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2013年06月30日 (日) | Edit |
前回からの続きです。

今回は各周波数でのポート音波形を観測します。

まず、60Hzから高周波側に向かって見てみましょう。
60Hz
キャンセル正弦波60
80Hz
キャンセル正弦波80
100Hz
キャンセル正弦波100
200Hz
キャンセル正弦波200
周波数の上昇に伴ってポート音(緑)の振幅は減少し、逆に振動板音(青)の振幅は増加します。両者は100Hzでほぼ同じになります。

振動板音の位相は大きく変化しないのに対してポート音の位相は急激に遅れます。これはバスレフ特有の2つのインピダンスピークの中間にある共振点(理論的には-180°)から2つめのインピダンスピーク(理論的には-90°)に向かって一気に90°回転するためです。これは2つ前の記事のシミュレーションの傾向とよく一致しています。

100Hzでは振動板とポートはほぼ同相になります。しかしポートは上下反転した波形であるため、実際にはポート音は振動板音よりも180°遅れています。振幅もこの周波数で同等になる事から、100Hzが実質的なクロスオーバー点であると見なせます。クロスオーバー点において、低音側の位相は180°遅れた上に逆相になっています。

200Hzではポートの効果は殆ど見られません。

次に60Hzから低周波側を見てみましょう。
キャンセル正弦波60
50Hz
キャンセル正弦波50
40Hz
キャンセル正弦波40

周波数が下がるにつれてポート音も振動板音も振幅は減少します。

ポート音の位相は60Hzから急激に進み、振動板に対して逆相の度合が強まります。理論的には、共振点(-180°)から1つめのインピダンスピークに向けて+90°一気に回転します。

共振点では、ポート音が振動板音に対して90°弱進んでいましたが、90°以上進むと合成音(赤)の振幅はポート音(緑)よりも小さくなります。振動板音とポート音が互いに打ち消す合う傾向が出始めるという事す。共鳴点より高周波側では 2つの音が互いに強め合って「合成音(赤)の振幅 > ポート音の振幅(緑)」でしたが、低周波側では互いに打ち消し合って「合成音(赤)の振幅 < ポート音の振幅(緑)」 になります。

共振点より周波数が下がるにつれて、互いの位相は逆相に近付くため打ち消し合う度合いが強まり、合成波の振幅は急激に減少します。このため、バスレフ型(合成音)の出力周波数特性は共鳴周波数以下で急激に減衰します。

次回は、シミュレーションと照合してみます。

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2013年06月29日 (土) | Edit |
今回はポート音だけを分離して波形を観測しました。

実験君セットアップです。
_1000332_20130629082108.jpg
TONO君をZAP君の隣に置き、ZAP君にはTONO君とは逆相の信号を入力します。すると2つの振動板からは互いに逆相の音が発生し、両者から等距離のマイクロフォン位置では2つの音が互いに打ち消し合あうため、ポートからの音だけをマイクでピックアップできるはずです。これはヘッドフォン等のノイズキャンセレーション機能と同じ原理です。

そんなにウマイ事行くんでしょうか?
それがウマイ事行くんですよ。
F特ポート copy
緑はこの方法で計測したポート音のF特です。黒はポート直前に置いたマイクで計測した特性です。よく一致していますね。

下はそのようにして計測した60Hz(概ねヘルムホルツ共振周波数)の波形です。
説明1
ピンクはTONOポート塞ぎ(振動板音のみ) + ZAP密閉(逆相の振動板音)の合成音波形です。TONOのポートは塞いだ状態ですから、振動板の音どうしが見事に打ち消し合って合成音の振幅は非常に微小です。作戦大成功!ってヤツですね。

はTONOバスレフ状態(振動板音+ポート音) + ZAP密閉(逆相振動板)の合成音波形です。振動板からの音は打ち消し合うので、マイクはほぼポートの音だけを拾っているはずです。

はTONOポート塞ぎ(密閉)、はTONOバスレフの音です。これらは逆相ZAPを使わずに計測した通常のTONO密閉型とTONOバスレフ型の波形です。

赤(バスレフ)の音は、青(振動板)緑(ポート)の音が合成された音である事が分かります。

信号波形(白)に対してポート音(緑)の位相が進んでいるように見えます。しかし、入力に対して出力の事象が時間的に進む事は有り得ません。実は、このポート波形の山(+)は、信号の1つ前の谷(-)に対する反転かつ遅延した応答です。
説明2
振動板音(青)の山は信号の山(白)から約45°遅れており、ポート音(緑)の山は1つ前の信号の谷(反転した山を紫で表示)から約135°遅れています。波形の位相は進んでいるかのように見えますが、入力の事象に対する出力の応答事象は遅れて発生します。アーヤヤコシイ。。

