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2009年03月12日 (木) | Edit |
今度は2.1chシステム(サブウーハー)の優位性を計算で検証してみます。
200Hz以下の領域だけに注目してください。

前の記事「ニアフィールドリスニングの優位性を計算で検証する」と「定在波計算ソフトウェアを使用してみる」をまだ読まれていない方は、そちらを先に読んでください。
162a_20090807205550.jpg
これが基準状態です。すなわち大型ウーハーを持つフルサイズのステレオ スピーカーを設置した状態です。この状態では70Hzに激しいディップが予測されます。

一般的な家庭のオーディオルームのサイズでは、100Hz以下の帯域の波長は部屋のサイズに対して同等以上となるため、サブウーハーはどこに置いても音源の定位に影響を与えないとされ、低音楽器の定位と音色はメインスピーカーから発せられる倍音によって支配されると言われています。これが正しいとするならば、メインスピーカーには100Hz以上の領域だけを持たせて、100Hz以下を担当するサブウーハーはリスニング位置の周波数特性がベストになる適当な位置に設置する事ができます。

一般的にサブウーハーとメインスピーカーはリスナーを中心とする同一円周上に配置する事が推奨されます。これはリスナーから各スピーカーへの距離を等しくする事によって音の位相(遅延)を揃える事ができるためです。

これに従ってベストなサブウーハーの位置を探ると下図のようになります。
166_20090807205630.jpg
右側のスピーカー()をサブウーハーと見立てて、リスナーから等距離を保ちつつベストな位置を探りました。この位置では極めてフラットな低域特性が得られます。メインスピーカーのウーハーを取り去って100Hz以下の出力を減衰させれば、リスナー位置の70Hzディップはほとんど無くなるはずです。

さらに、デジタル信号処理を使用してサブウーハーの出力を自由に遅延させる事ができれば、サブウーハーをリスナーへ近づける事ができます。この場合サブウーハーの音はメインスピーカーより早く到達しますが、その時間差をデジタル信号処理で補正するわけです。
167_20090807205713.jpg
低域だけニアフィールドリスニングとなり、当然ですが極めて理想的な低域特性が得られます。サブウーハーの位置はリスナーのすぐ近くであれば前後左右は問いません。

非常に重要な事は、サブウーハーを使用する場合はメインスピーカー側の低域出力は全く不要だという事です。3箇所から発せられる低音が複雑に干渉してエライ事になると思われます。ですから低域に優れる大型ステレオ スピーカーとサブウーハーを組み合わせても良好な結果が得られるとは思えません。メインスピーカーには口径8cm~10cmのフルレンジまたは2wayが適すると言えます。当然ですが低音増強を一切行わない密閉型が理想的なのは言うまでもありません。

このブログでたびたび紹介しているALPAIR 5という8cmフルレンジスピーカー(というよりは超広帯域ツイーター)は、正にこのようなシステムのために開発されたユニットであると言えます。
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2009年03月12日 (木) | Edit |
部屋の定在波の様相を簡単に計算できるフリーのソフトウェアを見つけたので紹介します。

計算結果をそのまま信用するのは危険ですが、実際の測定結果と照合する事によって部屋の吸音対策がよりいっそう効率的に行えるはずです。測定はPCさえあれば簡単にお金をかけずに行えますので、決して計算だけに頼らずに必ず測定も行ってください。計算はあくまでも測定結果を解釈するための補助的なものと考えた方が間違いがありません。
測定方法に関しては「リスニング位置の音響特性を測定してみよう!」を参考にしてください。

今回紹介するのはStandwave2というフリー ソフトウェアです。
ダウンロードサイトはコチラ

162a_20090807205550.jpg
上は計算結果の一例です。
右側に部屋の平面図が表示されます。この枠内で2つのスピーカー()とリスナーの位置()をマウスでドラッグして設定します。中央のスライダーでは各スピーカーとリスナーの床面からの高さが設定できます。
リスナー位置における周波数特性は左側のグラフに表示されます。この特性は20Hzまで完璧にフラットな出力特性を持つスピーカーを使用した場合に得られる周波数特性に相当します。実際にはこの特性にスピーカーの出力特性を掛け合わせた特性となります。

