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2010年06月28日 (月) | Edit |
しつこいですけど、これが音楽再生の原始的と言ってもよいくらいの基本中の基本なので。。。
ただし「最終的に絶対にそれで聴け」と言っている訳では無いですよ。僕だってイコライザーで多少調整しますもん。ただコマケー事をアーダコーダ言う前に最低限必要でしょ。と言いたいのです。

以前の記事で本当の意味の「原音」は知る術の無い幻影だと述べました。これはステレオ装置の原理もさる事ながら、録音環境(装置、スタジオ)とアーティストの表現意思あるいは録音エンジニアの傾向等にもよって大きく影響されるからです。
前の記事では、例として同時代にほとんど同じメンバーで録音されたマイルスとハンコックのリーダーアルバムでは録音の傾向が異なる事を述べました。これが本当にバンドリーダーの表現意思によるものなのか、それとも録音エンジニア、スタジオ、機材の違いによるものなのかは不明ですが(データ調べりゃ分かるのでしょうが面倒臭い)、重要なのは両リーダーが「これが俺の作品である」と承認した上で自らの名をクレジットしてその媒体を世に出した(つまり表現者として全責任を負う)という事です。

オーディオ装置が第1に成すべき事は、表現者が「俺の作品」と承認して世に出した音を、それが録音段階でどのように操作されていようと、それがどれだけ酷い音に聞こえようと、それが表現者の承認の下に世に出された物である以上、まずは出来るだけ正確に、出来るだけ明確に、出来るだけ余す事無くリスナーの耳に届ける事にあります(ただし、ここで言っているのは高級アンプが求める狂信的な信号忠実性の事ではありません)。

さて、ここでもう1つ重要なのは「録音時に表現者が実際に発した生の音」と「表現者が自らの作品として最終的に承認した媒体上の音」を混同してはならないという事です。これは既に別物です。オーディオ装置とは、後者を鑑賞者に伝える物であって、そこに前者の「音」を求めてもそれは幻影に過ぎないという事を努々忘れてはなりません。これを勘違いすると装置の音は奇態な方向に進みます。

メディアをあくまでもメディアとしてしっかりと認識しないと、私達の時代はめちゃくちゃ危険です。すでに危険な状態ですが、これからもっと危険になります。「写真はイメージです」と最近やたらと広告チラシ等に記載されていますが、CDもいちいち「これは表現者が最終的に自らの作品として認めた記録音であり、表現者の生の音とは異なります。」とコメントしなきゃならんのでしょうか。写真や音楽程度のシンプルなメディアでもこの程度だと先が思いやられます。

ある意味、オーディオ装置とは「情報伝達装置」の一種だと言えます。というか厳密な意味でも「情報伝達装置」です。もちろん誰がどのような音で聞こうが、それは本人の勝手です。誰も文句を言う筋合いはありません。しかしオーディオ装置を製造し販売するめーかーと開発者は、この点を努々お座なりにしてはならないはずです。その責任があります。繰り返しますが、それは狂信的な信号忠実性の事ではありません。例えば、簡単に測定できてしまう周波数特性ぐらいは、リスナーの耳の位置まで製造者が責任を負うべき時代なのではないのか。。と言いたいのです。何故ならばそれが極めて容易に可能な時代なのですから。こんな安物のマイクマイクロフォンで測定できる超原始的な周波数特性(リスニング位置)もろくに保証できない状態で、狂信的な信号忠実性なんぞクソクラエです。「ピュアオーディオ」の「ピュア」ってどういう意味なんですかねぇ?この「ぴゅあ」ってめちゃくちゃ胡散臭いので嫌いなのですが、本来の「ピュア」とは、僕は「オーディオ装置とは情報伝達装置である」という事をお座なりにしない事だと思います(あの。。しつこいですけど狂信的な信号忠実性ではないので)。

ただし、おそらく一部のマニヤはそれをなかなかそれを受け入れないでしょう。しかしマニヤなんぞリスナーの極一部に過ぎません。メーカーの本来の責務は大多数の一般リスナーにあります。本当の意味での音楽再生装置を、小さくて安価でも交響曲の楽しさを伝えられる装置を提供しなければなりません。それが出来る時代なのですから。とっくのとおにね。これは音楽製作側のクオリティ向上も促すはずです。あぁ。。僕は今の若い人に既に古典となってしまったあの時代の本当に優れた作品をもっと聴いて欲しいのです。今の音楽はあまりに悲しい。

オーディオ装置は人類にとって非常に重要な装置です。偉大な音楽家達が遺した作品をいつでもどこでも好きな時に楽しめるようにしてくれる装置ですから。である以上メーカーは、そして開発者は、利用できる技術を最大限に活用して、より多くの人がより安価により深くより快適に音楽を楽しめる装置を作らねばなりません。それがメーカーの、真の技術者の使命だからです。本当の対象は一部のマニヤでは無いという事を肝に銘じねばなりません(あのね技術ってマニヤックにやるのは簡単なのよ。本当は。一番難しいのは本質を見抜いて最もシンプルで効果的にアプローチする事)。頑張れ、メーカー エンジニア達!

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