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2013年06月14日 (金) | Edit |
デジタルFIRフィルタの位相回転について、2名の方からコメントがありましたので、FrieveAudioで簡単に確認してみました。

基本的に密閉型の低音ブーストというのは+12dB/Octのフィルタを適用するのと同じであり、今まで散々実験君を繰り返した経験から、位相は殆ど回転しないだろうと高をくくっていましたが、ちょうど良い機会なので手っ取り早く実験君してみましょう!というのが、今回の内容です。

FrieveAudioは「直線位相FIR」を採用しているとの事。タップ数は最大で65535まで設定できますが、僕の普段の設定(16383)を使いました。DACのチャンデバに関しては別の機会に確認したいと思います。

下はフィルタ設定です。
Frieve cross
縦軸は1目盛りが1.5dBです。最も急峻なフィルタ特性を設定しました。殆ど絶壁です。一体全体何-dB/Octなんでしょうか? クロス周波数は100Hzです。

クロス点の100Hz正弦波のDAC出力波形です。
Frieve Div 100
上(赤)がLOWチャンネル、下(青)がHIGHチャンネル。クロス点における位相はピッタシ揃っています。

90Hz正弦波のDAC出力波形です。
Frieve Div 90
HIGHチャンネルの振幅は減衰しますが、やはり位相はピッタシ揃っています。

80Hzを入力すると、オシロではHIGHチャンネルの波形を観測できませんでした。殆どゼロ振幅。さすが絶壁君ですね。

今度は片方のチャンネルにフィルタをナニも設定せず、片方のチャンネルにローパスを設定しました。
frieve 100 60
上(赤)はフィルタなしチャンネル、下(青)はローパス適用チャンネルです。
100Hzと63Hzの波形を重ねています。
位相はどちらの周波数でもピッタシ揃っています。80Hzも確認しましたが同じでした。フィルタを適用しようがしよまいが、位相は殆ど(というか全く)変わらないという事です。

さすがFrieveAudio君!
巨大なタップ数なので、さぞかしCPUパワー喰いだと思われるかも知れませんが、非力なAtomプロセッサ搭載PCでも十分実用的に機能してくれます。

以上、取り急ぎご報告。。。デシタ

追記
この実験君では、位相補正はOFFです。


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2013年06月13日 (木) | Edit |
僕のように100Hz以下という非常に低い周波数でウーハをクロスさせる場合、デジタルフィルタがGOODですよ。。。というオハナシです。

例によって、いつものシミュレーションです。
今回はFOSTEXの22cmウーハFW227を使ってみました(Viennaのウーハに近い大きさ)。前記事のハイエンドさん達はどれもバスレフ型のようなので、今回はバスレフ型で検討しました。

容積は34L、バスレフの共鳴周波数は約40Hzです。クリックで拡大して見てください。
Filter OFF

最初にちょっとヤヤコシイお話しを少し。。。。
グラフの下側の緑ラインが位相です。右側に目盛りがあります。この目盛りで+270°が遅れナシの基準です。左方に黄色のラインで表しています。このラインから下方に行くほど位相は遅れます。従って、周波数の増加に伴って位相角度は遅れます。このグラフでは、50Hzにおいて遅れ角度は約250°、100Hzにおいて約280°です。100Hzの方が少し遅れていますね。

しかし、これを時間に換算すると、50Hzにおいて遅れ時間は約14ms(距離にして4.8m)、100Hzにおいて約8ms(2.7m)です。50Hzの方が遅れていますね。 時間で表すと逆に50Hzの方が遅れるという事です。ヤヤコシイ!

これは、50Hzの1サイクルは20msであるのに対し100Hzの1サイクルは半分の10msしかないためです。このため、一般的に低周波ほど時間的に遅れ、周波数が高くなると遅れ時間は急激に0に近付きます(位相角度は徐々に遅れるのですが、1サイクルの時間が1/10、1/100と急激に短くなるので角度の遅れなんか屁でもなくなるという事です)。

バスレフ型の場合、共振ピークが2つあるため位相は全体で180°x2=360°回転します。上図の目盛りでは+270°から-90°まで回転するという事です。しかし、スピーカのインピーダンスが1kHzから漸増するため、この影響を受けてか位相はダラダラと遅れています。でも上記の理由により、時間的にはゼンゼン気にする必要はありません。1kHzの1サイクルは1msしかありませんからね。たとえグルっと360°回転しても1msに過ぎないという事です。

僕は低音ビートのタイミング(時間)を重視するため、専ら100Hz以下の低音領域での時間的遅れに着目します。

なお、このシミュレーションは定常状態における周波数ドメインの解析結果です。以前の記事に書いたように、バスレフ型の動的挙動はかなりグチャグチャです。

下は密閉型の結果です。
Seal.jpg
密閉型の場合、遅れナシの基準は右の目盛りの+90°の位置です。左に黄色のラインで表しています。密閉型は共振ピークが1つですから、全体で180°回転します。グラフで読み取った50Hzの遅れ時間は約5ms(1.7m)、100Hzでは約2.5ms(0.9m)しかありません。バスレフ型よりも遅れが随分小さいですね。しかも動的特性もバスレフよりも圧倒的に優れている事は以前の記事で詳しく紹介しました。

さて、ここからが本題です。

以下では、上のバスレフ型にカットオフ周波数の異なるローパスフィルタを適用しています。フィルタには-18deB/Oct (補正回路アリ)を採用しました。-12dBのフィルタを使っても傾向は全く同じです。

Cf = 850Hz (JBLは850Hzでしたね)
850_20130613140148.jpg

Cf = 350Hz (B&Wは350Hzでしたね)
350_20130613113132.jpg

Cf = 120Hz (Viennaは120Hzでしたね)
120.jpg 

フィルタ1つで位相は180°回転するため、バスレフとフィルタの組み合わせで合計180°x3=540°回転しますが、緑の位相のラインは±180°で折り返し表示されています。ここでは折り返す前の低周波側だけに注目します。 上記ににより、高回転側の時間的遅れは気にする必要はありません。

上から順番に見て行くと、Cf=850Hzではほぼフラットな状態から綺麗にフィルタが働いていますが、Cf=350Hzでは既になんだか変です。Cf=120Hzになると、もうグチャグチャです。

これは、スピーカのインピーダンス(赤のライン)の共振ピークが影響するためです。通常、フィルタのカットオフ周波数は定格インピーダンス(8Ωとか4Ω)を使って計算しますが、カットオフを下げて行くとスピーカの共振ピークによってインピーダンスが激しく変化し、それがフィルタの特性に影響します。つまり、パッシブネットワークのクロスオーバーは、スピーカの共振ピークから十分に離れたインピーダンス曲線が十分にフラットな領域に設定するのが基本であると言えるでしょう。

以下では、一番下のCf=120Hzの図に注目します。
なんか、パッと見でも、これはアカンのとチャウ?という感じですが、Viennaの例のやつは、どのように対策しているのでしょうかね?

