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2011年01月07日 (金) | Edit |
僕がビートルズをきっかけに音楽に真剣に興味を持ち始めたのは中3になってからです。それまではガチガチのメカ好き理系少年でした。

その頃から自動車エンジニアを目指していた僕の購読書は、自動車雑誌各誌と「初歩のラジオ」等の電気趣味?の雑誌でした。真空管の短波受信機を自作してBCL(死語?)なんかも楽しみましたね。オーディオにも興味があり、時々雑誌を購入する他は書店でよく立ち読みしました。その頃のオーディオ雑誌は非常に基本的で重要な技術的知識を親切に解説しており、技術少年にも楽しく読めました。部屋の音響特性の重要性、バスレフ型スピーカーが抱える問題点、ステレオ方式の原理等、懇切丁寧に解説していたように記憶しています。その頃身につけた基礎知識が今になって非常に役立っています。

で、当然自分の「ステレオ」が欲しくなるわけです。当時はオーディオ業界華やかなりし頃で、新たに参入するメーカーも多く、様々な機種や新機軸が市場を賑わしていました。若年層向けの低価格のコンポでも各社凌ぎを削っていたように記憶しています。松下(テクニクス)がオーディオ業界に殴り込みをかけたのもこの頃だったと思います。電気屋さんで各社のカタログを集め、スペックを比較しながら友人とアーデモナイコーデモナイと、買えもしないのにアホみたいに真剣に議論したりとか。まあ、小学生の頃のドイツの戦車とソ連の戦車のどっちが強いとか、ゴモラとキングギドラのどっちが強いとかの言い合いと同じようなレベルでしたが。

いよいよどうしても欲しくなり、親との交渉に入るわけですね。アノテコノテでアプローチし、とうとうテクニクスだかオーレックスだかの一番低価格のセットを誕生日に買ってもらえる事になりました。しかし、やったぁ!と喜んだのもつかの間。。。「で、いったい俺はナニを聴きたいんだっけ?」と冷静に考えると、当時まだビートルズの洗礼を受けていなかった自分には、立派なオーヂオ装置で聴きたいような音楽が無い事にフト気付きました。映画音楽? ポールモーリア? 歌謡曲? 別にソンナモン聴きたくもないし。。。アレ?アレレ?と一気にオーヂオ熱は急速冷凍。そのかわり10段変速のサイクリング車を買ってもらう事にしました。当時はロードレーサーなんて高嶺の花だったので、ショップ オリジナルのランドナータイプのタイヤを細身の1-1/4、泥よけとキャリアは全部なし、ギアは超クロス、サドルはカチカチのプラ製に変更してもらってお安くロードレーサー風にカスタマイズ(お店のオッチャンが快く改造してくれ、外した部品代も引いてくれた)。これは良い決断でしたね。中高生の頃にこいつで大阪から峠を越えて奈良や吉野を走り回って鍛えたおかげで、就職してから結婚するまでの間、自転車のロードレースを存分に楽しむことができました。高校の時は写真部だったけど、持久走では野球部以外には負けませんでしたし。5年前に100Kマラソンを完走できたのも、あの頃鍛えた下地があったおかげかと。。。話が脱線してしまいました。

さて、その1年後にビートルズに目覚めます。そしてマイルスからジャズへ、親父のレコードからベートーベンへと。。そうすると、あんなに欲しかった装置など全く眼中になくなり、お小遣い、誕生日、クリスマスは全てレコード代とカセットテープ代に。親父の4chステレオでテープにダビングして語学学習用のモノラルラジカセでひたすら繰り返し聞きました。このビートルズ体験は僕にとって非常に重要だったと今でもつくづく思います。それまで機械や電気等、科学技術系にしか興味が無かった僕に全く異なる世界の見方を教えてくれたのはビートルズです。これをきっかけに音楽だけでなく文学を含むアート全般への興味が一気に深まりました。芸術に触れる際に「理性を後退させる」自分独自の方法を身に付ける事もできました。この時ハチマルは「モードチェーーーーンジ!」と叫ぶ。というのは嘘で、シューーーという感じで、要らぬ理性や知識を消し去るのよ。高校生の時、シュールリアリズムの絵画に一時期強い興味を持ち、古本屋で買い集めた画集を片っ端に眺めていた時に突然このコツをつかみました。今では無意識にできます。写真を撮る際も当然モードチェーーーーンジするので、他人から見ると意味不明な写真しか撮れないし(それでもナニカを感じてくれるヒトはこの世の中に居るらしいと確信できたのは大きなコンテストに引っかかったり(僕の大好きな天才アラーキーに選んでもらったコトもあるぞ!)、メーカーギャラリのセレクションに通るようになった最近10年のコト。今は休止中)。。文学を読む際にもモードチェーーーーンジしてしまいます。だから作家の深奥の世界観なり人生観なりのエッセンスだけを楽しんでストーリーは忘れてしまうので、何度でも同じ本を読み返す事ができます。音楽を聴くのと同じような感じかもしれません。なので当時から何度も読み直しているボロボロの文庫本がたくさんあります。

それらの全てのキッカケがビートルズ体験であったような気がしてなりません。

と。。。長々と書いて来ましたが、何を言いたかったんだっけ。。。

これから音楽に夢中になるかもしれない若い人達には、最初っからあんまりオーヂオマニア的な音楽との接し方をして欲しくないなぁ。。という事かもしれません。「音楽」ではなく「音」ソノモノや「装置」ソノモノに意識が行き過ぎるというか。。自分なりの音楽や芸術との接し方をしっかりと身に付けてからオーディオ趣味に凝るのは良いと思うのですが。

そういう意味でも、低音までアタリマエに再生してくれるマトモな音楽再生装置が、誰でも安価に何も知らずにポンと買えるようになることが重要だと思うのですよ。ハチマルは。まあ、今はiPodと高性能なイヤフォンがあるから、それで十分と言えばそう言えなくもないかもしれないですが。音場が前方に展開しない事なんかゼンゼン重要だとは思いませんし。ただ耳の健康にだけは気を付けてね。と

あの時コンポを買ってもらっていたら。。。本当に音楽に目覚める以前に、「買った装置で音を出すためにオーヂオ雑誌の推奨盤を買う」というような音楽との接し方を始めていたとしたら。。。と考えると自転車を買ってもらった事が賢明であったと思えてなりません。

うちの息子が中2なので、その当時の自分を思い出してフトそう思いました。

追記
同じ頃、アマチュア無線の勉強もしていて、いよいよ試験申込書を書く段になってから「で、開局したとして、見ず知らずのオッチャン達とイッタイ何を話すんだっけ?」と考えたとたんにハム熱も急速冷凍(当時は学校を休まないと受験できなかったので、イロイロ面倒くさいことが多かったのよ)。ただトリオの無線機が格好良く見えて欲しかっただけみたい。

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テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
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