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2009年04月30日 (木) | Edit |
前の記事では25Hzで+30dBというとんでもないブーストが可能だとお話しましたが、なぜそのような事が可能なのかを考察してみたいと思います。

基本的な前提条件は以前の記事「極端なイコライジングを行う場合の注意点」を参照してください。

前の記事を書いた時点では、ここまで極端なブーストが可能だとは思いもよりませんでした。+30dBということは信号レベルを約31倍にする事を意味します。「いくらなんでも。。」と普通は思いますよね。

そこで楽曲データの低域信号レベルをFrieve Audioを使用して検証してみました。簡単にいうとバンドパスフィルタを使用して極端なブーストをかけた時にどの程度オーバーフローが発生するか (AVCがどの程度作動するか) を調べたわけです。方法を詳しく書くとややこしくなるので結果だけをお見せします。

今回は50Hz以下、50から100Hz、100Hzから1kHzの3つの帯域のピーク信号レベルをいくつかの曲で調べてみました。下図がその結果です。縦軸はリニアスケールの信号レベル(%)です。100%でダイナミックレンジを完全に使い切った状態に相当します。青が50Hz以下、赤が50-100Hz、黄が100-1kHzです。
228b.jpg

横軸の楽曲は50Hz以下のレベル順に並べています。
左から
-ベートーベン チェロソナタ第3番 第1楽章、チェロはヨーヨーマ
-ベートーベン 交響曲第8番 第1楽章、ブロムシュテット指揮、ティンパニがクール
-ポールチェンバース Yesterday (Jazz)、ベースはアルコ(弓弾き)です
-ベートーベン 交響曲第5番 第4楽章、チェリビダッケ指揮、ライブ、冒頭の一発がピーク
-マイルスデイビス So What (JAZZ)、チェンバースのイントロのベースが大好き
-ウエザーリポート Volceno for Hire (JAZZ, エレキ)、冒頭のドラムがピーク
-マドンナ Erotica (Pop) ズンドコですが他の曲の方がもっと強烈みたいです
-ストラビンスキー 春の祭典 パート1、シャイー指揮、ティンパニーが爆発です
-参考としてピンクフロイドのアルバム「狂気」冒頭の心臓音、ある年代には有名ですよね

こうやってみるとクラシックの交響曲やアコースティック ジャズって意外と50Hz以下の信号レベルが弱いことが分かります。だから馬鹿ブーストしてもスピーカーが限界振幅まで飛び出さないわけです。交響曲もジャズもピークはほとんどドラム(ティンパニ)で決まります。ただしチェンバースのYesterdaysだけはアルコ ベースがピークとなっている模様です。

今回の結果を見る限りエレキ系の方が50Hz以下のレベルが高いようです。基本的にエレキ系はブースト控えめで聴いた方が良いかもしれません。フルブーストするとズンドコし過ぎに聞こえる場合が多いです。特にマドンナの場合はEroticaはまだ大丈夫としても曲によっては明らかに破綻するものもあります。まあ何もマドンナをフルワイドレンジで聴く必要もないですし、どっちにしろほとんど聴かないし。。

しかし「春の祭典」は完全にお手上げですね。ティンパニが半端ではなく、振動版がビロローンと制御不能な感じで暴れてしまいます。スピーカーが壊れそうで二度とやりたくありません。これだけはサブウーハーが欲しくなります。
226.jpg
春の祭典
シャイー指揮
クリーブランド

というわけでアコースティック系であればフルにブーストしてもあまり問題は無さそうです(春の祭典は除く)。ただしむやみに25Hzまでフラットで頑張る必要もなく、40Hz(コントラバスの最低音)くらいまでフラットで、あとはなだらかに減衰するくらいで十分かもしれません(最大+18dB程度)。聴感上もフルブーストとほとんど変わりませんし、スピーカー保護の観点からもその方が安心です。

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