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2011年12月11日 (日) | Edit |
民生用アンプに比べると、業務用パワーアンプは驚くほど安価です(コチラをご覧ください)。以前から興味があったので、SOUND HOUSEさんで一番安価なパワーアンプを試しに購入してみました。

cp_cp400a.jpg
Classic Pro製 CP400
価格はなんと15,800円なり!(ゼロの桁数にご注意)
■タイプ:パワーアンプ、2ch
■ステレオ出力:100W+100W(8Ω)、130W+130W(4Ω)
■ブリッジ出力:280W(8Ω)
■周波数特性:20~20,000Hz(0.5dB)
■スルーレート・ステレオ:20 V/us
■高調波歪率: <0.05%
■入力感度:+4dBu
■入力インピーダンス:11KΩ
■ダンピングファクター:200
■ハム&ノイズ:> 100dB
■クロストーク:> 60 dB (TYPICAL @ 1 KHz)
■消費電力:110W
■寸法:48.3W×4.4H×27.1D cm
■重量:6.6kg
内部
うるさいファンを止めるためにカバーを開けました。
耐久性が重視されるプロ用なので内部の作りもしっかりとしています。
結構大きなトロイダルトランスを使っています。

仕事中に暫く使ってみましたが、ハチマルにはこれで十分という感じがします。ICON AMPと比べた場合、IA7-Eは少しジョートー風というか微妙なオーヂオ臭というか、微かな味付けを感じるのですが、このCP400には全くそのような癖を感じません。ハチマル好みと言えましょう。無信号時のノイズも他の民生用アンプと同等レベルです。逆にIA7-Eは回路が特殊であるため、無信号時に独特のノイズが出ます(信号が入るとノイズは消えるとメーカは言っている)。Icon AMPおよびCP400と比べた場合、IA7-Eではブラスが若干金臭く聞こえます。反面、ピアノの響きにハッとさせられる事があります。しかし、いずれにせよ、その差は、ハチマルが「音楽」を聴く上でさして重要であるとは感じられません。Alpair 6のMとPをフラットに補正して聴き比べた時の違いに似ているかもしれません。ハチマルは結局地味なメタルコーンを選択しました。

それにしても、CP400のこの低価格ぶり(15.8K円)は一体全体どういう事なのでしょうか? 入力切り換えやリモコンが無いにしても、民生用に比べるととんでもなく低価格です(Icon AMPと機能的に同等)。プロ用ですので、筐体も頑丈ですし、シャンパンゴールドの分厚いフロントパネルには高級感すら漂います。

ハチマルは、やたら微妙なオンシツの違いをワザワザ苦労して聞き分ける気など毛頭ありませんので、「音楽」を聴いている時に違和感や不快感を感じさせない自然さと正確さを何よりも重視します。そういう意味で、CP400は全く十分な音楽再生クオリティを備えていると思います。極々真っ当に信号を増幅してくれているという事です。たかだか20数kHz程度の電気信号増幅では、今時のアンプに大きな性能差は無いでしょう。

ただし、密閉型スピーカ+デジタル低音ブーストを愛用するハチマルの場合、アンプには低音再生の正確さを強く求めます(低音時のスピーカー駆動の正確さ、巷ではスピード感と言われているヤツかな?、ハチマル用語では「ビシッとバシッとした」低音)。このような特性を得るには、一般的にアンプのダンピングファクタ(DF)が重要であるとされます。

以下Audio Designというアンプメーカのダンピングファクタに関する説明です(コチラからの抜粋です)。

ダンピングファクター
ダンピングファクター(DF)が大きいことはパワーアンプの出力インピーダンスが小さいことを意味しています。DFが大きいパワーアンプはスピーカーからの逆起電力を抑制する力が大きい事を意味しており、ダンピングの効いた低音が期待できます。

ダンピングファクターとは
ダンピングファクター(DF)とはパワーアンプのスピーカーに対する制動力を表すと考えられている指標で、一般にパワーアンプの出力インピーダンスとスピーカーのインピーダンスの比で表されます。
         DF=Zsp(Ω)/Zamp(Ω)
ここでZspはスピーカーのインピーダンス、Zampはパワーアンプの出力インピーダンスです。
一般的なに半導体アンプで100程度の値を示します。この場合スピーカーのインピーダンス8Ωに対して、パワーアンプの出力インピーダンスは80mΩである事を意味しています。

ダンピングファクターの音質に与える影響
一般的にダンピングファクターに関しては次に様なことが言われています。

DFが大きいほうが低音に締りが出てくる。
DFが極端に小さいと(>10)低音の量感は増す(実際に低音の音圧レベルが上がる

ダンピングファクターが音質に与える効果についての考察
DFが1と10では音質も大きく違うかもしれませんが、100を超えると例えば低音の締りが良くなるということを必ずしも実感できるわけでないかもしれません。ただ数百以上のDFの効果というのは低音域の大信号に対して高音域が濁らないですとか、低音域の音階がはっきりわかる、低音が静かに聞こえるという様な聴感上の効果があるように感じます。


普及品民生用半導体アンプのDFは概ね100以下のようです。駆動力が高い事で評判のONKYO A-7VLでもカタログのDFは60となっています。NuForce社は、同社のアンプ回路は特殊であるため一般的なDFの定義をそのまま適用する事はできないとしながらも、IA7-Eのスピーカ端子で計測されるDFは約160に相当するとアナウンスしています。これは民生用としては非常に高い値であると言えます。

真空管アンプのDFは一般的に10以下しかないと言われます。このため、スピーカのインピーダンス変化の影響を受けやすく、ハチマルもTU-870での実測で下図のような影響を確認しています。
540_20111210043939.jpg
吸音材なしのポチ型ボックスでの比較。赤がIcon AMP、青がTU-870改(出力トランスを大きめのに交換)です(参考記事)。約150Hzにスピーカのインピーダンスピークがあるため、DFの低いTU-870ではレスポンスが増加しています。上のコメントにあるDFの低いアンプを使用すると「低音の量感が増す」というのは、こういう事だと思われます(ただし締まりのない低音になる)。

