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2013年06月14日 (金) | Edit |
デジタルFIRフィルタの位相回転について、2名の方からコメントがありましたので、FrieveAudioで簡単に確認してみました。

基本的に密閉型の低音ブーストというのは+12dB/Octのフィルタを適用するのと同じであり、今まで散々実験君を繰り返した経験から、位相は殆ど回転しないだろうと高をくくっていましたが、ちょうど良い機会なので手っ取り早く実験君してみましょう!というのが、今回の内容です。

FrieveAudioは「直線位相FIR」を採用しているとの事。タップ数は最大で65535まで設定できますが、僕の普段の設定(16383)を使いました。DACのチャンデバに関しては別の機会に確認したいと思います。

下はフィルタ設定です。
Frieve cross
縦軸は1目盛りが1.5dBです。最も急峻なフィルタ特性を設定しました。殆ど絶壁です。一体全体何-dB/Octなんでしょうか? クロス周波数は100Hzです。

クロス点の100Hz正弦波のDAC出力波形です。
Frieve Div 100
上(赤)がLOWチャンネル、下(青)がHIGHチャンネル。クロス点における位相はピッタシ揃っています。

90Hz正弦波のDAC出力波形です。
Frieve Div 90
HIGHチャンネルの振幅は減衰しますが、やはり位相はピッタシ揃っています。

80Hzを入力すると、オシロではHIGHチャンネルの波形を観測できませんでした。殆どゼロ振幅。さすが絶壁君ですね。

今度は片方のチャンネルにフィルタをナニも設定せず、片方のチャンネルにローパスを設定しました。
frieve 100 60
上(赤)はフィルタなしチャンネル、下(青)はローパス適用チャンネルです。
100Hzと63Hzの波形を重ねています。
位相はどちらの周波数でもピッタシ揃っています。80Hzも確認しましたが同じでした。フィルタを適用しようがしよまいが、位相は殆ど(というか全く)変わらないという事です。

さすがFrieveAudio君!
巨大なタップ数なので、さぞかしCPUパワー喰いだと思われるかも知れませんが、非力なAtomプロセッサ搭載PCでも十分実用的に機能してくれます。

以上、取り急ぎご報告。。。デシタ

追記
この実験君では、位相補正はOFFです。


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2013年05月31日 (金) | Edit |
前回の記事でこの実験君シリーズは終わりにする予定だったのですが、追加でFrieveAudioのDSPを使って帯域分割した場合のデータを掲載しておきます。

計測条件(マイク位置等)は前の記事とほぼ同じです。

まず、60Hzの1サイクル正弦波の再生波形です。
Frieve 60
赤がZAP2.1+FrieveAudio、青がAlpair6M馬鹿ブー(前々回の記事)、緑がZAP2.1+DACのDSP(前回の記事)です。比較のため、今回も50Hzまでフラットに補正しています。位相補正は全てOFFです。
DACのDSPで帯域分割すると馬鹿ブーよりも約5ms遅れますが、FrieveAudioのDSPで帯域分割すればそのような遅れは発生しません。DACの遅れはハードウェアではなくソフトウェア(DSP)に起因すると言えます。やはりFrieveAudioのDSPは優秀ですね。

ZAP2.1+FrieveAudioのその他の周波数での波形です。
位相補正はOFF。横軸スケールは周期で合わせています。
Frieve Noc
灰が信号、青が40Hz、赤が60Hz、緑が80Hz。補正は50Hzまでなので、40Hzの振幅は小さめです。

位相補正をONにしました。
Frieve C
各周波数の波形が綺麗に揃い、2発目の波形で信号波形の位相にほぼ一致します。

次に補正済みの周波数特性です。リスニング位置(約70cmの距離、マイク手持ち)で計測しました。
FrieveAudioによる計測結果(クリックで拡大)
Frieve Ftoku1
100Hzでクロスさせています。FrieveAudioの補正済み特性の計測では、メインとサブウーハを同時に計測できません。また、各スピーカの絶対音圧レベルも分かりません。上図は、別々に計測した2つのスピーカの特性曲線をPhotoShopで適当に合成しただけなので、実際のサブウーハのレベルを確認する必要があります。

