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2013年07月25日 (木) | Edit |
表題の興味深いサイトを見付けました。

ご興味のある方はご覧ください。
「リズム知覚の基礎としての時間知覚に関する精神物理学研究」中島 祥好

>>Green (1971) の実験によると、同じパワー・スペクトルを持ちながら、周波数成分によって耳への到達時刻が異なるような音を被験者に聴かせたときに、どの成分が遅れているかを聴き分けるには、音の長さが最低 2 ms 程度は必要である。Green は、その他の実験結果についても考察を進め、音の時間的な変化を捉える最短の限界を1~2 ms 程度であるとしている。この辺りが、時間知覚について考える際の最短の時間間隔となる。<<

これは、前の記事で書いた「100Hzを基音とするサンプルで、基音の位相が2次および3次高調波に対して90°(2.5ms)変化すると違って聞こえるような気がする」という実験君結果に対応しています。

ただし、筆者によると、1~2msというのは人が「ナンカ音がチャウンチャウ?」と感じられる限界の時間分解能であって、それがどう違うかという事(どっちの音が先か?といった時間構造とか)を知覚するには、もっと長い時間(数10ms~数100ms)が必要だとしています。

>>このように見てくると、聴覚系の時間分解能は一概には決まらず、状況に応じて1~700 ms の値によって表される。時間分解能について論ずる際には、具体的にどのような場面を想定しているのかをはっきりさせないと、議論のすれ違いになる。<<

まぁ、とにかく、条件にもよりますが、人は最小で1msの音現象の「何らかの違い」を「何らかのカタチ」で聴覚的に感じる事ができるようです。

我々が「音」ではなく「音楽」を、「聞く」のではなく「楽しむ」時(前者と後者では全く異なる、マッタク)、個々の「音」を1つずつ知覚しているというよりは、一定の規則(リズム、ハーモニー、メロディ)で反復しつつも複雑絶妙にユラギ、ダイナミックに変化する「音の構造体の流れ」を「細部と全体を同時進行でごちゃ混ぜに」「広くボンヤリと、しかし極めて細部まで透徹して」「半ば無意識に」追跡しています。

そのような場合、特定周波数における数msの現象でも、のべつくまなく繰り返し聞かされると、特定の条件によっては違和感を覚える事は十分にあるような気がしますし、鍛え抜かれた感覚を持つ音楽家達は、もっと微妙なところで勝負しているようにも思えます。

何事もそうですが、μsオーダーの問題に拘泥する以前にmsオーダーの問題を潰すのが常道というものです。

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2013年07月20日 (土) | Edit |
さて、今日はヤヤコシー話はしませんので、ご安心を。サンプル音も用意しました。

「位相がいくら回転しようが、耳で聞こえる音が変わらなかったら別にエーントチャウ?」 と思いますよね。
僕も、位相は回転しても音は変わらないだろうと考えていました。ですから、僕は専ら低音領域におけるビート(リズム)の時間的遅れや乱れ(つまり過渡挙動)を重視していました。

しかし、波形を生成して実際に聴いてみたところ、意外な事に、低い周波数では位相が回転すると「音(音色?)が違って聞こえる」ような気がします。

サンプル音も添付しますので、ヘッドホンまたはイヤフォンを使ってご自分の耳で確認してみてください。

いつものようにWaveGene(Ver.1.50)を使って信号波形を生成しました。
WG_20130721064111.jpg
- 上の図では、Wave1で100Hz/-10dBを生成し、Wave2で120Hz/-20dB、Wave3で180Hz/-20dBを生成しています。つまり100Hzを基音として2次と3次の高調波を合成した状態です。
- WaveGeneでは、Wave1の位相だけを回転させる事ができます。つまり、2次および3次の高調波成分に対して基音の位相を回転させる事ができます。

下図が生成した波形です。
波形
- Wave1(基音、100Hz)の位相はピンクが0°、緑が90°です。
- 各次数成分の割合はどちらも同ですが、波形で見ると全く異なります。
- つまりFFTによる周波数ドメイン解析では全く同じ現象に見えても、時間ドメインで波形を観測すれば現象は全く異なって見えるという事です。

さて、これらの波形の音は全て同じに聞こえるのでしょうか?僕は定常音なら同じに聞こえるんヂャないかと思っていました。

下のサンプル音を 必ずオーディオ用の真っ当なヘッドフォンまたはイヤフォン で聴いてご自分の耳で確かめてみてください。
注: WAVをアップロードできないのでサンプルはMP3です。WaveGeneで直接比較した方が違いが良く分かります。ご自分でWaveGeneをダウンロードして聴き比べる事をお薦めします。
0° :





90°:





- WaveGeneで直接聴き比べると僕には違って聞こえるのですが、皆さんは如何でしょうか?

