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2012年01月31日 (火) | Edit |
多機能なFrieve Audioにはチャンデバ機能も組み込まれています。今回は、この機能を使ってデジタル方式で帯域を分割してみました。

方法はメチャクチャややこしいので、まずは結果をご覧ください。

いつもの40Hzにおける過渡応答性のチェック波形です。
DIGI hake1i
DIGI hake2i
グレーがソース信号、青が位相補正OFF、赤が位相補正ON。もともと密閉型なので、補正しなくても殆ど遅れません。前記事のようにアナログ式だと270°遅れましたが、デジタル式だとこのように位相的に正確なフィルタリングが可能です。

このように、極めて良好な結果が得られるのですが、残念ながらFrieve Audioのチャンデバ機能は非常に使い難いため、普段使う気にはなれません。それに、Frieve Audio以外のソースでも十分に高品位な低音が聴けるようにする事がZAP 2.1chの本来の狙いですからね。

さて、後は、Frieve Audioのチャンデバ機能の使い方について、簡単にご紹介しておきます。CPU負荷自体は大した事なく、Atomプロセッサ搭載のPCでも楽勝で動作しました。

まず、マルチチャンネルのDACが必要です。また、ビット数が同じであれば、2ch DACを2台使って同じ事ができそうです(2台のDACのビット数が異なるとダメ)。今回は、Sound Blaster X-Fi Surround 5.1 Proという5.1ch対応のDACを使ってみました。お値段は実売6K円程度と安価です。お仕事PC用に使っていたDenDACが壊れたので、試しに買ってみました。
814_20120131061716.jpg
Sound Blaster X-Fi Surround 5.1 Pro
メーカの製品紹介はコチラ

しばらく音楽用PCに繋いで仕事中に使って見ましたが、特に違和感を覚える事もなく、ハチマルが音楽を聴く分には全く十分なような気がします。というか、添付のドライバをインストールすると、普段使っているDACより少し良いように聞こえるような気がしないでもないような気もします。ドライバをインストールすると、ASIOはこのDACを8ch x 32bit/192kHzとして認識します。カタログでは24bit/96kHzなんですけど。。ドイウコト?。。。実際のところは不明ですが、普段の24bit DACよりもCPU負荷がやたら増えるので32bitで実際に動作している可能性はあります。まあ、とにかくハチマルには十分なクオリティです。

下はASIO4ALLの設定画面です。
ASIO.jpg
ドライバをインストールすると、出力は192kHz/32bitとして認識されます(カタログ上は96kHz/24bit)。しかも、5.1ch用なのに8chが認識されています。ドシテ?

ところが、このドライバが厄介で、こいつをインストールすると、Frieve Audioでは肝心のマルチチャンネルが使えなくなってしまいます。という事で、今回はドライバをインストールせずに使いました(標準ドライバを使用)。この場合、ASIOはこのDACを24bit/48kHzと認識します。また、ドライバをインストールしないと、DAC本体に付いているボリュームも使えなくなります。マルチチャンネルの場合、これが使えると非常に便利なのですが、使えないのでFrieve Audio側でボリュームを調整しなければなりません。

以下Frieve Audioの設定についてです。

環境設定の[ASIOドライバ]タブです。
kankyo.jpg
ここでは、L/RとC/SWチャンネルにDACのチャンネルを割り当てます。

DSPの[マトリクス]タブです。
matx.jpg
ここでは、各チャンネルの入力と出力を割り当てます。今回、サブウーハにはCチャンネルを使いました。Cチャンネルには、LとRの信号を入力として割り当てます。これにより、L/Rをミクスしたモノ信号をCチャンネルから出力します。

DSPのイコライザ画面です。
woo.jpg
main.jpg
上がCチャンネル(Alpair10)。下がLチャンネル(Alpair6)です。赤が帯域分割用のフィルタの特性です。この図では12dB/Octのフィルタ特性とし、200Hzでクロスさせています。青が実際に適用されるイコライザ曲線です。RチャンネルにはLチャンネルと同じフィルタを設定します。

