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2011年04月14日 (木) | Edit |
前の記事からの続きです。仕事の合間にイタズラ半分でAlpair 6Mをウーハーとして使ってみました。

前の記事で、基本的にこのコンセプトではウーハーのサイズによって低域限界周波数は大きく変わらないと書きました。ウーハーが大きくても小さくても基本的に100Hz以下の周波数特性は変わらないという事です。

これを証明するために、13cmウーハーのかわりに8cm(実際には少し大きめ)のAlpair 6Mを低域アシスト用に使ってみました。Alpair6 Mの実効振動板面積は13cmウーハーの1/2弱しかありません。

下がその結果です。
726.jpg
緑が今回測定したAlpair 5 + Alpair 6M、黒が前の記事に載せたAlpair 5 + 13cmウーハーです。チャンデバの設定も、ウーハー用アンプのボリューム位置も一切変更していません。多少Alpair 6Mの方がレベルが低いですが、ウーハー用アンプのボリュームをほんの少し上げれば全く同じレベルになります(13cmウーハーは8Ω、A6Mは4Ω)。

ただし最大音量の面では13cmウーハーの方が当然有利です。ボリュームを上げて行くとAlpair6の方が先に限界(低音の歪みが急激に増える音量)に達します(参考記事)。すなわち、ウーハーのサイズは低域周波数限界には大きく影響せず、最大音量に直接影響するという事です。

ケロの場合、サブウーハー用アンプに50Hz以下をカットするローパスフィルタが内蔵されているため、ここまで低域は伸びていませんが、ローパスフィルタを解除できればほぼこれと同等の特性が得られるはずです。

また、この方式はドライバの機械的共振も吸音材で殺してしまうため、ボックスの容積にもほとんど影響を受けません。従って非常にコンパクトにできるという利点も持ちます。いったいぜんたい容積はどこまで小さくできるのか?というのが現在の疑問点です。そのうち実験してみたいと思います。実際、最近の密閉型サブウーハーの箱って、ドライバの大きさの割に極端に小さいですよね。ドライバとアンプを収納して設置しやすいカタチに作りました。。という感じ?

ちなみに100Hz以下の低音だけ聴くと「ボーボー」「ゴーゴー」鳴っているだけなので、全体の音色には殆ど影響しないように思われます。ただし、いわゆるスピーディーな低音とかタイトな低音とか締まった低音とかを求める場合(ハチマルはこれを強く求める)、バスドラやピチカートベース等の再生における過渡応答性(突然大振幅になったときの応答性)を決定付けるのはウーハーの動特性だと考えられます。

デスクトップ用であれば、10cmのCHR-70クラスがウーハー用に丁度良いかも知れません。

追記
なんでこうなるか?というと、それはスピーカーを小さい密閉箱に入れて吸音材で機械的共振を殺してしまえば、大きかろうが小さかろうが、この周波数領域ではほぼ-12dB/Octの左下がり(右上がり)の特性になるからです。で、高域側を右下がり-24dB/Octのローパスフィルタでカットすると、元々右上がり-12dB/Octの特性なので、差し引き右下がり-12dB/Octの特性になります。で、これをフルレンジSPの右上がり(左下がり)-12dB/Octの特性(こちらも密閉型なので自然とそうなる)と重ね合わせると、合成した特性はほぼフラットになります。従ってフルレンジSP側にハイパスフィルタは不要です。ウーハーの音量レベルは小径であるほど小さくなりますが、それはウーハー用アンプのボリュームで調整できてしまいます。というわけです。。

バスレフ型ではこのように簡単にはゆきません。箱も大きくなるし。。市販の密閉型サブウーハーを使用する場合は、メインSPのポートを塞いで密閉型にした方が繋がりは良いでしょう。基本的にサブウーハには密閉型スピーカーを組み合わせるべきだとハチマルは考えます。