そこで、Daytonの計測システムで総合F特を計測しました。
まず、周波数レスポンス(F特)計測画面で計測した結果です。
frieve F4
2kHzより上でややHIGH上がり気味(+2.5dB程度)ですが、スムージングを強く(1/6オクターブ)しているので30Hz~20kHzで±2.5dB以内に入っています。実際のリスニング位置でです。。。なんだか凄い。

歪み計測用の画面でも計測してみました。
frieve F3
50Hz以下でレベルが下降しています。スピーカ保護のために元の信号レベルを下げているのでしょうか?それ以外は、こちらの結果も極めて良好にフラットです。こちらではHIGH上がり傾向は見られません。

以上の結果から、サブウーハのレベルは全くOKと言って良いでしょう。

FrieveAudioの補正係数の計測には、相変わらず安物パソコン用マイクを使っています(DAYTONマイクはFrieveAudioでは使えない)。その安物マイクによる補正結果を校正済みのDAYTONマイクで確認したわけですが、上記の結果を見る限り、安物マイクでもスピーカの大雑把なF特計測には全く十分であると言えます。無響室でもない普通のお部屋で、オシゴトの合間に殆どの場合マイク手持ちでチョイト計測するワケですから、あまりコマケーところを微に入り細に入り気にしても意味がありません。とにかく大雑把にやってオッキー問題からズバッと片付けるのが開発の鉄則です。

ただし、絶対音圧レベルを知りたい場合は校正済みのマイクが必要です。校正していないマイクは相対比較にしか使えませんので、ご注意ください。

100000001000180082_10203.jpg
エレコム MS-STM54
LEANAUDIOではF特計測や波形観測にずっとこのマイクを愛用しています。
ヨドバでたったの610YENなり。
断線したので先月新しいのを購入しました。
絶対音圧レベルを知る必要がなければ、全くこれで十分です。ホンマニ。

最後に20Hzまで完全フラット+位相補正ONで春の祭典を再生してみました。
Frieve春 copy
位相補正ONなので遅れは殆どなく、また、全域(30Hz~15kHz)をフラットに補正しているため、音響波形は信号波形によく一致しています。もちろん、コレも安物マイクで収録しています。

以上が4年間かけて開発したLEANAUDIOの現在の到達点です。FrieveAudioの方がiTune+DAC DSPよりも音質(聴きやすさ)は良いような気もしないでもないような気もするような気もしないではないのですが、最近は選曲しやすいiTuneを多用しています。多少音質に差があっても、面倒臭くなくて楽しい方に手が伸びるという事です。別にオンシツ(ヨイオト?)をツイキュしたりキキワケたりしたいワケでは全くないですから。

また、交響曲を真剣に聴きたい時は専らモニタヘッドフォンを愛用します。「広大なホールの反響音が重要な要素となる交響曲を聴くには部屋の影響を全く受けないヘッドフォンに限る」が僕の結論です。ホールに比べて圧倒的に狭くて四角いオウチでは、殆ど無響室にしない限りどう手を尽くそうがスピカでは無理。そもそも、携帯電話+カナル型イヤフォンでフルトベングラさんのベトベン交響曲を聴いて鳥肌立ったのがLEAUAUDIOに着手するきっかけでしたよね。マヂメにバイノラル録音されたベトベン交響曲全集が是非とも欲しい!

という事で、FrieveAudioの出番は殆どなくなってしまいましたとさ。オッシマイ。

追記
F特がドーダコーダとシツコク言うと毛嫌いされるようですが、これは音楽再生システムという「一定の目的を持たされた実用機械」をお部屋に設置したら、正しく機能するようまずイットウ最初に行うべきウルトラ超基本的調整です(もちろん、実際のリスニング位置でね)。好き嫌いの問題ではアリマセン。何もFrieveAudioのようにびったしフラットにする必要はありません。10数バンドのイコライザでも十分でしょう。この21世紀、610エンのマイクと無料のソフトを使って誰でも簡単に計測できます。スマホのアプリでもOKかもしれません。今時、「音楽鑑賞用」を謳う全ての家庭用オーディオ装置には自動的な調整機構を組み込むべきです。もう21世紀なんだからさ。。。全てのコマケーオコノミの調整はその後から始まります。設置環境に合わせた基本的調整が必要なのはどんな「機械」でも同じです。

真っ直ぐ走らぬ車の細部をいくら超精密にチューニングしても決して永遠に車として正しく機能しません。永遠にグルグル回ります。

追記2
交響曲の場合ZAP君にオデコがくっつくくらい近付いて聴くと結構良いです。AURA 1"とA10サブウーハを使ってデスクトップ用ウルトラ ニアフィールド(非接触ヘッドフォン)を作って見ようかと考えています。窓を開けるため音量を上げられず、かといってヘッドフォンでは汗をかく夏場用としては最適かもしれません。なんか、次のネタができたかな?ドデショウカ?