業務用アンプでは、長いスピーカケーブルを引っ張り回したり、複数台のスピーカを駆動する必要があるためか、総じてダンピングファクタが重視されるようです。大概の業務用アンプはDF 200以上をカタログで掲げており、CP400のカタログ値も200です。民生用でもかなり高級なアンプになるとDFが100を超える物もありますが、15.8K円という超低価格でこのDFは驚異的と言えます。以下で実験君データをお見せしますが、CP400の低音時のスピーカ駆動能力はIA-7Eに全く引けを取らず、カタログのDF値は伊達ではないと思われます。

50Hz以下の正弦波の歪みに関しては、CP400とIA7-Eは全く同等でした。やはりIcon AMPが極わずかに優れています。コチラの記事で使用した5kHz正弦波の一部データを間引いた波形でも3者は全く同等でした。48kHzの計測サンプリングレートでは、スピーカ出力の高域特性に違いは殆ど見られなかったという事です。これらのデータの掲載は省略します。

新しい評価方法を試してみましたので、その結果をお見せします。

今回の実験君では、40Hzの正弦波に1発/1サイクルのパルスを重畳した信号を使用しました。パルスの位値は毎サイクル同じです。これにより、パルスに対して40Hzのスピーカ出力波形がどの程度遅れるのかを見る事ができます。マイクはスピーカ前方約10cmに設置しました。スピーカはAlpair 6Mです。

グレーが信号波形、緑がIcon AMP、青がIA7-E、赤がCP400です。スピーカの出力音量を全て同じに揃えています。
40Hz アンプ位相 copy
IA7-E(青)とCP400(赤)は殆ど同じですが、驚いた事にIcon(緑)が飛び抜けて良好な結果を示しています。

下は信号の先頭部です。ゼロからいきなりマイナス側最大まで信号が変化します。上の図は安定した状態での波形です。
40Hz始め
ここでもIconが非常に良好な追従性を見せています。IA7-EとCP400はほぼ同等ですが、CP400の方が若干優れているように見えます。

次は、信号の終端部です。プラス側最大からゼロまでいきなり信号が変化します。
40Hz 終わり
やはりIconが最も俊敏な反応を示しています。しかし、その分マイナス側へのオーバーシュートも大きめに出ます。IA7-Eの波形はどういうわけか歪みが大きくなってしまいました。再計測が必要かもしれませんが、スピーカ出力の収束性はCP400の方が若干優れているように見えます。

という事で、上記の結果を見る限り、超低音のスピーカ駆動性能としてはIcon AMPが明らかに優れており、IA7-EとCP400は殆ど同等か若干CP400が優れていると言えそうです。値段、定格出力、大きさから考えると、完全に裏切られた形の結果となりました。

しかしIcon AMPのビシバシさには驚かされます。正に馬鹿ブーのためのアンプであると言えましょう。これがNuForceの原点というやつでしょうか? それに比べるとIA7-Eにはもっと頑張って欲しいですね。多分初代V1はIcon以上だったのでしょう。。。そして超低価格のCP400の性能にも驚かされました。やっぱりハチマルにはハイエンドなIA7-Eは不要かなぁ。。。。

なお、HSC(超高音信号付加機能)をONにした時のシュワシュワ感は、IA7-E程ではないにしろ、CP400でも感じました。超高域はIconよりも出ているように思われます。

以下はNuForce社のハイエンドのサイトからの抜粋です。
NuForceはこの方式をアナログスイッチングアンプと名付けました。NuForceアンプは超広帯域幅再生(20~80kHz)を位相シフト無しで実現します。出力段は十分にコントロールされ、極めて高いダンピングファクターを獲得し、低域周波数まで再生を前例の無いレベルでコントロールしています。
Icon AMPこそ正にそのようなアンプであると言えましょう。それに比べるとIA7-EがCP400と同等という結果には正直ガッカリさせられました。やはり世間様の嗜好に合わせて、バージョンが進むにつれてマイルド化しているのでしょうか?低音のブワッと拡がる感じの味付けのせいでしょうかねぇ?

とはいえですね、アンプをつなぎ変えながら実際に音楽を聴き比べても、ハチマルには大して重要な違いがあるようには感じられません。結論としては「ドレデモエーンチャウ?」ってところかなぁ。。。ハチマルにはハイエンドなアンプは宝の持ち腐れのようです。

さて、大概の業務用ステレオパワーアンプは、2つのアンプを並列に使用して大出力のモノラルアンプとしても使用できるようになっています。これを「ブリッジモード」と呼ぶようです。CP400の場合、ステレオモードとブリッジモードを背面のスイッチで切り換えるようになっており、8Ωでの出力はステレオで100W x2、ブリッジで280W x1となります。4Ω負荷での使用は保証されていませんが、実験君としては試さないわけに行きません。

上と同様に、パルス入り40Hz正弦波でのスピーカ出力波形で比較してみました。
ブリッジ copy
赤がステレオモード、青がブリッジモードです。波形の歪みは全く変わらなかったのですが、ブリッジモードでは位相遅れが若干改善されました。とはいえ、Iconには遠く及びません。このアンプはAlpair 10をアシストウーハとして駆動するために購入したのですが、その際にはブリッジモードを使えます。はやくAlpair10の箱をつくらないとね。。

以上のように、民生用装置の価格に関して、改めて考えさせられる結果となりました。コーキュー感を演出したようなオーヂオ臭いナンチャラ感や、蝙蝠さん的超音波領域の再生によるクーキ感とかを求めず、音楽を高い「クオリティ」で「素直」に聴きたいだけなら業務用アンプで全く問題無いように思われます。というか、癖が無いので「音楽」を聴きやすいように思えます。また、少し「味」が欲しいという場合は、安価で駆動力のある業務用パワーアンプに真空管プリアンプやラインアンプ、あるいはサンバレーさんとこの真空管組込みDAC等を組み合わせると、優れたスピーカ駆動力を確保しながら「オンシツ」を好みに合わせる事ができるかもしれません。

