FC2ブログ
2014年01月08日 (水) | Edit |
SONYがハイレゾ対応の高音質ワイヤレス スピーカを発表した模様です。
僕にとって「ハイレゾ」はドーデモエーのですが、音質にこだわった製品のようです。これは僕が待ち望んでいる新世代メカトロZS-F1なのでしょうか?

SONYの製品ページはコチラ(英語です)。

SONY1.jpg

pSNYNA-SRSX9_main_v500.pngpSNYNA-SRSX9_alternate2_v500.png

大きさはZS-F1と同等ですね。良い感じ。。

ドライバ構成はかなり複雑です。フロント左右に50mmフルレンジ+スーパツイータを配し、左右上面にもスーパーツイータを備えています。中央のサブウーハは94mmと小径ですが、特殊なエッジを持つ大振幅型のようです。サブウーハの両横にある四角いヤツはパッシブ ラジエータでしょうか? 。。。アクティブユニットは全部で7個のように見えますが、アンプは8chを内臓しているようです。ありゃ?数が合わぬ。。仕様を見るとサブウーハ用に25Wアンプを2個使うようなので、背面にもう1個サブウーハがあるのかな?あるいは1個のドライバを2つの磁気回路で駆動するのかな?

多数のドライバとアンプ(スーパツイータ用に4系統!)を使うためコストが相当かさみそうですが、僕としてはAlpair級の最高品位2~3"フルレンジ+4~5"サブウーハといったシンプルな2.1構成(アンプは3ch)で全く十分だと思います(蝙蝠さん用スーパツイータ4個分のコストがなんともモッタイナイ!)。こんなもんにコストをかけるなら、真に重要な音楽帯域を受け持つ3本のドライバと筐体に全てを投入し、DSPを上手に組み合わせて欲しいなぁ(メカトロ化)。。。それと、忘れちゃイカンのがスタンドです。どんなに本体が良くできていても、設置方法による音質への影響が圧倒的です。この形状だと机に直置きは絶対アキマセン。各種の専用スタンドを是非提供すべきでしょう。

あ、そうそう。。。ドーデモエーのですが、ハイレゾにはDLNA経由またはUSB接続でのみ対応との事。Bluetooth接続ではハイレゾに対応していません。ドーデモエーけど。。。

この製品、ハイレゾにお金掛けすぎ。ZS-F1のように、プロも納得するもっと糞マヂメな製品を作って欲しいですね。。それヂャァ売れないのかナァ? ZS-F1も売れなかったそうだし。。。どうせ太鼓持ちヒヨロンカは業界の意向を受けてハイレゾを後押しするだろうしねぇ。。。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中

メーカ発表の主なスペックは下記の通り
General
Power On/Off : LED Operating Indicator
Inputs and Outputs
Digital Audio Input(s) : USB-A/USB-B 10BASE-T/100BASE-TX (auto polarity)
Audio In : Audio In jack (3.5 mm stereo minijack)
Power
Power Requirements : 120 V AC, 60 Hz
Power Consumption (in Standby) : AC 0.5 W (during standby mode) 3W (during Bluetooth Standby Mode) 3W (during Network Standby Mode)
Power Consumption (in Operation) : AC 50 W
Output Current : via USB-A: 2.1 A Max
Output Power : Super tweeter (Top): 2 W × 2 (at less than 10 % harmonic distortion, 20 kHz) Super tweeter (Front): 25 W × 2 (at less than 10 % harmonic distortion, 10 kHz) Midrange: 25 W × 2 (at less than 10 % harmonic distortion, 1 kHz) Subwoofer: 25 W × 2 (at less than 10 % harmonic distortion, 100 kHz)
Power Back-up : USB DC Out for charging smartphones (5 V, Max 1.5 A)
Input Voltage : DC IN 19.5 V
Speaker
Driver Size(s) : Super tweeter (Top & front): ~19 mm (3/4 in.) dia. Midrange: ~50 mm (2 in.) dia. Subwoofer: ~94 mm (3 3/4 in.) dia.
Sound Enhancer : EQ via SongPal App: R&B/Hip-Hop, Pop, Rock, Latin, Flat, Jazz, Classic, and Custom
Weights and Measurements
Dimensions (Approx.) : Approximately 16.9 inches x 5.23 inches x 4.9 inches (430 mm x 133 mm x 125 mm (w/h/d))
Weight (Approx.) : Approximately 10.4 lb. (4.6 kg)
Wireless/Networking
Ethernet Protocol : IEEE 802.3
Bluetooth® Technology : Bluetooth® Ver 3.0
Profile Support: A2DP, AVRCP
CODEC support: SBC, AAC, aptX
Wi-Fi : IEEE 802.11 b/g
Modulation Mode : FHSS
Security : WEP 64-bit, WEP 128-bit, WPA/WPA2-PSK (AES), WPA/WPA2-PSK (TKIP)
Transmitting Power : Specification Power Class 2
Line of sight range 30 ft (10 m)
Wireless Frequency : Bluetooth® 2.4000 - 2.4835 GHz WiFi® 2.412 - 2.462 GHz, Channel 1 - 11
NFC : One-touch Listening with NFC (Near Field Communications)
Wi-Fi Compatibility : DLNA, AirPlay

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
スポンサーサイト



テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年12月19日 (木) | Edit |
今回はDALI KUBIK FREEという、なかなかイケテル製品をご紹介します。

Kubic-Hedensted-03_RED_RGB_HIGH.jpg

イケテルところ
- Bluetooth接続
- 基本的にモノラル
- 密閉型
- デジタルチャンデバ内蔵バイアンプ駆動
ハチマル好みですね!
あとは、DSPによる自動音場(F特)補正が欲しいですね。
それと専用スタンドも必要です。

Kubik-Free-ugrill_800x800 copy
右はカバーを外した状態。ウーハは10~13cmクラスでしょうか。密閉型です。
エンクロージャはアルミ製。
製品サイトはコチラ
紹介ビデオ(英語)はコチラ
日本では販売されていないので値段は不明です。

デジタルチャンデバを介するバイアンプ駆動ですが、アンプは4ch分を内蔵しており、オプションのパッシブ型KUBIK EXTRAを追加する事で2chステレオ再生も可能となっています。このように、ユーザがモノラルかステレオを選択できるというのは、とても良い事だと思います。現状では、無条件にスッテレオを押し売りされますからね。。。

ボチボチ、こういうイケテル製品が出回り始めましたね。良い事です。
でも、みんな外国製。。。ちなみにハチマル愛用のCreativeもLogitecも外国のメーカです。
倭奴国は相変わらずオッサンオヂオか、オコチャマオヂオですか?
日本製でイケテルと思えるのは、息子に買ってあげたSONYのチビ丸君くらいでしょうか?

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年12月14日 (土) | Edit |
サウンドブラスターでおなじみのCreative社から発売されている注目の製品をご紹介。

モジューラー式のBluetoothスピーカです。ビデオをご覧ください。

恐らく3"クラスのフルレンジドライバを使った左右一体型。バスレフ型なのがザンネン。

操作はスマホ等のBluetooth対応機器にインストールした専用アプリから行い、イコライザや各種エフェクタ設定の他、自動音場補正も可能です(音場補正にはスマホ等の内蔵マイクを使用)。

このユニットは3台まで増設でき、L/Rの2chまたはL/C/Rの3ch構成が可能です。パーティーモードと言って、全てのユニットで同じ音を出す事も可能。もちろん接続は全て無線(Bluetooth)です。さらに、オプションのBluetooth無線式サブウーハも追加でき、システムトータルで音場補正が可能です。つまり、最大で4台のスピーカユニットを全て無線で接続し、それらを連動させて音場補正を適用する事が可能という事です。

本体1つとサブウーハの超お買い得セット(別々に買うよりも1万円以上お得)が39,800YENで購入できます(コチラ)。

ZxR 5.1ch DACと言い、ZxRヘッドフォンと言い、Creativeさんは頑張っていますね。
なんと言っても老舗のオヂオメーカよりも発想が自由でヨロシイ。僕はCreative製のDACとヘッドフォンを実際に愛用していますが、マニアックなやたらコマケー ナンタラカンたらオンヂョなんか気にせずに、「音楽」を必要十分な音楽再生クオリティで聞きたいのであれば全く十分な音質を備えています。。。というか、コマケー事ばかりに拘った古典的装置をアレヤコレヤ組み合わせるよりも、メカトロ化によって「本当の意味で」高い音楽再生クオリティを、誰でも簡単に、コンパクトに、お安く手に入れられます。周辺技術が飛躍的に進んだこのご時世、民生用機械はこうでなくっちゃぁイケマセン。ホンマニ。

Alpairクラスの高品位ドライバを使った、真に高品位な(といっても10万YEN以下の)、真に「真っ当な」家庭用音楽再生装置が各社から出そろうようになって欲しいものですね。いわゆる僕の言うメカトロ ZS-F1 的なのがね。。。。LEANAUDIOを自作しなくても済むように。。。SONYさんにも真面目に頑張って欲しいなぁ。ハイレゾぢゃぁなくてさ。。。。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年10月14日 (月) | Edit |
オーディオショーに行く前に立ち寄ったBICカメラで、スイスのGENEVAというブランドのちょっと素敵なオーディオシステムを見付けたのでご紹介します。

詳しくは、コチラコチラを見てください。

ModelS: 7.6cm フルレンジ
models_1.jpg
ModleM: 10cm 2Way
modelm_1.jpg
ModelL: 13cm 2Way
_blu_4_1.jpg
ModelXL: 20cmサブウーハ + 13cm 2Way
_blu_4_2.jpg

_grill.jpg_grill_4.jpg
_grill_4_1.jpg_grill_4_2.jpg

ジェネーバサウンドシステムは、シンプルでスタイリッシュなデザイン、そして数々の特許技術を駆使して「際立った音」を再現します。左右のスピーカーとリスナーの聴く角度によって音質が微妙に変化する従来型のHi-Fiステレオとは異なり、ジェネーバサウンドシステムは広いリスニングポイントを提供し、部屋のどこにいても優れたステレオサウンドを楽しめます。

どのモデルも、左右SPをピッタリとくっつけたアンプ内蔵一体型です。クロスオーバーはデジタル式との事。DSPで多少のスッテレオ感を演出しているかもしれません。全てのモデルがiPod用ドックとFMを備え、LとXLはCDドライブも内蔵しています。

いずれも古典的バスレフ型ですが、密閉型にして各種DSPアルゴリズムでメカトロ化すれば、低音クオリティを改善しながらもっとコンパクトにできます。SタイプにはAlpair6M、MタイプにはALpair7(CHR70)、LタイプにはAlpair10、XLタイプにはAlpair10 x4~6本でバッチシですね。Bluetoothを搭載すれば、FMとCDはもはや不要でしょう。

再三申しているように、一般家庭用(非マニア向け)の装置では、真っ正面で聞かない限り正しく機能しない通常のスッテレオ方式は不要どころか弊害にしかなりません。だいたいスッテレオ方式は、特にマニアック層の意識を肝心の「音楽再生」から「空間再現」「臨場感」「仮想体験」といった幻影へと過剰に向かわせてしまい、彼らの発言力/影響力が強いため、その後の家庭用音楽再生装置の正常進化を大きく歪ませてしまったように思えてなりません(例の演奏家さんも怒ってましたよね)。レーザーを使ってミリ単位の位置決めをして、マンヂリともせずにその位置で聴くなんて、実用的には馬鹿げているとしか思えません。彼らは一体全体ナニにタイヂしているというのか?

TVの画面が飛び出して見えたからってドナイヤチューネンと同程度のモンです。所詮は。オマケ。。

追記
モバイル機器+Bluetoothは今後ますますオーディオ分野で普及するでしょう。これは極端なデータサイズの増加を招くハイレゾ化と真っ向から矛盾します。さて、どっち方向が主流を占めるのか?

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年09月23日 (月) | Edit |
前の記事に追加して。

全くのメカ系技術屋的直感なのですが、僕は公称径13cm (Alpair10クラス)よりも大きな振動板にはどうも無理があるような気がしてなりません。あくまでも直感ですがね。

それよりも大きな振動板を見ると、剛性が足りなさそうで頼りなく見え、なんだかムズムズしてしまうという事です(技術屋的直感としてナンカチャウンチャウ?不自然チャウ?無理アルノントチャウ?アカンノントチャウ?という感じがする)。僕は開発のオシゴトではいつもこの「チョッカン」を大事にして来ました。「カン」ピューターというやつです。

蛇足ですが、
この「カン」というのはとっても大事です。暗中模索の状態から、ぢゃぁちょっと、コッチの方向で理論検討してみよう、計算してみよう、実験してみよう、と決める最初の第1歩はカンです。この最初の1歩が当たれば、開発は一気に進みます。当たりが出なければ泥沼です。カンとは「この世に生まれ落ちてから今この瞬間までに蓄積した全ての経験/思考からファジー(または無意識)に導き出される答えです。それまでにどれだけ経験を積み、その経験についてどれだけ深く思考を重ねたかによってカンの精度は向上します。カンを馬鹿にしちゃイッケマセン。アートにおけるインスピレーションもこれと似たようなものでしょう。

さて、本題に戻ります。

振動板の剛性とは別に、運動の制御面(傾けずに真っ直ぐ前後に、できるだけ大きな範囲で直線性を保って動かすという事)では、どうなのでしょうか。この面では、小さい方が有利な点と、大きい方が有利な点があるはずです。そして、どこかで(例えば13cmクラス前後で)バランスするのではないか?という気がしています。もちろんコレも直感です。

例えばAlpairシリーズの場合、公称径18cmのAlpair12もありますが、13cmのAlpair10の方が異様に大きなXmaxを達成しています。このへんについては、次回マークさんにお会いしたときに質問してみたいと思います。

さて、僕が何を言いたいのかというと、設計上の最適バランスが得られるサイズというのが存在するはずであり、そのようなサイズのウーハを必要な個数使えば、徒にデカイ ウーハは不要であろうという事です。

もちろん、古典的方式の場合、小さな密閉型ウーハをいくらタクサン並べても下限周波数を伸ばす事はできません。

バスレフ型の場合はヘルムホルツ共振、密閉型でもドライバの機械的共振を利用するため、再生限界を低周波側に延ばすにはドライバの共振周波数(f0)を下げ(つまり大きな(重い)振動系を使い)、および/または、箱の容積を極端に増やす必要があります。つまり、低音をキチント再生するには極端な大型化を避けて通れないという事です。たとえ小さな部屋で小パワーしか必要なくても。。。。です。これでは全くアキマセン。

しかし、LEANAUDIO方式では共振を殺してデジタルイコライザを使うので、共振周波数(すなわちシステムのサイズ)は基本的に関係アリマセン。そのような共振による僅かなブースト効果なんぞ、デジイコでチョイとブーストするだけで簡単に得られるからです。

結論として、剛性面/運動面で最適なバランスが得られるサイズのウーハ(きっとそのような設計上のベストバランス点が存在するはずです)を、現場の要件(音量、再生下限周波数)に応じて必要な個数だけ使えば良かろうと思われます。また、部品の共有化(量産効果)によるコストの削減も図れるでしょう。

あ、そうそう。ウーハを偶数個使う場合は、半数個のユニットを前後逆に取る付ける事で2次の高調波歪みを殆どキャンセルできます。これを使わない手はアリマセン。

如何でしょうか。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年09月22日 (日) | Edit |
何度か書いたように、一般的に、多くの人が音楽を再生して快適に楽しむにおいて、楽曲中の大音量時に耳元で瞬間的に80dBAを超えるか超えないか程度の音圧が得られれば十分であると思われます。また、コンサートホールにおける大部分の座席での交響曲の音圧レベルもその程度であり、媒体制作時のモニタリング中の音量も、このような「快適」音量レベルと同等あるいは大きくかけ離れていないという事も、以前の記事でご紹介しました。

また、そのような音量レベル(アンプボリューム)で再生した時に、40Hz/-12dB (望むらくは-6dB)の正弦波を十分に低い歪み率と十分に正確なタイミングで(位相遅れなく)再生できれば、実用的音楽再生において全く十分であろうと僕は考えています。

そのような実用音量での40Hzにおける大まかな理想的目標値を挙げると

- 歪み率
2次: 5%以下
3次: 2~1%以下

- 位相遅れ
100~40Hzでの回転が90°以下
40Hzでの遅れ時間が5ms以下

となるでしょうか。

これらは十分にロングストローク(リニアXmaxが十分に大きい)良質のドライバ(Alpair10等)を密閉型で使い、デジタルフィルタで帯域分割する事で達成できます。これについては再三実証済みですよね。

当然ですが、部屋が広くてリスニング距離が大きくなればなるほど、条件は厳しくなります。逆に、ニアフィールド条件では小さなドライバで達成できます。再三申しているように、LEANAUDIO方式では、振動板サイズは必要音量(耳元の音圧ではなくスピーカの出力パワー)によって決まります。ちなみに、僕のデスクトップ条件では、Alpair10ウーハはオーバースペック気味です。

さて、今回は、オッキナお部屋でオッキナ音響パワーで再生する事が必要な場合、徒に大径のウーハーを使用するよりは、適度な径のウーハーを多数個マトリクスにして使用した方が、ナニカと有利ですよ。。。。というオッハナシです。

今回は極端な例として、FOSTEXの80cmウーハFW800HS (1個で35万YENなり)とAlpair 10で比較してみますね。

80cm.jpg
FOSTEX FW800HS 80cmウーハー
1個 35万YENなり
データシートはコチラ


以下はFW800HSとAlpair10V2の主要パラメータです。
LEANAUDIO方式の場合、最低共振周波数f0は関係ないので記載していません。

FW800HS
有効振動板面積 Sd: 4013cm2
リニア片振幅 Xmax: 2.3mm
有効排除体積 Vs: 922cm3
等価振動板質量 Mms(Mo): 629g
価格: 350K YEN

Alpair10V2 (1個)
有効振動板面積 Sd: 88.25cm2
リニア片振幅 Xmax: 5.5mm
有効排除体積 Vs: 48.53cm3
等価振動板質量 Mms: 7.269g
価格: 16K YEN

Alpair10のXmaxは、カタログ値ではなくコイル長とギャップ高から求めたリニアXmax(片振幅)です。FOSTEXは通常この定義に従う一般的なXmax値を提示していると思われます。
有効排除体積(Vs)とは、僕が勝手に定義する「有効振動板面積 x Xmax」で求まる振動板がXmax(片振幅)まで変位した時に排除する空気の最大体積です。この値はエンジンの排気量に相当し、ウーハの空気駆動能力はほぼこの値によって決まります。

Alpair10を使ってFW800HSと同等の空気駆動能力を得るには、有効排除体積が同等になるよう個数を増やしてビッシリとマトリクス状に並べればよろしい。単純に計算すると、その必要個数は19個となります。

では、FW800HSx1個とAlpair10x19個で比較してみましょう。
- ドライバ: FW800HS / Alpair10 x 19
- 有効排除体積 Vs: 922 / 922 (cm3)
- 等価振動系質量 Mms: 628 / 138 (g)
- 価格: 350K / 304K (YEN)

等価振動系質量はAlpair10 x 19個の方が圧倒的に軽い事が分かります。何故ならば、巨大な1つの振動板で十分な剛性を確保するにはどうしても重くならざるを得ないからです。この重量でも、振動板の剛性はAlplair 10に遙かに及ばないでしょう。変換器として軽量で高剛性である事が、特に動特性において、非常に重要である事は今さら言うまでも無いですよね。であるからこそ、マークさんは「まるでF1エンジンのように」してAlpairドライバの開発に心血を注いでおられるわけです。また、コストもAlpair10 19個の方が有利です。

デジタルフィルタ/イコライザを前提とし、密閉箱に吸音材をタップリとぶち込んで機械的共振(f0)を殺してしまうLEANAOUDIO方式では、箱の容積も重要ではありません。Alpair10 1個あたり3~4Lもあれば十分でしょう。つまり、20個使っても60~80Lもあれば十分だという事です。ちなみにFOSTEXはFW800Hz向けに600~800Lのバスレフ箱を推奨しています。

部屋や音量あるいは下限周波数の要件に応じた最適な構成の低域再生装置を一度部屋にしっかりと作り付けておけば、後は100Hz以上を受け持つブックシェルフサイズの密閉型スピカをお好みでトッカエヒッカエするヨロシ。低域再生のために巨大化したハイエンド装置をトッカエヒッカエするよりも遙かに経済的です。

また、ウーハは定在波の面で最も有利な位置に固定し、メインスピカだけをオンヂョの面で理想的な位置に配置できるため、クオリティ的にも遙かに有利です。大型の一体型だと、オンヂョベストで配置すると低音の定在波が強く出ちゃう。。。ってな事も頻繁に起こり得るでしょう。ニアフィールドではないオッキナシステムでは、低域再生をオッヘヤと一体で考えるヨロシ。これ重要。

如何でしょうか?

