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2012年05月30日 (水) | Edit |
今回は、前回の計測結果をシミュレーションで検証してみます。

以前にも何度か紹介したStandwave2という定在波シミュレーション ツールを使いました。なかなか使えるソフトですので、ご興味のある方はコチラからダウンロードしてください。お薦めします!

まずは前回の計測結果を再掲します。
meas.jpg
シミュレーションが500Hzまでなので、計測結果も500Hz以下だけを切り出しました。赤が前方約20cm、緑が部屋の中央、青がベッドの枕の位置です。

次にシミュレーション結果です。
simu copy
プロットの色は上図と対応しています。計測結果と非常に良好に一致していると言えます。シミュレーション結果は、20Hzまで全くフラットな音源を使って計測した状態に相当します。これに対しAlpair6P+密閉箱を音源として使った実測データの100Hz以下は、概ね12dB/Octの傾きで減衰しています。そこのところの違いは頭の中で差っ引いて考えてくださいね。

シミュレーションの条件は下記の通りです。
部屋の幅x奥行き: 3x3m
天井の高さ: 2.4m
部屋の反射率: 6面全て0.7 (デフォルトよりかなりデッドです)

下はスピーカとリスナの配置です。
simu ichi
赤四角がスピーカ。青丸がリスナ(部屋中央とベッド枕)。これは平面図ですが、各点の高さも設定しています。
実際のハチマルの仕事部屋は長方形ですが、作り付けのクローゼットがあるため、音響的に実効約3x3mの正方形に近い状態です(とにかく狭いのよ)。当然ですが、正方形は音響的に好ましくありません。

以上でシミュレーションが十分な精度を持つ事を確認できたため、各種条件で計算してみました。

1) コーナーの効果
スピーカの設置場所を変更して、音源から距離20cmでの特性を計算しました。下は配置図です。
near ich
スピーカとリスナを同じ高さに設定し、スピーカ正面20cmにマイクを置いて計測した状態をシミュレートしています。
near.jpg
赤が実際のTONO君の位置です(すなわち天井と正面および右側面の3面が交わるコーナー)。リスナの高さもスピーカと同じです(すなわち真正面で計測した状態)。青は、高さはそのまま、スピーカとリスナを右側面の中央に移動した状態(すなわち天井と右側面の2面が交わるコーナー)。緑は青の位置からスピーカとリスナの高さを1.2mまで下げた状態(すなわち右側面の中心)です。
コーナーでは100Hz以下のレスポンスが増加し、2面が交わるコーナー(青)よりも3面が交わるコーナー(赤)の方が影響が大きい事がわかります。緑に対する赤のゲインは6~8dBあります。これは同一容積の密閉型に対するバスレフ型のゲインとほぼ同等です。

次にリスナをベッドの枕位置に固定してスピーカだけを移動してみました。
far.jpg
色は上図と対応しています。緑(壁中央)に対して青(2面コーナー)の効果は少ないですが、赤(3面コーナー)の低音増強効果は最大で12dBにも達します。おかげでTONO君の場合、8cmフルレンジの密閉箱だけで、バスレフ効果や信号ブーストの助けを一切借りずに、十分以上の低音レベルを得る事ができました(ディップは酷いけどね)。

2) スピーカと壁の距離
2つ上の図の緑の状態(右側面中心)から、スピーカとリスナを部屋の中央まで移動しました。
kabe ichi
スピーカとリスナの距離は20cmのまま。高さは共に1.2mです。
kabe.jpg
スピーカを壁から離すと、約60Hz以下の低音のレベルが下がりました。影響の大きさはコーナー部ほどではなさそうです。

3) 部屋の広さ
天井の高さは2.4mのまま、幅と奥行きを2倍の6mにしてみました。
6m ichi
黄色の部分が実際のハチマル部屋の大きさです。

6m.jpg
赤は3mの実際の部屋の状態(枕位置)です。緑は、スピーカとリスナの関係を固定したまま、部屋だけ大きくした状態です(すなわち6m部屋のほぼ中央で聴いている状態)。青は、リスナを左下隅まで移動した状態です。
スピーカとリスナの距離を変えずに部屋だけ広くすると、ピークが減少してF特は平坦に近付きますが、部屋に合わせてリスナも後方に下がった場合、ピークの高さ自体はほとんど変わりません(ただしピークの周波数は低い側に移動)。

以前にも書きましたが、ニアフィールド効果が十分に得られる(低域のF特が十分に平坦になる)リスニング距離というのは、一概に何メートルという事はできず、部屋の大きさとの相対的な関係が強く影響します。一般的な目安としては、部屋の中央より前寄りで聴く事により、それなりの効果が得られます。部屋の前寄り1/3くらいまでスピーカに近付く事ができれば理想的ではないでしょうか(ZAP君はこの状態)。要は、できるだけ広い部屋をできるだけ小さく使えば、定在波の影響から逃れる事ができるという事です。いくら部屋が広くても、それに合わせてスピーカから離れたのでは、良好な結果は得られません。離れて聴かざるを得ない場合(狭い部屋に大きなSPを置いている場合等)は、TONO君のようにイコライザによる低域の補正が効果的であると思われます。バスレフ型で低音が出すぎる場合は、ポートに詰め物をするのも効果的でしょう。

いずれにせよ、真っ当な音楽再生を目指すのであれば、一度リスニング位置で計測してみる事を強く推奨します。何もFrieveAudioで補正したように真っ平らにする必要はなく、40~10kHzの帯域が±6dBの範囲に、顕著なディップなく、全体的に自然な形状で概ね収まっていれば、まず十分であろうと思われます。しつこいですが、これは音楽再生における基本中の基本です。全ての「コマケーコノミノモンダイ」や「ナンチャラカン」とかは、これが必要十分に達成された後の「オタノシミ」という事ではないでしょうか?

