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2011年04月23日 (土) | Edit |
前の記事からの続きです。

今回は小型密閉型スピーカーに密閉型サブウーハーをアドオンする場合の調整方法について書いてみます。

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13cmウーハー(3L密閉箱)にチャンデバ(Behringer SuperXーPro)の各種ローパスフィルタを適用した時の特性です。ウーハーに近接して測定しました。フィルタをかけない素の特性では100Hz以上がフラット、100Hz以下が約-12dB/Octでロールオフしています(密閉型の典型的特性)。図には3種類のフィルタ設定で測定した特性を重ねています。チャンデバの目盛りに従うカットオフ周波数は、下からそれぞれ44Hz(下限)、60Hz、120Hzです。このチャンデバは-24dB/Octのフィルタ特性を持つため、最終的な音響出力の減衰特性はロールオフ領域(100Hz以下)で約-12dB/Oct、フラット領域(100Hz以上)で-24dB/Octとなります。図中のピンクの直線は-12dB/Octと-24dB/Octの傾きを示しています。一般的に、アドオン方式(メイン側にハイパスをかけずにサブウーハーを追加するだけの方式)では、サブウーハーの分担帯域は100Hz以下となります。従って特性がフラットな領域はほとんど使用されません。

チャンデバのカットオフを60Hzに設定してAlpair5を重ねると下図のようになります。
741.jpg
Alpair5も密閉型(1L)なので、これも約-12dB/Octでロールオフしています(ピンクの直線)。太い黒の水平線は全帯域の平均レベルです。このレベルから-6dBでクロスさせると、全体的にほぼフラットな特性が得られます。これにより30Hzで-6dB以上という十分な低域特性を得る事ができます。ここで注意が必要なのは、フィルタの公称カットオフ周波数と実際のクロスオーバー周波数は一致しないという事です。この例では、フィルタのカットオフ=60Hzに対して実際のクロス周波数は約100Hzとなっています。これは元々の特性がフラットではなく右上がりである事に起因します。

このクロス点はメインスピーカーのロールオフ特性(-6dB点)によって決まります。従ってメインスピーカーの径を大きくすると、クロス点は徐々に低周波側へ移動します。その場合、チャンデバのカットオフ設定を少し下げる必要があります。結果として、システム全体の特性も少し低域側に伸びます。

では、Alpair5を使用してチャンデバのカットオフをもっと下げれば、低域をもっと延ばす事ができるか?というと、そうは問屋が卸しません。下図はカットオフをこのチャンデバの下限である44Hzに設定した場合を示しています。
743.jpg
-6dB点でクロスさせようとすると、低音が出すぎてしまいます。そこでサブウーハーのレベルを下げると、クロス領域で谷ができてしまいます。逆にカットオフを上げた場合は低音レベルが下がってしまうか、低音レベルを合わせると、クロス領域が盛り上がります。

すなわち、厳密に言えば、ベストなカットオフ周波数は、メイン側スピーカーの-6dB点の周波数によって完全に決まり、選択の余地はないという事です。サブウーハーの調整を行う際は、2つのパラメータメータ(カットオフ周波数と出力レベル)を調整しながら、このベスト状態を見つけ出す必要があります。3"(8cm)から4"(10cm)の密閉型スピーカーに24dB/Octのフィルタを備えた密閉型サブウーハーをアドオンする場合、フィルタのカットオフ周波数は50~60Hzで概ね良好な結果が得られると思います。

下図が実際に使用している状態の特性です。カットオフは60Hzです。
742.jpg
離れて測定しているので部屋やデスクトップの影響が出ています。ピンクのラインは基準となる12dB/Octの傾きを示しています。

基本的にアドオン方式は、特に大型バスレフ型スピーカーのように低域が100Hz以下までフラットに伸びたスピーカーには適さないと思われます。そのようなスピーカーでは、メイン側にハイパス(ローカット)を適用する必要があるかもしれません。

