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2013年11月15日 (金) | Edit |
今やヘッドフォンは家庭用音楽再生装置の主流を占めつつあると言って良いでしょう。新規参入するメーカーも後を絶ちませんし、老舗の高級オーディオ専業メーカー(B&W、JBL等)も自社ブランド ヘッドフォンの販売に熱心ですよね。

そのような中、JBLがDSPを内蔵した意欲的な製品(有線式)を発売しました。
intro.jpg
JBL S700 (製品ページ)
ヨドバで34,800YEN
独自のデジタル信号処理(DSP)機能"LiveStage™"シグナル・プロセッシング・テクノロジーを採用。ヘッドホン・ハウジングに内蔵された "LiveStage™"DSPをオンにすることで、目の前に広大なライブステージが広がったような臨場感を体験することができます。

DSP内蔵ヘッドフォンについてネットで調べていたところ、さる方のブログで下記のような気になるコメントを見つけました。

JBLのヘッドフォンS700は興味深いコンセプトのもとに作られています。ヘッドフォンに直接インストールされたバッテリー駆動の「LiveStage」DSPは、普通なら非現実なアイデアだと警笛を鳴らされるかもしれません。少なくとも良質な設計がなされたヘッドフォンを持っていれば、今さら必要のない技術かもしれません。なぜなら、左右それぞれの耳に対して厳密にミックスされたレコーディング音源は、精巧なヘッドフォンのイヤーカップ(あるいはスピーカーなど)を通して再生すれば三次元空間の効果を生み出すはずだから。

これは大いなる勘違いです。これが世間の標準的な認識であるとするならば、メーカーは正しい情報を提供する事に注力する必要があるでしょう。

一般に出回っているステレオソースは、前方に設置した2本のスピカで再生する事を前提に制作されています。つまり、左右のクロストークが盛大に発生する状態を前提としているという事です。左のスピカから出た音は右耳にもハッキリと聞こえますよね。でも、左耳の方が少しだけ大きく聞こえ、少しだけ早く音が届きます。ヒトはこの左右の聞こえ方の僅かな違いを頼りに空間を認識します。

ヘッドフォンの場合、左右耳のクロストークは一切発生しません。左チャンネルの音は右耳には絶対届かないという事です。このため、音場は完全に左右に拡がってしまい、全体的に散漫に聞こえるため、僕には「音楽」に集中し辛く感じられます。

例えば、僕がよく聴く60年代のジャズのスタジオ録音盤では、ベースが殆ど片方の耳だけでしか聞こえない場合が多くあり、これは非常に気になります。通常、低音は高音に比べて頭部を回り込んで反対側の耳にも届きやすい(回折現象が強く生じる)ので、低周波音ではほとんど方向感覚(定位感)が生じません。サブウーハは部屋の何処に置いてもよいと言われるのはそのためです。それなのに、ヘッドフォンではベースの低音が片側だけからはっきりと聞こえます。これでは、不自然に感じて当然でしょう。

これに対する最も原始的な対策として、左右の信号を適度に混ぜてクロストークを人為的に発生させるという方法があります。以前の記事では、自作の抵抗入りアダプタを紹介しましたよね(コチラ参照)。

DSPを使えば、さらに複雑な処理が可能です。
例えば、周波数に応じてクロストークの度合を変化させる事ができます。低音ほど反対側の耳に届きやすく、高音ほど届きにくいという現象を人工的に発生させるという事です。また、反対側の耳への音の到達を遅延させる事もできます。

さらには、理想的な広さと残響特性を持つリスニングルーム(モニタルーム)を想定して、擬似的な反響音を生成する事もできます(もちろん定在波はなし)。部屋の広さ、残響特性、スピカの左右の間隔、スピカとの距離等をパラメータ化して、ユーザが好みに合わせて調整できるようにしても構いません。お好みのバーチャル リスニングルームを作れるという事です。

しかし、「生の音場」を再現しようとすると、またまた幻影を追いかけてグルグルする事になります。あくまでも、スタジオ(モニタルーム)または理想的リスニングルームにおける2chステレオ スピカ再生の擬似的再現を目指すべきでしょう。なぜならば、「生」を再現しようとしても、ソースによって録音条件が千差万別だからです。ソースから「生」に遡る手立てが無いという事です。「生の音場」の再現を目指すのであれば、最初からバイノラル方式で録音すべきです。絶対に。。。