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年09月17日 (火) | Edit |
僕が40Hz~10kHzを音楽再生における重要周波数帯域であると考えている事は再三書きました。この帯域を「リスニング位置」で十分フラットに、かつ「時間ドメイン的にも正しく」再生する事が音楽再生における最も重要で基本的な第1の課題であるという事です。ヨイオトたらリンヂョカンたらをツイキュする以前のウルトラスーパーアルチメットに基本的な課題です。自動車の「安全に走る/曲がる/止まる」に相当すると言えるでしょう。

未だに古典的技術が幅を効かせる現状では、40Hzまでの低音を「リスニング位置」で(時間ドメイン的にも)十分に正しく再生する事は、大型で高額なハイエンド装置を使っても容易ではなく、特に多くの人々が愛用する小型システムでは全く悲劇的な状態にあると言えます。それを放ったらかしにして、聞こえるか聞こえぬか未だに議論されている蝙蝠さん領域への帯域拡大にウツツを抜かしておるのが現状です。ナンデソーナルカ?

スピカの(特に小型装置の)低域を改善する方法は、当ブログで再三紹介してきましたし、今現在この記事を書きながら、そのような自作装置でゴキゲンに音楽を楽しんでいます。現在の周辺技術を以てすれば困難な事でもコストがかかる事でもアリマセン。

とは言え、現在市場にナイモンはナイわけですから、低音不足の装置でもできるだけ音楽を「良い状態で」(マニアご執心のオンガクセー?とかヨイオト?とやらではナイヨ)楽しむにはどうすれば良いか?について考えてみます。

下は2つ前の記事に載せたデータを重ね合わせたものです。
マドンナベトベン
グレーがベトベン交響曲第5番第1楽章、赤がマドンナのNothing Falseです。ニンゲンの聴覚感度特性で補正した楽曲のスペクトル(ピーク値)をプロットしています。

2つ前の記事をご覧になると分かるように、時代を追う毎に楽曲の低域(40~100Hz)と高域(4~10kHz)がバランスしながら増加する傾向にあります(広帯域化している)。上の図は、その中で最も古典的なベトベンと、最も最近のマドンナを重ね合わせています。

これらの比較から非常に重要な事が分かります。
「ベトベンであろうとマドンナであろうと、西洋音楽の重要帯域は40Hz~10kHzである事に全く変わりなく、また、40Hzと10kHzの(あるいは積が40万になる2つの周波数の)耳に聞こえる(ニンゲンが感じる)音の大きさはほぼ同じである」という事です。つまり、上図のようにプロットすると、約700Hzを中心として概ね左右対称のプロファイルを示し、低域(40~100Hz)と高域(4~10kHz)は常にバランスしています。これがジャンルや時代を超えた西洋音楽の普遍的基本構造であり、「(西洋的)音楽性」(マニヤの言うオンガクセーではない)を表す1つの重要な特徴であると言えるでしょう。

マドンナはベトベンに比べて、ズンドコピートのために低域の音が随分大きくなっていますが、それとバランスするように高域の音も大きくなっていますよね。低音を強く含む曲では、必ず高音も強くなっています。そのようにバランスを取らないと、人間には「エーグアイ」に聞こえないと言う事でしょう。

このような西洋音楽を、不本意ながら帯域の狭い(すなわち低音の出ない)装置で再生せざるを得ない場合、上記のバランス(西洋音楽の基本法則、音楽性)を保つ事が重要であろうと考えるのが極めて自然でしょう。デスヨね。

これはFrieveAudioで各種のフィルタを設定しながら聴いてみると良く分かりますが、僕の実体験に基づく良い例をご紹介します。

僕はAlpair6Mをメインのドライバに使っていますが、時々誤ってサブウーハも補正もなしの素の状態で随分長いこと気付かずに聴いている事があります。この状態でもあまり違和感を覚えず、なんかこのママでも十分聴けるヤン。。。と思えなくもありません。

以前Alpair5をメインに使っていた頃は、そのような事は決してありませんでした。明らかに低音不足に聞こえましたからね。
aplair6M.jpg
上図は約20cmの距離で計測したAlpair6MAlpair6PAlpair5のF特です。Alpair6Mは、他のドライバに比べて低音に強い反面、高音は明らかに減衰したカマボコ型の特性を示します。さらに、実際のリスニング位置では10kHz以上がこれよりも減衰します(軸上ではないため)。さすがに40万の法則を満たす事は無理ですが、50万くらいのバランスにはなっているでしょう。このため、素の状態でも「音楽」の「全体像」をそれほど違和感なくバランス良く聴く事ができるのだと思います。

ちなみに、マークさんによると、Alpair6Mは小容積の箱を使ったデスクトップ/ニアフィールド アプリケーションを狙っているので、高域を敢えて延ばさなかったそうです。なんだか絶妙な特性ですよ。実は、コレ。。。
チョイ聞きの第一印象は他のAlpairに比べると地味でナンダカ冴えないのですが(ハチマル用語でヂミヘン)、実際に長く「音楽」を聴くと実は具合が良いというのがAlpair6M君です(フラットに補正してしまえば関係ないですけどね)。

A6Mを比較的大きめのバスレフ箱で使う場合はツイータを追加した方がバランスが良いかもしれません。フィデリテムさんのDuo60(コチラ)はその好例でしょう。僕はサブウーハまたはデジタルブーストで低音を補強しますが、高域を8kHzまでフラットに補正する事でバランスを取っています。

さて、市販のスピカではどうでしょうか。大小2つのFOSTEX製品で見てみましょう。
02gx250mg copy
スケールを大体揃えて並べてみました。GX100MA(左)のウーハは10cm、GX250MG(右)のスコーかは13cmです。古典的技術では、帯域を低周波側へホンノ数10Hz延ばすために極端な大型化が必要である事が良く分かります。たとえ小さな部屋で小音量で聴く場合でも、低音までシッカリ再生しようとすると巨大装置が必要になるというのは、全く馬鹿げています。マッタクです。これに対し、LEANAUDIO方式の場合、サイズは必要音量によって決まります。

GX100MA.jpg
FOSTEX GX100MA (10cm 2WAY ブックシェルフ型)
10cmのバスレフ型であるため60Hz以下は急激に減衰し、50Hz以下の音は殆どキッコエません。すなわち、ロンさんのベースを十分に再生できず、マドンナさんのズンドコは完全に帯域外です。また、この帯域では時間ドメイン的にもかなりデタラメです。反面、高音側は蝙蝠さん領域の40kHz近くまでほぼフラットに延びています。これではサブウーハを追加しない限り、西洋音楽本来のバランス(音楽性)を楽しむ事はできないでしょう。これだったら、密閉型にして100Hz以下をなだらかに減衰させ(チョイとブーストしても良い)、高域側をそれとバランスするように減衰させた方が、「音楽」を自然なバランスで(音楽性を保って)聴く事ができるはずです。

GX250MG.jpg
FOSTEX GX250MG (25cm 3WAY フロア型)
このクラスの立派なフロア型になるとさすがに低音は大幅に改善されます。設置方法(ツイータの軸上から少し外す、部屋を利用して低音を少し増強する等)で十分にバランスを取る事ができるでしょう。この製品では、バスレフの同調を極端に低くする事で低音をなだらかに減衰させていますね。吸音材も多めに使っているのではないでしょうか。バスレフ臭さを改善する良い方法だと思います。でも、これだったら密閉型にしちまえば良いのに。。。「バスレフ」と書かないと売れないのでしょうか?もしかして。。。

いずれにせよ、特に一般のヒトビト向けの比較的小型の装置において、アホみたいに蝙蝠さんの超音波領域へ帯域を延ばすよりも、低域をしっかりと補強するか、それが適わぬのであれば、高域を適度にバランスさせる方が、「音楽」の全体をより良く聴く(すなわち本来の目的)ために、遙かに重要であろうかと思います。

帯域を闇雲に一方へフラットに延ばすのではなく、40万の法則に従って高/低のバランスを保つ事が重要でしょう。それが本当の意味での(西洋音楽の)「音楽性」(マニヤのいうオンガクセーではない)を保つという事になるでしょう。また、減衰具合もバスレフのように急激なものではなく、できるだけなだらかな方が良いでしょう(上のAlpair6M+密閉は高/低両側に非常になだらかに、しかもほぼ左右対称に近い形状で減衰していますよね)。特にある程度低音を犠牲にせざるを得ない非常に小型の装置においては、努々この点を疎かにしてはならぬでしょう。蝙蝠さんは全く重要ではないと思います。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年09月14日 (土) | Edit |
SONYから僕としてはちょっと注目したい製品がリリースされたのでご紹介します。


y_GTK-N1BT_001.jpg
SONY GTK-N1BT

メーカー製品ページ
6.5cmフルレンジと16cmサブウーハを使った2.1ch方式のBluetooh採用パワードSPです。ZAPを一体化してBluetooth化したような、正にLEANAUDIO好みのコンフィグレーションと言えるでしょう。出力は合計100Wと全く十分。

コチラの紹介記事「重低音好きに:でかくて派手なBluetoothスピーカー、ソニーから登場」によると、

ソニーは9月11日、Bluetoothスピーカーの新製品として、「ハイパワーオーディオスピーカー」をうたう「GTK-N1BT」をリリースした。クラブミュージックなどを想定し、「キレのある重低音」を再生する据え置き型スピーカーだ。10月5日に発売予定で、価格はオープン。店頭では3万円前後になる見込みだ。

と、あります。
通常、このクラスのパワードスピカの最大の弱点は貧弱なキャビネットにあると思うのですが、「音響構造に対応した木製キャビネットを採用」しているという点も期待できます。イーデスネー!

以上のような基本構成に加えて僕が注目するのは
DSP制御で音圧をコントロールすることにより、ボリュームMAX時には体に響くような最大音圧、ボリュームを絞るにつれて低域を広げ、「ディープな低音」(ソニー)になるという。

これは、僕が「こんな装置が欲しいなぁ-3. システムの統合が鍵ですよ!」で提案している「ボリュームと連動したデジタル低音ブーストの制御」に他なりません。これはDSPを使った初歩的なメカトロ化です。つまり、アンプのボリュームを上げて行くと、低周波ほどウーハの振幅が増大して歪み限界を超えます(さらには破損する)。このため、アンプのボリュームが上がる(下がる)につれて、ウーハの下限周波数を高くする(低くする)といった調整を行うという機構です。これをさらに進化させると、信号を先読みしたダイナミックなウーハー制御も可能です。

この機構を組み込んでいるという事は、密閉型サブウーハを使っているはずです。記事のどこにも、この種のスピーカではお決まりの「迫力ある低音を実現するスーパーエキセントリックナンタラカンタラポート」の謳い文句が見あたりません。ターゲットとするダンス系の曲ではビートのノリが重要ですからね。本当に密閉型だとすると、やっぱりLEANAUDIO好み。イーデスネー!

で、この製品の価格ですが、
ソニーストアでなんと29,800YEN
SONYさん、若い子達向けに本当に真面目に頑張ってくれました。偉いぞ!さすがSONY !

この製品はダンス系を好む若い子達向けの製品のようで、派手なイルミネーション等のギミックも施されています。この基本構成をより高品位な一般向け製品(例えば、僕がLEANAUDIO以前にこよなく愛用したSONY ZS-F1クラスの製品)にも展開して欲しいですね。しっかりと良い製品を作ってくれれば、定価10万円くらいまでは許す。

zs-f1_20130914053121a95.jpg
ZS-F1は多くの録音スタジオでモニタ用としてプロにも愛用されたという高品位な製品です。2.1ch+DSP+Bluetoothを搭載した新世代ZS-F1があれば、ワザワザLEANAUDIOを自作する必要もなくなるでしょう。

この種の製品で重要となるのは設置方法です。いくら製品が良くても机の上に直置きではアキマセン。各種のデザインの良いスタンド(デスクトップ用、壁掛け用、天井吊り用、フロアスタンド用)もオプションで用意して欲しいですね。

あ、それと、 GTK-N1BTはFMチューナ付きだそうですが、今や音楽配信の役目を全く放棄したように見えるFMを今さら組み込む必要はないでしょう。スマホでネットラジオにアクセスすれば良いのですからね。

さて、GTK-N1BTのもう1つの注目点は、縦置きでの使用を重視しているという事です。
ダウンロード

この製品の操作パネルは、横置きにした状態では右側面に来ます。使い難そうですね。普通ならウーハの上側にパネルを設置するはずです。実は、この製品は縦置きでも使えるように作られており、その場合は操作パネルが上面に来ます。皆で集まってダンスを楽しむ事を前提に、縦置き使用の方を重視しているように見受けられます。縦置きにすると、スッテレオもヘッタクレもアリマセン。

ソーナンデス。普通に日常的に自然な態度で音楽に接している大多数のヒトビトにとってスッテレオは全く不要です。

下は、SONYのコチラのサイトに掲載されていた別の製品のプロモーションビデオのキャプチャ画像です。
Untitled-5.jpg
Untitled-4.jpg
Untitled-3.jpg
Untitled-2.jpg
Untitled-1_20130914055749ca7.jpg
Untitled-8.jpg
Untitled-6.jpg

スピカの真っ正面に陣取ってマンヂリともせずに聴いているシーンなんか、ヒトッツモ無いデスヨね。

ソーユーモンです。真正面に陣取ってマンヂリともせずに、クラシックのジョートソーな曲をコマケー音やオクチパクパクやオンヂョやらに拘ってシューチュして聴くのが何も偉くてジョートな音楽の聴き方ではアリマセン。それはソーユー趣味だというだけであって、どちらかというとかなり変わった音楽の聴き方でしょう。

ヒヨロンカの評価や世間でのステータスに関係なく、本当に「自分が」大好きな曲やアーチストさんを見付け、「自分なりの」スタイルで、「自分にとって」最も居心地の良い環境で音楽を楽しべば良いのです。そして、真剣にCDを一枚を聴きたい場合は、ヘッドフォン/イヤフォンを使えば良いでしょう。

ですから、この種のスピカ製品にスッテレオは不要です。真ん中で聴かない限りマットモに聞こえないスッテレオ方式は逆に弊害にしかナリマセン。スピカを2個使うのであれば、モノラルのまま部屋の広い範囲で同じように高音が聞こえるよう指向性を拡げてあげた方が良いでしょうし、あるいは2個分のスピカを1個にする事で価格は同じでもスピカやアンプにより高品位な物を使ってあげた方が良いでしょう。また、身近に置けて移動も容易なようコンパクトである事も重要ですよ。

僕は以前から、小さなBluetoothスピカでも軒並みスッテレオ方式を採用している事が不思議でナリマセンでした。誰もスッテレオなんか必要としていませんて。

という事はSONYも分かっているようで、小さくて可愛い「モノラル」のBluetoothスピカを作ってくれました。
inc_SRS-BTV5.jpg
製品ページはコチラ
無指向性なので、360°どこからでも同じように聞こえます。これは良い!と、早速息子に買ってあげました。息子は時々スマホ本体のスピカで聴くのですが、あのシャカシャカチリチリがドア越しに聞こえて、僕には非常に耳障りだったからです。「デカイのは絶対イヤ!」「スマホにデンセン繋ぐなら多分使わなくなる」という息子にはピッタリです。気に入って使ってくれています。そう、「小さくてデンセン無し」。。。。これ重要です。そして、今時の若い子達には「モノラル=安物」という我々世代の固定観念も全くアリマセン。良い傾向です。

そのような、多くの人々が日常的に愛用する実用オーディオ製品(本当のオーディオ製品)の音楽再生クオリティをもっと真面目に改善しないとアキマセン。それがホントの技術というものです。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年09月10日 (火) | Edit |
今日は久々のZAPでの実験君結果です。

仕事中にゴニョゴニョやりながら色々聴いてみた結果、ソコハカトナク良さそうな設定が見つかったので、計測してみました。

まずはツイータ正面で計測した周波数特性です。DAYTONのOmniMic V2計測システムを使いました。このマイクにはメーカーからダウンロードした校正ファイルを適用しています。
jikujo.jpg
軸上約20cmの距離で計測しました。ピンクは2.2μFのコンデンサを直列に接続した特性。青はFrieveAudioで約8kHzの急峻なデジタルHPFを適用した特性です。10kHz以上で特性が右下がりですね(10kから20kで5dB強低下)。