計算結果は以上です。

このシミュレーションは500Hzまでしか計算できません。また、ハチマル部屋での実測でも、500Hz以上の特性には部屋の影響が殆ど見られませんでした。次回は、ほぼ可聴帯域の全域を使う西洋音楽において、500Hz以下の帯域がどのような位置付けにあるのかについて考察し、音楽再生における重要性について考えてみたいと思います。

追記
いやぁしかし、ファーフィールド(というか一般的な距離)では低域に対する部屋の影響が凄まじいですね。今回TONO君を試してみて改めて実感した次第です。バスレフだ密閉だとチマチマやるのがアホらしくなるくらいです。

最近はポートを完全に塞いだTONO君で専らラヂオを聴いていますが、かなり良い線を行っているように思います。撤収の憂き目に合う事はどうやら無さそう。。。ですね。合格!としましょう。全くモノラルで十分だし、聴きやすいし。イコライザの方も、シンプルに250Hzバンドをブーストするだけでエーンチャウ?という所に落ち着きそうです。ネットラジオの音質(192kbps)もハチマルには全く十分。近いうちにTONO君も綺麗にお化粧しないとね。。。

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2011年10月07日 (金) | Edit |
読者の方から、何m以内のリスニング距離をニアフィールドと呼ぶのか? というご質問を頂きました。

ニアフィールドリスニングの最大の目的は、リスニング位置での部屋の反射波(主に低音で発生する定在波)に対する直接波の比率を高めて、リスニング位置で音楽(特に低音)をクリアに聴き取れるようにする事にあります。この効果が十分に得られる距離は、部屋の大きさや反射特性によって異なるため、一概に何m以内と定義する事はできません(極端な話、完全な無響室では、どんなに離れようとも直接音だけを聴くことができる)。
また、ニアフィールドリスニングでは、上記の効果以外に、耳位置での音量を確保しながらSPから放出される絶対音量を下げられる(アンプの出力を下げられる)事から、音質(=音楽再生クオリティ)面、サイズ面、コスト面で数多の利点を得る事ができます。

現実的な環境でニアフィールド効果が得られるリスニング距離の目安としては、自分の部屋をアチコチ計測(参考記事)した結果ならびにシミュレーション結果から判断して、大まかに下記が言えると思います。

● 少なくとも、
部屋の前後方向の中央よりも前寄りで聴く事を推奨します。

● もっと端的に言えば、
部屋の真ん中より後には絶対に下がらない事を強くお薦めします。前後壁間の真ん中は、それより後に下がってはならない絶対限界ラインだと思ってください。

● さらに言えば、
部屋の前寄り1/3以内で聴く事により、ほぼ理想的なニアフィールド条件が得られるのではないかと思われます。

僕の部屋の前後方向の壁間距離は2.95mであり、リスニング位置は前方壁から約95cmです(SP前端は壁から約30cm前方。従ってSPからのリスニング距離は約65cm)。すなわち、ほぼ前寄り1/3の位置で聴いている事になります。

以下僕の部屋での実測値です。青がSP直前のF特、赤が部屋で実測したF特。
602_20111007113802.jpg
前方壁より約120cm (部屋の中央よりやや前): リスニング位置より数10cm後

603_20111007113802.jpg
前方壁より約170cm (部屋の中央よりやや後): 100Hz前後の極端な落ち込みと、50Hz以下の盛り上がりが顕著となる。中央より後ではどこで計測しても状況は大きく変わらない。このような条件で30Hzまでフラットなレスポンスを持つ大型SPを使用すると超低音がブーミーに聞こえ、極端に大音量で再生した場合、健康を害する可能性すらある。マンションの一般的なサイズの部屋では、ほぼ例外なく50Hz以下でゲインが発生するため、ニアフィールドではない通常レイアウトで音楽を聴く場合、スピーカは50Hzまでフラットでそこから-12dB/Octで減衰するLEANAUDIOのミニマム要件を満たせば十分であろう。ニアフィールド条件で聴かない限り、100Hz以下の低音はほぼ部屋の特性に支配されると考えるべきである。ただし遮音性の低い純和風家屋の場合、状況は大きく変わるかもしれない。

リスナーから背後壁までの距離をできるだけ大きくとった方が、一般的に有利となるように思われます。従って部屋が長方形である場合、短辺側にSPを配置して(すなわち部屋の前後長さを大きくして)、部屋の中央より前側(可能であれば1/3近く)で聴く事を推奨します。確かBlue Skyも同様の配置を推奨していたように記憶しています。

nearfield.jpg
同じ部屋、同じリスニング距離でも、右側の配置では良好なニアフィールド効果は得られません。

再三申しているように、僕は「音場感」とか「音場の拡がり」とか言うヤツを全く重視していません。というか、過剰に演出された「音場感」には嫌悪すら感じます(だって肝心の「音楽」が聴きにくくなるんだもん)。上記のコメントは主に低音(特に100Hz以下)をクリアに耳まで届ける事を主眼とするものである事をご理解ください。また、部屋の条件は全く千差万別であり、上記コメントはあくまで一般的なガイドラインとしてお考えください。

PCと安物マイクで誰でも簡単に計測できます。あるいは例えば40Hz~80Hzの正弦波を再生しながら段々と後に下がると耳で一発でわかります。凄まじい影響ですから!