以上、ハチマルのサブウーハー設定方法と理論をご紹介しました。これからサブウーハーの導入をお考えの方はご参考にしてください。

追記
しかし、100Hz以下の低音は部屋の影響をモロに受けます。ハチマルはニアフィールドで使用しているので、ほぼ上記の理論通りに設定できますが、離れて聞く場合には部屋の影響を激しく受けます。この場合何よりも重要なのは、まずサブウーハーのベストな設置位置を見つける事です。細かい調整を始める前に、リスニング位置で測定しながらベストな設置位置を見つける必要があります。基本的には、リスナーから3つのSPまでの距離が等距離になる位置、できれば左右SPの間にサブウーハーを設置するのが良いとされています。また、100Hz以下の低音は定位感に影響しないため、位置的にはかなり自由度があるとも言われます。

別のアプローチとして、メインSPとサブをとりあえず近付けて設置して、近接音を測定しながら上記のように精密に調整し、その後でサブの設置位置を決めて微調整する事も可能かもしれません。ハチマルのようにバイアンプ駆動のパワードウーハーを左右に設置する場合は、この方法が良いかもしれません。

追記2
前記事のFOSTEX GX100(密閉改造) + CW200Aの組み合わせの場合、サブを2台買って、左右のSPスタンドの上に重ねて設置すれば、バイアンプ駆動のステレオシステムと同じ事になります。低音を2台で分担するので振幅も下がり、音質的にも有利でしょう。サブの入力にはアンプからのSP出力をパラで接続すれば簡単です。この場合、近接測定で左右それぞれを完璧にフラットに調整してしまえば、普通のステレオSPの設置と同じ事になります。最終的にリスニング位置で測定して、サブのレベルをRとL別々に微調整すれば、部屋の影響もある程度修正できます。

追記3
13cmウーハー(3L密閉)の-6dB点は約60Hzまで下がる。従って13cm径のドライバをメインスピーカーに使用する場合、フィルタのカットオフも相応に下げねばならず(概ね40Hz)、装置の調整可能範囲でうまく設定できるかどうかが問題になってくる。このため、20cm程度の小型サブに組み合わせるには8cm~10cmクラスがベストであろう。そもそも、サブを使うと決めた時点で、メイン側の特性を100Hz以下に延ばす必要性はなくなる。余程の大音量が必要でない限り、メイン側には10cmを超えるドライバは不要と思われる。また、同様の理由により、メイン側のボックスには小容積の密閉型が適する。低域を延ばすための機構(バスレフポート、大容積)は邪魔にしかならない。

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2011年04月22日 (金) | Edit |
前の記事からの続きです。

FOSTEXのGX100は10cmウーハーの2ウェイSPですが、コンパクトでデザインも良いため、なかなか魅力的な製品だと思います。こいつを前記事の密閉型サブウーハーCW200Aと組み合わせると良い感じかもしれません。部屋が大きければCW200Aを左右に使うか、あるいは25cm径のCW250Aを使用しても良いかもしれません。
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737.jpg
ポートの共鳴周波数は約70Hz。それ以下は出力が急激に低下する典型的なバスレフ型の特性です。交響曲を楽しむには明らかに低音不足。ジャズでもこれでは物足りないでしょう。こいつの低音をサブウーハーで補おうというのが今回の眼目です。

で、問題となるのがGX100はバスレフ型であるという事。

何が問題かというと、
バスレフ型の場合、共鳴点の前後でポート音の位相が大きく変化し、共鳴点より下の周波数では位相が振動板と完全に逆転してしまいます。従ってサブウーハーをメインSPと同相で接続すると、共鳴点以下の周波数領域ではポート音がサブウーハーの音を弱めます。では、というので逆相で接続すると、今度は振動板どうしで音を弱めあいます。ややこしい。。また、周波数特性がフラット状態から突然ストンと落ちるというのも、自然なクロスオーバーを難しくします。つまり、バスレフ型スピーカーをサブウーハーとうまく繋げようとすると、非常に急峻なローパスフィルタが必要になるという事です。

