FC2ブログ
2011年09月12日 (月) | Edit |
六本木工学研究所製の13cmアルミコーン スピーカーYS137A-PSCの使用を断念する事にしました。音調と外観は凄く気に言っていたので残念です。最近は「断念」バカリ。。今回は、そのへんの経緯を。

まずは、製品不良と思われる現象がありました。
暫く慣らして、徐々に音量を上げていったところ、ロンさんのベースソロで「ビリビリ」と明らかに異常音といえる音が出ました。このCDはロンさんの比較的新しい作品で、ベースの録音レベルが非常に高いのでチェック用に重宝しています。

そこで、曲を流したままドライバを箱から取り外してみましたが、ビビリは収まりません。すなわち箱のせいではないという事です。ドナイヤチューネンとぼやきながら、音を出したままドライバーを色々な角度から観察していると、時々ビビリが出なくなります。ナンデヤネンといろいろ試してみたところ、ドライバーを元の取り付け状態から180度回転させる(すなわち上下逆に取り付ける)とビビリは完全に収まる事が分かりました。ハハーン、これはボビンの偏心やね、と思って正面から見ると案の定。。。
偏心
見た目も明らかに偏心しています。つまり、取り付け方向によってコイル+振動板にかかる重力の方向が変わり、製造時の偏心を相殺したり増長したりすると言う事です。こりゃ絶対返品もんやね。。と思いながらも、上下逆さまに取り付けて暫く様子を見ることにしました。

そのまま使用を続け、最初は控えていたボリュームをだんだんと上げていくと、低音大入力に対するタフネス(音が破綻しはじめるアンプ ボリューム位置、上記のビビリ音とは異なる)がやたらと低い事が分かってきました。Alpair 6M 2本よりもタフネスが低い感じです。振動板がデカイのにそんなはずは無かろうと怪訝に思いながら観察していると、振動板がやたらと動きます(密閉箱の空気バネが効いていない感じ)。さらにバスドラがズドンと入ると「シュッ」と空気が漏れるような音がします。これは以前ケロで経験したボックスのエア漏れと同じような症状です(その時はケロの高さ調整式ゴム脚を付け忘れてボルト穴が明いていた)。

そこでハタと気付きました。フェイズプラグです。以前、フェイズプラグ付きのドライバの気密性に関して疑問に思った事があります。そこで、サブウーハーボックスの横に粘土で埋めた直径6mmの穴(Alpair5 取り付け用の穴)があるので、そこからカメラ用の大型ブロアで空気をブシュッと送り込んだところ、振動板はポコッと前進した後すぐに元に戻ってしまいました。明らかにエア漏れやん。。念のためPPコーンウーハーに交換して同じ実験をしたところ、振動板はゆっくりと元に戻ります(ブロワから少しエアが漏れるため)。これで原因は明らかになりました。LEANAUDIO方式ではボックスの気密性が極めて重要なのです。

下に一般的なセンターキャップ付きとフェイズプラグ付きのドライバの模式断面図を示します。
スピーカー断面 copy
左がセンターキャップ型(Alpair等)、右がフェイズプラグ型のYS137A-PSCの断面図です。このドライバはスパイダ(ダンパ)背面室にもスリットが開けられ、さらにスパイダにも穴が4箇所開けられた、やたら風通しの良い構造となっています。
863.jpg
862.jpg

このような構造では、ボックス内の空気はコイルボビンの小さなギャップからたやすく漏れてしまいます。恐らく、バスレフ型や十分な容積を持つ密閉型であれば問題ないのでしょうが、極小の密閉箱を使用して信号ブーストまたは別アンプでガシガシ駆動する極悪非道のLEANAUDIO方式では、このエア漏れが無視できなくなるという事です(設計時の想定外ということ)。問題のスリットをポリパテで塞ぎ、スパイダの穴も紙か布で塞ぎ、さらにコイルギャップ部に磁性流体を注入すれば、気密性は上がると思います。あるいはフェイズプラグ(多分接着されている)をなんとか引っこ抜いてセンターキャップを自作する手もあります(この場合、特性によってはフルレンジとしての使用を諦める必要があるかも)。しかし、そこまでやる気にはちょっと。。。

一方、Alpair等のセンターキャップ型では、内部構造がどうあれ、振動板前後の気密性は完璧に保たれます。

フェイズプラグ付きのドライバであっても、スパイダ背面室にエア抜きスリットがなく、かつスパイダにも穴が明いていなければ、エア漏れはかなり改善されると思われます。ただし、最近の向こうが透けて見えるほど薄い軽量のスパイダ(多分布製)にどの程度の気密性を期待できるのかは不明です。

フェイズプラグの換わりにツイータを取り付けたコアキシャル型ドライバでも構造は基本的に同じであると考えられます。気密性が極めて重要となるLEANAUDIO方式では、このようなタイプのドライバを選択する際に注意が必要だと言えます。ひとつ勉強になりました。。。

YS137A-PSCの音質面では不満はありません。PPコーンでは「ドンッ」という音が「バンッ」気味に聞こえるので今ひとつ好きにはなれないのですが、そのへんも改善されました(ちなみにペーパーコーンのAlpair 6PとPPコーンウーハーは相性が良かった)。また、フルレンジとしても、ハチマル好みのナチュラルな音調であり十分使用に耐えると思います(まあ、ハチマル基準ですが)。外観も非常に高級感があります(特に問題の樹脂製フェイズプラグの仕上げが美しい)。