これは、正弦波信号が突然始まる際の過渡挙動を見るとよく分かります。
1発目の正弦波の山に対する応答波形だけを抜き出してみました。
1発
信号に「山」が突然発生すると、先に振動板(青)から音波の「山」が発生し、かなり遅れてポート(緑)から音波の「谷」が発生しています。バスレフ型では、我々はその合成音を聞かされているという事です。

このようにバスレフ型システムは遅れ(位相)も極性も異なる2つの音の合成音を発生するため、過渡挙動は非常に複雑となります。定常正弦波信号はとても綺麗に再生できても、過渡信号の再生波形は大きく崩れます。時間ドメイン的にはかなり出鱈目だという事です。そして、再三申しているように、音楽信号は一時たりとも留まらぬ激しい過渡現象の嵐です。

次回は、他の周波数での挙動を調べてみます。

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2013年06月27日 (木) | Edit |
バスレフ型の挙動は非常に複雑であり、未だによく分からない事があります。という事で、これから何回かに分けてバスレフ型の謎に迫ってみたいと思います。

あ、結局、「位相」のお話しですね。スミマセン。。。。

今回は基本となるデータだけを掲載しておきます。

実験君に使うバスレフ型の実測特性です。
F特 copy
いつものAlpair6M + TONO箱(約8L)
青が穴を塞いだ密閉状態、赤がバスレフ状態、緑がポート出口の音、ピンクが振動板直前(3cmくらい)の音です。ポート音のピークは約60Hzです。バスレフの効果は40~200Hzの領域に現れています。たまたまですが、今回の波形観測も40~200Hzで行いました。

いつものシミュレーション
密閉
F特 copy
インピダンスピークは約80Hz

F特 copy
共鳴は約60Hz、インピダンスピークは約40Hzと90Hz

下は、40~200Hzの正弦波信号を突然入力した時のスピーカ音響出力の応答波形です。拡大してご覧ください。
密閉型
密閉カラー
バスレフ型
バスレフ 非反転カラー
全ての波形の周期と振幅を揃えて表示しています。振幅は波形が十分に安定した定常部で合わせ込みました。
白:ソース波形、水色: 40Hz青: 50Hzピンク:63Hz赤: 80Hzオレンジ: 100Hz黄: 160Hz緑: 200Hz
こんなに丁寧に波形を並べてみたのは始めてですが、なんかもう、これを見ただけでバスレフって嫌だナァ。と思ってしまいます。

過渡部の波形を拡大しました。
密閉
密閉生波形 振幅揃え カラー 過渡
バスレフ
バスレフ生波形 振幅揃え カラー 過渡
バスレフの過渡挙動はとってもバラエティに富みます。特に共振点の60Hz(ピンク)の振幅の立ち上がり挙動が鈍い事が分かります。また、40Hzの実際の音圧振幅は微小ですが、音圧振幅が同等の密閉型に比べて大きく乱れています。

定常部の波形を拡大しました。
密閉
密閉カラー1 サイクル
理論的には、共振点で位相は90°遅れるはずですが、80Hz(赤)の波形はやはり90°弱遅れています。
40~200Hzのトータル位相回転量は90°強です。

バスレフ
バスレフ 非反転カラー 1サイクル
40~200Hzのトータル位相回転量は密閉型の2倍を軽く超えているようです。
バスレフの40、50、60Hzの波形は信号より進んでいるように見えますが、これはポートからの音の極性(±)が反転しているためです。このまま波形から読み取った位相はシミュレーションとゼンゼン一致しません。

下は上下を反転した波形です。
バスレフ 全反転カラー 1サイクル
反転した波形から位相をざっと読み取ると、最初のインピダンスピークに近い40Hz(水色)が90°弱の遅れ、共鳴点の60Hz(ピンク)の波形は180°弱の遅れ、2番目の共振に近い100Hz(オレンジ)の波形は270°弱遅れており、シミュレーションにほぼ近い結果が得られます。

やっぱりシミュレーションと同じヤン。。。とは片付きません。バスレフ君はなかなか難儀なヤツなんです。次回からその秘密に迫りたいと思います。

なお、前記事のバスレフ型に関する考え方に誤りがある可能性があるため非公開にしました。バスレフ型の挙動が明らかになってから訂正版を公開する予定です。

では、次回以降もオッタノシミニ!

