FC2ブログ
2012年07月25日 (水) | Edit |
雑誌ネタが続きます。

例えば写真雑誌では、毎月新型機種を取り上げ、大学かどこかの機関に依頼して計測した非常に正確なデータを含むレポートを、もう何十年も継続して掲載しています。また、そのような計測で見つかった問題点は包み隠さず公表し、それに対してメーカーから得られた回答もレポートに掲載しています。僕の目から見ても、そのようなデータは、多くの一般ユーザにとって最早ほとんど意味が無いようにも思えます。しかし、それは、工業製品を客観的に評価して読者に正確で公正な情報を伝達するという、創刊以来のジャーナリズムとしての責任をしっかりとワキマテイル事の現れとして、僕には非常に好ましく感じられます。そのような何十年にも及ぶ地道なデータの蓄積は、写真工業界にとっても貴重な財産となるでしょう。

さてオーディオ雑誌ですが、やはり工業製品の評価を主たる内容とする雑誌でありながら、何故そのように客観的データを忌み嫌うのか?これは大きな疑問です。

「データでは音は伝わらない」。。。とかなんとか申しますが、ヒヨロンカのその場その時の主観的/感覚的コメントだけで「音」とやらは十分に伝わるのでしょうか??その場その時のヒヨロンカの心理状態、健康状態、その他諸々の拘束条件(シガラミ)を、我々に知る術はありません。

彼らは一体どうのような訓練を積み、どのように優れた聴覚を持ち、どのような音楽的素養を持ち、どのように的確な表現力を持ち、そしてイッタイゼンタイその能力を誰によって認められた者達なのでしょうか?認定された資格でもあるのでしょうか?(コーヒーとかでも鑑定士の資格がある)?権威のあるコンテストで認められたのでしょうか?(ソムリエの田崎さんとかみたいに)?彼らは関連する全ての営利団体から全く自由で独立した全く利害関係を持たない公正な立場にあるのでしょうか??何故、彼らはそれほどまでにブラインドテストを忌み嫌うのでしょうか?????(通常、鑑定(テイスティング等、いわゆる感応評価)はブラインドが常識です。聞き酒でもそうでしょ)。

彼らは一体全体どのような音響特性を持つ環境で試聴してそのコメントを書いたのでしょうか?(音楽再生において部屋の影響は絶大です)?どのようなサイズの部屋なのでしょうか?どのような位置関係で聞いたのでしょうか?どの程度ライブな部屋なのでしょうか?定在波によるディップやピークは無かったのでしょうか??再生音量は毎回揃えているのでしょうか???毎回、どの程度条件を揃えて試聴しているのでしょうか(スピーカの位置が少し変わっても音は随分変わるよね)??彼らが新型機のレビューの中で言及している彼らの記憶に残る旧型機種や他機種の印象は、果たして厳密に同じ環境で試聴されたものなのでしょうか???随分細かい事を言うようですが、技術が成熟して装置間の差(コセイ)が黎明期に比べて微小化した現代において、彼らはそれほど細かいチガイをキキワケテ製品を評価しているのですから、評価環境もそれに合わせて厳密であるべきなのは当然です。そして、その時の試聴環境条件を示す計測データを必ずコメントに添付すべきでしょう。

実際、雑誌には随分散財させられたというユーザの苦言も聞かれます。本当に読者のためを思うのであれば、そのような感覚的/主観的評価を補足するために、出来うる限りの客観的データと、それらの情報を正しく理解するための知識を継続的に読者に提供すべきであると思います。

一例として、ダミーヘッドを使ったバイノーラル録音によるデータをCDで添付するくらい今時造作ないはずです。この方式は、完全ではないにしろ現在最もリアリティのある音響(音場)記録/再生方式として、各種のプロフェッショナルな研究/開発分野で使われています(参考記事:自動車開発分野におけるバイノーラル録音の実施例)。そしてイヤフォン/ヘッドフォン再生は、現在一般ユーザが手に入れられる最もクオリティの高い音響再生方式です。

この方式を使って厳密に一定の条件でホワイトノイズとサンプル楽曲の再生音を録音し、それを継続して蓄積すれば、貴重な音のデータベースにもなるでしょう。数年前の旧モデルとも全く同じ条件で比較試聴できるでしょう。簡単に切り換えて比較試聴できるため、大規模なブラインド評価にも極めて有用です(上の実施例では、そのように多数のブラインドテストを実施しました)。また、試聴室で生演奏をステレオ録音とバイノーラル録音し、それを装置でステレオ再生してバイノーラル録音すれば「原音忠実度」も読者に伝える事ができます。もちろん、そのようなデータは判断材料として完全ではありません。そもそも完全に伝えられる手立てはこの世に存在しません。しかし、どれほど信用して良いのか、極めてあやふやなヒヨロンカの主観的/感覚的コメントや記憶を補完する上で、極めて有用な情報となるでしょう。それらの情報を基にどう判断すべきかは読者に委ねれば良いでしょう。データが嫌いな読者はヒヨロンカのコメントだけ信じれば良いのです。

つづく

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
関連記事
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック