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2009年02月27日 (金) | Edit |
通常はリスニング位置の音場しか測定しないのですが、今回は場所と距離を変えて測定してみました。

現在の標準的なリスニング位置を始めて正確に計ってみたのですが、左右のスピーカー間の中心距離が85cm、スピーカーからリスニング位置までの距離も左右のスピーカーの中心から約85cmで、ちょうど正三角形に近い教科書通りの配置になっていました。スピーカーは約15°だけ内側に向けているので、軸上から約15°ずれた位置で聴いている事になります。部屋はマンションの5.5畳なので、かなり狭いです。

下図はスピーカーをデスクの前端に置いて、中心軸上約20cmの距離で測定した結果です。ほぼスピーカーの素の特性と考えて良いと思います。今回の測定は全てサブウーハーと音場補正をOFFにしています。
125.jpg
200~800Hzに特性の落ち込みありますが、20kHzまでほぼフラットな特性が得られています(マイクの定格は16kHzまで)。スピーカーには例のノーチラス尻尾を付けているので、100Hz以下は約12dB/octで綺麗に減衰する典型的な密閉型の特性を示しています。

これを基準に、通常のリスニング位置と、もっと離れた位置での周波数特性を比較してみました。

. 
下が標準的リスニング位置の特性です。スピーカーはテーブル前端ではなく通常通り奥の方に置いています。従ってテーブルトップと背面の壁からの反射を受けると考えられます。
127b.jpg
50Hzのピークと75Hzの落ち込み、および1kHz以上の領域の凸凹が目立ちます。また、軸上から約15°ずれているために10kHz以上の高域が減衰しています。この位置では200~800Hzの落ち込みはありません。

次にスピーカーを再びテーブル前端に置いて、軸上135cmの距離で測定したのが下の図です。
128.jpg
今度は40cmの結果と重ね合わせています。
75Hzがさらに酷く落ち込み、逆に50Hzのピークはレベルが増加しています。200~800Hzではいくつかのピーク/ディップが見られます。部屋が狭いとはいえ、たかだか1mちょっと離れただけでこのように大きく変化するとは予想していませんでした。距離が増えるとS/Nの低下によって細かいピークの振幅が増えますが、高域側は平均的なラインで見る限りほとんど重なっています。標準リスニング位置のような高域の凸凹も見られません。距離が離れてもスピーカーの真正面で聴く限り高音はそのまま耳に届くと言って良いと思います。

<注意>
アンプのボリュームは全て一定で測定しています。従ってマイクの入力レベルは距離が増えるほで低下します。しかしFrieve Audioは縦軸の0dB位置を信号レベルに合わせて自動調整するため、全体的な音圧レベルの違いはグラフには現れませんが、距離が離れるとS/Nが低下するのでヒゲ状の細かいピークが目立つようになります。ですからグラフの細かいギザギザは気にせずに見てください。今度やるときはマイク入力がほぼ同一となるようにアンプ側で調整した方が良いかも知れません。

このように、スピーカーから出る音の特性がフラットであっても、実際のリスニング位置の特性は部屋の影響を受けて激しく変化します。 一度でも音場補正でフラットな特性の音を聴くと、もう以前の音は聴けなくなります。如何に今まで癖のある音を聴いていたかが身にしみて分かるはずです。

しかし極端に強い反射の影響は音場補正でも補正しきれないでしょうし、また無理矢理補正したとしても正しい結果が得られるとは思えません。多くのベテラン オーディオ マニアが口を酸っぱくして言うように、高級なオーディオセットを購入する以前に部屋の音響特性を整える事が重要であると言えます。

ただしそれも専用のリスニングルームがあればそれ相応の吸音対策もできるでしょうが、一般のリビングルームでは限界がありますし費用もかさみます。これに対して今回の結果を見れば明白ですが、スピーカーに近づいて聴く事が最も簡単で効果的な対策であることがお分かりいただけると思います。