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2013年05月24日 (金) | Edit |
今回は、バスレフ型の低音歪みについての実験君結果をご紹介します。定常歪みだけでなく動的歪みも簡単に評価しました。

バスレフ型では、共鳴周波数で振動板振幅が非常に小さくなる(理論的にはゼロになる)ため、下限周波数における「定常」歪みに関しては密閉型+ブーストよりも大幅に有利です。

今回の実験君では、TONO箱(8L)のバスレフ仕様(共振f=60Hz、吸音材なし)とZAP(2.5Lポチ箱、密閉、吸音材大量)の低音歪みを比較してみました。ドライバは共にAlpair 6Mです。

部屋の影響を最小にするために、マイクは20cmの距離に置きました。周波数特性を正確に揃えるために、どちらもFrieveAudioで60Hzまでフラットにしています。密閉型の60Hzにおけるブースト量は約+9dBです。

音量は以前と同様に、下記のように設定しました。
1) 昼間の標準的ボリュームよりやや高め
標準ピンクノイズで約75dBC(リスニング位置)に設定。PCのボリューム目盛りは32/100
2) ご近所にビクビクしながらかなり頑張ったボリューム
標準ピンクノイズで約82dBC(リスニング位置)に設定。PCのボリューム目盛りは60/100

マイクロフォンを20cm位置に置いたため、グラフの絶対音圧レベルは以前のリスニング位置での計測結果と異なりますのでご注意ください。

それでは結果です。今回は4次および5次の歪みもプロットしています。グラフの色分けは下記の通りです。
Color.jpg

1)標準的音量
上が密閉、下がバスレフです。赤の%値は75dBを基準とする値です。
密閉75
バスレフ75
密閉型は最大ブースト点の60Hzをピークとして2次歪みが増加しますが、全く問題のないレベルです。バスレフ型の歪みは殆どフラットですね。

2)大音量
ドアを閉めていても奥さんから1発でレッドカードを喰らう音量です。PCのボリューム目盛りは1)の約2倍。
赤の%値は85dBAを基準としています。
密閉85
バスレフ85
当然どちらの歪みレベルも全体的に高くなりますが、傾向は1)と同じです。ブーストは60Hzまでなので、Alpair6 M最大の弱点である50Hz以下の3次歪みの急増は見られません。このため、このような大音量でも、以前のヘッドフォンによる聴感評価でガイドラインとして設定した基準(2次は5%以下、3次は2%以下(1%以下が好ましい)、4次以上は1%を大幅に下まわる事)になんとか収まっています。これらの歪みは、以前の記事に書いたように信号処理(メカトロ化すればコスト増殆どなし/ソフトで対処)または小径ウーハを2本プッシュプルで使えば(コスト増あり)大幅に改善できます。バスレフ型では、約150Hzに2次の特徴的なピークが見られますが、原因は分かりません。

下は60Hz/-12dB定常正弦波の再生音響波形です。音量は2)の条件と同じです。つまり2)のグラフの60Hzにおける波形と考えてください。
上が密閉型、下がバスレフ型です。
密閉 SINE
バスレフSINE
密閉型では、2次歪みの影響で波形が上下非対称になっていますが、バスレフ型では信号波形(グレー)と非常に良く一致しています。しかし、波形には明確に現れていませんが、このような大音量になるとバスレフ型ではポートの風切り音がハッキリと聞こえ、非常に耳障りです。聴感的には歪みの大きい密閉型の方が好ましく聞こえなくもありません。このように、バスレフ型の場合、高調波歪みは低くても、大音量ではポートの風切り音が問題となります。