次に1kHを基音として、同じように波形を生成しました。
0° :





90°:





- 僕には、これは同じように聞こえます。

実際の楽器では、基音に様々な倍音成分が様々な配分で配合されてその楽器特有の微妙な音色が生じるわけですが、今回の結果を見る限り、低い音では、各次数成分の位相関係が変化すると(つまり周波数ドメイン的には同じでも、時間ドメイン的に「波形」が変化すると)、音が微妙に異なって聞こえるような気がします。

低い音だと位相の回転を定常音の「音色」の違いとして感知できるのでしょうか???
それとも、あくまでも過渡現象として(この試聴方法では、純粋な定常音を聴いているわけではない)、音の各次数が出てくる順番の「時間的ずれ」を感知しているのでしょうか???
高い音だと違いが分からない事から、僕はどうも後者が主な理由であるような気がします。
ちなみに100Hzの90°は2.5ms、1kHzの90°は0.25msです。人間は数msレベルの高調波音の「タイミングの違い」を「音の聞こえ具合の違い」として感知できるという事でしょうか??
やはり、過渡現象の嵐である音楽を再生するにおいて、時間スケールの長くなる低音の位相はあまり回したくないナァ。。。というのが実感です。

2次フィルタの位相はカットオフを中心に1オクターブで90°近く回転します。つまり、「特定の音階で」2次の倍音に対して基音が90°遅れる事は十分に有り得ます(3次に対してはさらに遅れる)。さらに高次のフィルタではもっと回転します。

また、バスレフ型では1オクターブで180°くらい平気で回転しますし、サブウーハ用に極端にカットオフの低い高次のアナログフィルタを組み合わせれば、360°近く回転する事すら有り得ます。

追記
今回のサンプルだけでは違いが分かりにくいかも知れません。
WaveGeneはフリーのソフトウェアですので、是非ご自分でもイロイロ試してみてください。
詳しくはコチラをご覧ください。

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2013年07月19日 (金) | Edit |
今回は、今までアナログネットワークについてイロイロとお勉強した結果に基づいて、3Wayネットワークの接続について考えます。

これに関しては、最初に書いた記事が全くスットコドッコイな大間違いであり、一度改訂しましたが、それも相変わらずスットコドッコイでした。エーカゲンな記事ばかりを書いてしまい、誠に申し訳御座いません。今回の考え方が正しければ良いのですが。。。

現象をシンプルに考えるために下記を前提とします。
1) スピーカ自体の遅れやインピダンスの変化を考慮せず、フィルタの特性だけを考える
2) カットオフ周波数(-3dB点)でクロスさせる

下は、全て正相で接続した場合の位相特性です。
3Way位相
- 0°が信号の位相、プラス側が進み、マイナス側が遅れです。
- 信号より進み側の位相は破線で示しています。時間ドメインで考える場合、入力より位相が進んだ出力は、入力に対して反転した上で遅れていると見なします。
ウーハ
- ウーハのLPFは、十分に低い周波数で信号をそのまま通過させ(遅れも反転もしない)、カットオフで90°遅れます。
MID
- MIDのHPFは、十分に低い周波数で信号を完全に反転させ(遅れはないが反転する)、反転した出力はカットオフで90°遅れます。
- MIDのバンドパスは、HPFとLPFの中間で信号をそのまま通過させます(遅れも反転もしない)。
- MIDのLPFは、カットオフで90°遅れます。
ツイータ
- ツイータのHPFは、十分に低い周波数で信号を完全に反転させ(遅れはないが反転する)、反転した出力はカットオフで90°遅れます。
- ツイータのHPFは、十分に高い周波数で信号をそのまま通過させます(遅れも反転もしない)。

下は、全て「正相」で接続した場合の各クロス点における波形です。
3Way波形
- 最上段の黒の波形が入力波形です。
- クロス点「A」では、ウーハLPF(90°遅れ)とMID HPF(反転して90°遅れ)が逆相となるため、クロス点でディップが発生します。
- 「A」点と「B」点の中間では、MIDは入力波形をソノママ出力します(グレーの波形、時間的遅れも反転もない)。
- クロス点「B」では、MID LPF(90°遅れ)とツイータHPF(反転して90°遅れ)が逆相となるため、クロス点でディップが発生します。

