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2013年04月08日 (月) | Edit |
最終回として、再生ソフトウェアについて書きます。

再生ソフトウェアを特集したPCオヂオ系のザッシには「FrieveAudioのオンシツはロック向き」とか書いてありました。ハァーー?なんじゃソレ?アホカ? FrieveAudioには、それこそ特集記事を組んで読者に詳細に伝えるべき基本的音楽再生クオリティに直接関わる優れた機能が他に山ほどあるのに、どしてオヂオ雑誌ってそんなコマケーオンシツの違いの事しか書かないのか?呆れてモノも言えませんでした。ドシテソーナルカ????何故にソコしか見ないのか??ヂャナりズムが率先して泥沼を徘徊していては、何時まで経っても泥沼から抜け出る事などデキマセン。

僕は、FrieveAudioでWAVファイルを再生する場合、自動音場補正をONにし、DACソフトウェアではなくFrieveAudioでサブウーハを帯域分割してASIO4ALL経由でDACへ出力します。iTune (Appleロスレス、96kHz/24bitで出力)と聴き比べると、FrieveAudioの方が少し音質が良いように感じるのですが、ライブラリを再構築してアルバムアートワークを完全に整えて以来、どうしてもiTuneの方に手が伸びてしまいます。FrieveAudioのUIも、フリー/シェアウェア ソフトウェアとしては非常に優れていると思うのですが、アートワークを完備したiTuneの使いやすさには適いません。

再生ソフトウェアにとって再生音質が重要である事は言うまでもありませんが、それと同じくらい、あるいはそれ以上に、ユーザ インターフェイスの使いやすさが重要であると思います。オンシツをツイキューするのではなく、日常生活の中で「音楽」をより快適に聴く事を求める大部分の音楽愛聴者にとって、ワザワザシューチュしなければ気付かないような(あるいはシューチュしても分からないような甚だ怪しげな)音楽を楽しむ上で自分にとって重要とは想えないコマケーオンシツよりも、選曲のしやすさや楽しさの方が遙かに重要である事は間違いないでしょう。

iTune等のマニア向けではない再生ソフトウェアを使う場合、イコライザ機能には気を付ける必要があります。再三申しているように、イコライザ機能は音楽再生における必須機能ですが、コチラの記事に書いたように、ブースト方向に大きく補正すると、信号が飽和してしまう可能性があります。デジタルイコライザの基本として「ブーストとは他の帯域を減衰させる事」と心得た方が安全でしょう。僕は、iTuneのイコライザを使わずにサウンドブラスタDACのソフトウェア機能を使っています。こちらの方が信号飽和に対して配慮されているためです。

このように、DAC側に各種の高機能DSPソフトウェアを組み込み、再生にはUIの優れた機能的にはシンプルなソフトウェアを使うというのも1つの方法であろうかと思います。DACソフトウェアにFrieveAudioと同等の音場補正機能が組み込まれれば理想的でしょう。もちろん、FrieveAudioがiTune以上に使いやすいブラウザ機能を組み込んでくれれば、またはiTuneにFrieveAudio並の機能をプラグインできれば、それに超した事はありません。

とにかく、今後のオーディオにおいてソフトウェアは極めて重要です。プレーヤのUI以外に、本当に効果的な各種のエフェクタ(真空管風味、ヘッドフォン再生用音場補正等)や、スピーカ振動板の運動を理想的に補正する機能(2次/3次歪みの抑制、位相遅れ補正、振動板振幅の動的リミッタ等のメカトロ化機能)等いっくらでも考えられます。高価な機器やアクセサリをティマティマトッカエヒッカエするよりも、遙かに根源的かつ飛躍的な効果が極めて低コストで得られるでしょう。鬱陶しい箱物やデンセンは一切増えないですしね。。。それヂャァ、物欲が満たせない?

最後になりましたが、僕はPCによる音楽再生を全くの前提と考えています。何故ならば、普通の音楽愛聴者達はiPod等を所有しており、という事は必ずPCを保有し、PCに音楽データを保管しているからです。今時、PCで再生するのは全くアッタリマエで全く主流であると考えます。ワザワザ別の再生装置を使うなんて僕には全然想いも及びません。

まとめ
オーディオ装置とは、音楽に向かう貴重な意識の大きな部分を(あるいは殆どを)ワザワザコマケーオンシツに割いてシューチュしてキキワケ、ヨイオト?をツイキューするオヂオマニアのためにあるのではアリマセン。それは、あくまでもオヂオ装置あるいはオヂオそのものに特別な興味や愛着を持ち、特異な関わり方をする限られたマニアック(最近はオタクとも言う)達の領域です。鉄道における鉄道マニアと全く同じです。

以前の記事で紹介しましたが、小澤征爾さんはB&WのCM1という同社製としては安価でコンパクトなマニアに言わせれば「エントリー」クラスに属するであろうモデルを3セット購入してご自宅で愛用しており、矢野顕子さんも同じくB&Wの「エントリー」クラスをご愛用との事です。彼女曰く「良いスピーカーでゴージャスサウンド聴くのはオーディオマニアだから自分はこれで十分」。この一言が全てを語っていると言えるでしょう。これは何もスピカに限った事ではありません。また、ゴヂャスが過ぎれば、確実に音楽は聴きにくくなりますし、ソチラ方面に意識が行き過ぎるというのは、スンゲー音楽を目の前にしてなんともモッタイナク僕には想えます。

オヂオ業界は、普通の音楽愛聴者達のために、本当の意味で「良い」、本当の意味でより洗練された装置を、無駄な事(必要以上にマニアックな事)にお金を一切かけずに、真面目に開発しないとアキマセン。

追記
また暫く更新はまばらにになると思います。実験君再開しないとね。。。

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2013年04月06日 (土) | Edit |
今回はDACについて。

僕の経験に限って言えば、DACの音質的な違いはアンプの違いよりもさらに微小です。僕が最初に使ったDACは超小型のDenDAC (48kHz/16bit)というヤツ(コチラ)。その後、ONKYO(SOTEC)のDAC内蔵音楽専用PC HDC-1L(96kHz/24bit)を愛用していました(コチラ)。そして、今はサウンドブラスタの5.1ch DAC X-Fi Surround 5.1 Proを愛用しています(コチラ)。

例によってシューチュしてキキワケルという事をしていませんが、音質的には、別に問題を感じないしドレデモエーンチャウ?というのが実感です。さすがに、上記のPCが内蔵するサウンド機能は酷くて聞けたものではアリマセン。

ソモソモ僕は、コマケーオンシツをキキワケル事やヨイオト?をツイキューする事を目的にオーディオ装置を使っているワケではないので、日々「音楽」を聴いていて実用上特に問題を感じなければワザワザ比較しようという気が起こりません。ZAPの開発において、4年間アレコレ計測しながら手を尽くしてきたのは、オンシツではなく「音楽」を聴いていると聴きにくく感じたり、違和感を覚えたり、不快に感じたりしてイラッとする現象を取り除くために他なりません。目的に対して重要とは思えない気にならない点をわざわざシューチュして気にしたりツイキュしたりする気にはナラナイという事です。ある目的を持った人間の行動としてアッタリマエですよね。アンプに関しては、主に低音大振幅時のスピーカ駆動力という点で気になったため、多少の解析を行いました。

そのような過程において、DACに関してナニカ問題が有りそうだと感じた事が一度たりとも無かったという事です。

巷ではジッタがやたら重視されるようですが、僕に言わせれば、バスレフの低音の位相の急激な変化(つまり周波数によって急激に変化する時間的揺らぎ)や、アナログフィルタによる同じく狭い周波数領域での位相の急激な回転による影響(特に低周波領域で大きな時間的揺らぎとなる)の方が遙かに巨大であり、微妙なオンシツではなく「音楽」の全体構造的再生において、つまり音楽ソノモノを楽しむにおいて、遙かに重要であるように思えます。

どうも、オヂオマニア達のやっている事を見ると、個々の「オト現象」に関しては異常に細部まで拘る反面、「音楽」の内容を成す全体構造的な再生クオリティに関しては非常に無頓着であるように思えます。これとは対照的に、僕は音楽ソノモノを楽しむ上で、後者の方が遙かに重要であるように感じます。180°グルッとというヤツですね。前者に関しては、どのように手を尽くそうがアクマデモ電気機械仕掛けの音であるわけで、ソースの中にナイモンはナイわけで、そこに過剰な期待や幻影を持つ必要は無かろうと考えます。そんなモノに過剰に気を取られるよりは、そこに納められている貴重この上ない「内容」をシッカリと「耳」まで届けて存分に楽しみたいものです。

さて、サウンドブラスタの5.1ch DACですが、サブウーハ用のデジタル帯域分割フィルタを内蔵しているため、僕にとって本当にアリガタイ装置であると言えます。以前の記事に書いたように、100Hz以下という非常に低い周波数で帯域分割する場合、アナログフィルタの位相回転による「時間的」な変化が無視できないレベルになります。パワードサブウーハにおいて、デジタルフィルタは必須と言って良いでしょう。このDACの採用をもって、僕のZAP 2.1システムの開発が完全終結しました。

