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2011年10月30日 (日) | Edit |
前の記事からの続きです。

「アーチストさんの言うてはるコト、やらはったコト」を漏らさずしっかりと聴き取って感じ取りたいというのがLEANAUDIOの最も基本的なモチベーションであると書きました。基本的にオンシツ?ではなく音楽再生クオリティを求めるという事です。

LEANAUDIOはそもそも、カナル型イヤフォンで音楽を聴いてショックを受けた事に端を発し、以来その聞こえ方をリファレンスとしてデスクトップシステムを開発してきたという事は、今まで再三述べました。また、マイクロフォンと同等あるいはそれ以下の極小ダイアフラムを使用し、ダイアフラムと鼓膜との間で密閉された極少量の空気だけをドライブするイヤフォンあるいはヘッドフォン方式は、ダイアフラムとリスナーの間に部屋という巨大な影響を持つ音響空間が介在し、その巨大な量の空気を駆動するためにマイクロフォンに比べて巨大な振動板を巨大なパワーで駆動せねばならないスピーカ方式に比べて、原理的に圧倒的に高音質である(音楽再生クオリティが高い)という事も述べました。ただ、仕事中に長時間イヤフォンやヘッドフォンを装着する事は耐えられないため、デスクトップシステムの開発に着手したという事です。結果として、従来のスピーカ方式とヘッドフォン方式の中間的存在である超ニアフィールドスタイルに帰結したのは当然の成り行きと言えるでしょう。

その経緯を振り返ってみたいと思います。

当時使用していたDENONのCD/MDコンポのスピーカは、結構立派に見える2way/13cmウーハー/6Lバスレフ型でした。しかし、カナル型イヤフォンの正確な再生を知った僕には、とても耐えられる代物ではありませんでした。メチャクチャ音が不明瞭(ブワブワのモゴモゴ)で音楽を聴くに堪えないため、こいつを破壊した時点からLEANAUDIOトライアルが始まります。

dmg33m.jpg
DENON ラビシアDMG-33というやつでした。口コミでは評判良かったのですが。。。

それまでに使った装置の中では、おそらく3"クラスのフルレンジを搭載していたであろうSONY製の高級な一体型CDプレーヤZS-F1が最も聴きやすかった事から、3"のフルレンジドライバが良かろうと判断し、これを破壊したスピーカボックスに取り付けてバスレフ型を作製しました。このスピーカボックスは低音再生時に不快極まりない振動を出す事が分かっていたため、徹底的に補強も加えました(このため容量は6Lから4Lに減少)。

zs-f1.jpg
名機とは知らず酷使したSONY ZS-F1。
多くのスタジオでモニタ用として使用されたらしい。いまだにエッジを貼り替えて使っている人もいるようだ。捨てるんじゃなかったなぁ。。。

各種3"ドライバを試聴した上でF80AMGメタルコーンドライバを選択し、バスレフのチューニングに手を尽くしました。しかし、カナル型イヤフォンで本当の低音ビートを知ってしまった僕には、どうチューニングしても低音(特にピチカートベース)の聞こえ方に満足できず、よく聞こえるようにしようとするとポートに吸音材を少しずつ詰める事になって、最終的に密閉型になってしまうというプロセスを何度も繰り返しました。容量が大きすぎるのかと想い、2.5Lのポチ型ボックスを作って、背面ポート、側面ポート、スリットダクト、超ロングダクトと手を尽くしましたが、結局徒労に終わりました。

という事で、バスレフ型はあきらめて密閉型とし、低音の不足を補うために小型のパワードサブウーハーを購入し、最初はblue skyの言うように床に置きましたが、デスクトップに置いた方が断然自然に聞こえたため、デスクトップサブウーハー方式でしばらく満足して聴いていました。この頃は計測しておらず、専ら聴感によるチューニングをしていました。

ただ、サブウーハーが正しく調整できているのか計測したくなり、ネットでいろいろ調べた結果、Frieve Audioという素晴らしいソフトウェアに出会うことができました。サブウーハと組み合わせた状態で音場補正を適用する事により、30Hzまでフラットなレスポンスおよび位相特性が得られ、目標としていたカナル型イヤフォンの聞こえ方に一気に近付く事ができ、LEANAUDIOの基礎が固まりました。