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2010年12月30日 (木) | Edit |
「最も手っ取り早い音質改善法」とは「単純にスピーカーに近づく」だけの事です。

交響曲を聴くのが楽しくて、ついついデスクに身を乗り出して聴いてみました。スピーカーから耳までの距離は約40cmです。ディスプレイが目の前に来るので目を瞑ります。すると、低音も高音もより明確に聞こえ、音量は同じですが耳が近づくので特に低音の迫力も増します。通常のリスニング位置でボリュームを上げても、こうは聞こえません。このような超近接リスニングは、小径フルレンジ1発の馬鹿ブーストだからこそ可能な芸当ですね。

いつもは70cm以上の距離で聴いていますが、この程度の距離でも部屋の影響とデスクトップの反射の影響を結構受けています。FrieveAudioで補正しているとは言え、耳をスピーカへ近付けると、それらの影響が大幅に少なくなるのでもっと聴きやすくなるという事だと思います。また、ボリューム一定でも耳元での音圧が上がるので、低音もより聴きやすくなります。他の何かをイヂルよりも圧倒的に効果が大きくて手っ取り早いと直感しました。小径フルレンジ1発の30Hzフラット+αで超ニアフィールドで聴く交響曲。。。これはかなりイケテますよ。「ライブと同等の音圧」ってやつに拘る場合でも、部屋の影響を殆ど受けずに苦もなく実現できそうですしね。。

単純にスピーカーを手前へ移動するとデスクの作業エリアが狭くなってしまうので、可動アーム式のスピーカースタンドを検討中です。写真のスタジオ用具(ライトやレフ板を固定するための可動式スタンド)の中に適当なものが見つかるかもしれません。当面これが最優先プロジェクトになりそうな気配です。とにかく効果が直接的かつ決定的ですので。

以前から「スピーカーは小さくて近いに超した事はない」と言いながら、昨日あらためてそれを実感した次第です。

追記1
ただし交響曲以外では、こんなに近づく必要性をそれほど感じません。交響曲の再生というのは特別なような気がします。今のところ交響曲はカナル型イヤフォンで聴くのが最も好きです。ただ長時間は辛い。SONY製の例のオープンエア ヘッドフォンでは低音のレベルとダンピングが不足気味なのでイマイチ楽しめません(改造計画はあるのですが手つかず)。上記の超ニアフィールドが成功すればカナル型で聴く感じにかなり近付けると思います。

追記2
最近買ったVictor製のカナル型イヤフォンHA-FXC71を凄く気に入っています。このイヤフォンはダイアフラム自体を耳穴へ突っ込む(すなわちダイアフラムと鼓膜の間に介在する空気室の容積が極小)という究極のニアフィールド ドライバです。低音を非常に明確に聴く事ができます。価格も6K円程度と手ごろですし、リファレンス用としても強力にお薦めします。イヤフォンは凄いです。ホントニ。別に音場が前方に展開しなくても僕には全く気になりません。
665.jpg
そう言えば、LEANAUDIOを始めるきっかけとなったのもカナル型イヤフォンでした。携帯電話で聴いたフルトベングラのベトベン交響曲に鳥肌立てていたっけ。。。

追記3
カナル型イヤフォンは、マイクロフォンと同等サイズのダイアフラムを使用し、駆動した空気の全てを密閉した耳穴へ送り込むわけですから有利なのは当然ですね。極端に言えば、ダイナミック型マイクロフォンを耳に突っ込んで、録音時の信号を逆に流して再生しているのと似たようなものですから。。これに比べれば、巨大なダイアフラムで大量の空気を駆動しなければならないスピーカーというのはいかに効率の悪い事か。。。なんかスピーカーで苦労してあれこれやるのがアホらしくなってきます。装着感と鬱陶しいコード、それと健康への不安さえなければ。。。。。音楽体験の初期から原理的に圧倒的高音質のイヤフォンに慣れ親しんだ若い人達が現在のオーヂオスピーカーの音に満足できるのかどうか?

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2010年11月18日 (木) | Edit |
部屋の定在波の影響は、半波長が部屋の寸法に対して同等以上になる100Hz以下の領域で顕著となります。例えば一般的家屋の平均的な天井高さ(2.4m)に対しては、2倍の波長(4.8m = 約70Hz)の定在波の影響が顕著に表れます。

一般的に波長が長くなるにつれて吸音は急激に困難になり、100Hz以下になるとちょっとやそっとの事では吸音できません。今回は、一般に市販されている吸音ボード程度ではこのような長波長音をほとんど吸収できないというオハナシ。

下図は旭板硝子のグラスウール化粧吸音材(厚さ約25mm)の吸音特性です。詳しくはコチラ
636.jpg
このデータは「残響室法」という測定方法で計測されたものですが、計測方法によっては吸音率はもっと低下します。異なるメーカーの製品データを比較する場合は、測定方法に気を付ける必要があります。オーヂオ用として売られている製品では、効能書きばかりでデータが公表されていないものが多いような気がしますが、きちんとデータが公表されている製品を選んだ方が良いかと思います。それがこの種の製品を製造するメーカーの基本的常識でもあります。