業務用アンプを使用する場合、下記の点に注意が必要です。
1) コネクタの形状が民生用と異なる
信号ラインのコネクタは基本的にXLR(バランス)です。また、スピーカ出力端子にも「スピコン」と呼ばれる特殊な形状を採用しているアンプも多くあります。幸い、CP400のスピーカ端子は民生用でおなじみのタイプでした。アンプ購入時に、民生用機器と接続するためのアダプタなりラインなりも併せて購入する必要があります。業務用の場合、アクセサリ類の価格も極めてリーズナブルです。僕が使用しているXLR/ピン変換コネクタは1個250円でした。

2) ファンがうるさい
大概のパワーアンプはファンを内蔵しています。CP400のヒートシンクは筐体の両サイドに露出しており、内部はそれほど高温にならないため、買って直ぐにファンのコネクタを抜きました。暫く使っていますが、筐体内部の温度はそれほど上がらないようです。側壁のあるラックケース等に組み込まない場合、設置場所に配慮すればホームユースではファンを止めても大丈夫かもしれません。温度は電解コンデンサの寿命に影響しますが、アンプ自体の価格がこれなので、まいっか。。あるいはカバーにドリルで穴を開けるか、パンチングメタルに交換しても良いかもしれませんね。

3) 左右のボリュームが独立している
僕は手元にパッシブプリを置いているので、特に不便を感じませんが、そうでない場合は少し煩わしいかもしれません。CP400のボリュームはクリックを備えているため、左右を同じ位置に揃えるのは容易です。ボリューム位値を同じにした場合の左右の音圧差はほとんどありませんでした。

4) ラック収納が前提
CP400にはシールで貼り付けるゴム脚が付属していましたので、単独の据え置きでも問題ありませんが、例えば電源モジュール、複数台アンプ、チャンデバに全て業務用を使用する場合、レールマウントにすると「プロ」の雰囲気が楽しめるかもしれません。

僕は次に電源モジュールを狙っています。
cp_pd12ii.jpg
CLASSIC PRO製 PD12II
7,980円なり
■ACコンセント前部4(その内、常時ON:1)・後部8
■リアライト端子(XLR)
■使用電源:AC100V±10%、 50/60Hz
■最大電流:14.9A/ユニット
■最大消費電力:2000W/ユニット
■サージ電圧:5,000V
■サージ電流:20,000A
■ノイズ減衰:トランスバース >20dB、1.5kHz~200mHz
■サーキットブレーカー
■保護回路:スパイク・サージ、ノイズフィルター、過剰電源保護回路
■電源ケーブル長:3.0m、3ピン、2ピン変換アダプター付属
■寸法、重量:48.3(W)×4.45(H)×31(D)cm、4.9kg
スパイク、サージフィルター、ノイズフィルター保護回路、過剰電源保護回路、サーキットブレーカー

別に「音質」に期待するわけでなく、ごちゃごちゃの電源ラインをすっきり格好良くまとめたいというのが狙いです。価格が手ごろなので、高級テーブルタップのノリで使って見たいと考えています。

業務用には他にも使えそうな機器があるかもしれません。とにかく価格がリーズナブルなので、気楽に試してみても良いかもしれません。サウンドハウスさんが価格と品揃えの面でお薦めです。

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2011年11月29日 (火) | Edit |
IA-7Eを長時間聴いていると、妙な響き感があって前頭葉のあたりがシュワシュワして来ると書きました。

ところがネットラジオを聴いていると、そのような違和感を覚えません。と言う事は、10数kHz以上の超高域音の影響が怪しいと考えられます。前の記事のF特比較で見る限り、20kHz以下の高域レスポンスにアンプの差は全く見られません(マイクの定格は16kHzまで)。IA-7Eでは、それ以上の帯域の超音波が強く出ているという事なのでしょうか? ホンマニ????ちなみにメーカ発表のAlpair 6Mの超高域特性は20kHzに対し30kHzで10数dB落ち程度です。IAE-7は20Hz(-0.3dB)~120kHz(-3dB)、Iconは20Hz~20kHz(+/-1dB)だそうです。

よくわかりませんが、ともあれ、Frieve Audioのリサンプリング(96kH出力)や超高域信号の追加(HSC)を全てOFFにして、44.1kHzストレートで再生してみたところ、シュワシュワ感が薄れて聴きやすくなったような気がします(あくまでも「気」がするだけですけどね)。それでも高域がキツク聞こえるのでイコライザで少し調整しました。超ニアフィールドで長時間聴く場合、超高域が出過ぎると鬱陶しく感じるようです。クーキ感とかケハイ感とやらは一切要らんし。邪魔だし。。

という事で、とりあえずこの状態で聴いていますが、Icon AMPよりもちょっと太めでパワフルな感じがします。。ジャコのエレキベースも良い感じです。それとピアノで時々ハッとさせられます。。暫くこれで聞いてみましょう。

オーバーサンプリングに関しては、NuForceからの興味深いコメントを見つけました。以下はNuForceのハイエンドD/AコンバータDAC-9の商品説明からの抜粋です。

DAC-9は、卓越したシンプリシティーを基礎としており、その上で複雑なニーズに対応しています。最低限の信号処理と出来る限り短い信号経路がDAC-9の再生音を際立たせます。選択された入力ソースからの信号は、直ちに24-bit/192kHz(USBの場合24bit/96kHz)対応のノンオーバーサンプリングDACによってD/A変換されます。さまざまなテスト試聴の結果、アップサンプリングとサンプルレート変換はNFBのように有害無益であるという結論を得ました。したがって、一切のアップサンプリングやサンプルレート変換は行っていません。

下手な小細工するよりも、CDの信号をそのまま素直に増幅した方がヨロシイという事でしょうかね? 同社のハイエンドCDP (CDP-8)の内蔵DACも44.1kHz/16bitのままアナログに変換していると聞いた事があります。

確かに、信号のクオリティはソースの情報量で決まってしまうわけで、オーバーサンプリングしようがビット数を上げようが、泣いても笑っても、後処理でソースの真のクオリティや情報量を追加できるわけではありません。モトモトナイモンハナイノヨというやつですね。元の信号を改変しているので、真のクオリティは逆に低下していると言えなくもありません。さすがNuForce、徹底していますね。好きですよ、そういうアプローチ。DAC-9が数年後に中古で安く出回るようになったら手に入れても良いかもしれません。