しかも、このDACはマスタボリュームを備えるため、音量調整も手元で簡単に行えます。このボリュームが無いと、マウスを使って再生ソフトウェアのボリュームを調整する必要があり、一気に実用性が低下します。2.1ch方式の場合、マスタボリューム機能は必須です。

このDACにはDSPソフトウェアも同梱され、イコライザや擬似的サラウンドといった機能も利用できます。再三申しているようにイコライザは如何なる場合も必須ですし、サラウンド機能はヘッドフォン再生に非常に有効である事は以前の記事で紹介しました。以上のような機能は、ワザワザシューチュしないと気付かぬようなコマケーオンシツの違いに比べて、音楽再生上、それはそれはもう遙かに重要であるように僕には思えます。

その他、反響音(リバーブ)の調整や圧縮音源の補完といった機能も使えます(僕は使わんけど)。これに自動音場調整機能が加われば、僕が考える理想的なシステムになります。ソフトウェアのアップグレードを是非お願いしたトコロですね。なお、これらはあくまでもDACに備わる機能であるため、iTuneであれラジオであれDVDであれなんであれ、ソースに関係無く作動します。何十万もする単機能DACよりも、たった6K円程度で購入できるコイツの方が、総合的な音楽再生クオリティの観点からどれだけお役に立ってくれることか。ホンマニです。

次回は、再生ソフトウェアについて書く予定です。

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2013年04月05日 (金) | Edit |
今回はアンプについて、僕の実体験に基づいて書いてみます。

周知の通り、部屋とスピカの影響に比べればアンプの影響は極めて微小です。
以前の記事で紹介したように、某ザッシが主催したブラインドテストで、1万円を切るデジタルアンプが300万円超のハイエンドアンプよりも高い評価を得た。なんて事は条件次第でイックラでも起こりえます。

また、ニアフィールドリスニングに限らず日本の標準的な部屋のサイズを考えれば、常識的な音量で音楽を楽しむにおいて大出力は全く不要です(コチラの記事参照)。

以下、僕の実体験に基づく率直な見解です。

今時の電気技術からして20K円以下で出回っている小さなデジタルアンプで全く用が足りますし、以前紹介したTripath社製ICを使ったミニミニアンプ(コチラ)でもA10ウーハを十分に駆動してくれました。Tripath社のICはマニアの間でも非常に評判が良いみたいで、300万円アンプに勝った安物アンプも同社製ICを搭載していた模様です。ミニミニアンプは悪GAMA君と一緒に姪にプレゼントしたので、今はウーハ用に同じくTripath社製ICを採用したDayton製デジタルアンプ(実売15K円)を使っています。そしてZAP MAINにはクールなデザインがお気に入りのNuForce Icon AMP(グレーに塗装)を愛用しています(実売で27K円くらい)。

そもそも、部屋やスピカに起因して発生する最終的な音響波形の歪レベルに比べれば、今時のアンプのTHDやS/Nは、どんなに安価なものであってもそれはソレハもう屁みたいに微小でしょう。オヂオ用として売られている物なら実用上なんでもエーンチャウ?というのが正直な実感です。最早オンシツよりもサイズとデザインが最重要因子と言って良いのではないでしょうか。電気回路自体は超低コストですから、外装に一番お金がかかっているかも知れません。

こんなにお安くコンパクトにできるのだから、もうスピカの一部品として内蔵してしまえば良かろう。。。という事で業務用モニタスピカではアンプ内蔵型が主流のようです。僕は民生用でも、アンプとDSPと無線インターフェイスを内蔵したメカトロスピーカが今後のトレンドになるだろうと考えています(オヂオ界がマニアオヂオを脱して正常に進化すればね)。そのコンセプトについては、コチラの記事に詳しく書きました。

ブットビ高価なハイエンド アンプって、一体全体なんなんでしょうか?巨大なオヘヤで巨大なスピカを巨大な音量で例の「オンガクセー」とか「ジョーカン」とか「リンヂョーカン」とか「シズルカン」とか「クーキカン」とかをタップリ演出して超ゴヂャスに鳴らすためのソーチなのでしょうか? 出力だけでそんなにコストがかかるとは思えませんので、そのへんのソーチ由来の「オンガクセー」とかを入念に作り込むために巨大なコストがかかっているのでしょうか?数曲聴いたら、モーエー、頼むから止めてくれ!せめて音量を半分に下げてくれ!と僕なら叫ぶカモ知れません。少なくとも僕のリスニングスタイルや僕が求める音楽再生とは180°異なる世界なのでしょう。

再三申しているように、僕は再生音楽にライブの再現を全く求めません。環境の整った広々としたホールでワクワクするゴヂャスな視覚臭覚触覚情報および多くの聴衆が発するあのホール独特の環境騒音(場のザワメキ)と一緒に体験するライブと、ホールに比べれば圧倒的に狭くて音響特性も全く異なる締めきった四角い自室で極めてピュアに録音された演奏を一人静かに聴覚のみで鑑賞する再生音楽とでは、物理的および心理的に全く異なります。全くです。マッタク。ゼンゼンチャイマス。

再生音楽には再生音楽にしかできない表現と楽しみ方があり、再生音楽にライブの再現を求めれば再生音楽本来の良さを確実かつ致命的に損なうと考える僕には、とてもそのようなゴヂャスな再生を楽しむ事はできないでしょう。

以前、一応ハイエンドに属するNuForceのIA7E (220K円くらい)というアンプをお借りする事ができたので、僕としては珍しくトッカエヒッカエしながらIconAMPおよび業務用激安100Wアンプ(18K円くらい)とキキクラベテみた事があります(詳しくはコチラから始まる一連のレビュー記事をご覧ください)。

初めてのハイエンドという事で、しかも超お気に入りIconAMPの高性能型(高額型?)という事で、それはもう期待に胸を膨らませてプラセボ満々でアンプの電源を入れたのですが、しばらく聴いてみた最初の感想は「値段が10倍もするのに、なんか変わらんヤン」でした。僕の普段の音楽の聴き方では、有意な変化をなにも感じられなかったという事です。その後、シューチュして比較してみると、IA7Eはほーーーんの少しゴジャズ感がある(低音が少しブワッと気味、金管が少し金臭く聞こえる(これは嫌い)、ピアノが少しキレイな)ようにも聞こえましたが、どちらかというと地味なIconAMPの方が僕には「聴きやすく」思えました。

この違いは敢えて切り換えながらシューチュして比較すれば感じられますが(あるいは感じるような気もしないではありませんが)、単独で使っていれば、別に「ドッチデモエーンチャウ」というレベルのものだと思います。また、ブラインドで聞き分けられるかどうかも不安です。IA7Eは全く色付けが無くドラムをビシンバシンに高速ドライブするとネットに書かれているのを事前に読んだ僕は、AiconAMPよりももっとピュア(地味)なもっとビッシンバッシンな再生を期待していたので、全く期待外れでした。事前情報によるプラセボ効果満々だったんですけどねぇ。。。。

その後、メーカが高らかに謳っているIA7Eの駆動力の高さを確認するために、低周波音の過渡特性を計測で比較してみましたが、明らかにIconAMPの方が優れていました。大出力アンプの方が駆動力が高いというわけでも無さそうです。。さらにガッカリ。

そして、IA7Eで暫く聴いていると頭が痛くなる(こめかみ付近が締め付けられるように感じらる)という問題もありました。原因はさっぱりわかりませんし、僕だけが感じる問題かもしれませんが、超音波でも強く出ているのでしょうか?音より何より、この点でIA7Eは全く使う気がしませんでした。

やっぱり値段が10倍も高いとゴヂャス感が求められるのかナァ。。よく分からんがハイエンドは身体にも合わないようだし、ナニカ要らぬ事でもしてるのかナァ。。怖いナァ。。というのが、その時の感想です。色づけが無いと巷で評判のNuForceですらコレですから、他のウルトラ ハイエンドは推して知るべしなのでしょうか?