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2013年06月25日 (火) | Edit |
バスレフ君の謎が解けたので、修正版を掲載します

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今回は3ウェイスピーカのアナログネットワークの位相と時間遅れについて簡単に検討します。

下記の一般的な3ウェイ構成を想定しました。
ウーハ: ~400Hz (バスレフ、密閉)
ミッド: 400~4kHz (密閉)
ツイータ: 4kHz~ (密閉)
全て-12dB/Octフィルタを使用

下は位相特性です
3ウェイ400クロス位相
- 例によって、入力信号の位相を絶対基準(ゼロ)とします。
- 各共振要素の出力の位相は、入力に対して共振点で-90°回転し、全体で-180°回転します。これさえ理解すれば、各周波数における位相回転量は簡単に求まります。

各周波数での位相回転量は下記の通りです。
1) ウーハ
○ バスレフ型の場合
- 第1共振ピーク: 15Hz / -90°
- 共鳴点: 40Hz / -180°
- 第2共振ピーク: 70Hz / -270°
- LPFカットオフ: 400Hz / -450°
共振要素は全部で3個(540°回転)
バスレフ型のポートの効果は2つめの共振ピーク(この例では70Hz)アタリまでです。これより高い周波数では密閉型と同じになります。

○ 密閉型の場合
- 共振ピーク: 60Hz / -90°
- LPFカットオフ: 400Hz / -270°
共振要素は全部で2個(360°回転)

2) ミッド
- 共振ピーク: 150Hz / -90°
- HPFカットオフ: 400Hz / -270°
- LPFカットオフ: 4kHz / -450°
共振要素は全部で3個(540°回転)

3) ツイータ
-共振ピーク: 2kHz / -90°
-HPFカットオフ: 4kHz / -270°
共振要素は全部で2個(360°回転)

各クロス点における正弦波出力は下図のようになります。
3ウェイ400クロス波形
黒が入力波形です。
400Hzではバスレフ型は密閉型と同じなので赤の波形はプロットしていません。

A: ウーハとミッドのクロス:400Hz
- この周波数では、バスレフ型のポートは全く作動せず、密閉型と同じです。
- バスレフ型でも密閉型でも、ウーハとミッドはこのクロス周波数1点において、時間的にも位相的にも一致します。
- ウーハとミッドは同極性で接続すれば良く、ウーハとミッドの振動板の平均位置(前後位置)を揃えればタイムアラインメントが取れます。

B: ミッドとツイータのクロス: 4kHz
- このクロス点において、ミッドの出力は入力に対して450°遅れ、ツイータの出力は入力に対して270°遅れます。つまりミッドはツイータに対して180°(0.125ms)遅れます。
- この場合、「位相的」に合わせたいだけであれば、互いに逆相に接続した上で、ミッドとツイータの振動板の前後位置を揃えれば済みます。
- このクロス点において0.125msのミスアラインメントを問題にするのであれば、同相で接続した上で、ツイータをミッドに対して4.25cm後方(340m/s÷4000Hz÷2=0.0425(m))に配置する必要があります。

下は縦軸を時間にしたグラフです。
3ウェイ400クロス時間
- このように、一般的な市販スピカのクロス周波数領域(数100Hz以上)であれば、アナログフィルタによる時間的な遅れは大して気にする必要は無かろうと思います。特に数kHzのツイータ領域になると時間的な問題は全く微小です。
- バスレフ効果は400Hzのクロス点では全く影響しませんが、ポート音の作動領域になると応答(音)は急激に遅れます。

なお、今回の検討では、各ドライバのインピダンスは共振周波数より高周波領域で全くフラットである事を想定しています。しかし、実際には周波数の増加とともにインピダンスは増加する傾向にあり、その影響を受けるため、同相/逆相どちらの方がディップが発生せずに綺麗に繫がるかは、実際にやってみないと分からないと思われます。そこのところはご理解くださいませ。

次回は、サブウーハを想定したもっと低い周波数でのクロスについて、実験君を交えて検討してみる予定です。
オッタノシミニ!