追記2
基本的に100Hz以下の音は音色や定位にはほとんど影響しないと言われていますので、2chパワードウーハー(または1chサブウーハー) システムを1つ作っておけば、いろいろ応用が利くと思います。今回は1つの箱にフルレンジとウーハーを組み込みましたが、例えば3Lの小さなサイコロ型の箱に13cmウーハーだけを組み込んで、その上に1Lのフルレンジ箱を乗っけるようにした方が自由度に優れます。例えば、リスニング位置に合わせてフルレンジSPの向きを自由に変える事ができます。また、何種類かの3"フルレンジドライバをそれぞれ1Lの箱に組み込んでおけば、楽曲や気分に合わせて個性の違うフルレンジドライバを手軽にとっかえひっかえできます(箱に番号を付けておけばサンダーバード2号の気分?)。3"クラスのフルレンジドライバは種類も極めて豊富ですし、値段も手頃ですので、非常に経済的かつ手軽に楽しめますよ。一般的な家屋の個室であれば、音量的にも十分です。

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2010年10月05日 (火) | Edit |
前の記事からの続きです。

極々大ざっぱに言えば、従来、それほど大音量を必要としない家庭用オーディオであのような大型スピーカーが必要とされたのは、ただたた低音を再生するためでした(PA用では大音量を出すためにも大型化が必要ですが)。何も立派に見せて高く売るためではありません。誰も好き好んで大きくしたくは無いけれど、低音再生のためには仕方が無かったという事です。また、サイズが大きいために離れて聴く事を強いられて来たわけです。全ては十分な低音を再生するために。。。。また、そのようなスピーカーを十全に駆動するために駆動側の装置にも高い要求が課せられ、スピーカ自体にも複雑なマルチウェイ システムが必要とされてきました。

現在のオーディオの標準的なリスニング スタイルは、ある意味このような主に低音再生にまつわる足枷を背負っていると言えます。

しかし、前の記事に書いたように、それなりの方法を用いれば、(特定の音量制限の下に)大した苦労もなく小さなスピーカーでも従来の大型並(あるいはそれ以上、しかも長年背負ってきたバスレフ問題からも開放されたホンモノノ)低音性能を得る事ができます。つまり、上記の長年の呪縛を解く事ができるわけです(発想の転換が必要)。

599_20101005083250.jpg
FOSTEX G2000 (バスレフ型)とケロ(密閉型)
ケロはアンプ内蔵の50Hzローカットフィルタを解除すれば、
これとほぼ同等の低域特性を持ちます
両者間で決定的に違うのは最大音量(すなわちリスニング距離)

小型でも十分な低音特性が得られると言う事は、スペース面/コスト面だけでなく、「音楽を聴く上での音質面」で決定的に大きな意味を持ちます。すなわち身近に置けるという事です。
これは2つの意味を持ちます。

- 音楽再生で(特に低音において)最も影響が大きく最も厄介な部屋の影響を根本的に軽減できる事
-------- 「音楽」が極めて自然に聴きやすくなる
- 小出力でも耳位置で十分な音圧を確保できる事
-------- この事自体がさらなるスピーカーの小型化を促す(サイズは必要音量で決まる: 前記事参照)
-------- 駆動側に対する要求が低くて済む(小出力のアンプでも十分)

何も立派なリスニングルームが無くても、たいそうなアンプ類が無くても、日常生活に溶け込んでアタリマエのように交響曲の楽しさを味わえる十分な低音性能を備えた本当の意味での音楽再生装置が実現します。これがハチマルの考える「これからの一般「音楽」リスナー向けオーディオ」です(オーヂオマニヤ用ではアリマセン)。

もちろん「身体に感じる重低音」をこのようなシステムに求める事はできません。それを望む方々向けには、それなりに大型の極低音用サブウーハーが追加で必要となるでしょう(部屋全体の空気を振動させるために)。この場合、位相もへったくれもない(とにかく部屋の空気を動かせば良い)ので、部屋のどこにサブを置いてもタブンOK。もともと大型スピーカーを一般的サイズの部屋に置いて聴いている場合の極低音でも位相もへったくれもないはずです(部屋の影響で)。ちなみに僕はコントラバスの最低音である約40Hzまでは、位相のきちんとしたスピーカーからのダイレクト音を聴きたいと思います。

