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2012年11月21日 (水) | Edit |
今回は、1989年頃にYAMAHAから発売されたアクティブサーボ方式のスピーカシステムをご紹介します。これらのシステムは、YAMAHA独自のアクティブサーボ技術(専用アンプとスピーカ別の補正回路)を採用する事により、非常にコンパクトなシステムで驚くほど超低音まで再生可能としていました。

今回は「オーディオの足跡」さんと、「オーディオ懐古録」さんの記事を参考にさせていただきました。「懐古録」さんにも貴重な情報が満載です。是非ご覧ください。

YAMAHAは1989年頃に、10cmフルレンジ型から大型のフロア型まで、この方式を採用したスピーカを数機種発売しており、かなり力を入れていた事が伺えます(社運を賭けた?)。
act.jpg
1989年頃に発売されたシステム(参照)

ミニコンポ用にこんなのもあったようですよ。。。
mini.jpg
YAMAHAさん、頑張っていたんですね。

アクティブサーボ方式は、現在もYAMAHAのパワードサブウーハシステムに採用されています。

以下、AST-S1について詳しく見て行きますが、今回の記事の焦点はアクティブサーボ方式にあるのではなく、電気/電子的にスピーカを積極的に制御する(メカトロ化する)事によってスピーカの可能性を飛躍的に拡大できるという点にあります。そこのところを是非ご理解ください。

アクティブサーボ方式の原理については、「懐古禄」さんのコチラの記事を参考にしてください。僕は原理をよく理解していません。基本的にバスレフ型を電気的に制御する方式のようです。

ast-s1.jpg
YAMAHA AST-S1 (1989年頃発売)

主な仕様
spec_20121121042142.jpg
16cmウーハー、A4サイズ、容積6Lというコンパクトな構成でで28Hz/-10dBという驚異的な低音再生を可能にしています。凄いぞ! YAMAHA!!

海外のサイトからF特図を見つけました。
ftoku y
見にくいので、周波数のスケールに色を付けています。左から304050100Hzです。40Hzまで完璧にフラットです。2次歪みが50Hzの少し手前で落ち込んでいる事から、ここが共鳴周波数だと思われます(共鳴点では振幅が減って2次歪みが低下する)。逆に3次歪みはポートの動作領域で高くなっています。これを見る限り典型的なバスレフ動作であるように見えますね。クロスオーバーが2.5kHzですから、ポート共振音や箱の定在波がポートから放射される可能性もあります。僕なら小径フルレンジと組み合わせて、150Hz以下だけウーハに受け持たせるな。。。

専用アンプに挿入したカートリッジ(右方の黒いやつ)
cart.jpg
別のアクティブサーボ式スピーカを使う場合は、このカートリッジを交換します。

黄色の部分の回路がカートリッジに内蔵されています。
circ_20121121041836.jpg
この部分でスピーカの特性に応じた最適な制御を行うという事です。

ここではアクティブサーボの原理を深追いしません。ご興味のある方は「オーディオ懐古禄」さんのコチラの記事を参照してください。

繰り返しますが、ここで僕が強調したいのは、スピーカを電子/電気的に積極的に制御する(メカトロ化する)事により、スピーカの可能性を飛躍的に拡大できるという事です。よりコンパクトに、より低音まで、より低歪みに、より安全に再生可能なスピーカを開発できます。

YAMAHAのこのシステムではアナログ的に補正を行っていますが、現在ではデジタル信号処理(DSP)を駆使してそれこそナンデモできます。YAMAHAのように、1つのアンプで複数のスピーカに対応させたい場合、DACとDSPを内蔵したアンプに、スピーカの制御パラメータやアルゴリズムを書き込んだマイクロSDカードを挿入する等の方式が考えられます。あるいはスピーカ側にチップを埋め込んでおき、Nuforceの初代ICONのようにRJ45コネクタ(LAN用のケーブル)を使ってアンプとスピーカを接続してスピーカからアンプに情報をインプットする方法も考えられます(当ブログの参考記事: NuForce Iconが示すデジタルオーディオの可能性)。僕はNuForce ICONにこの方面の発展を期待したのですが、残念ながら、その後の積極的な展開は見られません。惜しいなぁ。

でもね、低コスト/低消費電力のデジタルアンプが利用可能な現代では、業務用コンパクトモニタのようにアンプを内蔵し、さらにDACもDSPも内蔵してしまう方が現実的でしょう。もちろん無線化も! 普通の人はアンプとスピーカの相性がドータラとか気にしませんから(当ブログの参考記事: こんな装置が欲しいなぁ)。メーカさんが、それぞれのドライバに最適な電子/電気回路を設計してくれれば、それでヨロシ。システムトータルで最適化するという事です(システム インテグレーションという)。

このようなメカトロ化により、低音ブースト(方式はなんであれ)を含む特性のフラット化、ドライバの機械的特性の最適化(ドライバの素の音響特性は凸凹でも良い)、2次/3次歪みの低減、動的な過大振幅の制御、自動音場補正、位相の補正、エフェクタによるコノミの音調の選択(リバーブや真空管風味等)が可能になります。アイデア次第で他にいくらでも有効活用できるでしょう。

YAMAHAの当時の試みは真に称賛に値すると思います。そのようなアプローチが市場で正しく評価されなかった事(そうですよね。。今その進化形が無いという事は。。)が本当に惜しまれます。何がその要因であったのか、業界はよく考えて見る必要があるでしょう。そして、どこかのメーカから再びこのような製品が世に問われる事を心から待ち望みます。コンパクトに、価格はリーズナブルに(何が重要で何が重要ではないかを正しく見極めてドーデモエーコマケー事はスッパリ切り捨てる)、デザインはクールに(超重要!)、マニア用ではなく音楽愛聴者用である事を明確に打ち出し(マニアにアータラ言わせぬよう)、音楽家を始めとする一般音楽愛聴者(特に圧倒的高音質のヘッドフォン/イヤフォンで耳の肥えた若年層)の意見を採り入れる事が重要であろうかと思います。いいかげんオヂオマニアの呪縛から解き放たれた、真に高品位な音楽愛聴者用実用音楽再生装置が出てきても良いのじゃないかな・・。21世紀になって早10数年。。。ですしね。小っこくて安い装置でも、世界中が必要十分な一定水準以上の音質で聴けるようにするために。

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