50Hzにおける遅れ角度はフィルタなしと大して変わらず、約15ms (フィルタなしでは14ms)です。バスレフの高い方のピーク(70Hz)以下の周波数領域の位相特性はフィルタの影響をほとんど受けていません。しかし上のピーク(70Hz)からフィルタのカットオフ(120Hz)までのたった50Hz間に一気に180°回転し、100Hzでの遅れは約12.5msに増加します(フィルタなしでは8ms)。時間的遅れだけでなく、このように非常に急激な位相回転が音楽の聞こえ方にどのように影響するのか?あるいは影響しないのか?

このような周波数あたりの位相の変化率は群遅延と呼ばれ、聴感に影響する重要パラメータであると言われます。バスレフ型はもともと密閉型よりもこの群遅延が大きいわけですが、これに極端にカットオフの低いアナログフィルタを組み合わせると、群遅延はさらに増加します。当然ですが、遅延群の増加は好ましい現象ではありません。

さらに、メインスピーカにローカット フィルタを適用せずにサブウーハをアドオンする場合、カットオフは60Hz程度まで下げる事になり、そうなると状況はさらに深刻化します。

という事で、一般的なパッシブネットワークを使ってウーハーのクロス周波数を極端に下げるのは基本的にヨロシクナイと言えるでしょう。38cmという馬鹿でかいウーハでも700Hzまで引っ張るのは、このへんの事情があるからかも知れません。デジタルフィルタを使えば、このような足枷から完全に開放されます。 装置側の勝手な事情ではなく音楽側の事情を最重視して帯域を分割できるようになるという事です(もちろん分割なんかしないのがベストなのは言うまでもアリマセンけど)。特にウーハにはデジタルフィルタが非常に有効です。数kHzの高音帯域でのクロスであれば、アナログフィルタでも別に構わないと僕は思います。

100Hz以下でクロスするパワードサブウーハにはデジタルフィルタが絶対のゼッタイのZETTAIに必須であると言え、デジタル入力の場合は「DSP-DAC-AMP」構成、アナログ入力の場合は「ADC-DSP-DAC-AMP」構成にすべきでしょう。当然密閉型ですよ。メカトロ化はまずサブウーハから! と声を大にして言いたい。ですね。

パワードサブウーハが今ひとつ普及しない原因の1つはこのへんにあるのかも知れません。ぼくもプレートアンプ内蔵アナログフィルタでは違和感を覚えて満足できませんでしたからね(しかも密閉型で)。5.1ch DACのチャンデバを使うようになって始めて100%常用するようになり、ZAPの開発が終結しました。

DSPを使ってサブウーハを理想的に制御できるようになれば、オーディオ用スピーカの様相も大きく変わるでしょう。
お部屋の大きさに見合ったサイズの、できるだけ高品位なメカトロ パワードサブウーハを1個または2個を買って一度しっかりと計測しながらビシットバシット調整すれば、後はぶっ壊れるまで買い換える必要はないでしょう。低音再生はお部屋に備え付けの「固定設備」というコンセプトです。100Hz以下は音色とか音調に殆ど影響しないそうですからね。。

あとは8cm~13cmクラスの小型スピーカ (バスレフによる低音増強はもはや不要であるため密閉型に限る)やシンクーカンアンプを、お好みや気分に合わせてトッカエヒッカエするヨロシ。。とっても経済的だしスペース効率も高いでしょう。 馬鹿でかいウーハ付きの巨大高額装置をトッカエヒッカエする必要は全くアリマセン。 低音部の再生装置はお部屋に合わせて最適なのを選んで、お部屋に合わせて最適に調整すべきです。

100Hz以下の低音は音楽の土台であり、当然、音楽再生の土台でもあります。この土台はお部屋と一体です。お部屋の土台さえしっかりと構築できれば、上に載っけるヤツはオコノミ次第。。トイウコト。

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2013年06月11日 (火) | Edit |
今回は、ハイエンドスピーカがどのように帯域分割しているのか調べてみました。

まず、2つ前の記事から、人間の聴覚感度(A特性)で補正した楽曲のスペクトル図を再掲します。多少手直ししています。
帯域
上の図の青いラインは、平均なスペクトル形状を表します。このように、我々の耳に聞こえる西洋音楽のスペクトルは、ベトさんもマドンナさんもマイルスさんもジャンルに関係なく約600Hzを中心とする左右対称なカマボコ型のスペクトルを示します。

この事から、僕は音楽の帯域を下記のように考えるのがリーズナブルではないかと考えます。
主要帯域: 100Hz~4kHz
低音帯域: 100Hz以下 (40Hz以下は超低音帯域)
高音帯域: 4kHz以上 (10kHz以上は超高音帯域)

約600Hzを中心とする主要帯域には、様々な楽器の音階が重なり合って分布しています。ボーカルは全てこの帯域に入ります。バイオリン、ピッコロ、ピアノの最高音階もほぼこの帯域内に収まります。言わば音楽の中心となる帯域ですね。

100Hz以下はハーモニーの土台を成す低音帯域です。ピチカートベースやバスドラ等の低音ビートの時間ドメイン的正確さもトッテモ重要です。様々なソースのスペクトルを見る限り、40Hz以下の信号強度は急激に減少します。また、耳の感度も急激に減少するため、耳で感じるというよりは空気の振動として身体で感じる状態に近付きます。なので僕は40Hzを実用的音楽再生の下限周波数と考えています。ここまではビシットバシット再生したいものです。

殆どの楽器の音階(基音)は主要帯域と低音帯域に入ります。4kHz以上の高音帯域は音楽の表情を豊かにする倍音を主に含む帯域です。様々なソースのスペクトルを見る限り、10kHz以上の信号強度は急激に減少します。僕には14kHz以上の音は聞こえません。過去に小さなスーパツイータも試しましたが、ゼンゼン違いが分かりませんでした。なので確かな事は言えませんが、スーパツイータ領域の音(音波)は「音楽の内容」を成す構成要素というよりは、ランダムな環境騒音に近いと思われ、いわゆるクーキカンとかケハイを喜ぶリスナ達には好まれるのかも知れません。僕には不要です。

