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2013年07月08日 (月) | Edit |
DACのチャンデバを使ってサブウーハをクロスオーバした場合のデータを作っていたのですが、どうもシミュレーションと一致しません。実験だと正相接続で綺麗に繫がるのですが、シミュレーションだと逆相の方が綺麗に繫がります。 ナンデヤネン?

という事で、今ひとつ現象がよく理解できていないため、基本的なところからオベンキョしなおす事にしました。
つい先日再掲載したばかりの「3ウェイ ネットワークの位相とタイムアラインメント (改訂版)」も掲載を中止しました。返す返す、エーカゲンな記事を書いて申し訳御座いません。全ての謎が解けたら、また再再掲載します。

今回はシミュレーションだけで検討します。

下はAlpair 6M 2.5L密閉型(2.5L ZAP)のシミュレーション結果です。
インピダンス フラットじゃない
高周波数でインピーダンスがダラダラと増加し、位相もだらだらと遅れています。

ウーハもツイータもAlpiar 6Mを使って3kHzでクロスオーバーしてみました。
-12dB/Octでツイータは逆相です。
インピダンス フラットじゃないクロス 
- なんじゃこりゃ?
- ネットワークのコイルとコンデンサの値は自動計算による結果をそのまま使っています。
- インピーダンスがフラットではないためヘンテコリンな結果となったようです。

現象をシンプルにするためにインピーダンスをフラットにしました。
インピダンス フラット 
- TSパラメータの「Le: 等価インダクタンス」をゼロにすると高周波数でのインピーダンスを定格値でフラットにできます(Alpair 6Mの場合定格は4Ω)。
- これにより、位相も-90°でフラットになります(注: ハチマル式に言えば密閉型では-180°です)。
- Alpair 6Mの3kHzでのレベルは88.4dBです。

インピーダンスをフラットにした状態で3kHzでクロスオーバーしてみました。 これもツイータは逆相です。
6dB 逆相 
- 今度はフラットに繫がりましたね。ウーハとツイータは-6dBでクロスしています。

下は逆相接続と正相接続の比較です。その下はソフトウェアが自動的に算出したコンデンサとコイルの値(3kHzクロス)です。
6dB クロス拡大
- 逆相でほぼフラットに繫がります(フィルタなし(88.4dB)から0.5dB低下)。
- 正相では約-10dBのディップが発生しています。
- 図にはウーハとツイータの位相が時計の針のように示されています(青い針がウーハ、黄色い針がツイータ)。
- 逆相接続でも位相はピッタリとは合わない事が分かります。

フィルタの本当のカットオフ周波数は-3dB点です。一般的な電気回路では、フィルタのカットオフ周波数と言えばこの-3dB点を指します。この周波数においてLPFもHPFも出力は入力に対して90°遅れます(時間ドメインで考えると出力の事象が入力の事象に対して進む事はない)。上図のコンデンサとコイルの値から-3dBカットオフ周波数を求めるとウーハLPF = 2.295kHz、ツイータHPF = 3.935kHzとなります。

なお、フィルタの計算にはコチラのサイトを使わさせて頂きました。

下は-3dBでクロスさせた場合の結果です。これも逆相接続です。
3dB 逆相
- 単純にウーハのコンデンサとコイルの値をツイータと同じにしました。
- この結果、クロス周波数は上のHPFの計算通り3.94kHzに移動しました。
- クロス点におけるレベルは91.0dBですから、フィルタなし(88.4dB)から2.6dB盛り上がってしまいました。

下は逆相接続と正相接続の比較です。
3dB クロス拡大
- 正相で接続すると、非常に急峻なディップが発生します。
- 逆相接続では2本の位相の針がほぼピッタリと揃います。周波数が変わってもずっと重なったママです。
- これは、ウーハもツイータもクロス点においてフィルタの位相が90°回転するからです。
- スピーカの音響出力は、クロス点においてウーハもツイータも入力に対して270°回転します(密閉型スピーカの180°+フィルタの90°)。

以前の記事「3ウェイ ネットワークの位相とタイムアラインメント」では、-3dBクロスを前提としていました(フィルタの90°回転同士をクロス) 。しかし、オーディオ用としてはF特がフラットになる-6dBクロスの方が一般的であるようです。ただし、-3dBクロスをヨシとする意見もあるようです。 ゲイン(F特)を重視するなら-6dBクロス、位相を重視するなら-3dBクロスというトコロでしょうか。しかし、ツイータのような数kHzレベルになると、そのような位相ずれの影響はタイムドメイン的には極めて微小です。

実際のネットワーク フィルタの設計においては、スピカのインピーダンスの変化が影響するため、計算通りには行かない事は理解しておく必要があります。自作する場合、少なくとも近距離でのF特計測は必須と言って良いかもしれません。-6dBクロスであれば適当に作って正相/逆相のドッチかマシな方を選ぶだけで比較的無難に繫がると思いますが、-3dBクロスには非常に精密なチューニングが必要です。少しずれるとディップが発生する可能性があります。

このシミュレーションによると、LPFとHPFの出力の極性は互いに逆相になっている模様です。このためウーハとツイータは逆相接続が基本です。この点でも「3ウェイ ネットワークの位相とタイムアラインメント」の内容は違っていた可能性があります。一般的に、HPFでは出力の位相が入力に対して「進む」とされます。しかし、時間ドメイン的に考えると出力の事象が入力の事象よりも「進む」事は絶対に有り得ません。LPFに対してHPFは極性を反転して考える必要があるのかも知れません。次回は実験君でそのへんを確かめてみたいと思います。

しかし、時間ドメインで現象を捉えようとすると位相関係には頭がコンガラカル事が多いですね。僕はアナログフィルタを使うつもりは全くないのですが、不思議の謎を解かないとどうも落ち着きません。ヤヤコシー話ばかりでスミマセン。

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