さて、オマケの実験君コーナーです。

今回は、高域の再生波形を比較してみました。

下が信号波形です。クリックで拡大してご覧ください。
signal copy
基本的に5kHzの正弦波ですが、最初の立ち上がりはゼロレベルからプラス側最大まで1サンプリング周期で一気に立ち上がります。最後もマイナス側最大からゼロレベルに一気に変化します。また、途中の2箇所のデータを間引いて、1サンプリング周期でマイナス側最大からプラス側最大(またはその逆)に一気に変化させています。CDフォーマットでは、原理上、これ以上の急激な信号変化は存在しません(22kHzのフル振幅信号に相当)。

下がマイクロフォンで計測した音波波形です(Alpair 6M、モノラル、距離約10cm、ボリュームは相当大きい)
wave copy
赤がIA-7E、青がIcon AMPです。グレーで薄くソース信号波形を重ねています(時間方向のシフトは適当)。アンプ差は全く無いと言えるほどよく一致しています。音波波形は、最初と最後および途中2箇所の急激な信号変化には追従していません。これにはAlpair 6Mのレスポンスとマイクロフォンの感度が影響するため、全てがアンプのせいではありません。ただ、同一条件で比較した場合、アンプによる明確な差は見られないという事です。

聴感ではIA-7Eの高域がシャープに聞こえるため、信号変化の激しいとろころで音波波形に差が出るかもしれないと期待したのですが、予想は裏切られました。計測のサンプリング周波数がCDと同じ44.1kHzなので、これよりも速い現象は観測できません。超音波領域に感度を持つマイクロフォンを使用して、もっと高速な計測を行えば差が出るかもしれませんが、今のところ「可聴帯域の波形を見る限り」明確な差は無いと言えます。

下は信号が停止した後の音波波形の収束状態です。
gensui copy
赤がIA7-E、青がIcon AMPです。いずれのアンプでも、信号が停止した後に弱い振動が見られますが、Icon AMPの方が振幅が小さめです。複数回の信号を比較してみましたが、再現性は良好でした。

今まで波形やスペクトルに明らかな違いが見られた「密閉型とバスレフ型の比較」「デジタル音場補正ON/OFF比較」「デジタル位相遅れ補正ON/OFF比較」「アナログおよびデジタルフィルタの位相遅れ比較」「吸音材あり/なし比較」「Alpair 6 M&P F特比較」等に比べると、前回と今回の実験君結果を見る限り「音楽再生クオリティ」に関する両アンプの違いは極めて微小であると言えそうです。

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2011年11月27日 (日) | Edit |
非常にラッキーな事に、以前勤めていた会社の友人からブログ見てるよ、と突然連絡があり、Nuforce IA-7Eを暫く借りる事ができました。IA-7Eは現行のV3のひとつ前のバージョンです(V2に相当)。歯に衣着せぬ意見を聞かせろとの事でしたので、心得たと、いつもの調子で感想を書いてみたいと思います。ちなみに、その友人は今は上等な真空管アンプを専ら愛用しているとの事でした。Nuforceが気に入ったら格安で譲るよ。。とのこと。さてさて。。

photo.jpg
Icon AMP 対 IA7-E
出力: 24W / 100W
価格: YEN 27K / 220K (V3)
大きさ: 見ての通り
さて音の方はどうでしょうか?

聴き慣れたIcon AMPと比べた時の第1印象は。。。
一聴して「ジョートー」というか「コーキュー」で「ゴーヂャス」な音になったなぁ。。という印象を受けました。ブワッと来るというか、リッチ感が漂うというか。。僕はIcon AMPよりも、もっとビシバシ感のある、もっと味も素っ気もない、もっとクールな音を期待していたので、ちょっと驚きました。量販店の試聴室でイロイロ聞かせてもらった時に感じた、あの僕の嫌いなオーヂオ臭が微かに漂っているような。。期待していた音とはちょっと違うぞ。こりゃ。。

Nuforceと言えども、ハイエンドを標榜する以上、ある程度「コーキュ」で「ジョート」で「ゴジャス」な音にしないと売れないという事なのかなぁ。。ハイスピード、ビシバシで評判のNuforceがこれだと、他のハイエンドアンプはどういう事になっているのか?

Nuforceは新しいモデルほど本来のNuforceらしさがマイルドになっているらしく、Icon AMPはNuforceの原点に回帰したようなアンプだというレビューを見た事があったので、記憶を頼りにその記事を探したところコチラで見つけました。。「ザ・ステレオ屋」さんの黒江店長さんのブログです。店長さん曰く、

(Icon AMPは)本当に初期のNuForceを聴いているような感覚で、V2~V3のパワー、S付きのプリと変わり続けているNuForceですが、(最後に出た)こいつ(Icon AMP)で原点回帰か!(笑)…と、思ってしまったくらいです。(スピード感は初期のIA-7 (V1)には劣るけど、IA-7 V3には勝ってるんじゃないかなぁ。)

IA-7の最新V3よりスピード感があるとか。。。ハチマルのV2に対する感想もそれほど的を外してないかもしれませぬ。Icon AMPよりもスピード感があるというIA-7の初期バージョン(V1)を是非聴いてみたいものです。

正直言って、LEANAUDIOシステムで、こと「音楽」を楽しむ上で、IA-7Eには確たるメリットを感じません。大型システムを駆動するならパワーは必要ですが、ニアフィールドではコストに見合うメリットを感じないという事です。後でデータをお見せしますが、定格パワーに余裕があるからといって、超低音のスピーカ駆動に余裕が出るわけでもなさそうです。これを二ジューマンエンも出して買う気は、今のところ全く致しませぬ。。とは言え、リビングへの進出を画策しているので、パワーのあるジョートーなアンプも1台くらい確保しておいても良いなぁ。。と、思案中。

こと「音楽」を聴くという使い方をする限り、この価格差でこの程度の違いか。。。というのが正直な感想です。例えば、F80AMGをAlpair 5に交換して音が出た瞬間に「次元が違うぜ!」と感じた2度と比較し直す必要のない違い、Frieve Audio自動音場補正やバスレフを密閉+デジタルブーストに変更した事による明らかな再生クオリティの違い、吸音材ありなしの違い、Alpair 6MとAlpair 6Pを補正なしで聴き比べた時のオンシツの違い等に比べると、随分微妙な違いだと思います。また、「音楽」を聴く分にはIcon AMPの方が自然で聴きやすいとさえ感じます。

僕には業務用アンプの方が向いているのかもしれません。コチラをご覧ください。総じて民生用に比べると驚くような低価格。だいたいどこのメーカも同じモデルで定格出力違いを出しており、お値段は出力で決まるという感じです。周辺回路が殆ど無いとは言え、とってもリーズナブルですね。ACCUPHASE製もあって、さすがに他に比べると高価ですが、一番大出力の600Wバージョンでも360,700YENなり。。再生クオリティは民生用と比べてどうなんでしょうね? 余計なナンチャラ感一切なしで再生クオリティさえ十分高ければ、これはお買い得です。

さて、今回もオマケで計測データをご覧に入れます。

まずはスピーカ(Alpair 6M)の前方約10cmで計測した周波数特性です。
ftoku.jpg
青がIcon AMP、赤がIA-7Eです。50Hz以下の超低域では、IA7-Eの方が少し出力が高くなっています。アンプ自体のF特差という事でしょう。ハチマルの場合、フラットに補正するので、この違いは重要ではありません。

さて注目の超低音再生波形ではどうでしょうか? 50Hzで波形振幅を揃えていますが、前の記事のデータよりも音量設定を大幅に上げています。青がIcon AMP、赤がIA7-Eです。

50Hz
50.jpg
50Hzでは同等ですね。

40Hz
40.jpg
ほぼ同等ですが、Icon AMPの方が3次高調波が少し低く、わずかにIcon AMPの方が良いようにも思えます。

30Hz
30.jpg
おやおや。。これもIcon AMPの方が少し良いみたいですよ。ただ、F特から分かるように、IA-7Eの方がレスポンスが高いため振幅が大きくなっており、それを勘案すればほぼ同等と言えるのかもしれません。

定格パワーって、このへんの再生能力には関係ないようですね?

期待していた超低音の再生能力も殆ど変わらないか、わずかにIcon AMPの方が優れているようにすら見えます。ちょっと残念な結果となりました。期待してたんだけどなぁ。。それとも原点回帰したIcon AMPが凄いという事なのでしょうかね?

とりあえず暫く使ってていいよ。。という事なので、ご厚意に甘えたいと思います。
時々アンプを入れ換えながら、仕事中に聴いてみます。例によって無意識にどちらに手が伸びるか?ココロがどっちを欲するか?ハチマルにとっては、これが最も信頼できる評価方法なんですよ。切り換えながらオンシツを集中して聴き比べても、あまり正しい結果が出たためしがありませぬ。

今のところIcon AMPの方が好きですね。IA7-Eは低音(といっても超低音ではないと思う)が少し不自然に膨らむ感じ、また全体的に少し響く感じがして、時々違和感を覚えます(脳の中の方または前頭葉のあたりがちょっとコソバユク?感じる)。ちょうどAplair6 MとPをフラットに補正した時のオンシツの違いに似ているかもしれません。

追記
そういえば、最近早朝に愛用しているSONYのハイエンドなモニタ型ヘッドフォン(MDR-Z1000)を始めて聴いた時にも、同じように低音がブワッと膨らむ感じがして違和感を覚えました。交響曲には良い感じなので、もっぱらベトベン交響曲を聴く時に使用しています。Icon AMPとIA7-Eの違いは、ちょうど、ひたすらダイレクトなトップマウント型カナル型イヤフォン(Victor製)とMDRーZ1000の違いに似ているかもしれません。世間では、低音のこのブワッと膨らむ感じがコーキューでジョートーな音として認知されているのかなぁ?。。ハチマルには、あまり上等なオーヂオは馴染まぬようです。普通に正確に素直に信号を音に変換してくれるだけで良いのだけどなぁ。

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2011年11月20日 (日) | Edit |
久しぶりの実験君です。なかなか興味深い結果が得られたのでご紹介します。

普段は相変わらずFrieveAudio + Nuforce Icon AMP + Alpair 6Mの馬鹿ブースト(40Hzフラット)で快適に音楽を楽しんでいます。僕には、やはりこの馬鹿ブー方式が最も自然で気持ち良く聞こえます。「春の祭典」さえ聴かなければ全く問題を感じません。

フルレンジ ドライバ一発で真に音楽のフルレンジを再生できるというのは、「音楽全体の自然な聞こえ方、調和のとれた聞こえ方」という面で圧倒的に優れているように感じます。どの周波数で分割しようが、この自然さには適わないでしょう。音楽の周波数帯域に「ココ」という切れ目はありません。それを複数の出音源(ドライバ)に分割するというアプローチは、考えようによっては、デジタルブースト方式よりも、余程「無理矢理」で「強引な」やり方に思えなくもありません。

さて馬鹿ブーに関して、50Hz以下の超低音領域での正弦波の再生波形が、なぜあのような形態で歪むのか、以前から釈然としませんでした。超低域の歪みがドライバの機械的な限界に起因するのであれば、波形は単純に頭打ちになって丸くなるはずです(振幅が過大であるために非線形領域に入るため)。しかし、実際には、高調波が顕著に現れて波形が尖ります。変ですね????どして????

