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2013年05月31日 (金) | Edit |
前回の記事でこの実験君シリーズは終わりにする予定だったのですが、追加でFrieveAudioのDSPを使って帯域分割した場合のデータを掲載しておきます。

計測条件(マイク位置等)は前の記事とほぼ同じです。

まず、60Hzの1サイクル正弦波の再生波形です。
Frieve 60
赤がZAP2.1+FrieveAudio、青がAlpair6M馬鹿ブー(前々回の記事)、緑がZAP2.1+DACのDSP(前回の記事)です。比較のため、今回も50Hzまでフラットに補正しています。位相補正は全てOFFです。
DACのDSPで帯域分割すると馬鹿ブーよりも約5ms遅れますが、FrieveAudioのDSPで帯域分割すればそのような遅れは発生しません。DACの遅れはハードウェアではなくソフトウェア(DSP)に起因すると言えます。やはりFrieveAudioのDSPは優秀ですね。

ZAP2.1+FrieveAudioのその他の周波数での波形です。
位相補正はOFF。横軸スケールは周期で合わせています。
Frieve Noc
灰が信号、青が40Hz、赤が60Hz、緑が80Hz。補正は50Hzまでなので、40Hzの振幅は小さめです。

位相補正をONにしました。
Frieve C
各周波数の波形が綺麗に揃い、2発目の波形で信号波形の位相にほぼ一致します。

次に補正済みの周波数特性です。リスニング位置(約70cmの距離、マイク手持ち)で計測しました。
FrieveAudioによる計測結果(クリックで拡大)
Frieve Ftoku1
100Hzでクロスさせています。FrieveAudioの補正済み特性の計測では、メインとサブウーハを同時に計測できません。また、各スピーカの絶対音圧レベルも分かりません。上図は、別々に計測した2つのスピーカの特性曲線をPhotoShopで適当に合成しただけなので、実際のサブウーハのレベルを確認する必要があります。

そこで、Daytonの計測システムで総合F特を計測しました。
まず、周波数レスポンス(F特)計測画面で計測した結果です。
frieve F4
2kHzより上でややHIGH上がり気味(+2.5dB程度)ですが、スムージングを強く(1/6オクターブ)しているので30Hz~20kHzで±2.5dB以内に入っています。実際のリスニング位置でです。。。なんだか凄い。

歪み計測用の画面でも計測してみました。
frieve F3
50Hz以下でレベルが下降しています。スピーカ保護のために元の信号レベルを下げているのでしょうか?それ以外は、こちらの結果も極めて良好にフラットです。こちらではHIGH上がり傾向は見られません。

以上の結果から、サブウーハのレベルは全くOKと言って良いでしょう。

FrieveAudioの補正係数の計測には、相変わらず安物パソコン用マイクを使っています(DAYTONマイクはFrieveAudioでは使えない)。その安物マイクによる補正結果を校正済みのDAYTONマイクで確認したわけですが、上記の結果を見る限り、安物マイクでもスピーカの大雑把なF特計測には全く十分であると言えます。無響室でもない普通のお部屋で、オシゴトの合間に殆どの場合マイク手持ちでチョイト計測するワケですから、あまりコマケーところを微に入り細に入り気にしても意味がありません。とにかく大雑把にやってオッキー問題からズバッと片付けるのが開発の鉄則です。

ただし、絶対音圧レベルを知りたい場合は校正済みのマイクが必要です。校正していないマイクは相対比較にしか使えませんので、ご注意ください。

100000001000180082_10203.jpg
エレコム MS-STM54
LEANAUDIOではF特計測や波形観測にずっとこのマイクを愛用しています。
ヨドバでたったの610YENなり。
断線したので先月新しいのを購入しました。
絶対音圧レベルを知る必要がなければ、全くこれで十分です。ホンマニ。

最後に20Hzまで完全フラット+位相補正ONで春の祭典を再生してみました。
Frieve春 copy
位相補正ONなので遅れは殆どなく、また、全域(30Hz~15kHz)をフラットに補正しているため、音響波形は信号波形によく一致しています。もちろん、コレも安物マイクで収録しています。