下図は別の吸音ボードを各種測定法で計測した結果です。
32_3z3.jpg
残響室法に比べて他の計測方法では吸音率が大幅に低下します。「垂直入射吸音率」とは、吸音材に対して音波が真正面から入射した場合の吸音率です。いずれにせよ、これらの吸音材では100Hz以下の定在波をほとんど吸収できない事が分かります。

このため、低周波まで吸音する必要がある実験用無響室では、グラスウールを整形した大きな楔形ブロックを壁面にびっしりと並べます。
634.jpg
6面を吸音した完全無響室
この楔形ブロックの寸法は、吸音したい下限周波数によって決まり、低周波まで吸音したい場合には巨大なものとなります。下図は旭板硝子のサイト(コチラ)に載っていた寸法算出方法です。

635.jpg
テーパー長 L1=λ0/5 (mm)
下限周波数の波長 λ0=V/f0
V=340000 (mm/s) ・・・20゚Cのとき
下限周波数 f0 (Hz)
ベース長  L2=L1/4 (mm)
頂角  α<40
100Hzの波長は約3.4m(波長/4=85cm)ありますが、この場合の壁面からのブロックの突出量は、先端をカットしたとしても60~70cmにもなります。50Hzだとその2倍。。。普通のオウチだと住むところが無くなります。

部屋の定在波のような低周波音に対しては、カーテンやカーペット程度では全くの問題外、市販の吸音ボードでもほとんど焼け石に水だという事が分かります。

このように、現実的なオーディオ環境において主として100Hz以下に顕著に表れる部屋の定在波というのは、極めて厄介者であると言えます。今まで再三言っているように、この影響を軽減する最も手っ取り早い方法は、耳に届く直接音の割合を単純に増やせる「ニアフィールド リスニング」です(スピーカーは小さくて近いに超した事はない)。

実際に部屋の定在波を吸収するには困難を極めます。上記の吸音ボードを屏風状にして楔形状を作る(楔の先端角度を40°以下にする必要あるので非現実的かな?)か、あるいは移動式のツイタテにして部屋を斜めに仕切る(平行面をなくす)ように設置すれば多少効果が得られるかもしれませんが、いずれにせよ専用の広いリスニングルームでもない限り非現実的な事には変わりありません。ましてや天井までとなると。。。気が遠くなります。

それよりも、F特ができるだけフラットになるようにスピーカーとリスナーの位置を慎重に選んだ上で(あるいはもっと手っ取り早くスピーカーへ近づいた上で)、最終的にデジタルイコライザで修正する方が余程現実的ですね。

ついでに。。。。
これはスピーカーボックス内の吸音材にもあてはまります。

僕の小さなポチ形ボックス(2.5L、奥行き21cm)では約800Hzに定在波が顕著に出ますが、箱が大きくなればこの周波数も低下し、吸音材の吸音率も低下します。
下図はJSPS研究所のサイトに載っていたフエルト材の垂直入射吸音率の測定データです(詳しくはコチラ)。
642.jpg
フエルトを2枚重ねると吸音率がぐっと上がる事が分かります(緑のライン)。しかし2枚重ねでも800Hzで約50%の吸音率しかないように見えます。また、200Hz以下は全く吸音していませんね。

以上、ご参考になれば幸いです。

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2010年10月19日 (火) | Edit |
前の記事の測定結果を計算で検証してみました。
計算ソフトウェアには以前にも紹介したStandwave2を使用しました(参考記事)。
ダウンロードはコチラ

下図がその設定画面です。
608.jpg
部屋の幅は作り付けクローゼット分を差し引いて3mとしています。このため僕の部屋は前後と左右の寸法がほぼ同じ正方形に近くなるため、音響的には良い状態とは言えません。各壁面の反射率は測定結果と比較しながら大まかに合わせ込みました。詳しいパラメータは図を拡大してご覧ください。なお、このソフトウェアは500Hz以下しか計算できません。(注意: デフォルトの反射率は部屋に家具類を置いていない空室状態を想定しているようなので、実測値に比べるとかなりライブな特性です。測定値と比べながら多少反射率を下げる事を推奨します。)

下図に140cm位置での測定結果と計算結果の比較を示します。測定には20Hzまでフラットな音響出力を使用したので、計算結果とそのまま比較する事ができます。
609.jpg
グラフの縦横のスケーリングを正確に合わせて測定結果と計算結果を重ね合わせてみました。赤が測定結果。黒が計算結果です。非常によく一致していると言えます。

この状態から部屋のサイズを左方、後方、上方に1m拡大した場合の計算結果を下に示します。スピーカとリスナの位置関係は変わりません。
606.jpg
部屋を後方に延長した場合に最も良い結果が得られそうです。この場合、部屋を縦長に使用して中央よりやや前寄りで聴いている状態になります。やっぱり広い部屋は良いですね。。

次に各壁面の反射率をゼロに設定して計算してみました。反射率をゼロにするのは現実的に不可能ですが、各壁面の影響の度合を見る事ができます。
607.jpg
この結果からは、後方の壁を吸音するのが最も効果的である事が分かります。しかし60Hz以下のゲインは部屋を大きくしない限りほとんど改善されないように見受けられます。

