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2010年12月30日 (木) | Edit |
「最も手っ取り早い音質改善法」とは「単純にスピーカーに近づく」だけの事です。

交響曲を聴くのが楽しくて、ついついデスクに身を乗り出して聴いてみました。スピーカーから耳までの距離は約40cmです。ディスプレイが目の前に来るので目を瞑ります。すると、低音も高音もより明確に聞こえ、音量は同じですが耳が近づくので特に低音の迫力も増します。通常のリスニング位置でボリュームを上げても、こうは聞こえません。このような超近接リスニングは、小径フルレンジ1発の馬鹿ブーストだからこそ可能な芸当ですね。

いつもは70cm以上の距離で聴いていますが、この程度の距離でも部屋の影響とデスクトップの反射の影響を結構受けています。FrieveAudioで補正しているとは言え、耳をスピーカへ近付けると、それらの影響が大幅に少なくなるのでもっと聴きやすくなるという事だと思います。また、ボリューム一定でも耳元での音圧が上がるので、低音もより聴きやすくなります。他の何かをイヂルよりも圧倒的に効果が大きくて手っ取り早いと直感しました。小径フルレンジ1発の30Hzフラット+αで超ニアフィールドで聴く交響曲。。。これはかなりイケテますよ。「ライブと同等の音圧」ってやつに拘る場合でも、部屋の影響を殆ど受けずに苦もなく実現できそうですしね。。

単純にスピーカーを手前へ移動するとデスクの作業エリアが狭くなってしまうので、可動アーム式のスピーカースタンドを検討中です。写真のスタジオ用具(ライトやレフ板を固定するための可動式スタンド)の中に適当なものが見つかるかもしれません。当面これが最優先プロジェクトになりそうな気配です。とにかく効果が直接的かつ決定的ですので。

以前から「スピーカーは小さくて近いに超した事はない」と言いながら、昨日あらためてそれを実感した次第です。

追記1
ただし交響曲以外では、こんなに近づく必要性をそれほど感じません。交響曲の再生というのは特別なような気がします。今のところ交響曲はカナル型イヤフォンで聴くのが最も好きです。ただ長時間は辛い。SONY製の例のオープンエア ヘッドフォンでは低音のレベルとダンピングが不足気味なのでイマイチ楽しめません(改造計画はあるのですが手つかず)。上記の超ニアフィールドが成功すればカナル型で聴く感じにかなり近付けると思います。

追記2
最近買ったVictor製のカナル型イヤフォンHA-FXC71を凄く気に入っています。このイヤフォンはダイアフラム自体を耳穴へ突っ込む(すなわちダイアフラムと鼓膜の間に介在する空気室の容積が極小)という究極のニアフィールド ドライバです。低音を非常に明確に聴く事ができます。価格も6K円程度と手ごろですし、リファレンス用としても強力にお薦めします。イヤフォンは凄いです。ホントニ。別に音場が前方に展開しなくても僕には全く気になりません。
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そう言えば、LEANAUDIOを始めるきっかけとなったのもカナル型イヤフォンでした。携帯電話で聴いたフルトベングラのベトベン交響曲に鳥肌立てていたっけ。。。

追記3
カナル型イヤフォンは、マイクロフォンと同等サイズのダイアフラムを使用し、駆動した空気の全てを密閉した耳穴へ送り込むわけですから有利なのは当然ですね。極端に言えば、ダイナミック型マイクロフォンを耳に突っ込んで、録音時の信号を逆に流して再生しているのと似たようなものですから。。これに比べれば、巨大なダイアフラムで大量の空気を駆動しなければならないスピーカーというのはいかに効率の悪い事か。。。なんかスピーカーで苦労してあれこれやるのがアホらしくなってきます。装着感と鬱陶しいコード、それと健康への不安さえなければ。。。。。音楽体験の初期から原理的に圧倒的高音質のイヤフォンに慣れ親しんだ若い人達が現在のオーヂオスピーカーの音に満足できるのかどうか?