以上で述べたヘッドフォン用DSP処理は、早い話が、ステレオソースの擬似的バイノーラル化であると言えます。もちろん、ソースが最初からヘッドフォン再生を前提に制作されるようになれば理想的です。その場合、逆にスピカ再生時に多少のDSP処理を通せば良いでしょう。そもそもスピカによるステレオ再生の音場は、再三申しておるように、極めてエーカゲンです(グリコのオマケ)。あくまでもヘッドフォンを基準として制作し、スピカで再生する場合は多少処理を加える(あるいはモノラルでもOK)という方が理に適っているように僕には思えます。

DSPなら何でもできます。小さなヘッドホンにすら内蔵できます。コストも大してかかりません。上手に使い倒さない手はありません。ホンマニ。

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2013年05月13日 (月) | Edit |
低音の実験君をしていると、家族から気分が悪くなるからヤメロ、とレッドカードが出てしまいました。部屋のドアを閉めていても40Hzにもなると筒抜けみたいです。実験君は誰も居ないときを見計らってやるしかありません。またマンションのご近所様にも迷惑をかけないよう、音量は控めにしたいと思います。

という事で、今回は市販スピーカの歪みってどんな具合なの?と調べてみました。

民生用製品では殆ど特性データが公開されていないようですが、プロ用モニタスピーカ製品に関しては比較的詳しいデータがいくつか見つかりました。今回は、JBLモニタのデータをご紹介します。といっても、あのブルーバッフルのやつではなく、以前の記事(コチラ)で紹介したDSP内蔵メカトロ式のJBL LSR4300シリーズです。型番は同じ「43##」ですけどね。詳しくは製品サイトをご覧くださいませ。

JBL_20130513065451.jpg
これは16cmウーハ搭載のLSR4326Pですが、他に20cmウーハ搭載のLSR4328Pがあります。

下がカタログに掲載されていた歪みのデータです。
JBL4326 copy JBL4328 copy
左が16cmウーハの4326、右が20cmウーハの4328です。
共に上段は96dB/1m、下段は102dB/1mで計測されたデータです。
歪み率の縦軸の値は+20dBされていますので注意してください。
図には赤で大まかな歪み率(%)を示すラインを追加しています。上から約2.8%、1.6%、0.9%です。
バスレフ型なので、共鳴周波数の近くでだけ急激に歪みが低下しています(共鳴点では振動板振幅が小さくなるため)。

計測時の音量は1mで96dBおよび102dBですが、これらは一般家庭での標準的な音量に比べると巨大です。また、スタジオでニアフィールド モニタとして使う場合、以前の記事に書いたように彼らも常識的な音量(80dBAを大きく超えない音量)でモニタリングしているようですから、こんなに大音量では使わないはずです。大切な商売道具の耳が壊れますからね。そのような常用音量域では2次も3次もこのデータよりずっと低いでしょう。

下は以前の記事で紹介したリスニング距離と音圧レベルの関係を示すグラフです(関連記事はコチラ)。
ds-303(8)_20130513070909.jpg
図には部屋の広さを表す「畳」が示されていますが、これは壁に背中をはり付けて聴いている状態に相当し、現実的ではありません。例えば12~16畳であれば3~4mくらいの距離が現実的でしょう。図では3m離れると音圧レベルは1mから約10dB低下しています(距離2倍で-6dB)。しかし、これは無響室または開放空間での特性であり、実際の部屋では反射を伴うため、この傾きはもっと緩やかになるでしょう(特に低音は)。

という事で、1mの距離で96dBまたは102dBというのはかなり大音量状態である事に注意してください。僕の普段のリスニング音量設定(楽曲でmax 80dBA程度)だと、-12dBのスイープ信号を使ってF特を計測した場合の音圧レベルは75dBを超えません。歪み率を評価する場合は音量の設定に注意が必要です。当然ですが、実用音量レベルでの歪み率を評価しないと意味がありません。