下はFOSTEX FT17Hのカタログデータです。
ftoku_20130910095918e8c.jpg
こちらでもやはり10kから20kにかけて同程度低下しています。計測結果は正しいみたいですね。

次はFrieveAudioで再生した場合のリスニング位置での計測結果です。

条件は以下の通りです。
○ツイータ
- ZAP君の上に上向きに設置(前記事参照)
- 直列コンデンサには2.2μFを使用
- アンプのボリュームはサブウーハで決まるので、ツイータのレベルは聴感を頼りにDACソフトウェアで-9.5dBに調整

○FrieveAudio
- サブウーハにSWチャンネル、ツイータにCチャンネルを使用したフルデジタルの帯域分割
- Alpair 6M(L/R)にはLPFを適用しない(従ってツイータはアドオン)
- L/RのF特補正は8kHzまで適用(いつもの標準設定)
- ツイータのHPFには8kHz以下を最大減衰率で急峻にカットする絶壁フィルタを適用

リスニング位置での結果です。
Frieve 1
グレーがツイータなし(F特補正は8kHzまで)、青がツイータON(上向き設置)、赤がツイータON(正面に向けて設置、レベル設定は青と同じ-9.5dB)です。8kHz以上でツイータがAlpair6Mの高域を補っています。色々試した結果、この設定(青)でソコハカトナク良い感じに聞こえました。

最後にツイータ上方の棚板による反射効果を確認しました。

ツイータの上方約40cmの位置にタマタマ棚板があり、この反射を利用しています。
tana.jpg
棚板の反射効果を確認するため、写真のように吸音材を1枚取り付けてみました。

下がリスニング位置でのF特です。
Frieve 2
グレーがツイータOFF、青がツイータON(上向き設置)、緑がツイータON+吸音材です。棚板君が頑張って働いている事は一目瞭然ですね。このように普通の板でも結構効率良く音を反射してくれます。

という結果でした。この設定で暫く聴いてみたいと思います。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年09月08日 (日) | Edit |
急に涼しくなりましたね。またZAP君の出番が多くなりそうです。

ドアを閉めれば計測用の信号ノイズも遠慮なく出せるようになるので、ZAP君強化作戦を始動しました。

現状でも全く満足しているのですが、サブウーハ用に使っているDAYTONアンプの片チャンネルが無駄になっている事が以前から気になっていたのと(貧乏性!)、ブログネタを捻り出すために(100万ヒットまではなんとか続けたい!)、本格的なスーパーツイータをモノラルで追加してみる事にしました。

アンプの片チャンネルの有効利用としては、Alpair10をダブルにしてプッシュプル化する計画もあるのですが、箱を作るのが面倒なのでいつまでたっても実行に移せません。なので、5.1ch DACのセンターチャンネル出力を使って、てっとりばやくモノラル スーパツイータを追加してみよう!というのが今回の魂胆です。オンヂョは殆ど意識しないので、モノラルで十分でしょう。

スーパーツイータにはFOSTEXのFT17Hというヤツを選びました。フルレンジスピカに手軽にアドオンできるお手頃価格の定番品です。40kHzまでレスポンスが延びているので超高域効果の確認にも使えそうです。
01_ft17h_main.jpg
FOSTEX FT17H
~40kHz、96dB


昨日はコンデンサの容量や設置場所を変えながらアレコレやってみました。

で、現在はこのような状態です。ナンヂャコレ?って感じでしょ?
_1000350.jpg
最初はZAP君の上に正面を向けて置いたのですが、ニアフィールドという事もあってかジャズではチッチキとキツク聞こえ過ぎるのと、目の前で見た目が鬱陶しいのとで(これ重要!)、暫定的にこんな感じに落ち着きました。ツイータの上方約40cmの位置に棚板があるので、その反射を利用しています。配線にはミノムシクリップを使ったままですから、まだまだイロイロ試せますよ。

アンプのボリュームはサブウーハで合わせ、ツイータのレベルはDACのソフトウェアで調整します。ですからアッテネータは不要です。保護用にコンデンサ(0.47μF)を付けています。なお、この上向け状態だと、レベル調整なしでもリスニング位置で丁度フラットな特性が得られます。正面を向けた場合はDACソフトウェアで-10dB程度に設定する必要がありました。

FrieveAudioの絶壁フィルタを使ってAlpair 6Mと10kHzでスパッとクロスさせています。

さて、ざっと聞いてみた感想ですが、別に前のママでもエーントチャウ?という感じ。。。かな?

まぁ、これからイロイロ試して見ましょう。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年07月25日 (木) | Edit |
表題の興味深いサイトを見付けました。

ご興味のある方はご覧ください。
「リズム知覚の基礎としての時間知覚に関する精神物理学研究」中島 祥好

>>Green (1971) の実験によると、同じパワー・スペクトルを持ちながら、周波数成分によって耳への到達時刻が異なるような音を被験者に聴かせたときに、どの成分が遅れているかを聴き分けるには、音の長さが最低 2 ms 程度は必要である。Green は、その他の実験結果についても考察を進め、音の時間的な変化を捉える最短の限界を1~2 ms 程度であるとしている。この辺りが、時間知覚について考える際の最短の時間間隔となる。<<

これは、前の記事で書いた「100Hzを基音とするサンプルで、基音の位相が2次および3次高調波に対して90°(2.5ms)変化すると違って聞こえるような気がする」という実験君結果に対応しています。

ただし、筆者によると、1~2msというのは人が「ナンカ音がチャウンチャウ?」と感じられる限界の時間分解能であって、それがどう違うかという事(どっちの音が先か?といった時間構造とか)を知覚するには、もっと長い時間(数10ms~数100ms)が必要だとしています。

>>このように見てくると、聴覚系の時間分解能は一概には決まらず、状況に応じて1~700 ms の値によって表される。時間分解能について論ずる際には、具体的にどのような場面を想定しているのかをはっきりさせないと、議論のすれ違いになる。<<

まぁ、とにかく、条件にもよりますが、人は最小で1msの音現象の「何らかの違い」を「何らかのカタチ」で聴覚的に感じる事ができるようです。

我々が「音」ではなく「音楽」を、「聞く」のではなく「楽しむ」時(前者と後者では全く異なる、マッタク)、個々の「音」を1つずつ知覚しているというよりは、一定の規則(リズム、ハーモニー、メロディ)で反復しつつも複雑絶妙にユラギ、ダイナミックに変化する「音の構造体の流れ」を「細部と全体を同時進行でごちゃ混ぜに」「広くボンヤリと、しかし極めて細部まで透徹して」「半ば無意識に」追跡しています。

そのような場合、特定周波数における数msの現象でも、のべつくまなく繰り返し聞かされると、特定の条件によっては違和感を覚える事は十分にあるような気がしますし、鍛え抜かれた感覚を持つ音楽家達は、もっと微妙なところで勝負しているようにも思えます。

何事もそうですが、μsオーダーの問題に拘泥する以前にmsオーダーの問題を潰すのが常道というものです。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年07月20日 (土) | Edit |
さて、今日はヤヤコシー話はしませんので、ご安心を。サンプル音も用意しました。

「位相がいくら回転しようが、耳で聞こえる音が変わらなかったら別にエーントチャウ?」 と思いますよね。
僕も、位相は回転しても音は変わらないだろうと考えていました。ですから、僕は専ら低音領域におけるビート(リズム)の時間的遅れや乱れ(つまり過渡挙動)を重視していました。

しかし、波形を生成して実際に聴いてみたところ、意外な事に、低い周波数では位相が回転すると「音(音色?)が違って聞こえる」ような気がします。

サンプル音も添付しますので、ヘッドホンまたはイヤフォンを使ってご自分の耳で確認してみてください。

いつものようにWaveGene(Ver.1.50)を使って信号波形を生成しました。
WG_20130721064111.jpg
- 上の図では、Wave1で100Hz/-10dBを生成し、Wave2で120Hz/-20dB、Wave3で180Hz/-20dBを生成しています。つまり100Hzを基音として2次と3次の高調波を合成した状態です。
- WaveGeneでは、Wave1の位相だけを回転させる事ができます。つまり、2次および3次の高調波成分に対して基音の位相を回転させる事ができます。

下図が生成した波形です。
波形
- Wave1(基音、100Hz)の位相はピンクが0°、緑が90°です。
- 各次数成分の割合はどちらも同ですが、波形で見ると全く異なります。
- つまりFFTによる周波数ドメイン解析では全く同じ現象に見えても、時間ドメインで波形を観測すれば現象は全く異なって見えるという事です。

さて、これらの波形の音は全て同じに聞こえるのでしょうか?僕は定常音なら同じに聞こえるんヂャないかと思っていました。

下のサンプル音を 必ずオーディオ用の真っ当なヘッドフォンまたはイヤフォン で聴いてご自分の耳で確かめてみてください。
注: WAVをアップロードできないのでサンプルはMP3です。WaveGeneで直接比較した方が違いが良く分かります。ご自分でWaveGeneをダウンロードして聴き比べる事をお薦めします。
0° :





90°:





- WaveGeneで直接聴き比べると僕には違って聞こえるのですが、皆さんは如何でしょうか?

次に1kHを基音として、同じように波形を生成しました。
0° :





90°:





- 僕には、これは同じように聞こえます。

実際の楽器では、基音に様々な倍音成分が様々な配分で配合されてその楽器特有の微妙な音色が生じるわけですが、今回の結果を見る限り、低い音では、各次数成分の位相関係が変化すると(つまり周波数ドメイン的には同じでも、時間ドメイン的に「波形」が変化すると)、音が微妙に異なって聞こえるような気がします。

低い音だと位相の回転を定常音の「音色」の違いとして感知できるのでしょうか???
それとも、あくまでも過渡現象として(この試聴方法では、純粋な定常音を聴いているわけではない)、音の各次数が出てくる順番の「時間的ずれ」を感知しているのでしょうか???
高い音だと違いが分からない事から、僕はどうも後者が主な理由であるような気がします。
ちなみに100Hzの90°は2.5ms、1kHzの90°は0.25msです。人間は数msレベルの高調波音の「タイミングの違い」を「音の聞こえ具合の違い」として感知できるという事でしょうか??
やはり、過渡現象の嵐である音楽を再生するにおいて、時間スケールの長くなる低音の位相はあまり回したくないナァ。。。というのが実感です。

2次フィルタの位相はカットオフを中心に1オクターブで90°近く回転します。つまり、「特定の音階で」2次の倍音に対して基音が90°遅れる事は十分に有り得ます(3次に対してはさらに遅れる)。さらに高次のフィルタではもっと回転します。

また、バスレフ型では1オクターブで180°くらい平気で回転しますし、サブウーハ用に極端にカットオフの低い高次のアナログフィルタを組み合わせれば、360°近く回転する事すら有り得ます。

追記
今回のサンプルだけでは違いが分かりにくいかも知れません。
WaveGeneはフリーのソフトウェアですので、是非ご自分でもイロイロ試してみてください。
詳しくはコチラをご覧ください。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年07月19日 (金) | Edit |
今回は、今までアナログネットワークについてイロイロとお勉強した結果に基づいて、3Wayネットワークの接続について考えます。

これに関しては、最初に書いた記事が全くスットコドッコイな大間違いであり、一度改訂しましたが、それも相変わらずスットコドッコイでした。エーカゲンな記事ばかりを書いてしまい、誠に申し訳御座いません。今回の考え方が正しければ良いのですが。。。

現象をシンプルに考えるために下記を前提とします。
1) スピーカ自体の遅れやインピダンスの変化を考慮せず、フィルタの特性だけを考える
2) カットオフ周波数(-3dB点)でクロスさせる

下は、全て正相で接続した場合の位相特性です。
3Way位相
- 0°が信号の位相、プラス側が進み、マイナス側が遅れです。
- 信号より進み側の位相は破線で示しています。時間ドメインで考える場合、入力より位相が進んだ出力は、入力に対して反転した上で遅れていると見なします。
ウーハ
- ウーハのLPFは、十分に低い周波数で信号をそのまま通過させ(遅れも反転もしない)、カットオフで90°遅れます。
MID
- MIDのHPFは、十分に低い周波数で信号を完全に反転させ(遅れはないが反転する)、反転した出力はカットオフで90°遅れます。
- MIDのバンドパスは、HPFとLPFの中間で信号をそのまま通過させます(遅れも反転もしない)。
- MIDのLPFは、カットオフで90°遅れます。
ツイータ
- ツイータのHPFは、十分に低い周波数で信号を完全に反転させ(遅れはないが反転する)、反転した出力はカットオフで90°遅れます。
- ツイータのHPFは、十分に高い周波数で信号をそのまま通過させます(遅れも反転もしない)。

下は、全て「正相」で接続した場合の各クロス点における波形です。
3Way波形
- 最上段の黒の波形が入力波形です。
- クロス点「A」では、ウーハLPF(90°遅れ)とMID HPF(反転して90°遅れ)が逆相となるため、クロス点でディップが発生します。
- 「A」点と「B」点の中間では、MIDは入力波形をソノママ出力します(グレーの波形、時間的遅れも反転もない)。
- クロス点「B」では、MID LPF(90°遅れ)とツイータHPF(反転して90°遅れ)が逆相となるため、クロス点でディップが発生します。

下は、MIDだけを逆相で接続した場合の各クロス点における波形です。
3Way位相 逆相
- クロス点「A」では、ウーハLPFとMID HPF(逆相)が共に入力に対して90°遅れとなり、同相で繫がります。
- 「A」点と「B」点の中間では、MID(逆相)は入力波形を反転して遅れなく出力します(グレーの波形、時間的に遅れないが反転する)。
- クロス点「B」では、MID LPF(逆相)とツイータHPFは共に入力に対して反転して90°遅れとなり、同相で繫がります。
- つまり、MIDだけを「逆相」で接続すれば、3つの帯域はディップを生じる事なく繫がるという事です。
- ただし、MIDのHPFとLPFの中間帯域では、出力波形は入力波形と逆相になります(遅れはしないが完全に反転する)。

下は、MIDを逆相接続した場合の時間的遅れです(角度に換算)。
3Way時間
ウーハ
- 正相接続したウーハのLPFは、十分に低い周波数において、信号をそのまま出力します(反転もしないし遅れもしない)
- 正相接続したウーハのLPFは、クロス点「A」において、入力に対して90°分時間的に遅れます。
MID
- 逆相接続したMIDのHPFは、クロス点「A」において、入力に対して90°分時間的に遅れます(従って、ウーハとMIDは同相で繫がり、時間的にも一致する)
- 逆相接続したMIDのHPFは、中間帯域で、入力を反転して(だって逆相接続だから)、時間的遅れなく出力します。この遷移領域の時間的遅れをプロットする事はできないため、矢印で表しています(前記事参照)。
- 逆相接続したMIDのLPFは、クロス点「B」において、入力に対して反転した上で(だって逆相接続だから)、90°分時間的に遅れます。
ツイータ
- 正相接続したツイータのHPFは、クロス点「B」において、入力に対して反転した上で、90°分時間的に遅れます(従って、MIDとツイータは同相で繫がり、時間的にも一致する)
- 正相接続したツイータのHPFは、十分に高い周波数において、信号をそのまま出力します(反転もしないし遅れもしない)。この遷移領域の時間的遅れをプロットする事はできないため、矢印で表しています(前記事参照)。

以上です。この考え方で正しければ良いのですが。。。。

実際にネットワークを組む場合、スピカのインピーダンス特性や、各ドライバの前後位置関係や、回路素子の特性のばらつき等が影響するため、実測しながらチューニングする必要があるでしょう。

アー、ヤヤコシイ。。。遅れたり反転したりを繰り返すので、波形は時間ドメイン的にかなり歪むはずです。特に、MIDではHPFのカットオフ(反転90°遅れ)~LPFのカットオフ(非反転90°遅れ)で位相が180°グルッと回転します。このため、時間ドメインで出力(波形)を観測すると、かなり乱れます。

下は2つ前の記事に掲載したパッシブ バンドパスを通過した春の祭典のスピカ出力波形です。
春バンド フィルタ無し
春 バンド フィルタアリ正相
春 バンド フィルタアリ逆相
- 青はFrieveAudioの等価デジタルフィルタを使った場合の出力波形です。フィルタの位相は遅れも反転もしないため、密閉型スピカによる遅れだけが観測されます。
- 赤はパッシブ バンドパスを使った場合の出力波形です。緑は赤を上下反転した波形です。
- アナログバンドパスでは下側のカットオフから上側のカットオフまで位相がグルっと180°回転するため、入力波形に対する出力波形の対応が大きく乱れます。よく見ると高い周波数(細かい波)は非反転波形(赤)で対応し、低い周波数(大きなウネリ)は反転波形(緑)で対応するように見えます。
- 特に、反転波形(緑)の中央付近の大きなウネリ(低周波信号)は、ドライバ自体の遅れとの相乗効果によって大きく遅れているように見えます。

ただし、このような現象(サブウーハ領域を除く)が実際どの程度「音楽の知覚」(音楽の聞きやすさ)に影響するのかは定かではありません。言えるのは「このような現象はマニア達がツイキュして拘る非常に微細な諸々の現象に比べて遙かに巨大かつ根源的問題である」「こんな現象は無いに超した事は無い」「密閉型フルレンジ1発で全域をキチント再生できるのなら、それに超した事は無い」という事だけです。密閉型フルレンジ1発(デジブースト)ではどうしても足りない場合、デジタルフィルタを使って帯域分割すれば(例えばサブウーハを追加すれば)、こんな問題に頭を悩ませる必要は全くなくなります。

あと残っている不明点は、ドライバの影響(パッシブ方式とアクティブ方式の違い)、-3dBクロスと-6dBクロスの比較といったアタリでしょうか。次回で最終回にしたいものです。しかし、その後のネタが無い。。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年07月17日 (水) | Edit |
しつこいですが、今回もハイパスフィルタについてです。

教科書通りに素直に位相だけで考えれば別にヤヤコシクもなんともありませんが、臍曲がりな僕のように時間で考えようとするとコンガラガッテしまいます。今回の内容は実用的には重要ではないですので、適当に読み飛ばしてください。たんなる知的好奇心を満たすためにやっているだけですから。。。