以上2つの結果を見る限りでは、後方の壁(すなわちスピーカーと対面する壁)の影響が大きいように見受けられます。この壁をできるだけスピーカーから遠ざける(部屋を縦長に使用して前寄りで聴く)か、吸音する(吸音は容易ではないので、ついたて等で斜めにする)と効果的かもしれません。ただし様々なパラメータが複雑に影響し合うため、この結論が全ての部屋に一般的に当てはまるとは限りません。全く逆の結論になる場合も十分に考えられます。ご興味のある方は、ソフトウェアをダウンロードして是非ご自分で試して見てください。使用方法は極めて簡単です。ダウンロードはコチラ

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2010年10月17日 (日) | Edit |
部屋の定在波の影響は「音楽の聴きやすさ」を阻害する大きな要因となります。

以前の記事でベッド位置での特性をお見せしましたが、今回は部屋の数カ所で測定してみました。
測定箇所を下図に示します。
600_20101017123648.jpg

今回は13cmウーハーだけを使用しました(測定位置が離れるとそれだけボリュームを上げねばならず、虎の子のAlpair5をあまりイヂメたくなかったのよ)。このウーハーは5kHz以上で出力が低下するため、測定データは5kHz以下だけを表示します。定在波の影響が顕著に表れるのは低域だけなので、目的上なんら問題はありません。

601_20101017124008.jpg
赤がウーハー前方20cmでの測定値(実はこの位置でも既に部屋の影響が見られます)。黒が補正後の出力です。20Hzまでほぼフラットな出力が得られています。今回はこのフラットな出力を用いて、部屋の各位置での応答を測定しました。

602_20101017124212.jpg
通常のリスニング位置よりやや後方の約80cmでの測定結果です。すでにかなり凸凹している事が分かります。約1kHzのディップは部屋の影響ではなくデスクトップの反射の影響です。通常この帯域はAlpair5に受け持たせていますが、Alpair5はウーハーより高い位置にあるため、通常の使用状態ではこれほど顕著なディップは発生しません。

603.jpg
上記から60cm後退した140cmでの結果です。100Hzを中心に大きく落ち込み、60Hz以下ではゲインが発生しています。

604.jpg
さらに60cm後退した200cmでの測定値です。基本的に140cmでの結果と大きく変わりません。100Hz前後の落ち込みはやや改善されますが、60Hz以下のゲインは逆にやや増加しています。

605.jpg
200cmの位置から左右に1m程度移動してみましたが、傾向はほとんど同じです。

今回の結果を見る限り、スピーカーからある程度以上離れると応答特性は場所によってあまり変化せず、部屋の形状でほぼ決まってしまうように見受けられます。

このような現象は、平行な壁面の間を音波が行ったり来たりして測定位置で互いに強めあったり弱めあったりして生じるワケですが、波長が部屋の寸法と同等以上となる低音域ではその影響が大きく出ます。何度も行ったり来たりした音を聴くことになるため、周波数ドメインだけでなくタイムドメイン的にも影響が出ます。これは周波数ドメイン的音場補正だけでは補正しきれません。

低音になるほど吸音は困難となり、一般的住居で効果的な吸音を施す事は極めて困難です(実験用無響室の壁面があのように巨大な凸凹で覆われているのはそのため)。オーディオルームを専用に設計するのであれば、平行面をなくす等の対応も取れますが、通常の住居ではそれも適いません。

最も手っ取り早いのは、とにかくスピーカーに近づいてできるだけ耳に届く直接音の割合を増やす事です。これがニアフィールドリスニングの最大の利点であり、すなわち音楽の聴きやすさを求めならば「スピーカーは小さくて近いに超した事はない」の所以です。

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2010年10月09日 (土) | Edit |
僕は仕事部屋に仮眠用の折り畳みベッドを置いており、仕事の合間にそこに横になって音楽を聴きます。今までは、デスクトップに置いたAlpair5の音をそのまま聴いていたのですが、ウッドベースの音が聞こえにくかったり、時々ボーボーと極低音の不気味な唸りが聞こえたりするので、それを解消すべくケロを作ったというのがソモソモの経緯です。

で今回は、Alpair5の音をベッドサイドで聴いた場合の周波数特性を測定してみました。

まず部屋の見取り図をお見せします。天井高さは標準的な2.4 mです。
602.jpg
引っ越し当時はまだお勤めしていたので、トーちゃんの籠もり部屋として一番小さな部屋(マンション6畳弱?)を確保したのですが、その後フリーになって自宅で仕事するようになってからも大きな部屋をあてがってもらえず(息子の部屋もカーチャンの部屋もハチマルのより大っきい)、この小さな部屋で家族のためにセッセと働いています(偉いぞトーチャン。とは誰も言ってくれない。。。。カイシャ辞めたのはトーチャンの我が儘でしょ。。というコトらしい)。

で、お仕事中は今まで何度も紹介したように、スピーカから約0.7mの距離で聴いているわけですが(特性はコチラ)、ベッドサイドまでの距離は2m以上あります。この位置での周波数特性を下図に示します。
601.jpg
黒がスピーカ前方約20cmの特性(新システム)、赤がベッドサイド(2m)の特性です。約500Hzから60Hzまでレスポンスが低下し、60Hz以下では逆にレスポンスが高くなっています。このためウッドベースの重要帯域が聴き辛くなると共に、交響曲等を聴いていると、時々「ボー」「ボー」と超低域音が気色悪く鳴り響きました。もしライブと同音量とかの大音量で聴くと確実に気分が悪くなると思います。

