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2010年05月23日 (日) | Edit |
新システムでは約100Hz以下だけをウーハーに受け持たせています。今日はその基本的な考え方について書いてみます。

「フルレンジ スピーカー1本で全域を再生するのが理想」、これは誰もが認めている事だと思うのですが、その割には世の中あまりにも安直にマルチウェイ化しているような気がしてなりません。確かに、音域を区切って専用のユニットに受け持たせれば、個々の音域だけを見た場合のクオリティをフルレンジスピーカーより高める事はできるでしょうが、音楽というのは「低域ヨシ!」「中域ヨシ!」「高域ヨシ!」てな具合に聴くものではなく、全体のハーモニーをひとかたまりで感じるものだと思います。

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例えばピアノは27.5Hz~約4.2kHzの音階をカバーしますが、その音階が途中から位置と形状さらに材質まで違う振動板から発せられるというのは、僕のエンジニア的センスからすると、最優先で回避したくなる問題です。特定音域の音質の優劣よりも、全域の調和を重視する事の方が、音楽を自然に聴く上では大切だと思うのです。僕がMarkaudio(マークさん)を高く評価するのは、スピーカー エンジニアであれば最優先で取り組むべきフルレンジドライバーの可能性の拡大に果敢に取り組んでいるからです。

以前テレビで見たのですが、音楽学校の学生さんにブラインドで2種類のスピーカーと生演奏を比較試聴してもらい、どちらのスピーカーの方が自然に聞こえるかを評価してもらうという企画がありました。この時のスピーカーは、フルレンジを使用したもの(例のスピーカーが上向きに付いた筒状のタイムドメインと呼ばれるやつ)と4Wayくらいありそうな超大型のシステム(多分この世界では有名なビルダーさんの製作によるもの)でした。結果は(テレビの企画の狙い通り)、どうみても安物の前者がかなりの差を付けて高い評価を得るという(意外な!と視聴者に思わせる)ものでした。まあテレビの企画なので話半分に見るとしても、十分にあり得る結果だと思います。オーヂオ病に冒されていない普通に音楽を聴く人々は、「高域よし!」なんて指さし呼称するような聴き方はせずに、全体の印象で評価するでしょうから。「オーディオ装置とは音楽を聴くための装置である」はずなのに、いつのまにか「装置の音を聞くための装置」になってしまうのがオーヂオ趣味のアブナイなところ。

と、前置きが長くなりました。

小径フルレンジ1発による全音域再生を実現する1つの方法として、僕はこれまでデジタルイコライザによる超極端な低域ブーストを試み、ニアフィールド リスニングによる小音量再生という前提であれば、一部の楽曲を除いて十分に実用になる事を確認しました。今回の新システムでは、前システムの限界(絶対音量、許容低域信号レベル)を拡大する事を目的に、フルレンジスピーカーの低域を最小限にサポートするシステムの構築を試みました。

一般的に100Hz以下の信号は、楽器の音色やステレオの定位にあまり影響せず、低音楽器の音色や定位は100Hz以上の倍音成分によって大きく支配されると言われます。このため、一般的な2Wayスピーカーに比べると極端に低い100Hzクロスオーバーを一応の目標としました。これによって、音楽の音色に強く影響する100Hz以上の全域をフルレンジスピーカー1本に受け持たせる事ができます。
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ウッドベースのスペクトル。基音(音階)は43.6Hzですが、100Hz以上に倍音がどっさりと含まれます。

事前のスタディとして、音楽の中で100Hzの位置付けを実感するために、FrieveAudioのデジタルイコライザを用いて各種のフィルタ設定で音楽を聴いてみました。今回のその中の1例をご紹介します。

録音の方法
1. FrieveAudioによる例の馬鹿ブーストを使用して、Alpair5 1本で30Hzまでフラットに再生できるようにイコライザを設定する。
2. FrieveAudioで各種のフィルタを設定して音楽を再生する(R/L信号をミックスし、R側スピーカのみでモノラル再生)。
3. マイクロフォンをスピーカー前方約20cmの位置に置いて、別のPCで録音する(44.1kHz/16bit、WAV)。
4. ブログに添付するためにMP3フォーマットにエンコードする(256kb)。

515.jpg
再生時のAlpair5 1発のf特です(おなじみの30Hzフラット)

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フィルタ設定の一例(図では200Hz~5kHzのバンドパスを設定しています)

以下にMP3ファイルを添付します。(ファイルが大きすぎてアップできませんでした)

コチラの記事に掲載しました。ご試聴ください。

次回は新システムでの測定データをお見せします。

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ジャンル:趣味・実用
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