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2010年12月26日 (日) | Edit |
下図は有名な等ラウドネス曲線です。
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周波数を変化させた時にヒトが同じ音の大きさ(ラウドネス)に聞こえる音圧レベルをプロットしたものです。例えば90dB/1kHzの音と同じ大きさに聞こえる各周波数での音圧レベル(等ラウドネス音圧レベル)をプロットしたのが上図の赤の実線です(等ラウドネス曲線)。この曲線は、ヒトの耳は概ね200Hzから感度が低下し始め、30Hzでは110dB(つまり+20dB)にしないと90dB/1kHzと同等の大きさ(ラウドネス)には聞こえないという事を示しています。音が小さくなるにつれてこの傾向はより顕著となり、例えば50dB/1kHzに対する等ラウドネス曲線(赤の破線)では、30Hzの等ラウドネス音圧レベルは80dB(つまり+30dB)となります。

オーケストラの大音量時の騒音レベルは一般に85から90dBと言われます(瞬間的には100dBを超える場合もあるそうです)。従って、ヒトは概ね上図の赤実線の特性で生演奏を聴いている事になります。このようなオーケストラ曲を50dBの音量で再生した場合、単純に考えれば30Hzの音は実際よりも10dB程度聞こえにくくなると推測できます。

参考のため、下図に一般的な騒音レベルの目安を示します(出典)。
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この図に従えば(ちょっと酷い例えですが)、オーケストラの音は「騒々しい工場」から「ガード下」程度のレベルという事になります。これに対し上図の破線は「昼間の街頭」から「閑静な住宅街」程度に相当します。ハチマルの再生音量は60dBかもう少し上くらいでしょうか。

上記の考察から、200Hzから30Hzにかけて最大でも+10dB程度補正すれば、ほぼ実際の音量での聞こえ方に近付けられる事が分かります。このような補正は「ラウドネス補正」と呼ばれます。

注意: 必要なのは+30dBの補正ではありません。実際の音量で聴く場合との差の分だけ、つまり30-20=10dBの補正だけで十分です。また、1kHzから高域側の形状は音圧レベルによって大きく変化しないので、ラウドネス補正は実質的に不要だと思われます。

交響曲を聴く場合、ハチマルは今まで30Hzから20kHzにかけて直線的に-9dB程度の補正をかけていましたが、ラウドネス曲線に単純に従うならば、30Hzから200Hzにかけて補正した方が理に適っているかもしれません。
下図はラウドネス特性を考慮した補正イコライザ特性です。
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200Hzから30Hzに向けて+9dBの補正を設定しています(通常30Hz以下は急激にカットしています)。

なお、録音時にスタジオでイコライザ処理されるのが普通なので、低域が既にある程度ブーストされている可能性もあります。ですから結局は聴感と記憶を頼りに調整する必要があるのは当然です。

試しに、30Hzフラットのいつものイコライザ特性に上記のラウドネス補正を重ね合わせて、6番と4番を聴いてみました。9dBの補正量ではちょっとやり過ぎかな?という気もしますが、なかなか良い具合に聞こえます。+6dBくらいが調度良いかもしれません。ジャズでは明らかに低音過多でNGでした。

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2010年12月24日 (金) | Edit |
LEANAUDIOにとってFrieveAudioとMarkAudio Alpairは無くてはならいない存在。