以上から、僕は少なくとも主要帯域(100Hz~4kHz)は分割せずにフルレンジ ドライバ(またはワイドレンジ ツイータあるいはワイドレンジ ミッド)に分担させ、必要に応じて低音帯域と高音帯域を他のドライバで補強するような分割方式が理に適っているであろうと考えています。

という事で、今回は代表的なハイエンド スピーカのクロスオーバー周波数をチョイト調べてみました。

1) JBL Project EVEREST DD67000
~150Hz : 380mmコーン、ファイバコンポジット
~850Hz : 380mmコーン、ファイバコンポジット
850Hz~20kHz : 100mmホーン、ベリリウム
20kHz~ : 25mmホーン、ベリリウム

ウーハの1本には150Hzまで、もう1本には850Hzまで受け持たせていますが、基本的に850Hzでクロスする2Way +スーパツイータという構成です。主要帯域のほぼ真ん中で真っ二つにぶった切ってホーンドライバに引き継ぐという構成です。なんか、スゲー豪快なブッタギリですね。音楽の上半分と下半分に真っ二つですから。

2) B&W 800 Diamond
~350Hz : 250mmコーンx2、ロハセル(ナニソレ?複合材?)
350~4kHz : 150mmコーン、ケブラー
4kHz~ : 25mmドーム、ダイアモンド?(ホンマニ?)

ウーハは350Hzまで。JBLほど真っ二つではないですが、主要帯域の下から1/3あたりでぶった切っています。
ツイータには主要帯域の上限である4kHzで引き継いでいますね。

3) Tannoy Kingdom Royal
~120Hz : 380mmコーン、ペーパー、サブウーハとして使用
~700Hz : 300mmコーン、ペーパー、同軸ドライバのウーハ
700Hz~17kHz : 75mmホーン、アルミ、同軸ドライバのツイータ
17kHz~ : 25mmドーム、マグネシウム

700Hzで同軸ドライバがクロスします。これもド真ん中-真っ二つ豪快ブッタギリ型ですね。

4) Vienna Acoustics Klimt “The Music”
~120Hz : 228mmコーンx3、スパイダー?(材質ナニ?)
120Hz~2.3kHz : 178mm平面、スパイダー、同軸のウーハ
2.3kHz~20kHz : 15mmドーム、シルク、同軸のツイータ
20kHz~ : 13mm、スーパツイータ、セラミック

主要帯域下限近くの120Hzで同軸フルレンジ(120Hz~20kHz)に繋げるのは僕のコンセプトに一致します。また、同軸ツイータには主要帯域のかなり上端寄りである2.3kHzで繋いでいます。ですから、主要帯域の大部分を同軸ユニットの平面振動板が担当しているという事になります。
コイツが僕のコンセプトに最も近いと言えるでしょう。ただ、アナログ式のネットワークを使って120Hzという極端に低い周波数でクロスする場合、位相というよりは時間的な乱れが気になります。どうなんでしょうかね?ソノヘン。

JBLとTANNOYは古典的と言って良い構成、対してB&WとViennaはよりモダンな構成と言えるかも知れません。

僕の場合、重要なのは、長時間音楽を聴いてみて違和感や不自然な感じを覚えず、オンシツやオンヂョなんか忘れて音楽に自然にシンクロできるかどうか(自然に意識に流れ込むかどうか)です。上記を見る限り「The Music」が最も聴きやすいのではないかと思うのですが。。。今度どっかで試聴させてもらおうかな?

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2013年06月10日 (月) | Edit |
今回はLEANAUDIO初期の頃から、やってみたいけどメンドクサイからやっていない実験君アイデアをご紹介。。。

どうもオヂオというのは、やたらコマケー事に非常に拘る割に、大きくて根本的なモンダイは放ったらかしにされているような気がしてなりません。その1つは、最近の記事で書いたバスレフ方式ですが、今回はマルチウェイ方式による帯域分割について考えてみます。

僕は、連続的で切れ目のない音楽の帯域を複数に分割して、形も大きさも位置も構造も場合によっては基本動作原理すら異なる複数の発音体でツギハギするというのが、非常に乱暴でムリヤリで野蛮な行為に思えて仕方ありません。個々の発音体のオトに関しては、それはもう微に入り細に入りツイキュされているようですが、それらをツギハギする事による総合的音楽再生クオリティという観点では如何なものなのでしょうか?

例えば、20cm(8")のペーパーコーン ウーハと1"弱のメタルなりシルクなりのドーム ツイータやホーン型ツイータあるいは駆動原理の異なるリボン型ツイータを使う場合、クロス周波数(例えば2kHz)近辺の正弦波音なり信号音は2つのドライバで同じように聞こえるのでしょうか? 20cmもあるオッキクて重くて剛性の低い紙のコーンと小っちゃくて軽くて剛性の高いダイアフラムから出る音がですよ。。。。

メッチャコマケー事に拘って個々のドライバのオトのチガイをキキワケてツイキュしているワケですから、このへんの聞こえ方のチガイだってメッチャ気になると思うのですが、どなんでしょうか? 一度聴き比べて見たいと思っているのですが、フルレンジスピカしか持っていないので、試してみた事がありません。

技術の方向性としては、当然1つのドライバで音楽の全域を再生可能な真のフルレンジ ドライバを目指すべきであろうと思いますが、どうも業界は全く熱心ではなく、フルレンジと言えば自作。。というのが現状のようです。

初期の頃から僕は100数10Hz~10数kHzを十分なクオリティでフラットに再生してくれる3"クラスの高性能フルレンジドライバの可能性に着目し、これに100Hz以下の低音性能さえ加われば全く十分な音楽再生が可能であろうと考え、3"ドライバを核としてブースト方式と2.1ch方式を採用してきました。

今回の記事では、そんな僕がキガムケバ一度実験君してみたいなぁ。。。と、ずーっと思いつつもメンドクサイので今後もまず着手しないであろうというアイデアについて書いてみます。デスクトップ向けではなく、比較的広いリビング向けのコンセプトです。