この点、密閉型SPは12dB/Octで緩やかに減衰するため、苦労なく自然な繋がりを得る事ができます。FOSTEXの密閉型サブウーハーでは、ローパスの減衰特性を12dB/Octに設定しているそうです。これはフィルタ回路そのものの特性値ではなく、最終的な音響出力の減衰特性を指すものと思われます。以前の記事で書きましたが、密閉型サブウーハーの特性は概ね右上がり約12dB/Octになるため、これに対して-24dB/Octのローパスフィルタをかける事によって、最終的な音響出力として-12dB/Octの傾きを得ていると思われます。だとすると、これはハチマルのパワードウーハー方式と全く同じですから、密閉型SPとは非常に良好に繋がるはずです。

そもそもサブウーハーで低音を増強するわけですから、その時点でメインSP側にバスレフによる低音増強効果は不要となります。というかバスレフ効果は上記の理由で逆に邪魔にしかなりません。ですから、ハチマルであれば迷わずGX100のポートに粘土を詰めて密閉型にした上でサブウーハーと組み合わせます(幸い背面ポートなので見えない)。また必要に応じて吸音材を増やしてもよいかもしれません。

この組み合わせにより、少なくとも-6dB/30Hzの特性をバスレフポート無しで得る事ができます。これは同社の最上級機G2000 (-10dB/30Hz、バスレフ型、一本60マンエン)を上回る低域特性です。しかもよりコンパクトで経済的。GX100をお持ちの方、ドデスカ?

CW200Aは定価¥39,800(税抜き)、MFB付きのCW250Aは定価¥79,800(税抜き)と価格も極めてリーズナブル。キッチリ調整された密閉型パワードウーハーでしっかりと正確な低音が聞こえるようになると、音楽の楽しさが倍増する事うけあいですよ。ビシッとタイトなピチカートベース、ズシッとおもいバスドラ、そして交響曲のダイゴミ。。。お試しアレ。

追記
最初から密閉型の10cm 2Wayといえば逸品館さんのAirbow IMAGE11/KAI2が断然オススメ。ペアで ¥42,900!
詳しくはコチラ
738.jpg
サブウーハーをアドオンで組み合わせるなら、このクラスがベストでしょう。

追記2
ア。それとね。調整する時は必ず測定しましょうね。これ、サブウーハーを正しく使うための鉄則だと思います。経験からすると、測定できっちりとフラットになっていると間違いなく聴感上も違和感を覚えません。測定しながらでも最初は調整に苦労すると思います。ベストな状態が全くわからないのに、最初から聴感だけで調整するというのは無謀以外の何物でもありません。

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2011年04月21日 (木) | Edit |
3"フルレンジドライバを含む小型密閉型SPとの組み合わせに適しそうな小型のパワードサブウーハーとして、FOSTEXのCW200Aをご紹介。20cmサブを1本使用した場合、ハチマルの13cm2本方式よりも低音音量的には余裕があると思います。シアター用の馬鹿低音を求めないのであれば、もう一回り小さくても良いかもしれません。
735.jpg
メーカーサイトはコチラ

以下は本製品の商品説明からの抜粋です。
超高級モデル以外の従来のサブウーハーはバスレフによるLFE(低音効果音)の大音量再生を重視した設計であり、低音楽器の最低音域の表現は困難でした。CW200Aは密閉型キャビネット設計により、フルオーケストラの醍醐味のひとつである弱音で演奏される低音楽器のうなりや響きを再生できる音楽性 能と、シアターでのLFE再生の両立を目指しました。音楽が持っている楽しさ、感動を伝えるためには自然な低域の広がりが不可欠です。(ソノトーーリ。。。タケモトピアノ風に)