当ブログへの検索キーワードの上位一覧もそれを如実に表わしています。
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ダントツの1位は「Frieve Audio 設定」です。この極めて優れたソフトウェアの普及に多少なりとも貢献できていれば嬉しいのですが。
このソフトウェアの最終版は2007年にリリースされて以来アップデートされていません。Windows XPまでしかサポートしていないので、今後が心配だと思っていたのですが、最近になってやっと同等の機能を備えたソフトウェアが他から出始めた模様です。ただ、これらのソフトウェアはXPに対応していないようなので、ハチマルは当分試せません(まだXPから乗り換える気はナイ)。それらがFrieveAudioに比べてどの程度使いやすいのか楽しみです。これらのソフトウェアは先駆者のFrieveAudioの機能を十分に研究した上で開発されているとは思いますが、マニアみたくコマケー事を気にしければ「音質」は大して変わらないと思います(なんかの雑誌に「FrieveAudioはロック向き」とか書いてたけど意味不明。ワケワカラン。そんなコトしか書けんのか?他に書くべきもっと重要な事があると思うのだが。。。)。
最も重要なのはユーザインターフェイスの使い勝手です。ブラウザの使いやすさが特に重要ですね。できればiTuneなみのブラウザを装備して欲しいところです。それとチャンデバ機能は是非充実させて欲しいですね(FrieveAudioでもチャンデバは可能なのですが、全チャンネルを同時に測定できないので不便)。Atomプロセッサでも最低限動作可能なくらいの軽量さもモチロン重要だと思います。ハイパワーPCは冷却ファンがウルサイノヨ。静音化には金がかかるし。。ヤタラ微細な音質を欲張ってもPCのファンノイズが大きいと何やってんだかわかりませんので。このへんはソフトウェア開発者のセンスが問われるところです。「何のために使うのか」を念頭に「必要十分」のバランス感覚を大切にして使いやすいツールを開発して欲しいものです。その点、FrieveAudioの作者は非常に優れたセンスの持ち主だと思います。難しいコードは書けても、使いやすく作れる人はそうそう居ないんですよ。FrieveAudioのアップデートを切に願います。

Alpair5との出会いも大きかったですね。
8cmフルレンジを5タイプほど試したのですが、A5は圧倒的に音楽が「よく聞こえました」。それまでに試したドライバーとは次元が違ったというか(値段もちょっと高価でしたが)。。「よく」とは「良く」という意味とはちょっと違います。「よく聞こえる」のです。ワカルカナ?
で、スパイダー付きのAlpair6はどうなんだろか?と心配していたのですが、ほとんど遜色ありませんでした。あいかわらず「よく聞こえます」。これがMarkAudioドライバの、というか設計者マーク氏の基本方針なんでしょうかね。しかもブースト耐性が飛躍的に上がったので、もう他に何も必要ない状態になってしまいました。小さなIcon AMPとの組み合わせがスコブル具合よろしい。Lean & Compactコンセプトの面目躍如ってとこですね。
A5とA6Pが余っているのですが、当分手つかずでしょう。ウーハーは単なるスピーカー台になってしまいました。差し迫った必要がないのにメンドクサイ事したくないのよ。暖かくなったらボチボチ動き出すかもしれません。

お名前は存じませんがFrieveAudioの開発者の方と、MarkAudioのMark Fenlon氏に心から敬意を表したいと思います。

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2010年12月23日 (木) | Edit |
このブログを立ち上げる以前は、ハチマルも4Lのバスレフ型から始めて、ポート長/径はもちろん、断面形状、開口端のファンネル形状/風切り音対策、内部音の直射を防ぐためのボックス内外の仕切り板、吸音材の量等々、それはそれは片っ端から試したのですが、何をやっても長時間聴いているとそのうち癖が耳に付きだして結局ポートに吸音材をドンドン詰めて密閉型にナッチッタ。。の繰り返し。
締まりのない低音を嫌って容積を2.5Lへ縮小し、それでも駄目で結局密閉型にして市販のパワードサブウーハー(密閉型に改造)を追加、さらにサブウーハーなしのAlpair5馬鹿ブースト、Alpair5だと時々低音がズッコケルのでバイアンプ駆動の密閉型13cmウーハーによる低音アシスト。。。。を経て、Alpair6 Mの馬鹿ブースト一発が今一番のお気に入りというトコロで落ち着いています。結局全ての帯域の音を振動板の「前面」だけから発生するというのが最もシンプルで最も自然に聞こえるという事だと思います。「音」自体がツマラナイとかツマルとかの問題ではなく、記録されている「音楽」をできるだけ自然な音で明瞭に正確に聴き取って、「音楽のツマルところ」を存分に楽しみたいというのがハチマルの願いです。