といっても別に目新しい事ではなく単純です。
multi.jpg
9個の3"ドライバを3x3に配列するだけ。各ドライバには1L程度の独立した容積を割り当てます。実験君セットアップなら自由度を考えて各ドライバに1chづつアンプを割り当てても良いですね。例のミニミニICアンプは10W/chですから合計90Wです。

左端の(A)は全てのドライバに同じ信号を与えてオッキなフルレンジドライバとして使います。当然ですが、デジタルイコライザで低音をフラットにします。同一音量で比べれば、ドライバ1個よりも振動板振幅は大幅に減少し、歪みは非常に小さくなります。同一歪みであれば音量を大きくできます。大径のフルレンジ1個を使うよりも振動板の剛性は圧倒的に高く、重量も小さいため、動的挙動と分割振動の面で非常に有利でしょう。

中央の(B)は、センターのドライバをフルレンジあるいはワイドレンジ ツイータとして使い、周囲のドライバをウーハとして使います。2Wayのコアキシャルドライバに相当します。

右端の(C)は、外周のドライバを2つのグループに分割して、3段階に分割する同軸3ウェイ方式です。この図では、ドライバは高周波側から、1個→5個→9個と作動しますが、1個→3個→9個と作動させた方が良いですね。このようにする事により、クロス領域でのセンタードライバと周辺ドライバの振幅の違いを小さくでき、繋がりをスムースにできる可能性があります。

デジタル処理すれば、この他にも様々なバリエーションが考えられ、どこでどのように分割しようが全く自由自在です。また、中央と周辺の位相を変える事だって簡単にできます。
しかし、どうなんでしょうね? 結局最もシンプルな(A)が良かったりするんですよね。こういうのって。。

以上はセンタードライバをフルレンジで作動させる事を想定していますが、低周波側をカットすればドップラ歪みを低減できます。また、基本的に全て同じドライバであり、発音中心は移動しないため、クロス周波数の選択の自由度は高いでしょう。また、非常に緩やかなフィルタ特性を使っても良いでしょう。なにせ全く同じフルレンジドライバですからね。もちろん、位相回転が無く、全く自由なプロファイルでフィルタリングできるデジタルフィルタとデジタルイコライザの使用が大前提であるのは言うまでもありません。

Alpair6Mの有効振動板面積を単純に9倍すると327cm2となり、ほぼ25cmウーハに匹敵します。実際の有効面積はこれよりも大きいと考えられます(ドライバ間の複合的効果のため)。9個(または8個)のドライバは大きな1つのウーハとして動作するため、低音の放射効率は大型ウーハ並に向上するという事です。

また、9個のドライバが球面の一部を成すように配置する事もできます。あるいは平面に配置すれば大きな平面ドライバに近付きます。ドッチの方が自然に聞こえるのでしょうかね?それとも大して重要な違いは無いのでしょうか?

driver layout

このような方式を採用すれば、同じドライバを多数個使うため、量産効果によってドライバのコストを下げられます。また同じドライバの個数を変える事でモデルのバリエーション(オッキイのチッサイの)も容易に展開できます。

もっとタクサン並べれば、例のツイタテみたいな平面発音体も作れます。個々のドライバの箱容積は1Lもあれば十分でしょうから、装置の厚みだって大した事はありません。30個使ったって30Lですからね。上にも書きましたが、中央部と周辺部の位相を変化させる事だってお茶の子さいさいです。ソレコソなんだって試せますよ。また駆動原理は勝手知ったるダイナミック型ですから、ドライバを多数使ったって製造コストはリーズナブルでしょうし、低音までバッチリ再生可能です。アンプも選びませんし取り扱いだって容易です。なんか作りたくなってきた。。。。

センタードライバをワイドレンジツイータとして使う場合、大きなXmaxは不要です。一方周囲のドライバには非常に繊細な設計が必要とされる高音特性は不要である一方、柔らかいサスペンションと大きなXmaxが必要です(すると高域は延びなくなる傾向らしい)。できるだけ部品を共有した2種類のドライバを用意しても良いでしょう。

Alpairだとちょっと高価なので、Auraの3"あたりを使ってこういの作って遊んで見たいとは思いますが、ちょっと大げさだし、実験君が終われば邪魔なダケだし。。。ね。

MarkaudioのCHR-70ならペアで7.5K YENですから、マークさんがこれの3"版をお安く作ってくれてペア5K YENとして、こいつを20個(10ペア)買って5万円。これだとかなりリーズナブルですね。OEM向けに外観が貧相なやつを大量に作れば相当お安くなるはずです。

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2012年12月04日 (火) | Edit |
Sound Blasterを暫く使ってみましたが、やはりデジタルで帯域分割した今の状態は以前よりも改善されているように感じられます。以前は仕事中にふと気に障る所があると(例えばオルガンジャズとか)時々サブウーハをOFFにして馬鹿ブーモードで聴いてみたりしたのですが、現在はそのような行動が全くなくなり完全にサブウーハを常用するようになりました。心理的な面もあるかもしれませんが、いずれにせよ、最後まで気になっていたアナログフィルタによる位相の乱れが無くなったというのは気持ちがヨロシイ。

アナログフィルタで分割するとクロスオーバー周波数付近で位相が急激に変化します。オシロで波形をモニタしながら、サブとメインどちらかのボリュームを上げたり下げたりすると、特定の周波数で波形が明らかに変形したり、別の周波数では片方のボリュームを下げた方が合成波の振幅が増えたりするのですが、デジタル分割ではそういうヘンテコリンな現象は殆ど見られません。バスレフ型でもそうでしたが、位相の遅れ自体が気に障るというよりは、狭い周波数範囲で位相が大きく変化する現象に違和感を覚えるのかもしれません。

とにかく帯域分割のデジタル化によって「音楽再生クオリティ」が向上している事は確かです。

この方式の本採用決定という事で、サブウーハ用のアンプを購入しました。
1_004001000014.jpg
Dayton Audio DAT-100a
Tripath社製のTK2050を搭載しています。
出力は50W/8Ω/ch
お値段は横浜ベイサイドさんで13,200YENなり(コチラ)
見た目もナカナカヨロシイ
オンシツ? ワザワザ聴き比べていないので分かりませんがOKだと思います。

IconAMPもコイツも両方ともボリュームをFULLにするとサブとメインの音量バランスが丁度良くなります。タマタマですがとても便利。

お馴染みリスニング位置でのF特です。
Ftoku-2.jpg
青がL、赤がR。FrieveAudioの補正はOFFですが、Sound Blasterのグライコを適用しています。