これが機械的な問題によるものではなく、電気的および磁気的な問題によるものだとすると、アンプによって歪み方が変わるかもしれないぞ、と考えるのが実験君というもの。そこで手持ちのアンプ4台で波形を比較してみました。

供試アンプは下記の通りです。
- Nuforce Icon AMP: 24W (4Ω)、18W (8Ω)
- ONKYO A-905FX: 60W (4Ω)、40W (8Ω)
- KENWOOD KA-S10: 12W (8Ω)
- ELEKIT TU-870R改: 2W (8Ω)

スピーカにはAlpair 6M (1本だけ)を使用し、マイクロフォンをスピーカ前方約10cmに設置して音響波形を計測しました。

以下に、50、40、30Hzの0dB正弦波信号を再生した時の各アンプによる再生音響波形を示します。50Hzの音響波形の最大振幅がほぼ同じになるように、各アンプのボリュームを調整しています(50Hzで音量を同じに揃えたという事です)。普段の標準的ボリューム位置くらいだと思います。TU-870を含めるために、あまり大音量にはできませんでした。なお、グラフ中の数値は気にしないでください。カーソル位置の設定が正しくありませんでした。

●まずは50Hzの波形です。
50Hzまでは危なげなく確実にビシッと再生して欲しいものです。

Icon AMP /50Hz、ボリュームは12時
ICON 50

A-905FX /50Hz、ボリュームは9時半くらい
ONKYO 50
Iconに比べて2次が多く、4次が少なめ。波形はIconよりもやや尖り気味に見えます。

KA-S10 /50Hz、ボリュームは1時半くらい
KEN 50
波形を見ただけでも結構歪んでいるように見えます。FFTで見ても高調波は上の2つに比べると多めです。

TU-870 /50Hz、ボリュームは3時半くらい(ほぼ全開)
TU 50
50Hzでもかなり歪んでいます。これは比べるのが可哀想かもしれません。真空管式シングルアンプの場合、プラス側とマイナス側で振幅と波形が多少異なるのは、真空管の特性上ある程度仕方ない事です。また、それが独特の心地よさを演出してくれるわけですからね。

●次は40Hzです。
通常の曲では、この周波数領域の信号はそれほど高くありません。この周波数まである程度ビシッと再生してくれれば、過激なズンドコ系や最強バスドラにも対応できます。
Icon AMP /40Hz
ICON 40 copy
2次、3次によって波形が尖ります。ただし、マドンナのズンドコ信号レベルでも-12dB程度ですので、通常の再生時にここまで歪む事はありません。

A-905FX /40Hz
ONKYO 40
Iconよりも明らかに歪んでいます。2次が多めです。

KA-S10 /40Hz
KENWOOD 40
波形は905FXとほぼ同等。さらに3次が増加しています。

TU-870 /40Hz
TU 40
チッコイTU-870にこの領域の再生クオリティを求めるのは酷すぎです。

●最後に30Hzです。
この周波数ではソースの信号レベルは一般的に非常に低いため、あまり重要ではないと思います。
Icon AMP /30Hz
ICON 30
結構頑張っていると思います。

A-905FX /30Hz
ONKYO 30
Iconよりも明らかに歪んでいます。

KAーS10 /30Hz
KEN 30
意外にもIcon同等以上ですね。

TU-870 /30Hz
TU 30
。。。。。

と言う事で、アンプによって超低音の歪み方が異なる事がわかりました。この周波数領域で見る限りIcon AMPが最も優れているように思えます。A-905FXは定格出力が大きい割りには、ちょっと期待外れでした。定格出力の低いKA-S10が良く健闘しています(注: このアンプは4Ω負荷での動作を保証していない)。なお、トランスの小さいTU-870にこの領域の再生能力を求めるのは全く酷だと思います。ケロでは200Hz以下をサブウーハー用デジタル アンプに受け持たせているので問題はありませんが、この結果だけを見て真空管アンプは駄目だとは決して思わないでください。そこんとこヨロシク。

以上の結果を見ると、定格出力はあまり関係無さそうです。EIAJ(日本電子機械工業会)の定める実用最大出力というのがあって、これは1kHzで歪み率(THDだと思う)が10%!に達する出力とされているようです。TU-870の実測データを見た事がありますが、2Wというカタログ値はほぼ正確にこの実用最大出力に一致していました。ただし、各メーカがカタログに記載している出力値がこのEIAJに必ず準拠しているかどうかは定かではありません。

このような超低音の再生能力において、重要なのは「駆動力」と言われるやつなのでしょうか? あるいはダンピング ファクタと言われるやつなのでしょうか? 出自が機械屋さんなので電気系はどうも苦手です。「駆動力」というのが理論的にどのような電気的特性値によって定義されるのかよく理解できませんが、そのような「駆動力」の高いアンプを使用すれば、馬鹿ブーの限界を改善できる可能性があります。「駆動力」あるいは「ドライブ力」というのは、多くの場合、例によって極めて感覚的に捉えられているようですが、このへんを特性値としてキチンと定量化して欲しいものです。

今回の結果を見る限り、Icon AMPは安くて小さい割りに極めて優秀だと言えます。デザインがクールで超コンパクト。お値段は超お手頃。素晴らしい製品だと思います。国産品も頑張らないと。。

なのでNuforce社の上等のプリメインアンプIA-7 (最新はV3)には凄く興味があります。評判を見る限り、超ニュートラルで癖は一切なし、スピード感ブリブリ(ドラマーの方がドラムの音が他のアンプに比べて圧倒的にリアルだと言っている)、非常に明瞭、しかし音はカリカリし過ぎないという、ソース波形を素直に正確に再生してくれる「音楽再生マシーン」的アンプであるように思えます。
nuforce.jpg
普段聴いている生音に近い音が聞けるという事で
Nuforceを好むミュージシャンも多いとか
しかも、ハイエンド機としては超コンパクト
デザインもGOOD
価格以外はLEANAUDIOにぴったり
定格出力は100W

ドラムスがリアルって事は、きっと「駆動力」「瞬発力」が素晴らしく高いのだろうなぁ。試してみたいなぁ。とは思うのですが、定価が22マンエン。アンプだけに二ジューマンエン以上。これはもうハチマル的経済観念による許容範囲を遙かに超えています。Iconでも十分に満足できているわけで、50Hz以下の駆動力が大幅に上がったとて、実際に音楽を日常的に聴く上で、如何ほどの効果を実感できるのやら? せめてジューマンエン以下なら考える余地もあるのですが。中古を探しても、ほとんど出回っていませんでした。気長に探してみますか。。。デスクトップとハイエンドの中間的プロダクトラインを出して欲しいなぁ。。。