スピーカーに近づく事によって直接音に対する反射音の比率が下がって周波数特性がフラットに近づくだけでなく、同一音圧を得るのに必要なアンプ出力も下がり、従ってスピーカーの振幅も下げられます。音場補正の量も最小限に抑えられます。これらは音質的にも装置コスト的にも有利な方向に働きます。音が拡散する前に耳に届くため小さなスピーカーでも低音が聴き取りやすくなります(究極のニアフィールドリスニング装置であるカナル型イヤフォンがあのように小さなダイアフラムで超低音を再生している事を考えてください)。サブウーハーも近接して聴く限り極めて小さな出力でダイレクト感のある低音が得られます。
装置を大きくして離れて聴くと上記の利点が全て反対に働きます。

本当に快適かつ経済的に音楽を楽しみたいのであれば、
是非 ニアフィールドリスニング + 音場補正 を試してみてください。

これが僕の提案する LEAN AUDIOです。

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2009年02月26日 (木) | Edit |
前回までデスクトップ用スピーカについて書いたので、次回からはデスクトップ用のアンプについて書いてみたいと思います。

今回はその前置きとして、2004年のステレオ誌に掲載されたアンプのブラインド テストの結果を紹介したいと思います(というか結果を紹介しているサイトを紹介します)。このテストでは価格が9,800円~3,000,000円 (300倍!)の範囲のアナログ/デジタル アンプ計8台を4人の被験者がブラインドで試聴して「音の好み」に基づいて評価を行っています。ついでに、そのアンプがアナログかデジタルかの当てっこもしています。

まずはコチラ → アンプのブラインドテスト

評価基準が「音質が良い」とか「原音に忠実」とかではなくて「音の好み」である事を念頭に置いて解釈する必要があります。

あくまでも「この試験においては」の前提付きでの結論としては
○「音の好み」と価格に明確な相関は見られない
○デジタル アンプとアナログ アンプを正確に聞き分ける事はできない
といったあたりに落ち着くのでしょうが、注目すべき点がいくつかあります。
 
1) 最高価格のアンプ(アキュフェーズ製)が全員一致で最下位に評価され、2番目に高価なアンプ(ソニー製、1,000,000円)がほぼ全員一致に近い状態で1位に選ばれている。 
 →やはり超高級アンプは、良かれ悪しかれその他のアンプとはっきりとした違いがあるらしい

2) 順位付けの傾向は被験者間で大きな差がみられない( 2番目の人はチョットばらつき気味)。
 →巷の評判はそこそこ参考にしてもよいかもしれない

3) 2位~7位のアンプでは「価格」と「音の好みに」全く相関性がみられない(相関係数0.0115)。
 →ノーコメント

出力が20Wから1000Wまで幅があるし、AV用のマルチ チャンネルアンプも入っているし、値段の割に馬鹿みたいに高出力なのもあるし、、と極端なのを除外して見てみると結局値段相応に高いのが良いという事になりそうな気がしてきました。

参考データ
クリックで拡大
122.jpg121.jpg

まあ、被験者も4名しかいないし、大パワーのアンプと小パワーのアンプを同じ条件で比較する事にも疑問が残るし、完全に鵜呑みにするのは危険ですが、ブラインドテストが異常にタブー視されている不思議の国のオーディオの世界では数少ない貴重な資料だと思います。
なんか軽自動車とフェラーリを街中で走らせて比較しているのに近い感もなきにしもあらずですが。

おそらく最高価格のアキュフェーズは原信号の忠実再生を徹底的に追求し、その結果として他のアンプとははっきりと異なる「音」が出てくるのでしょうが、それが必ずしも被験者の「音の好み」に合わなかったという事なんだと思います。たとえば生演奏と再生音をブラインドで比較して「どれだけ原音に近いか」という評価を行えば結果は違っていたかもしれません。ちなみに被験者は編集者であって、専門家(どんな?)ではなかった -従ってこの結果は信頼に足るものではない- という意見もありますが、そうであれば逆に我々一般のオーディオ ユーザにより近い感覚で評価した結果であると捉える事もできます。
まあ、どちらにしても意味深長な結果ではあります。

話は変わりますが、「音が好みではないアンプ = デジタル アンプ」という被験者の先入観がありありと見て取れるところは面白いです。全員が最下位のアキュフェーズ(アナログ)をデジタルとして判定し、一位のソニー製(デジタル)では4人中3人がアナログと判定しています。真空管アンプが入っていたらどう評価されたか興味ありますね。「音の好み」という評価であれば真空管アンプって結構いい線いくんじゃないかと興味があります(実は僕も小さな真空管アンプを狙ってます)。

