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2011年12月29日 (木) | Edit |
エフェクタの3回目。最終回です。
今回は、Frieve Audioが備えるその他のエフェクタについて書きます。最後に「まとめ」も書き加えました。

1) ステレオコントローラ
stereo-1.jpg
これは純粋にリスナ用に作られたものだと思います。

上段の4本のスライダを調整する事により、センターと左右のレベルを自由に調整できます。上の図はセンターを強めて左右を弱めた状態です。逆に左右を強める事もできますし、強める範囲も自由に調整できます。僕はこの機能を使用しません。

重宝しているのが最下段のスライダです。これでステレオ音場の拡がり具合を調整します。
stereo-2 copy
100%で通常のステレオ、0%でモノラルです

スタジオ録音されたジャズ等をヘッドフォンで聴いていると、完全に片方のチャンネルだけに割り振られた楽器が聴き辛くなります。そのような場合、音場の拡がりを狭める(100%より小さくする)と聴きやすくなります(上図の最上段)。0%にすると完全にモノラルになります。スライダをさらに左へ移動してRとLを反転する事もできます。Frieve Audioの「マトリクス」機能を使っても同じような事をできますが、ステレオコントローラではスライダひとつで調整できるので、とても便利です。

スライダを100%よりも右に移動すると、音場を通常のステレオよりも拡げる事ができます(上図の最下段)。原理はよく分かりません。一方のチャンネルの位相を反転した成分を他方のチャンネルに混ぜる等の処理をしているのかもしれません。ZAP君はスピーカの左右間距離が狭いので、交響曲を聴くと若干窮屈に感じるのですが、このエフェクタで適度に拡げてやると具合良く聞こえます。僕は人工的に演出されたステレオによる空間表現を嫌います(聴覚による不自然な空間認識を強いられたくない)。この方式だと、もともとスピーカの配置が狭いので空間表現(定位)は曖昧なまま、なんとなく音がぼやっと左右に拡がるので僕には丁度良く聞こえます。

2) コンボルバ
Frieve Audioにはエフェクタ以外に「コンボルバ」という機能が備わっています。これは、実際のホール等で計測したインパルス応答に基づいて残響音を付加する機能です。リバーブを使用するよりもリアルな残響効果が得られるのかもしれません。しかし、通常我々の手元に届く音楽ソースには、録音した実際のホールの残響音なり、スタジオでエフェクタやコンボルバを使用して付加された残響音が既に含まれているわけですから、リスナ側でコンボルバを使用する事には疑問を感じます。

コンボルバを使用するには、実測されたインパルス応答のWAVファイルをダウンロードする必要があります。世界中の著名なホールのデータも入手できるようですが、それらは有料です。無料のを見付けて使って見ましたが使い物になりませんでした。

例えば、理想的に整えられたリスニングルームのインパルス応答をバイノーラルで計測したものを使えば、ヘッドフォン再生に利用できるかもしれません。

3) まとめ
Frieve Audioで使えるエフェクタは以上です。7.1チャンネル サラウンドの各チャンネルの位相調整やレベル調整機能も備わっています。さらに、例の超高域音付加機能(HSC)や、アップサンプリング/ダウンサンプリング機能も使用できます。しかし、自動音場補正が可能な「イコライザ」こそが、「音楽再生クオリティ」の面で最も重要で最も基本的な機能である事は言うまでもありません。これらはは全て64bit分解能で内部処理されます(ソースは192kHz/32bit WAVまで対応)。しかも、このように高機能/高性能でありながら、2chステレオ再生であればAtomプロセッサ搭載の非力なPCでも、全ての重要機能が十分に作動します。このようなソフトウェアがたったの3,200円。ダウンロードはコチラ

このソフトウェアの最初のバージョンは2005年にリリースされていますが、世間で大して話題にも登らないし、正当に評価されているようにも思えないのが残念です。単なる再生ソフトウェアとして、たまにオーヂオ雑誌で小さく記事が載るようですが、その真価が全く読者に伝えられていません(オンシツはロック向きだとか、アホみたいな事しか書かない)。ナンチャラ感やカンチャラ感ではなく、真っ当に「音楽」を楽しみたい方には強力にお薦めします。是非お試しくださいませ。ホンマニ