上段の96dBのグラフで2つのスピーカを比較してみます。
この場合、小径ウーハと大径ウーハを同じ音量レベルで比較する事になります。
小径の4326では2次よりも3次の方が高く、100Hz以下で3次は1%を超え、下限周波数では2%に達しています。対して、大径の4328では3次は全域で1%以下と良好ですが、2次は4326よりも大きくなっています。両者でTHD (全高調波歪み)は余り変わらないかもしれませんが、前の記事に書いたように、聴感的には4328の方が好ましく感じられるはずです。そもそもウーハのサイズが違うのに同じ音量で比較すれば、小径の4326が不利になるのは当然です。小径のウーハで大径のウーハと同じ音量の低音を出そうとすると、振動板の振幅が増加するからです。そして振幅が磁気回路の線形限界(Xmax)に近付くと3次が急増します。上段の96dBと下段の102dBを比べれば、音量が増加すると歪み率もテキメンに増加する事が分かります。特に4328の3次の増加が顕著です。

同一音量であれば、基本的に大径ウーハの方が歪み率は小さくなります(振幅が小さくなるため)。歪み率は実用音量域で評価する必要があります。10cmウーハを非現実的な大爆音で評価しても意味がありませんし、38cmウーハをニアフィールドレベルの小音量で評価しても意味がありません。

再三申しているように、密閉型を基本とするLEANAUDIO方式の場合、再生下限周波数は振動板のサイズに依存しません。振動板サイズは必要音量によって決まります。この場合、音量(リスニング距離)に見合ったサイズのスピーカを選択する事が重要です。基本的に振動板は小さい方が音質面(特に剛性面、動的レスポンス、アンプの負担)はもちろんコスト面および設置スペース面でも有利だからです。その究極がイヤフォンです。ニアフィールド/小音量で聴くのに大径ウーハは不要です。十分に低い下限周波数(例えば40Hz)まで良好な歪み率(例えば3次が1%以下)を維持できるならば、できるだけ小径のウーハを選ぶべきでしょう。

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2012年07月08日 (日) | Edit |
シリーズ最終回として、具体的なシステム例を挙げながら、ハチマルが考える、それ自体を趣味とするマニア用では断じて絶対全くない、誰にでも何の知識がなくとも簡単に日常生活の中でより快適により深く音楽を楽しめる、必要十分な音楽再生クオリティを備えた、妥当な価格の真の実用オーディオ装置について書いてみます。

そのキーワードとなるのが System Integration です。システム統合というやつです。

簡単に言うと、個々のコンポーネントを個別に最適化するのではなく、1つのシステムとして総合的に最適化するという意味です。一般的に、個々の要素技術が十分に成熟すると、システムの統合へと技術は向かいます。多くの場合、システムの統合によって性能、コスト、サイズを飛躍的に向上させる事ができるからです。一般家電では、さらにインテリジェント化(内蔵マイコンによる自動制御)が進んでいます。オヂオ分野は、そのような面で、かなり遅れているように見受けられます。

下は現在の一般的なオヂオシステムの実施例を示しています。
Legacy Concept
ハチマルは、どのようなオヂオシステムであれ、何らかのイコライザ機能は必須であると考えるため、この図にはイコライザも含めています。DAC、イコライザ、アンプ、スピーカは別々に設計され(スピーカ屋はスピーカの事しか考えず、アンプ屋はアンプの事しか考えない)、別々の筐体を持ち、電気装置は別々の電源回路を備えます。そして、それらの装置間は電線で接続されています。冷静に考えれば、コスト、スペース、資源を激しく無駄使いしており、電線類も生活空間においては鬱陶しい限りです。

現在でも、一体化した廉価でコンパクトな装置が売られていますが、それらは単純に1つの箱に各種装置を詰め込んだだけであり、機能的にシステム統合されているとは言えません。

下図は、ハチマルの考えるシステム統合のほんの一例です(クリックで拡大)。
New Concept
全ての電気装置をスピーカ筐体に内蔵しています。図には1系統だけを示しており、ステレオ方式の場合は同じ物を2個使います。このような方式は、電子回路が飛躍的に低コスト/コンパクト/低消費電力化したからこそ可能となります。今や、業務用モニタスピーカではアンプ内蔵が常識です。加えて、このシステムは、無線LANを前提とした無線式システムとしています。無線化が今後の大きなトレンドである事に疑いの余地は無いでしょう。

基本的考え方としては、システムの出力端に位置し、電気-機械-音響変換という最も困難な役割を担い、音質に支配的影響力を持ち、コンポーネントとしては最も不完全な「スピーカ」において最良の結果が得られるように、システム全体を最適化するという事です。さらに、実際の使用状態においてシステム全体をキャリブレートするための機構(自動音場補正機能)を内蔵します。このような校正機構により、はじめてオーディオシステムは真っ当な音楽再生装置と呼べるようになります。

