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2009年04月19日 (日) | Edit |
前の記事でAlair5を50Hzまでフラットに音場補正をしました。その結果たった8cmのフルレンジスピーカーと2.5Lの小さな箱で30Hz/-10dBという特性が得られました。これはFOSTEXのG2000 (20cmウーハーx2)のカタログ値に匹敵する低域特性です。
205.jpg
FOSTEX G2000のカタログデータ

しかしこのような極端なイコライジングは、あくまでもニアフィールドで聴いている(すなわち小音量で聴いている)からこそ可能になるテクニックです。
普段からスピーカーの限界近くの大音量で聴いている場合には適用できませんので、ご注意ください。

今回は、このような極端なイコライジングを行う場合に必要な条件について考えてみたいと思います。

1) 基本的に小音量であること
低域をブーストするという事は、低域だけボリュームを上げるという事です。
僕はスピーカーから約80cmの距離でアンプのボリュームは1/4以下で聴いていますが、この場合+20dBくらいまでブーストしても顕著な破綻は見られません。+20dBは信号(電圧)レベルで10倍に相当します。スピーカーへの入力パワーは100倍となります。つまり、スピーカーの振動板振幅や耐入力に十分な余裕が無いと大きなブーストは行えないという事です。既にスピーカーを限界近くの音量(振幅、入力)で鳴らしている場合に極端なブーストを行うとスピーカーを壊してしまうかもしれません。

つまり、小音量のニアフィールドリスニングだからこそこのようなブーストが可能だということです。

2) アンプにも余裕が必要
上で書いたように+20dBのブーストを行うと、その周波数に対しては100倍のパワー(10倍の電圧と10倍の電流)をスピーカーへ供給する必要があります。従って瞬間的な大入力に対してスピーカーを十分に駆動できる余裕が必要となります。KENWOOD KA-S10 (12W/8Ω)を使用していた頃はブースト量は+12dBくらいに自粛していました。それ以上ブーストしても測定上はフラットになるのですが聴感ではあまり効果が感じられず、逆に音が苦しげに感じられたためです。特にインピーダンス4ΩのAlpair5では低域の音が不安定になる傾向が見られました(KA-S10は6Ωまでしか動作保証していない)。
そこで60W/4Ωの定格を持つONKYO A-905FXを購入したわけですが、おかげで4ΩのAlpair5を+20dBまでブースとしても十分に楽しめるようになりました。デジタルアンプの利点を活かした設計思想も有利に働いているのかもしれません(以下ONKYOの製品説明より)。
A-905FXは、デジタルアンプの特長である「電力効率の高さ」を、「スピーカードライブ能力の向上」のために最大限に引き出すという目標のもとに開発しました。電力効率が約70%程度である従来のアナログアンプに対して、「0」と「1」のみで信号伝送されるデジタルアンプは約90%という高効率化が可能。オンキヨーでは、この電力効率の向上を、アナログアンプに対しての最大のアドバンテージである「スピード感やエネルギー感の再現能力の高さ」の追求、例えば「全くの静寂から瞬時に立ち上がる躍動感」や「空間の広がりを表現するレンジ幅の広い力強さ」に内在する「スピード感」や「エネルギー感」を求めることに結び付けました。デジタルアンプの潜在的なポテンシャルを、これまで培ったさまざまな回路/実装技術で引き出し、圧倒的なスピード感とエネルギーでスピーカーをエモーショナルにドライブする。これがオンキヨーの考える「デジタルアンプ」のコンセプトです。

3) DACの入力が24bit以上に対応していること
Frieve Audioのデジタル イコライザで極端なブーストを行って信号飽和が発生すると、自動ボリューム制御(AVC)によってゲインが自動的に下げられます。CDのデータは16ビットですが、単純にこのようなゲインダウンを行うと下位のビット(微小レベルの情報)が切り捨てられてしまいます。例えば-18dB (1/8)のゲイン調整を行った場合、下位の3ビットが切り捨てられます。
Frieve Audioは64bitの分解能で内部演算を行うので微小レベルの情報は内部的には失われませんが、DACの入力が16ビットに制限される場合は結局それらの3bit分の情報は失われてしまう事になります。
ONKYO HDC-1Lは24bit入力のDACを搭載しているので、理論的には-48dBのゲインダウンを行わない限り元の16ビットデータの最下位ビットの情報は失われません。
しかし結局は出力アナログ信号のレベルが全体的に低下するので、DAC以降のS/N比の低下はある程度免れません。音が消え入る瞬間の再現性を重視される方にはもしかしたら問題が感じられるかもしれません。

補足
実際のCDでは全周波数でフルにダイナミックレンジを使用している訳ではないので、例えば50Hzで+18dBのブーストを行っても、AVCによるゲインダウンは-12dB(1/4)を超える事はまずありません。

4) 密閉型スピーカーであること
バスレフタイプの場合、ポートの共鳴周波数以下ではポートからの音とスピーカー前面からの音が逆位相となるため出力が急激に減衰します。また、スピーカー振動板の振幅も急激に増加します。このような事から、イコライザによるブーストには密閉型スピーカーの方が適しているといえます。


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