。。。。。と偉そうに言ったものの。。。。。思うに。。。チョット脱線しますが、
MarkAudio Alpairシリーズの恩恵が大きいのではないかと最近ふと思います。というのは音が非常に明瞭かつ自然であるため、付帯音を徹底的に取り除いても音が際だつのではないのか? 付帯音を落とせば落とすほど響きが自然で美しく聞こえるのって、もしかしてAlpairのおかげかもしれないゾ?とね。以前使っていたF80/AMGだと音が沈んでしまって確かに「音がツマラン」かったコトを思い出しました。あの頃は吸音材なしで戸澤を入れただけだったし。もうちょっと音に艶が欲しいとか言ってゴニョゴニョとイヂッタ記憶が。。(背圧を抜くためのポチの尻尾とかアホなコトをした)。


で本題に戻りますが、
どのくらいまで低域特性を延ばす必要があるのか?。。。というのも今までにイロイロ試してきました。FrieveAudioイコライザを使えば周波数特性を如何様にも調整できるのでそのへんはトッテモ簡単です。
結論としては
● 50Hzまでフラット(43Hz/約-3dB、30Hzで-9dB)であれば十分
● でも交響曲を聴くと30Hzまでフラットにした方がホンノリ嬉しいゾ
というところかな?

部屋全体の空気を動かすような大ボリュームで再生すれば違ってくるかもしれませんが、それはハチマルの目指すトコロではありません。

下図はA6 Mの馬鹿ブーで20Hz、30Hz、50Hzまでフラットに修正した時のF特です。
655.jpg
赤の測定データはA6 Mの未補正特性、赤の直線は-12dB/Octの減衰ラインです。A6Mは吸音材をタップリ入れて機械的共振を殺しているので50Hzまでは-12dB/Octラインには乗らずにダラ下がりの特性になっています。ピンクのラインは50Hzに共鳴点を合わせた場合のバスレフ型の減衰特性です。2つ前の記事の計算結果を反映しています。

50Hzフラット(-3dB/43Hz)であれば、前の記事の黄色帯域(40Hzまで)を十分に再生できます。また密閉型であるため、それ以下の周波数のレスポンスもなだらかに減衰するので30Hz/-9dBを確保できます。市販の立派なスピーカーと比べても遜色の無い特性だと言えます。
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カタログデータで30Hz/-10dBの特性を持つFOSTEX G200 (20cmウーハー2本使用した4Wayスピーカー)との比較。13cmドライバを+6dBするだけで、ほぼ同等の特性が小容積の密閉型で得られます。もちろん最大音量では負けますが、一般家庭で常識的な音量できく分には十分だと思います。左側のラインは30Hzフラットの特性。

普通サイズの部屋では、50Hz以下で部屋の音響特性によるゲインが発生するので、一般向け市販品であれば30Hzまでフラットに延ばさない方がかえって良いかもしれません。極低音でブーミーになる可能性があります。音場補正を前提とするか、ハチマルのように1m以内のニアフィールドリスニングを前提とするのであれば30Hzフラットでも良いけれど。。。

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ハチマル部屋の距離1.4mでの特性(参考記事)。50Hzから25Hzにかけて約+12dB/Octのゲインが発生しています。小さめの部屋で1m以上離れて聴く場合は50Hz以下をブーストしない方がかえって良いかもしれませんよ。お部屋の影響はとにかくデカイのでご注意!

前の記事のスペクトルを見る限り、交響曲の30Hz以下の信号レベルは大して高くないのですが、どういうワケか30Hzフラットで聴いた方が微妙に嬉しく感じます。理由はよく分かりません。普通のオーケーストラでは、ソンナニ低い音を出す楽器は使っていないと思うのだけれど。。。ホールの残響?それとも多数の楽器によるモジュレーション?