以上が4年間かけて開発したLEANAUDIOの現在の到達点です。FrieveAudioの方がiTune+DAC DSPよりも音質(聴きやすさ)は良いような気もしないでもないような気もするような気もしないではないのですが、最近は選曲しやすいiTuneを多用しています。多少音質に差があっても、面倒臭くなくて楽しい方に手が伸びるという事です。別にオンシツ(ヨイオト?)をツイキュしたりキキワケたりしたいワケでは全くないですから。

また、交響曲を真剣に聴きたい時は専らモニタヘッドフォンを愛用します。「広大なホールの反響音が重要な要素となる交響曲を聴くには部屋の影響を全く受けないヘッドフォンに限る」が僕の結論です。ホールに比べて圧倒的に狭くて四角いオウチでは、殆ど無響室にしない限りどう手を尽くそうがスピカでは無理。そもそも、携帯電話+カナル型イヤフォンでフルトベングラさんのベトベン交響曲を聴いて鳥肌立ったのがLEAUAUDIOに着手するきっかけでしたよね。マヂメにバイノラル録音されたベトベン交響曲全集が是非とも欲しい!

という事で、FrieveAudioの出番は殆どなくなってしまいましたとさ。オッシマイ。

追記
F特がドーダコーダとシツコク言うと毛嫌いされるようですが、これは音楽再生システムという「一定の目的を持たされた実用機械」をお部屋に設置したら、正しく機能するようまずイットウ最初に行うべきウルトラ超基本的調整です(もちろん、実際のリスニング位置でね)。好き嫌いの問題ではアリマセン。何もFrieveAudioのようにびったしフラットにする必要はありません。10数バンドのイコライザでも十分でしょう。この21世紀、610エンのマイクと無料のソフトを使って誰でも簡単に計測できます。スマホのアプリでもOKかもしれません。今時、「音楽鑑賞用」を謳う全ての家庭用オーディオ装置には自動的な調整機構を組み込むべきです。もう21世紀なんだからさ。。。全てのコマケーオコノミの調整はその後から始まります。設置環境に合わせた基本的調整が必要なのはどんな「機械」でも同じです。

真っ直ぐ走らぬ車の細部をいくら超精密にチューニングしても決して永遠に車として正しく機能しません。永遠にグルグル回ります。

追記2
交響曲の場合ZAP君にオデコがくっつくくらい近付いて聴くと結構良いです。AURA 1"とA10サブウーハを使ってデスクトップ用ウルトラ ニアフィールド(非接触ヘッドフォン)を作って見ようかと考えています。窓を開けるため音量を上げられず、かといってヘッドフォンでは汗をかく夏場用としては最適かもしれません。なんか、次のネタができたかな?ドデショウカ?

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2013年05月29日 (水) | Edit |
一連の実験君シリーズの最終回です。
今回はZAP 2.1システムの低音挙動を簡単に評価してみました。

サウンドブラスタDACに内蔵されているチャンデバ機能とイコライザを使っています。これはいつものiTuneで聴く時の設定です。FrieveAudioの補正は一切適用していません。

まずはおなじみ、リスニング位置のF特です。
ZAP21F.jpg
チャンデバのクロス周波数は105Hzに設定。50~200Hzのディップとピークは部屋の影響。マイクを近付けると平になります。たった約70cmの距離でも部屋の影響は大きいですね。

前回Alpair6M馬鹿ブーストで計測した1周期正弦波の再生波形と比較してみました。サブウーハとの兼ね合いでマイクの位置や距離が異なるため、あまり厳密な比較ではありませんのでご注意ください。

では結果です。

1) パルス位置で揃えました。
上から40、60、80Hzです。赤がAlpair6M、青がZAP 2.1。横軸のスケールは時間のママです。
ZAPa.jpg
2.1の方が遅れています。以前のWinXP PCでは殆ど遅れなかったのですが、PCをWin7 64bitにアップグレードしてドライバを更新してから少し挙動が変わったような気がします。以前のPCでは、FrieveAudioでASIO出力にするとDACのDSPは完全にスルーしたのですが、現在はASIOで出力してもDACのDSPが働きます。このあたり、ヨクワカリマセン。