各コンポーネントについて、出力側(スピーカ側)から見て行きます。

1) スピーカ
システムにおける最重要コンポーネントです。他の全てのコンポーネントには、御大スピーカ様の不完全さを補うためのシモベとなって甲斐甲斐しく働いて頂きます。そのようなシモベ達のサポートを大前提として、御大スピーカ様を最初から設計する必要があります。

フルレンジ1本を基本とし、必要に応じて超高域(10kHz以上)を受け持つ同軸スーパツイータを追加しても良いでしょう。この場合、単純にコンデンサをかませるだけで良いかもしれません。コスト増が許される高級システムであれば、デジタルチャンデバとバイアンプを内蔵した2Way型でも良いかもしれません。また、低音補強用にパワードサブウーハをオプションとして用意します。ドライバのサイズとしては、リスニング距離と部屋の大きさに応じて、8cm~13cmから選べれば、一般家庭向けには十分でしょう。普通の人はアホみたいな大音量で鳴らしたりしません。エンクロージャは当然密閉型とし、スピーカ本体にデジタルイコライザを内蔵するため、最初からデジタル低音ブーストと特性補正を前提としてドライバを最適設計します。

これらを前提とした場合、スピーカには、低音ブーストに対応する十分な許容振幅(Xmax)と、大振幅時の挙動最適化が求められます。一方、デジイコで特性補正するため、ドライバの素の状態の特性は多少凸凹していても構わず、設計に自由度が得られます。例えば、敢えて分割振動を起こして高域のレスポンスを半ば無理矢理稼いだりする必要がなくなるかもしれません。なお、密閉型システムでは、再三申しているように、ドライバ自体の気密性が重要です。現存するドライバでは、マークオーディオのAlpairシリーズが良い線行っていると思います。

大音量を必要とするユーザ、あるいは低域限界をさらに延ばしたい(例えば30Hzまでフラット)と望むユーザに対応するために、同じコンセプトで作られた無線式のDSP内蔵パワードサブウーハをオプションとして用意します(後述)。

エンクロージャには、低コストで設計自由度の高い樹脂製が最適だと思います。特性が異なる複数の材料を組み合わせたコンポジット構造が有力でしょう。最新の材料技術と設計技術を駆使すれば、低コストで堅牢な、また、形状が自由であるため音響特性にも優れた密閉型エンクロージャを実現できるはずです。筐体はコストのしわ寄せが最も及びやすい領域ですが、ドライバと同様に音質に決定的影響を与える領域でもあるため、決して手抜きは成りませぬ。。。なお、筐体を変に響かせたりする必要は全く無いと思います。

2) アンプ
アンプ自体には特に新しい技術は必要ないかもしれません。Tripath社製等の安価な量産ICを使った低発熱でコンパクトなデジタルアンプが適するでしょう。性能的には現状ので十分なような気がします。

3) ボリュームコントローラ
リモコンによる音量調整を行います。ステレオ方式の場合、左右の同調が必要です。ドライバ保護のために、低音ブーストの設定に応じて最大ボリュームを制限できると良いでしょう。例えば、+6dB程度の標準設定ブーストではフルボリューム可能とし、バス拡張モード(例えばmax+12dB)の場合は最大ボリュームを制限する等が考えられます。または、ボリュームに応じて、最大ブースト量を連続的に変化させる事も可能でしょう。DSPと連動したマイコン制御が良いでしょう。

4) DAC
これも、機械屋のハチマルには、特に新しい技術は思い浮かびません。アンプと同様、量産チップで十分ではないでしょうか。デジタルブーストを前提とするため、24ビット分解能は欲しいですね。レートは96kHzもあれば十分だと思います。

5) デジタルイコライザ(DSP)
スピーカお助け隊の隊長です。標準イコライザ設定として、スピーカの特性(無響室での特性)がフラットになるようなイコライザ設定を固定プログラミングしておきます。この設定は消去/変更不能です。この標準設定には、ドライバの安全性と音質を保証できる程度のブースト(例えば6dB程度、50Hzまでフラットとか)を最初から含めておけば良いでしょう。この特性が、システムのカタログ値となります。面倒臭いユーザはこの特性のまま使っても良いでしょう(従来のシステムと同じ事)。位相遅れ補正は標準設定のまま固定で十分です(自動補正までは不要)。これにより極めて正確な低音再生が実現します。