L/RチャンネルをIcon AMP + A6、CチャンネルをCP400(ブリッジ) + A10で再生します。アンプのボリュームを連動できないので、F特がフラットになるように両方のアンプのボリュームを調整した後、Frieve Audioのマスタボリュームで音量を調整する必要があります。DACのボリュームが使えると便利なんですけどねぇ。。。

Masterボリュームをマウスで調整します。
vol.jpg
ボリュームのUP/DOWNをキーボードの任意のキーに割り当てる事もできます。

以上は再生時の設定です。

再生する前に音場の計測が必要ですが、これには手こずりました。

PC側の問題なのかも知れませんが、2チャンネルずつしか計測できませんでした。4チャンネルを一度に計測する事は可能なのですが、どういうわけか、計測結果は2チャンネル分しか保存されません。このため、L/Rチャンネル(Alpair6)とC/SWチャンネル(Alpair10)を別々に計測して、後で計測ファイルを操作する必要がありました。なお、各計測では必ず2チャンネルを計測しないとFrieve Audioは設定を保存してくれません。このため、サブウーハ用の計測でも、CおよびSWチャンネルに信号を入力して、2回計測する必要があります。

それぞれの計測結果を例えば「チャンデバ1」(メインSP用)と「チャンデバ2」(サブウーハ用)として設定を保存した場合、下図のように「Program Files/Frieve Audio M-Crass/IRs」フォルダに、設定ファイルを収めたサブフォルダが作成されます。

dir.jpg
各サブフォルダにはir0.wavとir1.wavが格納さます。2チャンネルの場合、ir0がLチャンネル、ir1がRチャンネルの計測結果です。

2回の計測を行った後、Frieve Audioを一端終了して、エクスプローラ上で以下の操作が必要です。
1) サブウーハ用「チャンデバ2」サブフォルダ内のir0.wavをir2.wav、ir1.wavをir3.wavにファイル名を変更します。
2) これら2つのファイルを「チャンデバ1」サブフォルダにコピーします。使うのは片方だけですが、2つともコピーする必要があります。

以上の操作により、「チャンデバ1」フォルダに4つのファイルを格納します。
dir2.jpg

以上のファイル操作を行った後にFrieve Audioを再起動し、DSPの「イコライザ」タブで計測結果に「チャンデバ1」を選択すると、やっと2.1チャンネルで再生できるようになります。メンドクサ。

最後に、もう1つ問題があります。「音響補正結果の計測」では、各チャンネルごとの補正結果しか計測できません。L+CまたはR+Cの全域特性を計測できないという事です。難儀ですね。

仕方ないので、マドンナを再生して、聴感でコンナモンヤネと2台のアンプのボリュームのバランスを調整しました。確認のために、以前の記事で紹介したWaveGeneでホワイトノイズのWAVファイルを生成し、これをFrieve Audioでリピート再生して、リスニング位置のマイクロフォンで録音し、そのWAVファイルをExactAudioCopyでFFT解析しました。アーーーーーーメンドクサイ!
Ftoku DIGI
赤がサブウーハON、青がOFF。まぁ、こんなもんちゃう? 後は、アンプのボリュームを固定したまま、Frieve Audioのマスタボリュームで音量を調整します。

暫くこの状態で聴いてみましたが、アナログ式に比べて低音がタイトに引き締まっているように聞こえないでもないような気もしないでもないかもしれませんが、デジタルで聴いているという先入観も絶対あるし、どちらにしろ実用的ではないので、二度と使う事はないでしょう。アーメンドクサカッタ。。。ホンマニ。。

という事で、2.1ch方式についてはこれ以上深追いせずに、アナログ チャンデバでアドオン方式を採用する事に決定!