下は、MIDだけを逆相で接続した場合の各クロス点における波形です。
3Way位相 逆相
- クロス点「A」では、ウーハLPFとMID HPF(逆相)が共に入力に対して90°遅れとなり、同相で繫がります。
- 「A」点と「B」点の中間では、MID(逆相)は入力波形を反転して遅れなく出力します(グレーの波形、時間的に遅れないが反転する)。
- クロス点「B」では、MID LPF(逆相)とツイータHPFは共に入力に対して反転して90°遅れとなり、同相で繫がります。
- つまり、MIDだけを「逆相」で接続すれば、3つの帯域はディップを生じる事なく繫がるという事です。
- ただし、MIDのHPFとLPFの中間帯域では、出力波形は入力波形と逆相になります(遅れはしないが完全に反転する)。

下は、MIDを逆相接続した場合の時間的遅れです(角度に換算)。
3Way時間
ウーハ
- 正相接続したウーハのLPFは、十分に低い周波数において、信号をそのまま出力します(反転もしないし遅れもしない)
- 正相接続したウーハのLPFは、クロス点「A」において、入力に対して90°分時間的に遅れます。
MID
- 逆相接続したMIDのHPFは、クロス点「A」において、入力に対して90°分時間的に遅れます(従って、ウーハとMIDは同相で繫がり、時間的にも一致する)
- 逆相接続したMIDのHPFは、中間帯域で、入力を反転して(だって逆相接続だから)、時間的遅れなく出力します。この遷移領域の時間的遅れをプロットする事はできないため、矢印で表しています(前記事参照)。
- 逆相接続したMIDのLPFは、クロス点「B」において、入力に対して反転した上で(だって逆相接続だから)、90°分時間的に遅れます。
ツイータ
- 正相接続したツイータのHPFは、クロス点「B」において、入力に対して反転した上で、90°分時間的に遅れます(従って、MIDとツイータは同相で繫がり、時間的にも一致する)
- 正相接続したツイータのHPFは、十分に高い周波数において、信号をそのまま出力します(反転もしないし遅れもしない)。この遷移領域の時間的遅れをプロットする事はできないため、矢印で表しています(前記事参照)。

以上です。この考え方で正しければ良いのですが。。。。

実際にネットワークを組む場合、スピカのインピーダンス特性や、各ドライバの前後位置関係や、回路素子の特性のばらつき等が影響するため、実測しながらチューニングする必要があるでしょう。

アー、ヤヤコシイ。。。遅れたり反転したりを繰り返すので、波形は時間ドメイン的にかなり歪むはずです。特に、MIDではHPFのカットオフ(反転90°遅れ)~LPFのカットオフ(非反転90°遅れ)で位相が180°グルッと回転します。このため、時間ドメインで出力(波形)を観測すると、かなり乱れます。

下は2つ前の記事に掲載したパッシブ バンドパスを通過した春の祭典のスピカ出力波形です。
春バンド フィルタ無し
春 バンド フィルタアリ正相
春 バンド フィルタアリ逆相
- 青はFrieveAudioの等価デジタルフィルタを使った場合の出力波形です。フィルタの位相は遅れも反転もしないため、密閉型スピカによる遅れだけが観測されます。
- 赤はパッシブ バンドパスを使った場合の出力波形です。緑は赤を上下反転した波形です。
- アナログバンドパスでは下側のカットオフから上側のカットオフまで位相がグルっと180°回転するため、入力波形に対する出力波形の対応が大きく乱れます。よく見ると高い周波数(細かい波)は非反転波形(赤)で対応し、低い周波数(大きなウネリ)は反転波形(緑)で対応するように見えます。
- 特に、反転波形(緑)の中央付近の大きなウネリ(低周波信号)は、ドライバ自体の遅れとの相乗効果によって大きく遅れているように見えます。

ただし、このような現象(サブウーハ領域を除く)が実際どの程度「音楽の知覚」(音楽の聞きやすさ)に影響するのかは定かではありません。言えるのは「このような現象はマニア達がツイキュして拘る非常に微細な諸々の現象に比べて遙かに巨大かつ根源的問題である」「こんな現象は無いに超した事は無い」「密閉型フルレンジ1発で全域をキチント再生できるのなら、それに超した事は無い」という事だけです。密閉型フルレンジ1発(デジブースト)ではどうしても足りない場合、デジタルフィルタを使って帯域分割すれば(例えばサブウーハを追加すれば)、こんな問題に頭を悩ませる必要は全くなくなります。