このようにスピーカーから離れると、特に低域で部屋の影響をモロに被る事になります。これがハチマルの言う「スピーカーは近くて小さいに超した事はない」の所以でもあります。

現在はケロのおかげでベッドサイドでも快適に音楽を楽しめるようになりましたとさ。メデタシメデタシ。。。。

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2009年03月12日 (木) | Edit |
部屋の定在波の様相を簡単に計算できるフリーのソフトウェアを見つけたので紹介します。

計算結果をそのまま信用するのは危険ですが、実際の測定結果と照合する事によって部屋の吸音対策がよりいっそう効率的に行えるはずです。測定はPCさえあれば簡単にお金をかけずに行えますので、決して計算だけに頼らずに必ず測定も行ってください。計算はあくまでも測定結果を解釈するための補助的なものと考えた方が間違いがありません。
測定方法に関しては「リスニング位置の音響特性を測定してみよう!」を参考にしてください。

今回紹介するのはStandwave2というフリー ソフトウェアです。
ダウンロードサイトはコチラ

162a_20090807205550.jpg
上は計算結果の一例です。
右側に部屋の平面図が表示されます。この枠内で2つのスピーカー()とリスナーの位置()をマウスでドラッグして設定します。中央のスライダーでは各スピーカーとリスナーの床面からの高さが設定できます。
リスナー位置における周波数特性は左側のグラフに表示されます。この特性は20Hzまで完璧にフラットな出力特性を持つスピーカーを使用した場合に得られる周波数特性に相当します。実際にはこの特性にスピーカーの出力特性を掛け合わせた特性となります。

この例では部屋のサイズは3.4m x 3.4mに設定しています。計算結果からは70Hz近辺に強烈なディップが発生する事が予測できます。

163_20090807210047.jpg
これが設定画面です。部屋のサイズ、各壁の反射率、計算条件をここで設定します。部屋の反射率は僕の手持ちの測定値から大ざっぱに見積もって全て0.7に設定しました。デフォルトの反射率は0.8から0.9に設定されており、これは部屋に家具やカーペットを置いていない引っ越し前の部屋の特性に近いと思われます。この値はご自分の部屋の測定値と見比べながら大ざっぱに設定してみてください。反射回数では何回目の反射まで計算するのかを指定します。10回より増やしても大きく変わりません(デフォルトは20回)。

計算結果が測定結果に近い傾向を示す事を確認したら、どれか1つの壁の反射率を0に設定して計算結果の変化を観察してください。最も望ましい変化が得られた壁から対策を行えば効率的に作業が進められるはずです。
164_20090807210320.jpg
上の図は後面の反射率だけを0に設定した場合の結果です。問題のディップはほとんど無くなります。従ってリスナー背後の壁に集中的に吸音対策を行えば効果的であると予測できます。まずはマットレス等を簡単に置いて測定してみて、本当に効果が高いようであれば本格的な作業に入れば良いかと思います。
注意: 部屋の形状やスピーカーの配置によって最も効果的な壁面は変わりますので注意してください。つねに後面の対策が効果的という訳ではありませんのでハヤトチリしないでください。

あるいは吸音対策をしなくてもスピーカーの位置を移動するだけで良い結果が得られるかもしれませんので、スピーカーが実際に移動できるのであればマウスであちこちに移動させてみてください。

以上のように計算と測定を組み合わせれば、効率良く対策が進められます。ただし計算を使用する場合は下記を肝に銘じてください。
○ 計算はあくまでも対策の方向性を探るための参考データとして考えてください。常に測定データと照らし合わせて、その計算結果が信用に足る物かどうかを冷静に判断する事が大切です。
○ 計算と測定は決して完全には一致しません。支配的なピークやディップの傾向がそれなりに合っていれば、それで満足とすべきです。結果を精密に合わせるために反射率を細かく調整する必要はありません。あくまでも大ざっぱに設定する事がコツです。

ここで、ニアフィールドリスニングの優位性を検証してみましょう。

スピーカー位置以外の計算条件は上の条件と全く同じです。部屋のサイズは3.4mx3.4mです。
162a_20090807205550.jpg
こちらが一般的なスピーカー配置
70Hzに激しいディップ

スピーカーを極端にリスナーに近づけてみました
165_20090807205855.jpg
説明の必要は全くありませんね。

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テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2009年03月10日 (火) | Edit |
PCで音楽を再生する事には抵抗があるけど音場補正はやってみたいという方には外付けのデジタル イコライザが便利だと思います。
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BEHRINGER DEQ2496 Ultracurve Pro
実売価格で4万円以下
■S/N比:113dB
■レンジ:±15dB
■インプットレベル:+12dBu、または+22dBu
■AES/EBUデジタル入出力:XLR×1
■測定マイク用XLR入力端子、ファンタム+15V
■ワードクロックBNC端子
■MIDI IN、OUT、THRU端子
■24-bit/96 kHz
■EQ/RTA
■マスタリングプロセッサー

購入はコチラで可能
メーカーサイトはコチラ
製品マニュアル(日本語)はコチラ

BEHRINGERの製品はオーディオ用というよりは音楽クリエータ用ですが、音質劣化が少ないため愛用されているオーディオファンも結構いらっしゃるようです。
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このDEQ2496は光学デジタル入出力を備えているので、CDプレーヤーのデジタル出力を接続すればデジタルのままイコライジングが可能です。そしてオプションのマイクロフォンを追加購入すればFrieve Audioと同じように自動音場補正も行えます。音場補正でフラットにした上に手動のイコライザ調整を重ねるといった使い方もできるようですから、ほぼFrieve Audioと同じ事ができると考えて良いと思います。