2) 波形が重なるようにAlpair6Mのデータを右へシフトしました。
ZAPs_20130529125821.jpg
重ねると波形はよく一致しています。2.1の方が最後のオーバーシュートが少し大きいようですが、条件がピッタリ同じではないので今回のデータだけではなんとも言えません。Alpair10とAlpair6Mを全く同じ条件(マイク位置:正面20cm)で評価するとオーバーシュートは同程度でした。
遅れ時間は周波数が変わってもほぼ一定(約5ms)です。問題になるレベルではないでしょう。

ついでに春の祭典です。
ZAP21春 copy
Alpair6Mより波形は遅れますが、信号にはよく追従していると言えるでしょう。

実験君データは以上です。

という事で、最近は専らZAP 2.1 + iTune(またはネットラジオ)を愛用しています。もう何も不満を感じません。いよいよネタ切れですかね。。

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2013年05月27日 (月) | Edit |
密閉型とバスレフ型の動的歪みの比較データを追加掲載します。
条件は前の記事と基本的に同じです。

下は1サイクル正弦波(40、60、80Hz)の再生波形です。横軸のスケールは周期で合わせています。灰が信号、赤が40Hz、青が60Hz、緑が80Hz。
上が密閉型、下がバスレフ型です。FrieveAudioはどちらも50Hzまでフラットで位相遅れ補正はOFF。
密閉40-70 copyバスレフ40-70 copy
バスレフ型の場合、立ち上がりが遅く、信号停止後もだらだらと波形が続きます。また周波数がたった40Hz変化するだけで波形が大きく変化しています。理想的な再生では、全ての周波数の波形がピッタリ揃います。FrieveAudioで20Hzまで完全フラット/位相遅れONにすると、かなり理想に近付くのですが、データを保存し忘れました。

横軸のスケールを時間のままとし、信号停止後の減衰振動部の波形で揃えてみました。
上が密閉型、下がバスレフ型です。
密閉40-70 最後
バスレフ40-70 最後
減衰振動部は、システム(ドライバ、箱、アンプとの電気回路)によって決まり、信号には関係ありません(だって信号は既にゼロですからね)。信号周波数がどう変わろうが最後屁の周波数は一定だという事です。バスレフ型では、最後屁の振幅が大きくて長い事がわかります。というか、実際の信号部と同等の部分を占めています。

最後に、実際の楽曲音として、おなじみ「春の祭典」最強パスドラの再生波形を比較しました。グレーが信号波形、緑が音響波形です。図が小さいのでクリックで拡大してご覧ください。
密閉型
密閉春
バスレフ型
バスレフ春
密閉型の再生波形は、少し遅れながら信号波形にキッチリと追従していますが、バスレフ型では信号波形との関係がかなりデタラメです。単純に位相が遅れているのとは全く異なります。大阪弁で言えば「ドレガドレヤネン?ドナイナットンネン?」という感じですね。

下は、上の波形ののFFT解析結果です。
灰が信号、赤が密閉、水色がバスレフ型です。
バスレフ密閉春FFT
40~50Hzにバスドラの強いピークがあります。密閉もバスレフも50Hzまでしかフラットに補正していないため、50Hz以下では信号よりもレベルが下がっています。また、バスレフ型の方がF特の減衰が急激であるため密閉型よりもレベルは下がります。その点を差し引いて見れば、波形(時間ドメイン的挙動)があんなに違うのにも関わらず、周波数ドメイン的に評価すればバスレフ型でも問題なく見えます。

今回の実験君データは以上です。

定常評価や周波数ドメイン的評価だけでは、過渡現象の嵐である音楽信号の再生クオリティを正しく評価できない事がお分かり頂けたかと思います。また、バスレフ型が原理的に抱える低音の動的挙動問題もご理解頂けたかと思います。これは共鳴原理に由来する問題であり、ポートをどうチューニングしようが逃れる事は決してできません。これを嫌う場合、箱内部やポートに吸音材を適度に充填して共鳴現象を弱めるしか方法はアリマセン。で、LEANAUDIO初期の頃、聴いているうちに半ば無意識にドンドン吸音材をつぎ込んで、気が付いたら「密閉型と変わらんヤン」にナッチッタを何度も繰り返しました。そして、密閉型で不足する低音を補うために、まずサブウーハを試し、次にデジタル信号ブーストに辿り付きました。現在のZAP 2.1はその集大成です。