こういったブラインド評価がもっと公に行われるようになると良いなと思いますが、それにはメーカーとは関係のないユーザー側の自主的な行動が必要だと思います。

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2009年02月25日 (水) | Edit |
ALPAIR フルレンジ シリーズはスピーカー自作派の間で関心が高いらしく、「ALPAIR」の検索語でこのブログにヒットされる方が多いようです。

そのALPAIR シリーズのメーカーであるMark AudioのHPでCHR-70という型番の新型フルレンジ ユニットを見つけました。 日本語のリリースはコチラ。 英語のページはコチラ

117b.jpg
これが新型のCHR-70
コーティングの色で価格が異なります
 
この新型ユニットはALPAIR 6より少し大径で低音に有利な特性となっていますが、一番の違いは価格にあります。ALPAIR 6がペアで$144.99 (ゴールド/グレー)に対してCHR-70はペアで$64.99(グレー)/$69.99(ゴールド)と半額以下になっています。コーティングの色によって価格が5$違います。

このモデルにはALPAIRの名称は付けられていないので、ALPAIRシリーズとは別の廉価版という扱いのようです。

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コチラがALPAIR 6、グレーは角形フランジになります
性能/価格は同じです


CHR-70とALPAIR 6はよく似ていますが、前者のフレーム形状や端子にコストダウンの跡が伺えます。

特性表をざっと比較すると、
ユニット型番 ALPAIR 6 → CHR-70
有効振動板面積 Sd 38 → 50 cm2
等価振動系質量 Mms 2.93 → 4.80 g
最低共振周波数 f0 74 → 70 Hz

CHR-70は口径が大きくなって振動板が重くなって最低共振周波数が下がっています。
CHR-70の有効振動板面積はほぼFOSTEX FE107と同じなので、一般的な公称径からするとCHR-70が10 cmユニット、ALPAIR 6が9cmユニットという事になります。ALPAIR 5は8cmユニットとしてはやや小さめで3インチ(7.5cm)ユニットというところでしょうか。
CHR-70のfo=70Hzは10cmフルレンジとしては随分頑張った値といえます(ParcAudioの10cmウッドコーンで72.4Hz)。

123.jpg
高域もALPAIR並に30kHzまで伸びています


コストダウンににつながった構造上の最大の違いはコーンの金属材料にあると思われます。ALPAIRは「日本・台湾の素材メーカーとの共同で新しいハイブリッドのアロイ振動板を開発した」とありますが、CHR-70は「航空機グレードのアルミニウム合金」としています。このため、CHR-70の振動板質量はALPAIR 6と比較して面積のわりに重くなっています。

いずれにせよALPAIR 6のほぼ半額というのは随分お買い得感があります。現在のALPAIR 6の販売価格から予測すると、日本ではペアで1万円を切ると思われます。ParcAudioの10cmウッドコーンがペアで14,000円くらいですから、競争力は相当高いんじゃないでしょうか。音がどんなだか楽しみです。

HPにはCHR-70用に6タイプのエンクロージャ設計例が掲載されています。コチラ
ALPAIRではこういう配慮は無かったので、やはり自作派に気軽に使ってもらうのがひとつの狙いなのかもしれません。

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2009年02月22日 (日) | Edit |
ジャズって他のジャンルに比べて癖があるので、ややとっつきの悪いジャンルかもしれません。友人にジャズのレコードを聴かせても、同じフレーズをひたすら繰り返してるだけでワケワカンネーとか、暗いとか、お酒飲みながら聴くムードミュージックやんとか、トムとジェリーのどたばたシーンの音楽みたいとか、あまり芳しい反応が得られた経験がありません。なにかのきっかけでジャズに感応する鍵みたいなのが開くまでは、そのかっこよさとか気持ちよさがなかなか分かりにくいのかもしれませんね。