40Hzで約270°の遅れは出ますが、市販のマルチウェイ バスレフに比べればずっとマシだという事で納得しましょう。最近は専らiTuneでベトベン全集とネットラジオでヘビーなラップを聴いていますがスコブル具合ヨロシ(って、どういう組み合わせだ!)。マイルスクインテットのクールでタイトなロンさんベースや、ジャコの天才グリングリン16ビートを楽しみたいときは、馬鹿ブーで聴けばヨロシ。

ZAPシステムの「音質」(再生クオリティとオンシツ)をこれ以上深追いする必要は無かろうと判断します。これ以上やっても、日常的に音楽を楽しむ上での決定的な効果は得られず、富士の樹海にはまり込みそうな気がします。ここでオッシマイにしましょう。次なる課題は使い勝手ですね。

次の計画としては、
1) サブウーハ用のプレートアンプを砂岩君(マツイ君)ボックスに組み込んでパワードサブウーハ化する
かさばるCP400とベリンガーのチャンデバは読者プレゼントとして放出して、身辺整理したいですね。これでシステム全体がスッキリコンパクトにまとまり、全てがデスクトップで完結します。オンシツも大事だけど、日常使う道具としては、こういうのも非常に大切だと考えるハチマルです。

2) AURA 1"を使った深夜用の超超ニアフィールド サウンドスコープ
使わなくなった電気スタンドがあるので、こいつの可動アームを利用して、A6Mの半分の距離に設置できるサウンドスコープという感じのヤツを狙いたいですね。ヘッドフォンは慣れてきたとは言え、鬱陶しいですから。。使わない時は可動アームで移動してしまえば邪魔になりません。A10サブウーハとの距離が一致しませんが、もともと位相がずれている(100Hz以下で数メートル)ので、30cmくらいの距離差は気にならない。カナ?

次回は、真空管バッファとパッシブプリの合体君についてご報告する予定です。

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2012年01月29日 (日) | Edit |
今回は、アナログチャンデバによる位相の遅れについて検証してみます。

前の記事で、補正無しの時のウーハの位相について、「約90°の遅れに見えます」と書きました。「見えます」と書いたのは、以前の経験に比べると遅れが少なすぎると思ったためです。そこで他の波形で確認したところ実際には「270°」の遅れである事が分かりました。

今回の計測は、F特補正も位相補正も全くなしの生の出力です。
270_1.jpg
グレーが信号波形、赤がAlapir6もチャンデバに通した場合、青はウーハ(Alpair10)だけチャンデバに通した場合(アドオン)、緑がチャンデバのサブウーハ用モノラル出力を使用した場合です。チャンデバのLOW出力(赤と青)は約270°(3/4周期)遅れています。サブウーハ出力(緑)はさらに遅れます。

アドオン(青)では、チャンデバのR/LのLOW出力をアダプタでモノラルに合成してアンプに入力しています。また、アドオンの場合、クロスオーバー領域を綺麗に繋ぐためにチャンデバの位相を反転させる必要があるため、実際の波形は上下反転します。

サブウーハ出力を使った場合も「アドオン」形式で使う事になるのですが、位相を反転せずにクロスオーバ領域が綺麗に繋がりました。内部でなにかやっている模様です。このためか、サブウーハ出力はさらに遅れています。

前の記事で使った波形をもう一度見てみます。
270_2.jpg
前の記事で位相を見誤ったのは、信号波形を上下逆で比較したためです。このへんは、ホントニややこしいです。

下は、チャンデバを通さずにウーハのAlpair 10を直接駆動した場合の波形です。
270_3.jpg
遅れは45°(1/8周期)くらいしかありません。ステップの所で激しいピークが出ますが、これはF特補正を適用するとなくなります。

過去に試したパワードウーハ方式では、FrieveAudioは270°近い遅れも綺麗に補正してくれたのですが、今回はどういうわけか、FrieveAudioもハチマルと同じ錯覚に陥って90°くらいしか補正してくれません。ウーハを別体にしているためかもしれません。いずれにせよ、主にiTuneと組み合わせて使用するので、位相補正の事はとりあえずヨシとしましょう。