下は、上の波形のFFT解析結果です。
上が密閉、下がバスレフ。
FFT密閉
FFTバスレフ 
バスレフ型の場合、高次の高調波成分が高くなっています。風切り音の影響かも知れません。

以上のように、バスレフ型の「定常」歪み特性は非常に優秀である事を確認できました。
しかし
音楽信号の周波数成分と振幅は極めてダイナミックに変化します。一時たりとも留まらぬ過渡現象の嵐であると言えましょう。従って、本当の歪みは動的に評価してみないと何とも言えません。

そこで、1サイクルの正弦波信号(60Hz/-12dB)を入力した時の音響波の挙動を調べてみました。音量設定は上記2)と同じ(大音量条件)です。以下の図には、信号波形をグレーで示しています。

上が密閉型、下がバスレフ型です。
過渡密閉
過渡バスレフ
密閉型の場合、信号に対して少し遅れますが、信号波形との対応は明確です。しかし、バスレフ型になると、音響波形の各ピークが信号のどのピークに対応するのか良く分からない程大きく変形して(従って歪んで)います。このように、バスレフ型は定常正弦波信号を非常に綺麗に出力しますが、過渡的な信号になると大きく崩れます。綺麗な定常波形がだいなしですね。

バスレフ型の波形を少し詳しく見て見ましょう。
最初に密閉型と同じ遅れで小さな振幅の波形が発生し、ほぼ1サイクル遅れて大きな振幅の波形が続いています。最初の小さな波形は振動板から直接放射される音、大きな波形はその後共鳴が起こってポートから放出される音だと思われます。

最初は無信号ですから、システム(ドライバ+箱内の空気)は全く共鳴していません。このため、振動板は信号通りに動いて音響波を発生し、システムが励起されて共鳴が始まります。その結果、1発目のピークよりも2発目のピークの方が振幅が大きくなっています。2発目の振動板の動きでさらにシステムが励起され、ポートからは3発目のさらに大振幅の音響波が放出されますが、その時点で振動板の運動はほぼ停止しています(信号が無くなる)。その後、放ったらかしにされた箱内の空気はダラダラと減衰しながら振動し、信号停止後も暫く音を放出します。。。と、いった現象が考えられます。あくまでも推測ですよ。

音楽信号は過渡現象の嵐ですから、音楽再生中にこれに近い現象がノベツクマナク発生していると考えられます。

LEANAUDIOの初期では、バスレフのチューニングに散々取り組みましたが、どうやってもバスレフ型で長く音楽を聴いているとだんだんイライラしてきて、ポートに詰め物をし始め、最終的に密閉型になってしまうという事を繰り返しました。これは、このような過渡現象の問題に由来するのかも知れません。僕はジャズを聴く際ピチカートベースを基準に聴く癖があるため、特に低音の過渡的問題には敏感なのかも知れません。

さらにバスレフ型は、ポート自体が共振音を発生し、箱内部の定在波音もポートから放出し、さらに大音量時には風切り音も生じると言った付帯音の多さも欠点として持ちます。これに関しては「音楽再生における付帯的音の現象 - データ編 その1 」で詳しく調べました。

最後にオマケとしてFrieveAudioの位相補正をONにしてみました。
過渡密閉 補正
位相の遅れは殆ど無くなります。しかし、実用状態での補正の効果は、僕には全く感じられません。密閉型では元々遅れが少ないからかも知れませんね。

今回の実験君結果は以上です。この後も、過渡挙動について追加の実験君を予定しています。オッタノシミニ!

追記
ブーストの下限周波数を欲張らずに同じドライバのバスレフ型と同等の周波数特性を達成するだけであれば、小さな密閉ブースト方式で十分に実用的な性能(歪み特性)が得られます。今回は8Lのバスレフ型に対して密閉型は2.5Lでしたが、以前の記事に書いたようにLEANAUDIO方式では箱容積の影響は小さいため、1L程度の箱でも結果は殆ど同じでしょう。バスレフ型の場合、共鳴周波数を保ったまま箱を小さくする事は困難です。1Lで60Hzなんか絶対無理ですから。商品性を高める上で、コンパクト化はトッテモ重要です。