「音質」というと、どうしても「中高音」のキャラ(ナンタラ感)に耳目が集まるように見受けられますが、徒にディティールのオンシツに拘らず「音楽」を全体的に捉えながら聴く場合、僕には低音領域がビシッとバシッとしている事(スピード感というやつ?)が、「音楽再生クオリティ」にとって極めて重要な因子であるように思えます。音波波形の基本形状を決定付ける低音の再生クオリティこそが、音楽再生のキモだと言っても過言ではないかもしれません。Alpairドライバを非常に高く評価しているのも、大信号がドンと入った時にスパッと動いてビシッと止まるという、運動性能の高さ故ではないかと考えています。恐らく、Alpairに出会っていなければ、馬鹿ブーには辿りつかなかったでしょう。

Nuforceは、Mark audioと並ぶLEANAUDIOお気に入りブランドになるかもしれません。どちらもクオリティの高さを視覚的にもうまく表現しており、クールで理知的な製品イメージをしっかりと訴求しています。重厚長大ジョーカンタップシ木目調オーヂオとは明らかに異なる、新しくてカコイー オーディオを予感させてくれると言えるでしょう。音楽に限らずアートとは、常に若者が憧れる時代の最先端を行くカコイーものであるはずです。そんなカコイー音楽に深く関わるオーヂオも、もっとクールてファッショナブルにならないとね。

今時はヘッドフォンという事ですかね?
確かに、セッティングなんかで何も苦労せず、スピーカよりも圧倒的に高いクオリティの再生音を、安価に、周囲を気にせず、手軽に聞けるわけですから、人気があるのも納得です。僕は極めて現実的で賢明な選択だと思いますよ。特に密閉型ヘッドフォンやカナル型イヤフォンで低音ビートの正確なノリを体験してしまうと、そんじょそこらのスピーカでは満足できませんやね。

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ヘッドフォン少女、いいですね

オッチャン達のように大層な装置で、コマケーオンシツやリンジョーカンにやたら拘って聴くよりも、余程素直に「音楽」を楽しめますよね。装置なんぞに苦労せずに、高いクオリティの再生音で大好きな音楽に集中できる事は、とても大切です。若者がヘッドフォン再生で気軽に音楽に親しむ事に、とかくアータラ言う向きもあるようですが、大層な装置をトッカエヒッカエして、オンシツやリンジョーカンにやたら拘って聴くのが「エラク」て「ジョートー」な音楽の聴き方では決してありませぬ。「エラソー」にしてるけど、あれはアーユー「趣味」だと言うだけです。装置の事など一切気にせず、必要十分な本当の意味での良質な再生クオリティで、自分の大好きな音楽を、自分なりのスタイルで、カッコよくガンガン楽しむのが何よりです。

でも、オウチで聴くには鬱陶しくないかい? 僕は最近とっても上等な密閉型モニタ ヘッドフォンを早朝に愛用していますが、CD 2枚が限度だな。音は申し分ないのだけど、あの装着感がね。。。ま。。だから苦労してLEANAUDIOを開発したというコトです。

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2010年05月27日 (木) | Edit |
今回はリスニング位置での測定値です(スピーカーからマイクロフォンまでの距離は約75cm)。

526.jpg
前回紹介した20cmでの測定値との比較です(L側、Icon AMPを使用)。スピーカーの位置は同じで、マイクロフォンの位置だけが異なります。このようにスピーカーから少し離れただけで特性が随分凸凹になりますが、1m以上離れると低域がさらに激しく歪みます。

128_20100527142932.jpg
これは以前に測定した参考データです。この時はF80AMGをデスクトップの前端に置いて、スピーカー軸上で測定しています。135cm離れただけで500Hz以下が凄まじい事になります。

528.jpg
再び今回のデータです。リスニング位置で測定したR/Lスピーカーのデータを比較しています。500Hz以下の低域では、R/Lが一緒に上下する周波数領域と、R/Lで明らかに異なる変化を示す周波数領域が存在します。単純に考えれば、前者は前後壁または上下壁(天井/デスク)の反射の影響、後者は左右壁の反射の影響によるものと推察できます。500Hz以上の凸凹はデスクトップの影響と思われます(スピーカーをデスク前端に置いて測定した場合、500Hz以上の凸凹はほとんど発生しない - 1つ前の参考グラフ参照)。

近いうちに新聞紙か何かで巨大な戸澤式レゾネータを作って部屋の特性を改善できるかどうか試してみる予定です。市販されている音響調整用ボードは随分高価ですが、新聞紙でこれに挑戦してみたいと思います。

なお、TU-870のデータは割愛します。アンプによる違いはほとんどありません。

529.jpg
新システムのイコライザ係数とおなじみAlpair馬鹿ブーストのイコライザ係数を示します。新システムでは全域で±6dB程度の補正だけで、30Hzまで完璧にフラットな特性が得られます(というか補正しなくても十分な特性が得られます)。補正後の測定データはお見せするまでもないと思いますので割愛します。

次回は、このようなコンセプトの利点について考えてみたいと思います。

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2009年02月11日 (水) | Edit |
写真の世界でもそうですが、オーディオの世界でも「デジタル」に拒絶反応を示す方がまだ多いようですね。アナログは人間味があって温かく、デジタルは人間味がなくて冷たいという感じでしょうか。どちらも技術者たちの熱い情熱と叡智の結晶なんですがね。

035a.jpg
Nuforce社の小型デジタルアンプIcon
そのコンセプトには注目すべきものがあります。
 
写真の世界でも近いうちにそうなるでしょうが、オーディオの世界ではもう泣いても笑っても音源はほぼ完全にデジタル化されています。であるならば、信号をアナログへ変換する以前にデジタルでできる事はできるだけデジタルのままで処理しておいた方が良かろうと考えるのが極めて自然です。というか、CDが世に出てから随分と経っている割に、その方面の技術が家庭用オーディオ分野に浸透していない事には驚かされました。電線にうつつ抜かしてる場合ではないと思うのですが。。。。