ご参考までにYS137A-PSCのデータを掲載します。
下は製品に添付されていた特性グラフです。
860.jpg
20kHzまでレスポンスを維持しますが、7kHz付近に強いピークが見られます。このような特性はパークオーディオ製のアルミコーン ウーハーとそっくりです。

下はリスニング位置での測定結果です。
859.jpg
赤がYS137A-PSC、青がAlpair 6Mです。YSは公称値通り12kHzまでほぼフラットに伸びていますが、やはり7kHz付近にピークが見られます。そのまま聴いてみましたが、特に気になる事はありませんでした。気になるようであればFrieve Audioでピークを消す事もできます。低域は、容積が2.5Lと極端に小さい事もありますが、Alpair 6Mとほとんど同等しか出ていません。PPコーンウーハーでは3Lの箱でもっと低域が出ていましたので、上記のエア漏れの影響かもしれません(ドライバのフランジの締め付けが足りずにエア漏れがあると、やはり低域が低下した経験があります。)。結論として、この種のドライバを極端に小容積の密閉箱と組み合わせる場合注意が必要です(普通そんな事しないと思いますが)。

さて、ZAP君のサブウーハをどうするか? ですが、そのへんは次回に。とりあえずPPコーンに戻しました。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してますにほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2011年09月11日 (日) | Edit |
はい、という事でザップ君以外は全て撤収し、ザップ君を少し見栄え良くしました。ウーハーもちょっと高級なメタルコーンに交換。実はこのウーハー、フルレンジとしても十分に使用できます。これにより黒い新型ZAPは第3の戦闘モードを身に付け、ミュージック マシーンとしてさらに強化されたのである!シャキーン

こんな感じ
853.jpg
リスニング位置から。ウーハーにはメタルコーンのYSC Aoudio YS137A-PSCを使用。コイズミ無線ではフルレンジ スピーカとして売っています(1個4,560円、お試し特価中!)。黒とゴールドでシックな感じ?に仕上がりました。 失敗したところを隠すためにジャコのステッカーを作って貼りました。
857.jpg

854.jpg
百難隠すマットブラック仕上げ。強そうかも。。サブウーハーは4本のネジで本体にガッチリ固定しています。ウーハーが前に飛び出し過ぎですが、基本的に低音の位相は遅れ気味になるので問題なし。側面にステッカー「LEANAUDIO ZAP The Music Machine」を作って貼りました。
858.jpg

856.jpg
初公開。ポチのお尻です。同じポチ型ボックスを3個使っている事がよく分かります。残りの1個は既にケロ君に使用しました。無駄使い無し。。見えないところなのでターミナルの穴と背面バスレフポートの穴を粘土で埋めてガムテをペタ。

855.jpg
ユニット取り付け前。例によって吸音材をタップリとぶち込んでいます。

このZAPシステムは3つのモードで使用できます。オトコノコは合体モード チェーンジ!に萌えるもの。ですよね。。。
1) Alpair 6M x2のステレオ馬鹿ブースト モード
2) ケロと同じ2.1ch モード
3) YS137A-PSC x1のモノラル馬鹿ブースト モード

YS137A-PSCは六本木工学研究所製の13cmアルミコーン スピーカーです。基本的にウーハーとして設計されていると思われますが、コイズミ無線では~12kHzのフルレンジ スピーカーとして扱っています。このドライバーはコーンの色以外Park Audioの13cmアルミコーン ウーハーDCU-131Aとそっくりで、特性も非常に似通っており、両者になんらかの関連性があると思われます。ParkのDCU-131Aはウーハーとして売られていますが、フルレンジとして使用している方も実際に居られるようです。

で、フルレンジとして売られるだけあって、こいつ1本で十分に音楽を楽しめます。まだ慣らしもついていなし、チョイ聴きだけですが、Frieve Audioでフラットに馬鹿ブーして聴いてみたところ、Alpair 6Mに似た極めてナチュラルなハチマル好みの音調でした(ハチマルはやっぱり紙よりメタルが好きだなぁ)。こいつをフルレンジて使わぬ手はない!という事で、当初予定していなかった「モード3」を追加実装。シャキーン!

やはりモノラルは聴きやすいです。モノラル盤のフルトベングラはコイツで聴きたいですね。モノラル盤を2本のSPで再生すると正面に定位しますが、これはいわゆるゴースト(聴覚の錯覚)なので1本だけで再生した方が理想的です(参考記事)。モノラル盤をステレオで愛聴されている方には、正面にモノラル専用SPを追加される事を強くお薦めします。
811_20110911052248.jpg812_20110911052247.jpg
左が1本のSPによるモノラル再生。右が2本のSPによるモノラル再生。左右で同じ音を出せば中央に定位するが、2本のSPによって干渉が発生するので、なにがしか違和感を覚える事がある。

次回はYS137A-PSCの詳細と例によって計測データをご紹介します。実はYS137A-PSCにはちょっとしたトラブルがありました。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してますにほんブログ村
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用