002b_20111030121834.jpg
なつかしいなぁ。サブウーハーのポートは最終的に粘土で塞ぎました。

その後、F80の明瞭さにやや不満を覚え、ツイータ等を追加してみたりした後に、Alpair5と出会い、そこから馬鹿ブースト+吸音材タップリという第2段階が始まった事は、最近の記事で述べた通りです。元々サブウーハーの使用を前提にAlpair5を選んだため、ブースト時の超低音のタフネスには限界がありましたが、逆に限界の低いAlpair5であったればこそ、ブースト方式に関する様々な知見を得る事ができました。

さて、Frieve Audioの音場補正とAlpair5の馬鹿ブーストにより、「音楽」の聞こえ方はますます目標とするカナル型イヤフォンに近づきましたが、僕自身、なんでこんな事が可能なのか、こんな極悪非道な方式で本当にまともに音楽を再生できているのか検証する必要性を感じたため、この頃からソース信号の解析や、スピーカからの音響波形の解析を試みるようになりました。

計測した物理特性ばかりに頼って開発したかのように思われがちなのかもしれませんが、最終的に馬鹿ブーストに辿り付くこの時点まで、計測と言えば、Frieve Audioの音場測定だけしか行っていません。これによって部屋の定在波の凄まじさを知ることができ、ニアフィールドリスニングの優位性を確信しましたが、それ以外は「聞こえ方」(主に違和感、不快感、不明瞭感を感じないかどうか)を頼りに開発を進めてきたという事です。ただ馬鹿ブーストが十分に実用に耐えると確信した時点で、それまでのLEANAUDIOアプローチの妥当性を後追いで確認しただけの事に過ぎません。

225_20111030122018.jpg
サブウーハーを撤去、F80はスタンドとして使用

なお、このような評価では、少なくともスピーカからの音響波形、理想的にはリスニング位置での音響波形(すなわちシステムの最終出力点)で評価する事が重要です。アンプでいくら矩形波が正確に再生されたとて、スピーカは絶対に矩形波の音響波形を出力できません。最も最初の入力である「ソース信号波形」と最も最後の出力である「リスニング位置の音響波形」を比較評価する事によって本当のシステム全体の再生クオリティを評価できるという事です。基本的に、電気信号を機械運動に変換してさらに音響現象に変換しなければならないスピーカがハードウェア システムのボトルネックとなり、さらに、スピーカとリスニング位置の間には、如何ともし難い厄介極まりない部屋という空間が介在し、特に低音の波形を大きく歪ませます。つまり、アンプ出力点(スピーカ入力点)からリスニング位置までの間の伝達関数が「音楽再生」に最も大きく影響するという事です。現代の技術で作られたアンプの歪みや周波数特性で究極を極めたとて、システム全体に対する影響は微々たるものでしょう。だからイチマンエンのアンプとサンビャクマンエンのアンプをブラインドで評価したらイチマンエンのが勝ってしまうてな事は条件次第でいくらでも有り得ます(でも真空管アンプはスピーカに次いで音の好みに合わせたセレクションを楽しめる因子だとは思う)。

Frieve Audioの自動音場補正は、ソースからリスニング位置までのシステム全体の伝達関数(ゲインと位相)を正確に補正(すなわちキャリブレート)してくれるという点で極めて理に適っており、真っ当に「音楽」を聴こうとする者にとって必須の機能であると言えます(オンシツ?ではなく音楽再生クオリティを飛躍的に高めてくれます)。

ちょっと脱線しました。話を元に戻します。

一連の追認試験の結果として下記を確認できました。

- バスレフポートによるピチカートベース波形の崩れ、位相遅れ
- アナログフィルタの位相遅れによるピチカートベースの波形の崩れ
- 吸音材を入れない場合の箱の定在波の発生(これは振動板を透過して前面に放射される)
- 吸音材を大量に入れる事により、ドライバの機械的共振が抑制されること(特に真空管アンプで顕著)
- Frieve Audioで補正したピチカートベース波形が位相も含めてソース信号波形に極めて正確に一致すること
- Frieve Audioの位相補正によってアナログフィルタやドライバ自身の影響で遅れた低音を極めて正確に補正できること