下は、DACチャンデバのHPFの出力波形です(スピカの音ではなくDACの電圧出力)。
カットオフは約100Hzに設定しています。
ハイパス波形
- グレーがフィルタなしの信号波形、赤がフィルタを通過した出力波形(正相)です。
- カットオフよりも十分に高い周波数(400Hz~)で出力は入力に対して遅れナシ(0°)に漸近します。
- カットフ近くの100Hzで、出力の「位相」は入力に対して約+90°(進み)です。
- カットオフよりも十分に低い周波数(~25Hz)で、出力の「位相」は+180°(進み)に漸近します(つまり入力に対して完全に反転する)。
以上は教科書通りの挙動です。

しかし、時間を基準に考えると入力の事象に対して出力の事象が進む事は有り得ません。25Hzのフィルタ出力の最初の谷(-)は、信号の最初の山(+)の1つ前にある「幻の」谷(-)に対する応答であろうはずがアリマセン。

次に、DACフィルタの出力波形を反転し、同じフィルタ特性を持つFrieveAudioデジタルフィルタの出力波形と比較してみました。
ハイパス波形 反転
- グレーがフィルタなし、赤がDAC HPFの反転した出力波形、青がFrieveAudioで設定した等価HPFの出力波形(反転せず)です。
- こうすると、お馴染みのLPFと同じように、出力(ただし反転)はカットオフよりも十分低い周波数(~25Hz)で信号に対して遅れなし(0°)に漸近し、カットオフ近辺(100Hz)で入力に対して90°遅れるように見えます。
- デジタルフィルタ(青)では位相はマッタク回転せず極性も反転しません。
- 低い周波数信号の立ち上がりで強いピークが発生するのは、周波数特性がフラットではない事に起因する過渡挙動です。

次に、いつものように春の祭典の波形です。
前の記事では、ソース信号にFrieveAudioで非常に狭いバンドパスを適用しましたが、これでは単波長信号に近づく(波形がほぼ上下対象となる)ため、入力対出力の位相関係(時間的関係)が見極めにくくなります。そこで今回は、カットオフを中心とする50~150Hzと、カットオフから十分に高い200~600Hzを通過させるバンドパスをFrieveAudioで設定しました。
50~150Hz
春50-150
- グレーが50~150Hzだけを含む入力信号波形、緑がDACのHPFを通過した出力波形(反転)、暗い赤が反転しない出力波形です。
- 各出力波形はできるだけ信号波形に一致するよう、左右に(時間方向に)シフトしています。
- 明らかに反転した緑の波形の方が信号波形によく対応します。信号に対する反転波形の位相は概ね-90°(遅れ)です(基準パルスは左方にシフトする)。
- つまり、カットオフを中心とするこの周波数領域では、HPFの出力は入力に対して反転した上で概ね90°分時間的に遅れています。

では、これよりも高い周波数では、反転波形が180°近くまでドンドン遅れるのでしょうか??実はそうならないようです。ここがフシギなトコロ。。。
200~600Hz
春200-600
- グレーが200~600Hzだけを含む信号波形、赤がDACのHPFを通過した出力波形(反転せず)、暗い緑が反転した出力波形です。
- 今度は反転しない赤の波形が信号と良好に対応します。また、時間的な遅れもほとんどありません(基準パルスの位置はほぼ同じ)。
- カットオフよりも十分に高い周波数では、入力信号がほとんどソノママ(反転する事も遅れる事もなく)出力されるという事です(HPFの機能を考えればアタリマエなんですけどね)。
- という事で、出力は反転して時間的に180°遅れるのでは無さそうです。

追加で、上の2つの中間的な状態の波形も観測してみました。
100-300Hz
春100-300
- グレーが100~300Hzだけを含む信号波形、赤がDACのHPFを通過した出力波形(反転せず)、緑が反転した出力波形です。
- こうなると、どちらとも言えないですね。
- カットオフ(-90°)より高周波側では、波形から単純に遅れ時間を読み取る事は難しくなります。
- だって、逆相から正相に徐々に遷移するわけですからね。ホンマニヤヤコシイ。

以上から、こう考える事ができるでしょうか。
- HPFの出力は、カットオフよりも十分に低い周波数で、反転した入力信号に対して遅れゼロに漸近する(信号から完全に反転する)。
- HPFの出力は、カットオフにおいて、反転した入力信号に対して時間的に90°遅れると「実用上」見なせる。
- HPFの出力は、カットオフよりも十分に高い周波数で、元の(反転しない)入力信号に対して遅れゼロに漸近する(信号をソノママ出力する、反転して180°遅れるわけではない)。

これ以上深追いするのは止めましょう。
基本的に下記2点が重要です。
- HPFはカットオフ点で、入力に対して逆相で時間的に90°遅れる。
- カットオフよりも十分に高い周波数では、反転もせず遅れる事もなく入力をそのまま通過させる。

同様にLPFに関しては、
- LPFはカットオフ点で、入力に対して正相で時間的に90°遅れる。
- カットオフよりも十分に低い周波数では、反転もせず遅れる事もなく入力をそのまま通過させる。

また、LPFもHPFも、カットオフよりも高い周波数(-90°以上の回転)での「時間的遅れ」は、単純に何msとは言えません。何故ならば、正相から逆相またはその逆に徐々に遷移するからです。バスレフの場合もそうでしたよね。

次回は3Wayネットワークの接続について書きます。

追記
アナログフィルタについていろいろ書いていますが、フィルタの位相回転によって時間ドメイン的に顕著な問題が生じるのはサブウーハのように非常に低い周波数(ドライバの共振周波数近くの周波数)でLPFを使う場合であり、一般的なマルチウェイシステムでの使われ方であれば、時間ドメイン的問題はそれほど気にする必要は無いかもしれません。

比較的高い周波数でのこのような位相回転が音楽を聞く上でどのように違和感を生じるのかについて、僕は実体験に基づく事は何も言えません。敢えて言えば、ショールーム等で聴かせて貰った大型マルチウェイよりはフルレンジのバックロード等の方に好印象(音楽を聞きやすい)を受けたのは確かです。

ハイパスフィルタの事なんか考えるんヂャなかった。。。と今にして後悔しています。とんだ泥沼に突っ込んでしまいました。。。スミマセン。。。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年07月14日 (日) | Edit |
今回はパッシブネットワークのバンドパス フィルタの位相特性を実験君で確かめてみました。

前回の記事で、ハイパスフィルタは「入力に対して反転した上でカットオフ点で90°遅れるらしい」という事を書きました。ではバンドパスにした場合、ローパスフィルタの位相はどうなるのでしょうか???

という事で早速実験君です。
今回も意外な事が分かりましたよ。

下がバンドパス フィルタの回路図です。
Filterjpg.jpg
- HPFは12mH/300μF、計算カットオフは83Hzです。
- LPFは3mH/100μF、計算カットオフは290Hzです。

下は周波数特性です。
F特 copy
- FrieveAudioでフィルタなしのF特をフラットにした状態にフィルタを適用しました。
- 赤がアナログ パッシブフィルタ青がFrieveAudioで設定した等価のデジタルフィルタです。
- 実際のカットオフは60Hz/300Hzあたりでしょうか。

いつものようにスピーカ出力の正弦波応答です。
60Hz (概ねHPFのカットオフ)
波形60
- グレーが信号、青がフィルタなし緑がフィルタあり(逆相)です。
- 正相波形は暗い赤でプロットしています。
- 前回の記事通り、フィルタありはフィルタなしに対して反転して約90°分時間的に遅れています(反転しないと出力の位相が入力よりも進む)。

ではローパス挙動はどうなのでしょうか?
290Hz (概ねLPFのカットオフ)
波形290
- グレーが信号、青がフィルタなし赤がフィルタあり(正相)です。
- フィルタありはフィルタなしに対して反転せずに約90°分時間的に遅れています。
- これは意外な結果です。僕はLPFも反転したママHPFの180°+LPFの90° = 270°分時間的に遅れると予測していました。
- という事で、以前の3WAYフィルタに関する記事はまたまたスットコドッコイな大間違いでした! スミマセン。

ぢゃぁ、中間の周波数ではどうなんでしょうか???
160Hz (概ねHPFとLPFのカットオフの中間)
波形160
- グレーが信号、青がフィルタなし赤がフィルタなし(正相)です。
- フィルタありはフィルタなしとピッタリ重なります。
- HPFとLPFの中間ではフィルタの影響は生じないという事でしょうか。
- じぇじぇじぇ。。。ですね。なんだか良くワカリマセン。

次に春の祭典の波形で確認してみました。
60、160、290Hzを中心とする非常に急峻で非常に帯域幅の狭いバンドパスフィルタをFrieveAudioで設定しました。
60Hz (概ねHPFのカットオフ)
春 63
- グレーが信号、青がフィルタなし緑がフィルタあり(逆相)です。
- フィルタありはフィルタなしに対して反転した上で約90°分時間的に遅れます(反転しないと、出力の位相が信号よりも進んでしまうし、波形の対応も取れない)。

160Hz (概ねHPFとLPFのカットオフの中間)
春160
- グレーが信号、青がフィルタなし赤がフィルタあり(正相)です。
- 正弦波での結果と同様、フィルタの影響は消えて無くなったかのように見えます。

290Hz (概ねLPFのカットオフ)
春290
- グレーが信号、青がフィルタなし赤がフィルタあり(正相)です。
- フィルタありはフィルタなしに対して反転せずに約90°分時間的に遅れています。

さらに、FrieveAudioの急峻なバンドパスを外して全域の信号を入力しました。
FrieveAudioの周波数特性の補正だけONにしています。
アナログ パッシブ フィルタ
春 バンド フィルタアリ正相
春 バンド フィルタアリ逆相
- グレーが信号、赤が正相スピカ出力緑が逆相スピカ出力です。
- 正相も逆相も信号波形との対応はヨックワッカリません。
- 低い周波数(大きなウネリ)には逆相、高い周波数(細かい波)には正相の方が対応しているように見えなくもアリマセンが。
- このように様々な周波数成分を含み過渡現象の嵐である実際の音楽信号をアナログフィルタに通すと、出力波形は時間ドメイン的に大きく崩れ(歪み)ます。

FrieveAudioデジタル フィルタ
春バンド フィルタ無し
- 上のF特図の青のフィルタです(FrieveAudioで設定したアナログ パッシブ フィルタと等価のデジタル バンドパス フィルタ)。
- グレーが信号、青がスピカ出力(正相)です。
- 信号と出力の対応は明確になりました。
- これはアナログ ネットワークを持たない密閉型フルレンジSPの良いトコロです。やはりアナログネットワークによるマルチウェイ方式では絶対に得られない自然さというのがありますよね。
- この密閉型フルレンジを核とし、その足りないトコロ(主に低音)をデジタル方式で補おうというのがLEANAUDIOの基本的アプローチです。ソーチのオトや付帯的オト現象のナンチャラカンではなく「音楽」の聞こえ方の自然さ(聴きやすさ)を求めれば、自然とそこに行き着くでしょう。
- しかし、密閉型フルレンジと言えどもドライバ自体の位相回転(最大で180°)が生じるため、波形の細かいところは信号に対応していないように見えますね。

FrieveAudioの位相補正をONにしました。
春バンド Frieve
- グレーが信号、ピンクが位相補正ONのスピカ出力です。
- マイク手持ちのエーカゲンな計測ですが、スピカ出力は信号に非常によく対応しています。
- いつもの事ながらFrieveAudioのDSPはさっすが!ですね。
- でも僕はこの補正の効果を明確に感じる事はできません。

今回の結果は以上です。
バスレフと同様、アナログフィルタも、使わずに済むなら使いたくないですね(特に低い周波数では使いたくない)。デンセンやデンゲンやヂッタの影響に比べれば、それはもうアンタ遙かに巨大な「音楽再生上の問題」ですよ。オッキクテジューヨーなモンダイから潰さないと。。何事も。ホンマニ。。。

しかし、HPFの挙動に完全に納得できていません。なんかまだ気色悪い。追加実験するかな? スミマセン。。。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年07月11日 (木) | Edit |
相変わらず「位相」です。スミマセン。
お付き合いくださいませ。

今回は正弦波信号とスピカ音響出力でアナログフィルタの挙動を確認します。

まずはDACの出力電圧信号です。

下はFrieveAudioで-3dB@290Hz(12dB/Oct)のHPFとLPFを設定した場合のDAC出力波形です。
290Hz Frieve
- 信号周波数は290Hz(カットオフ周波数)です。
- 青がHPF赤がLPF、グレーがフィルタなし信号です。
- HPFもLPFも極性を反転せずにそのままの波形をプロットしています。
- オシロで見る限りHPFもLPFも位相は全く回転していません。これがデジタルフィルタです。

下はDACチャンデバでの結果です。このDACチャンデバの挙動はアナログフィルタに等価です。
290Hz DAC
- HPFもLPFもカットオフ(-3dB点)が概ね290Hzになるよう、シミュレーションを参考にしてDACチャンデバのクロス周波数(-6dB)を調整しています(HPFは225Hz、LPFは400Hz)。あまり正確な調整ではアリマセンので、その点を理解の上でデータをご覧ください。
- 信号周波数は290Hz(カットオフ周波数)です。
- 青がHPF赤がLPF、グレーがフィルタなし信号です。
- HPF出力(青)は極性を反転して表示しています。
- HPFもLPFも、出力は信号に対してほぼ90°遅れています。これはフィルタの理論に一致します。

次にスピカ出力波形です。
Alpair6 MのLchをウーハ、Rchをツイータとして使用し、L/Rの中央に置いたマイクで収録した波形です。フィルタの設定は上記と全く同じです。

まずはFrieveAudioデジタル チャンデバ
290Hz スピカ Frieve
- ツイータもウーハも波形を反転せずにそのままプロットしています。
- ウーハもツイータも信号に対して90°強遅れています。
- これは密閉型の位相回転によるものです(ドライバの共振周波数(100Hz)よりも周波数が高いため、90°より多めに回転する)。
- 従って、デジタルチャンデバではツイータを逆相接続する必要はありません。

次はDACアナログ チャンデバ
290Hz スピカ DAC
- ツイータの波形(青)は極性を反転しています。
- ツイータもウーハも位相は270°弱(180°強)回転しています。
- これは密閉型(90°強)+フィルタ(90°)に概ね一致します。
- アナログ二次フィルタの場合、ツイータを逆相にして-3dBでクロスすると、ウーハとツイータの位相と遅れ時間は両方とも一致します。

DAC出力波形の過渡部を拡大してみました。
Analog Digital HPF
- 左がLPFです(赤がFrieve黄がDAC)
- 右はHPFです(青がFrieve緑がDAC反転)
- 過渡部の波形を見ると、アナログフィルタ出力がデジタルフィルタ出力に対して綺麗に遅れている事がよく分かります。
- やはりアナログHPFの出力波形は反転して見るのが正解ですね。どう考えても。
- デジタルフィルタの出力挙動は入力信号の事象よりも先行しているように見えますね。これは移動平均のような処理によって信号を先読みするからだと思われます(信号をある程度先まで読んでから現在の出力値を計算して決める。従って実際には出力事象は入力事象(データの読み出し)に対して常に一定時間遅れている)。
- アナログフィルタでは信号が動き出してから応答が始まる(出力の事象は入力の事象よりも絶対に進めない)ため時間的遅れが生じます。その結果として位相の回転が生じます。

という事で、アナログ二次HPF出力は入力信号に対して反転した上でカットオフ点で90°遅れると考えてまず間違いないでしょう。

なお、二次フィルタでは全部で180°(fcで90°)遅れますが、三次フィルタでは270°(fcで135°)遅れます。高次フィルタほど位相はグルグル回るという事です。FrieveAudioでは断崖絶壁のようなフィルタを設定しても、オシロで観測可能は位相回転は発生しません(「FrieveAudio直線位相FIRフィルタの実力」参照)。

次回のテーマは3Wayのミッド(バンドパス: HPF+LPF)の場合ドーナルノ?です。またまた「位相」です。スミマセン。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年07月09日 (火) | Edit |
今のところ、一番の謎はハイパスフィルタの挙動です。

一般的にハイパスフィルタの位相は入力に対して「進む」と言われます。しかし、再三申しているように、時間ドメインで考えれば、フィルタの応答出力の事象が入力の事象よりも進む事は決してアリマセン。あったらタイムマシンです。

しかし、波形を観測すると確かに進んでいるように見えます。こういう場合、バスレフポート音のように出力の極性が反転しているとしか考えられません。

それを確かめようというのが今回のオハナシ。

なお、このDACのチャンデバが実際どのようなフィルタを採用しているのかは不明ですが、挙動をイロイロと確認したところ二次アナログフィルタの挙動にピッタリと一致し、クロスオーバーの計算方法もシミュレーションと全く同じ(-6dBでクロス)である事が分かりました。

その例として、今回はデータを1つだけお見せします。

下は手持ちのコイル(3mH)とコンデンサ(100μF)で組んだパッシブHPFとDACのアクティブHPFによるスピーカ音響出力波形の比較です。
ハイパス DAC パッシブ比較y
- 青がDACアクティブHPF、赤がパッシブHPFです。
- 信号周波数は200Hzです。
- フィルタ特性は共に約-6dB@225Hzです。
- 両者の位相はピッタリと一致します。
- しかし出力波形は信号波形(グレー)から殆ど遅れていないかのうように見えます(ソレハアリエナイ)。

なお、このパッシブフィルタの計算カットオフ(-3dB)は約290Hzです。いつものシミュレーションによるとHPFのクロス周波数(-6dB)を225Hzに設定すると、自動計算されたネットワークの定数(3.02mH/94.74μF)が実際のパーツの値(3mH/100μF)にほぼ一致します。このためDACのクロスオーバー周波数を同じ225Hzに設定したところ、上のようにパッシブ フィルタと位相がピッタリと一致しました。

他にも色々確認したのですが、DACチャンデバのフィルタ挙動はアナログ パッシブ フィルタの位相特性とシミュレーションのフィルタ計算に非常によく一致します。という事で、以下ではスピーカ出力ではなくDAC出力の波形を直接観測します。

さて、極性が反転しているかどうかを見るにはランダムな音楽信号を入力して出力波形を観測するのが一番です。という事で、今回も「春の祭典」超絶バスドラ信号を使って出力波形を観測しました。

まずは、お馴染みのローパスフィルタから。フィルタ特性は-6dB@225Hzです。
DACローパス 正相波形
- 赤がDACのサブウーハ出力信号(クロスを225Hzに設定)、グレーがFrieveAudioで-6dB@225Hz(傾きは-12dB/Oct)のローパスフィルタを設定した場合の信号波形です。
- シツコイですが、FrieveAudioのデジタルフィルタではオシロで観測可能なレベルの位相回転は全く生じません。マッタクです。ゼンゼン。シツコイケド。ホンマニ。。。
- DACのLPFを通過した出力波形(赤)は位相回転なしのグレーの波形に対して綺麗に遅れています。これはもうお馴染みですよね。

次は問題のハイパス フィルタです。フィルタ特性は同じく-6dB@225Hzです。
DACハイパス 正相波形
- 赤がDACのメイン出力波形、グレーがFrieveAudioで-6dB@225Hz (-12dB/Oct)のハイパス フィルタを設定した場合の信号波形です。
- またまたシツコイですが、FrieveAudioのデジタルフィルタではオシロで観測可能なレベルの位相回転は全く生じません。マッタクです。ゼンゼン。シツコイケド。ホンマニ。。。
- さてさてDACのHPFを通過した出力波形と位相回転なしのグレーの波形の位相関係はこのままではヨックワッカリマセン。

そこでDAC出力波形を上下反転しました。
DACハイパス 逆相波形
- するとアラ不思議。赤がグレーに対して遅れている事は一目瞭然です。

という事で、HPF出力の極性はLPF出力とは反転していると考えてほぼ間違いないようです。
つまり、時間ドメインで考えるならば、HPFの出力位相は入力に対して「進んでいる」のではなく、極性が反転した上で「遅れている」という事になります。アーヤヤコシー。

こんなオハナシばかりでスミマセン。

次回はスピーカ出力波形も含めてさらに確かめてみたいと思います。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年07月08日 (月) | Edit |
DACのチャンデバを使ってサブウーハをクロスオーバした場合のデータを作っていたのですが、どうもシミュレーションと一致しません。実験だと正相接続で綺麗に繫がるのですが、シミュレーションだと逆相の方が綺麗に繫がります。 ナンデヤネン?