グラフィック イコライザは31バンドしかありませんから、タップ数が最大で65,535まで設定できるFrieve Audioのように細かい補正はできませんが、音場補正の目的であれば十分かもしれません。

価格もお手頃ですので、リスニングルームにPCを持ち込む事に抵抗のある方は一度試されてみてはいかがでしょうか。ただしコネクタ類がオーディオ用に一般に使用されているものとは異なるので注意が必要かもしれません。操作系はかなり独特なので慣れが必要なようです。上に製品マニュアルへのリンクを貼ったので購入を検討される方はよく読んでみてください。

アナログ出力も備えているようですが、デジタルで出力して別体の高性能DACを使用した方が当然音質的に有利だと思うので、DACをお持ちでない方はDACへの出費も考慮に入れておく必要があります。

このDEQ2496をオーディオ用に愛用されている方のブログとしてはlikeさんのAudio Likeが参考になると思います。是非ご一読をお薦めします。
ブログAudio Likeはコチラ

このような装置を信号経路に挿入する事を嫌われる方は多いと思いますが、部屋の音響特性をもろに被った音を「高音質?」で聴くのと、「音質」に微小な劣化はあってもそれらを補正して自然な音響特性で聴くのと、どっちが「自分にとって」「音楽を楽しむ」上で重要かを冷静に判断する必要があります。オーディオに限らず何でもそうですが、技術的に何かを改善すれば何かが悪化します。要は「トータル」で見て何が「自分にとってベスト」なのかを常に考える事が大切です。

技術とはすべからく妥協の産物です。様々に絡み合う要素を限られた周辺条件の中でバランス良く妥協しながら総合的にベストな結果が得られる一番シンプルなソリューションを見つける事が大切です。一部の要素だけに頑なに理想を追求しようとすると決して良いシステムはできません。全ての要素に理想を追求するといつまでたってもシステムが完成しないか、化け物のような非現実的なシステムになってしまいます。

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2009年03月10日 (火) | Edit |
このブログではデジタル信号処理による音場補正の有効性を紹介していますが、長年普通のオーディオ装置を愛用されてきた方にはPC上でマウスとキーボードを使用して音楽を再生したりイコライジング処理を行うのには抵抗があるかもしれません。

そんな方でも一度はご自分のリスニング位置の音響特性を簡単に測定してみてはいかがでしょうか。
もし特性が激しく凸凹している場合は、測定しながらスピーカーを移動したり、リスニング位置を変えたり、絨毯やカーテンで部屋の音響特性を改善したりすると結構大きな効果が得られるかもしれません。

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スピーカーからの距離による音響特性の変化(40cmと135cmの比較)
スピーカーから離れるにつれて部屋の音響特性の影響が強くなり特性は凸凹になります。


PCさえあれば測定はお金をかけずに簡単に行えます。
このブログをご自宅でご覧になっている方はコンピューターをお持ちだという事ですよね。であれば1000円くらいの安物のマイクを購入するだけで誰でも簡単に測定が行えます。

マイクはパソコン用の安物で十分です。
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ELECOM MS-STM54
定格 20~16,000kHz
1,312 YEN
先端の穴あきキャップとスポンジ状のフィルタを外して
ユニットむき出しの状態で使用しています。
いろいろな条件で測定してみてわかりましたが
20kHzまでほぼフラットな特性を持っているようです。
音場補正の目的であればこれで十分だと思います。
いたずらに高級なマイクを使用する必要はありません。

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コンピューターも高性能なものは必要ありません。
僕は性能的には現在最低クラスに相当するネットブック(EeePCとか)と同じAtomプロセッサを搭載したONKYO HDC-1Lという音楽用PCを使用していますが、問題無く測定も音場補正も行えます。

ソフトウェアも無料でダウンロードできます。
僕が愛用しているWAVファイル再生ソフトウェアFrieve Audioには音場補正ができないフリー(無料)版があります。フリー版は音場補正はできませんが、音響測定だけなら可能です。測定を行うにはASIOまたはASIO4ALLというサウンドドライバのインストールも必要となるので注意してください。
Frieve Audioのダウンロードサイトはコチラ

音響測定はPCに内蔵のサウンドデバイスを使用して行えます。
サウンドデバイスのフロントスピーカー出力(緑のジャック)またはヘッドフォン出力から「ステレオミニプラグ-RCAx2」ケーブルでアンプの入力へ接続します。もちろんマイクもPCのマイクロフォンジャック(ピンクのジャック)へ接続してください。

測定方法やASIO4ALLドライバの入手方法はこのブログのカテゴリ「Frieve Audioによる音場補正」内に詳しく記載していますのでそちらを見てください。
「補正結果の測定」以外はフリー版もシェアウェア版も操作方法は全く同じです。マイクロフォンについてもそこに書いてありますが、僕は1000円くらいの安物をちょっと改造して使っています。それで十分。

もしFrieve Audioを本格的に音楽再生に使用したいとお考えであれば、音場補正が可能なシェアウェア版(M-Class: 3,200円)を強く推奨します。それと外付けのDACも必要です。PC内蔵のサウンドデバイスは音質的にはかなり劣りますから。