この例では部屋のサイズは3.4m x 3.4mに設定しています。計算結果からは70Hz近辺に強烈なディップが発生する事が予測できます。

163_20090807210047.jpg
これが設定画面です。部屋のサイズ、各壁の反射率、計算条件をここで設定します。部屋の反射率は僕の手持ちの測定値から大ざっぱに見積もって全て0.7に設定しました。デフォルトの反射率は0.8から0.9に設定されており、これは部屋に家具やカーペットを置いていない引っ越し前の部屋の特性に近いと思われます。この値はご自分の部屋の測定値と見比べながら大ざっぱに設定してみてください。反射回数では何回目の反射まで計算するのかを指定します。10回より増やしても大きく変わりません(デフォルトは20回)。

計算結果が測定結果に近い傾向を示す事を確認したら、どれか1つの壁の反射率を0に設定して計算結果の変化を観察してください。最も望ましい変化が得られた壁から対策を行えば効率的に作業が進められるはずです。
164_20090807210320.jpg
上の図は後面の反射率だけを0に設定した場合の結果です。問題のディップはほとんど無くなります。従ってリスナー背後の壁に集中的に吸音対策を行えば効果的であると予測できます。まずはマットレス等を簡単に置いて測定してみて、本当に効果が高いようであれば本格的な作業に入れば良いかと思います。
注意: 部屋の形状やスピーカーの配置によって最も効果的な壁面は変わりますので注意してください。つねに後面の対策が効果的という訳ではありませんのでハヤトチリしないでください。

あるいは吸音対策をしなくてもスピーカーの位置を移動するだけで良い結果が得られるかもしれませんので、スピーカーが実際に移動できるのであればマウスであちこちに移動させてみてください。

以上のように計算と測定を組み合わせれば、効率良く対策が進められます。ただし計算を使用する場合は下記を肝に銘じてください。
○ 計算はあくまでも対策の方向性を探るための参考データとして考えてください。常に測定データと照らし合わせて、その計算結果が信用に足る物かどうかを冷静に判断する事が大切です。
○ 計算と測定は決して完全には一致しません。支配的なピークやディップの傾向がそれなりに合っていれば、それで満足とすべきです。結果を精密に合わせるために反射率を細かく調整する必要はありません。あくまでも大ざっぱに設定する事がコツです。

ここで、ニアフィールドリスニングの優位性を検証してみましょう。

スピーカー位置以外の計算条件は上の条件と全く同じです。部屋のサイズは3.4mx3.4mです。
162a_20090807205550.jpg
こちらが一般的なスピーカー配置
70Hzに激しいディップ

スピーカーを極端にリスナーに近づけてみました
165_20090807205855.jpg
説明の必要は全くありませんね。

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2009年03月12日 (木) | Edit |
このブログを立ち上げたのが先月の2月5日ですから、約1ヶ月たった事になります。

COLOSSALという無料アクセス解析を使用しているので、各記事のアクセス数とかヒットした検索語とかが分かるのですが、本当に読んで欲しい記事はなかなか読んでもらえないなあというのが今の感想です。アクセスが多いのはアンプとかスピーカーの紹介記事ばかりです。

僕が本当に読んで欲しいのは
○ 音場補正の有効性
○ 定在波の重大性あるいはニアフィールドリスニングの優位性
○ 小型スピーカー + サブウーハーの有効性
○ 音源がデジタル化されているこの時代におけるデジタル信号処理の有効性
というあたりなんですけど。。
上記の項目はどれもが互いに密接に関係していて、結局1つの方向性を指し示すものです。

例えば通常サイズのステレオ装置を考えると、
-定在波は低域で支配的となるため、低域を受け持つサブウーハーを中高域用のスピーカーとは分離してリスニング位置のf特が最適となる位置に独立して設置
-メインスピーカーは低域の出力が減衰する小径のスピーカーとする(すなわち低域の音はもっぱらサブウーハー1点から出力されるようにする)
-スピーカー システム全体のf特/位相を最適に調整するためにデジタル信号処理による音場補正が大前提

つまり「デジタル信号処理による音場補正」と「サブウーハー」がキーワードになるのですが、特にサブウーハーに対する皆さんの無関心さにはちょっとがっかりです。

僕は近い将来にフルサイズのステレオ装置においても、ご立派なウーハーを持ったスピーカーを2本も部屋に置くというスタイルは主流ではなくなると思います。これと合わせてデジタルプレーヤーとコンピューターの融合は当然の帰結となるはずです。

オーディオいぢりを始めたのはつい半年前ですが、それだけに先入観なしに普通に考えると、僕の結論はそうなります。

次回から3回に分けてこのコンセプトを計算で検証します。そちらも是非ご参考にしてください。

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