PCはどんどん高性能化するでしょうし、ソースはハイレゾ化するでしょう。そうすると、DSPによる音質劣化も少なくなるため、ユーザ側でのエフェクタ使用というのも今後は普及するかもしれません。オリジナルのDSPプラグインを自作(プログラミング)するような新しいタイプのオーディオマニアが現れる可能性もあります。電線や真空管トッカエヒッカエのかわりにアルゴリズムとパラメータをチョメチョメ。。やってる事は全く同じです。ハードでやるかソフトでやるかの違いだけ。ただソフトでやった方がお金もかからないし、無駄なブツも増えない消費しない。

キチガイじみた高度成長期を体験した僕達オヂサン世代とは異なり、最近の若者はブツに対する執着や憧憬が希薄だと言われます。僕は時代の流れに則した自然な傾向だと思いますよ。僕達大消費時代を経験した日本人のブツに対する執着が異常だと考えた方がヨロシイカト思います。同世代の欧州人に比べると、日本人は必要以上あるいは分相応以上にデカイの高価なのを持ちたがる傾向は明らかです(僕も若い頃はロレックスデートナとかフェラーリ348が欲しいとかマヂで思った事もあるよ)。ケーザイは成長し続けるものというオッタンの論理はモハヤ通用しませぬ。オッタン達の勝手な思惑とは関係なく、時代は既に大きく舵を切っています。

それはさておき、何度でも言いますが、「音楽」を真っ当に聴こうと思うなら、音を好みに合わせて好き勝手にイヂル以前に、システム全体(ソースからリスニング位置まで)の基本中の基本的な物理特性(F特と位相)を必要十分なレベルで達成する事がまず重要です。何故ならば、そうする事によって「アーチストさんがやらはった事」をより明確/正確に聴き取ってより深く楽しむ事ができるからです。これマヂホント。。音楽で癒されたりとか、音楽で野菜や家畜が育つような、そんなレベルの「ゴリヤク」みたいなのを求めるのではなく、「音楽」をとことん楽しみたいのであれば、これは全く当然です。今時PCがあれば誰でも簡単に計測できます。マイクなんか絶対精度を求めないならパソコン用でも十分です。音楽再生をツイキューするマニアを自称するのであれば、最低限の計測は極めてアタリマエであると言えましょう。雑誌では計測方法とか紹介しているのかな??

モチロンそれが全てだとは決して申しません。しかし、それは表現者が世に問うた状態であり、鑑賞者がまず尊重すべき状態であり「基準」である事に異論を挟む余地は無いはずです。それを知った上でイヂルのと、端から無視して全く好き勝手イヂルのでは雲泥の差があります。ナンチャラ感やカンチャラ感を求めてエフェクタをイヂルにしろ装置やアクセサリをトッカエヒッカエするにしろ、基準状態に対して自分は一体何を、どうのような方向で、どの程度イヂッテいるのかを(つまり自分は一体全体ナニをやっとるのかを)ある程度認識しておかないと、泥沼の富士の樹海を一生グルグルと彷徨い続ける事になるでしょう。彷徨っている事を本人が自覚した上で楽しんで彷徨っているなら、まあそれはそれで本人は幸せかもしれませんが。。。。

最近のこの業界では「ブツリトクセーはジューヨーではない」という風潮があからさまに見られます。「ブツリトクセーを重視して設定したのでは「オトガツマラナイ」云々。。」と堂々と宣う専門家すらいます(彼らは例外なく「オト」と言う。「オト」が○△×。。。「オト」が※◎◇。。「オンガク」はどうなのよ?)。しかしそれは、そのオッチャンの個人的な音楽の聴き方/接し方/音楽に対する価値観に基づくそのオッチャンの個人的感想を述べたに過ぎません。そのオッチャンにとっては「ツマラナイ」というだけです。社会に対して全く責任を負わない一般ユーザがこれを口にする分には全く問題ありません。しかし「音楽を大衆に伝達する装置」を扱うプロフェッショナルとして社会的責任を負い、広く一般ユーザに影響力を持つ立場の人間は、口が裂けてもコレを言ってはならないとハチマルは思います。何故ならば、これを言った瞬間に、オーディオ装置が本来担うべき第1の目的「表現者から鑑賞者への音楽の伝達」が根底から危うくなるからです。