大概の楽曲では50Hz以下の信号レベルは高くないので、別にフルブーストしても振幅レベルは大した事にならないため、普段は30Hzフラットを標準設定としています。しかし、マドンナの曲(前の記事のBad Girlのスペクトルを見てね)ではモロ30Hzまで高い信号レベルが記録されており、これを30Hzフルブーストで再生するとデスクの振動が手に伝わって気色悪いのでブーストを落とします(A6M自体はこの低音でも破綻せず平気で再生してくれるんだけどね)。

低域応答をフラットにするために必要なイコライザ係数を下図に示します。
658.jpg
赤がAlpair6 M+2.5L密閉、青が13cmウーハー+4.0L密閉です(共に吸音材タップリ)。縦軸は200Hzを0dBとしてプロットしています。この図から、A6 Mでは+12dB、13cmウーハーではたったの+6dBで50Hzまでフラット(43Hz/-3dB、30Hz/-9dB)の特性が得られるコトが読み取れます。

FrieveAudioは内部演算を64bit分解能で行い、DACに合わせて24bitで出力するため、+48dBを超えるブーストをしない限り、オリジナルの16ビットデータの最小ビット情報を失う事はありません。また、ビットのオーバーフローが発生すると、自動的にレベルを調整してくれます。iTuneとかのオマケのイコライザとはワケが違います。+12dB程度のブーストで果たしてどの程度の音質劣化が感じられるのか?分かりませんが、バスレフ型に比較した場合の「総合的な音楽再生クオリティの向上」に比べれば、そのような「音質」の劣化は「屁」みたいなものだと思います。

デジタルブーストがどうしても受け入れられない場合は、

バイアンプ駆動の密閉型ウーハーによる低音アシストでも良質な低音再生が得られます(いわゆる新システム: 参考記事)。ただしアナログフィルタを使用する場合にはどうしても位相の問題を避けられません。下図は、アナログチャンデバの位相遅れによる波形の崩れを示しています(ピチカートベース音: 赤がCDの信号、青が再生音波形)
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位相遅れによって波形は崩れますが、バスレフのようにトランジェント部で波形が大きく崩れる事がないので、ピチカートベースではほとんど気になりません。ただし、このような波形ではポールチェンバースのアルコ(弓引き)のソロパートで違和感を覚えた経験があります。
FrieveAudioは位相も補正してくれます(ON/OFF可能)。上と同条件で位相補正をONにした波形を下に示します。
564_20101219084914.jpg


。。。。。という具合に、8cmクラスのドライバでも、小容積密閉箱に入れて100Hz以下を約+12dB/Octの傾きで+12dB程度までデジタルイコライジングするだけで、いとも簡単に位相まで含めて極めて正確で十分な低音再生能力が得られます。中高域の音をイヂリたくないというのであれば、全域の音場補正をせずに200Hzなり100Hz以下の低域だけブーストすればヨロシイ。一般にアタリマエのように使用されているアナログ式の-12dB/Octフィルタは、クロスオーバー点で位相が180°もずれます(だから普通はツイータを逆相でつなぐ)。そんな代物が平気で使われているワケですから、デジタルフィルタによる多少のブーストくらい「屁」でもないでしょう。。。と思うのですが。そもそも音源は最初っからデジタルデータなんだし。。。

もちろんブースト領域の最大振幅によって音量的な制限を受けますが、Alpair6 Mにしてからは低音が破綻せず全く音量的な不足を感じません。さすがにAlpair5では無理があったなぁ。。と反省。
ブースト量を+12dB程度に抑えておけば、音量的な制限は大した問題にはならないでしょう。6畳クラスのマンションの小部屋であれば10~8cmクラス一発で全くOKだと思います。13~16cmクラスのドライバを使用すれば、一般家庭のリビングでも快適音量で聴く分には十分ですよ。きっと。

1982年にCDが発売されてからもうすぐ30年になろうとしています。音源がデジタルで配布されるようになって30年。。。。どしてコンナニ簡単な方法が未だに普及していないのか? ハチマルには不思議で不思議で不思議でと百回言っても足りないくらい不思議でなりません。