なお、イコライザのタップ数は、FrieveAudioのように数百にも及ぶ必要はなく、対数的に配置すれば10数バンドもあれば十分ではないでしょうか。

オプションモードとして、バス拡張モード(例えばmax+10dB、40Hzまでフラットとか)を選択できるようにします。この場合、上記したボリュームコントローラで上限音量を制限してドライバを保護する必要があります。これは最も単純な方法ですが、マイコン制御のボリュームと連動させ、DSP内でダイナミックかつインテリジェントにブースト量を調整する事も可能でしょう。そのようなインテリジェントな方式を採用すれば、ドライバ保護と音質を保証できる範囲内で常に最大限のブーストが可能となります。例えば、以前の記事で紹介したように、春の祭典の超絶バスドラにだけコンプレッションを効かせる等が可能です。このへんはソフトウェアでどうとでもなります。

もう一つの重要な機能が、自動音場補正です。一般ユーザを前提とした場合、あのビックリするようなノイズ信号は使いたくないので、理想としては、通常の音楽を再生しているうちに自動的に最適イコライジングできると良いナァと思います。つまり、使い始めの数時間だけ、リスニング位置にマイクを置いておき、普通に音楽を再生すると、装置がソース信号とマイク信号を比較して自動的に補正特性を算出して設定する。。。といった具合です。十分なデータが得られた時点でインジケータが点灯し、以降マイクロフォンは不要です。あるいはテスト専用の音楽データを同梱しても良いでしょう。複数の特性を記憶できれば、リスニング位置に合わせて補正特性を選択できます。最近のエアコンみたく、リスナの位置を認識して自動的に切り換えるとかも可能でしょう(まぁ、不要だとは思いますが)。マイクをリモコンに組み込めると素晴らしいですね。

あとは、ユーザがお好みでイコライザをイヂレルようにしておけば良いでしょう(iTuneにも付いてるよね)。内蔵DSPにリバーブやシンクーカン風味なんかのエフェクタ機能を持たせても良いでしょう。やり過ぎない程度に。。。このへんは全てリモコンから設定できること。

6) 受信機
もはや無線式が標準となるでしょう。これで鬱陶しい電線類から解放されます。あとは電源ケーブルだけ。。受信機のスイッチで、L/Rどちらの信号を受信するのかを選ぶようにしておきます。両Chを受信してMONOで出力できるようにすれば、装置を1個だけ購入してモノラルで楽しめます。ハチマルなら絶対モノラルにしますね。また、3個買えば、フロント3ch方式も可能でしょう。なんならサラウンドにも対応しますか。

7) リモコン
こいつは重要です。ソース装置の選曲、音量調整、イコライザ/DSPの操作等を行います。携帯型プレーヤ(iPod Touch、iPhone、iPad等)にアプリをインストールすれば、ソースとリモコンを一体化できます。そのような使い方が標準となるかもしれません。というか普通そうだよね。きっと。

8) オプション
お部屋が広くて音量が必要な場合や、拡張ブーストモードでは音量が足りない場合に、同様のコンセプトの無線式パワードサブウーハがあると良いですね。サブウーハの使用を前提とする場合、部屋が広くてもメインスピーカは小径(8cm)で十分かもしれません。ドライバの必要サイズは、ほぼ低音の音量で決まりますから。もちろん、自動音場補正で誰でも簡単にベストな状態に設定できる事は言うまでもありません。

システムとして、機能性とデザイン性に優れたスタンドも同時に設計すべきでしょう。なんなら標準で同梱して欲しいくらいです。ハチマルが今使っている壁/天井取り付け用のブラケットは1個 5~6千円もします。高価すぎでしょう。天井/壁取り付け用と、デスクトップで耳の高さまで持ち上げられるヤツ(Zライト(古!)みたいな可動アーム式なんかもね)があると良いナァと思います。お安くしてね!でもデザインはクールにね!