僕のように低音ビートに敏感なリスナ、または真にクオリティの高い音楽再生を望むリスナには、密閉型システムを強くお勧めします。

追記
このように計測で評価可能な再生クオリティが向上すると、「ヨイオト?」や「ナンタラカン?」とやらがドータラコータラになるのではなく、確実に「音楽」が自然で聴きやすくなります。僕はこのように計測していますが、これはイヤフォン並の「音楽の聴きやすさ」を求めて、聴感を頼りに、最初はバスレフ型から、アレコレ開発してきた結果を後追いで検証しているに過ぎません。

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2013年05月24日 (金) | Edit |
今回は、バスレフ型の低音歪みについての実験君結果をご紹介します。定常歪みだけでなく動的歪みも簡単に評価しました。

バスレフ型では、共鳴周波数で振動板振幅が非常に小さくなる(理論的にはゼロになる)ため、下限周波数における「定常」歪みに関しては密閉型+ブーストよりも大幅に有利です。

今回の実験君では、TONO箱(8L)のバスレフ仕様(共振f=60Hz、吸音材なし)とZAP(2.5Lポチ箱、密閉、吸音材大量)の低音歪みを比較してみました。ドライバは共にAlpair 6Mです。

部屋の影響を最小にするために、マイクは20cmの距離に置きました。周波数特性を正確に揃えるために、どちらもFrieveAudioで60Hzまでフラットにしています。密閉型の60Hzにおけるブースト量は約+9dBです。

音量は以前と同様に、下記のように設定しました。
1) 昼間の標準的ボリュームよりやや高め
標準ピンクノイズで約75dBC(リスニング位置)に設定。PCのボリューム目盛りは32/100
2) ご近所にビクビクしながらかなり頑張ったボリューム
標準ピンクノイズで約82dBC(リスニング位置)に設定。PCのボリューム目盛りは60/100

マイクロフォンを20cm位置に置いたため、グラフの絶対音圧レベルは以前のリスニング位置での計測結果と異なりますのでご注意ください。

それでは結果です。今回は4次および5次の歪みもプロットしています。グラフの色分けは下記の通りです。
Color.jpg

1)標準的音量
上が密閉、下がバスレフです。赤の%値は75dBを基準とする値です。
密閉75
バスレフ75
密閉型は最大ブースト点の60Hzをピークとして2次歪みが増加しますが、全く問題のないレベルです。バスレフ型の歪みは殆どフラットですね。

2)大音量
ドアを閉めていても奥さんから1発でレッドカードを喰らう音量です。PCのボリューム目盛りは1)の約2倍。
赤の%値は85dBAを基準としています。
密閉85
バスレフ85
当然どちらの歪みレベルも全体的に高くなりますが、傾向は1)と同じです。ブーストは60Hzまでなので、Alpair6 M最大の弱点である50Hz以下の3次歪みの急増は見られません。このため、このような大音量でも、以前のヘッドフォンによる聴感評価でガイドラインとして設定した基準(2次は5%以下、3次は2%以下(1%以下が好ましい)、4次以上は1%を大幅に下まわる事)になんとか収まっています。これらの歪みは、以前の記事に書いたように信号処理(メカトロ化すればコスト増殆どなし/ソフトで対処)または小径ウーハを2本プッシュプルで使えば(コスト増あり)大幅に改善できます。バスレフ型では、約150Hzに2次の特徴的なピークが見られますが、原因は分かりません。

下は60Hz/-12dB定常正弦波の再生音響波形です。音量は2)の条件と同じです。つまり2)のグラフの60Hzにおける波形と考えてください。
上が密閉型、下がバスレフ型です。
密閉 SINE
バスレフSINE
密閉型では、2次歪みの影響で波形が上下非対称になっていますが、バスレフ型では信号波形(グレー)と非常に良く一致しています。しかし、波形には明確に現れていませんが、このような大音量になるとバスレフ型ではポートの風切り音がハッキリと聞こえ、非常に耳障りです。聴感的には歪みの大きい密閉型の方が好ましく聞こえなくもありません。このように、バスレフ型の場合、高調波歪みは低くても、大音量ではポートの風切り音が問題となります。