以上

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2010年10月03日 (日) | Edit |
今回は、必要なスピーカーのサイズは何によって決まるのか? について考えて見ます。

従来、大径スピーカー(ウーハー)が必要とされたのは、低音再生能力を伸ばすためでした。低音再生に大きな振動板が必要な理由を説明するために、よく「小さい団扇(うちわ)と大きい団扇」の話が使われます。小さい団扇をゆっくりとした周期(周波数)で動かしたのでは風が起こらないが、大きい団扇では同じ周期で動かしても風が起こる」というやつです。小さい団扇をゆっくりと動かすと、空気が縁から周りへ逃げてしまってなかなか前方に風が届かないのですが、大きい団扇だと縁の近くの空気は逃げても中央の空気は逃げる間もなく前方へ送られるという原理です。

このような原理から、スピーカーユニット単体の低域再生限界周波数は振動板のサイズ(直径)でほぼ決まってしまうという事になります(他にも要因はありますが、サイズが決定的要因)。このため、例えば30Hzまでフラットに再生しようとすると、巨大なウーハーが必要となるワケです。つまり、従来においては、スピーカーのサイズは目標とする低域再生限界によってほぼ決まると言えます。大ざっぱに言えば、低域限界を延ばしたければでかいウーハーを使えという事です。

では小さな団扇をゆっくりとした周期(周波数)で動かしても風が送れるようにするには、どうすれば良いのでしょうか?それには、団扇の振り幅(振幅)を増やせば良いのです。周期は同じで振り幅(振幅)を増やすわけですから、団扇の移動速度は振幅に比例して速くなります。これによって、前方へ送られる風を増やす事ができます。

さて僕は、8cmのドライバを使って2つの方法で低域限界を大幅に延ばせる事をお見せしました。1つはフルレンジスピーカーにデジタルイコライジングを適用して低域信号だけ信号振幅を増やす方法(いわゆる馬鹿ブースト)、もう1つは低域信号だけ別のアンプで増幅率を増やして別のドライバで再生するする方法(いわゆる2.1システム、ケロのこと)。

つまり、このような方法を適用すれば、スピーカーのサイズは低域限界を決定する要因ではなくなります(少なくとも決定的要因ではなくなります)。別に大径ウーハーを使わずとも、「音量を限定すれば」という前提の下に、呼称8cmクラスの振動板(実際には5cm程度)でも30Hzまでフラットな再生能力を簡単に得る事ができます。

密閉型を前提とするこの方法では、スピーカユニットのみならずエンクロージャ容積も大幅に小型化できます。すなわち、バスレフ型のように共鳴周波数の制約を受けないという事です。ヘルムホルツ共鳴箱で例えば50Hzという共鳴周波数を、適度な太さ/長さのダクトで(細すぎ長すぎはイロイロモンダイあり)で得るには、それなりの箱容積が必要になります。従っていくらドライバを小さくできたとしても箱容積は極端に小さくできません。しかし密閉型をこのような方法で使用する場合、ドライバの共振による低域増強効果(参考記事)も不要となるため(というか僕はこの効果も嫌いなため吸音材で殺す)、箱容積を極端に小さくできます(例: ケロは700ccしかない)。しかも、密閉型であるためバスレフが持つ致命的な位相上の欠陥からも完全に開放されます(ただし、2.1システムではデジタルフィルタを使用しないと位相問題が残る。ただしバスレフのようにトランジェント特性には大きく影響しないので致命的ではない)。

このようなシステムにおいては、極低域におけるドライバの最大振幅によってそのシステムの再生可能最大音量が決まります。低域でスピーカーの振幅が許容値を超えると音が大きく歪みます。限界音量を上げるには、振動板のサイズを上げるか、ドライバの数を増やす必要があります。
すなわち、このようなコンセプトではスピーカーシステムのサイズは必要音量によってのみ決まるという事です。