以下は本製品の上級グレードにあたるCW250Aの商品説明からの抜粋です。
独立したサブウーハーの最大の問題点は、群遅延時間の増加です。極端な例は、バスレフ型でジャズトリオを再生するとベースの演奏が後打ちに聞こえてしまうこともあり、興醒めしてしまいます。密閉型の遅延はバスレフ型の約半分になりますが、更なる改善にはMFBが有効です。本機は密閉型である上に60Hzにおいて24dBものMFBを掛けることにより更に改善しており、ベーシストがジャズを的確なテンポでしっかりと下支えしている快感が楽しめます(これもソノトーーーリ)

というように、ハチマルがこのブログで再三強調しているのと全く同じような事が書かれています。そこまで言いながら、何故通常のスピーカー向けには大型も含めてバスレフ型ばかりを作り続けるのか?このサブウーハーとの組み合わせに適した小型密閉型スピーカーをどうして作らないのか?フシギ。。。

追記1
MFBとは、モーショナル・フィード・バックの略であり、スピーカーコーンの振動速度を検出し、アンプ入力と比較する事によってコーンの動きを制御するフィードバック制御の事。ハチマルの場合、FrieveAudioの位相補正によってオープンループで同じような事をしている。その効果は下図をご覧ください。

バイアンプ駆動ウーハー方式での測定結果。ピチカートベース音。赤がCDのソース信号、青がマイクで拾った音響出力信号。
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遅延補正なし↑
564_20110421065445.jpg
遅延補正あり↑

MFB方式はリアルタイムで赤(アンプ信号)と青(音圧またはコーンの運動)を比較しながら、両者が一致するようにアンプのゲインを閉ループ制御する方式の事です。これに対しオープンループ方式は、事前に測定した遅延特性を基にフィードバックなしで固定的に補正する方式です。後者の方が精度的に劣る反面、フィードバック制御に伴う複雑な問題的挙動を伴わないという利点があります。FrieveAudioを使用した経験から、この種のアプリケーションではオープンループ方式で十分ではないかと思います。なんにもしなくてもバスレフ方式よりはずっとマシですし。

追記2
ハチマルは以前から、ジャズ等では30Hzまでの再生の必要性をさほど感じないが、交響曲を聴く時には30Hzまでフラットだと嬉しく感じると書いてきました。それはFOSTEX言うところの「フルオーケストラの醍醐味のひとつである弱音で演奏される低音楽器のうなりや響きを再生できる音楽性能」というやつなのかもしれません。ダイゴミだったのね。。。50Hz以下の信号レベルは高くないのですが、これが聞こえると交響曲を聴く楽しみがグッと増すような気がするのですよ。ハチマルは。もともとはカナル型イヤフォンで聞いて気が付いたんですけどね(しかも携帯電話で再生)。

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2010年05月23日 (日) | Edit |
新システムでは約100Hz以下だけをウーハーに受け持たせています。今日はその基本的な考え方について書いてみます。

「フルレンジ スピーカー1本で全域を再生するのが理想」、これは誰もが認めている事だと思うのですが、その割には世の中あまりにも安直にマルチウェイ化しているような気がしてなりません。確かに、音域を区切って専用のユニットに受け持たせれば、個々の音域だけを見た場合のクオリティをフルレンジスピーカーより高める事はできるでしょうが、音楽というのは「低域ヨシ!」「中域ヨシ!」「高域ヨシ!」てな具合に聴くものではなく、全体のハーモニーをひとかたまりで感じるものだと思います。

275_20100523124044.jpg
例えばピアノは27.5Hz~約4.2kHzの音階をカバーしますが、その音階が途中から位置と形状さらに材質まで違う振動板から発せられるというのは、僕のエンジニア的センスからすると、最優先で回避したくなる問題です。特定音域の音質の優劣よりも、全域の調和を重視する事の方が、音楽を自然に聴く上では大切だと思うのです。僕がMarkaudio(マークさん)を高く評価するのは、スピーカー エンジニアであれば最優先で取り組むべきフルレンジドライバーの可能性の拡大に果敢に取り組んでいるからです。