下がSaund Blasterのイコライザ設定です。
equ.jpg
この設定により、FrieveAudioなしでも(つまりラジオでもiTuneでもCDでも)、30Hz/-6dBの全く十分な低域レスポンスが得られます。もちろんA10サブはどんな曲でも全く危なげなく再生してくれます。

Ftoku1.jpg
グレーがサブウーハーOFFです。クロスオーバーは100Hzに設定。サブウーハ側のローパスだけでなく、メイン側にはハイパスフィルタが適用されます。赤がサブウーハーON。緑がFrieveAudio自動音場補正ONです。20Hz~8kHzに補正を適用し、30Hzから20Hzにかけて非常に急峻なローカットフィルタを適用しています。

と、こんな具合に落ち着きました。
もう馬鹿ブーの出番は無いかもしれません。
また一歩、再生クオリティが向上したという確かな手応えを感じます。

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2012年11月27日 (火) | Edit |
Sound Blaster X-Fi Surround 5.1 Proをお仕事PC用の2ch DACとして使っていたのですが、やっと2.1chで使えるようになりました。これで念願であったサブウーハ用ローパスフィルタのデジタル化が実現します。

814_20121127085445.jpg
Sound Blaster X-Fi Surround 5.1 Pro
6980YENなり。安い!
DACは24bit/96kHzと必要にして十分。アナログ出力は6chを備えます(5.1ch用)。
サブウーハ用の帯域分割フィルタだけでなくグラフィックイコライザも使えます。デスクトップ用に追加したベリンガーのグライコが不要になってしまうかも。。。
本体にはマスターボリュームが付いているので音量調整も手元で楽ちんにできます。もちろんサブウーハとメインのボリュームは連動して調整できるので、パッシブプリも不要になってしまうかも。。。。
さらにヘッドフォンアンプも内蔵しているので、Audio Technicaのヘッドフォンアンプも不要になってしまうかも。。

このようにコイツ1つで簡単にデジタル デスクトップ2.1chシステムを構築できます。以前から欲しい欲しいと言っていた、小さくて安価なチャンデバ内蔵DACがとうとう手に入りましたよ。

どうして今までできなかったのか?
ソフトウェアの使い方がよく分からず、面倒臭かったからです。サウンドブラスター製品のソフトウェアは使い難いとネットでも評判が芳しくありません。設定方法については後で説明します。

どうして今になって再チャレンジしたのか?
最近AccuRadioのジャズオルガンのチャンネルをよく聞くのですが、オルガンの低音で少しオヤ?と違和感を覚える事が時々あるため、それを解消できればと思ったからです。ジャズオルガンにはゴキゲンにグルーブする曲が多く、特にオルガン低音部のグリングリンのグルーブ感が魅力的です。オルガンはかなり低音が出るため、A6Mのグライコブーストでは物足りなく、+A10の2.1chだとたまに気に障る事がある。。と必要に迫られたというのが理由です。

下はいつもの40Hz正弦波信号の再生波形です。
SoundB.jpg
グレーがソース信号、緑がAlpair 6M 一発、青と赤がA6+A10です。
さて、青がプレートアンプ内蔵アナログフィルタ、赤がサウンドブラスタ内蔵デジタルフィルタでの結果です。デジタルフィルタで帯域分割した場合、Alpair 6M一発と位相はピッタリ一致している事がわかります。さすがですね。なお、A6Mの立ち上がり波形が大きく崩れていますが、これはF特がフラットではない事に起因します。F特をフラットに補正すると大幅に改善されます(高周波数の変動成分が相対的に低下するため)。例のチッコイICアンプ(15W/ch)を使ってA10を駆動しましたが、全く十分な駆動力を持っているように思えます。そのうち最強Icon AMPと詳しく比較してみましょう。

肝心のオルガン曲での効果の程は、なんか良いような気もしないでもないような気がすると言えば気がするし。。。暫く聞いてみないとなんとも言えませんが、とりあえずZAPシステムで最後まで気になっていたサブウーハの位相遅れが無くなったというのは、精神衛生上非常にヨロシイかと思います。

とても安価で高機能なDACですが、音質については特に問題を感じません。ONKYOの音楽専用PCに内蔵されているDAC(24bit/96kHz)と聴き比べてみても、僕にはチガイがよくわかりませんでした。まぁ、音楽を楽しむにおいて、そのへんの微小な差を敢えてキキワケル事の必要性を全然感じぬため、シューチューしたりショージンしたりしてキキワケヨーという執念が足りないのでしょう。。とりあえず必要十分なクオリティは確保できていると思います。内蔵ヘッドフォンアンプでもちょっと聞いてみましたが、これも別にエーンチャウ?という感じで、ワザワザ別体のヘッドフォンアンプを使わなくても良いかもしれません。。机の上もスッキリするしね。

以下、備忘録も兼ねて設定方法を掲載しておきます。

メイン画面
main_20121127102545.jpg

メイン画面の1のボタンを押すと下の画面が開きます。
スピーカ選択
ここで「5.1スピーカー」を選択しないと、サブウーハが作動してくれません。「2.1スピーカー」を選ぶと駄目ですよ。この画面の「アドバンスト」ボタンを押すと、下の画面が開いて各チャンネルの出力レベルを調整できます。
ボリューム
僕はアンプのボリュームで音量バランスを調整するので、この画面は使いません。

メイン画面の2のボタンを押すと下の画面が開きます。
サラウンド
右下の電源ボタンアイコンをクリックしてサラウンド機能をOFFにします。
左のメニューから「Speaker」ボタンをクリックすると下の画面が開きます。
スピーカ
ここでは、右下の電源ボタンアイコンをONにする必要があります。これがOFFだとサブウーハは作動しません。スライダの機能はよく分かりません。動かしても何も変わらない。。。左上の「設定」をクリックすると下の画面が開きます。
クロスオーバ
下のスライダでサブウーハのクロスオーバー周波数を設定します。サブウーハのローパスだけでなくメインスピーカのハイパスも適用されます。