もしかして簡単過ぎてマニアにはツマライから???
オーディオってのは電線の違いを聞き分けるようなマニアだけのためにあるのではアリマセン。
鉄道だって、前照灯のちょっとした位置の違いで型式を見分ける鉄道マニアのためにあるのではないのと同じです。アタリマエだけど。。

やたらコマケー事は置いといて (前照灯の位置の違いなんか興味ないから)、普通のリスナーに (普通の通勤客を) 必要十分な音質+適正価格で肝心の音楽を低音までマヂメにキチンと聴かせてチョ (低料金で乗り心地よく安全に運んでチョ、鉄道会社はマジメに頑張っていると思うけど)。。と言いたいぞ。ハチマルは。

以上で「シツコイけど」3回シリーズはオシマイ。

追記
LEANAUDIOコンセプトにとって極めて重要なFrieveAudioMarkAudio Alpairについては、あらためてキチントした記事を書きたいと考えています。ただ書くことが多過ぎてまとまらないのよ。あと、ジャコのコトもね。

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2010年12月21日 (火) | Edit |
これも何度も書きましたが、ハチマルはそこそこ上等のカナル型イヤフォンの低音の聴きやすさに感動し、そのような低音がスピーカーでも聴けるようにとアレコレやってきたワケです。この歳にして、十分な低音まで明瞭に聞こえると音楽を聴く楽しみが倍増するコト、今までそのような低音を聴いていなかったというコトに遅ればせながら気付いたという次第です。

このためLEANAUDIOを振り返ると、低音再生(主に100Hz以下)の事ばかり書いてきたような気がします。100Hz以上であれば、現在の技術レベルでなんら苦労なく普通に再生できる(例えば8cmフルレンジ1本で十分に再生できる)ため、この領域は専ら「好みの問題」と考えて細かい事は敢えて書かなかったという面もあります。しかし100Hz以下の正確な再生となると、前の記事で書いたようなスピーカー本体の問題のみならず部屋の音響特性も含めて様々な困難が伴う事、そして何よりも、カナル型イヤフォンで聴いて100Hz以下の正確な再生が音楽を楽しむ上で決定的に重要だと気付いた事から、このブログの首題も自ずと「低音」寄りになったと言う次第です。

今回は、様々なジャンルの楽曲の周波数分布(スペクトル)から低音再生の重要性をあらためて考えてみます。

まずはCDのトラックのスペクトル解析結果をざっとご覧ください。

以下のグラフでは100Hz~40Hz帯域を黄色、40Hz~25Hz帯域を緑で示しています。

1)ベートーベン交響曲(全てブロムシュテッド指揮)
No.4 第1楽章
bet4.jpg

No.5 第1楽章
bet5.jpg

No.7 第1楽章
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2)アコースティックJAZZ
マイルス/RIOT
Miles Riot copy

コルトレーン/至上の愛-1
 Coltrane A love supreme 1

3)エレキJAZZ
ウェザーリポート/Volcane for Hire
WR Volcano for Hire

ジャコパストリアス/Invitation(Japanライブ)
Jaco Invitation

4)ロック/ポップ
マドンナ/Bad Girl
Madonna Bad Gir

ピンクフロイド/吹けよ風、呼べよ嵐
PF One of These Days

いずれのジャンルでも、40Hzまでの黄色の帯域には明瞭なピークが見られ、重要な音楽情報が含まれている事が分かります。この帯域まではしっかりと再生したいものです。

ちなみに下記はオーケストラの低音楽器の最低音階です。
コントラバス E1 (41.2 Hz)
ベースクラリネット D2 (73.4 Hz)
バスーン Bb1 (58.3 Hz)
コントラバスーン Bb0 (29.1Hz)
ベーストロンボーン B1 (61.7 Hz)
40Hzまで再生できれば、コントラバスーンを除く低音楽器の最低音階をカバーできると言えます。
ジャズのウッドベースはもちろんエレキベースの最低音階もコントラバスと同じです。