という事で、今ひとつ現象がよく理解できていないため、基本的なところからオベンキョしなおす事にしました。
つい先日再掲載したばかりの「3ウェイ ネットワークの位相とタイムアラインメント (改訂版)」も掲載を中止しました。返す返す、エーカゲンな記事を書いて申し訳御座いません。全ての謎が解けたら、また再再掲載します。

今回はシミュレーションだけで検討します。

下はAlpair 6M 2.5L密閉型(2.5L ZAP)のシミュレーション結果です。
インピダンス フラットじゃない
高周波数でインピーダンスがダラダラと増加し、位相もだらだらと遅れています。

ウーハもツイータもAlpiar 6Mを使って3kHzでクロスオーバーしてみました。
-12dB/Octでツイータは逆相です。
インピダンス フラットじゃないクロス 
- なんじゃこりゃ?
- ネットワークのコイルとコンデンサの値は自動計算による結果をそのまま使っています。
- インピーダンスがフラットではないためヘンテコリンな結果となったようです。

現象をシンプルにするためにインピーダンスをフラットにしました。
インピダンス フラット 
- TSパラメータの「Le: 等価インダクタンス」をゼロにすると高周波数でのインピーダンスを定格値でフラットにできます(Alpair 6Mの場合定格は4Ω)。
- これにより、位相も-90°でフラットになります(注: ハチマル式に言えば密閉型では-180°です)。
- Alpair 6Mの3kHzでのレベルは88.4dBです。

インピーダンスをフラットにした状態で3kHzでクロスオーバーしてみました。 これもツイータは逆相です。
6dB 逆相 
- 今度はフラットに繫がりましたね。ウーハとツイータは-6dBでクロスしています。

下は逆相接続と正相接続の比較です。その下はソフトウェアが自動的に算出したコンデンサとコイルの値(3kHzクロス)です。
6dB クロス拡大
- 逆相でほぼフラットに繫がります(フィルタなし(88.4dB)から0.5dB低下)。
- 正相では約-10dBのディップが発生しています。
- 図にはウーハとツイータの位相が時計の針のように示されています(青い針がウーハ、黄色い針がツイータ)。
- 逆相接続でも位相はピッタリとは合わない事が分かります。

フィルタの本当のカットオフ周波数は-3dB点です。一般的な電気回路では、フィルタのカットオフ周波数と言えばこの-3dB点を指します。この周波数においてLPFもHPFも出力は入力に対して90°遅れます(時間ドメインで考えると出力の事象が入力の事象に対して進む事はない)。上図のコンデンサとコイルの値から-3dBカットオフ周波数を求めるとウーハLPF = 2.295kHz、ツイータHPF = 3.935kHzとなります。

なお、フィルタの計算にはコチラのサイトを使わさせて頂きました。

下は-3dBでクロスさせた場合の結果です。これも逆相接続です。
3dB 逆相
- 単純にウーハのコンデンサとコイルの値をツイータと同じにしました。
- この結果、クロス周波数は上のHPFの計算通り3.94kHzに移動しました。
- クロス点におけるレベルは91.0dBですから、フィルタなし(88.4dB)から2.6dB盛り上がってしまいました。

下は逆相接続と正相接続の比較です。
3dB クロス拡大
- 正相で接続すると、非常に急峻なディップが発生します。
- 逆相接続では2本の位相の針がほぼピッタリと揃います。周波数が変わってもずっと重なったママです。
- これは、ウーハもツイータもクロス点においてフィルタの位相が90°回転するからです。
- スピーカの音響出力は、クロス点においてウーハもツイータも入力に対して270°回転します(密閉型スピーカの180°+フィルタの90°)。

以前の記事「3ウェイ ネットワークの位相とタイムアラインメント」では、-3dBクロスを前提としていました(フィルタの90°回転同士をクロス) 。しかし、オーディオ用としてはF特がフラットになる-6dBクロスの方が一般的であるようです。ただし、-3dBクロスをヨシとする意見もあるようです。 ゲイン(F特)を重視するなら-6dBクロス、位相を重視するなら-3dBクロスというトコロでしょうか。しかし、ツイータのような数kHzレベルになると、そのような位相ずれの影響はタイムドメイン的には極めて微小です。

実際のネットワーク フィルタの設計においては、スピカのインピーダンスの変化が影響するため、計算通りには行かない事は理解しておく必要があります。自作する場合、少なくとも近距離でのF特計測は必須と言って良いかもしれません。-6dBクロスであれば適当に作って正相/逆相のドッチかマシな方を選ぶだけで比較的無難に繫がると思いますが、-3dBクロスには非常に精密なチューニングが必要です。少しずれるとディップが発生する可能性があります。

このシミュレーションによると、LPFとHPFの出力の極性は互いに逆相になっている模様です。このためウーハとツイータは逆相接続が基本です。この点でも「3ウェイ ネットワークの位相とタイムアラインメント」の内容は違っていた可能性があります。一般的に、HPFでは出力の位相が入力に対して「進む」とされます。しかし、時間ドメイン的に考えると出力の事象が入力の事象よりも「進む」事は絶対に有り得ません。LPFに対してHPFは極性を反転して考える必要があるのかも知れません。次回は実験君でそのへんを確かめてみたいと思います。

しかし、時間ドメインで現象を捉えようとすると位相関係には頭がコンガラカル事が多いですね。僕はアナログフィルタを使うつもりは全くないのですが、不思議の謎を解かないとどうも落ち着きません。ヤヤコシー話ばかりでスミマセン。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年07月06日 (土) | Edit |
今回は、パッシブネットワークを使ってサブウーハをアドオン(メイン側にHPFを使わないで接続)する場合の接続極性と遅れについて調べてみました。

スピーカはメイン側にAlpair6M+2.5L密閉(ZAP)、サブウーハ側にAlpair6M+8L密閉/バスレフ(TONO)を使いました。
LPFは22mH+400μF (fc=約70Hz、-12dB/Oct)のパッシブネットワークです。バスレフポート稼働領域(50弱~約100Hz)下限でのクロスオーバとなります。

まずはF特です。
赤が正相接続のトータル、黒が逆相接続のトータル、青がメインの密閉型緑がサブウーハです。

密閉型サブウーハのアドオン
F特 密閉 アドオン 

バスレフ型サブウーハのアドオン
F特 バスレフ アドオン 
- 150Hzあたりの段差は部屋の影響です。
- どちらも逆相で綺麗に繋がります。
- どちらも実質的なクロスオーバーは95Hzあたりです。
- どちらも正相接続ではクロス周波数で急峻なディップが発生します。
- バスレフの場合、逆相接続で綺麗に繫がりますが、位相が大きく回転するため70Hz以下ではメインスピカと逆相になって出力が低下しています。
- バスレフ単体だと60Hzから出力は低下するのですが、フィルタを接続すると出力が50Hz以下までフラットに延びています。

次に、いつものシミュレーションです。
- 例によって入力の位相を黄色の水平線で示しています。これが位相遅れゼロの基準です。
- 位相曲線の60Hzと100Hzに緑のをプロットしています。
密閉型メイン
SIMU 密閉
- 100Hzの位相は約-90°

密閉型サブウーハ
SIMU 密閉サブ
- 100Hzの位相は約-270°(スピカの180°+フィルタの90°)です。
- 100Hzにおいてメイン(-90°)とは180°差(つまり逆相)になります。
- 60Hzの位相は-180°弱。

バスレフ型サブウーハ
SIMUバスレフサブ
- 位相は激しく回転し、100Hzで-450°(スピカの360°+フィルタの90°)にもなります。
- 100Hzにおいてメイン(-90°)とは360°差(つまり同相)ですが、バスレフの応答は反転しているため、結局メインとは逆相になります。アーヤヤコシー。
- 60Hzの位相は約-270°です。
- シミュレーションでも出力は低周波側へ延びていますね。そーゆものなのね?

100Hzのメインとサブウーハの波形を重ね合わせました。正相接続の状態です。
上が密閉、下がバスレフ
アドオンクロス波形 密閉 
アドオンクロス波形 バスレフ
- 正相接続ではどちらもメインスピーカとは完全な逆相になっています。これでは急峻なギャップが発生するのが当然ですね。

いつものように、信号に対する出力の位相(タイムドメイン的位相)を調べてみました。
 バスレフの応答遅れを見るには波形を上下反転する必要があります。
上が密閉、下がバスレフ
100Hz
アドオン100密閉波形
アドオン100バスレフ波形
- 密閉は信号に対して270°(信号に対して7.5ms、メインスピカに対して5ms)弱の遅れです。
- バスレフは信号に対して450°(信号に対して12.5ms、メインに対して10ms)弱の遅れです。
- 上のシミュレーションとよく一致していると言えるでしょう。

60Hz
アドオン60密閉波形
アドオン60バスレフ波形
- 密閉は信号に対してほぼ180°(信号に対して8ms)の遅れです。
- バスレフは信号に対してほぼ270°(信号に対して12.5ms)の遅れです。
- これもシミュレーションとよく一致しています。

下は、位相と時間の遅れをプロットしたグラフです。
赤がバスレフサブ青が密閉サブ緑が密閉メインです。
アドオン位相遅れ アドオン時間遅れ
フィルタなしのバスレフは密閉アドオンと等価です。

100Hz以下のカットオフを持つアナログLPFを使ってサブウーハをアドオンすると、低音が信号に対して時間的に大きく遅れるだけでなく、クロス点においてメインスピーカからも遅れます(クロス点におけるタイムアラインメントは出鱈目)。
- 共鳴60Hzのバスレフの場合(フィルタなし60Hzで入力に対し約8ms遅れる)、フィルタを付加すると12.5ms(4.25m)まで遅れています。 共鳴周波数の低い大型バスレフは、周波数に反比例してもっと遅れます。
- 密閉型のアドオンでは約8ms(2.7m)遅れます。これはフィルタなしの60Hzバスレフと同等です。フィルタなしの密閉(デジタルフィルタを使った密閉型サブウーハ)だと遅れは4ms(1.35m)弱です。
- アドオン方式の場合、100Hzのクロス点において、メインスピカ(密閉型)に対してバスレフ型サブウーハで約10ms(3.4m)、密閉型サブウーハで約5ms(1.7m)遅れます。つまりクロス点におけるタイムアラインメントは全く出鱈目です。

大型メインシステムに共鳴周波数の低い大型バスレフ サブウーハを極端にカットオフの低いアナログLPFを使ってアドオンする場合、その時間的遅れは想像を絶します。またメイン側にもバスレフ型を使う場合、急激に変化するお互いの位相がどのように干渉し合うのか、これもまた想像を絶します。このような構成は、「デカイ重低音が出れば良い」というシアタ向けには使えるかもしれませんが、繊細な音楽再生用には到底適さないでしょう。

このように遅れの大きなアナログ式サブウーハをアドオンする場合、リスナのすぐ近くに設置した方が良好な結果が得られるかも知れません。さもなくばアドオン式には、位相回転が殆ど(というか全く)生じないFrieveAudioのような高性能デジタルフィルタが必須であると言えるでしょう。

今回はパッシブネットワーク(アンプの後で分割)を使いましたが、アクティブ方式(アンプの前で分割)でもアナログフィルタを使う限り遅れの様相は殆ど同じです。次回は、サウンドブラスタDACのチャンデバ(多分アナログ式)を使ったアクティブ クロスオーバ方式について調べてみます。オッタノシミニ!

結局「位相」の話は続きますね。。。スミマセン。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年07月04日 (木) | Edit |
バスレフ君の謎が解けたので、修正版を掲載します

--------------------------------

今回は3ウェイスピーカのアナログネットワークの位相と時間遅れについて簡単に検討します。

下記の一般的な3ウェイ構成を想定しました。
ウーハ: ~400Hz (バスレフ、密閉)
ミッド: 400~4kHz (密閉)
ツイータ: 4kHz~ (密閉)
全て-12dB/Octフィルタを使用

下は位相特性です
3ウェイ400クロス位相
- 例によって、入力信号の位相を絶対基準(ゼロ)とします。
- 各共振要素の出力の位相は、入力に対して共振点で-90°回転し、全体で-180°回転します。これさえ理解すれば、各周波数における位相回転量は簡単に求まります。

各周波数での位相回転量は下記の通りです。
1) ウーハ
○ バスレフ型の場合
- 第1共振ピーク: 15Hz / -90°
- 共鳴点: 40Hz / -180°
- 第2共振ピーク: 70Hz / -270°
- LPFカットオフ: 400Hz / -450°
共振要素は全部で3個(540°回転)
バスレフ型のポートの効果は2つめの共振ピーク(この例では70Hz)アタリまでです。これより高い周波数では密閉型と同じになります。

○ 密閉型の場合
- 共振ピーク: 60Hz / -90°
- LPFカットオフ: 400Hz / -270°
共振要素は全部で2個(360°回転)

2) ミッド
- 共振ピーク: 150Hz / -90°
- HPFカットオフ: 400Hz / -270°
- LPFカットオフ: 4kHz / -450°
共振要素は全部で3個(540°回転)

3) ツイータ
-共振ピーク: 2kHz / -90°
-HPFカットオフ: 4kHz / -270°
共振要素は全部で2個(360°回転)

各クロス点における正弦波出力は下図のようになります。
3ウェイ400クロス波形
黒が入力波形です。
400Hzではバスレフ型は密閉型と同じなので赤の波形はプロットしていません。

A: ウーハとミッドのクロス:400Hz
- この周波数では、バスレフ型のポートは全く作動せず、密閉型と同じです。
- バスレフ型でも密閉型でも、ウーハとミッドはこのクロス周波数1点において、時間的にも位相的にも一致します。
- ウーハとミッドは同極性で接続すれば良く、ウーハとミッドの振動板の平均位置(前後位置)を揃えればタイムアラインメントが取れます。

B: ミッドとツイータのクロス: 4kHz
- このクロス点において、ミッドの出力は入力に対して450°遅れ、ツイータの出力は入力に対して270°遅れます。つまりミッドはツイータに対して180°(0.125ms)遅れます。
- この場合、「位相的」に合わせたいだけであれば、互いに逆相に接続した上で、ミッドとツイータの振動板の前後位置を揃えれば済みます。ただし、それは一方の山(+)に対して他方の谷(-)を反転して合わせているだけであり、時間ドメイン的には辻褄合わせの誤魔化しです。
- このクロス点において0.125msのタイムアラインメントを問題にするのであれば、同相で接続した上で、ツイータをミッドに対して4.25cm後方(340m/s÷4000Hz÷2=0.0425(m))に配置する必要があります。

下は縦軸を時間にしたグラフです。
3ウェイ400クロス時間
- 上でタイムアラインメントについてコマケー事を書きましたが、一般的な市販スピカのクロス周波数領域(数100Hz以上)であれば、アナログフィルタによる時間的な遅れは大して気にする必要は無かろうと思います。特に数kHzのツイータ領域になると時間的な問題は全く微小です。
- バスレフ効果は400Hzのクロス点では全く影響しませんが、ポート音の作動領域になると応答(音)は急激に遅れます。これが気にならないのであれば、コマケー タイムアラインメントに拘る必要はないでしょう。

なお、今回の検討では、各ドライバのインピダンスは共振周波数より高周波領域で全くフラットである事を想定しています。しかし、実際には周波数の増加とともにインピダンスは増加する傾向にあり、その影響を受けるため、同相/逆相どちらの方がディップが発生せずに綺麗に繫がるかは、実際にやってみないと分からないと思われます。そこのところはご理解くださいませ。

次回は、サブウーハを想定したもっと低い周波数でのクロスについて、実験君を交えて検討してみる予定です。
オッタノシミニ!