次にシミュレーションで検証してみます。

チャンデバのフィルタは24dB/Octですが、シミュレーションでは18dB/Octを使っています。そのへんが若干不安ですが、現象を理解する上では十分だと思われます。カットオフは実際と同じ60Hzに設定し、ツイータ側のアッテネータでレベル調整しています。ドライバのデータは、ツイータをAlpair6M(2.5L密閉)、ウーハをAlpair10V2(4.0L密閉)としました。グラフの位相曲線(下方の緑)は、200Hz以上で0°より前進していますが、これは無視して、基準は全て0°と考えたてください。

まず、両方をチャンデバに通す場合です。
sim1.jpg
正相どうしの接続で綺麗につながります。40Hzにおける0°に対する遅れは約3/4周期となっており、実測とよく一致します。

下は、ツイータとウーハを別々に表示したものです。
sim2.jpg
sim3.jpg
ツイータもフィルタを通すため、クロスオーバー領域でAlpair6Mの位相が遅れてウーハの位相とうまくつながる事がわかります。

次にアドオン方式です。まず正相どうし。
sim4.jpg
クロスオーバー領域で大きく落ち込みます。これも実測とよく一致します。この領域で位相に急激な変化(約180°の段差)が見られます。

下は、フィルタを通さないツイータ(Alpair6)の特性です。
sim5.jpg
フィルタを通さないので、低域の位相遅れは僅かです。このため、クロス領域では、フィルタを通ったウーハとの位相差が約180°(つまり波形の山と谷が真逆の関係)となり、お互いに音を打ち消しあってしまいます。

ウーハ(Alpair10)の位相を反転しました。
sim6.jpg
180°の位相差があったので、反転する事によりうまく繋がりましたね(山同士、谷同士が合致したという事)。低域の位相遅れも180°以下になっていますが、これに騙されてはいけません。これは、360°近く遅れた波形の極性を単純に反転しただけであり、実際に位相が「進んだ」(遅れ具合が減った)わけではありません(上の実測波形を見れば分かります)。従って、最初の1発目の波形が360°近く遅れる事に変わりはなく、単純に波形の上下が逆になるだけです。すなわち、動特性的には何ら改善されたわけではないという事です。

ついでに典型的な2WAYバスレフ型の例としてFOSTEXのFW168NとFT207Dの計算をしてみました。
fos_20120129095422.jpg
クロスオーバーは3kHz、-12dB/Octです。本来逆相で使いますが、上記の理由により、それでは正しく位相の遅れを見る事はできないため、敢えて正相としています。40Hzにおける位相遅れは、0°に対して実に540°(つまり1回転半)近くにも達します。なんだか凄いですね。3ウェイのミドレンジ(ハイパスとローパス 2つのフィルタを使う)の場合、一体全体どうなるのでしょうか?あまり想像したくありません。やっぱり、「音楽」聴くならフルレンジのデジタル馬鹿ブーがいいなぁ。。。。と。。。思ってしまいます。

と言う具合に、アナログフィルタというのは、ほんとに厄介です。

ただ、ヒトは聴感でどの程度この問題を感じるのか?この程度の遅れが果たして音楽再生上重要なのか?という疑問は残ります。

例えば、ベースとピッコロのデュオを想定してみましょう。50Hzで360°遅れる場合、距離にすると、50Hzの単音を発生するベース奏者は、非常に高音階を発生するピッコロ奏者よりも約7m遠くに居る状態に相当します。もちろん、ベースの音階によって、この距離は変化します。高い音階だと、遅れに相当する距離は減少します(近付きます)。また、ベースの高次の倍音ほど先に届き、50Hzの基音は約20ms遅れて最後に届きます。従って波形もソース信号とは明らかに異なって見えるはずです(位相遅れの非常に小さい馬鹿ブースト方式で再生したマイルスのペット音ですらそうでしたよね-コチラの記事)。