ソーチ由来の「音」の個性や現象ではなく「音楽ソノモノ」を楽しむ分にはハイエンドは不要というか、適さないと言って良いかも知れません。全く普通に、全く要らぬ事をせずに、全く真面目に、全く真っ当に作られた、真に必要な本当の性能を備えた、デザインが良くてコンパクトな、適正価格の製品がベストだと思います。AlpairとかIcon AMPはそのような製品であると思います。

次回はDACについて書きます。

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2013年04月04日 (木) | Edit |
今回は信号変換/増幅部(DACとアンプ)について、僕の実体験に基づいて書いてみます。

その前に、例によってツラツラグダグダ。。。

泥沼の根源は「ヨイオトの追究」にあります。
オヂオそのものを目的とせず、音楽ソノモノを楽しむ事を目的とするのであれば、マニア達の言う「ヨイオト」を過剰に意識しない事が肝要です。

そもそも装置の個性に由来する絶対的「ヨイオト」というものは存在せず幻影にすぎません。それは装置の癖や個性に由来するその場その時の個人個人のコノミに依拠する問題です。「良い再生」と「ヨイオト」を混同しては決してなりません。

音はあくまでもソースによって決まります。ソースの音の傾向やニュアンスは制作者(表現者)の表現意図(時代の雰囲気も反映する)によって決まり、録音クオリティは種々の制約(エンジニアの技量、スタジオや設備、予算、その時代の技術レベル等)によって決まります。従って、ソースごとの音の傾向とクオリティの違いは、マニア達が追いかけるソーチの個性の超微細な違いに比べて遙かに大きく、それこそ様々であり千差万別です。

それらの中から、僕達は「自分が」好きな盤を選んで愛聴し、「自分が」好きではない盤を敢えて聞こうとはしません。重要なのはコマケー表層的オンシツを聞き分ける事ではなく「自分が」本当に好きな本当に聴きたい音楽を「自分独自の」価値基準で判別する事です。「自分は」一体全体何が好きなのか?をシッカリと持つ事です。そうではない音楽を敢えて聞く必要はアリマセン。アッタリマエですよね。

そして、その盤が好きか嫌いかを判別するにおいて、オンシツの良し悪しや録音のクオリティは、ほんの一部の要因に過ぎません。僕の場合、そのプライオリティは限りなく低いと思います。どんなに録音が良くてもヒヨロンカの評価が高くても僕にとってツマラン作品はツマランので聞かぬという事です。

もちろん、再生音に関する大まかなコノミは誰にでもありますから、重要で基本的な音楽再生クオリティを必要十分に満たした装置の中からコノミの傾向に合う装置を選べばよいワケですが、「ヨイオト」を過剰に求める余りにソレが主たる目的になると、つまりソレをツイキューする事が目的になると、微細な違いを追いかけ回すエンドレスな泥沼あるいは富士の樹海を彷徨う事になります。

上で述べたように、ソースによって音の傾向は千差万別ですし、「オンシツ」は「音楽」の極一部を占めるファクタに過ぎませんし、コマケーコノミは気分/体調/周囲条件によってフラフラと変動しますし、そのような微細な違いはプラセボ効果の影響を強く受けるため実際にホンマニ変わっているのやら甚だ疑わしいケースも見受けられますし、そのように効果もアヤフヤであるため価格設定も極めて怪しげです。

さらに、違いというものは、意識すればするほどますます際限なく微細な違いが気になり出し(人間の習性だね)、そうなると本来最も重要で本質である不変の部分すなわち記録されている音楽ソノモノの内容を楽しむどろこではなくなります。永遠にグルグルするでしょう。このグルグル自体を無上の喜びとし趣味として楽しむのではない限り、ソレを深追いする必要は全く無いでしょうし、全く危険です。繰り返しますが、ヒヨロンカやマニアの発言は、あくまでもソレ自体を趣味として楽しむ立場にある者達の発言であり、ソレ自体を目的とせず専ら音楽ソノモノをより楽しみたいのであれば、ソレは全く別世界の事だと心得た方が良いでしょう。

再三申しているように、ソレハソレコレハコレをワキマエル事が重要です。

気分やソースに応じて少し音をイヂリたいのであれば、イコライザで特定の帯域をチョイと3dBほどイヂルだけで随分変わります。僕の場合、体調が良くないとソースによっては高音がキツク聞こえる事があるため、そのような場合は4kHzから上を少し落としたりもしますし、小音量で聞かざるを得ない場合は低域を少し増強します。

今時ソースはデジタルですから、何もハードウェア装置を揃える必要はなく、イコライザのみならず各種のDSPソフトウェアも利用できます。DAC以前のデジタル段でソフトウェア処理するため、オンシツの劣化も最小限で済むでしょうし、邪魔な筐体もデンセンも電源も要りません。とってもエコですねぇ。。FrieveAudioであればリバーブ、コンプレッサ、エクスパンダ、コンボルバ等も使えます。極めて経済的で効率的でしょう。

と、前置きが長くなりました。

ありゃ、時間切れ。。。

アンプは次回に持ち越し。。スンマセン。

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2013年04月03日 (水) | Edit |
今回は、僕が考える音楽ソノモノを聴きやすい装置について、実体験に基づいて具体的に書いてみます。

まず、はっきりさせておきたいのは、これから僕が述べる装置は、いわゆるハイエンドをピラミッドの頂点とするヒエラルキに全く属さない、全く別の使用目的を持った装置であるという事です(敢えて言えば、ヘッドフォン オディオから派生したと言えなくもない)。つまり、オヂオザッシやヒヨロンカやマニア達がツイキューしてきた装置とは根本的に全く(180°)用途が異なるため、彼らが言っている事の大部分はゼンゼン気にする必要はありません。僕に言わせれば「全く不幸にして」、オーディオ技術はそちら方面(趣味性)に重きを置く者達によって今まで先導されてきました。その結果がこの現状です。泥沼から抜け出してゼロから各自が全く自由に考え直してみてください。それが何より重要です。僕の意見もあくまでも僕個人の意見にすぎませんからね。

さて彼らは、装置に由来する音の微細な個性にどこまでもドコマデモDOKOMADEMO拘り、オヂオ道に日々ショージンして耳を鍛え、それらのチガイをシューチュしてキキワケ、それらをアレコレ選択して組み合わせる(トッカエヒッカエする)事に無上の喜びを感じるようですが、これから述べる装置は、そのへんのマニアックな拘りには全く興味や意識が向かわず、専ら「特別な才能を授かってこの世に生まれ、幾多の奇跡的とも言って良い出会いや幸運に恵まれて世に出でたアーチストさん達が、破滅ギリギリの命懸けでそれこそ精進して集中して僕達のために創ってくらはったスンゲー音楽をより良く聴くための全く実用的な道具」を求めるヒトビトのための装置です。僕が今まで散々書いて来たソレハソレコレハコレをしっかりとワキマエテ読んでくださいね。

基本は極めてシンプルです。ソースに記録されている音を全く普通に全く真面目に再生して耳まで届ければ良いのです。原音ドータラとかそんな大層な事ではありません。全く普通の全くアッタリマエの事です。しかし、現実にはそれを阻害する要因が存在するため、それらの要因を「大きくて重要なものから順番に」潰してゆけば良いのです。大きな要因に真っ先にズバッと切り込んで対策せずにコマケー事をティマティマやってもグルグルするだけで何時まで経ってもラチガアキマヘン(ハチマル用語でこれを「泥沼」と言う)。全くアッタリマエの開発アプローチです。

その第1の要因は「オヘヤ」です。スピカでどれだけ正確にソースの音を再生しても、音が耳に届くまでに必ずオヘヤの音響特性の影響を受けてしまいます。常識的なサイズの四角いオヘヤでは、特に500Hz以下の低音領域で定在波の問題が顕著となります。困った事に、低周波音の吸音は高周波音に比べて困難であり、特に100Hz以下では絶望的です。しかも、その領域で最も顕著に影響が現れます。最も手っ取り早い対策は、スピカに近付く事すなわちニアフィールドリスニングであり、究極は部屋の影響を完全に排除可能なヘッドフォン・イヤフォン方式です。

その第2の要因は、スピカ自体の低音(100Hz以下)再生能力です。僕の実体験によるならば、良質な低音再生は西洋音楽を真に楽しむ上で決定的に重要であり、望むらくは40Hzまでフラットに時間的遅れや乱れなく再生したいものです。100Hz以下の低音再生は特に小径ドライバで(しかし、それに限らずどのように大径のドライバでも)問題になります。この問題を解決すべく、古来から(全く遙か古来から)各種の音響-機械的共振現象(バスレフ型のヘルムホルツ共振や各種の気柱振動等を利用した方式)が利用されてきました。しかし、それらはタイムドメイン的に問題を抱え各種の付帯音を伴う苦肉の策であり、ゼンゼン聞こえんよりは聞こえた方がマシやんという程度のものに過ぎません。また、共振周波数を十分に下げるにはサイズが大きくならざるを得ません。最も手っ取り早い対策は吸音材たっぷり密閉型の低音信号デジタルブーストあるいは同じく密閉型デジタル帯域分割2.1ch方式方式であり、究極はやはり一切のブーストや帯域分割を必要とせず極めて小径のドライバ1つで極めて低い周波数まで殆ど遅れなくアッタリマエに「耳」に届ける事ができる密閉型ヘッドフォン・イヤフォン方式です。