例えば、アンプのトーン調整や、マルチウェイ スピーカーのネットワーク回路、デジタル化によって失われた超高音域信号の擬似的生成、それにスピーカーの機械的設計(バスレフやバックロードホーン等)は、かなりの部分をDAC以前のデジタル信号処理に置き換える事ができるはずです。それによって当然信号にある程度の劣化を来す可能性があったとしても、上記のアナログによる方法でも同等以上の悪影響(特に位相の変化)が出るわけですから、どちらが得か冷静に判断する必要があります。デジタル信号処理では位相への影響を出さずに、あるいは逆に積極的な位相の補正を含めて、極めて急峻で自由度の高いフィルタリング処理が可能なはずなんですが。

036a.jpg
Icon用の専用スピーカーS1
接続にはネットワーク ケーブルを使用
スピーカーはフロントホーン形状として音圧を稼ぎつつ
f特上の癖は専用のイコライジングで補正している
従ってこのスピーカーはIcon以外のアンプとの接続を全く考慮していない

このIconという小型デジタル アンプには専用のスピーカーが用意されており、このスピーカーとはLANケーブルで接続するようになっています。そして、このスピーカーを接続した場合にのみ、アンプ側でそのスピーカーの特性に合わせたイコライジングが行われるようです。LANケーブル内の2本の信号ライン以外のラインを使用してスピーカー側の電子データへアクセスしている模様です。デジタル一眼レフではレンズ側にもチップが内蔵されており、ボディ側のCPUでそれを認識して最適制御を行うのに似ていますね。

カメラの場合はメーカー間の互換性がかなり限定されますが、もしこのような方法がオーディオ業界全体で統一規格化されれば、スピーカー側の設計に大きな自由度が得られるのではないでしょうか。つまり、スピーカー側にイコライジング特性を記録したチップを内蔵しておき、デジタルアンプ側でこれを読み込んで、そのスピーカーに合わせた周波数/位相補正を行うわけです。これによってスピーカー側はかなり思い切った設計ができますし、バスレフ等の低音増強機構や一部のネットワーク回路も省略できるはずです。

信号をそのように改変すると音質が悪化すると言われますが、現在はそれと同じ事をアナログ的に(ネットワーク回路や、スピーカーの低音増強とか、とかく位相的に問題が多い事を)平気でやっているわけですから、原信号がすでにデジタル化されている現代において、それをDAの前に行った方がずっと理にかなっているはずです。たとえば、現在のスピーカーの大部分はバスレフポートで低音を増強していますが、低域がなだらかに減衰する密閉型で低音信号をブーストするのとどっちが得かをよーく考えてみる必要があります。一般的にバスレフタイプは密閉型に比べて低域の位相(遅延群)や共振点以下の出力の急減、風切り音、ポート自体の共鳴音等が問題となります。よーく考えてみた方が良いとおもいますよ。ほんとに。

しかし、いくらスピーカー単体から発せられる音のf特をフラットにしたとしても、実際のリスニング位置では部屋の影響を受けてf特はかなり凸凹になります。ニアフィールドで聴く場合はまだしも、大型システムで離れて聴く場合は部屋の音響特性がもろ効いてくるでしょうから、このあたりを補正するためのデジタル信号処理も、製品に最初から組み込んで欲しいですね。ホームシアター用のサラウンド システムでは測定用のマイクロフォンが最初から製品に同梱されていてDSPによる位相補正もやっているみたいですが、ピュア オーディオを標榜する2チャンネル ステレオでこそもっと真剣にやってみたら如何な物かと思います(特にサブウーハーの積極的利用も含めて)。もしハイエンドでピュアなオーディオの究極の目標がコンサートホールの完璧な再現だとういのであればなおのことです。イヤホンマニ。

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2009年02月06日 (金) | Edit |
ヨドバシドットコムで何か良いアンプは無いものかと、プリメインアンプの項目を開いて「価格安い順」に並べ替えたことろいきなり先頭にありました(つまり一番安い)。

KENWOOD製のKA-S10というやつです。MP3プレーヤーなどの出力レベルの低い装置用に特別に感度の高い入力を備えています。しかも値段は余裕で2万円を切ります。とてもコンパクトでディスプレイの下に置けるし。

007b.jpg

KENWOOD KA-S10


2万円台にはマランツとかの有名オーディオブランドのアンプもありますがデカイ。横幅40cm超えです。KENWOODのはたった17cm。後で実際にお店で見ましたが、このご時世にギャグとしか思えない程にデカイのがずらーっと並んでました。音質云々以前に即失格。ゼンゼン問題外。

3万円台にも良さそうなのがありました。アメリカ製のNuForce Iconというヤツです。KENWOODよりさらに小型でデザインがナイス。しかも4色から選べる。さらにUSB DAC内蔵!。入力の感度も高そう。イカスゼIcon!!
150.jpg
Nuforce Icon


この2機種に絞ってネットで評判を調べたところ、KENWOOD製は作りもしっかりしていて普通にOKそう。NuForce社は高級デジタルアンプで定評のあるメーカーで、Iconは同社としては超低価格設定の戦略的最新機種らしく、ネット上での評価もとても高い。でも価格がKENWOODの2倍もするのと、スピーカー ケーブルにLAN用のネットワーク ケーブルを使用するという一寸アブナ気な設計が気になったので最終的にKENWOODに決定。

KENWOOD KA-S10を使ってみた感想ですが、僕の求める音質レベルであれば問題は全くありません。

009b.jpg
小さいけど高級感があります。
D AUDIOというのが高感度入力です。
右側のつまみは低音ブースト用です(赤い▲は自分で貼った)。

 
ケーシングには4mm厚のアルミ板を使用し、スピーカー端子もバナナプラグが使える高級タイプです。小さいけど高級感は十分。購入前は気にしていなかったのですが、サブウーハー用の出力端子が付いているので、後でサブウーハーを簡単に接続できました。良いお買い物だったと言えましょう。

高感度入力のおかげでMP3プレーヤーからの信号も元気よく鳴らしてくれます。出力はたった12 W/chしかありませんが、ボリュームは9時の位置で十分です。多分2 Wも使っていません。

これでスピカは元気に鳴るようにはなったのですが、やはり細かいところが聴き取りにくいのに変わりはありません。特に低音がモゴモゴブワブワ。。ゼンゼン駄目。

という事で、カナル型イヤフォンなみに聴きやすい音楽再生を目指してスピーカーを改造する事にしました。

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