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2012年06月19日 (火) | Edit |
前の記事で紹介したTA2024を使った各種の超小型デジタルアンプは、非常に安価で小さいのに音質が良いため、内外でかなり話題になったようです。消費電力が非常に低いため電池駆動が可能である点も、電源に拘るマニアごころをくすぐるようでもあります。「Sonic T-Amp」「TA2024」「Dayton DTA-1」等で検索すると、ユーザのレビュー等が多数ヒットします。「アンプの価格について再考を迫られた」ってな方も少なからず居られるようです。最近、雑誌のオマケのアンプが話題になったりもしましたね。まあ、音響アンプなんぞはローテクの部類に属するのでしょうが、根っからの機械屋であるハチマルは電子技術の留まるところを知らぬ進歩に驚嘆するばかりです。

またまた、熟々と考えた事を、何回かに分けて書いて見たいと思います。今回は、その序章です。

まず、最も基本となる概念として、ハチマルがエンジン開発業務を遂行する上で常に念頭に置いていた曲線をご紹介します。仮にこれをM曲線と呼びます。
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横軸は開発にかかる労力、時間、費用等に相当し、縦軸はその成果を現します。ハチマルの知る限り、技術開発に限らず、特定の目的を持った人間の行動(プロジェクト)は、大概、このような傾向を示します。つまり、ある程度のレベルまでは、問題のホンシツを見抜いてズバッと切り込めば、さほど苦労せずとも短期間で大きな成果をあげる事ができます(黄色の領域: イエローゾーン)。しかしそこから先は、いくら頑張っても、費用と時間がかさむばかりで、成果は遅遅としてあがりません(ピンクの領域: ピンクゾーン)。これをブレークスルーするには、周辺技術(例えば材料技術、例えばCPU計算能力)の革新的進歩が必要であり、今現在の技術レベルでは飛躍的に改善するのは困難という行き詰まり状態です。従って、イエローゾーンは世の中の総合的技術水準の進化にともなって拡大します。また、ZAP君の開発終結は、システムとしてイエローゾーンをほぼ達成したという判断によるものです。

システム(例えばエンジン、例えばオーディオシステム)は、多数の技術要素から成り立っており、当然、各技術要素ごとに、M曲線に従います。開発屋さんはサイエンティストとは異なり、如何に時間と費用をかけずに、より良い物を世の中に提供するかが勝負です。そうすれば会社が儲かるという事ではなく、世の中に対するひとりひとりの技術者の基本的責務であると言って良いと思います。端的に言えば、より良いものをより安価に世の中に提供する事により、世の人々の幸福により貢献するために日々精進するのが技術屋さんだと言う事です。にもかかわらず、身勝手で偏狭な理想をツイキューして、1つの狭い技術領域のピンクゾーンにいつまでも拘泥し、システム内でイエローゾーンがぜんぜん未達の技術要素があるのに目もくれないために、本来容易に達成可能であるはずのシステム全体の性能向上(すなわち世の中への貢献)を妨げるだけでなく、徒にコストを増加させてしまう(すなわち、その代価をユーザに負わせる)事は、世の中に対して犯罪に近い行為であると言え、技術屋として最も忌み嫌うべき行為であると言えます。

つまり、下図の左の丸の状態で製品を世の中にリリースできるはずであるのに、アホなエンジニアのために右側の状態でユーザに製品を押しつけるのは犯罪に近い行為だと言う事です。業界の中の1社だけがアホな事をやっても、その会社が潰れるだけで問題ないのですが、業界こぞってこれをやられると悲劇です。
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さて、オヂオ業界はどうでしょうか? より高い(本当の意味での)音楽再生クオリティを、より安価に、よりコンパクトに、誰にでも、何も知らなくても容易に最善の結果が得られるように提供する事にマヂメに取り組んでいるでしょうか? やたら趣味的/微視的/表層的なナンチャラカンばかりを追いかけ回し、未だにマトモナ低音をリスナの耳に届けるには巨大で高額な装置を強要し、それとて現実的な実用状態ではどの程度正しく機能するのやら甚だ怪しく、あるいはまともに機能させるにはユーザに多大な投資と知識と経験と努力を要求するのが現状です。そんな家電製品今時アリマセン。

ただ音楽を真っ当に聴きたいだけの一般音楽愛聴者に「マトモニオンガクキクナラヒャクマンエン」? アホカ! コロスゾ! とハチマルが激怒するのは、そういう事です。よくまぁ、ぬけぬけと。。。この時代に。。

次回から本題に入る予定です。

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ジャンル:趣味・実用
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