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2013年06月24日 (月) | Edit |
今朝カウンタが80万ヒットを超えていました。
いつもご愛読ありがとうございます。ZAPが完成してネタが尽きた感があり、100万までキッツイですね。なんとか辿り尽きたいものです。

またまたシツコク位相関係です。
今回でホントにオッシマイにしますので、ご容赦くださいませ。

DAC (Sound Blaster X-Fi Surround 5.1 Pro)のチャンデバ機能の遅れを正確に確認したところ、とんだ事が判明しました。実は、このチャンデバが内蔵しているフィルタの位相特性は普通の-12dB/Octアナログフィルタと殆ど同じです。

以前計測した時はFrieveAudio並に殆ど遅れがなかったはずなのに。。。ナンデヤネン。。

使い方が分からずに暫く放ってあったDACのチャンデバがうまく使えるようになり、それまで使っていたプレートアンプ内蔵フィルタよりも音楽の聞こえ方が明らかに良くなったため、有頂天になって計測したのですが、その際、どうやら観測波形の極性(プラス/マイナス)を逆に読んでいた模様です。実は、サブウーハ用に使っているDayton DTA-100a T-AMPの出力極性はIconAMPをはじめとする僕が今までに使ったアンプ達とは逆になっています。買ってすぐFrieveAudioで計測して気付いたのですが、波形観測の際にその事を考慮する(波形を上下逆にする)のを忘れた模様です。アンプには極性が逆のがあるようなので、皆さんもお気をつけください。

という事で、今回はDaytonプレートアンプを引っ張り出してきて位相特性をもう一度比較してみました。

下が結果です。
遅れ実績まとめグラフ
赤がプレートアンプのLPF、青がDACのチャンデバです。ついでにフィルタ無しの密閉型(水色)とバスレフ型(緑: 共鳴は60Hz)も計測しました。FrieAudioのチャンデバの遅れは密閉型単独と全く同じです。
これらの計測には全てAlpair6Mを使用しました。バスレフは8LのTONO箱。それ以外は2.5L密閉ZAP箱です。ちなみに、Alpair6MとAlpair10の遅れは殆ど同じです。

上図で見る限り、プレートアンプのLPF(赤)よりもDACチャンデバ(青)の方が遅れは少なくなっています。これにより、聴感的に好ましく感じたのだと思われます。とはいえ、このDACチャンデバの位相はバスレフ型(60Hz)と同等まで遅れており、もしかすると普通のアナログフィルタなのか???と疑問が生じます。

下は63Hzの過渡正弦波挙動です。
63まとめグラフ
波形の色は上のグラフに対応しています。密閉型が最も遅れが少なくDACチャンデババスレフがほぼ同等、プレートアンプLPFが最も遅れています。この図では分かりにくいですが、時間スケールを縮めて観測すると、バスレフの波形振幅は他の波形に比べて明らかに緩やかに増加します。つまり位相が遅れるだけではなく、アタック音の振幅の立ち上がりも鈍くなると言う事です。振幅の俊敏な立ち上がりという観点でも密閉型(フィルタなし)が最も優れます。なお、バスレフだけ波形の極性(上下)が反転します(図には反転してプロットしています)。

という事で、やっぱりDACチャンデバの方がプレートアンプLPFよりも遅れが少ないヤン。メデタシメデタシ!。。。とは参りません。

プレートアンプLPFの特性を確認しました。
DAYTON Ftoku 1
ピンクがプレートアンプのLPFです。緑がDACチャンデバ、青が22mH+400μFのパッシブネットワークです。プレートアンプを使っている頃は、メイン側にHPFを使わないアドオン方式を採用していたため、カットオフをこのようにかなり下げていました。

このようなカットオフ設定では、上の結果のようにプレートアンプLPFはDACチャンデバよりも遅れるのですが、試しに同等のカットオフ特性で比較したところ、両者の遅れ具合はピッタリ同じになる事が分かりました。さらに、パッシブネットワークでも遅れ具合は殆ど同じでした。

つまり、カットオフ特性を揃えて比較すると、プレートアンプのLPF(アクティブ)もDACチャンデバもパッシブネットワークも遅れ具合は同じであったという事です。わざわざグラフをお見せする必要もないほどピッタリ同じです。やはり、このDACのチャンデバはアナログフィルタを使っているのでしょうか。。。なんだかガックシ。。

DACの事はさておき、ここで重要なのは、たとえ密閉型サブウーハでも、(パッシブでもアクティブでも)アナログフィルタのカットオフを下げるとテキメンに遅れが増大するという事です。この点で、アドオン方式は不利と言えるでしょう。