という事で、また前置きが長くなりました。以下では出力側から順番にソーチについて具体的に書いてみます。

1)音響出力
最も高い再生クオリティ(音楽の聴きやすさ)を最も手っ取り早く、最もコンパクトに、最も安価に実現できるのがヘッドフォン・イヤフォン方式です。世がこぞってコチラに雪崩れ込むのも全く当然ですね。最大の問題は身体に直接装着するという煩わしさとソースがスピカ再生を前提に造られている点です。後者に関しては、コチラの記事に書いた方法でかなり改善できます。抵抗を挿入したアダプタは強くお薦めします。もう手放せません。

イヤフォンであれば実売5K~10K円、ヘッドフォンであれば実売20K円くらいので十分だと思います。オヂオ装置全般に言える事ですが、超高額装置では何らかのオンガクセー?が作り込まれている可能性があります。そりゃそうですよね、高価な分「ナンカ違う!」感とか「ゴヂャス」感をユーザに実感させる必要があるわけで、ソチラ方面に興味がなく音楽ソノモノを聴きたいダケであれば、要らぬ事をしていない真面目に作られたソコソコのにしておいた方がかえって宜しかろうと思います。装置自体を趣味とせぬのであれば、コマケー違いの泥沼は避けて通るのが賢明です。一度気にし出すと地獄のスパイラルですよ。僕も開発初期の頃は意識が音楽に向かわず悩まされました。しかし、結局オンシツなんか気にせずに専ら音楽を楽しんでいる状態でないと(つまり本当の実用状態でないと)ホンマの事は評価できないという点に気付いてからは、その状態を脱しました。ヒヨロンカやマニア達の言う事は根本の目的が異なる別世界の事だと心得ましょう。

しかし、僕のように仕事しながら1日中音楽を聴く場合、やはりヘッドフォンやイヤフォンは辛いですから、それらに匹敵する再生クオリティを持ったスピカシステムが必要になります。不幸な事に、その要求を満たすコンパクトで真面目に作られたオヂオ装置がこの世に存在せぬため、メンドクサイけど仕方なく4年間かけて自分で開発したのがZAP君です。欲しいヒトは当ブログを参考にして自作してください。。。と言うしかアリマセン。残念ながら。

お薦めのドライバはXmaxの大きなメタルコーンタイプです(フェイズプラグや同軸ツイータ付きは気密性の点でお薦めできません)。メタルというとキンキンと金属的な音をイメージされるかも知れませんが、僕の経験ではメタルの方が紙やPPに比べて音が地味で癖がありません(付帯音が少ないのだと思う)。特にメタルは大振幅の低音をしっかりと再生してくれます(紙やPPではドンがバン気味に聞こえる)。いずれもコーンの剛性が関係しているものと思われます。僕の耳では超音波領域の再生の必要性を全く感じないため、良質な小径フルレンジを使えばツイータは要りません。このへんはご自分のお耳と相談してください。カタログ値をイロイロ眺める限りMarkAudio Alpairシリーズ(ZAPに使用)またはAuraSoundの小径フルレンジ シリーズ(KEROに使用)が好適だと思います。

2.1chにする場合、同じフルレンジ シリーズの小径および大径ドライバの組み合わせが薦めです(Alpair10のような上等なフルレンジドライバを100Hz以下のサブウーハ用に使うのはちょっと贅沢ですけどね)。できるだけスピーカを自分の近くに設置し(1m以内がお薦め)、必要音量(パワー)に見合った最小径のドライバを選択する事も重要です。また、箱は十分に頑丈かつ気密性を確保できるように制作し、吸音材をたっぷりブチ込んでください。

設置方法も非常に重要です。デスクトップに直接置く場合は、デスクに振動が伝わらないよう柔らかいインシュレータ等が必要です。振動の遮断には相当悩まされると思います。僕はスピカをデスク正面のかなり頑丈な窓枠にガッチリ固定してデスクへの振動を完全に遮断しています。これは効果絶大でした。床からスタンドを立てるのも良いでしょう。できるだけ直接デスクに置かない事をお薦めします。また、デスクの反射の影響を抑えるために、スピカはデスク表面からできるだけ離して(十分高い位置に)設置する事をお薦めします。これもトッテモ重要ですよ。

以上のような対策により、不快な振動やそれらに起因する付帯音を取り除いてクリーンな音を聴く事ができ、耳に届く周波数特性を十分フラットにできます。経験に基づく僕の目標基準は40~10kHzで±6dBです(実際のリスニング位置で)。

ここで時間切れ。
次回はアンプとDAC等について書いてみます。オッタノシミに!

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2012年11月21日 (水) | Edit |
今回は、1989年頃にYAMAHAから発売されたアクティブサーボ方式のスピーカシステムをご紹介します。これらのシステムは、YAMAHA独自のアクティブサーボ技術(専用アンプとスピーカ別の補正回路)を採用する事により、非常にコンパクトなシステムで驚くほど超低音まで再生可能としていました。

今回は「オーディオの足跡」さんと、「オーディオ懐古録」さんの記事を参考にさせていただきました。「懐古録」さんにも貴重な情報が満載です。是非ご覧ください。

YAMAHAは1989年頃に、10cmフルレンジ型から大型のフロア型まで、この方式を採用したスピーカを数機種発売しており、かなり力を入れていた事が伺えます(社運を賭けた?)。
act.jpg
1989年頃に発売されたシステム(参照)

ミニコンポ用にこんなのもあったようですよ。。。
mini.jpg
YAMAHAさん、頑張っていたんですね。

アクティブサーボ方式は、現在もYAMAHAのパワードサブウーハシステムに採用されています。

以下、AST-S1について詳しく見て行きますが、今回の記事の焦点はアクティブサーボ方式にあるのではなく、電気/電子的にスピーカを積極的に制御する(メカトロ化する)事によってスピーカの可能性を飛躍的に拡大できるという点にあります。そこのところを是非ご理解ください。

アクティブサーボ方式の原理については、「懐古禄」さんのコチラの記事を参考にしてください。僕は原理をよく理解していません。基本的にバスレフ型を電気的に制御する方式のようです。

ast-s1.jpg
YAMAHA AST-S1 (1989年頃発売)

主な仕様
spec_20121121042142.jpg
16cmウーハー、A4サイズ、容積6Lというコンパクトな構成でで28Hz/-10dBという驚異的な低音再生を可能にしています。凄いぞ! YAMAHA!!

海外のサイトからF特図を見つけました。
ftoku y
見にくいので、周波数のスケールに色を付けています。左から304050100Hzです。40Hzまで完璧にフラットです。2次歪みが50Hzの少し手前で落ち込んでいる事から、ここが共鳴周波数だと思われます(共鳴点では振幅が減って2次歪みが低下する)。逆に3次歪みはポートの動作領域で高くなっています。これを見る限り典型的なバスレフ動作であるように見えますね。クロスオーバーが2.5kHzですから、ポート共振音や箱の定在波がポートから放射される可能性もあります。僕なら小径フルレンジと組み合わせて、150Hz以下だけウーハに受け持たせるな。。。

専用アンプに挿入したカートリッジ(右方の黒いやつ)
cart.jpg
別のアクティブサーボ式スピーカを使う場合は、このカートリッジを交換します。

黄色の部分の回路がカートリッジに内蔵されています。
circ_20121121041836.jpg
この部分でスピーカの特性に応じた最適な制御を行うという事です。

ここではアクティブサーボの原理を深追いしません。ご興味のある方は「オーディオ懐古禄」さんのコチラの記事を参照してください。

繰り返しますが、ここで僕が強調したいのは、スピーカを電子/電気的に積極的に制御する(メカトロ化する)事により、スピーカの可能性を飛躍的に拡大できるという事です。よりコンパクトに、より低音まで、より低歪みに、より安全に再生可能なスピーカを開発できます。

YAMAHAのこのシステムではアナログ的に補正を行っていますが、現在ではデジタル信号処理(DSP)を駆使してそれこそナンデモできます。YAMAHAのように、1つのアンプで複数のスピーカに対応させたい場合、DACとDSPを内蔵したアンプに、スピーカの制御パラメータやアルゴリズムを書き込んだマイクロSDカードを挿入する等の方式が考えられます。あるいはスピーカ側にチップを埋め込んでおき、Nuforceの初代ICONのようにRJ45コネクタ(LAN用のケーブル)を使ってアンプとスピーカを接続してスピーカからアンプに情報をインプットする方法も考えられます(当ブログの参考記事: NuForce Iconが示すデジタルオーディオの可能性)。僕はNuForce ICONにこの方面の発展を期待したのですが、残念ながら、その後の積極的な展開は見られません。惜しいなぁ。

でもね、低コスト/低消費電力のデジタルアンプが利用可能な現代では、業務用コンパクトモニタのようにアンプを内蔵し、さらにDACもDSPも内蔵してしまう方が現実的でしょう。もちろん無線化も! 普通の人はアンプとスピーカの相性がドータラとか気にしませんから(当ブログの参考記事: こんな装置が欲しいなぁ)。メーカさんが、それぞれのドライバに最適な電子/電気回路を設計してくれれば、それでヨロシ。システムトータルで最適化するという事です(システム インテグレーションという)。