あと残っている不明点は、ドライバの影響(パッシブ方式とアクティブ方式の違い)、-3dBクロスと-6dBクロスの比較といったアタリでしょうか。次回で最終回にしたいものです。しかし、その後のネタが無い。。

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2013年07月17日 (水) | Edit |
しつこいですが、今回もハイパスフィルタについてです。

教科書通りに素直に位相だけで考えれば別にヤヤコシクもなんともありませんが、臍曲がりな僕のように時間で考えようとするとコンガラガッテしまいます。今回の内容は実用的には重要ではないですので、適当に読み飛ばしてください。たんなる知的好奇心を満たすためにやっているだけですから。。。

下は、DACチャンデバのHPFの出力波形です(スピカの音ではなくDACの電圧出力)。
カットオフは約100Hzに設定しています。
ハイパス波形
- グレーがフィルタなしの信号波形、赤がフィルタを通過した出力波形(正相)です。
- カットオフよりも十分に高い周波数(400Hz~)で出力は入力に対して遅れナシ(0°)に漸近します。
- カットフ近くの100Hzで、出力の「位相」は入力に対して約+90°(進み)です。
- カットオフよりも十分に低い周波数(~25Hz)で、出力の「位相」は+180°(進み)に漸近します(つまり入力に対して完全に反転する)。
以上は教科書通りの挙動です。

しかし、時間を基準に考えると入力の事象に対して出力の事象が進む事は有り得ません。25Hzのフィルタ出力の最初の谷(-)は、信号の最初の山(+)の1つ前にある「幻の」谷(-)に対する応答であろうはずがアリマセン。

次に、DACフィルタの出力波形を反転し、同じフィルタ特性を持つFrieveAudioデジタルフィルタの出力波形と比較してみました。
ハイパス波形 反転
- グレーがフィルタなし、赤がDAC HPFの反転した出力波形、青がFrieveAudioで設定した等価HPFの出力波形(反転せず)です。
- こうすると、お馴染みのLPFと同じように、出力(ただし反転)はカットオフよりも十分低い周波数(~25Hz)で信号に対して遅れなし(0°)に漸近し、カットオフ近辺(100Hz)で入力に対して90°遅れるように見えます。
- デジタルフィルタ(青)では位相はマッタク回転せず極性も反転しません。
- 低い周波数信号の立ち上がりで強いピークが発生するのは、周波数特性がフラットではない事に起因する過渡挙動です。

次に、いつものように春の祭典の波形です。
前の記事では、ソース信号にFrieveAudioで非常に狭いバンドパスを適用しましたが、これでは単波長信号に近づく(波形がほぼ上下対象となる)ため、入力対出力の位相関係(時間的関係)が見極めにくくなります。そこで今回は、カットオフを中心とする50~150Hzと、カットオフから十分に高い200~600Hzを通過させるバンドパスをFrieveAudioで設定しました。
50~150Hz
春50-150
- グレーが50~150Hzだけを含む入力信号波形、緑がDACのHPFを通過した出力波形(反転)、暗い赤が反転しない出力波形です。
- 各出力波形はできるだけ信号波形に一致するよう、左右に(時間方向に)シフトしています。
- 明らかに反転した緑の波形の方が信号波形によく対応します。信号に対する反転波形の位相は概ね-90°(遅れ)です(基準パルスは左方にシフトする)。
- つまり、カットオフを中心とするこの周波数領域では、HPFの出力は入力に対して反転した上で概ね90°分時間的に遅れています。

では、これよりも高い周波数では、反転波形が180°近くまでドンドン遅れるのでしょうか??実はそうならないようです。ここがフシギなトコロ。。。
200~600Hz
春200-600
- グレーが200~600Hzだけを含む信号波形、赤がDACのHPFを通過した出力波形(反転せず)、暗い緑が反転した出力波形です。
- 今度は反転しない赤の波形が信号と良好に対応します。また、時間的な遅れもほとんどありません(基準パルスの位置はほぼ同じ)。
- カットオフよりも十分に高い周波数では、入力信号がほとんどソノママ(反転する事も遅れる事もなく)出力されるという事です(HPFの機能を考えればアタリマエなんですけどね)。
- という事で、出力は反転して時間的に180°遅れるのでは無さそうです。