例えば、テンポ120の曲をジャコが16ビートのノリでグリングリンとグルーブする状態を想定してみます。この場合、ビート(実際に弾くかどうかは別としてジャコの頭の中のビート、いわゆるノリ)の平均周期は120msとなります。50Hzで360°遅れる場合、20msの遅れとなります。つまり1/6ビート遅れる事になります。ジャコは高さの異なる音を、1小節内でも一定のテンポではなく微妙にタイミングを揺らがせながら(スイングしながら)ビートを刻んでいるはずです。1/6が大きいのか小さいのか?

さて、どうなんでしょうねぇ?????微妙ですね。そもそも楽器音は単音ではないですし。

ただ、はっきりと言えるのは、これらの位相遅れによる波形(すなわち音)の変化は、アンプやデンセンを10倍、100倍の値段のコーキュ品に交換した時の波形(すなわち音)の変化に対して、比べようもなく巨大だという事です(アンプやデンセンの違いをこのように雑な波形観測で検知する事は殆ど不可能でしょう)。

ハチマルが今まで試したパワードウーハ方式での経験では、ウーーーンと集中して聴き比べた場合、「別にモンダイナイヤン」という結論になるのですが、仕事中に毎日長時間聴いているうちに、結局馬鹿ブーストの方に自然と手が伸びて、ウーハは使わなくなってしまいました(たくさんスイッチを入れるのが面倒だという影響もあると思いますけどね。。)。位相や過渡応答性の素直さという点で、どうしても馬鹿ブーストに軍配が上がるのか、それともウーハがAlpairに比べてヘボだったから音の繋がりが悪かったのか。さて、どうなんでしょうねぇ???????

と言う事で、アナログフィルタを使う以上、厄介な位相の問題は避けられません。前々記事でコメントを頂いたTさんがおっしゃるように、こんなにメンドクサイならA10を素直にステレオで使ってチョイブーストした方が余程賢明ですね。冷静に考えるとハチマルも大納得ですよ。ホンマニ。。。既に嫌気が差してきました。Alpair 6M ZAP馬鹿ブーで実質的にスピーカ開発は終結しているので、スピーカに関しては単なる技術的趣味の領域という感がなきにしもあらず。。ですね。

それでも実験君は続きますよ。

次回はいよいよFrieveAudioのチャンデバ機能を使った方法をご紹介する予定です。お仕事PCのiTuneでラジオを聴くために使っていたDenDACがコネクタの根本から折れ曲がって、片チャンネルが聞こえなくなってしまったため、昨年末に安価な5.1ch対応DACを購入しました。イロイロと厄介な事が多くて、あまり実用的ではないのですが、なんとかFrieveAudioのチャンデバ機能を使える事も確認済みです。めちゃくちゃ面倒臭いのですが、頑張ってレポートしますね。 メンドクサイけど。

オッタノシミニ!

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2012年01月28日 (土) | Edit |
今回はZAP君スピーカシステムについて、計測結果を交えてご紹介します。

まずは細部の写真から。

Alpair 6Mのフランジ部です
A6.jpg
締め付けネジを8本に増やしました。実は、前の黒ZAPで使っていた合成皮革が比較的厚めであったため、ネジ部だけが沈み込んでフランジが変形し、一部クラックが発生していました。このため、今回の薄い本革貼りで4本締めしたのでは盛大にエアが漏れしてしまったというわけです。

Alpairの樹脂製フランジの取り扱いには注意が必要ですね。バッフル面は堅くて平滑である事が重要です。

という事で、フランジ裏面にエアコン配管の穴埋め用パテを詰めた上で、8本締めにしました。これでエア漏れは完璧に退治できましたが、数々の実験君を経験したAlpair 6Mは満身創痍。もうZAP君の改造は止めにしましょう。