以上の結果は、「音楽を聴いている時に違和感を覚えた現象は波形で簡単に確認できる」という事、また、「音楽の聞こえ方を頼りに実施してきた各種方策によってそれらの問題が正しく解消された」という事を如実に示してくれました。また、これらの多くは、主に低音再生に関するものであり、この科学技術が進んだ現代においてすら、一般家庭用オーディオ装置が未だに抱える「音楽再生装置」として未解決の根幹的(カンセーがアーダコーダ言う以前のずーーーーと基本的な)かつ巨大な問題であると言えます。僕が最近オーヂオに手を染めて以来、未だに不思議なのは、アナログだ、デジタルだ、デンセンだ、ハイレゾだ、超高音だ、ナンチャラ感だ、ナンダカンダとやたらコマケー事に拘る以前に、「オンシツ?」にさして拘らぬ僕ですら「音楽」を真面目に聴こうとした時に「聴感」で確実に違和感や不快感を覚えた上記の「音楽再生クオリティ」上の根本的大問題に、業界もマニアもさして目を向けようとしないという点です。なして????

僕は何もブツリトクセーとやらを頼りに開発してきたわけではありません。上記問題はデスクトップシステムの開発に着手して真っ先に「聴感」で違和感を覚えて対策した現象であり、それを後から計測で(といっても極めて雑で簡単な方法で)追認したに過ぎません。これらはカンセーだブツリトクセーだがどーだこーだのレベルの問題ではなく、あまりに明白な超基本的問題です(というかずっと放ったらかしにされてきた超古典的問題。僕が中学生の頃に読んだオーヂオ誌にアタリマエのように書かれていた問題)。。わざわざ御大カンセー様のお出ましを願う程のものではゴザイマセン。ホンマニ。

例えば、メタルコーンのAlpair6Mと紙コーンのALpair6Pを自動音場補正でフラットに補正すれば、全く同じF特で比較できますが、やはり「音調」は微妙に異なります。この違いを波形で明らかにしようなどとは微塵も考えた事はありません。余程精密な計測をしない限り明らかな事は分からないでしょうし、それが分かったとしても、僕は「聴感」で好ましく感じられるメタルコーンを選ぶ事に変わりないからです。

また、僕は正弦波の再生を評価する際に、高調波歪み率が何パーセントかという値を提示しません。波形を見て「概ね」見慣れた正弦波の形をしていれば、音の方も「概ね」正弦波のブー音に聞こえるからです。これは明らかに正弦波ちゃうねと言える程度に波形が歪んだ時は、明らかに音も異なって聞こえます。同様に、実際の楽曲のビートの再生波形が「概ね」ソース波形に一致すれば、「概ね」カナル型イヤフォンで聴くのに近いビシッとタイトな気持ち良いビート音に聞こえます。それ以上精密な測定を行って深追いしても実用的なメリットはたいして得られないでしょう。必要十分な「概ね」を見切る事がいずれの場合も重要です。

もちろん「音楽」に限らず芸術は感性の領域です。これを楽しむにあたり、まずは「理性」や「知識」は邪魔ものとなります(だから僕はモードチェーンジする)。しかし、これを伝達するためのオーディオ装置は物理法則に従う厳然たる電気機械装置です。基本的に感性の領域は装置の両側(すなわち表現者側と鑑賞者側)にあり、装置は両者の橋渡しをするものです。基本的技術領域において技術者の透徹した理知的アプローチがまず重要である事は言うまでもありません。もちろん、どのような機械であれ(たとえ最新のハイテク戦闘機であれ宇宙船であれ)、そこには人間としての開発者の思想や感性が反映されますし、またメーカとしてのブランドイメージも重要でしょう。それはどの業界も同じです。ユーザはそれらの個性の中から、自分の好みの製品を選べばよろしい。しかし、開発者はいたずらに「カンセー」あるいは「シュミ」の領域に踏み込んで本来の根幹的な部分(いったいこの製品は何のために存在するのか、この製品は社会にどのような貢献をもたらすものなのか、この製品に求められる最も基本的で重要な機能は何なのか、この製品が伝達しなければならない音楽とはいったい何なのか)での進化を疎かにしてはならないと思います。