再三申しているように、密閉型ブースト方式はシステムのコンパクト化に非常に有利であり、しかも動的挙動の面でも大きく優れている事がお分かり頂けたと思います。さらに、現象がシンプルである(音は振動板の運動に直接対応する)ため、電子制御による挙動の改善も容易です。メカトロ化により、そのポテンシャルはさらに大きく拡がるでしょう。

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2013年02月03日 (日) | Edit |
前の記事からの続きです。

FrieveAudio + ASIO4ALLで再生するとサウンドブラスタのチャンデバ機能が働かずサブウーハから音が出ないという件ですが、結局それがアタリマエなのかもしれません。FrieveAudio自体は全く問題なく動作しています。

いろいろやってみたところ、ASIO4ALLで出力すると、サウンドブラスタのソフトウェア設定が全く効果を持たない事がわかりました。チャンデバだけでなくグライコも各種エフェクタ(SmartVolume等)も一切効きません。つまりソフトウェア処理が全てバイパスされているという事です。ただし、DAC本体のマスタボリュームだけは使えます。

考えて見れば、ASIOは本来、途中の処理を全てバイパスして遅延を少なくしようというのが狙いのはずですから、今の状態が正しいのではないか?という気もしないではありません。以前のXP PCではFrieveAudio + ASIO4ALLでもサウンドブラスタ ソフトウェアの全ての効果を使えたので便利だったのですが、そちらの方がASIOの働きとしては変と言えば変なよう気もします。便利だったのですがねぇ。

という事で新しいWin7環境でFrieveAudioを使って2.1ch再生するには、ASIO4ALLを経由せずに標準ドライバに出力してサウンドブラスタ ソフトウェアのチャンデバ機能を使うか、それとも、FrieveAudioのチャンデバ機能を使って帯域分割した後の3チャンネル信号をASIO4ALL経由でDACへ直接出力する事になります。

FrieveAudioでの計測にはASIO4ALLが必須であるため、サブウーハを同時に作動させながらRとLの全域F特を計測する事はできず、L/R/SWを別々に計測する必要があります(参考記事)。これが結構面倒クサイ。

ZAP君は以前から何も変わっていないため、今のところ以前のPCで計測したデータをそのまま使ってFrieveAudioで帯域分割してASIO4ALLで直接DAC入力へ信号を送るという方法で聴いています。理屈上はこの方法が信号クオリティ的にはベストであろうと思われますが、まぁ、例によってワザワザシューチューして聞き分けようとしないので、本当に良いのかどうか僕には違いがヨックワカリマセン。。。。。

ハナシは変わって、
例のDAYTON計測システムが届きました。少しだけ使ってみましたが、ソフトウェアはマイクのオマケ程度の出来という感じです。なんとソフトウェアにテスト信号生成機能が組み込まれていないため、添付CDのテスト信号(サインスイープ等)を再生しながら計測する必要があります。余りにお粗末。。。さっそくリッピングしておきましたが、信号を別のソフトウェアで再生してから計測ソフトウェアの計測開始ボタンを押す必要があるため、とても面倒クサイです。ソフトウェアのUIもあまり良い出来であるとは言えません。少々ガッカリ。。。

このシステムの一番の利点は、マイクロフォンのシリアル番号に基づいてホームページからキャリブレーションファイルをダウンロードして校正できるため、絶対的な音圧レベルを正確に把握できる点にあります。ですから各種フィルタを内蔵した騒音計としても使えます。ソフトウェアの信号解析機能については、おいおい当ブログでご紹介しますので、ご購入を検討中の方は暫くお待ちくださいませ。

ちょこっと計測してみた例です。
Dayton OMNI
高調波歪みの解析画面です。上記のFrieveAudioチャンデバによる再生。この計測では、リスニング位置で75dBA程度になるようボリュームを調整しています。縦軸のdB値は絶対的な値ですが、まだマイクの校正ファイルをDLしていないので正確ではありません。

先週は旧PCで仕事しながら並行して新しいPCのインストール作業を進めたので少々疲れ気味。最近はソフトウェアのライセンス管理が厳しくて、ライセンスキーが不明とか、インストールディスクが見つからなかったりとか、イロイロ大変で疲れてしまいました。もうイヤ!。。。今度PCをアップグレードする頃はもう60才かもしれません。なんだかショック。。