今回の結果を、2つ前の記事のシミュレーション結果グラフの中にプロットしてみました(赤枠内、黄領域)。
遅れ実績まとめグラフ2

まとめ
○ カットオフが極端に低かったプレートアンプLPF()からDACチャンデバ()に交換する事により、遅れは減少した。これにより、一部の楽曲でどうしても拭えなかった違和感が解消された。ただし、これは単純にLPFのカットオフ特性が高周波側にシフトした事に起因するものであり、DACフィルタの位相特性が優れていたためではなかった。

○ 密閉型サブウーハであっても、アナログフィルタのカットオフを極端に下げると遅れが問題になる可能性がある。特に、比較的大型のメインスピーカに大型サブウーハアドオンする場合はカットオフが極端に下がるため、この問題が深刻となる。そのような場合、位相回転のない高性能デジタルフィルタの使用が望まれる。

○ バスレフ型の過渡応答挙動の問題は、単純な時間的(位相)遅れだけでは評価できない(例えば、振幅の立ち上がりも緩やか(アタック音の立ち上がりが鈍る、共鳴周波数以下で波形がヘンテコリン等)。さらに、各種付帯音も発生する。このため、遅れが同等であっても、密閉型サブウーハ+アナログフィルタの方が音楽再生クオリティの面では有利であろう(コノミノモンダイは別のハナシ)。

○ バスレフ型の場合、原理的に、同調周波数を下げれば下げるほど遅れ時間は確実に増加する(共鳴点で必ず180°遅れ、共鳴点の周波数が下がれば遅れ時間は単純に増加する)。上図の は同調50Hzの推測値を示す。赤▲は同調40Hzのシミュレーション結果を示す。バスレフ型で40Hzまたはソレ以下までフラットに特性を伸ばす場合、時間的遅れが大幅に増加する事を覚悟する必要がある。

○ 密閉型サブウーハ+位相回転が実質的に無い高性能デジタルフィルタを使えば、密閉型スピーカ本来の優れた応答性を維持したまま低音特性をフラットに伸ばす事ができる(水色 は3"ドライバ(2.5L密閉)による実測結果、青▲は22cmウーハ(34L密閉)によるシミュレーション結果)。

追記
人間の耳はどのくらいまで、音のタイミングを聞き分けられるのでしょうか?

高さや、到来方向の異なる二つの音に時間的なずれを与え、どのくらいのずれがあれば前後関係が正しく知覚されるかを実験すると、充分に訓練を積んだ被験者では20 msくらいのずれがあれば、前後関係がぎりぎりで判断できるそうです。

これはあくまでも前後関係を認識できるかどうかの限界です。音楽のリズムの感知はもっと微妙なはずです。

音楽(特にジャズ)のリズムは非常に微妙に揺らいでおり、僕達はそれを少なくとも1曲の間、半ば無意識に、しかし夢中になって、音を追いかけながら身を委ねます(別にリズムがドーノコーノなんか全く「考えない」)。で、時々イyェー!と叫んでしまう。ベースとドラムスのリズムは、その曲の間ずーーーーーっと連続的に繰り返し微妙に揺らいでいます。繰り返し繰り返しヒタスラ繰り返しズーーーーーーっとです。ズーーーーーっと。

凡庸なベーシストと抜きん出たベーシストではノリ(グルーブ感)が全く違います。学生の頃、たまに野外ジャズフェスに出かけましたが、通常、ロンさんやジャコさんのようなベーシストを望む事はできません。余りにベースやドラムスのノリが宜しくないと気分が悪くなるので、そのようなバンドの演奏中はそのヘンを散策に出かけました。超一流と普通の一流のビートのタイミングの違いは如何ほどなのでしょうか。一体何msの差なのでしょうか?メチャクチャ微妙だと思います。

そのような微妙な音楽を、音階の高低(周波数)によってタイミングが最大で10msも変化する状態で聴き続けると、ダンダン気分が悪くなるのも仕方ないような気がしないでもアリマセン。このような現象は、「オンシツ」の違いに集中した短時間のヒカクシチョーでは余り気になりませんが、「オト」ではなく「音楽」を聴き続けるとダンダン違和感が募ります。

あくまでも直感的にですが、音楽再生装置の低音の遅れは10msを十分に下まわって欲しいナァ。。。と思います。理想を言えばは5ms以下でしょうか。

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