以前テレビで見たのですが、音楽学校の学生さんにブラインドで2種類のスピーカーと生演奏を比較試聴してもらい、どちらのスピーカーの方が自然に聞こえるかを評価してもらうという企画がありました。この時のスピーカーは、フルレンジを使用したもの(例のスピーカーが上向きに付いた筒状のタイムドメインと呼ばれるやつ)と4Wayくらいありそうな超大型のシステム(多分この世界では有名なビルダーさんの製作によるもの)でした。結果は(テレビの企画の狙い通り)、どうみても安物の前者がかなりの差を付けて高い評価を得るという(意外な!と視聴者に思わせる)ものでした。まあテレビの企画なので話半分に見るとしても、十分にあり得る結果だと思います。オーヂオ病に冒されていない普通に音楽を聴く人々は、「高域よし!」なんて指さし呼称するような聴き方はせずに、全体の印象で評価するでしょうから。「オーディオ装置とは音楽を聴くための装置である」はずなのに、いつのまにか「装置の音を聞くための装置」になってしまうのがオーヂオ趣味のアブナイなところ。

と、前置きが長くなりました。

小径フルレンジ1発による全音域再生を実現する1つの方法として、僕はこれまでデジタルイコライザによる超極端な低域ブーストを試み、ニアフィールド リスニングによる小音量再生という前提であれば、一部の楽曲を除いて十分に実用になる事を確認しました。今回の新システムでは、前システムの限界(絶対音量、許容低域信号レベル)を拡大する事を目的に、フルレンジスピーカーの低域を最小限にサポートするシステムの構築を試みました。

一般的に100Hz以下の信号は、楽器の音色やステレオの定位にあまり影響せず、低音楽器の音色や定位は100Hz以上の倍音成分によって大きく支配されると言われます。このため、一般的な2Wayスピーカーに比べると極端に低い100Hzクロスオーバーを一応の目標としました。これによって、音楽の音色に強く影響する100Hz以上の全域をフルレンジスピーカー1本に受け持たせる事ができます。
272_20100523124539.jpg
ウッドベースのスペクトル。基音(音階)は43.6Hzですが、100Hz以上に倍音がどっさりと含まれます。

事前のスタディとして、音楽の中で100Hzの位置付けを実感するために、FrieveAudioのデジタルイコライザを用いて各種のフィルタ設定で音楽を聴いてみました。今回のその中の1例をご紹介します。

録音の方法
1. FrieveAudioによる例の馬鹿ブーストを使用して、Alpair5 1本で30Hzまでフラットに再生できるようにイコライザを設定する。
2. FrieveAudioで各種のフィルタを設定して音楽を再生する(R/L信号をミックスし、R側スピーカのみでモノラル再生)。
3. マイクロフォンをスピーカー前方約20cmの位置に置いて、別のPCで録音する(44.1kHz/16bit、WAV)。
4. ブログに添付するためにMP3フォーマットにエンコードする(256kb)。

515.jpg
再生時のAlpair5 1発のf特です(おなじみの30Hzフラット)

516.jpg
フィルタ設定の一例(図では200Hz~5kHzのバンドパスを設定しています)

以下にMP3ファイルを添付します。(ファイルが大きすぎてアップできませんでした)

コチラの記事に掲載しました。ご試聴ください。

次回は新システムでの測定データをお見せします。

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2009年03月12日 (木) | Edit |
今度は2.1chシステム(サブウーハー)の優位性を計算で検証してみます。
200Hz以下の領域だけに注目してください。

前の記事「ニアフィールドリスニングの優位性を計算で検証する」と「定在波計算ソフトウェアを使用してみる」をまだ読まれていない方は、そちらを先に読んでください。
162a_20090807205550.jpg
これが基準状態です。すなわち大型ウーハーを持つフルサイズのステレオ スピーカーを設置した状態です。この状態では70Hzに激しいディップが予測されます。