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2013年01月31日 (木) | Edit |
7~8年酷使したPCがいろいろと問題を生じるようになったため、新しいPCを自作しました。お仕事を絶対に中断させないよう、同じタワー型ケースを2つ持っていて、中身を交互にアップグレードしながら使っています。片方は緊急時のスペアとしていつでも使える状態で保管しておきます。

今回OSをWin XP ProからWin 7 Pro (64ビット)に変えたのですが、心配していたFrieveAudioは無事に動作してくれました(FrieveAudioの公式サイトでは必要動作環境がWin XPになっている)。その他、サウンドブラスタDACのドライバはメーカサイトから64ビット用をダウンロードできましたし、ASIO4ALLも無事作動。WaveGene(波形生成ソフト)とExactAudioCopy(CDのリッピング用)も最新版をダウンロードして難なく作動しました。特にWaveGeneは今まで使っていた旧バージョンからかなり改良されているようです。

しかし、HandyOscillo (オシロスコープ ソフト)はWin XPまでしかサポートしておらず、残念ながら全く動作しません。Dayton製計測セットの同梱ソフトウェアにはオシロ機能も当然含まれているでしょうから、それまで待つしかありませんね。

さて、今回はOSをWin XP Pro 32ビットからWin 7 Pro 64ビットに、CPUを2コア(Core 2)から4コア(Core i5)に、ハードディスク(256GBx2、RAID)をSSD(240GB、Intel製)に、メモリを2GBから8GBにアップグレードする事により、性能の向上を劇的に体感できました。Win7とSSDのおかげで起動もあっという間です。

今回、メモリの低価格化が進んでいる事にも驚かされました。予算的に容量をちょっと我慢するという必要はもうアリマセン。その他、静音型の高級電源ユニット、コレダケで済むナンデモ付きのマザーボード(Asus製、Intelチップセット)、DVDドライブを含めて今回のハードウエア総額は80K YENそこそこ(PC Depoの通販を利用)。電子技術分野の進歩はすさまじいですね。ソレニヒキカエ。。。。ナンジューネンもグルグル。。。

FrieveAudioを最大の5倍アップサンプリング/96kHz出力に設定し、CPU負荷の最も高いCタイプHSC(超高域ノイズ付加)を作動させてもCPU使用率は数%しかありません。以前の動作が重くなっていたPCでは5倍アップサンプリングすると負荷の最も低いAタイプHSCでも音が途切れて使えませんでした。すばらしい。。

ということで、
FrieveAudioはWin7の64ビットモードでも問題なく動いてくれました!
というお話でした。あ、でもね、マイクがだめなので、音場計測/補正の最終的な結果までは確認していません。計測機能自体は動作します。

しかし、FrieveAudioってのはよくできていると思います。非力なAtomプロセッサでもHSC等のオマケ的機能を除けば十分実用的に使えますし、このようにOSが進化しても、2007年から全く更新されていないバージョンがそのまま動いてくれます。基本が良くできているのでしょうね。作者は本当に優秀な方だと思います。ちなみにAtom搭載音楽用PCだとサウンドブラスタの高機能DACが重荷なので、最近使っていません。お役ご免ですね。ご苦労様でした。

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2013年01月27日 (日) | Edit |
プチ実験君シリーズ、今回はFrieveAudioの補正効果を再度確認してみました。マイク断線の症状がますます悪化しているので、DAYTON計測システムの入荷が待ち遠しい。。。

今回使った信号波形です。
gene2.jpg
200Hzと600Hz(3次)の合成波にパルスを追加しました。

ソース波形とDACアナログ出力波形の比較です。
Signal DAC
グレーがソース、黄がDAC出力。以前の記事に書いたように、DACのアナログ出力でも少し位相が変化(高周波が遅れる傾向)するため、DAC出力で既に波形が変形しています(3次成分が少し遅れている)。

パルス位置で揃えたスピーカからの音響出力波形です。ZAP Alpair6を使って、いつものリスニング位置で計測しました。
Frieve 3次d
赤が補正OFF、水色がF特補正ON/位相補正OFF、緑がF特補正ON/位相補正ONです。音響波形では逆に3次成分が進んでいるように見えますね。でも、アレ?位相補正が180°分足りていません。。。