小容積密閉箱では気密性が極めて重要であり、細心の注意を払う必要があります。特にドライバのフランジ部からの漏れには注意が必要です。箱に小さな穴を開けて空気を写真用ブロアで吹き込む方法でもチェックできますが、この場合、余計な穴を開ける必要があります。

これを嫌う場合、実際に音を出してチェックする事もできます。信号には40または50Hzの正弦波を使います。これを再生して振動板を大振幅で振動させた時、エア漏れがあると直ぐに音で分かります。フェイズプラグ付きのドライバだと明らかに異常に聞こえるでしょう。

今回はフランジが歪んでいた事もあり、各ネジの締め付けトルクも、この音を聴きながら微調整しました。ボリュームを上げてゆくと、ある時点からボビンの接触によると思われるビビリ音(エア抜け音とは異なる)が出たため、これが出なくなるように各ネジのトルクを調整し、ビビリ音が消えたら、さらにボリュームを上げながら、トルク調整を追いみました。つまり、フレーム全体の歪みをフランジの締め付け具合で取り除いたという事です。この結果、限界振幅をかなり改善する事ができました。このような調整は、スピーカを立てた状態(すなわち実際に使用する状態)で行う必要があります。ボビンは重力によって偏心するため、ドライバを水平にした状態(上に向けた状態)で調整してから立てたのでは良好なな結果は得られません。

新品ドライバにこのような調整が必要かどうかは分かりませんが、今回のように何度も組み付けをしてフレームが歪んでいる可能性のあるドライバや、バッフルの平面度に問題がある場合には、効果があるかもしれません。

A6TOP.jpg
これはZAP君の上面です。いかにも「電線」という感じのスピーカケーブルを引き回すのが鬱陶しいので、Icon AMPを直結できるようにしました。電線がゴチャゴチャいっぱいあるのは見た目も良くないので大嫌いです。

ZAP箱の表面には、ユザワヤで安売りしていた半端物(穴、傷あり)の本革を貼ってみました。本革は、湿らせると良く伸びるので、作業は楽です。合成皮革ではこうは行きません。凹凸のあるフロント側も1枚で貼れました(濡らした皮を引っ張りながら各所をステープラで仮止めし、これを完全に乾かすと、そのままの形になる)。とても綺麗に貼れたのですが、チョコレート色がどうもヂヂクサク見えて気に入らなかったので、憧れの4311風つや消しグレーで塗装し、ついでにスピーカのフランジ部とIconAMPのケースも同色に揃えてみました。イカガでしょうか???

お次はZAP BAS君です。
A10.jpg
まず、振動板に放射状のシワが見えますね。実は、アンプ(CP400)の電源が入った状態で、誤って入力信号ラインを抜いてしまい、「ブー、バリ!」と大音響が発生。その時に振動板がビローンと前に付きだして、シワができてしまいました。トホホです。恐るべし、業務用ハイパワーアンプ。。一個ずつMさんが手作りした貴重なドライバを、こんな事にしてしまい、申し訳ないやら情けないやら。。。幸い、F特にも超低音の正弦波にも、明らかな影響は見られませんでしたが、Alpair10をサブウーハーに使うなんぞという不埒な行為に天罰が下ったのでしょうか?

箱はDENONコンポの超補強改造箱ですが、表面をジルコンサンドでコーティングしています。箱の表面に透明ニスを厚めに塗り、その上にジルコンサンドを均等に撒いて固めました。別にオンシツ的効果を狙ったわけではなく、砂吹きつけ塗装風を狙ったのですが、上からラッカーを塗装するとゴジラ松井の顔面風になってしまい、大失敗です。塗装前の状態は、砂岩でできた箱みたいで、とっても頑丈そうに見えたのですが、グレーを吹き付けるとコンクリートの塊みたいになってしまいました。ちょっと見るに堪えないので、フロントバッフルにはインクジェットでグレーに印刷した高級画材用紙を貼り付けて応急措置。そのうち綺麗に仕上げたいと思います。