オーティオ装置とは何もオーディオそのものを趣味とする人々のためだけにあるのではないという事です。鉄道でも、カメラでも、時計でも、自動車でも、自転車でも、航空機でも、パソコンでも、最近は一般家電でも、果ては銃器でも兵器でもなんでも、本来の用途とは離れてそれ自体に強い美意識を持ちそれ自体を趣味とする限られた数のマニアと呼ばれる層が必ず存在し、一定規模のマーケットを形成しています。しかしマニア層が好むと好まざるに関係なく、本来の用途でそれを必要とする圧倒的大多数の人々のために技術は進化しています。交通機関に関しては安全性と経済性の追求に終わりはありません。マニアがSLをどのように懐かしもうが鉄道は進化するという事です(リニアの必要性は疑問ですけどね)。中には、これ以上便利にせんでもエーンチャウ?という分野もありますし、兵器なんぞ金輪際進化して欲しくはありません。しかし、民生用オーディオ分野では、人々のために根本的に改善されなければならない基幹的技術領域(ネットワークだ、ハイレゾだあるいはやたらコマケー オンシツ?だ以前の基本的音楽再生能力(小型化/低価格化を含む)の領域)が随分放ったらかしにされているような気がしてなりません。。

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2011年10月28日 (金) | Edit |
前の記事からの続きです。。。。

今回のエアフローノイズの除去も含め、例のテーパーチューブ、エンクロージャの制振等、B&Wは付帯音を徹底的に除去する方向性を貫いているようですね。僕はあのノーチラスをスピーカの1つの理想形態であると考えています。

800--Tech--Nautilus.jpg
B&W Nautilus

カタログの写真を詳細に見てみましたが、グルグルの真ん中には穴が開いていないように見えます。密閉型だと思うのだが。。。

ただし、あのように多数の帯域別ドライバを縦に並べるのではなく、できるだけ数を減らして同軸に配置する努力も必要ではないかと思います。おそらくドライバ間の干渉を嫌ってあのような配置にしたのだと思いますが、「音楽」の全体的な自然な聞こえ方というのも重要だと思います。僕ならば低音用バスドライバと主要帯域用ワイドレンジミッド+(オプションでスーパツイータ、または同軸2ウェイ)くらいで良いのではないのかなぁと思います。ワイドレンジミッドとは、はやい話がフルレンジドライバの事(例えばAlpair 5)。まずフルレンジありきで、その上と下を必要に応じて補強するというのがLEANAUDIOの基本アプローチ。メーカはフルレンジドライバの改良に全力を傾けて欲しいと思う。

付帯音を減らす方向性には僕も大賛成です。ソースには美しくて精妙な音成分がしっかりと記録されているし、そもそも記録されていない成分を聴く事は絶対にできません(そりゃそーだ)。アーチストが拘り抜いて全生命をかけて記録した音であればこそ、また専門家が絶妙に調整した楽器の音であればこそ、要らぬ身勝手な思い入れで余分な成分など付加せずに素直に聴いた方が、よほど「音楽」を(精妙なる彼の表現と精妙なる楽器の音を)楽しめるように僕には感じられます。。「音」自体も結局その方が自然で美しく響くように聞こえるんだけどなぁ。絶対に。。(ALpairのおかげというのもあるかもしれないですが)。。。地味すぎる?そんなに響かせんとアカン?ウツウツとしてる?オモシロミがない?ジョーカンが伝わらない?ゲージツ的ではない??ホンマに??

音に「拘る」べきは表現者の側であり、鑑賞者たるもの天才達が「拘り抜いた音」にまずは「拘りなく素直に」真摯に耳を傾ける事が、音楽鑑賞に限らず他者の(ましてや遙か高みにある天才の)表現に接する際の基本的態度だと思う。。。というか、そうするのが結局イチバン「音楽」を楽しめると思う。。フニャーーーとスポンジみたいに弛緩して全てを素直に受け入れることがマズ第1の関門。そこからはじめて例の能動的アクセス(コミュニケーション)が始まるということ(まず相手の言っている事をよく聞きなさいって、小学校で習うよね?それと同じ。ましてや相手は命懸けの天才だよ。言わずもがなでしょ。)。

何かを付加すればするほど、元の音成分(アーチストさんが実際に言わはったコト)は聴きにくくなるというのが物の道理というやつでしょう。素直に「音楽」を聴いていて不自然に感じる成分、違和感を覚える成分(つまりアーチストさんが言うてはるコトが聴こえにくいやんけ!とイライラさせられる付帯的成分)を取り除いて、逆にヨク聞こえていない聞こえるべき成分(アーチストさんがナンカ大事なコト言うてはるけどよう聞こえへんやんけ!とイライラさせられる減衰した成分)を正しく聞こえるようにコツコツ積み重ねて来たのがLEANAUDIOアプローチです。全く素直でアタリマエ。。。。。でしょ?

