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2011年03月05日 (土) | Edit |
以前から一度測ってみたかった普段聞いている再生音の音圧レベルを測定してみました。

騒音計はコチラを使用。
699.jpg
ちょっともったいないかな?とも思いましたが、5K円を切る値段をみてポチしてしまいました。日本国内の公式な騒音計としての仕様は満たしていませんが、米国の規格には合格しており個人的に使用する分には全く問題ないでしょう。iPhoneまたはiPod Touchをお持ちの方なら、こんな大層なモノを購入しなくても騒音計アプリを利用できますよ(精度は?ですが目安にはなると思う)。

で、問題となるのが、実際のフルオーケストラの音圧レベルが一体どの程度あるのか?という点です。今までに見つけた情報では、大音量時に85~95dB(瞬間最大では100dBを超える事もあるらしい)という程度の情報しかなく、どの位置で測定したのか(大概は指揮者位置、ステージ上、ステージ直前の近距離での測定値らしい)も、正確な測定条件も全く明記されていませんでした。そこでネットでいろいろ検索したところ、この記事を見つけました。詳細はそちらをご覧ください。

この記事では、ベトベン5番第1楽章の生演奏を最前列中央席と後方のホール中央席の2箇所で測定しています。これは非常に貴重なデータだと思います。しかし、残念な事に重み付けなし(FLAT)で測定したピーク値しか掲載されていません。これらの値は、他のどのような測定を行ってもこれより大きな値は絶対に測定されないと言える値であると考えるべきです。

測定値を見ると、全周波数のピーク最大値(すなわち生(FLAT)音圧波形の瞬時実効値の最大値)が最前列で106.7dB、ホール中央で89.9dBとなっています。後の席では音圧レベルが15dB以上も低下しているのには驚きました。

通常の騒音計では、125ms(FAST)の時間重みとA特性またはC特性の周波数重みを適用した「時間重み付きサウンドレベル」を計測します。つまり上記の単純な全周波数の音圧波形ピーク値よりは必ず低くなります。最前列席で測定された106.7dBというピーク値は、上で言っている「瞬間最大では100dBを超える」という意味に対応すると思われます。スペクトルを見ると、当然ですが低周波数に強い音圧を持つ左上がりの特性になっており、特に低周波数の重み付が小さくなるA特性では大幅に騒音レベル値が低下します。従って、このスペクトルデータと照らし合わせても一般に言われるステージに近い位置(指揮者位置、ステージ直前)で85~95dBAというのは、ほぼ妥当な線であると思われます。また、ホールのサイズや反響特性にもよりますが、後方の席では音圧レベルが相応に低下すると考えられます(上の-15dBが真だとすると70~80dB?、さすがに-15dBは大きすぎるように思われるが、スペクトルを見てもA特性に大きく影響する1kHz以上での低下が大きいので、dBA換算でも10dBかそれ以上は確実に低下していると思われる)。

下に周波数重み付け特性を示します。上記の参考データはFLATで計測されたものです。
698.jpg

ではでは、ということで僕のデスクトップシステムで再生音の騒音レベルを測定してみました。
音源はブロムシュテッド指揮のベトベン交響曲第5番第一楽章のうち、音圧が最大になるエンディング部です。
バイノーラル録音をご試聴ください(30Hzフラットの馬鹿ブー、ボリューム位置は12時、距離50cm):
bet5 end

アンプ(Icon AMP、定格24W)のボリューム位置ですが、デジタルオーバーフローを避けるためにFrieve Audioでベースレベルを-12dBした状態で、時間帯と気分に応じて10時~1時で聞いています。録音レベルの低いソースでも1時以上に上げる事は絶対にありません。
測定結果は以下の通りです。5回程度繰り返し再生した時の最大値(ホールド機能あり、ピーク値ではない)です。アンプのボリューム位置は全て12時です(交響曲を気合いを入れて聴く時の標準位置)。

距離50cm A特性: 79.7 dBA
距離50cm C特性: 84.6 dBC
距離200cm A特性: 77.0 dBA
距離200cm C特性: 81.6 dBC

信号が正弦波の場合、ピークレベル値と最大騒音値では3dB異なるとされます。バースト信号の場合はもっと差が大きくなります。ホール中央部で計測されたピーク値が89.9dBですから、その最大騒音レベルは少なくとも86.9dBよりも低いと考えられ、さらにFLATからC特性への換算によって多少値が低下するはずです。この事から考えても、上記の50cm位置で84.6dBCという結果はホール中央部での音量に非常に近いと思われます。

以上から、僕の日頃のリスニング条件の範囲でも、ホール中央席で聴くフルオーケストラの音圧とさしてかけ離れていない音量が得られていると推測されます。これはチョット意外でした。さすがにカブリ付きでの音圧は無理ですが、爆音派ではないので僕には十分です。というかこれ以上の音量で聴くのは苦痛です。なお、僕の部屋ではリスニング位置が50cmから2mに離れると音圧は約3dB低下しています(無響室や広いリビングならもっと激しく低下する)。これも部屋の音響特性によりますが、一般的に音圧一定とした場合、距離が離れればそれだけパワーをかける必要があります。小さなパワーでも耳元で十分な音圧を確保できるのがニアフィールドリスニングの強みです(僕の小さな部屋でも、50cmから2mに離れるだけで、同等音量を得るには2倍のアンプ出力が必要です)。

追記1
今回ご紹介したデータはもう1つ貴重な点を示しています。すなわち、ステージから離れると2kHz以上の高域音のレベルが顕著に低下するという事です。通常、レコーディングは近接マイクで録音されるので、ステージかぶりつきで聞く状態に近いと言えます。しかしこれだと高域がきつく聞こえる場合があるため、特にフルオーケストラ曲では高域を多少落とした方が聴きやすくなる場合があります。

追記2
今回驚いたのは、後方の席ではフルオーケストラでも最大音量で80dBAをちょっと超えるか超えないかといったレベルにしか聞こえないという点です。何も指揮者の気分になる必要はないので、最大ピークが100dBを超えるような爆音で再生する必要は全く無かろうと思いました。だいたい最前列というのは音楽を鑑賞する際にベストな位置だとは思えませんし、ホールも中央を中心にできるだけ多くの人が最適に聴けるように設計されているはずですよね。大音量嫌いの僕はコンサートでも映画でもやや後ろよりの席を選びます。それでも映画館の音は必要以上にデカイと感じますけど。

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