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2010年10月17日 (日) | Edit |
部屋の定在波の影響は「音楽の聴きやすさ」を阻害する大きな要因となります。

以前の記事でベッド位置での特性をお見せしましたが、今回は部屋の数カ所で測定してみました。
測定箇所を下図に示します。
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今回は13cmウーハーだけを使用しました(測定位置が離れるとそれだけボリュームを上げねばならず、虎の子のAlpair5をあまりイヂメたくなかったのよ)。このウーハーは5kHz以上で出力が低下するため、測定データは5kHz以下だけを表示します。定在波の影響が顕著に表れるのは低域だけなので、目的上なんら問題はありません。

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赤がウーハー前方20cmでの測定値(実はこの位置でも既に部屋の影響が見られます)。黒が補正後の出力です。20Hzまでほぼフラットな出力が得られています。今回はこのフラットな出力を用いて、部屋の各位置での応答を測定しました。

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通常のリスニング位置よりやや後方の約80cmでの測定結果です。すでにかなり凸凹している事が分かります。約1kHzのディップは部屋の影響ではなくデスクトップの反射の影響です。通常この帯域はAlpair5に受け持たせていますが、Alpair5はウーハーより高い位置にあるため、通常の使用状態ではこれほど顕著なディップは発生しません。

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上記から60cm後退した140cmでの結果です。100Hzを中心に大きく落ち込み、60Hz以下ではゲインが発生しています。

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さらに60cm後退した200cmでの測定値です。基本的に140cmでの結果と大きく変わりません。100Hz前後の落ち込みはやや改善されますが、60Hz以下のゲインは逆にやや増加しています。

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200cmの位置から左右に1m程度移動してみましたが、傾向はほとんど同じです。

今回の結果を見る限り、スピーカーからある程度以上離れると応答特性は場所によってあまり変化せず、部屋の形状でほぼ決まってしまうように見受けられます。

このような現象は、平行な壁面の間を音波が行ったり来たりして測定位置で互いに強めあったり弱めあったりして生じるワケですが、波長が部屋の寸法と同等以上となる低音域ではその影響が大きく出ます。何度も行ったり来たりした音を聴くことになるため、周波数ドメインだけでなくタイムドメイン的にも影響が出ます。これは周波数ドメイン的音場補正だけでは補正しきれません。

低音になるほど吸音は困難となり、一般的住居で効果的な吸音を施す事は極めて困難です(実験用無響室の壁面があのように巨大な凸凹で覆われているのはそのため)。オーディオルームを専用に設計するのであれば、平行面をなくす等の対応も取れますが、通常の住居ではそれも適いません。

最も手っ取り早いのは、とにかくスピーカーに近づいてできるだけ耳に届く直接音の割合を増やす事です。これがニアフィールドリスニングの最大の利点であり、すなわち音楽の聴きやすさを求めならば「スピーカーは小さくて近いに超した事はない」の所以です。

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