9) デザイン
システム全体のデザインは、もしかしたら音質よりも重要です。あと色もね。ハチマルなんか、クルマでもなんでもまず色で選びますモン。音楽は、アートは、クールでないといけません。全くです。なんか恥ずかしげもなく「ジョーカン」とか言いそうなオヂサン臭いのはNG。電源コードひとつてっても、デザインを疎かにしてはなりませぬぞ(黒いコードは止めてね)。優秀なデザイナさんを起用してください。市場で成功するかどうかは、ほぼここにかかっていると言っても過言ではないでしょう。日本人は、基本的に建築や工業デザインに優れたセンスを持っていると思います。なのに、製品は洋物に比べると明らかにダサイ。何故にあのようにダサイのか???Apple製はクールですよね。もうそれだけでハチマルは日本製を買う気が全く失せてしまいます。

せっかくデザイナさんがクールな絵を描いても、複雑な会社の審査過程で上の方のオヂ様達が偉そうに口出しして、最終製品はどうしても無難でダサクなる傾向があります。デザインの分からぬオヂ様は黙りましょう。もう、オヂオ=癒しと温もりの木目調のヂダイではありませぬ。

10) 価格
例えば、Alpair 10クラス(13cm)の最高品位のフルレンジドライバを搭載したシステムで、実売1台5万YENでどうよ(ステレオで10万YEN)。デスクトップ用の8cm L/R一体型(ZAP風)も5万YENくらいだな。電気関係は驚くほど低コストで済むはずだし、可能でしょう?ねぇ?

実はJBLが上記のハチマル提唱システムに近いDAC/DSP(自動音場補正)内蔵2wayバイアンプ式業務用パワードモニタを既に発売しています。価格は16cmウーハータイプ(内蔵アンプはウーハ150W/ツイータ70W、マイク付き)がペアでなんと159,800YEN (サウンドハウス調べ)です。1本8万YEN弱。。ハチマル提唱システムは、JBLの背面バスレフ式(ナンデヤネン?)を密閉型にして低音ブーストを追加し、2Wayをフルレンジ1本にし、信号伝送を無線接続にしただけ。。。と言えなくもない。。このJBLシステムが1本8万YENですから、13cmフルレンジ1本のハチマルシステムが1本5万YENというのは、そう非現実的ではないと思いますよ。まぁ。。百歩譲って無線はオプションにするか?いやいや、甘やかしてはいけませぬ。。
JBL.jpg
JBL/LSR4326P 159,800YEN
20cmウーハ搭載の4328Pはペアで229,800YEN
サウンドハウスさんの商品ページ

電子回路が極端に低コスト化した現代において、価格はどう考えてもそんなモンでしょう。

以上、ハチマルが考える、これからの「音楽」を楽しむためのオーディオ装置について書いてみました。まぁ、マニアさんにとっては、とんでもなくツマラナイ装置ですが、そもそも根本的な目的が違いますので、そこのところはご理解くださいませ。

上記の実施例は、ほんの一例に過ぎません。たとえばL/Rを一体化したZAPのようなステレオラジカセ風も考えられますし、パワードウーハーをL/Rに組み込んだ大型システムも考えられます。ケロのようなウルトラミニマムな可搬型2.1chシステムも素敵でしょう。こいつは充電式にしていつも身近に置けると良いですね。無線式だと家中何処でも聴けるので便利です。欲しいなぁ。。このタイプが一番売れそう。また、FrieveAudioのようなソフトウェアをバンドルし、PC側でDSP処理を済ませた後の信号を無線で飛ばす事もできます。いろいろ考えてみてください。ハチマルに電子回路の知識があれば、自分で組めるのですが、機械屋のハチマルには到底無理です。そのへんの知識をお持ちの方は自作に挑戦してみるのも面白いかもしれません。なにも、高価なデンセンやアクセサリのオンシツとかナンタラカンとかの微小なチガイを追いかけマースだけがオヂオ趣味ではないでしょう。もっと自由な発想で、もっと知的に楽しんでみても良いのではないかな? ホンマニ

追記1
という事で、TONO君の開発に関連して最近の記事を書いてきましたが、それも一段落した感があり、更新はまた疏らになると思います。今後の予定としては、最近使わなくなったケロ君を大阪の姪(黒くてアンダーグラウンドな音楽業界のヒト)にプレゼントする事にしたので、メインアンプを組み込む改造を考えています。外装も彼女の趣味に合わせて、黒革/ドクロのどメタル調にする予定。。黒くてバイオレンスな悪ケロに変身です。モヒカンにするか? ユザワヤに行けば、ドクロも鋲も鎖も黒革も手に入るので、ちょっと凝ってみようかなぁ。。。なんてね。出来たらご紹介しますね。ま。年内一杯はかかるでしょう。クリスマスプレゼントが目標です。