メイン画面の3のボタンを押すとグライコ画面が開きます。
イコライザ
僕のベリンガ製グライコに31Hzバンドを加えた10バンドイコライザです。

メイン画面の4のボタンを押すと下の画面が開きます。
パフォーマンス
サンプリングレートは48kHzと96kHzを選択できます。

以上の設定により、ラジオでもiTuneでもCDでも音源を選ばずに2.1chとグライコを適用できます。

以上です。

追記
とりあえず暫く常用してみない事には何とも言えませんが、このDACといい、チッコイICアンプといい、僕にとっては必要十分なクオリティを備えているように思えます。マニア用ではない真に実用的な音楽愛聴者用装置ではスピーカ以外の電気/電子回路のコストとサイズ/消費電力を相当下げられるはずです。

オヂオマニアはナニに対して強く拘るのか?その理由はナニか?僕はナニに対して強く拘るのか?その理由はナニか?についてそのうち考察を加えてみようかなぁ。。と考えています。大元の根っこの部分についてね。

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2012年01月31日 (火) | Edit |
多機能なFrieve Audioにはチャンデバ機能も組み込まれています。今回は、この機能を使ってデジタル方式で帯域を分割してみました。

方法はメチャクチャややこしいので、まずは結果をご覧ください。

いつもの40Hzにおける過渡応答性のチェック波形です。
DIGI hake1i
DIGI hake2i
グレーがソース信号、青が位相補正OFF、赤が位相補正ON。もともと密閉型なので、補正しなくても殆ど遅れません。前記事のようにアナログ式だと270°遅れましたが、デジタル式だとこのように位相的に正確なフィルタリングが可能です。

このように、極めて良好な結果が得られるのですが、残念ながらFrieve Audioのチャンデバ機能は非常に使い難いため、普段使う気にはなれません。それに、Frieve Audio以外のソースでも十分に高品位な低音が聴けるようにする事がZAP 2.1chの本来の狙いですからね。

さて、後は、Frieve Audioのチャンデバ機能の使い方について、簡単にご紹介しておきます。CPU負荷自体は大した事なく、Atomプロセッサ搭載のPCでも楽勝で動作しました。

まず、マルチチャンネルのDACが必要です。また、ビット数が同じであれば、2ch DACを2台使って同じ事ができそうです(2台のDACのビット数が異なるとダメ)。今回は、Sound Blaster X-Fi Surround 5.1 Proという5.1ch対応のDACを使ってみました。お値段は実売6K円程度と安価です。お仕事PC用に使っていたDenDACが壊れたので、試しに買ってみました。
814_20120131061716.jpg
Sound Blaster X-Fi Surround 5.1 Pro
メーカの製品紹介はコチラ

しばらく音楽用PCに繋いで仕事中に使って見ましたが、特に違和感を覚える事もなく、ハチマルが音楽を聴く分には全く十分なような気がします。というか、添付のドライバをインストールすると、普段使っているDACより少し良いように聞こえるような気がしないでもないような気もします。ドライバをインストールすると、ASIOはこのDACを8ch x 32bit/192kHzとして認識します。カタログでは24bit/96kHzなんですけど。。ドイウコト?。。。実際のところは不明ですが、普段の24bit DACよりもCPU負荷がやたら増えるので32bitで実際に動作している可能性はあります。まあ、とにかくハチマルには十分なクオリティです。

下はASIO4ALLの設定画面です。
ASIO.jpg
ドライバをインストールすると、出力は192kHz/32bitとして認識されます(カタログ上は96kHz/24bit)。しかも、5.1ch用なのに8chが認識されています。ドシテ?

ところが、このドライバが厄介で、こいつをインストールすると、Frieve Audioでは肝心のマルチチャンネルが使えなくなってしまいます。という事で、今回はドライバをインストールせずに使いました(標準ドライバを使用)。この場合、ASIOはこのDACを24bit/48kHzと認識します。また、ドライバをインストールしないと、DAC本体に付いているボリュームも使えなくなります。マルチチャンネルの場合、これが使えると非常に便利なのですが、使えないのでFrieve Audio側でボリュームを調整しなければなりません。

以下Frieve Audioの設定についてです。

環境設定の[ASIOドライバ]タブです。
kankyo.jpg
ここでは、L/RとC/SWチャンネルにDACのチャンネルを割り当てます。

DSPの[マトリクス]タブです。
matx.jpg
ここでは、各チャンネルの入力と出力を割り当てます。今回、サブウーハにはCチャンネルを使いました。Cチャンネルには、LとRの信号を入力として割り当てます。これにより、L/Rをミクスしたモノ信号をCチャンネルから出力します。

DSPのイコライザ画面です。
woo.jpg
main.jpg
上がCチャンネル(Alpair10)。下がLチャンネル(Alpair6)です。赤が帯域分割用のフィルタの特性です。この図では12dB/Octのフィルタ特性とし、200Hzでクロスさせています。青が実際に適用されるイコライザ曲線です。RチャンネルにはLチャンネルと同じフィルタを設定します。

L/RチャンネルをIcon AMP + A6、CチャンネルをCP400(ブリッジ) + A10で再生します。アンプのボリュームを連動できないので、F特がフラットになるように両方のアンプのボリュームを調整した後、Frieve Audioのマスタボリュームで音量を調整する必要があります。DACのボリュームが使えると便利なんですけどねぇ。。。

Masterボリュームをマウスで調整します。
vol.jpg
ボリュームのUP/DOWNをキーボードの任意のキーに割り当てる事もできます。

以上は再生時の設定です。

再生する前に音場の計測が必要ですが、これには手こずりました。

PC側の問題なのかも知れませんが、2チャンネルずつしか計測できませんでした。4チャンネルを一度に計測する事は可能なのですが、どういうわけか、計測結果は2チャンネル分しか保存されません。このため、L/Rチャンネル(Alpair6)とC/SWチャンネル(Alpair10)を別々に計測して、後で計測ファイルを操作する必要がありました。なお、各計測では必ず2チャンネルを計測しないとFrieve Audioは設定を保存してくれません。このため、サブウーハ用の計測でも、CおよびSWチャンネルに信号を入力して、2回計測する必要があります。

それぞれの計測結果を例えば「チャンデバ1」(メインSP用)と「チャンデバ2」(サブウーハ用)として設定を保存した場合、下図のように「Program Files/Frieve Audio M-Crass/IRs」フォルダに、設定ファイルを収めたサブフォルダが作成されます。

dir.jpg
各サブフォルダにはir0.wavとir1.wavが格納さます。2チャンネルの場合、ir0がLチャンネル、ir1がRチャンネルの計測結果です。

2回の計測を行った後、Frieve Audioを一端終了して、エクスプローラ上で以下の操作が必要です。
1) サブウーハ用「チャンデバ2」サブフォルダ内のir0.wavをir2.wav、ir1.wavをir3.wavにファイル名を変更します。
2) これら2つのファイルを「チャンデバ1」サブフォルダにコピーします。使うのは片方だけですが、2つともコピーする必要があります。