下は、上の波形のFFT解析結果です。
上が密閉、下がバスレフ。
FFT密閉
FFTバスレフ 
バスレフ型の場合、高次の高調波成分が高くなっています。風切り音の影響かも知れません。

以上のように、バスレフ型の「定常」歪み特性は非常に優秀である事を確認できました。
しかし
音楽信号の周波数成分と振幅は極めてダイナミックに変化します。一時たりとも留まらぬ過渡現象の嵐であると言えましょう。従って、本当の歪みは動的に評価してみないと何とも言えません。

そこで、1サイクルの正弦波信号(60Hz/-12dB)を入力した時の音響波の挙動を調べてみました。音量設定は上記2)と同じ(大音量条件)です。以下の図には、信号波形をグレーで示しています。

上が密閉型、下がバスレフ型です。
過渡密閉
過渡バスレフ
密閉型の場合、信号に対して少し遅れますが、信号波形との対応は明確です。しかし、バスレフ型になると、音響波形の各ピークが信号のどのピークに対応するのか良く分からない程大きく変形して(従って歪んで)います。このように、バスレフ型は定常正弦波信号を非常に綺麗に出力しますが、過渡的な信号になると大きく崩れます。綺麗な定常波形がだいなしですね。

バスレフ型の波形を少し詳しく見て見ましょう。
最初に密閉型と同じ遅れで小さな振幅の波形が発生し、ほぼ1サイクル遅れて大きな振幅の波形が続いています。最初の小さな波形は振動板から直接放射される音、大きな波形はその後共鳴が起こってポートから放出される音だと思われます。

最初は無信号ですから、システム(ドライバ+箱内の空気)は全く共鳴していません。このため、振動板は信号通りに動いて音響波を発生し、システムが励起されて共鳴が始まります。その結果、1発目のピークよりも2発目のピークの方が振幅が大きくなっています。2発目の振動板の動きでさらにシステムが励起され、ポートからは3発目のさらに大振幅の音響波が放出されますが、その時点で振動板の運動はほぼ停止しています(信号が無くなる)。その後、放ったらかしにされた箱内の空気はダラダラと減衰しながら振動し、信号停止後も暫く音を放出します。。。と、いった現象が考えられます。あくまでも推測ですよ。

音楽信号は過渡現象の嵐ですから、音楽再生中にこれに近い現象がノベツクマナク発生していると考えられます。

LEANAUDIOの初期では、バスレフのチューニングに散々取り組みましたが、どうやってもバスレフ型で長く音楽を聴いているとだんだんイライラしてきて、ポートに詰め物をし始め、最終的に密閉型になってしまうという事を繰り返しました。これは、このような過渡現象の問題に由来するのかも知れません。僕はジャズを聴く際ピチカートベースを基準に聴く癖があるため、特に低音の過渡的問題には敏感なのかも知れません。

さらにバスレフ型は、ポート自体が共振音を発生し、箱内部の定在波音もポートから放出し、さらに大音量時には風切り音も生じると言った付帯音の多さも欠点として持ちます。これに関しては「音楽再生における付帯的音の現象 - データ編 その1 」で詳しく調べました。

最後にオマケとしてFrieveAudioの位相補正をONにしてみました。
過渡密閉 補正
位相の遅れは殆ど無くなります。しかし、実用状態での補正の効果は、僕には全く感じられません。密閉型では元々遅れが少ないからかも知れませんね。

今回の実験君結果は以上です。この後も、過渡挙動について追加の実験君を予定しています。オッタノシミニ!

追記
ブーストの下限周波数を欲張らずに同じドライバのバスレフ型と同等の周波数特性を達成するだけであれば、小さな密閉ブースト方式で十分に実用的な性能(歪み特性)が得られます。今回は8Lのバスレフ型に対して密閉型は2.5Lでしたが、以前の記事に書いたようにLEANAUDIO方式では箱容積の影響は小さいため、1L程度の箱でも結果は殆ど同じでしょう。バスレフ型の場合、共鳴周波数を保ったまま箱を小さくする事は困難です。1Lで60Hzなんか絶対無理ですから。商品性を高める上で、コンパクト化はトッテモ重要です。