一般的な家庭のオーディオルームのサイズでは、100Hz以下の帯域の波長は部屋のサイズに対して同等以上となるため、サブウーハーはどこに置いても音源の定位に影響を与えないとされ、低音楽器の定位と音色はメインスピーカーから発せられる倍音によって支配されると言われています。これが正しいとするならば、メインスピーカーには100Hz以上の領域だけを持たせて、100Hz以下を担当するサブウーハーはリスニング位置の周波数特性がベストになる適当な位置に設置する事ができます。

一般的にサブウーハーとメインスピーカーはリスナーを中心とする同一円周上に配置する事が推奨されます。これはリスナーから各スピーカーへの距離を等しくする事によって音の位相(遅延)を揃える事ができるためです。

これに従ってベストなサブウーハーの位置を探ると下図のようになります。
166_20090807205630.jpg
右側のスピーカー()をサブウーハーと見立てて、リスナーから等距離を保ちつつベストな位置を探りました。この位置では極めてフラットな低域特性が得られます。メインスピーカーのウーハーを取り去って100Hz以下の出力を減衰させれば、リスナー位置の70Hzディップはほとんど無くなるはずです。

さらに、デジタル信号処理を使用してサブウーハーの出力を自由に遅延させる事ができれば、サブウーハーをリスナーへ近づける事ができます。この場合サブウーハーの音はメインスピーカーより早く到達しますが、その時間差をデジタル信号処理で補正するわけです。
167_20090807205713.jpg
低域だけニアフィールドリスニングとなり、当然ですが極めて理想的な低域特性が得られます。サブウーハーの位置はリスナーのすぐ近くであれば前後左右は問いません。

非常に重要な事は、サブウーハーを使用する場合はメインスピーカー側の低域出力は全く不要だという事です。3箇所から発せられる低音が複雑に干渉してエライ事になると思われます。ですから低域に優れる大型ステレオ スピーカーとサブウーハーを組み合わせても良好な結果が得られるとは思えません。メインスピーカーには口径8cm~10cmのフルレンジまたは2wayが適すると言えます。当然ですが低音増強を一切行わない密閉型が理想的なのは言うまでもありません。

このブログでたびたび紹介しているALPAIR 5という8cmフルレンジスピーカー(というよりは超広帯域ツイーター)は、正にこのようなシステムのために開発されたユニットであると言えます。
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2009年03月06日 (金) | Edit |
僕のLEAN AUDIOコンセプトに似たコンセプトを持つスタジオモニタースピーカー システムを見つけました。Blue Skyというプロ用のオーディオ ブランドですが、多分アメリカの会社ではないかと思います。

156.jpg
Blue Sky Media Disk
これは同社の中で最も小型のシステム
価格は約9.5万円

<メーカーの説明>
Media DeskはデスクトップDAWシステムのためにデザインされています。
コンパクトなサテライトスピーカーはCRTモニターの脇に置くのに最適です。
サブウーハーはデスク下のスペースにちょうど良い大きさです。
自宅スタジオやプロジェクトスタジオなどのアプリケーションで活躍します。

<仕様概略>
メインスピーカー: 10cm 2way 密閉型 110Hz~20kHz(±3dB)
サブウーハー: 20cm 密閉型 35Hz~110Hz(±3dB)
取り扱い: セカンドスタッフ

< LEAN AUDIOとの比較 >
○ サブウーハーの設置場所
Blue Sky: 部屋の音響特性に合わせてピーク/ディップの出にくい設置場所(床面等)を選択
LEAN AUDIO: 低音といえども直接音を主体とするためにデスクトップに設置

○ 特性の調整
Blue Sky: 
サブウーハーの設置場所を選択した後にボリュームと位相(正相/逆相)を調整
LEAN AUDIO: 
ボリュームと正相/逆相を調整した上でFrieve Audio音場補正で位相/周波数特性をフラット化