ところがパルスを見ると、他の波形ではパルスが上向きなのに、緑だけ下向きです。極性が反転しているようです。そこでON/ON(緑)の波形を上下反転してみました。
Frieve3次
すると位相補正は正しく働いているように見えます。そういえば、以前もFrieveAudioの出力は反転して見ていました。どうもこのへんの極性はヤヤコシイ。。。3次との合成波だと上下が対称形になってヤヤコシイので、下図のように2次を合成してみました。これだと波形は上下対称にはなりません。
gene3.jpg
スピーカ音響波形です。
Frieve 2次
黄がDAC出力、赤が補正OFF/OFF、緑が補正ON/ONの極性反転波形です。

パルス入り信号音だと、耳で聞いても補正のON/OFFで音が少し変わるような気がしました。でも、実際の音楽再生の場合、僕には位相補正の効果を特に感じる事はできません。また、以前の記事でも書いたように、マイクロフォンからの変換/逆変換過程を考えると、電流駆動方式と同様に、このような位相の補正が(聴感上の変化が有るにしても無いにしても)理論的に筋の通った事なのかどうか、ちょっと考えて見る必要があるような気もします。でも、せっかくだから普段は補正ON/ONで聞いていますけどね。

いよいよマイクロフォンが駄目かもしれません。次回はバイノラルマイクを使ってヘッドフォンでプチ実験君してみようかと思います。オッタノシミニ!

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2012年10月03日 (水) | Edit |
最近、音楽再生におけるタイムドメイン的特性に関してお二方よりコメントを頂きましたので、僕の考えるところをまとめておきたいと思います。

微小な「音質」の違いにはさして興味のない僕の経験から言える事は、リスナの「部屋」で彼の「」に実際に届く音響波形が源信号波形に「ソコソコ」近付けば(つまり周波数領域的にも時間領域的にもソコソコ再現できれば)、「音楽」が聴きやすくなる、自然に聞こえる、違和感を覚えない、長時間聴いても疲れない、すなわち、より快適により楽に「オト」ではなく「音楽」を楽しめる(アクセスできる)という事です。

さて、音楽再生を評価する際、まず基本となるのがおなじみの周波数特性(F特)です。これは周波数を横軸として、各周波成分の出力(音の大きさ)をプロットします。このような評価方法は周波数領域(ドメイン)解析と呼ばれ、時間方向の現象(位相)は評価に含まれません。高音に対して低音が遅れていようが進んでいようが結果は同じです。

これに対し時間領域(タイムドメイン)解析では、時間を横軸とします。早い話が色々な信号を入力して波形を見るという事です。このブログでも、各種の信号を入力した時のスピーカ音響波形を再三掲載しましたね。また、各周波数における遅延(位相の遅れ)を計測し、これを周波数を横軸とするグラフにプロットする場合もあります。

下はおなじみのシミュレーション結果です。
sim 000
Alpair6Mを2.5Lの密閉箱に入れた状態です。つまりZAP君をシミュレートしています。一番下の緑のラインが位相です。プラスが側が遅れ方向です。このグラフでは位相は20kHzまでダラダラと進みますが、Alpair6の場合、1kHzから上はほぼ一定と考えた方が実測とよく一致します。1kHzを基準にすると、50Hzで約90°(5ms)位相が遅れる事がわかります。

このようにアナログフィルタやバスレフポートを持たない単純なフルレンジ+密閉箱でも低域で位相が遅れます。しかし、何故このように遅れるのか? その原理を僕は未だ理解していません。明確な説明を見た事がありません。どなたか原理をご存じの方は、是非ご教示願います。

遅れが位相角度(°)で示されている事にも注意が必要です。例えば360°の遅延を時間に換算すると、1kHzでは1msですが100Hzでは10倍の10msです。このように、遅延の位相角が同じでも低音になるほど時間的遅れは大きくなります。僕は低音の「時間」的遅れが重要ではないかと考えています。例えば、10kHzのシンバルに対して50Hzのベースの一発目のアタックが何ms遅れるのか? あるいはどの程度崩れるのかという事です。