再三申しているように、密閉型ブースト方式はシステムのコンパクト化に非常に有利であり、しかも動的挙動の面でも大きく優れている事がお分かり頂けたと思います。さらに、現象がシンプルである(音は振動板の運動に直接対応する)ため、電子制御による挙動の改善も容易です。メカトロ化により、そのポテンシャルはさらに大きく拡がるでしょう。

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2013年05月22日 (水) | Edit |
今回は、信号処理(DSP)による低音歪みの劇的な改善の可能性を実験君で確かめました。

結果をお見せする前に例によってツラツラグダグダです。スンマセン。読んでやってくださいな。

スピーカというのは極めて単純で原始的な構造を持つ「機械部品」であり、電気信号を音響波に変換する「変換器」としては様々な原理的問題を抱えています。でありながら、この科学技術が進化した21世紀においても、スピーカにはアンプで単純に増幅した音楽信号をそのままブチ込んで「後はスピーカ君よろしく!」と成り行きにまかせているのが現状です(根本的問題に対処しようとせず、微細なオトの違いにティマティマ拘りグルグルするばかり)。

スピカに限らず単純な構造を持つ「機械」とはそういうモノです。「機械」は基本的にアホで単純なんです(インテリジェンスを持たない)。

例えば内燃機関(エンジン)も極めて単純な原理で作動する「機械」であり、特性は速度/負荷とエンジン条件(水温、油温、燃料温度)および周囲条件(温度、気圧、湿度)に応じて様々に変化します。大ムカシは、自動調整機構として簡単な機械式ガバナ程度しかなく、人間が多くの調整を行う必要がありました。しかし現代のエンジンでは、非常に精密な電子制御により、莫大な量の情報を高速に処理しながらエンジンを常に最適な状態で稼働させ、有毒ガスの排出量と燃料消費量をソレハソレハモウ劇的に削減しています。

カメラでも全く同様です。昔は全てが機械式であり、様々な調整は全てヒトまかせでした。しかしカメラは今やレンズの付いたコンピュータあるいはメカトロマシンの感があります。

このように、機械と電子制御を組み合わせる事により、機械の性能、機能、効率を飛躍的に高める事ができます。このようなご時世において、ましてや、長年にわたって「ツイキュ」し「ショージン」し続けて来たオヂオ界において、様々な難儀を抱えるスピーカが未だにほとんど裸同然の機械部品である事には全く驚かされます。ナンデヤネン? ナニ?をツイキュしてきたのか??「音楽再生」ではなく趣味の「ヨイオト?」とやらをグルグル追っかけマーしてきただけか?

再三申しているように、スピーカとアンプとDSP(デジタル信号処理)ユニットを一体のシステムとして構築する事により、スピーカが抱える多くの問題を劇的に改善できます。アンプはアンプ屋、スピカはスピカ屋が別々にツイキュするなんて、もうウルトラ超アナクロですよ。何事もシステム全体で考えないと飛躍的な進化は望めません。 進化とはナニも「オンシツ」だけの事ではアリマセン。コンパクト化、低コスト化、使いやすさも実用道具として「オンシツ」と同等または、オンシツが必要十分レベルに達した後はそれ以上に重要な技術課題です。

オーディオシステムの中で最も多くの難儀を抱えるスピーカユニットの特性に合わせて(あるいは特性を補うように)アンプとDSPを最適化し、スピーカと一体のシステムにしてしまう事により、オーディオシステムの音質を改善しながらサイズとコストを飛躍的に低減できるはずです。これが僕の言う「メカトロ」スピーカです(「メカトロ」とは「メカニズム(機械)」と「エレクトロニクス(電子制御)」の融合という意味ですよ!。今のシステムは原始的な「電気/機械装置」に過ぎません)。(関連記事:こんな装置が欲しいなぁ-3. システムの統合が鍵ですよ! )

今時、電気回路は非常に低コストで高性能ですから、どこの業界でもメカトロ化(さらに進んでインテリジェンス化)はとっくのとおにアッタリマエの技術です。デジタル音源の普及(1982)以来、オーディオ技術がマヂメに進化していれば、多くのヒトビトが家庭で現状よりもずっとお安くお手軽に、ずっと良い状態で「音楽」を聴けるようになっていたはずです。僕がオヂオ界に対して犯罪行為だというのはそう言う意味です。

