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2012年11月15日 (木) | Edit |
一般的に、小容積密閉箱に吸音材をタップリと詰め込む方式は「アコースティック サスペンション」方式として知られます。この方式は、比較的小容積の密閉箱にf0の低い(つまり重くてサスペンションが柔らかい)ドライバを組み合わせて低い周波数までフラットな特性を確保する事を目的としています。この方式はAccoustic Research社により開発され、アンプ出力が十分に高くなりステレオ方式が普及しだした60年代に広まったそうです。あのマイルスやカラヤンも愛用したそうな。。。

我が国でも、前の記事で紹介したDIATONE DSシリーズをはじめとする多くのスピーカに採用されていたようです。僕も、昔はもっと密閉型スピーカが多く売られていたように記憶しています。YAMAHAのNSシリーズとか、VictorのSXシリーズとか、そうですよね。一般的に「アコースティック サスペンション型」と「密閉型」は明確に区別されておらず、同じDIATONEでも単に「密閉型」となっているモデルもあります(吸音材はタップリでもね)。まぁ、小型の密閉型は多かれ少なかれ「アコースティック サスペンション」タイプと考えても良かろうと思います。

どして今はバスレフ型ばかりなのか?僕には不思議に思えます。流行でしょうか??いつ頃姿を消したのでしょうか??ヒヨロンカがオンジョーとかナンチャラカンとか表層的オンシツ?にやたら拘り出し、デンセンで音が変わるとか言いだし、オカルト風潮(魔境化)が強まり、個性(オンガクセー??)の強い高額舶来品指向が強まった頃に一致するのでしょうか??それはバブルに浮かれた世の中の風潮の現れであったのでしょうか??業者はその方が儲かったという事でしょうか??何かウラでもあるのでしょうか??そのうち調べてみましょう。その頃の国産品はどれも凄く真面目に作られていて、真っ当な音がしそうなのに、今に引き継がれていないのはモッタイナイ気がします。コイツラが正常に進化(小型化、広帯域化、低価格化)していれば、オヂオ界も今の様相とは大分異なった事でしょう。

さて、LEANAUDIOも吸音材をタップリと充填した小容積密閉箱を使いますが、僕はこれをアコースティック サスペンション型だとは考えていません。元々のコンセプトが異なります。LEANAUDIOでは、低音増強に信号ブースト方式または100Hz以下のパワードウーハ方式を使うため、共振現象によるブースト効果は一切不要です。密閉型を使う限り、共振現象を利用しようが信号ブーストしようが、同じ音響出力を得るには同じ振動板振幅が必要です。であれば、トカクややこしい現象が生じる共振を抑えてしまえ!というのがソモソモの狙い。。。だと思います。。「と思います」というのは、全く聴感に頼ってチューニングしているうちに、約1年かかって吸音材タップリになってしまいました。。というのが実のトコロだからです。いつも理屈は後から。。。

Alpair 5を導入した当初は、Victor製パワードサブウーハを使って低音を補強していたのですが、Alpair 5をデジタルブーストした方がクオリティの高い低音が得られる事がわかったため、サブウーハを撤去して馬鹿ブースト方式に完全に移行しました。最初は吸音材を3面にはり付けただけでしたが、仕事しながら馬鹿ブーストで聴いていると時々低音(といっても限界の超低音ではない)がブオ気味(なんか緩い感じ)にズッコケル時があり、そのような現象を嫌って徐々に吸音材を増やしているうちに、約1年かかってとうとう満杯状態になりました。。。というのが経緯です。ケロもTONOも、聴いているウチにだんだん吸音材が増えて、結局今は満杯状態です。

という事で、今回は、LEANAUDIOでの吸音材の効果を例によってシミュレーションと実測で検証してみます。

いつものシミュレーションですが、このプログラムでは密閉箱の吸音材の量を設定できません。そこで、「バスレフ」モデルを選択し、ポート径を0.001mmに設定する事により、密閉型をシミュレートしました。このモデルで「吸音材なし」に設定した結果と、通常の「密閉」モデルを使った結果は、「完全に」と言ってよい程一致する事を確認済みです。

以下の図では、全て黄色が「吸音材なし」、色付きが「吸音材多め」です。

Alpair 5 2.5L密閉
A5.jpg
Alpair 6M 2.5L密閉
A6_20121115084733.jpg
Alpair 10 4L密閉
A10_20121115084732.jpg

このシミュレーションの吸音材「多め」というのが、どの程度の充填率に相当するのかは定かではありませんが、上の結果から、吸音材を増やすと共振(インピーダンス)ピークが緩やかになり、全体的に分布が低周波側へ移動する事がわかります。共振部では、小さい信号でも振幅が増えるため(つまりブーストされるため)、一般的な密閉型ではこれを利用してロールオフ周波数を低周波側へ延ばす事ができます。吸音材を増やすと、共振ピークが低くなり、共振領域が低周波側へ広がるため、ロールオフ開始領域の出力は低下しますが、減衰が緩やかになるため、非常に低い周波数では逆に出力が増加しています。また、位相の遅れ変化も減少している事がわかります(これは今回の新しい発見)。

次に実測結果です。

赤が吸音材なし、青が吸音材タップリです。全て2.5Lポチ箱での結果。
Alpair 6P
631_20121115091809.jpg
Alpair 6M
630_20121115091810.jpg
Alpair 5 (赤は吸音材を3面にはっただけの状態)
539_20121115092550.jpg
概ねシミュレーションに一致していると言えるでしょう。

このように狭い周波数領域で発生する鋭い共振現象のピークを抑えて広くなだらかに分布させる事により、一部の周波数で感じられた聴感上の違和感が薄まるのではないかと、僕は考えています。そのうち波形解析で確認してみましょう。

と。。。今日はココまで。。肝心のアコースティック サスペンション方式については、マイルスも使ったというAccoustic Research社の名機AR-3aのデータを基に考察を加えたいと思います。オッタノシミニ。。。

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