追記2
この記事を書いている時点で、ランキングはまだ1位に留まっているみたいです。もう10日は過ぎたでしょうか。。。ちょっと驚き。。。応援ありがとうございます。更新しないとテキメンに順位は落ちますが、10位より落ちそうになったら、お情けでポチしてやってくだせぇ。。。10位以内はキープしたいですね。。なんとなく。。。

ではでは。。。。。

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2011年05月06日 (金) | Edit |
もう少し部屋が広ければ欲しいなぁ。。と思うのがJBLのコントロールモニタ(43###)シリーズです。音質がどうのこうのというのでは無く「カッコイー」から。オトコノコ心をくすぐるメカッポさというか。。。特にグレーの4311なんか欲しいですね。1本だけで良いのだけれど。モノラルで十分。

520_20110506212148.jpg
4311 こいつが1台だけ欲しい

さて今回はJBLモニターシリーズをネタにしてバスレフ型のサイズと周波数特性の関係についてチョコッと考察してみます。

下はカタログデータです。容積は外寸から推測しました。
796.jpg
もし本当に30Hzまでほぼフラットに再生しようとすると38cmウーハーと100Lを軽く超えるボックスが必要だと言う事です。ここに「低音出るスピーカ」= 「デカイ/高価」という古典的ヒエラルキーが産まれます。しかし、「音楽再生装置」にとっての可聴帯域下限近くまでの再生というのは、自動車にとっての「安全に走る/曲がる/止まる」と同じ基本的要件のはずです。すなわち、大きかろうが小さかろうが、キチント低音を再生できてこそ「音楽再生装置」と呼べるという事です。と、それはさておき。。

下図はシミュレーション結果です(4319は4312とサイズ的に同じなので省略)。
797.jpg
ドライバにはデータベース内のテキトーなJBL製ウーハー(30cmと38cm)を選び、容積と-6dB周波数(カタログ値)に基づいてポートを適当に設定しました。まあ、ごく大ざっぱな計算として見て下さい。吸音材は全て「普通」です。ついでにAlpair 6Pのハチマル最終バージョン(容積11L、ポート:φ34 x 70mm)も載せました。

JBLの計算結果を見ると、いずれも綺麗な2山のインピーダンス曲線を描く典型的なバスレフ チューニングである事が分かります。当然ですが、ウーハー径が大きい方、あるいは同一径であれば容積が大きい方が低域が伸びています。

また、低域が伸びるモデルほど共鳴点が低周波側にシフトするため、低域の位相遅れも低減します。小容積のバスレフ型では共鳴周波数が高くなるため、低域が伸びないだけでなく、バスレフ臭さが強く出てしまうのは仕方ないところと言えるでしょう。今回のバスレフトライアルの経験から、共鳴点を50Hz以下に持って行ければ、バスレフっぽさもあまり気にならないのではないかという気がします。

さて、以上のように、30Hzまでフラットに再生しようとした場合、バスレフ型では38cm径のウーハーと100Lを大幅に超える巨大な箱が必要です。低域をたった20Hz延ばすのに如何に大きな代価が必要な事か。。。また、このようなスピーカーを使用できる恵まれた住環境と経済的余裕を持つ人は如何に希少な事か。。

なんでこんな馬鹿デカイSPが作られる(必要とされる)か?と言えば、それは本当に西洋音楽を楽しもうとすれば、そのような低音が聞こえる事が重要だからです(参考記事)。しかし小さい部屋で快適音量で聴きたい人でも、交響曲の低音部を聴こうとすると、こんな馬鹿デカイモンが必要になるというのは大変馬鹿げた話だとハチマルは思います。

普通の部屋で快適音量で日常的に音楽を楽しむ大多数の音楽愛聴者(オーディオ愛好者ではない)は、それなりのサイズのSPで不十分な低音で、何も知らされずに我慢しろ。。。というのが現在のオーディオ装置のあり方です。信号再生面での基本技術が十分に成熟した現段階において、これを解決して万人が安価に当たり前に何も知らなくても低音までキチント聴けるようにする事が「音楽再生装置」としての技術的最優先課題であろうとするのが普通の業界の技術者の考えるトコロだと思うのですが、どうもこの業界の目指すトコロは違うらしい。しかも、それは現在の技術レベルで容易に解決可能であるにもかかわらず。。。激しく違和感を覚えるのよね。ハチマルは。。また批判的になってしまった。この辺で。。。

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