もちろん、マニア達はこのような進化を嫌うでしょう(トッカエヒッカエできないからタノシクないもんね)。それは自動車界でもカメラ界でも同じです。どの業界でも、マニア達は進化に対して一抹の寂しさを(時には激しい嫌悪感さえ)抱きます。かくいう僕だってライカM2を後生大事に防湿庫で保管していますよ。しかし、良質なオーディオ装置(道具)を必要とするのは、「道具」ソノモノに強い愛着を持つ少数のマニアだけではアリマセン。アッタリマエです。また、どの分野でもマニア達は「ヨイオト?」(趣味性)は求めても「良質な音楽再生」(実用性)を必ずしも求めるわけではありません。マニアはマニアの領域で放っておけばヨロシ。ソレハソレコレハコレです。

さて、そのようなメカトロ スピーカには様々な面で飛躍的な進化を期待できますが、その1つが低音大振幅での歪みの低減です。やっと本題ですね。。。。

例えば、メカトロ サブウーハにそのような技術を適用すれば、「非常にコンパクトなドライバ」を「大振幅」で駆動して「非常に低い周波数まで」「十分な音量で」「低歪みの良質な低音」をリスナに提供できます。アホみたいにデカイ装置は要りません。再三申すようにコンパクト化は非常に重要です。余程の数寄者でない限り、他の分野の製品に比べてどう考えてもブットビ高価で1人では動かせぬようなデカイ装置なんか誰も買いませんて。ホンマニ。多くのヒトビトに良さを納得して買ってもらえる良い品を作らんとアキマセン。

という事で、今回の実験君では、信号処理によって低音歪みを大幅に改善できる事を確認しました。

方法は簡単です。
「スピーカの音響出力に含まれる高調波成分とは逆相の高調波成分を最初から信号に付加する事によって歪みを低減する」というのが狙いです。

信号生成にはいつものWaveGeneを使いました。スピーカはAlpair 6Mです(2.5Lポチ箱)。

下は、補正なし信号(純粋な正弦波信号: 40Hz/-6dB)を再生した時の音響出力です。
3次補正なし 最終 copy
3次歪み率が13.5%もあり、波形は三角を通り越してS字状に歪んでいます。当然ですが、聴感でも明らかな歪みを感じます。

下は波形生成の設定画面です。
3次補正 WG copy
Wave1で40Hz/-6dBを生成し、Wave2で3次(120Hz)を生成しています。FFTを観察しながら、3次歪みが最も小さくなるように、Wave1の位相(図では80°)とWave2のレベル(図では-40dB)を調整しました。この状態で3次高調波成分は2%です。この程度では信号波形は純粋な正弦波とほとんど見分けが付きません。

下が補正済み信号波形を再生した時の音響出力です。
3次補正あり最終 copy
3次歪み率だけが13.5%から0.4%まで激減しました。3次高調波成分の大きさを3/100に低減した事になります。信号では2%しか補正していないのに、出力では大幅に変化する事に驚かされます。波形も綺麗な正弦波に近付いていますね(2次が残っているので上下が少し非対称)。聴感でも、補正をONにすると劇的に音が「静かに」「重く」なります。

次に2次歪みの低減も試してみました。
2次補正WG
補正値は95°/-38dBです。2.5%の2次高調波を追加した状態です。

2次補正あり最終 copy
2次歪み率も0.4%まで激減しましたが、3次成分がそのままなので、見た目の波形はあまり変化しません。聴感の変化も微小です。やはり3次歪みの低減が重要ですね。今までの経験から、100Hzを大きく下まわる超低音の2次歪みは10%くらいまで実用的に許容できるのではないかという気もします。

今回の結果は以上です。

今回は1点の周波数で最適値に調整したため絶大な効果(3/100に低減)が得られましたが、実用化するならば80Hz~40Hzの範囲でまぁまぁソコソコ良好な補正結果が得られれば十分でしょう(1/10の効果で御の字)。補正は極力大雑把かつ最小限に適用する事が肝要です。また、2次歪みはソコソコ許容して3次歪みの低減に重点を置くべきであろうと思われます。

このようなDSP技術が実現すれば、サブウーハを大幅に小型化でき(例えば2”ウーハとか)、小さなドックシステム等の低音再生性能を飛躍的に改善できるはずです。

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