以上の操作により、「チャンデバ1」フォルダに4つのファイルを格納します。
dir2.jpg

以上のファイル操作を行った後にFrieve Audioを再起動し、DSPの「イコライザ」タブで計測結果に「チャンデバ1」を選択すると、やっと2.1チャンネルで再生できるようになります。メンドクサ。

最後に、もう1つ問題があります。「音響補正結果の計測」では、各チャンネルごとの補正結果しか計測できません。L+CまたはR+Cの全域特性を計測できないという事です。難儀ですね。

仕方ないので、マドンナを再生して、聴感でコンナモンヤネと2台のアンプのボリュームのバランスを調整しました。確認のために、以前の記事で紹介したWaveGeneでホワイトノイズのWAVファイルを生成し、これをFrieve Audioでリピート再生して、リスニング位置のマイクロフォンで録音し、そのWAVファイルをExactAudioCopyでFFT解析しました。アーーーーーーメンドクサイ!
Ftoku DIGI
赤がサブウーハON、青がOFF。まぁ、こんなもんちゃう? 後は、アンプのボリュームを固定したまま、Frieve Audioのマスタボリュームで音量を調整します。

暫くこの状態で聴いてみましたが、アナログ式に比べて低音がタイトに引き締まっているように聞こえないでもないような気もしないでもないかもしれませんが、デジタルで聴いているという先入観も絶対あるし、どちらにしろ実用的ではないので、二度と使う事はないでしょう。アーメンドクサカッタ。。。ホンマニ。。

という事で、2.1ch方式についてはこれ以上深追いせずに、アナログ チャンデバでアドオン方式を採用する事に決定!

40Hzで約270°の遅れは出ますが、市販のマルチウェイ バスレフに比べればずっとマシだという事で納得しましょう。最近は専らiTuneでベトベン全集とネットラジオでヘビーなラップを聴いていますがスコブル具合ヨロシ(って、どういう組み合わせだ!)。マイルスクインテットのクールでタイトなロンさんベースや、ジャコの天才グリングリン16ビートを楽しみたいときは、馬鹿ブーで聴けばヨロシ。

ZAPシステムの「音質」(再生クオリティとオンシツ)をこれ以上深追いする必要は無かろうと判断します。これ以上やっても、日常的に音楽を楽しむ上での決定的な効果は得られず、富士の樹海にはまり込みそうな気がします。ここでオッシマイにしましょう。次なる課題は使い勝手ですね。

次の計画としては、
1) サブウーハ用のプレートアンプを砂岩君(マツイ君)ボックスに組み込んでパワードサブウーハ化する
かさばるCP400とベリンガーのチャンデバは読者プレゼントとして放出して、身辺整理したいですね。これでシステム全体がスッキリコンパクトにまとまり、全てがデスクトップで完結します。オンシツも大事だけど、日常使う道具としては、こういうのも非常に大切だと考えるハチマルです。

2) AURA 1"を使った深夜用の超超ニアフィールド サウンドスコープ
使わなくなった電気スタンドがあるので、こいつの可動アームを利用して、A6Mの半分の距離に設置できるサウンドスコープという感じのヤツを狙いたいですね。ヘッドフォンは慣れてきたとは言え、鬱陶しいですから。。使わない時は可動アームで移動してしまえば邪魔になりません。A10サブウーハとの距離が一致しませんが、もともと位相がずれている(100Hz以下で数メートル)ので、30cmくらいの距離差は気にならない。カナ?

次回は、真空管バッファとパッシブプリの合体君についてご報告する予定です。

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2012年01月29日 (日) | Edit |
今回は、アナログチャンデバによる位相の遅れについて検証してみます。

前の記事で、補正無しの時のウーハの位相について、「約90°の遅れに見えます」と書きました。「見えます」と書いたのは、以前の経験に比べると遅れが少なすぎると思ったためです。そこで他の波形で確認したところ実際には「270°」の遅れである事が分かりました。

今回の計測は、F特補正も位相補正も全くなしの生の出力です。
270_1.jpg
グレーが信号波形、赤がAlapir6もチャンデバに通した場合、青はウーハ(Alpair10)だけチャンデバに通した場合(アドオン)、緑がチャンデバのサブウーハ用モノラル出力を使用した場合です。チャンデバのLOW出力(赤と青)は約270°(3/4周期)遅れています。サブウーハ出力(緑)はさらに遅れます。

アドオン(青)では、チャンデバのR/LのLOW出力をアダプタでモノラルに合成してアンプに入力しています。また、アドオンの場合、クロスオーバー領域を綺麗に繋ぐためにチャンデバの位相を反転させる必要があるため、実際の波形は上下反転します。

サブウーハ出力を使った場合も「アドオン」形式で使う事になるのですが、位相を反転せずにクロスオーバ領域が綺麗に繋がりました。内部でなにかやっている模様です。このためか、サブウーハ出力はさらに遅れています。

前の記事で使った波形をもう一度見てみます。
270_2.jpg
前の記事で位相を見誤ったのは、信号波形を上下逆で比較したためです。このへんは、ホントニややこしいです。

下は、チャンデバを通さずにウーハのAlpair 10を直接駆動した場合の波形です。
270_3.jpg
遅れは45°(1/8周期)くらいしかありません。ステップの所で激しいピークが出ますが、これはF特補正を適用するとなくなります。

過去に試したパワードウーハ方式では、FrieveAudioは270°近い遅れも綺麗に補正してくれたのですが、今回はどういうわけか、FrieveAudioもハチマルと同じ錯覚に陥って90°くらいしか補正してくれません。ウーハを別体にしているためかもしれません。いずれにせよ、主にiTuneと組み合わせて使用するので、位相補正の事はとりあえずヨシとしましょう。