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年06月25日 (火) | Edit |
バスレフ君の謎が解けたので、修正版を掲載します

--------------------------------

今回は3ウェイスピーカのアナログネットワークの位相と時間遅れについて簡単に検討します。

下記の一般的な3ウェイ構成を想定しました。
ウーハ: ~400Hz (バスレフ、密閉)
ミッド: 400~4kHz (密閉)
ツイータ: 4kHz~ (密閉)
全て-12dB/Octフィルタを使用

下は位相特性です
3ウェイ400クロス位相
- 例によって、入力信号の位相を絶対基準(ゼロ)とします。
- 各共振要素の出力の位相は、入力に対して共振点で-90°回転し、全体で-180°回転します。これさえ理解すれば、各周波数における位相回転量は簡単に求まります。

各周波数での位相回転量は下記の通りです。
1) ウーハ
○ バスレフ型の場合
- 第1共振ピーク: 15Hz / -90°
- 共鳴点: 40Hz / -180°
- 第2共振ピーク: 70Hz / -270°
- LPFカットオフ: 400Hz / -450°
共振要素は全部で3個(540°回転)
バスレフ型のポートの効果は2つめの共振ピーク(この例では70Hz)アタリまでです。これより高い周波数では密閉型と同じになります。

○ 密閉型の場合
- 共振ピーク: 60Hz / -90°
- LPFカットオフ: 400Hz / -270°
共振要素は全部で2個(360°回転)

2) ミッド
- 共振ピーク: 150Hz / -90°
- HPFカットオフ: 400Hz / -270°
- LPFカットオフ: 4kHz / -450°
共振要素は全部で3個(540°回転)

3) ツイータ
-共振ピーク: 2kHz / -90°
-HPFカットオフ: 4kHz / -270°
共振要素は全部で2個(360°回転)

各クロス点における正弦波出力は下図のようになります。
3ウェイ400クロス波形
黒が入力波形です。
400Hzではバスレフ型は密閉型と同じなので赤の波形はプロットしていません。

A: ウーハとミッドのクロス:400Hz
- この周波数では、バスレフ型のポートは全く作動せず、密閉型と同じです。
- バスレフ型でも密閉型でも、ウーハとミッドはこのクロス周波数1点において、時間的にも位相的にも一致します。
- ウーハとミッドは同極性で接続すれば良く、ウーハとミッドの振動板の平均位置(前後位置)を揃えればタイムアラインメントが取れます。

B: ミッドとツイータのクロス: 4kHz
- このクロス点において、ミッドの出力は入力に対して450°遅れ、ツイータの出力は入力に対して270°遅れます。つまりミッドはツイータに対して180°(0.125ms)遅れます。
- この場合、「位相的」に合わせたいだけであれば、互いに逆相に接続した上で、ミッドとツイータの振動板の前後位置を揃えれば済みます。
- このクロス点において0.125msのミスアラインメントを問題にするのであれば、同相で接続した上で、ツイータをミッドに対して4.25cm後方(340m/s÷4000Hz÷2=0.0425(m))に配置する必要があります。

下は縦軸を時間にしたグラフです。
3ウェイ400クロス時間
- このように、一般的な市販スピカのクロス周波数領域(数100Hz以上)であれば、アナログフィルタによる時間的な遅れは大して気にする必要は無かろうと思います。特に数kHzのツイータ領域になると時間的な問題は全く微小です。
- バスレフ効果は400Hzのクロス点では全く影響しませんが、ポート音の作動領域になると応答(音)は急激に遅れます。

なお、今回の検討では、各ドライバのインピダンスは共振周波数より高周波領域で全くフラットである事を想定しています。しかし、実際には周波数の増加とともにインピダンスは増加する傾向にあり、その影響を受けるため、同相/逆相どちらの方がディップが発生せずに綺麗に繫がるかは、実際にやってみないと分からないと思われます。そこのところはご理解くださいませ。

次回は、サブウーハを想定したもっと低い周波数でのクロスについて、実験君を交えて検討してみる予定です。
オッタノシミニ!

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年06月24日 (月) | Edit |
今朝カウンタが80万ヒットを超えていました。
いつもご愛読ありがとうございます。ZAPが完成してネタが尽きた感があり、100万までキッツイですね。なんとか辿り尽きたいものです。

またまたシツコク位相関係です。
今回でホントにオッシマイにしますので、ご容赦くださいませ。

DAC (Sound Blaster X-Fi Surround 5.1 Pro)のチャンデバ機能の遅れを正確に確認したところ、とんだ事が判明しました。実は、このチャンデバが内蔵しているフィルタの位相特性は普通の-12dB/Octアナログフィルタと殆ど同じです。

以前計測した時はFrieveAudio並に殆ど遅れがなかったはずなのに。。。ナンデヤネン。。

使い方が分からずに暫く放ってあったDACのチャンデバがうまく使えるようになり、それまで使っていたプレートアンプ内蔵フィルタよりも音楽の聞こえ方が明らかに良くなったため、有頂天になって計測したのですが、その際、どうやら観測波形の極性(プラス/マイナス)を逆に読んでいた模様です。実は、サブウーハ用に使っているDayton DTA-100a T-AMPの出力極性はIconAMPをはじめとする僕が今までに使ったアンプ達とは逆になっています。買ってすぐFrieveAudioで計測して気付いたのですが、波形観測の際にその事を考慮する(波形を上下逆にする)のを忘れた模様です。アンプには極性が逆のがあるようなので、皆さんもお気をつけください。

という事で、今回はDaytonプレートアンプを引っ張り出してきて位相特性をもう一度比較してみました。

下が結果です。
遅れ実績まとめグラフ
赤がプレートアンプのLPF、青がDACのチャンデバです。ついでにフィルタ無しの密閉型(水色)とバスレフ型(緑: 共鳴は60Hz)も計測しました。FrieAudioのチャンデバの遅れは密閉型単独と全く同じです。
これらの計測には全てAlpair6Mを使用しました。バスレフは8LのTONO箱。それ以外は2.5L密閉ZAP箱です。ちなみに、Alpair6MとAlpair10の遅れは殆ど同じです。

上図で見る限り、プレートアンプのLPF(赤)よりもDACチャンデバ(青)の方が遅れは少なくなっています。これにより、聴感的に好ましく感じたのだと思われます。とはいえ、このDACチャンデバの位相はバスレフ型(60Hz)と同等まで遅れており、もしかすると普通のアナログフィルタなのか???と疑問が生じます。

下は63Hzの過渡正弦波挙動です。
63まとめグラフ
波形の色は上のグラフに対応しています。密閉型が最も遅れが少なくDACチャンデババスレフがほぼ同等、プレートアンプLPFが最も遅れています。この図では分かりにくいですが、時間スケールを縮めて観測すると、バスレフの波形振幅は他の波形に比べて明らかに緩やかに増加します。つまり位相が遅れるだけではなく、アタック音の振幅の立ち上がりも鈍くなると言う事です。振幅の俊敏な立ち上がりという観点でも密閉型(フィルタなし)が最も優れます。なお、バスレフだけ波形の極性(上下)が反転します(図には反転してプロットしています)。

という事で、やっぱりDACチャンデバの方がプレートアンプLPFよりも遅れが少ないヤン。メデタシメデタシ!。。。とは参りません。

プレートアンプLPFの特性を確認しました。
DAYTON Ftoku 1
ピンクがプレートアンプのLPFです。緑がDACチャンデバ、青が22mH+400μFのパッシブネットワークです。プレートアンプを使っている頃は、メイン側にHPFを使わないアドオン方式を採用していたため、カットオフをこのようにかなり下げていました。

このようなカットオフ設定では、上の結果のようにプレートアンプLPFはDACチャンデバよりも遅れるのですが、試しに同等のカットオフ特性で比較したところ、両者の遅れ具合はピッタリ同じになる事が分かりました。さらに、パッシブネットワークでも遅れ具合は殆ど同じでした。

つまり、カットオフ特性を揃えて比較すると、プレートアンプのLPF(アクティブ)もDACチャンデバもパッシブネットワークも遅れ具合は同じであったという事です。わざわざグラフをお見せする必要もないほどピッタリ同じです。やはり、このDACのチャンデバはアナログフィルタを使っているのでしょうか。。。なんだかガックシ。。

DACの事はさておき、ここで重要なのは、たとえ密閉型サブウーハでも、(パッシブでもアクティブでも)アナログフィルタのカットオフを下げるとテキメンに遅れが増大するという事です。この点で、アドオン方式は不利と言えるでしょう。

今回の結果を、2つ前の記事のシミュレーション結果グラフの中にプロットしてみました(赤枠内、黄領域)。
遅れ実績まとめグラフ2

まとめ
○ カットオフが極端に低かったプレートアンプLPF()からDACチャンデバ()に交換する事により、遅れは減少した。これにより、一部の楽曲でどうしても拭えなかった違和感が解消された。ただし、これは単純にLPFのカットオフ特性が高周波側にシフトした事に起因するものであり、DACフィルタの位相特性が優れていたためではなかった。

○ 密閉型サブウーハであっても、アナログフィルタのカットオフを極端に下げると遅れが問題になる可能性がある。特に、比較的大型のメインスピーカに大型サブウーハアドオンする場合はカットオフが極端に下がるため、この問題が深刻となる。そのような場合、位相回転のない高性能デジタルフィルタの使用が望まれる。

○ バスレフ型の過渡応答挙動の問題は、単純な時間的(位相)遅れだけでは評価できない(例えば、振幅の立ち上がりも緩やか(アタック音の立ち上がりが鈍る、共鳴周波数以下で波形がヘンテコリン等)。さらに、各種付帯音も発生する。このため、遅れが同等であっても、密閉型サブウーハ+アナログフィルタの方が音楽再生クオリティの面では有利であろう(コノミノモンダイは別のハナシ)。

○ バスレフ型の場合、原理的に、同調周波数を下げれば下げるほど遅れ時間は確実に増加する(共鳴点で必ず180°遅れ、共鳴点の周波数が下がれば遅れ時間は単純に増加する)。上図の は同調50Hzの推測値を示す。赤▲は同調40Hzのシミュレーション結果を示す。バスレフ型で40Hzまたはソレ以下までフラットに特性を伸ばす場合、時間的遅れが大幅に増加する事を覚悟する必要がある。

○ 密閉型サブウーハ+位相回転が実質的に無い高性能デジタルフィルタを使えば、密閉型スピーカ本来の優れた応答性を維持したまま低音特性をフラットに伸ばす事ができる(水色 は3"ドライバ(2.5L密閉)による実測結果、青▲は22cmウーハ(34L密閉)によるシミュレーション結果)。

追記
人間の耳はどのくらいまで、音のタイミングを聞き分けられるのでしょうか?

高さや、到来方向の異なる二つの音に時間的なずれを与え、どのくらいのずれがあれば前後関係が正しく知覚されるかを実験すると、充分に訓練を積んだ被験者では20 msくらいのずれがあれば、前後関係がぎりぎりで判断できるそうです。

これはあくまでも前後関係を認識できるかどうかの限界です。音楽のリズムの感知はもっと微妙なはずです。

音楽(特にジャズ)のリズムは非常に微妙に揺らいでおり、僕達はそれを少なくとも1曲の間、半ば無意識に、しかし夢中になって、音を追いかけながら身を委ねます(別にリズムがドーノコーノなんか全く「考えない」)。で、時々イyェー!と叫んでしまう。ベースとドラムスのリズムは、その曲の間ずーーーーーっと連続的に繰り返し微妙に揺らいでいます。繰り返し繰り返しヒタスラ繰り返しズーーーーーーっとです。ズーーーーーっと。

凡庸なベーシストと抜きん出たベーシストではノリ(グルーブ感)が全く違います。学生の頃、たまに野外ジャズフェスに出かけましたが、通常、ロンさんやジャコさんのようなベーシストを望む事はできません。余りにベースやドラムスのノリが宜しくないと気分が悪くなるので、そのようなバンドの演奏中はそのヘンを散策に出かけました。超一流と普通の一流のビートのタイミングの違いは如何ほどなのでしょうか。一体何msの差なのでしょうか?メチャクチャ微妙だと思います。

そのような微妙な音楽を、音階の高低(周波数)によってタイミングが最大で10msも変化する状態で聴き続けると、ダンダン気分が悪くなるのも仕方ないような気がしないでもアリマセン。このような現象は、「オンシツ」の違いに集中した短時間のヒカクシチョーでは余り気になりませんが、「オト」ではなく「音楽」を聴き続けるとダンダン違和感が募ります。

あくまでも直感的にですが、音楽再生装置の低音の遅れは10msを十分に下まわって欲しいナァ。。。と思います。理想を言えばは5ms以下でしょうか。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年06月22日 (土) | Edit |
しつこいですが、ちょっと補足しておきます。

位相というやつはホントニ、ヤヤコシイです。

だいたい位相、位相と申しますが、位相はあくまでも計算しやすくするために便宜上使うパラメータであって、最終的には時間を基準に考える必要があります。フィルタは一種の時間遅延回路として働き、出力が入力に対して時間的に進む事はありません。でないとタイムマシンになってしまいます。そして位相回転とは、この遅れ時間を、便宜上、信号周波数の周期に置き換えた値に過ぎません。この定義による位相は、入力に対して絶対に進む事はアリマセン。だって、時間が進めないわけですからね。。。音響出力のタイミング(従って位相)は入力信号に対して絶対に進まないという事です。

位相が「進む」というのは、入力の位相から遅れた任意の状態を基準にして、それに対して「相対的に」進むと言っているに過ぎません。音響の世界では、位相は相対的なものであるかのように扱いますが、これが認識をややこしくしているように僕には思えます。

下はネットで拾ったフィルタの解説です(出展はこちら)。
位相説明
解説には「正弦波形を入力しはじめた直後には、過渡的な応答がありますが、やがて定常状態になり、出力も正弦波形 になります。」とありますね。そして、出力が正弦波形になるまでの時間(図ではΦ)が、フィルタの遅れ時間(位相)です。

無信号状態から正弦波がいきなり始まる現象は、まごう事なき過渡現象であり、高周波成分を多く含むわけですが、フィルタであれバスレフであれ共振要素の出力は、各種の要因により過渡期間にヘンテコリンな現象を生じます。これらのヘンテコリン君達の一部は、理想的にはあってはならない一種のノイズであると言えるかも知れません。

ローパスフィルタの場合、無信号状態から正弦波信号が始まると、最初に信号とは逆向きの小さな山が現れます。これは「位相が進んだ」フィルタ応答などでは決してアリマセン。これは主にローパスフィルタによって高周波のゲインが減衰する事に起因すると考えられるフィルタの正常な過渡挙動です(正常なヘンテコリン君)。正弦波がいきなり始まる場合、そこで正弦波周波数以外の高い周波数成分が発生しますが、ローパスフィルタは高い周波数を通さないため、応答波形にはヘンテコリン君が現れるという事です。ですから、入力に対するローパスフィルタ出力の遅れ時間なり位相なりを評価する際に、このような過渡領域の波形を云々する事に意味はアリマセン。

その事をステップ応答でお見せします。
ローパスフィルタを通した音響波形です。
ステップ1
赤がアナログフィルタ(22mH、400μF)、青がほぼ同じ特性のデジタルフィルタ(Fc=70Hz、-12dB/Oct)です。
アナログ(赤)では例によって初期に信号と逆の波が出ています。過渡正弦波応答でも最初にこの逆相の波が出ますが、これは位相が進んだフィルタ応答などでは全くアリマセン。デジタル(青)では信号が立ち下がる前に既に尖った山が出ていますが、これはデジタルフィルタが移動平均処理を行うためです。アナログの最初の波は、デジタルのこの波が遅れて出ているように見えます。

このような山が出る1つの原因は、ローパスフィルタによって高周波成分がカットされている事にあります。
FrieveAudioで-12dB/Oct/70Hzのハイパスフィルタを設定し、高周波成分も追加してみました。要は高音まで出力できる2Wayスピーカにしたという事です(Lチャンネルにローパス、Rチャンネルにハイパスを設定し、中央で合成波を観測)。

まずデジタルフィルタの場合
ステップ2
最初の山がフラットになり急峻なパルスに変わりました。DC成分を出力できないスピカは、矩形波に対して理想的にはパルスしか発生しません。

次にアナログフィルタの場合
ステップ3
高周波振動が激しかったため500Hz以上をカットしています。デジタルと同様の傾向ですが、アナログフィルタでは位相の回転が大きいため、デジタルほど綺麗にはなりません。

このように、2Wayにして別のスピカから本来あるべき高周波成分が出力されると、過渡領域の合成波の形状は大きく変化します。ですから、ローパスフィルタ出力の過渡領域のチョイトした山について、アレコレ気にする必要は無いという事です。

フィルタであれバスレフであれスピカ自体であれ、このようなヘンテコリンな過渡挙動問題の最大の元凶は、遅延時間(位相ではない)が周波数によって異なる(一定ではない)という点にあります。再三お見せしたように、低音ほど遅延時間が長いデスヨね。つまり高い周波数成分から先にスピカから出てくるという事です。

時間遅れが周波数に対して一定ではないという難儀な性質を持つ共振現象(フィルタなり、バスレフなり、スピカ自体なり)の出力は、多数の周波数成分を含み激しく過渡的に変化する音楽信号入力に対して多かれ少なかれヘンテコリンな挙動を示します。その典型例がバスレフですよね。条件によっては、ドレガドレヤネン、ドナイナットンネン!というくらい、入力に対する出力の関係が分からなくなります。

このような共振要素が、入力とピッタリ同じ波形を出力できるのは、「単一周波数の定常正弦波(始まりも終わりもないズーーート続く一定周波数の正弦波)」ダケです。バスレフは定常正弦波を素晴らしく綺麗に出力しますが、過渡になるとガタガタに崩れましたよね。

このヘンテコリン現象(ソースの信号波形通りに音が出てこない現象)は、システム内に共振要素の個数が多ければ多いほど強まります。再三実測とシミュレーションでお見せしたように、共振要素が増えるとどんどん低音が時間的に遅れますよね。共振要素の数は密閉型で1個、バスレフ型で2個、アナログフィルタを追加すると1個増える。。。という具合です。

現時点では、僕は専ら低音の時間的遅延を問題視しています。従って、アナログフィルタを十分に高い周波数で使う分には大して問題は無かろうと考えます。しかし、バスレフ型は正に最下限周波数で共振を起こすため、問題の現象(低音の時間的遅れ)が非常に顕著に表れます。僕がバスレフを嫌う原因の1つはこの点にあります。

ですから、システムにはスピカ(密閉型)以外の共振要素を追加しないに超した事はアリマセン。昔から言われるように密閉型フルレンジが理想だというのはこの意味で当を得ています。この密閉型フルレンジを、デジタル技術で補おうというのがLEANAUDIOの基本アプローチです。これは、ダイナミック型スピカシステムの改善に向けた最も基本的/根源的アプローチであると言えるでしょう。

密閉型と言えども共振要素を1個含みます(全体で180°回転する)。LEANAUDIO初期においてAlpair5で馬鹿ブーストを採用して以来、仕事中に音楽を聴いていて違和感を覚えるたびに吸音材を増やしてゆき、ほぼ1年かけて吸音材が満杯になるに至りました。これは密閉型の共振現象(インピダンスピーク)を殺す(緩やかにする)行為に他なりません。