このようなメカトロ化により、低音ブースト(方式はなんであれ)を含む特性のフラット化、ドライバの機械的特性の最適化(ドライバの素の音響特性は凸凹でも良い)、2次/3次歪みの低減、動的な過大振幅の制御、自動音場補正、位相の補正、エフェクタによるコノミの音調の選択(リバーブや真空管風味等)が可能になります。アイデア次第で他にいくらでも有効活用できるでしょう。

YAMAHAの当時の試みは真に称賛に値すると思います。そのようなアプローチが市場で正しく評価されなかった事(そうですよね。。今その進化形が無いという事は。。)が本当に惜しまれます。何がその要因であったのか、業界はよく考えて見る必要があるでしょう。そして、どこかのメーカから再びこのような製品が世に問われる事を心から待ち望みます。コンパクトに、価格はリーズナブルに(何が重要で何が重要ではないかを正しく見極めてドーデモエーコマケー事はスッパリ切り捨てる)、デザインはクールに(超重要!)、マニア用ではなく音楽愛聴者用である事を明確に打ち出し(マニアにアータラ言わせぬよう)、音楽家を始めとする一般音楽愛聴者(特に圧倒的高音質のヘッドフォン/イヤフォンで耳の肥えた若年層)の意見を採り入れる事が重要であろうかと思います。いいかげんオヂオマニアの呪縛から解き放たれた、真に高品位な音楽愛聴者用実用音楽再生装置が出てきても良いのじゃないかな・・。21世紀になって早10数年。。。ですしね。小っこくて安い装置でも、世界中が必要十分な一定水準以上の音質で聴けるようにするために。

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2012年07月08日 (日) | Edit |
シリーズ最終回として、具体的なシステム例を挙げながら、ハチマルが考える、それ自体を趣味とするマニア用では断じて絶対全くない、誰にでも何の知識がなくとも簡単に日常生活の中でより快適により深く音楽を楽しめる、必要十分な音楽再生クオリティを備えた、妥当な価格の真の実用オーディオ装置について書いてみます。

そのキーワードとなるのが System Integration です。システム統合というやつです。

簡単に言うと、個々のコンポーネントを個別に最適化するのではなく、1つのシステムとして総合的に最適化するという意味です。一般的に、個々の要素技術が十分に成熟すると、システムの統合へと技術は向かいます。多くの場合、システムの統合によって性能、コスト、サイズを飛躍的に向上させる事ができるからです。一般家電では、さらにインテリジェント化(内蔵マイコンによる自動制御)が進んでいます。オヂオ分野は、そのような面で、かなり遅れているように見受けられます。

下は現在の一般的なオヂオシステムの実施例を示しています。
Legacy Concept
ハチマルは、どのようなオヂオシステムであれ、何らかのイコライザ機能は必須であると考えるため、この図にはイコライザも含めています。DAC、イコライザ、アンプ、スピーカは別々に設計され(スピーカ屋はスピーカの事しか考えず、アンプ屋はアンプの事しか考えない)、別々の筐体を持ち、電気装置は別々の電源回路を備えます。そして、それらの装置間は電線で接続されています。冷静に考えれば、コスト、スペース、資源を激しく無駄使いしており、電線類も生活空間においては鬱陶しい限りです。

現在でも、一体化した廉価でコンパクトな装置が売られていますが、それらは単純に1つの箱に各種装置を詰め込んだだけであり、機能的にシステム統合されているとは言えません。

下図は、ハチマルの考えるシステム統合のほんの一例です(クリックで拡大)。
New Concept
全ての電気装置をスピーカ筐体に内蔵しています。図には1系統だけを示しており、ステレオ方式の場合は同じ物を2個使います。このような方式は、電子回路が飛躍的に低コスト/コンパクト/低消費電力化したからこそ可能となります。今や、業務用モニタスピーカではアンプ内蔵が常識です。加えて、このシステムは、無線LANを前提とした無線式システムとしています。無線化が今後の大きなトレンドである事に疑いの余地は無いでしょう。

基本的考え方としては、システムの出力端に位置し、電気-機械-音響変換という最も困難な役割を担い、音質に支配的影響力を持ち、コンポーネントとしては最も不完全な「スピーカ」において最良の結果が得られるように、システム全体を最適化するという事です。さらに、実際の使用状態においてシステム全体をキャリブレートするための機構(自動音場補正機能)を内蔵します。このような校正機構により、はじめてオーディオシステムは真っ当な音楽再生装置と呼べるようになります。

各コンポーネントについて、出力側(スピーカ側)から見て行きます。

1) スピーカ
システムにおける最重要コンポーネントです。他の全てのコンポーネントには、御大スピーカ様の不完全さを補うためのシモベとなって甲斐甲斐しく働いて頂きます。そのようなシモベ達のサポートを大前提として、御大スピーカ様を最初から設計する必要があります。

フルレンジ1本を基本とし、必要に応じて超高域(10kHz以上)を受け持つ同軸スーパツイータを追加しても良いでしょう。この場合、単純にコンデンサをかませるだけで良いかもしれません。コスト増が許される高級システムであれば、デジタルチャンデバとバイアンプを内蔵した2Way型でも良いかもしれません。また、低音補強用にパワードサブウーハをオプションとして用意します。ドライバのサイズとしては、リスニング距離と部屋の大きさに応じて、8cm~13cmから選べれば、一般家庭向けには十分でしょう。普通の人はアホみたいな大音量で鳴らしたりしません。エンクロージャは当然密閉型とし、スピーカ本体にデジタルイコライザを内蔵するため、最初からデジタル低音ブーストと特性補正を前提としてドライバを最適設計します。

これらを前提とした場合、スピーカには、低音ブーストに対応する十分な許容振幅(Xmax)と、大振幅時の挙動最適化が求められます。一方、デジイコで特性補正するため、ドライバの素の状態の特性は多少凸凹していても構わず、設計に自由度が得られます。例えば、敢えて分割振動を起こして高域のレスポンスを半ば無理矢理稼いだりする必要がなくなるかもしれません。なお、密閉型システムでは、再三申しているように、ドライバ自体の気密性が重要です。現存するドライバでは、マークオーディオのAlpairシリーズが良い線行っていると思います。

大音量を必要とするユーザ、あるいは低域限界をさらに延ばしたい(例えば30Hzまでフラット)と望むユーザに対応するために、同じコンセプトで作られた無線式のDSP内蔵パワードサブウーハをオプションとして用意します(後述)。

エンクロージャには、低コストで設計自由度の高い樹脂製が最適だと思います。特性が異なる複数の材料を組み合わせたコンポジット構造が有力でしょう。最新の材料技術と設計技術を駆使すれば、低コストで堅牢な、また、形状が自由であるため音響特性にも優れた密閉型エンクロージャを実現できるはずです。筐体はコストのしわ寄せが最も及びやすい領域ですが、ドライバと同様に音質に決定的影響を与える領域でもあるため、決して手抜きは成りませぬ。。。なお、筐体を変に響かせたりする必要は全く無いと思います。

2) アンプ
アンプ自体には特に新しい技術は必要ないかもしれません。Tripath社製等の安価な量産ICを使った低発熱でコンパクトなデジタルアンプが適するでしょう。性能的には現状ので十分なような気がします。

3) ボリュームコントローラ
リモコンによる音量調整を行います。ステレオ方式の場合、左右の同調が必要です。ドライバ保護のために、低音ブーストの設定に応じて最大ボリュームを制限できると良いでしょう。例えば、+6dB程度の標準設定ブーストではフルボリューム可能とし、バス拡張モード(例えばmax+12dB)の場合は最大ボリュームを制限する等が考えられます。または、ボリュームに応じて、最大ブースト量を連続的に変化させる事も可能でしょう。DSPと連動したマイコン制御が良いでしょう。

4) DAC
これも、機械屋のハチマルには、特に新しい技術は思い浮かびません。アンプと同様、量産チップで十分ではないでしょうか。デジタルブーストを前提とするため、24ビット分解能は欲しいですね。レートは96kHzもあれば十分だと思います。

5) デジタルイコライザ(DSP)
スピーカお助け隊の隊長です。標準イコライザ設定として、スピーカの特性(無響室での特性)がフラットになるようなイコライザ設定を固定プログラミングしておきます。この設定は消去/変更不能です。この標準設定には、ドライバの安全性と音質を保証できる程度のブースト(例えば6dB程度、50Hzまでフラットとか)を最初から含めておけば良いでしょう。この特性が、システムのカタログ値となります。面倒臭いユーザはこの特性のまま使っても良いでしょう(従来のシステムと同じ事)。位相遅れ補正は標準設定のまま固定で十分です(自動補正までは不要)。これにより極めて正確な低音再生が実現します。