打楽器の場合、ティンパニは F2 (87.3 Hz)、バスドラムは30~80Hzとされています。ハチマル所有の「春の祭典」には35Hzの強烈なバスドラが録音されています。ピアノの最低音階は27.5Hz、パイプオルガンになると20Hz以下なんてのもあるそうです。ベトベン最晩年のピアノソナタでは32Hz(C1)まで使っています。まあ、パイプオルガンはともかく、30Hzまで確かなレスポンスを確保できればほぼ理想的と言えるかもしれません。というか、それ以下の周波数では聴覚だけで知覚する事は難しく、大型装置で部屋全体の空気を揺るがさないと感じないと思う。

以上は全て西洋音楽ですが、日本古来の音楽ではどうでしょうか?

5)雅楽
ツタヤで雅楽のCDを借りてきました。雅楽は中国から伝来した音楽で、日本音楽の中では珍しいとされる多種楽器の合奏形態をとり、CDのサブタイトルには「平安のオーケストラ」と書かれています。その中から比較的長い「喜春楽」序と破のスペクトルを下に示します。
喜春楽」序
gagaku.jpg
「喜春楽」破
gagaku2.jpg

これらと比べると、西洋音楽のスペクトルはどのジャンルでも随分左上がり(低音寄り)である事が分かります。よく言われるように「西洋音楽は低音を土台として、様々な音域の楽器のハーモニーを積み重ねる事によってピラミッドのように構築されている」というのがよく分かりますね。ハチマルがカナル型イヤフォンで過去に聞き込んだ音楽をもう一度聴き直してみて気が付いたのもこの点です。この構造を土台の低音までしっかりと正確に耳に届けて聴く事ができれば、今までよりももっともっと音楽を楽しめると。。。

低音再生において、周波数ドメインのみならずタイムドメイン的クオリティ(位相、トランジェント特性)も重要なのは言うまでもありません。ジャズを聴く場合は特にそうだと思います。ジャズではスイング感とかグルーブ感とか言われる絶妙なビートのユラギが非常に重要です。例えば4ビートの場合、均等に四分音符を刻むのではなく、絶妙かつダイナミックにタイミングをゆるがしています。そして、その重要な役目を担うのがベースとドラムスです。ベースとドラムスがヘボなジャズバンドはとても聴けたモノではありません。例として、ジャコは16ビートの超高速ベースでバンドをグリングリン加速します。加速といってもペースそのものは一定なのですが、まるでエッシャーの騙し絵の階段を駆け上るように、無限に加速していくかのような錯覚にとらわれる事があります(このグルーブ感というかドライブ感がジャコの真骨頂だと思うぞ)。エンディングに向かって大編成のビッグバンドをベース1本で無限に加速し続けるジャコのベースを聴く時、僕は未だに鳥肌が立ちます。このようなジャズの醍醐味を味わうには、タイムドメイン的に正確な低音がとても重要だと感じます(これがバスレフ型を受け入れられない主要因だと思う)。クラシックの場合、交響曲ではそれほどタイムドメイン的重要性は感じません。しかし、ベトベン最晩年のピアノソナタの低音部にゾクゾクっとする時に、その重要性をつくづく感じる事があります。

まあ、ハヤイハナシが西洋音楽を楽しむには「可聴帯域の下限近くまで位相を乱さずに十分なレスポンスで耳に届かせる事が重要」という事です。これがハチマルの言う「微視的な音質以前に最優先で達成せらるべき総合的音楽再生クオリティ」です。別にそれが観念論的にあるいは技術論的に理想だからそうあるべきだと言っているのではありません。記録されている音楽の聴きやすさを求めれば、より良く聴こうと求めれば、より深く楽しもうと求めれば、自然とそうなるという事です。それがLEANAUDIOトライアルを通してハチマルが得た結論でもあります。

次回に続く。。。

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