追加で、上の2つの中間的な状態の波形も観測してみました。
100-300Hz
春100-300
- グレーが100~300Hzだけを含む信号波形、赤がDACのHPFを通過した出力波形(反転せず)、緑が反転した出力波形です。
- こうなると、どちらとも言えないですね。
- カットオフ(-90°)より高周波側では、波形から単純に遅れ時間を読み取る事は難しくなります。
- だって、逆相から正相に徐々に遷移するわけですからね。ホンマニヤヤコシイ。

以上から、こう考える事ができるでしょうか。
- HPFの出力は、カットオフよりも十分に低い周波数で、反転した入力信号に対して遅れゼロに漸近する(信号から完全に反転する)。
- HPFの出力は、カットオフにおいて、反転した入力信号に対して時間的に90°遅れると「実用上」見なせる。
- HPFの出力は、カットオフよりも十分に高い周波数で、元の(反転しない)入力信号に対して遅れゼロに漸近する(信号をソノママ出力する、反転して180°遅れるわけではない)。

これ以上深追いするのは止めましょう。
基本的に下記2点が重要です。
- HPFはカットオフ点で、入力に対して逆相で時間的に90°遅れる。
- カットオフよりも十分に高い周波数では、反転もせず遅れる事もなく入力をそのまま通過させる。

同様にLPFに関しては、
- LPFはカットオフ点で、入力に対して正相で時間的に90°遅れる。
- カットオフよりも十分に低い周波数では、反転もせず遅れる事もなく入力をそのまま通過させる。

また、LPFもHPFも、カットオフよりも高い周波数(-90°以上の回転)での「時間的遅れ」は、単純に何msとは言えません。何故ならば、正相から逆相またはその逆に徐々に遷移するからです。バスレフの場合もそうでしたよね。

次回は3Wayネットワークの接続について書きます。

追記
アナログフィルタについていろいろ書いていますが、フィルタの位相回転によって時間ドメイン的に顕著な問題が生じるのはサブウーハのように非常に低い周波数(ドライバの共振周波数近くの周波数)でLPFを使う場合であり、一般的なマルチウェイシステムでの使われ方であれば、時間ドメイン的問題はそれほど気にする必要は無いかもしれません。

比較的高い周波数でのこのような位相回転が音楽を聞く上でどのように違和感を生じるのかについて、僕は実体験に基づく事は何も言えません。敢えて言えば、ショールーム等で聴かせて貰った大型マルチウェイよりはフルレンジのバックロード等の方に好印象(音楽を聞きやすい)を受けたのは確かです。

ハイパスフィルタの事なんか考えるんヂャなかった。。。と今にして後悔しています。とんだ泥沼に突っ込んでしまいました。。。スミマセン。。。

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2013年07月14日 (日) | Edit |
今回はパッシブネットワークのバンドパス フィルタの位相特性を実験君で確かめてみました。

前回の記事で、ハイパスフィルタは「入力に対して反転した上でカットオフ点で90°遅れるらしい」という事を書きました。ではバンドパスにした場合、ローパスフィルタの位相はどうなるのでしょうか???

という事で早速実験君です。
今回も意外な事が分かりましたよ。

下がバンドパス フィルタの回路図です。
Filterjpg.jpg
- HPFは12mH/300μF、計算カットオフは83Hzです。
- LPFは3mH/100μF、計算カットオフは290Hzです。

下は周波数特性です。
F特 copy
- FrieveAudioでフィルタなしのF特をフラットにした状態にフィルタを適用しました。
- 赤がアナログ パッシブフィルタ青がFrieveAudioで設定した等価のデジタルフィルタです。
- 実際のカットオフは60Hz/300Hzあたりでしょうか。

いつものようにスピーカ出力の正弦波応答です。
60Hz (概ねHPFのカットオフ)
波形60
- グレーが信号、青がフィルタなし緑がフィルタあり(逆相)です。
- 正相波形は暗い赤でプロットしています。
- 前回の記事通り、フィルタありはフィルタなしに対して反転して約90°分時間的に遅れています(反転しないと出力の位相が入力よりも進む)。