BAS君の後部です。
A10 rear
ケロ君と同様に3mHのコイルを挿入しています。これは無信号時のサー音を完全に除去してくれます。支柱にはZAP君と同じく、不要になった卓袱台の脚を使っています。スピーカの上部と下部を支柱に固定しているので、ビクともしません。

細部の紹介は以上です。

次に、いつもの計測結果をお見せします。
ftoku_20120128081605.jpg
リスニング位置(65cm)で計測。赤がBAS OFFです。180Hz近辺のディップは部屋の影響。チャンデバの目盛り上のカットオフは60Hz。今回はメインSP側もチャンデバを通してローカットしています。マイクは左右の中央に設置しているので高域は落ち気味ですが気にしないでください。このように、デジタルイコライザでブーストしなくても、ソースを選ばず、十分にフラットな低音特性が得られます。

次は過渡応答性の評価です。

F特補正をONにした状態で、位相遅れ補正のONとOFFを比較しました。最近、200mほど離れた所で工場の解体工事をやっており、かなり低周波の騒音が入るため、あまり精度の良い計測はできていません(波形がフラフラする)。

BAS ONの2.1chでの結果
21 phase
赤が位相補正OFF、青が補正ON。補正無しで約90°の遅れに見えます。補正しても少し遅れが残ってしまいましたが問題ないでしょう。補正しても1発目の波形はかなり崩れています。

BAS OFFの馬鹿ブーでの結果
A6 phase
同じく赤が位相補正OFF、青がON。アナログフィルタを全く介さない馬鹿ブー方式の方が応答性に優れます(今回はリスニング位置で計測しているので、以前にお見せした20cmでの計測結果ほど完璧には補正できていませんけどね)。特に1発目の波形の再現性は馬鹿ブー方式が明らかに優れます。今までに試した2.1または2.2方式でも、1発目のアタックの再現性が馬鹿ブー方式に比べると明らかに劣るという事を、様々な楽曲の波形で確認しています。このあたりが、特にジャズを聴く場合に、馬鹿ブー方式に手が伸びてしまう理由かもしれません。

今までに馬鹿ブー方式から主役の座を奪ったパワードウーハー方式はありません。はてさて、今回はどうでしょうね。暫く使って見ないと何とも言えません。

バスレフ型では、この初期のアタック波形がさらに崩れます。ハチマルが思うに、位相の多少の遅れは大して重要ではなく、アタックに対する初期応答性が重要なのではないかという気がしています。そのへんについては、追々確認したいと思います。

今回は、メインSPもチャンデバを通してみましたが、なんかイラッとさせられる事があるので、結局従来通りのアドオン方式に戻しました。次回は、そのへんについて書いて見ますね。

ではでは。。

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2012年01月26日 (木) | Edit |
ご無沙汰です。仕事の合間にゴニョゴニョとやってました。
で、現在こんな状態です。。というのが今回の内容。

テキトーに調整して聴いていますが、非常にヨロシかと思います。今まででベストかもしれません。これから計測しながら微調整します。

今回はとりあえず写真だけ貼っておきます。ご覧ください。

_1000129.jpg
リスニング位置からの眺め

_1000130.jpg
New ZAP君と仲良しのピジョン君。Icon AMP君は直結です。Alpair 6MのフランジとIcon AMPのケースの色もお揃いになりました。

_1000131.jpg
新しい仲間ZAP BAS君。Alpair 10のフランジの色もお揃いに。。

_1000133.jpg
左からヘッドフォンアンプ、おなじみパッシブプリ(トグルSWが2つ付いてますね)、真空管バッファ、お仕事PC用のDAC(5.1ch対応だよ、DenDAC壊れたので)。手前のは超小型のワイヤレス キーボードです。

_1000135.jpg
デスク左横。上から、USBディスプレイと音楽用PC、ウーハ駆動用パワーアンプ、チャンデバ、電源ユニット(買ったよ)。このへんはもっとリーン&コンパクトにしたいですね。

。。。。という状態です。

これから順次詳しくご紹介します。

オッタノシミニ!