なお、イコライザのタップ数は、FrieveAudioのように数百にも及ぶ必要はなく、対数的に配置すれば10数バンドもあれば十分ではないでしょうか。

オプションモードとして、バス拡張モード(例えばmax+10dB、40Hzまでフラットとか)を選択できるようにします。この場合、上記したボリュームコントローラで上限音量を制限してドライバを保護する必要があります。これは最も単純な方法ですが、マイコン制御のボリュームと連動させ、DSP内でダイナミックかつインテリジェントにブースト量を調整する事も可能でしょう。そのようなインテリジェントな方式を採用すれば、ドライバ保護と音質を保証できる範囲内で常に最大限のブーストが可能となります。例えば、以前の記事で紹介したように、春の祭典の超絶バスドラにだけコンプレッションを効かせる等が可能です。このへんはソフトウェアでどうとでもなります。

もう一つの重要な機能が、自動音場補正です。一般ユーザを前提とした場合、あのビックリするようなノイズ信号は使いたくないので、理想としては、通常の音楽を再生しているうちに自動的に最適イコライジングできると良いナァと思います。つまり、使い始めの数時間だけ、リスニング位置にマイクを置いておき、普通に音楽を再生すると、装置がソース信号とマイク信号を比較して自動的に補正特性を算出して設定する。。。といった具合です。十分なデータが得られた時点でインジケータが点灯し、以降マイクロフォンは不要です。あるいはテスト専用の音楽データを同梱しても良いでしょう。複数の特性を記憶できれば、リスニング位置に合わせて補正特性を選択できます。最近のエアコンみたく、リスナの位置を認識して自動的に切り換えるとかも可能でしょう(まぁ、不要だとは思いますが)。マイクをリモコンに組み込めると素晴らしいですね。

あとは、ユーザがお好みでイコライザをイヂレルようにしておけば良いでしょう(iTuneにも付いてるよね)。内蔵DSPにリバーブやシンクーカン風味なんかのエフェクタ機能を持たせても良いでしょう。やり過ぎない程度に。。。このへんは全てリモコンから設定できること。

6) 受信機
もはや無線式が標準となるでしょう。これで鬱陶しい電線類から解放されます。あとは電源ケーブルだけ。。受信機のスイッチで、L/Rどちらの信号を受信するのかを選ぶようにしておきます。両Chを受信してMONOで出力できるようにすれば、装置を1個だけ購入してモノラルで楽しめます。ハチマルなら絶対モノラルにしますね。また、3個買えば、フロント3ch方式も可能でしょう。なんならサラウンドにも対応しますか。

7) リモコン
こいつは重要です。ソース装置の選曲、音量調整、イコライザ/DSPの操作等を行います。携帯型プレーヤ(iPod Touch、iPhone、iPad等)にアプリをインストールすれば、ソースとリモコンを一体化できます。そのような使い方が標準となるかもしれません。というか普通そうだよね。きっと。

8) オプション
お部屋が広くて音量が必要な場合や、拡張ブーストモードでは音量が足りない場合に、同様のコンセプトの無線式パワードサブウーハがあると良いですね。サブウーハの使用を前提とする場合、部屋が広くてもメインスピーカは小径(8cm)で十分かもしれません。ドライバの必要サイズは、ほぼ低音の音量で決まりますから。もちろん、自動音場補正で誰でも簡単にベストな状態に設定できる事は言うまでもありません。

システムとして、機能性とデザイン性に優れたスタンドも同時に設計すべきでしょう。なんなら標準で同梱して欲しいくらいです。ハチマルが今使っている壁/天井取り付け用のブラケットは1個 5~6千円もします。高価すぎでしょう。天井/壁取り付け用と、デスクトップで耳の高さまで持ち上げられるヤツ(Zライト(古!)みたいな可動アーム式なんかもね)があると良いナァと思います。お安くしてね!でもデザインはクールにね!

9) デザイン
システム全体のデザインは、もしかしたら音質よりも重要です。あと色もね。ハチマルなんか、クルマでもなんでもまず色で選びますモン。音楽は、アートは、クールでないといけません。全くです。なんか恥ずかしげもなく「ジョーカン」とか言いそうなオヂサン臭いのはNG。電源コードひとつてっても、デザインを疎かにしてはなりませぬぞ(黒いコードは止めてね)。優秀なデザイナさんを起用してください。市場で成功するかどうかは、ほぼここにかかっていると言っても過言ではないでしょう。日本人は、基本的に建築や工業デザインに優れたセンスを持っていると思います。なのに、製品は洋物に比べると明らかにダサイ。何故にあのようにダサイのか???Apple製はクールですよね。もうそれだけでハチマルは日本製を買う気が全く失せてしまいます。

せっかくデザイナさんがクールな絵を描いても、複雑な会社の審査過程で上の方のオヂ様達が偉そうに口出しして、最終製品はどうしても無難でダサクなる傾向があります。デザインの分からぬオヂ様は黙りましょう。もう、オヂオ=癒しと温もりの木目調のヂダイではありませぬ。

10) 価格
例えば、Alpair 10クラス(13cm)の最高品位のフルレンジドライバを搭載したシステムで、実売1台5万YENでどうよ(ステレオで10万YEN)。デスクトップ用の8cm L/R一体型(ZAP風)も5万YENくらいだな。電気関係は驚くほど低コストで済むはずだし、可能でしょう?ねぇ?

実はJBLが上記のハチマル提唱システムに近いDAC/DSP(自動音場補正)内蔵2wayバイアンプ式業務用パワードモニタを既に発売しています。価格は16cmウーハータイプ(内蔵アンプはウーハ150W/ツイータ70W、マイク付き)がペアでなんと159,800YEN (サウンドハウス調べ)です。1本8万YEN弱。。ハチマル提唱システムは、JBLの背面バスレフ式(ナンデヤネン?)を密閉型にして低音ブーストを追加し、2Wayをフルレンジ1本にし、信号伝送を無線接続にしただけ。。。と言えなくもない。。このJBLシステムが1本8万YENですから、13cmフルレンジ1本のハチマルシステムが1本5万YENというのは、そう非現実的ではないと思いますよ。まぁ。。百歩譲って無線はオプションにするか?いやいや、甘やかしてはいけませぬ。。
JBL.jpg
JBL/LSR4326P 159,800YEN
20cmウーハ搭載の4328Pはペアで229,800YEN
サウンドハウスさんの商品ページ

電子回路が極端に低コスト化した現代において、価格はどう考えてもそんなモンでしょう。

以上、ハチマルが考える、これからの「音楽」を楽しむためのオーディオ装置について書いてみました。まぁ、マニアさんにとっては、とんでもなくツマラナイ装置ですが、そもそも根本的な目的が違いますので、そこのところはご理解くださいませ。

上記の実施例は、ほんの一例に過ぎません。たとえばL/Rを一体化したZAPのようなステレオラジカセ風も考えられますし、パワードウーハーをL/Rに組み込んだ大型システムも考えられます。ケロのようなウルトラミニマムな可搬型2.1chシステムも素敵でしょう。こいつは充電式にしていつも身近に置けると良いですね。無線式だと家中何処でも聴けるので便利です。欲しいなぁ。。このタイプが一番売れそう。また、FrieveAudioのようなソフトウェアをバンドルし、PC側でDSP処理を済ませた後の信号を無線で飛ばす事もできます。いろいろ考えてみてください。ハチマルに電子回路の知識があれば、自分で組めるのですが、機械屋のハチマルには到底無理です。そのへんの知識をお持ちの方は自作に挑戦してみるのも面白いかもしれません。なにも、高価なデンセンやアクセサリのオンシツとかナンタラカンとかの微小なチガイを追いかけマースだけがオヂオ趣味ではないでしょう。もっと自由な発想で、もっと知的に楽しんでみても良いのではないかな? ホンマニ

追記1
という事で、TONO君の開発に関連して最近の記事を書いてきましたが、それも一段落した感があり、更新はまた疏らになると思います。今後の予定としては、最近使わなくなったケロ君を大阪の姪(黒くてアンダーグラウンドな音楽業界のヒト)にプレゼントする事にしたので、メインアンプを組み込む改造を考えています。外装も彼女の趣味に合わせて、黒革/ドクロのどメタル調にする予定。。黒くてバイオレンスな悪ケロに変身です。モヒカンにするか? ユザワヤに行けば、ドクロも鋲も鎖も黒革も手に入るので、ちょっと凝ってみようかなぁ。。。なんてね。出来たらご紹介しますね。ま。年内一杯はかかるでしょう。クリスマスプレゼントが目標です。

追記2
この記事を書いている時点で、ランキングはまだ1位に留まっているみたいです。もう10日は過ぎたでしょうか。。。ちょっと驚き。。。応援ありがとうございます。更新しないとテキメンに順位は落ちますが、10位より落ちそうになったら、お情けでポチしてやってくだせぇ。。。10位以内はキープしたいですね。。なんとなく。。。

ではでは。。。。。

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2012年07月06日 (金) | Edit |
TONO君の名前の由来をご紹介するのをすっかり忘れていました。

Far Filed (ファーフィールド) = 遠い 野 = 遠野 = TONO

ですから、発音は「トノ」ではなく「トーノ」です。ヨロシク。。。

他に、
tono- は音に関連する事を表す接頭辞としても使われます。

それと、
モノラル Mono の一字違いでもあります。

という由来でした。。。
。。。チャンチャン

TONO君を聴いていると、マヂ、モノラルで十分チャウ? という気がします。

という事で、ステレオにするかモノラルにするかをユーザが選択できるようなシステムが良いなぁ。。と、考えています。現在は、必要なくてもステレオを強要されますよね。。。そのへんも含めて、次の記事の内容を構想中です。オッタノシミニ!