次にシミュレーションで検証してみます。

チャンデバのフィルタは24dB/Octですが、シミュレーションでは18dB/Octを使っています。そのへんが若干不安ですが、現象を理解する上では十分だと思われます。カットオフは実際と同じ60Hzに設定し、ツイータ側のアッテネータでレベル調整しています。ドライバのデータは、ツイータをAlpair6M(2.5L密閉)、ウーハをAlpair10V2(4.0L密閉)としました。グラフの位相曲線(下方の緑)は、200Hz以上で0°より前進していますが、これは無視して、基準は全て0°と考えたてください。

まず、両方をチャンデバに通す場合です。
sim1.jpg
正相どうしの接続で綺麗につながります。40Hzにおける0°に対する遅れは約3/4周期となっており、実測とよく一致します。

下は、ツイータとウーハを別々に表示したものです。
sim2.jpg
sim3.jpg
ツイータもフィルタを通すため、クロスオーバー領域でAlpair6Mの位相が遅れてウーハの位相とうまくつながる事がわかります。

次にアドオン方式です。まず正相どうし。
sim4.jpg
クロスオーバー領域で大きく落ち込みます。これも実測とよく一致します。この領域で位相に急激な変化(約180°の段差)が見られます。

下は、フィルタを通さないツイータ(Alpair6)の特性です。
sim5.jpg
フィルタを通さないので、低域の位相遅れは僅かです。このため、クロス領域では、フィルタを通ったウーハとの位相差が約180°(つまり波形の山と谷が真逆の関係)となり、お互いに音を打ち消しあってしまいます。

ウーハ(Alpair10)の位相を反転しました。
sim6.jpg
180°の位相差があったので、反転する事によりうまく繋がりましたね(山同士、谷同士が合致したという事)。低域の位相遅れも180°以下になっていますが、これに騙されてはいけません。これは、360°近く遅れた波形の極性を単純に反転しただけであり、実際に位相が「進んだ」(遅れ具合が減った)わけではありません(上の実測波形を見れば分かります)。従って、最初の1発目の波形が360°近く遅れる事に変わりはなく、単純に波形の上下が逆になるだけです。すなわち、動特性的には何ら改善されたわけではないという事です。

ついでに典型的な2WAYバスレフ型の例としてFOSTEXのFW168NとFT207Dの計算をしてみました。
fos_20120129095422.jpg
クロスオーバーは3kHz、-12dB/Octです。本来逆相で使いますが、上記の理由により、それでは正しく位相の遅れを見る事はできないため、敢えて正相としています。40Hzにおける位相遅れは、0°に対して実に540°(つまり1回転半)近くにも達します。なんだか凄いですね。3ウェイのミドレンジ(ハイパスとローパス 2つのフィルタを使う)の場合、一体全体どうなるのでしょうか?あまり想像したくありません。やっぱり、「音楽」聴くならフルレンジのデジタル馬鹿ブーがいいなぁ。。。。と。。。思ってしまいます。

と言う具合に、アナログフィルタというのは、ほんとに厄介です。

ただ、ヒトは聴感でどの程度この問題を感じるのか?この程度の遅れが果たして音楽再生上重要なのか?という疑問は残ります。

例えば、ベースとピッコロのデュオを想定してみましょう。50Hzで360°遅れる場合、距離にすると、50Hzの単音を発生するベース奏者は、非常に高音階を発生するピッコロ奏者よりも約7m遠くに居る状態に相当します。もちろん、ベースの音階によって、この距離は変化します。高い音階だと、遅れに相当する距離は減少します(近付きます)。また、ベースの高次の倍音ほど先に届き、50Hzの基音は約20ms遅れて最後に届きます。従って波形もソース信号とは明らかに異なって見えるはずです(位相遅れの非常に小さい馬鹿ブースト方式で再生したマイルスのペット音ですらそうでしたよね-コチラの記事)。

例えば、テンポ120の曲をジャコが16ビートのノリでグリングリンとグルーブする状態を想定してみます。この場合、ビート(実際に弾くかどうかは別としてジャコの頭の中のビート、いわゆるノリ)の平均周期は120msとなります。50Hzで360°遅れる場合、20msの遅れとなります。つまり1/6ビート遅れる事になります。ジャコは高さの異なる音を、1小節内でも一定のテンポではなく微妙にタイミングを揺らがせながら(スイングしながら)ビートを刻んでいるはずです。1/6が大きいのか小さいのか?

さて、どうなんでしょうねぇ?????微妙ですね。そもそも楽器音は単音ではないですし。

ただ、はっきりと言えるのは、これらの位相遅れによる波形(すなわち音)の変化は、アンプやデンセンを10倍、100倍の値段のコーキュ品に交換した時の波形(すなわち音)の変化に対して、比べようもなく巨大だという事です(アンプやデンセンの違いをこのように雑な波形観測で検知する事は殆ど不可能でしょう)。

ハチマルが今まで試したパワードウーハ方式での経験では、ウーーーンと集中して聴き比べた場合、「別にモンダイナイヤン」という結論になるのですが、仕事中に毎日長時間聴いているうちに、結局馬鹿ブーストの方に自然と手が伸びて、ウーハは使わなくなってしまいました(たくさんスイッチを入れるのが面倒だという影響もあると思いますけどね。。)。位相や過渡応答性の素直さという点で、どうしても馬鹿ブーストに軍配が上がるのか、それともウーハがAlpairに比べてヘボだったから音の繋がりが悪かったのか。さて、どうなんでしょうねぇ???????

と言う事で、アナログフィルタを使う以上、厄介な位相の問題は避けられません。前々記事でコメントを頂いたTさんがおっしゃるように、こんなにメンドクサイならA10を素直にステレオで使ってチョイブーストした方が余程賢明ですね。冷静に考えるとハチマルも大納得ですよ。ホンマニ。。。既に嫌気が差してきました。Alpair 6M ZAP馬鹿ブーで実質的にスピーカ開発は終結しているので、スピーカに関しては単なる技術的趣味の領域という感がなきにしもあらず。。ですね。

それでも実験君は続きますよ。

次回はいよいよFrieveAudioのチャンデバ機能を使った方法をご紹介する予定です。お仕事PCのiTuneでラジオを聴くために使っていたDenDACがコネクタの根本から折れ曲がって、片チャンネルが聞こえなくなってしまったため、昨年末に安価な5.1ch対応DACを購入しました。イロイロと厄介な事が多くて、あまり実用的ではないのですが、なんとかFrieveAudioのチャンデバ機能を使える事も確認済みです。めちゃくちゃ面倒臭いのですが、頑張ってレポートしますね。 メンドクサイけど。

オッタノシミニ!

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