ではローパス挙動はどうなのでしょうか?
290Hz (概ねLPFのカットオフ)
波形290
- グレーが信号、青がフィルタなし赤がフィルタあり(正相)です。
- フィルタありはフィルタなしに対して反転せずに約90°分時間的に遅れています。
- これは意外な結果です。僕はLPFも反転したママHPFの180°+LPFの90° = 270°分時間的に遅れると予測していました。
- という事で、以前の3WAYフィルタに関する記事はまたまたスットコドッコイな大間違いでした! スミマセン。

ぢゃぁ、中間の周波数ではどうなんでしょうか???
160Hz (概ねHPFとLPFのカットオフの中間)
波形160
- グレーが信号、青がフィルタなし赤がフィルタなし(正相)です。
- フィルタありはフィルタなしとピッタリ重なります。
- HPFとLPFの中間ではフィルタの影響は生じないという事でしょうか。
- じぇじぇじぇ。。。ですね。なんだか良くワカリマセン。

次に春の祭典の波形で確認してみました。
60、160、290Hzを中心とする非常に急峻で非常に帯域幅の狭いバンドパスフィルタをFrieveAudioで設定しました。
60Hz (概ねHPFのカットオフ)
春 63
- グレーが信号、青がフィルタなし緑がフィルタあり(逆相)です。
- フィルタありはフィルタなしに対して反転した上で約90°分時間的に遅れます(反転しないと、出力の位相が信号よりも進んでしまうし、波形の対応も取れない)。

160Hz (概ねHPFとLPFのカットオフの中間)
春160
- グレーが信号、青がフィルタなし赤がフィルタあり(正相)です。
- 正弦波での結果と同様、フィルタの影響は消えて無くなったかのように見えます。

290Hz (概ねLPFのカットオフ)
春290
- グレーが信号、青がフィルタなし赤がフィルタあり(正相)です。
- フィルタありはフィルタなしに対して反転せずに約90°分時間的に遅れています。

さらに、FrieveAudioの急峻なバンドパスを外して全域の信号を入力しました。
FrieveAudioの周波数特性の補正だけONにしています。
アナログ パッシブ フィルタ
春 バンド フィルタアリ正相
春 バンド フィルタアリ逆相
- グレーが信号、赤が正相スピカ出力緑が逆相スピカ出力です。
- 正相も逆相も信号波形との対応はヨックワッカリません。
- 低い周波数(大きなウネリ)には逆相、高い周波数(細かい波)には正相の方が対応しているように見えなくもアリマセンが。
- このように様々な周波数成分を含み過渡現象の嵐である実際の音楽信号をアナログフィルタに通すと、出力波形は時間ドメイン的に大きく崩れ(歪み)ます。

FrieveAudioデジタル フィルタ
春バンド フィルタ無し
- 上のF特図の青のフィルタです(FrieveAudioで設定したアナログ パッシブ フィルタと等価のデジタル バンドパス フィルタ)。
- グレーが信号、青がスピカ出力(正相)です。
- 信号と出力の対応は明確になりました。
- これはアナログ ネットワークを持たない密閉型フルレンジSPの良いトコロです。やはりアナログネットワークによるマルチウェイ方式では絶対に得られない自然さというのがありますよね。
- この密閉型フルレンジを核とし、その足りないトコロ(主に低音)をデジタル方式で補おうというのがLEANAUDIOの基本的アプローチです。ソーチのオトや付帯的オト現象のナンチャラカンではなく「音楽」の聞こえ方の自然さ(聴きやすさ)を求めれば、自然とそこに行き着くでしょう。
- しかし、密閉型フルレンジと言えどもドライバ自体の位相回転(最大で180°)が生じるため、波形の細かいところは信号に対応していないように見えますね。

FrieveAudioの位相補正をONにしました。
春バンド Frieve
- グレーが信号、ピンクが位相補正ONのスピカ出力です。
- マイク手持ちのエーカゲンな計測ですが、スピカ出力は信号に非常によく対応しています。
- いつもの事ながらFrieveAudioのDSPはさっすが!ですね。
- でも僕はこの補正の効果を明確に感じる事はできません。

今回の結果は以上です。
バスレフと同様、アナログフィルタも、使わずに済むなら使いたくないですね(特に低い周波数では使いたくない)。デンセンやデンゲンやヂッタの影響に比べれば、それはもうアンタ遙かに巨大な「音楽再生上の問題」ですよ。オッキクテジューヨーなモンダイから潰さないと。。何事も。ホンマニ。。。

しかし、HPFの挙動に完全に納得できていません。なんかまだ気色悪い。追加実験するかな? スミマセン。。。

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