何ら責任を負わない趣味のマニアと、社会的責任を負うべきプロフェッショナルの立場は全く異なります。それを職業とすると言う事は、社会に対して責任を負うという事です。「まあ、本職さんはあんな事を言うてはるけど、オイラはこの方が楽しいから好きにやるわ」とユーザが好き勝手に楽しむのには全く問題ありません。どこの業界でもそうです。しかし、本職さんや評論家というのは、常にユーザより高い見地に立って「基本はこうなんだよ。好きにやるのも良いけれど、大切な基本の事もしっかりわきまえて楽しんでね」と啓蒙する事を怠ってはならないはずです。それが玄人さんというもの。「楽しければ良い」で済まぬのが玄人さんの辛いトコロであるはずです。にもかかわらず、その玄人さん達がこぞってマニアと一緒になって(というか率先して)、好き勝手に遊んでしまうと、これはもう業界全体が魔界へと突き進むしかありません。本来の目的が疎かにされ、誰も抑制しないんですから無法地帯と化すのは当然です。

「音楽」は表現者が命懸けで世に問うた尊いものです(と、声高に言うと恥ずかしくなるような現在の音楽界ですが、トモアレ)。オーディオ装置とは、マニアが最終的にそれをどう使おうが関係なく、その音楽を大衆に伝達するための装置です。「芸術」を尊ぶ社会的風潮が衰退するのは恐ろしい事です。そんな事では良い作品も出てきません。

マニアの狭い領域だけでそれをやっているのなら、まだ問題ありません。しかし、業界の専門家に率先してソレをやられると、割を食うのがオーディオに趣味性をさして求めず、ただ「音楽」を真っ当に聴きたい一般「音楽」リスナです。だって、根幹的音楽再生クオリティの部分で装置が全然進化しないのに、やたら高価でデカイ。恐竜ですよね、こうなると。。。普通、進化しないのであれば周辺技術の進歩によって性能を維持したまま年々価格が下がるか、小型化します。同じ価格であれば、年々基本性能なり機能性が向上します。他の業界の製品を見れば一目瞭然でしょ。ブツとしてのソンザイカンたらショユーする喜びたら言うのは、それを趣味とするマニアの論理/価値観であって、我々一般リスナにはソンナモン通用しません。

ということで最近の一般リスナはヘッドフォンに走る。コチラの分野は最近すごく活気がありますね。新製品もどんどん出るし、正常に進化してるようにも見えますし、低価格で良い品も多いようです。新規参入メーカも多いのではないでしょうか。一般リスナ向けオーディオの主流は既にそっちにシフトしているように思えます。場所取らないし、アンプとかのデザインもコンパクトでクールだし、周囲に気兼ねしないし、何処ででも聴けるし、ハイエンドでも価格はリーズナブルだし、オンナノコが付けてると可愛いし、エラソーなマニアのオッチャンもいないし、何よりも、苦労せずに圧倒的に良好な音質(再生クオリティ)が得られるし。彼らは普段からシッカリとしたクオリティの音楽再生(例え圧縮音源であっても音楽の構造的再生クオリティは高い)を聴いているので基本的に耳も自然と肥えているでしょう(デンセン聞き分けるナンチャラ感の耳ではないよ)。そいういう人達にこそ、スピーカ再生用にFrieve Audioを試してみて欲しいな。それとコンパクトな非接触型ヘッドフォンLEANAUDIO方式もね。

従来はスピーカシステムがメインであって、音量を上げられない時に仕方なくヘッドフォンを使うというのが一般的な使い分けでしたが、この関係は逆転しつつあるように思えます。つまり、普段真剣に聴く時はヘッドフォンを使用し、装着に疲れてBGM的に聴きたい時、家事や仕事等で動き回らないといけない時、誰かと一緒に聴きたい時にコンパクトなスピーカシステムをサブ的に使うという具合です。最近ハチマルも慣れてきたのか、ヘッドフォンの使用比率が徐々に増えています。周囲に一切気兼ねしなくて良いのがアリガタイ。ヘッドフォン再生でもFrieve audioは大活躍してくれますよ(イコライザによる低域補正はモチロン(Sonyのは低域出過ぎなのでフラットに削る)、ステレオコントローラと微妙なリバーブはヘッドフォン再生で特に効果的です)。

ソースの方もヘッドフォン用とスピーカ用の両方でリリースして欲しいなぁ。。ソロソロそいう時代じゃないかな?

追記
Frive Audio (Mクラスではない)を息子のEeePC (Windows 7)にインストールしてみましたが、問題無く動作しました。今度はMクラスをインストールしてみて完全動作するか確認してみますね。Frieve Audioは2007年以来アップデートされていないので、今後のOSの進化にどこまで対応できるのか、そろそろ不安になってきました。

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テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
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