○ メインスピーカー
Blue Sky: 10cm 2way 密閉型
LEAN AUDIO: 8cmフルレンジ 擬似的密閉型(超ロングダクト)

Blue Skyは床面や机の下への設置を薦めています。僕もサブウーハー導入時は床面に置いてみましたが、デスクトップに設置した方が低音のダイレクト感が圧倒的に優れます。その理由として下記が考えられます。
------------
サブウーハーをデスクトップに置く利点は、サブウーハー設置面の高さ(すなわち反射面)を耳の高さに近づけられる点にあります(床面よりデスクトップ面の方が耳に近い)。つまり、リスニング位置においてはサブウーハーからの直接音と、耳のすぐ近くにあるデスクトップ面からの1発目の反射音が支配的となり、効率良く低音が耳に届くため、サブウーハーのボリュームを下げる事ができます。この原理によりリスニング位置における部屋の反射の影響を極めて低く抑える事ができるわけです。実際に測定した特性を見ても、100Hz以下に顕著な部屋の影響を見る事はできません。さらに、サブウーハーのすぐ横に置いてあるディスプレイからの反射も相当有効に働いていると考えられます。このようにして得られる超低音は極めてダイレクト感の高いものとなります。
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----------以下はメーカーサイトからの抜粋です(赤字はブログ著者)----------

2.1システムの優位性と100Hz以下の音の特性

2本のステレオペアに低域専用のスピーカーを1本追加した2.1と呼ばれるフルレンジシステムは、大口径のウーハーが組み込まれた通常のラージモニターに対して多くのアドバンテージをもっています。特に100Hz以下の音の特性を正しく理解することにより製品選びや使い方を一層高度な領域で認識できるようになります。

通常サブウーハーは2本のメインスピーカーに対して1本のみシステムアップされます。人間の聴覚は150Hz以下の超低域に対しては方向感覚を認識できませんので、ミキシング上のステレオ定位やスピーカーの配置には関係なくメインスピーカーと同じ数を用意する必要がありません。低音楽器のみが再生された場合でもメインスピーカーから聴こえる楽器の倍音成分が音の方向情報を先に認識させ、人間の脳はセパレートに配置されたサブウーハーから超低域が放射されていることには気付かずに、あたかもメインスピーカーから全ての帯域が発せられているように聴こえるのです。この帯域を受け持つサブウーハーはどの場所においても問題ありませんのでまさにこの特徴をどのように生かすかがセッティング上の大きなポイントになります。

サブウーハーからの超低域はあたかもメインスピーカーから発せられているように聴こえる。

そのセッティングを生かすためのルームアコースティックのことについて解説します。
100Hz以下の音の特性はスピーカーからの直接音ではなく部屋のレスポンスに起因する定在波に完全に支配されています。どんなに優れた特性のスタジオでも2つの壁の間や天井と床との間などに起こる定在波は特定の周波数にピークを持たせ、または打ち消し合いを発生させ、正しい周波数レスポンスを不可能にしてしまいます。スピーカーを部屋のコーナーなどに置くと低音が不必要にブーストされたり置き場所によってピークディップの特定周波数は変化しますのでその部屋の癖に合わせた配置を考慮しなければなりませんが、通常はステレオ定位の為と周辺機器の置き方によってメインスピーカーの配置はある程度決定されてしまうものです。
サブウーハーによってこのデリケートな帯域をセパレートさせることによりメインスピーカーは定在波の影響が多い周波数を受け持つ必要がなくなります。そして、たった1本のベースボックスのマネージメントに集中することで「限定された配置による低域のみだれ」から解放されることが出来るのです。