では必要音量(スピーカーから出る音響パワー)はナニで決まるか?ですが、いくつか考えられます。
1) 個人的好み
2) スピーカーから耳までの距離(近いほど小さくて済むし、部屋の影響を受けない)
3) 部屋の音響特性(反射率、大きさ、形)

「ライブと同等の音量で聴くのが理想」というのがオーヂオマニアの間ではお作法となっているようですが、これは甚だ疑問です。かなりの大音量になると思うのですが(特にフルオーケストラ)、ホールや会場と一般的な家屋の四面囲まれた部屋では、余りにも音響環境が異なりすぎます。その論理的根拠が何なのかよく分かりませんが、もしこれを良好な状態で実現したいのであれば、部屋をまず実験用無響室並に完璧に吸音した上で適所に反射物を置いて調整するか、あるいはヘッドホンなり超ニアフィールドなりで部屋の影響を回避した上で、耳位置の音圧をライブに揃える必要があると思います(ただしそれだと音場感が駄目って言うんですよね。きっと。)。バイノーラル録音をヘッドホンで聴けば、かなり正確な「音場」が再生できるのですが、ヘッドホンは好まれないようだし。。。

本当に良い「音質」で聴きたいのであれば、絶対音量は控えめの方が電気的、機械的、音響的に有利になると思います。

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2010年10月03日 (日) | Edit |
よく見かけるご意見に「小径ウーハーでいくら頑張って周波数特性を同じにしても、大径ウーハーの低音には適わない。それは別物だよ。」といった趣旨の発言が見受けられますが、果たしてどうなんでしょうか?

実用状態を前提にちょっと考えて見たいと思います。

38cmウーハーを一般的な日本家屋のリビングに置いて離れて聴く場合と、極端な例としてケロを50cmの距離に置いて聴く場合を考えて見ましょう。耳位置での音圧は同等としましょう。ちなみにケロは、付属のサブウーハーアンプ(50Hz以下ローカット内蔵)ではなく外付けのチャンデバとFrieveAudio(要はハチマル新システム)へ接続すれば、38cmウーハーと同等のF特を楽勝で得られます。

さて、ダイアフラムは大きくなるほど重くなり、スケーリング剛性も低下します。これらは当然音質上不利に働きます。スケーリングして考えればAuraの3インチ メタルコーンは一般的な大径ウーハーに比べて圧倒的に高剛性なはずです。また大径ウーハーは重いダイアフラムを駆動するためにより大パワーを要しますし、離れて聴くために、その分の音量もさらに上げる必要があります。これは音質上不利に働くか、あるいは駆動する側の装置により高い要求が課せられます。しかし、これらの要因は次に述べる要因に比べれば大した事ではありません。

最も致命的な要因は「部屋」です。大きくなるほど離れて聴く事になります。38cmの3ウェイシステムを50cmの距離で音量を絞って聴くなんてことはあり得ませんよね。さてこのような一般的実用条件において、38cmの本領を発揮する100Hz以下の低域ではモロに部屋の定在波の影響を被ります。恐ろしいくらいに。。ほとんど「部屋」の音を聴いている状態。

このような大型スピーカーの真価を発揮させるには、それなりに広い部屋、高い天井、入念な音響処理が不可欠なのは当然です。一般庶民には非現実的な条件と言えましょう。千秋君の実家の三善さんチくらいあれば大丈夫だろうけど。。。

さてさて、おっしゃる通り、実際の耳に届く両者の低域音は一般的実用状態において全く別物となるでしょう。ではでは実際に耳に届く低域音の「クオリティ」はどっちの方が一般的に高いと言えるのでしょうか?トクト考えて見てください。これがハチマルの言う「(「音楽」を真剣に聴きたいなら。。)スピーカーは小さくて近いに超した事はない」の意味です(ただし小っちゃくても低音がバッチシ出ているというのが前提ですよ。普通に小っちゃいだけじゃ駄目。)。。それとね、スピーカーだけで議論しても無意味だと言う事を言いたかったんです。部屋の影響が馬鹿デカイ。。

ただし「好き嫌い」は別のハナシ。。。

次は「大きなスピーカーの必然性」について考えて見たいと思います。

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