また、大分以前の記事で、密閉型モニタヘッドフォンではダイナミック型でありながら低音が全く遅れない(つまり殆ど位相が回転していない)というデータをお見せしました。これは恐らく、振動板が非常に軽量であるため共振周波数が非常に高いからではないかと思われます。超小径ダイアフラムを使うカナル型イヤフォンの場合、共振周波数はもっと高いでしょう。この点でも、ヘッドフォン・イヤフォンは有利であると言えます。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年06月21日 (金) | Edit |
一連の位相と時間の遅れに関する記事の最終回です。

今回はシミュレーション結果に基づいて検討を加えます。

その前に、今までの経緯を振り返りたいと思います。
発端は「ハイエンドスピーカのクロスオーバー周波数を調べてみました 」でした。

我々が耳で感知する音楽のスペクトル形状から、僕は主要帯域である100Hz~4kHzでは分割せず、その両端を必要に応じてサブウーハなりスーパツイータなりで補う方式が良かろうと考えています。これを基に、巷のハイエンドスピカがどのように帯域を分割しているのかを簡単に調べて見たところ、Vienna Acoustics Klimt “The Music”が120Hz以上を同軸フルレンジに分担させるという、僕のコンセプトに非常に近い構成を持つ事が分かりました。

しかし、パッシブネットワークを使ってそのように低い周波数でクロスする場合、何かと問題が生じるであろうと考え、シミュレーションで検討しました。その結果は「ウーハー用パッシブネットワークの問題点」に記載しています。今回は、このシミュレーション結果を基に検討を加えます。

なお、一連の検討は、100Hz近くでクロスするという、サブウーハを想定した極端に低周波でのフィルタの挙動に限定するものであり、一般的な市販スピーカシステムで使われている周波数帯(500Hz~)では大した問題ではなかろうし、数kHzレンジのツイータ用であれば全く気にする必要は無かろうと僕は考えています。

今回の検討に先立ち、実測との比較によるシミュレーションの検証も行いました。
シミュレーションに基づいて算出した「入力信号に対する出力音響波の位相回転と時間遅れ」が実測値とよく一致する事は最近の2つの記事「位相と時間 - 実験君による検証」および「位相と時間 - バスレフ型でも実験君してみた」で確認しました。

また、理論的な考え方については「位相と時間、遅れるの?進むの?アーヤヤコシー」 に書きました。

下は、今回の元ネタであるシミュレーション結果です。
密閉
Seal.jpg
バスレフ
Filter OFF
バスレフ+アナログフィルタ(Fc = 120Hz)
120.jpg
シミュレーションは、Vienna Acoustics Klimt “The Music”を想定して、22cmウーハ(FOSTEX FW227)、バスレフ型(共鳴周波数=40Hz)、ローパス カットオフ=120Hzに設定しています。

シミュレーション結果から読み取った位相値をグラフにプロットしました。
ソース信号に対する音響出力の位相
SIM 角度
青が密閉、赤がバスレフ、緑がバスレフ+フィルタです。上図は、シミュレーションの位相曲線から単純に読み取った位相をプロットしていますが、縦軸のスケールはシミュレーションとは逆にしています。つまり、プロットが上にあるほど遅れます。ご注意ください。

縦軸のゼロは、入力信号の位相に相当します。ゼロであれば、出力波形はソース波形にピッタリと揃います。
しつこいですが、周波数が限りなくゼロに近付くと、位相の回転(遅れ)も限りなくゼロに近付きます。これが入力の位相です。僕は入力に対する出力の遅れを見たいわけですから、この状態を基準(ゼロ)と考えます。この場合、出力の位相は入力に対して進む事は絶対なく、周波数の増加とともに単調に遅れ方向に回転します。

前の記事に書いたように、理論的には、周波数の増加に伴って密閉型では180°、バスレフ型では360°、バスレフ+フィルタでは540°に収束します。ただし、このシミュレーションでは、インピーダンスの漸増によるものか、位相はそれを超えてダラダラと遅れています。

ソース信号に対する音響出力の時間的遅れ
SIM 時間
上図の位相から簡単に遅れ時間が求まります。
時間 (ms) = (位相(°) ÷ 360) × (1000 ÷ 周波数(Hz))
位相は高音ほど遅れますが、タイミングは低音ほど遅れます。何故ならば、低音ほど1周期の時間が長いためです。同じ360°でも100Hzの1周期の長さは1kHzの10倍です。これに比べれば、位相の回転量は微小です。
密閉型に比べてバスレフ型の時間的遅れは大きく、アナログフィルタを追加するとさらに遅れます。カットオフ(120Hz)近くの100Hzにおける遅れは、密閉に対してバスレフで約3倍、バスレフ+フィルタで約5倍にも達します。

音速を340m/sとした場合、10msは約3.4m、15msは約5.1mに相当します。例えば、バスレフ+フィルタの場合、ピアノの40Hzの音は1kHzの音よりも約5m遠くから届く事になります。

LEANAUDIOの経緯をたどる
全部の位相
上の図に、過去にLEANAUDIOで試した方式を簡単にプロットしてみました。

FrieveAudioによる馬鹿ブーストあるいはFrieveAudioのチャンデバ機能を使った2.1chの遅れは、位相を補正しなければグラフの青丸のプロット(密閉型)に相当します。僕には効果がよく分かりませんが、位相補正をONにすれば全域でほぼゼロになります。

茶色の破線(※と+)は、僕が過去に試した3"ドライバによるバスレフ型の範囲(共鳴周波数50~60Hz)を示しています。バスレフ型の場合、同調周波数が高くなると遅れ度合は単純に減少します。ですから、40Hzまで延ばした大型バスレフでは遅れ時間は大きくなります。さて、僕はLEANAUDIO初期の頃に、都合5種類の3"ドライバを買ってバスレフ型をいろいろ試しましたが、結局違和感を拭いきれず、密閉型+サブウーハ → 密閉型馬鹿ブーストへと進みます。

水色は、Alpair10/4L密閉型にFc=60Hzのアナログフィルタを追加した状態です。DAYTONプレートアンプの内蔵フィルタを使った状態に相当します。なお、密閉型サブウーハの場合、出力特性はフラットではなく約12dB/Octで減衰するため、100Hzでクロスさせようとすると、フィルタのカットオフを60Hz程度に設定する必要があります。この構成での遅れ具合はバスレフ型と同程度ですが、僕には密閉型サブウーハ方式の方が明らかに好ましく感じられました。これは、バスレフ型は動的挙動が複雑であるため過渡波形が大きく崩れる事と、各種の付帯音が多い事に起因するものと考えられます。

3種類の13cmウーハを試した後、最終的にAlpair10をサブウーハ用に採用しました。Alpair10のずば抜けた3次歪みの少なさにより、低音のクオリティは大きく改善されましたが、楽曲によってはAlpair6Mの馬鹿ブーストに比べて微妙に違和感を覚える事がありました。このため2.1chシステムを常時使用するには至らず、一部の楽曲はAlpair6Mの馬鹿ブーストで聴いたりしていました。

紫は、サウンドブラスタDACのチャンデバを使った場合の2.1chシステムの遅れです。これは先日の1発正弦波の応答波形から読み取ったものなのであまり正確ではありません。近いうちに正確に調べてみます。このDACソフトウェアがどのようなフィルタ処理を採用しているのかは不明ですが、FrieveAudioの高性能フィルタとは異なり、遅れが発生しています。しかし、その遅れ具合はプレートアンプのアナログフィルタを使った場合よりも減少しています。遅れの全くないFrieveAudioのチャンデバを使った方が、多少良く感じられるような気もしないでもありませんが、iTuneの使いやすさを天秤にかければまぁこれでエーンチャウと、以前のように仕事中にワザワザFrieveAudioに切り換えて聴く事がなくなったという事です。

このDACチャンデバのクロス周波数は、ソフトウェアの既定値パラメータである80Hzに設定していますが、実質的なクロス周波数は100Hzのちょっと上くらいです。
下は各種ローパスフィルタを通したスピカ出力特性です。
サウンドブラスタフィルタ
緑がサウンドブラスタ、青がアナログネットワーク(22mH+400μF)、赤がFrieveAudio(-12dB/Oct、70Hz)です。サウンドブラスタは120Hzあたりまでは-12dB/Octの傾きを持ち、そこから急激に減衰するようです。一般的に、密閉型サブウーハに対しては、-12dB/Octのフィルタは適しません。なぜならば、スピーカの出力が-12dB/Octで減衰しているため、理論的にはフラットにしかならないからです。上図でも、ドライバのロールオフ周波数(約120Hz)までは、ダラダラとしか減衰していません。-24dB/Oct以上の急峻なフィルタリングが理想的です。

最後に、群遅延というヤツを始めて計算してみました。
SIM 群遅延
群遅延は、簡単に言うと、周波数あたりの位相の回転量を表します。狭い周波数範囲で位相が大きく変化すると群遅延は大きくなります。当然ですが、小さいに超した事はありません。バスレフ型の群遅延は密閉型よりも大きくなります。また、アナログフィルタをこのように低周波数で使うと極端に群遅延が大きくなりそうです(ピークは30を超えている)。もちろん、一般的市販スピカのように数百Hz以上の周波数でクロスすれば、このような極端な問題は解消されます。Viennaはどのように対策しているのでしょうか。。。

という事で、100Hz近辺でクロスする場合のアナログフィルタの挙動について、シミュレーション結果を基に解析してみました。

繰り返しますが、市販スピカの標準的な周波数(数100Hz以上)でクロスする場合、アナログフィルタを使っても大した問題はないでしょうし、数kHzレベルでクロスするツイータに関しては全く問題無かろうと僕は考えています。

しかし、サブウーハのように100Hz近辺でクロスする場合、アナログフィルタによる遅れ「時間」が大きくなるため、FriveAudioのような位相回転の無い高性能デジタルフィルタの適用が好ましいでしょう。密閉型サブウーハの場合、100Hzで理想的にクロスさせるには、-24dB/Octの急峻なフィルタをを使ってカットオフ周波数を60Hz程度まで下げる必要があり、場合によっては深刻な遅れが発生します。バスレフ型サブウーハの場合、アナログフィルタによる遅れはさらに深刻なものとなるため、クロス周波数を余り下げない(200Hz以上とか)か、下げる必要がある場合は高性能なデジタルフィルタが必須であると言えるでしょう。

以上で、アナログフィルタの遅れに関するお話しはオッシマイです。

もうすぐ800万ヒットです。応援宜しくお願い申し上げます。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年06月20日 (木) | Edit |
シミュレーションで遊ぶ前に、バスレフ型を使って前記事と同様にアナログフィルタの影響を実験君してみました。

いつものシミュレーションです。
Alpair6M + TONO箱(8L)バスレフ仕様です。バスレフの共鳴周波数は約60Hz。
密閉/フィルタなし
SIMU A6 密閉 ON
バスレフ/フィルタなし
SUMU A6 Bas OFF
バスレフ/フィルタあり
SIMU A6 Bas ON
フィルタのパラメータは前記事と同じです(22mH + 400μF)。
例によって、遅れゼロ(入力の位相)を黄色の水平ラインで示しています。

100Hzにおける入力(黄ライン)からの位相回転量を図から読み取ると、
密閉型/フィルタなし: -90°ちょい
バスレフ型/フィルタなし: ほぼ-270°
バスレフ型/フィルタあり: -450°ちょい手前
となります。

特にバスレフ型の場合、過渡挙動が複雑であるため、単純な正弦波信号を使うと信号ピークと出力ピークの対応が判然とせずドレガドレヤネンと頭を悩ます事が多いため、今回は一工夫して下図のような信号を作成しました。
ランダム信号
100Hz正弦波の各ピークの振幅をランダムに変化させています。Excelで生成した乱数に従って振幅を変更しました。6サイクル(12個の±ピーク)を1セットとし、これを8セット連結しました。上図は先頭の2セット分を表示しています。また、信号の先頭には例によってパルスを挿入しています。

では結果です。
下はアナログフィルタなしでの密閉型とバスレフ型の比較です。
密閉バスレフOFF
青が密閉、赤がバスレフ、グレーがDAC出力です。
比較しやすくするために、前記事と同様にアナログフィルタと同特性のデジタルフィルタ(fc=70Hz、-12dB/Oct)を適用しています。シツコイですが、このデジタルフィルタでは位相は全く回転しません。従って出力の位相回転はDAC以降のスピカシステムに起因するものです。「フィルタなし」と考えて構いません。

図から、信号に対して密閉型(青)は約90°、バスレフ(赤)は270°弱遅れています。

あ、そうそう、バスレフ型の波形は上下を反転して表示しています。反転しないと信号波形との対応が取れません。つまり、極性が反転した上に約270°遅れているという事です。ホンマにヤヤコシイやつです。

次に、バスレフにアナログフィルタ(220mH、400μF)を追加しました。
バスレフON OFF
赤がフィルタなし、緑がフィルタありです。アナログフィルタにより、位相がさらに180°弱遅れ側に回転しています。

信号波形(グレー)にできるだけピッタリと重なるように各波形を時間方向にシフトさせました。
全部の位相
このようにすると、基準パルス位置の移動量から位相回転量を読み取れます。パルスが左に移動するほど、その出力は遅れているという事です。

各条件の遅れをざっと読み取ると
密閉型(青): 約-90°
バスレフ/フィルタなし(赤): -270°ちょい手前
バスレフ/フィルタあり(緑): -450°ちょい手前
ですから、やはり上のシミュレーション結果とよく一致していると言えるでしょう。

このように共振要素をシステムに追加すればする程、入力に対して出力は遅れます。密閉型は共振要素が1個(最大180°回転)であるのに対しバスレフ型は2個(最大180°x2=360°回転)持ち、パッシブラジエータやアナログフィルタ(二次)は共振要素を1個追加します。バスレフ型にアナログフィルタを追加すれば、システムの共振要素は3個(最大180°x3=540°回転)です。

密閉型+デジタルフィルタを使えば共振要素を1個だけにでき、システムの挙動をシンプルにできます。つまり出力波形を信号波形に近付ける事ができるという事です。そうすると音楽の聞こえ方が自然で聴きやすくなり、ビシットバシッとノリが良くてズンと重い低音を楽しめます。密閉型モニタヘッドフォンやカナル型イヤフォンの聞こえ方に近付くという事です。

という事で、このシミュレーションはバスレフ型の挙動も良好に再現していると言えるでしょう。ホントニお役に立つヤツですね。LEANAUDIOでは着手した当初から散々お世話になっています。

久しぶりに、リンクを貼っておきます。
スピーカー設計プログラムアプレット版
ご活用くださいませ! 作者の方、本当にありがとうございます!

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年06月18日 (火) | Edit |
前の記事からの続きです。

今回は、アナログフィルタ回路による位相回転の影響を実験君で確認してみました。いつものシミュレーションがどの程度正確なのかも検証してみます。

使用したネットワーク回路(LP)です。
photo_20130618122844.jpg
ガラクタ箱のパーツを使って22mH + 4x100μF の二次フィルタ回路をでっち上げました。サブウーハ用を想定して、100Hz以下のクロスオーバーを狙っています。

下図ののプロットが、この回路をZAP Alpair6M (2.5L密閉型)に取り付けて計測したスピーカの出力特性です。
Fileter Ftoku
のプロットは、この後の比較テスト用に用意したデジタルフィルタによる特性です。カットオフ=70Hz&-12dB/Octの設定で、アナログフィルタとほぼ同等の特性が得られました。下図はFrieveAudionoのフィルタ設定です。
Digital Filter

下はシミュレーション結果です。スピーカは Alpair6M (2.5L密閉型)。
フィルタなし
SIMU OFF

アナログフィルタ適用
SIMU ON
上記の回路パラメータ(22mH、400μF)を正直にプログラムに入力した結果です。部屋の影響もあるため、実測とはピーク周波数が多少異なりますが、全体的な形状(山の中心位置)はよく一致しています。全然期待していなかったので驚きました。という事で、回路のパラメータは一切修正せずに、そのまま使いました。

この後の計測結果と照らし合わせるため、ここでシミュレーション結果の100Hzでの位相を確認しておきます。

上図には黄色の水平線で「遅れゼロ」の位置を示しています。これが入力(ソース信号)の位相です。位相曲線(緑のライン)がこのラインから下に離れれば離れるほど位相は遅れます。つまり、高音ほど入力に対して位相が遅れるという事です。フィルタ適用のグラフでは緑の位相曲線が-180°から+180°に折り返していますが、実際には1本の曲線で周波数の増加に伴って単調に遅れます。今回は100Hz以上の事は気にしなくて構いません。

上の「フィルタなし」では、100Hzで入力(黄ライン)に対してほぼ90°遅れています。これに対し「フィルタあり」では、入力に対して目分量で読んで約250°遅れています。

さてさて、実際にはどうなんでしょうか? 早速実験君で確かめて見ましょう。ワクワク。。

僕は波形観測を行う場合に、信号にパルスを挿入して時間の基準としています。このパルスはCDフォーマットで表現できる最も急峻なパルス(22.1kHz)です。このような超高音になると、周期が非常に短いため(20kHzで0.05ms)、位相が数回転したところで時間的には無視できるため、絶対的な時間基準として利用できます。

今回は、ZAPのLチャンネルにローパス(デジタルまたはアナログ)、Rチャンネルにハイパス(デジタル)を適用し、マイクロフォンを左右スピカの中央に置いて左右の合成音を観測しました。こうする事により、ローパス側音響出力の時間を揃えて波形を比較する事ができます。

では結果です。

下は100Hzの6発正弦波の再生波形です。
SINE
グレーがDACの出力、青がデジタルフィルタ、赤がアナログフィルタです。このデジタルフィルタは位相が殆ど(というか全く)回転しない事は、以前の記事で確認すみです。

下は上図の先頭部分を拡大した図です。
SINE enl
図からざっと読み取ると、デジタルフィルタ(青)は入力信号(DAC出力)対してほぼ90°遅れており、アナログフィルタ(赤)はざっと見て225°遅れています。これはシミュレーションの結果とよく一致していると言えるでしょう。

なお、このデジタルフィルタは位相が事実上全く回転しないため、結果は「フィルタなし」と同じと考えて問題ありません。

最後に例の「春の祭典」最強バスドラの波形です。
ハイパス側には10kHzのフィルタを適用しているためほとんど基準パルスしか出力しません。従って下の波形はローパス側だけの音響波形です(クリックすると拡大します)。
HARU ON OFF
このバスドラの中心周波数は40~45Hzです。この周波数での位相の回転量は100Hzよりもかなり小さくなります。
正弦波の場合、波形は全ての周期で同じであるため、遅れているんだか進んでいるんだか、分かりにくいのですが、このように実際の音楽波形を使うとよく分かりますね。

と言う事で、いつものシミュレーションはナカナカ使えるヤツであると言えそうです。次回は、各種のシミュレーション結果を基に考察を加えます。オッタノシミニ!