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2012年01月15日 (日) | Edit |
Alpair 10の設置方法が決まりました。ZAP君と同じ方法で窓枠にガッチリと固定したので、デスクを振動させる事なく超低音をブリブリ再生できます。さてその実力は如何に?

new.jpg
結局、DENONコンポの改造箱を使用しました。容積は約4Lです。コンポスピーカのあまりに酷い音に激怒して、ガチガチに補強したので、恐ろしく頑丈です。板厚はバッフルが30mm(集積材、一部15mm合板で補強)、その他が24mm(9mmパーチクルボード+15mm合板+一部制振パテ)。

正面上方(左右スピーカのセンター)に設置しようと思ったのですが、見た目の圧迫感を嫌って左方に設置し、数日間この状態で聴いてみた上でOKと判断しました。後でお見せするように超低音の再生クオリティが飛躍的に向上した事と、同じAlpair同士という事もあり、今まで試したパワードウーハ方式の中では最も自然に聞こえます。最初っからAlpair 10をウーハに使えば良かった。高価だし、20kHzまでアタリマエに再生してくれるフルレンジをサブウーハに使うのはもったいないと思って躊躇したのですが、今となっては安物買いの銭失いでしたね。随分遠回りをしてしまったものです。。。。。(でも逆に、貴重な知見がイロイロ得られたから、それはそれで良かったとも言えるか)。

以下、-6dBの正弦波の再生波形です。

40Hz/-6dB ハチマル実用限界ボリューム(Icon 2時/プリ全開)
new_40.jpg
今までのAlpair 6M馬鹿ブーや13cmウーハでは激しく歪みました(トンガリモードを超えてビヨンビヨンになる)が、Alpair10はへっちゃらです。このボリュームでは40Hz/0dB信号まで大きく破綻せず再生できました(下の-6dB/Icon全開とほぼ同等でした)。

40Hz/-6dB Icon全開/プリ全開
new 40 max copy
Iconのボリュームをグイッと全開にしました。それでもまだ3次歪みは2次歪みを超えません。十分に聴ける状態です。スゴイ!

30Hz/-6dB ハチマル実用限界ボリューム(Icon 2時/プリ全開)
new 30
30Hzでも余裕です。従来よりも高調波が劇的に減ったため、このボリュームだとハチマルには殆ど「音」として聞こえません。凄く静か。。。Iconフルボリュームも試しましたが、40Hzよりも歪みが少なく、波形は驚くほど良好でした!どして? でも、殆ど聞こえないから余り意味はない?

高調波歪みが大幅に低下したため、同じ正弦波信号を同じボリュームで再生しても今までより静かに聞こえます。特に30Hzは殆ど聞こえません。一般的に低域を本当に良好に再生すると(低歪みで再生すると)、低音の量感が落ちたように感じると言われます。これは、周波数が低いほど耳の感度が落ちるため、周波数の高い高調波成分が多いと耳には大きく聞こえてしまうためです。よく「良い低音は静かだ」と言われるのもこのためです。低域特性をフラットに伸ばすと「ドン」に聞こえるようであれば、正弦波を再生して波形を観察してみても良いかもしれません。駆動力の弱い真空管アンプだと、50Hzでもかなり歪んでいる可能性があります。

さてさて、これからZAP君ともども箱のお化粧に入ります。今回は本革貼りに挑戦!
オッタノシミニ!

追記
後で気付いたのですが、計測の時に真空管バッファを通していました。このような超低域でも真空管プリはゼンゼン問題ないみたいですね。真空管プリ付きでマドンナをガンガン聴いていましたが、やはり女性の声が魅力的に聞こえるような気がします。

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