何よりもまず「アーチストさんがやらはった事」ありきという事です。その尊い「やらはった事」をしっかりと聴き(感じ)取りたいという事です。彼にアクセスするために。。彼が垣間見たであろうセカイノヒミツノカケラをできるだけ多く感じ取るために。。。

追記
でも、市販品で欲しいのはやっぱりJBLモニターだな。カッコイーもん。音は知らんけど。。。。メチャクチャ矛盾してるけど。。LEANAUDIOはAlpairで自作するというコト。。安上がりだし。。

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2011年10月27日 (木) | Edit |
以前、フェイズプラグ付きのドライバは、コイル-マグネット間のギャップからのエア漏れが発生するため、小容積密閉型でガシガシ振動板を駆動するLEANAUDIO方式には適さないという事を書きました。フェイズプラグ付きの御大B&Wもそのへんを認識しているというのが今回の内容です。僕の実験では、小容積密閉箱で低域ブーストした場合、バスドラ等の大振幅時にエアフローノイズがはっきりと聞こえる事を確認しています。また、低域のレスポンスも多少低下するようです(正確な確認はできていない)。

スピーカー断面 copy
フェイズプラグ付きドライバ(右側)では、コイルボビンとマグネットの間の隙間からエアが漏れます。

B&Wホームページのコチラをご覧ください。これはPM1という13cmウーハーを使用したコンパクトなバスレフ型2ウェイスピーカの技術紹介記事です。

PM1-bottom_image.jpgAnti-resonance-plug-tech.jpg
B&W PM1: ウーハーにはB&Wお得意のフェイズプラグを使用していません

以下英文記事の抜粋
As bass drivers get smaller, it becomes increasingly important to prevent residual noise from turbulence as air is forced through the magnet system from pressure inside the cabinet.

The bobbin needs to be totally sealed and the open design of the fixed ‘bullet’ approach, effective in midrange-only applications, becomes less viable. A standard dust cap will seal off the bobbin as well, but, unlike the solid construction of the plug, its membrane structure does not damp resonances on the cone itself.


意訳
バスドライバ(ウーハー)が小型になるほど、エンクロージャ内圧によって空気が磁気システムを通過する際に生じる乱流ノイズを除去する事が重要となります。このためボビンを完全に密閉する必要があります。固定ビュレット(フェイズプラグ)方式のオープンな(気密ではない)構造は、ミッドレンジ専用としては(すなわち低域の大振幅領域で使用しない場合には)効果的ですが、小型バスドライバ用には適さなくなります。普通のダストキャップでもボビンを密閉できますが、(当ドライバが備える)強固なプラグ(マッシュルーム型キャップ)とは異なり、コーンの共振を抑える事はできません。
(訳以上): 同サイトでは日本語訳も見れますが、全く技術的内容を理解せずに訳しているので意味がチンプンカンでんす。

このB&Wウーハは、普通のダストキャップではなくボビンの内側に挿入してボビンも補強するマッシュルーム(茸)型のセンターキャップ(プラグ)を使用しているとの事です。これによりコーンの共振を抑えるとともに、ボビンも補強しているようです。ウーハーなので重量増は多少許せるという事でしょう。

untitled1.jpg
インパルス応答: 青がフェイズプラグ付き、緑がマッシュルーム型センターキャップ付き
フェイズプラグ付きでは、エアフロー ノイズと思われる高周波が乗っています。エア漏れのせいか、若干挙動が異なります。

untitledw.jpg
インパルス応答: 赤が普通のダストキャップ、緑がマッシュルーム型
普通のダストキャップでは、コーンの共振と思われる振動が見られます。平均的な挙動は似ています。

という事で、小径のウーハーを小容積の箱に入れて大振幅で駆動すると、エアフロー ノイズが生じるというのは御大B&Wも認識しているようです。ただし、一般的サイズのバスレフ型の場合、それほどクリティカルではないと思います(実際、B&Wはこんな事を言いながらも、他のシリーズの似たようなサイズの2ウェイバスレフ(CM1等)でフェイズプラグ付きウーハーを使っている。だから余り気にする必要はないと思う)。ただ、LEANAUIOのように極端な小容積密閉箱にブチ込んで低域ブーストで大振幅駆動する極悪非道な使用条件では確実に影響が出ると考えた方が良いようですね。