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年06月16日 (日) | Edit |
大福丸さまからのコメントに関連して、位相と時間について書きます。

ご興味のない方は最初だけ読んでスルーしてください。とってもヤヤコシーお話しです。

まず重要な結論だけ書きます。

特殊な状況を除き、低音は高音よりも「時間的」に遅れてスピーカから出て来ます。

入力(ソース信号)に対する出力(スピカの音)の遅れ度合は、位相的にも時間的にも、最もシンプルな密閉型フルレンジ システムで最小であり、システムにバスレフのヘルムホルツ共鳴やアナログ フィルタを追加すればするほど、スピーカから出てくる音の位相は入力信号に対してどんどん遅れます。

我々は、音楽のリズムを音と音の時間的間隔として感じ取り、メロディを音階(周波数)の時間的変化として感じ取ります。様々な周波数を含む音現象について考える場合、個々の周波数の「位相」ではなく「時間」を基準とする必要があります。

ヤヤコシー事言う前に実測波形をご覧に入れます。

これは、40Hzと5kHzの合成波の再生音響波形です。グレーのソース信号波形では40Hzと5kHzの信号が同時に発生します。赤はDACのデジタルフィルタを使った場合の音響波形、緑はプレートアンプ内蔵アナログフィルタを使った場合の音響波形です。どちらも、5kHzの音は殆ど「時間的」に遅れる事なく出て来ますが、40Hzの音は遅れて出て来ます。その遅れ度合は、アナログフィルタを使った方(緑)が大きくなっています。緑の波形の最後の方を見ると、5kHzの音は先に終わって40Hzの音だけが綺麗に残っている様子が分かります。なんだか気味ワルイですね。

あとはヤヤコシー話ばかりです。適当にスルーしてください。

次に、100Hzと1kHzの1サイクル正弦波信号を使ってシンプルに考えて見ます。
ここでは振幅1の100Hz信号と振幅1/2の1kHz信号を想定します。位相はどちらもソース信号から90°遅れているとしましょう。
下は横軸を角度としてプロットしています。
10 100 角度
赤が振幅1の100Hz、青が振幅1/2の1kHzです。グレーは信号波形です。位相はどちらも90°遅れですから、横軸を角度にしてプロットすれば、波形は同じ位置にあります。角度を基準にして見れば(つまり位相は)、どちらの周波数も同じ遅れ具合に見えるという事です。

下は横軸を時間としてプロットしています。
10 100 位相
時間でプロットすると、1kHz信号の遅れは非常に小さくなります。このように、位相角度は同じでも、高音の遅れ時間は周波数に反比例して短くなります。つまり、同じ位相的遅れを持つ100Hzと1kHzの信号を同時に入力すれば、先に1kHzの音がスピーカから出て来るという事です。

このようにして、低音は高音に対して「時間的」に遅れます。

しつこいですが、もう一例考えて見ましょう。
50Hzが180°遅れ、5kHzが270°遅れている(つまり高音(5kHz)の方が180°遅れている)場合の遅れ時間を計算すると、
50Hzの1周期(360°)は20msですから180°の遅れは、20ms x 180°/360° = 10msです。
5kHzの1周期(360°)は0.2msですから270°の遅れは、0.2ms x 270/360 = 0.15msです。
つまり低音(50Hz)がスピーカから出てくるタイミングは高音(5kHz)に対して8.5ms(距離にして約3m)遅れます。

複数の周波数が混じり合った現象(例えば、低い音と高い音、ドッチが遅れるの?といった問題)を考える場合、個々の周波数の位相情報はソノママでは使えません。何故ならば、位相値の基準である1周期(360°)の長さは周波数によって異なるからです。従って、このような問題は共通の基準である「時間」を軸に考える必要があります。

下は、2つ前の記事のバスレフ(フィルタなし)のシミュレーション結果から読みとった位相を基に作成したグラフです。
遅れる進む
シミュレーションのグラフの縦軸は上が進み/下が遅れでしたが、このグラフは逆にしています。すなわち、プロット値が高いほど「遅れ」ます。ややこしくてゴメンナサイ。
左軸-赤のプロットが、シミュレーションから読み取った位相(角度)です。高音ほど位相は遅れます。右軸-青のプロットは、位相角度から計算した遅れ時間です。低音の方がタイミングが遅れる事がわかります。

と、以上が「位相と時間」のお話しでしたが、位相に関しては、もう1つ注意すべき点があります。
それは「ナニを基準に考えるのか?」という事です。

よく音響関係では、位相は相対的な関係しか示さず絶対的な基準はナイ。。。とされ、グラフもそのように適当にプロットされます(±180°折り返す)。これがハナシをややこしくします。僕も随分悩まされました。

以下に示す模式図は、随分以前の記事(コチラ)に掲載したものですが、2つ前の記事のシミュレーション結果と照らし合わせながら見ると良く理解できます。

下図は密閉型の位相変化を模式的に示しています

このグラフでは、シミュレーションの図と同様に下方ほど位相が遅れます。注意してください。
密閉型では位相は-180°回転し、共振ピークでの位相は-90°です。破線は吸音材を大量にブチ込んだ状態です。ここでは気にしないでください。

下図はバスレフ型の位相変化を模式的に示しています。

インピダンス ピーク1つあたり-180°回転し、低周波側ピークの位相は-90°です。ヘルムホルツ共鳴点の位相は-180°、2つめのピークの位相は-270°です。周波数が高くなると位相は360°に漸近します。

下図はバスレフにアナログフィルタを追加した状態です。
バスフィル
アナログフィルタによって位相はさらに-180°回転します。カットオフ周波数(実線では300Hz)での位相は-90°回転します。従って、360°回転するバスレフ型と組み合わせた場合、クロス周波数での位相は-450°回転します(遅れます)。そして、高周波側で-540°に漸近します。破線はカットオフ=100Hzの位相を示しています。カットオフをスピカの共振周波数近くまで下げると、このように位相が急激に回転します。

このような位相グラフを見る場合、考え方の基準を「限りなくゼロに近い周波数」に置く必要があります。つまり、グラフのずーーーと左の果ての位相が基準です。周波数が限りなくゼロに近付くと、位相の回転も限りなくゼロに近付きます。この状態を「遅れナシ」の絶対的基準状態として考える必要あるという事です。つまり、これがソース信号の位相です。重要なのは「入力(ソース信号)に対する出力(スピカから出てくる音)の遅れ」ですからね。

高音側を基準に考えると間違います。僕も以前は間違って考えていました。
進んだ
高音側を基準にして密閉型(ピンク)とバスレフ+フィルタ(緑)の位相曲線を重ねて見ました。これを見ると、バスレフやフィルタによって「低音の位相が進む」ように見えます。
僕は実験屋なので、まず理屈抜きの現象として低音が「時間的に遅れる」という事を波形観測から知っていました。このため、グラフの縦軸を上下逆に読む(上が遅れると読む)という間違いを犯しました。

正しくは、上で述べた「遅れナシ」(つまりソース信号の位相)を絶対基準として考える必要があります。入力に対する出力の遅れを見たいワケですからね。
実は遅れた
そうすると、上図のようにアナログフィルタやバスレフによって位相は全体的に遅れます。

ただし、これはあくまでも「位相角度」です。「時間的遅れ」を表すものではない事に注意が必要です。一般的に高音の位相は低音に比べて遅れますが、時間的には高音の方が進む(低音の方が遅れます)。アーヤヤコシイ。。。。

密閉型に吸音材をタップリとブチ込み、前記事に書いたように位相が実質的に全く回転しないデジタルフィルタを使えば(つまりシステムの共振現象を殆ど無くせば)、こんなヤヤコシー問題に頭を悩ます必要は無くなります。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年01月27日 (日) | Edit |
プチ実験君シリーズ、今回はFrieveAudioの補正効果を再度確認してみました。マイク断線の症状がますます悪化しているので、DAYTON計測システムの入荷が待ち遠しい。。。

今回使った信号波形です。
gene2.jpg
200Hzと600Hz(3次)の合成波にパルスを追加しました。

ソース波形とDACアナログ出力波形の比較です。
Signal DAC
グレーがソース、黄がDAC出力。以前の記事に書いたように、DACのアナログ出力でも少し位相が変化(高周波が遅れる傾向)するため、DAC出力で既に波形が変形しています(3次成分が少し遅れている)。

パルス位置で揃えたスピーカからの音響出力波形です。ZAP Alpair6を使って、いつものリスニング位置で計測しました。
Frieve 3次d
赤が補正OFF、水色がF特補正ON/位相補正OFF、緑がF特補正ON/位相補正ONです。音響波形では逆に3次成分が進んでいるように見えますね。でも、アレ?位相補正が180°分足りていません。。。

ところがパルスを見ると、他の波形ではパルスが上向きなのに、緑だけ下向きです。極性が反転しているようです。そこでON/ON(緑)の波形を上下反転してみました。
Frieve3次
すると位相補正は正しく働いているように見えます。そういえば、以前もFrieveAudioの出力は反転して見ていました。どうもこのへんの極性はヤヤコシイ。。。3次との合成波だと上下が対称形になってヤヤコシイので、下図のように2次を合成してみました。これだと波形は上下対称にはなりません。
gene3.jpg
スピーカ音響波形です。
Frieve 2次
黄がDAC出力、赤が補正OFF/OFF、緑が補正ON/ONの極性反転波形です。

パルス入り信号音だと、耳で聞いても補正のON/OFFで音が少し変わるような気がしました。でも、実際の音楽再生の場合、僕には位相補正の効果を特に感じる事はできません。また、以前の記事でも書いたように、マイクロフォンからの変換/逆変換過程を考えると、電流駆動方式と同様に、このような位相の補正が(聴感上の変化が有るにしても無いにしても)理論的に筋の通った事なのかどうか、ちょっと考えて見る必要があるような気もします。でも、せっかくだから普段は補正ON/ONで聞いていますけどね。

いよいよマイクロフォンが駄目かもしれません。次回はバイノラルマイクを使ってヘッドフォンでプチ実験君してみようかと思います。オッタノシミニ!

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年01月25日 (金) | Edit |
ZAP君はイヂル所がないのでネタがありません。
そこで断線しかけのマイクを誤魔化しながら使ってちょっとだけ実験君しました。

以前の記事で、マイクとスピーカ間の距離を変えるとスピーカの3次歪みを多く含んだ再生波形が変化する事を書きました。とすると、距離によってマイクで観測される位相が変化する可能性があります。そこでマイクとスピーカの距離を3cmと70cmにして位相を調べてみました。信号波形はいつものパルス入り正弦波です。

スピーカはAlpair6、マイクの距離は黒が3cm、赤が70cmです。デスクの反射の影響を避けるために、スピーカはデスク前端に置いています。
40遠近80遠近
左が40Hz、右が80Hzです。40Hzはボリュームを上げたので大きく歪んでいます。どちらの周波数もパルス位置は殆ど変化していません。

160遠近320遠近
左が160Hz、右が320Hzです。320Hzのパルス位置は殆ど変化しませんが、160Hzでは70Hzの方が位相が少し遅れています。

以上のように何故か160Hzだけ位相(パルス位置)が変化しますが、他の周波数では殆ど変化しません。あまり計測距離に神経質になる必要はなさそうです。

以下オマケです。

下図のように3次成分を含む信号を生成して再生波形を観測してみました。
gene.jpg

下は計算で求めた信号の微分波形と積分波形です。
微積分
青が信号、赤が信号の微分、緑が信号の積分です。電圧駆動によってコイルに流れる電流の波形は、電圧波形(信号波形)を積分した波形(90°遅れ)になります。これは振動板の加速度波形に対応します。

以下がスピーカの音響波形です。マイクの距離は黒が3cm、赤が70cm。
200Hz+600Hzの波形
200Hz 3次
音響波形は信号(電圧)の積分波形(電流波形=振動板加速度)に似ていますが、微分的な成分も含まれているように見えます。

400Hz+1200Hzの波形
400Hz 3次
微分波形に似てきました。どういう事なんでしょうか。

アンプのボリュームを変えても傾向は変わりません。いろいろやってみましたが、周波数によって傾向が結構異なり、規則性も今ひとつ掴み切れません。部屋の影響も十分に考えられます。無響室が欲しいですね。という事で結論らしい結論はアリマセン。感想としては、100Hzよりそこそこ高い周波数では位相が回転しても時間的には全く大した事ないですし、今回の計測結果に見るように波形は条件(周波数、距離または部屋内の位置)によって様々に変化するようです。さらに、2つのスピーカでステレオ再生すると、互いの干渉によってちょっとした位置の違いでも波形はもっと変化するでしょう。コマケー事を気にしてもしょうがないかな?という事でしょうかね。。。マルチウェイで各ユニットの前後位置関係を気にしたりしますが、果たして意味があるのか??疑問です。デンセンの違いと、ちょっとしたリスニング位置の違い。。ドッチの方が影響が大きいのでしょうか??これも疑問です。

いやぁ、音響って、ホンットにヨクワカリマセンネ。。。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年01月21日 (月) | Edit |
前の記事では、ボード線図で考えると密閉型の場合 f0 より低い周波数での遅れは90° 以下になるはずなのに、実測では40Hzで180°近くも遅れていると書きました。今回はこの遅れの要因について考えてみます。

とりあえず、20Hzから640Hzまでパルス入り正弦波の音響出力を観測してみました。アンプはIconAMP、スピカはA10です。
A10遅れ
周波数は20, 40, 80, 160, 320, 640Hzです。例によって周波数が高くなるにつれて「位相」は遅れます(時間的には低音の方が遅れます)。
20Hzで丁度90°遅れていますね。20Hzを基準とした場合、高周波の遅れは-270°弱に漸近しそうです。理論的には-180°に漸近するはずですが、これはスピーカのインピーダンスの変化(高周波で増加する傾向)、アンプおよびDACの位相変化(高周波で遅れる傾向)によるものかもしれません。

下は典型的な密閉型のシミュレーションです。
Simu10.jpg
以前の記事のボード線図で考えると、20Hzでほぼ遅れナシ(グラフのスケールでは+90°)です。

では実測の90°分の遅れは何に起因するのでしょうか?

スピーカでは、コイルに電流が流れる事によって駆動力が発生します。原理的に、この電流はコイルに印加される電圧に対して90°遅れます(電圧を時間積分した電流が流れる)。アンプが入力信号に比例した電圧を遅れなく出力するよう動作するならば、コイルに流れる電流は入力信号に対して90°遅れるかもしれません。しかし、アンプが入力信号に比例した「電流」を遅れなく供給するよう作動するならば、この遅れは生じないかもしれません。

確か、普通のオーディオアンプは前者の動作ですよね(電圧駆動っていうんでしたっけ?)。。。後者は「電流駆動型」と呼ばれており、コッチの方がエーンチャウ?と一部で言われているヤツですよね? 違っていたら、どなたかご教示くださいませ。

もし、上の原理(電圧駆動)によって電流が90°遅れるとするならば、この遅れは原理的に周波数に関係なく一定です(でも、時間に換算すれば低周波ほど遅れます(40Hzの90°の時間は4kHzの90°の時間の100倍長い))。ところが。。ところがですよ。。。ダイナミック型マイクロフォンはダイナミック型スピーカの逆の変換をやっているので、「原音」対「再生音」で考えるならば、この90°は相殺されるかもしれません。つまり、マイクは原音→電流→電圧に変換するので、記録された信号の位相は原音に対して90°進んでおり、スピーカはそのように記録された信号を電圧→電流→再生音に変換するので、再生音の位相は信号に対して90°遅れます。なので結局、原音と再生音で比較すれば位相差は生じない。。という事になるはず。。。アーヤヤコシイ。あれ??でも。。コンデンサ型マイクロフォンを使った場合はどうなのでしょうか???アレレ??もし上の逆変換という考え方が正しいとすれば「電流駆動」のアンプって原音に忠実と言えるんだっけ??と、イロイロ疑問点が出てきます。

という事で、当ブログの新年の挨拶で書いたように、マイクロフォンからスピーカに到るシステム全体のメカニズムについて、今年はよーーーく考えてみようかなと思っています。もう実用というよりは単なる知的興味だけですけどね。

この後に予定している実測とシミュレーションの検証では、とりあえず90°を差し引いて位相を比較しても良いかもしれません。あるいは密閉型の20Hzを基準(遅れナシ)としても良いでしょう。絶対的な遅れ時間を知りたいが故に始めた検討ですが、位相を絶対的に評価するというのはホントに困難ですね。なので一般的に位相は相対的に評価するものだと考えられています。しかし、本当にそれで良いのか今のところ僕には納得できていません。真に絶対的な評価をしようとすると、マイクロフォン(つまり原音)まで遡る必要がありそうです。まぁ、そのへんは今年中に気長にやってみましょう。もう実用的な意味はありません。あくまでも知的趣味として。。

他にも色々分からない事があります。例えば、以前の記事で、音圧波形は振動板の変位波形の微分(つまり速度波形)に対応すると書きました。これはスピーカの非常に近くで観測する場合には正しいのですが、マイクをスピーカから離して行くと、音圧波形は振動板の加速度波形(速度の微分)に近付きます。このような現象も、観測される波形の位相に影響すると思われます。

Xmaxを超えて歪んだ音圧波形(A6、40Hz)
hakei.jpg
緑がスピーカの5cm前方、赤がリスニング位置のやや後方(70~80cmくらい)で観測。相互の位相や振幅はデタラメです。FFTによる高調波成分の値は殆ど変化しません。

シミュレーション結果
hakei simu
青が振幅、緑が速度、赤が加速度。相互の位相関係は正しいです。振幅は適当に揃えています。上の実測波形とよく一致していますね。このように、スピーカから常識的な距離をとると、音圧波形は振動板の加速度波形に対応します。そして加速度波形は電流波形に対応します。つまり、音圧波形は電流波形に対応します。電流波形は電圧波形から90°遅れています。なので音圧波形は信号波形から90°遅れます。という事ですかね。。。アアヤヤコシー。

位相を計測する時はマイクを近付け過ぎず、一定距離を保つべきであると言えるでしょう。

いやぁ、音響ってホンットニ、ヤヤコシイですね。気が狂いそう。。。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用