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2012年07月01日 (日) | Edit |
本題の前に、前の記事の追記。。。

アーチストさんは往々にして破滅します。既に書いたように、追い込み過ぎて限界を超えたがために精神的に持ちこたえられなくなるというのも1つのパターンだと思いますが、恐らく、彼らが最も恐怖するのは「テンゴクトツナガラナクナル」という事でしょう。ミューズが降りてこなくなるという奴です。ある日突然、もしかしたら今この瞬間にも、降りてこなくなるんじゃないか。。。という恐怖。。。怖いですねぇ。。成功するまでは怖いものなしですが、大きな成功を収めた後は、それはそれは恐怖でしょう。。。オシマイですもん。他にできる事はナニモナイシ。ヤリタクモナイシ。死んだ方がマシだし。。。。ジャコもマイルスもたぶんジミさんも、そんな恐怖と戦って、ボロボロになったのでしょうねぇ。で、アルコールかドラッグによる束の間のテンゴクに逃げる。。。キッツイですよねぇ。。。アーチストさんという職業は。。。でも、カッコエーなぁ。。。ゆめゆめおろそかには聴けませぬよ。彼らが遺した命懸けの行為の結果を。。。

さて本題です。

今回は、普通に音楽を楽しむための装置が備えるべき基本中の基本性能について書きます。今まで散々書いてきた事の繰り返しになりますが、まぁ、一通り読んでやってください。

LEANAUDIOでアレコレやってみた結論は、

最も聴きやすく、最も楽に、最も自然に、最も飽きることなく、最も深く、全体も細部もバランス良く最もオイシク「音楽」の「内容」を楽しもうとした場合、結局「全く普通に再生」するのが基本である

という事です。

「全く普通に再生する」とは「記録されている音の波形をそのままに近いカタチで耳に届ける」という事です。これは「音楽再生装置」たるオーディオ装置にとって、今さら言うまでも無い、全くアタリ前の基本機能であると言え、ある時代までのオーディオ技術は、専らこれを目指して進んできたはずです。ある時代までは。。。。どこかの時点で再生音楽本来の目的を忘れ、あるいはソモソモ出来もしない事をツイキューとやらし始め、「趣味道楽」の機械として進化の袋小路に彷徨い込んだと思われ、これについては、その経緯を考察してみる価値は十分にあると思います。

逆に、ウォークマンに始まり、音源のデジタル化とPCおよびインターネットの普及/進化の結果としてiPodに代表される携帯型デジタルプレーヤが爆発的に普及し、既に極めて高い音楽再生クオリティを達成している(すなわち既に「全く普通に再生」できる)イヤフォン/ヘッドフォンが、もはや一般民生用オーディオの主流になった感があるのも、極めて妥当な成り行きのように思えます。巨大化/肥大化/趣味化/目的不明化/高額化/高齢化?し、進化の袋小路(根本的再生クオリティは全く進化せず、小型化せず、低価格化しない)にはまり込んだ恐竜に対して、新たな時代の担い手として登場した哺乳類というふうに見えなくもありません。

かくいうLEANAUDIOデスクトップシステムも、元々カナル型イヤフォンでの衝撃的体験から始まり、それを目標として開発を進めてきたわけですが、これからのスピーカ式オーディオというのは、そのように非常に高音質なイヤフォン/ヘッドフォンの音を聴き慣れた人々をターゲットにして開発されるべきでしょう。アチラの進化の方向を修正するのではなく、コチラから改めて進化の枝分かれをした方がもはや現実的であろうかと思えます。既にコチラがオーディオの基準であるという気がします。

「全く普通に再生する」とは、早い話が、「リスナの耳に、音楽帯域のほぼ全域でフラットな周波数を持ち、位相遅れのない音を届ける」という事です。そうする事により、ソースの波形を正確に再現できます。これについては、FrieveAudioで周波数特性と位相特性の両方を補正する事によって、ソース波形にほとんどドンピシャの音を届ける事ができる事を実証済みです(参考記事)。また、ヘッドフォンでは、何も補正せずとも、いとも簡単にそのような再生が可能である事も、同じ記事で実証しています。ハチマルの実感では、密閉型を使うかぎり、位相についてはそれほど神経質になる必要はなかろうと思います。従って、周波数特性が最重要特性であると言って良いのではないでしょうか。

なぜ、それが重要なのか。。。について、シツコイですが、もう一度おさらいします。

再三述べたように、西洋音楽というのは、楽聖ベトベンだろうが帝王マイルスだろうがポップスの女王マドンナ嬢だろうが、ジャンルに関係なく、ほぼ可聴帯域の全域(主要帯域としては40Hz~10kHz)で、人間が耳で感知できる音のスペクトル(ラウドネス補正済みのスペクトル)が、高い方にも低い方にも極端に偏ることなく、ほぼ左右対称またはほぼ均等に分布しています(参考記事)。これが、教会音楽に始まり、いわゆる我々がクラシックと呼んでいる時代に飛躍的に高度化し、その後、より大衆化マスプロダクト化された現代にも引き継がれている西洋音楽の基本構造、あるいは基本の調和だという事です。

ベト5第1楽章の周波数スペクトルの事例についてもう一度振り返ります。ハチマルが所有する、指揮者も楽団もホールも録音年代も全く異なる5枚のCDのスペクトルは非常によく一致しており、さらに、鎌倉のさるホールのほぼ中央席で計測された生演奏のスペクトルも、これらに驚くほどよく一致しています(参考記事)。おそらく、ベトベンが作曲した時点で(彼の頭の中で)既にこれに近いバランスにできており、最終的にはリハで指揮者さんがコンナモンヤネと具合良く調整したら、このようなスペクトルになってしまう。。という事ではなかろうかと思われます。そして、レコーディングのコンソールでの調整においても、スペクトルを計測しながら調整しているとは思えないため、生演奏を何度も聴いたであろう、繊細な専門的感覚を持つレコーディング技術者/アーチストさん達音楽のプロフェッショナルが、耳を頼りにコントロールルームで最終的にコンナモンヤネと調整した結果も、やはりこのようなスペクトルになってしまうという事なのでしょう。

そして、マドンナであれマイルスであれ、やはりスタジオでモニタして、耳で確認して具合エーントチャウ?と最終的に承認した結果も、やはり40Hzと10kHzがほぼ同等の大きさに聞こえ、その間がほぼ均等に分布したスペクトルになっています(参考記事)。音楽の専門家達が「具合エーントチャウ?」という調和を求めると、どのようなジャンルであれ、やはり自然とそのようになってしまう。。という事のようです。

これ以上グダグダ言う必要はないですよね。

「周波数特性なんかジューヨーではない」とか「周波数をフラットにするとオンガクがツマラナクナル」。。。。。なんて、もし、音楽を本当に楽しもうと思ったら(オトじゃないですよ、オトじゃぁ。。音楽ね)、口が裂けても出てくる発言ではありませぬ。そりゃアンタがツマランというだけヤロ!。ドシロートが自分勝手にイヂクリマースのは、それは個人の勝手です。「趣味」ですから。しかし、少なくとも世間に対してそれなりの影響力を持つ業界の玄人さん達が、堂々とそのような発言をしている事には、重大な問題があるとハチマルは激しくそう思います。プリプリ。

さて、ハチマルが以上のような事を書くと、理屈でそんな事を言っているだけだと思われるかもしれませんので、補足しておきます。

以前のハチマルはトランジスタラジオで聴こうがJBLパラゴンで聴こうが「ベトベンはベトベン、ピ○ミGOはピ○ミGO」をモットーとし、再生機械にはゼンゼン拘りませんでした。上等のラジカセ級のやつで十分だと。。。しかし、携帯電話にフルトベングラさんのベトベン交響曲全集とジャコさんの全コレクションをコピーして、そこそこ上等のカナル型イヤフォンで聴いた時にショックを受け(電車の席でトリハダが。。。)。。。そして、DENONコンポのブワブワ スピーカを激怒のあまり破壊し、イヤフォン付けっぱなしで1日中仕事するわけにゆかぬため、また、いろいろ試聴した結果市販品でハチマルの要求を満たせそうな装置が存在せぬため、デスクトップシステムの開発に着手し、試行錯誤の結果ほぼイヤフォン並に聴きやすい現在のZAPの基本ができ上がった時点で、波形計測やスペクトルの解析をして後追いで理論的裏付けを取ったに過ぎません。まぁ、開発屋さんの典型です。