メインスピーカーからの低域の分離はさらに優位な点があります。通常のフルレンジ小型スピーカーは低域を補うためにバスレフポートやパッシブラジエーター型のデザインを採用しボトムエンドまでのワイドレンジ化がされますが、それと同時に正確なトランジェントを妨げ正しくない低域をも再生してしまいます。ブルースカイの場合には完全な密閉型デザインを採用しています。無理な低域を出す必要がなくなり、結果、中~高域までパフォーマンスの高い設計が出来るようになり、全体的な周波数レスポンスを大きく向上させられます。箱のサイズを小さくできることは当然ですが、メインスピーカーの受け持つ帯域が整理されることにより全帯域に渡る高解像度なサウンドを得ることに成功しています。

つぎに左右スピーカー間の音の干渉について考えてみたいと思います。
ラージモニターの場合には左右各々のスピーカーから同じように低域成分が発せられます。2箇所から発生した音の波が1箇所に到達するとそこから波が干渉し合い、位相ずれによるピークやディップが出来ます。特に低音の場合には波長が長いゆえ干渉が大きく、明確にピークスポット、ディップスポットが現われますが、2.1の場合には低域成分の発生するポイントが1箇所のみなので、このような到達距離の違いによる干渉が発生しません。

低域成分が1箇所から発せられるので干渉による位相ずれが起らない。

さらにラージスピーカーの場合には縦方向に大口径のユニットが並び、ニアーフィールドでの使用では低音~高音の定位が分散されてよくありません。つまり、スピーカーまでの距離が近い場合には出来るだけコンパクトなユニットの配置が都合よく、メインスピーカーの箱サイズを小さくできる2.1システムは正しい定位とボトムエンドまでの真のフルレンジを両立できる唯一の手段でもあります。
ニアーフィールドでの使用では直接音がエンジニアまですぐに届き、部屋の影響も受けにくいので、セッティングのしやすさ、ユーザーフレンドリーな特徴も独自の利点であります。

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2009年02月15日 (日) | Edit |
今回は、サブウーハー導入のきっかけとなった2つのオーディオ関連サイトを紹介します。

現時点の科学の範疇では理解不能な理論が飛び交う不思議の国のオーディオの世界にあって、これから紹介するサイトは、信頼性の高い論理的に納得のゆく情報が得られる貴重なサイトです。今後もたびたび引用する事になると思います。

僕はこの2つのサイトを読んでサブウーハーの導入を真剣に考え始めました。

加銅のオーディオルームへようこそ
オーディオコンサルタント加銅鉄平氏のサイトです。セミナーふうになっていて、僕を含めてオーディオ初心者にはすごく勉強になります。
加銅氏は特にクラシックにおける20Hzまでの低音再生能力の重要性を繰り返し熱く力説されます。そのためには大径ウーハーが必要であるとし、昨今の安易なトールボーイ化に対しては批判的です。僕もイヤホンで交響曲を聴いて低音再生の重要性に気づき始めていたので大いに納得。これが「サブウーハー導入のきっかけ - その1」となりました。

オーディオの科学
理科系の大学教授を退官された筋金入りオーディオ愛好家の方のサイトです。
冷徹な科学的観点に基づいて「オーディオ」にまつわる様々な現象を物理的/技術的に解説してくれます。技術屋上がりの僕には一番理解しやすいサイトです。

サイトの冒頭に「オーディオにロマンを求める人は読まない方がいいかもしれません」と書かれている通り、電線病系あるいは半オカルト(ちょっと現代科学からはみ出し)系の方々は反感を持たれるかも知れません。

この方も最近のスピーカーの低音不足を指摘され、市販されている内外の中高級スピーカーの一覧表を作成して、100万円を超えるスピーカーでも30Hzをまともに再生可能なスピーカーがほとんど存在しない事を示されています。そして、この方の結論はサブウーハーの活用です。無いことを嘆くのではなく、有るもので何とかしようという技術者的な現実的アプローチに共感を覚えます。実際にYAMAHA製のサブウーハーを愛用され、ピュア系オーディオマニアには敬遠されがちなサブウーハーの有効性を説かれています(→サブウーファーの薦め)。これが「サブウーハー導入のきっかけ - その2」となりました。

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