僕の場合、ジャズの鍵を開けてくれたのがマイルスのというかモダンジャズの名盤中の名盤Kind of Blueです。

096.jpg
Kind of Blue
1959
 
高校受験を控えた中3の冬の事でした。ビートルズも集中的にひととおり聴いて、そろそろレパートリーを拡げたいと想い、いろいろエアチェックしていた頃です。当時のFMではLPを一枚をまるまるオンエアなんてのがザラにあって、僕のような音楽聴き始めの坊やには本当に貴重な音源でした。その頃マイルスデイビスという名はしょっちゅう耳にしていたので、凄い音楽家だとは知っていたのですが、どんな音楽やる人か全然知りませんでした。ただ、その人の代表的LPを全曲オンエアなんて前宣伝を聴いたのでとりあえずエアチェックしてみただけです。

当然、最初のうちはジャズの鍵が開いていないので、聴いてもなんだか良く分からなかったのですが、勉強しながらなんとなく繰り返し聞いているうちに突然カチャと鍵が開きました。

特に僕が惹かれたのはウッドベースです。プレーヤーはポールチェンバースですね。前の記事でも書きましたが、とにかく一曲目のSo Whatがかっこよくて、とりわけ出だしのウッドベースが好きでした。その頃は安物のモノラル ラジカセで聴いていたので、きっと聴き取り辛かったと思うのですが、ベースラインを追いかけながら聴くという癖もその頃についたものです。

蛇足ですが、その時のアナウンサーが間違っていたのか、僕は随分長い間A面1曲目のSo WhatとB面1曲目のAll Bluesの題名を取り違え覚えていました。また、コルトレーンが参加しているというのも、随分後になってコルトレーンのアルバムを何枚か聴くまで知りませんでした。なんか似てるなと思って調べたらやっぱりコルトレーンだった、という感じです。LPやCDを買ってもライナーノーツをほとんど読まないので、いまだにそういう発見が時々あります。

Kind of BlueはLPは持っていたのですが、CDへの移行時にリストから外れ、改めてCDを買ったのはつい数ヶ月前です。でも今でもほとんど聴きません。ビートルズと一緒で、昔あまりに聴きすぎたので、今更わざわざ聴こうという気がしないのです。

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2009年02月17日 (火) | Edit |
前の記事でバイノーラル録音の話が出たのでついでに。

僕の専門分野ではないのですが、以前仕事で間接的に関わった事のある自動車の室内音の評価について書きます。

<その前に>
バイノーラル録音とは、人間の鼓膜に届く音声をそのまま記録することによって、イヤフォンで再生したときにあたかもその場に居合わせたかのような臨場感を再現しようとする録音方式です。録音には人間の頭部形状を真似たダミーヘッドと、両耳の位置に取り付けたマイクロフォンを使用します。再生音からはその場に居るような臨場感や立体感を得る事ができるとされています。
両耳に届く音は頭部や上半身の形状に影響されます。人間はそれによって生じる左右の微妙な位相差や音圧差から音の方向を認識するわけですが、それをそのまま再現しようというのが狙いです。

通常の2チャンネル ステレオ方式はあくまでも自分の部屋で「それらしく」音楽を楽しむためのものであり、正確に生の音場を再現する事はできません。

最近の自動車は、室内音をただ静かにするだけでなく、積極的にそのモデルのイメージに合ったサウンドを創り出すといった事をやっています。耳障りで不快な音成分は徹底的に除去した後に、例えばスポーツカーであればスポーティーなサウンド、高級車であればラグジュアリーなサウンドを表現するのに必要な音成分だけを選択的に残したり強調したりするわけです。時にはエンジンの吸気音がドライバーの耳に届くように細工したり、性能を多少落としてでも吸排気系の形状を変更したりもします。これらの技術はサウンドエンジニアリングと呼ばれています。クルマの性能自体は各社横並びの状態にあるため、特に欧州メーカーを中心にサウンドキャラクターによる製品の差別化が重要視されつつあります。欧州のユーザはクルマを選ぶ際の選択基準として室内サウンドを重視する傾向にあると聞きます。

この分野では人の音の感じ方に基づく音質指標として心理音響パラメータを使用します。例えばラウドネス(音の大きさ)、シャープネス(甲高さ)、ラフネス(ざらつき感)、トナリティ(純音感)とかがあります。これらのパラメータの値は、信号解析によって定量的に数値化可能です。そして、これらの客観的なパラメータと、主観的なフィーリングである「スポーティ感」あるいは「パワフル感」がどのように相関付けられるかを、多数の被験者によるリスニング評価(一種のブラインドテスト)の統計的解析によって同定するといった事が行われます。

