを示しています。
楽曲の最初と最後のイントロ部と無音部を除いたスペクトルを以下に示します。

ベト5第1楽章(ブロムシュテット盤)
beto5.jpg
平均レベルは基準信号に対して約-15dBです。

マイルスのハンドジャイブ
hand.jpg
平均レベルは基準信号に対して約-9dBです。ベトベンに対しては約+6dB。

マドンナのアメリカンライフ
american.jpg
平均レベルは基準信号に対して約-3dBというか殆ど同じです。ベトベンとマドンナでは実に12dB以上も異なります。

以上のように、一般的にクラシックのソースを聴く場合、同等の平均音量を得るにはジャズよりもアンプのボリュームを上げる必要があります。逆にマドンナのようなソースの場合、ジャズよりもアンプのボリュームを下げる必要があります。この事から、システムの再生可能音量を評価する場合、クラシックを基準に考えれば良さそうです。つまり、クラシックソースを十分な音量で再生できれば、他のソースは余裕で再生できるという事です。

これに従い、評価テストではベト5第1楽章を再生した際にリスニング位置において最大値(FASTフィルタ)が80dBAを超える事を目標としました。これにより、ほぼホール中央席あたりの音量を確保できる事になります。

同じベト5でも録音によってレベルが大きく異なるかもしれません。そこで、5枚持っているベト5のスペクトルを解析したところ、ブロムシュテット、フルトベングラ(モノラル)、チェリビダッケ(ライブ)、最近買った全集の中のやつ(指揮者知らない、今世紀の録音)は殆ど同じ信号レベルでした(半世紀近いスパンでホールも楽団も全く異なるにしては良く一致していると思います)。ただしカラヤンさんのだけ他に比べて約6dBも低くなっていました。下はカラヤン抜きの4枚を重ねたものです。
hikaku.jpg
という事で、ブロムシュテット盤のベト5を基準にする事にしました。

以上で、アンプの最大ボリューム位置が決まります。

上のスペクトルに見るように、西洋音楽ではジャンルに関係なく一般的に低音ほど信号強度(振幅)が高くなる(つまり左上がり)の傾向を示します。また、スピーカの振幅も低音ほど大きくなり100Hz以下では急激に振幅が増加します。このためスピーカの機械的限界は必ず100Hz以下の低音で発生します。

従って、上で決めたアンプボリュームにおいて、ブーストした低周波波形が大きく歪まない事を確認する必要があります。グライコで63Hzをブーストする場合、基本的に63Hz正弦波の歪みを評価すれば良いはずです。では、どのような信号レベルで評価すれば良いのでしょうか?

音楽ソースにスパン一杯の正弦波(つまり0dBFS)が含まれている事は常識的に考えられません。そこで比較的低音が強い楽曲パートの波形を抜き出してみました。

下の図では0dB、-6dB、-12dBFSのレンジを色分けして表示しています。グレーは全周波数の波形、赤は80Hz以下の非常に急峻なローパスを通した波形です

bet5_20121230091757.jpg
ベト5第1楽章の最後のパート(最大音圧になるところ)です。赤の振幅は非常に小さいですね。一般的に、この時代の交響曲の低周波信号はそれほど大きくありません。上のマイルスやマドンナのスペクトルと比べても分かると思います。

ron.jpg
僕のジャズコレクション中最大レベルのベース音です。ロンさんの比較的新しい録音から抽出しました。このアルバムではベースの録音レベルが異常に高くなっています。マイルス時代にひたすら地味にベースラインを弾かされた反動でしょうか?それはさておき、基音は80~90Hzであるため、80Hz以下の信号振幅は-12dB以下に収まっています。

mado.jpg
マドンナの曲から。マドンナの場合、大概の曲で45~50Hz/-12dB程度の低音ビートが通奏されます。-12dBって大した事ないと思われるかもしれませんが、40Hzまでフラットに再生すると、かなりヘビーなビートを聴けます。

haru.jpg
ご存じ「春の祭典」の最強バスドラです。全曲中、この1発だけ周波数が低く(約40Hz!)て強烈です。ローパスを通した赤の波形が瞬間的に-6dBを超えている事がわかります。こいつは強烈です。他のドラムの音はこれほど低周波ではありません(上の波形の2発目のドラムでは赤の波形が全然振れてないですよね)。今回は63Hzまでしかブーストしないので問題は生じませんが、40Hzまでフラットに再生してそれなりの音量でコイツをまともに再生するのは尋常な事ではありません。バスレフでは音量は出せてもこの強烈な立ち上がりは再現できません。

以上から、ざっと考えるに、ベト5 Max80dBAで決めたアンプボリュームで63Hz/-12dBFSの正弦波をそこそこ低歪みに再生できれば、まず大概の楽曲を問題なく再生できるであろうと思われます。-6dB信号ではブリブリとかビチビチとか、明らかに異常とわかる現象が発生しなければ、多少歪みが多くても大丈夫でしょう。

明日、大阪に発つ前にGAMA君での評価結果を掲載する予定です(あくまで予定ですけどね)。オッタノシミニ!
先に年賀状を出してしまわないと。。。。ギリギリまで忙しい。。

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