結局、その道の専門家さん達が、具合エーヤロと調整してくれたのを素直に聴くと、概ねどんな楽曲でもバランス良く調和がとれて聴きやすいという事です。アーチストさんの表現の全体と細部を感じ取りやすいという事です(シロートの身勝手なジョーカンとやらではナイヨ)。ウチラのために、そのように作ってくれてはるという事です。アタリ前の事です。そこにドシロートくさいオンガクセーたらナンタラを追加する必要性は感じませんし、あまり露骨にやられると、元々の音楽が聴きにくくって、そのうち激怒してハンマーで破壊したくなります。

以上が、ハチマルが「音楽」を普通に聴くためのスピーカ式オーディオ装置がまず目標とすべきと考える基本中の基本中の基本中の基本の考え方です。

次回から、もう少し具体的なオハナシに入りたいと思います。次回のキーワードは「インテグレイション」の予定です。

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2012年06月25日 (月) | Edit |
こんな装置が欲しいなぁ。。。という具体案を提示する前に、そのコンセプトを明確にするために、どのような使われ方、音楽の聴き方を想定するのか? という事について明確にしておきたいと思います。

まず、第一に明確にしなければならないのは、ハチマルがこれから想定するのは、オヂオマニアのような音楽の聴き方(使い方?)をするための装置では断じてゼンゼン全く無いという事です。つまり、オンシツやナンチャラカンやオンジョー等を細かくキキワケルための装置では無いし、それらをツイキューするための装置でもありません。オヂオ自体に全く興味の無い人々に、日常生活の中で快適により善い状態で音楽を楽しんでもらうための実用道具だと言う事です。

例えば鉄道マニアには、モータの音をこよなく愛し、モータの音を聞いただけで機種を言い当てたり、そのモータの音を録音したくて、はるばる旅したりする方も居られます。また、通勤型車両の補助灯の配置の微妙なチガイを見分けたりする事を楽しむ方も居られます。しかし鉄道を日々の通勤通学や旅行のための移動手段として使う大部分の人々にとって、そのようなディティールは全く重要ではありません。最近のオヂオマニア達がオヂオ装置を使ってやっている事も基本的にこれらの鉄道マニア達がやっている事と同じです。オヂオマニア達は超微細なオンシツやナンチャラカンに強く拘りますが、普通に音楽を聴く上でそのように過剰なディティールを「ワザワザ」「シューチュー」して「キキワケル」事は全く重要ではありませんし、そのような「音」や「音の付帯的現象」への過剰な意識の消耗や過剰な人為的ツクリコミは、本来の音楽を楽しむという目的を阻害さえするでしょう。どのような分野においても、多かれ少なかれマニアとはそのような傾向を示します。すなわち大雑把に言えば、手段そのものが興味の対象となる、手段の目的化という傾向を持つという事です。それがマニア、それが趣味というものです。ハチマルはその事自体に対してトヤカク申すつもりは毛頭ゴザイマセン。それは個人個人の趣味嗜好ですからね。それらを含めて豊かで多様な文化が形成されるわけですから。しかし。。。

多くの場合、マニア達は、趣味と実用をはっきりと区別して認識しています。鉄道マニアも鉄道を全くの実用機関として認識し普通に使います。フェラーリを所有するエンスーも普段はごく普通のコンパクトカーを日常の移動手段として愛用します。クラシック カメラ マニアもお仕事では最新のデジカメをブリブリ振り回します。彼らは皆ソレハソレコレハコレを明確にわきまえ、「心の余裕」として趣味の部分を楽しんでいるという事です。「いやはやお恥ずかしい。。とんだ道楽ですが、楽しいから、好きだから、やっているんですよ。。ポリポリ」という事を素直にわきまえているという事です。そのへんが、どうもオヂオでは明確に認識されていないため、それを趣味とせぬ一般人に対して「オンガクマトモニキクナラサイテーヒャクマンエン」とさも偉そうにぬかす、さも自分達が特別ジョートーな事をやっているかのように勘違いする輩(魑魅魍魎)が横行する事になります。なぜオヂオだけがこうなんでしょうか?????他の「趣味」ではこんな事はアリマセン。そもそも彼らが言う「マトモニオンガクヲキク」の「マトモ」は、一般人にとってもはや「マトモ」とは到底思えませんし。。。。。

どのような分野にも、そのように極端な嗜好を持つ一群の趣味の人々(マニア)が存在しますが、業界自体は基本的にごく普通にそれらを「使用」する大多数の人々に向けて使いやすく実用的な機械をできるだけ安価に提供する事を本業とわきまえ、それに努めます。マニア達は、そのような普通の機械に対して特殊な愛着や価値観を持ち、彼ら独特の関わり方をしますが、業界自体は基本的にそれに積極的には関与しません(典型は公共機関である鉄道)。個人消費向け機器の分野(例えば自動車やカメラ)では、広報的な目的(ファンサービス、ブランドイメージの強化)としてイメージリーダー的なモデルを用意したり(ホンダNSXとか)、たまにマニア向けのスペシャル バージョン(ニコンSPの復刻とか)を提供する事もありますが、多くの場合これらは利益を上げる事を目的とせず、損失を覚悟で提供されます(NSXは売れば売るほど損する)。これらは企業としてコレハコレソレハソレをわきまえた文化的事業であると言えます。

これに対し、オヂオ分野では、特に高品質製品において、製品そのものが端からマニアを指向する度合が異常に強く、本当の意味で音楽を高品位な状態で鑑賞したいと願う人々向けの必要十分な性能を備えた適正価格の実用的な製品が欠落してしまっているように思えてなりません。フェラーリやランボルギーニのような趣味性を追い求めたスーパーカーを頂点としてヒエラルキが形成され、廉価な製品は基本的にそれらを縮小したものに過ぎず、本当に真面目に作られたアコードやシビックがほとんど存在しないという事です。だいたい、廉価な製品が「エントリー機」とか「入門機」と呼ばれる事が如実にそれを現しています。つまりそれらは、スーパーカーを頂点とする趣味的ヒエラルキへと誘う「入口」という意味であり、本当の意味で「実用的な装置」という意味では全くありません。

そのようにして、単に音楽を聴きたかっただけのユーザも、この魔境に一歩を踏み入れ、さらにザッシやヒヨウロンカや店員による極端に偏向した情報(とさえ言えるかどうか? 魔法の呪文?)に操られ、「趣味的」上昇指向を植え付けられてしまうという具合です。これに近い状況は、我々が子供の頃のまだ未成熟であった日本のモータリゼーションにも見られました(隣のクルマが小さく見えマース。。というCMが有名)。しかし現在は人々の意識も技術も成熟し、そのような状況はとっくに脱しています。これには、常に民意の向上に努めてきたジャーナリズムの貢献があった事も付け加えておきます(ハチマルは小学生の頃から自動車雑誌を定期購読していたのでよく知っている)。これに対しオヂオでは、そのような技術的/文化的に未熟であった黎明期の状態を無理矢理維持し続けようとしているかのように見えます。製造者と消費者に対して第三者的立場を取り、時代の変化を真っ先に読み取って啓蒙を促すべきジャーナリズムの貧困さが、今日のオヂオの奇態な状況を招いた悲劇の一因である事は確かでしょう。

ハチマルがオヂオに対してやたらシツコク問題提起しているのは、それが大衆の音楽文化に大きく関わるからです。手段である「オーディオ」のために言っているのではありません。目的である「音楽」のために言っているのです。せっかくスンゲー音楽作品がタクサン遺されているのですから、誰もが「何も意識しなくとも」アタリ前のように、そのスンゲーところを存分に(例えば交響曲の低音の唸りを、ジャズのビートの絶妙のノリを)感じ取れるようにせんとイカンノントチャウと言いたいのです。「無意識に感じ取れる」事が重要です。誤解を恐れず極端な事を言えば、彼らがそれを望もうが望もまいが関係なく、優れた音楽作品が本来持つ正しい調和、正しいリズムを彼らの耳にそして意識にブチ込むという事です。どんな安物の装置でもそれがアタリマエにできるようになり、それがアタリ前の「音楽」なんだと無意識に受け入れられるようにする事が理想です。それをかなりのレベルで実現できる技術はとっくに揃っているのですから。。

という事で、ハチマルがこれから考えようとしているのは、日々の通勤や通学あるいは旅行を目的に鉄道を使う人々に相当する音楽を真っ当に再生して普通に楽しみたいだけの人々向けの実用オーディオ装置です。家電製品として真っ当なオーディオ装置と言えるかもしれません。

次回は、そのような装置が備えるべき、音楽を楽しむために必要十分な性能について考えてみたいと思います。

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テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用