リスニング評価では、被験者にできるだけリアリティのある音を聴かせる必要があるため、バイノーラル方式で録音/再生を行います。すなわち助手席に設置したダミーヘッド(マネキンの耳にマイクロフォンを埋め込んだもの)を使用して録音し、被験者にはヘッドフォンを使用して試聴してもらいます。さらに被験者前方の床面にはサブウーハーを設置して、ヘッドフォンでは再現しきれない重低音を再生します(遅延は補正)。サブウーハーを使用するため、試験は無響室内で行い、サブウーハーからの音が聞こえるようにオープンエア タイプのヘッドフォンを使用します。

例えば、フェラーリ、ポルシェ、NSXといった内外の主要なスポーツカーのフル加速中の室内音を録音して、そのままの再生音やDSPで一部改変した再生音を被験者に聞かせ、その音からどの程度の「スポーティさ」が感じられるかを10点満点で主観的に評価してもらうわけです。当然被験者にはそれがどのモデルの音なのかは知らされません(ブラインドテスト)。

そのようにして集められた多数の結果と心理音響パラメータの値を統計的に照らし合わせて、最終的には顕著な相関性を示す数個の心理音響パラメータから「スポーティーさ」の点数を算出するための計算式を多重回帰法を用いて導き出します。その計算式を解析装置にプログラミングし、録音したデータを解析装置に流せば、「スポーティさ」の点数が出力されるといった具合になります。ちょうどカラオケの点数みたいなもんです。新型車の開発においては、このようなツールを駆使して様々な改造が行われます。

僕も被験者の一人として参加させてもらったのですが、世界中の有名スポーツカーの音が聞けてなかなか楽しい経験でした。ブラインドでしたがフェラーリはすぐに分かっちゃいました。ちなみに完全な主観評価にもかかわらず、被験者間の差は以外と少なかったです。ただし、同じ試験をヨーロッパ人と日本人でやると、はっきりとした傾向の差が現れます。基本的に欧州人はやや濁った迫力のある低音を好む傾向にあり、日本人はエンジン回転と連動した澄んだ高音(F1に代表されるレーシングサウンド)を好む傾向にあります。

以上は、プロフェッショナルなレベルで再生音のリアリティが求められる場合のバイノーラル方式の実施事例として紹介しました。

自分の部屋でコンサートホールを本当にリアルに再現したいのであれば、このような方式をとるのが最も現実的ではないかと思います。でなければ少なくとも2chステレオシステムではなくマルチチャンネルのサラウンドシステムを採用すべきでしょう。前の記事で書きましたが、僕個人は音楽を聴くにあたってそのへんのリアリティをあまり求めません。

オーディオ界でも以前一度バイノーラル ブームがあったように記憶しますが、その後すぐにすたれてしまったようです。最近はMP3プレーヤーの普及によってヘッドフォンなりイヤフォンが広く受け入れられ、それら機器の装着感や性能も大きく改善されているので、今一度バイノーラル録音を見直してみてもよいのでは、と思います。録音する側の技術においても、以前は外耳道までリアルに再現したダミーヘッドが一般的に使用されましたが、最近ではおむすび状のシンプルな形状のダミーヘッドが開発されています(実はこちらの方が自然に聞こえるらしい)。また信号処理技術も飛躍的に進歩しているはずです。

蛇足ですが、このような積極的なサウンドの創出による車の個性化あるいは差別化といった動きは、欧州の自動車メーカーが先行していました。それまで、日本の自動車メーカー各社は室内音を何dBまで下げられるかでしのぎを削っていたわけです。特に一時期のT社の車は気色悪いぐらい静かでした。しかし、そのような車では操作に対するフィードバックが得られないため、運転の楽しさが得られないばかりか、危険さえ感じる事がありました(知らない間にスピードが出ている、無駄にアクセルを踏んでしまう等)。

最近、オーディオ界においては個性的な外国製スピーカーが幅を効かせ、気真面目に作られた日本製スピーカーは苦戦している模様ですが、何となく関係のありそうな話ではありませんか?

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