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2011年10月25日 (火) | Edit |
前の記事で、デスクトップシステムの左右スピーカ間の軸間距離をケロと同等に狭める事によって、大きな効果が得られたと書きました。また、これをきっかけにデスクトップスピーカの開発終結を考えるに至ったとも書きました。

それ以前の、ほぼ教科書通りの正三角形配置(1辺約65cm)で聴いていた頃は、ケロの聴きやすさに比べて微妙にもどかしさを感じ、一時期は片側のモノラルで聴いたりもしていました。モノラルで聴く場合、FrieveAudioでR/Lを単純にミックスして再生します。その時感じたのは、交響曲の場合、最初からモノラル録音された盤をモノラル再生しても当然問題を感じないのですが、ステレオ版をモノラル再生すると、どうもモノラル盤を聴くようには聞こえず、なにがしかの違和感を覚えました。ステレオ盤の場合、広い空間を表現するために、編集段階でなにか細工をしているのかもしれません。あるいは、ピンポイント ステレオではなく、距離を離した2本のマイクロフォンで収録したステレオ盤では単純にモノラル化すると問題が生じると聞いた事もあります(左右のマイクに音が到達するまでの時間が異なるため)。いつも思うのですが、音源が巨大な交響曲の再生は特別です。ステレオなんて中途半端な事するくらいなら、いっその事、居直って最初からモノラルで真面目に録音してくれた方が聞きやすいのではないかとすら感じます。フルトベングラなんかを聴いていると、これで録音の音質さえ良ければ十分ちゃう?という気がしないでもありません。

特にヘッドフォンで聴くとフルさんのモノラル盤の方がずっと聴きやすい。携帯電話+カナル型イヤフォンでフルさんを聴いたのがそもそもLEANAUDIOを始めるキッカケだけど、最近、改めて上等のヘッドフォンで聴くとフルさん(モノ)+ヘッドフォンは聴きやすいと思う。ステレオ盤をモノラルにして聴いても駄目なのよ。是非一度、最新技術で真面目に録音されたバイノーラル盤ベトベン交響曲を聞いてみたいものです。バイノーラルで録音しても左右の音は今のステレオソースみたいにはっきりとは異ならないと思うのよね。ほとんどモノラルと変わらないかもしれない。

さて、デスクトップシステムの方ですが、その後、ディスプレイ上方の正面に2本のSPを配置できるように仮設スタンドを作って、ケロの時と同様に左右の距離を色々変えながら聴いてみた結果、結局ケロと同じくらい(両耳の幅より少し広いくらい、30cm以内)で僕には具合良く感じる事が分かりました。で、ポチ型ボックスの底面同士を合わせてくっつけると、軸間距離が丁度ケロと同じ230mmになるので、これ幸いと手っ取り早く合体させて1本のスタンドで支持したのが現在のZAP君です。

この配置で約65cmの距離で聴いているのですが、左右の違いはホンノリと認識できます。交響曲も自然にほんのりと左右に拡がって聞こえます。スタジオ録音のジャズコンボもメンバーが左右に拡がり過ぎず、明らかに聴きやすいです。実際にライブで聴いている時って、余程前の方の席でもない限り、こんなもんちゃう?。という気もしないではない。というかその場では音の聞こえる方向(音場)なんか気にもしないし。。とにかく、この方が僕には圧倒的に聴きやすいというのは確かです。

以前にも書きましたが、これは、ステレオフォニック効果による擬似的な「音場」の「演出」が効き過ぎると、したくもない聴覚による空間認識を強要されて鬱陶しく感じるためだと思われます。音がほぼ正面前方から出てきてくれた方が、視覚とも一致し、ゴーストではない実体感のある音を聞けるので、音楽をを聴きやすく、また音楽に集中しやすく感じるのだと思います。また、2点音源による高域音の干渉の問題も当然弱まります(何もない真ん中にポッカリ浮かんだなんかシュワシュワとしたコソバユイ感じもなくなる)。このように、「音場感」とやらを余り重視しないのであれば、左右のスピーカを狭めに配置した方が、心理的にも物理的にも、音楽を聴きやすくなるのではないかなぁ。。。と考えるハチマルです。

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2011年10月21日 (金) | Edit |
と、当ブログを読んでいて思われる方も多いのではないでしょうか?