Frieve Audioの本来の用途はWAVファイルの再生であり音響測定は補助的な機能ですが、スピーカーの音響測定用に専用設計された「MySpeaker」というソフトウェアも無料で入手可能です。
MySpeakerのダウンロードサイトはコチラ
MySpeakerはスピーカーの詳細な性能測定が行える多機能な測定ソフトウェアです。もちろんリスニング位置の測定にも使用可能です。僕は使った事がありませんが、なかなか良くできていそうです。興味のある方はどうぞ。

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2009年02月27日 (金) | Edit |
通常はリスニング位置の音場しか測定しないのですが、今回は場所と距離を変えて測定してみました。

現在の標準的なリスニング位置を始めて正確に計ってみたのですが、左右のスピーカー間の中心距離が85cm、スピーカーからリスニング位置までの距離も左右のスピーカーの中心から約85cmで、ちょうど正三角形に近い教科書通りの配置になっていました。スピーカーは約15°だけ内側に向けているので、軸上から約15°ずれた位置で聴いている事になります。部屋はマンションの5.5畳なので、かなり狭いです。

下図はスピーカーをデスクの前端に置いて、中心軸上約20cmの距離で測定した結果です。ほぼスピーカーの素の特性と考えて良いと思います。今回の測定は全てサブウーハーと音場補正をOFFにしています。
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200~800Hzに特性の落ち込みありますが、20kHzまでほぼフラットな特性が得られています(マイクの定格は16kHzまで)。スピーカーには例のノーチラス尻尾を付けているので、100Hz以下は約12dB/octで綺麗に減衰する典型的な密閉型の特性を示しています。

これを基準に、通常のリスニング位置と、もっと離れた位置での周波数特性を比較してみました。

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下が標準的リスニング位置の特性です。スピーカーはテーブル前端ではなく通常通り奥の方に置いています。従ってテーブルトップと背面の壁からの反射を受けると考えられます。
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50Hzのピークと75Hzの落ち込み、および1kHz以上の領域の凸凹が目立ちます。また、軸上から約15°ずれているために10kHz以上の高域が減衰しています。この位置では200~800Hzの落ち込みはありません。

次にスピーカーを再びテーブル前端に置いて、軸上135cmの距離で測定したのが下の図です。
128.jpg
今度は40cmの結果と重ね合わせています。
75Hzがさらに酷く落ち込み、逆に50Hzのピークはレベルが増加しています。200~800Hzではいくつかのピーク/ディップが見られます。部屋が狭いとはいえ、たかだか1mちょっと離れただけでこのように大きく変化するとは予想していませんでした。距離が増えるとS/Nの低下によって細かいピークの振幅が増えますが、高域側は平均的なラインで見る限りほとんど重なっています。標準リスニング位置のような高域の凸凹も見られません。距離が離れてもスピーカーの真正面で聴く限り高音はそのまま耳に届くと言って良いと思います。

<注意>
アンプのボリュームは全て一定で測定しています。従ってマイクの入力レベルは距離が増えるほで低下します。しかしFrieve Audioは縦軸の0dB位置を信号レベルに合わせて自動調整するため、全体的な音圧レベルの違いはグラフには現れませんが、距離が離れるとS/Nが低下するのでヒゲ状の細かいピークが目立つようになります。ですからグラフの細かいギザギザは気にせずに見てください。今度やるときはマイク入力がほぼ同一となるようにアンプ側で調整した方が良いかも知れません。

このように、スピーカーから出る音の特性がフラットであっても、実際のリスニング位置の特性は部屋の影響を受けて激しく変化します。 一度でも音場補正でフラットな特性の音を聴くと、もう以前の音は聴けなくなります。如何に今まで癖のある音を聴いていたかが身にしみて分かるはずです。

しかし極端に強い反射の影響は音場補正でも補正しきれないでしょうし、また無理矢理補正したとしても正しい結果が得られるとは思えません。多くのベテラン オーディオ マニアが口を酸っぱくして言うように、高級なオーディオセットを購入する以前に部屋の音響特性を整える事が重要であると言えます。

ただしそれも専用のリスニングルームがあればそれ相応の吸音対策もできるでしょうが、一般のリビングルームでは限界がありますし費用もかさみます。これに対して今回の結果を見れば明白ですが、スピーカーに近づいて聴く事が最も簡単で効果的な対策であることがお分かりいただけると思います。

スピーカーに近づく事によって直接音に対する反射音の比率が下がって周波数特性がフラットに近づくだけでなく、同一音圧を得るのに必要なアンプ出力も下がり、従ってスピーカーの振幅も下げられます。音場補正の量も最小限に抑えられます。これらは音質的にも装置コスト的にも有利な方向に働きます。音が拡散する前に耳に届くため小さなスピーカーでも低音が聴き取りやすくなります(究極のニアフィールドリスニング装置であるカナル型イヤフォンがあのように小さなダイアフラムで超低音を再生している事を考えてください)。サブウーハーも近接して聴く限り極めて小さな出力でダイレクト感のある低音が得られます。
装置を大きくして離れて聴くと上記の利点が全て反対に働きます。

本当に快適かつ経済的に音楽を楽しみたいのであれば、
是非 ニアフィールドリスニング + 音場補正 を試してみてください。

これが僕の提案する LEAN AUDIOです。

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