この点については、Mark Audio Alpair吸音材タップシ密閉箱で十分に僕が満足できるレベルに達しているという事です(カナル型イヤフォンと聴き比べても違和感や遜色を覚えるところがなく、自然かつ明瞭に「音楽」を聴く事ができる)。不満がないので、書く事もない。。。というコト。

Alpair 5に出会うまでは、巷で評判の良かった各社の3インチドライバを色々試した後に、最も音がナチュラルに聞こえたF80AMGという当時人気のメタルコーン ドライバを気に入って使用していました(「ハチマル」の名前はこのドライバ名に由来する)。しかし、どうもディティールが全体的に聴き取りにくく(ベールのかかったようなちょっと重くて鈍くてモドカシイ感じ)、ツイータやスーパツイータを追加したりもしましたが満足できませんでした。高音が足りないとかの問題ではなかったようです。また、その頃は吸音材も最低限しか入れていませんでした(例の戸澤を入れただけ)。というのはF80で吸音材を増やすと、ますます音が鈍くなってしまって、さらにディティールを聴き取りにくく感じたからです。そういえば、密閉型だと内圧が振動板の動きを邪魔してディティールを殺しているのかも知れないと考えて、ポチに圧抜きの長い尻尾を付けたりとかもしました。思い返せばアホな事をしたもんです。

その後Alpair 5に出会い、音を出した瞬間にゼンゼンチャウヤン!というくらい「音楽」が「よく」聞こえるのに驚きました。しかもナチュラル。。次元が違うぜ!ホンマニ。。というヤツです。僕はその頃既に紙やPPのキャラの立った音を嫌っていました。キャラが立つと一部のディティールが「よく」聞こえるような気がするのですが、全体的な音楽の聞こえ方(主に低めの周波数帯域だと思う)にはなにがしかの違和感を覚えたからです。F80で吸音材を入れない方がディティールがよく聞こえるような気がしたのも、定在波によるキャラが出て「よく」聞こえるような気がしただけだと思います。

で、A5のおかげで中高域にそこそこ満足できた時点から馬鹿ブーストによる低音再生へのトライが始まります。これは、その頃使っていた安物のパワードサブウーハーでは音がダルくて、シャープなAlpair5と釣り合わなかったためです(音がダル気味だったF80とでは特に違和感なく聞けたのですが)。そして、ブースト時の低音のダンピングを改善するために吸音材を段々に増やしてゆくという段階に入ります。Alpair5では、吸音材を増やしても音が鈍くなるどころか、付帯音が減って逆にますます磨きがかかった(より澄んだ、より自然な、より明瞭な、より聴き取りやすい)ように聞こえました。つまり、もともと周波数の全域で「よく」聞こえるので付帯音は邪魔なだけという事みたいです。特にブースト時の50Hzまでの低域音が安物サブよりもシッカリと良質に聞こえるのには驚かされました(それ以下はブリブリ気味)。だからこそ馬鹿ブーなどというキチガイじみた事にも挑戦する気になったという事です。また、「吸音材タップリ」というのも、実はAlpairだからこそなのかもしれません。

現在は低域限界が大幅にタフなAlpair 6Mを愛用しています。こいつはAlpairシリーズ中唯一ある磁気回路部品を使っていないというやや異色のドライバであり、高域が他のAlpairに比べると控えめであるため一聴しただけではジミヘン(地味でちょっと異色)に聞こえるのですが、長く使っていると自分でも気付かないうちに惚れ込んでしまっているという、ちょっと不思議なドライバなようです(僕はもうA5には戻れない)。同じ事を感じているA6M愛用者が僕以外に少なくとも2名居るという事を最近知りました。

という事でですね、僕は決して低音マニアというワケではないのですが、現在のところ中高域で違和感を覚える現象がないので、圧倒的に問題が多くて技術的に困難な低音再生にどうしても話題が偏ってしまうという事です。

中高音域に関して最近行った対策としては、左右のスピーカ距離をケロ並に縮めた事くらいですね。でも、これは効果大でした。ケロ級に音楽を聴きやすくなったので、「スピーカ開発もそろそろ終結かな?」と考えるきっかけとなりました。それくらい決定的だったという事です。

でもですね、終結を一端決断したのですが、先日Alpair 10を1個だけ購入してしまいました。こいつの低音タフネスがどれくらいあるのか、早く知りたくなったという技術的好奇心だけなんですけどね。。。。近いうちにご報告できると思います。オタノシミニ。。。またポチ箱の改造か。。メンドクサ。

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