下は、再三ご紹介したベースとトランペットの音が重なった波形です。
位相 ON OFF
FrieveAudioで周波数特性だけを補正した波形です。大きなうねりのベース波形に、倍音をタップリと含んだトランペットの波形が重なっています。グレーの源信号波形に対して、ベース波形は90°弱遅れています。また、トランペットの波形も源信号とは随分異なります。各倍音成分の出てくる順番が異なるようにも見えます。

位相 ON ON
FrieveAudioの位相補正もONにしました。今度はベースもトランペットも源信号にピッタリ一致します。でもね。。。実際に聴くと僕には違いがよく分かりません。。

ヘッドフォン
これは密閉型ヘッドフォンです。何も補正してませんが、源信号波形によく一致しています。ベース波形は遅れるどころか若干進み気味です。オープンエア型のヘッドフォンでも殆ど同じでした(こちらは密閉に比べて僅かに遅れ気味でほぼぴったりの位相でした)。これもまた謎で、同じダイナミック型なのに、何故ヘッドフォンでは遅れないのでしょうか??不思議です。
補足: DACなりアンプなりでほんの少し低域の位相が進んでいるケハイがあります。そのうち確認してみますね。

以上のように、最もシンプルなフルレンジ+密閉箱でも、位相遅れによって再生波形はかなり変形しています。しかし、僕の耳では位相遅れ補正のON/OFFによる違いを聴覚で感じ取る事はできません。もともと、音楽を聴くにあたって必要以上に微細な再生音質の違いをワザワザ聞き分けようという強い意志を持たぬ僕には、この程度の違いは普通に音楽を鑑賞する上でさして重要ではないという事なのでしょう。ただ、はっきりと言えるのは、このように雑な波形観測では、デンセンやナンダカンダの違いは観測不能なくらい微小であろうという事です。

下は典型的な2Wayバスレフ型のシミュレーション結果です。
fos_20121003040049.jpg
アナログフィルタとバスレフポートの影響により、フルレンジ+密閉やヘッドフォンに対して凄まじく位相が変化する事がわかります。このツイータの10kHzを基準とするならば、50Hzで約540°(30ms、ZAPの6倍)遅れます。これだと僕にも位相遅れ補正の効果を聞き分けられるかな??? 現在広く一般に普及している形態のスピーカはこのような状態にあると思われます。上の波形はどの程度変形するのでしょうか。。。なお、12dB/Octのフィルタを使っていますが、ツイータを反転していないため、クロスオーバー領域で特性が凹んでいます。これは、位相遅れの値を正しく表示するために敢えてそうしています。反転すると、見かけの位相差は小さくなりますが、実際の位相遅れ(時間的遅れ)が改善されるわけではないので注意が必要です(反転したツイータの波形と、ウーハの次の(遅れた)波形がたまたま一致するだけ)。

このような位相変化が聴感上どの程度影響するのか定かではありませんが、デンセン等のやたら微小な影響に比べれば、根幹的かつ巨大な現象と言って良いでしょう。なお、デジタルフィルタを使えば、このような問題は生じません。僕がデジタルチャンデバ内蔵DACを強く望むのはそのためです。ベリンガの業務用超多機能デジタルスピーカマネジメント装置の値段を考えれば、今時そんなもん超安価に作れるはずです。ホンマニ。。。ナンデヤネン。。。です。

下はAlpair6M+Alpair10のZAPシステムをシミュレートしたものです。
sim ZAP
位相(緑)のラインは、Alpair6MとALpair10単独の特性です。この計算ソフトではバイアンプ状態をシミュレートできないため、別々に計算して重ね合わせました。プレートアンプに内蔵のアナログフィルタを使っているため、Alpair10の低域の位相はこのように遅れます。1kHzを基準とした場合の50Hzの遅れは約270°で、実測とよく一致しています。

下は波形です。
sub hakei
源信号(グレー)に対して音響波形(赤と青)は約270°(赤の水平線)おくれている事がわかります。

この遅れを時間に換算すると50Hzで約15msになりますが、普段音楽を聴いている分にはあまり気になりません。FrieveAudioで位相を全くフラットにした馬鹿ブースト方式と切り換えながら聴き比べると僅かながら差を感じますが、単独で聴いている分にはエーンチャウというのが正直なところです。

シミュレーションでは、バスレフ型の位相遅れは共鳴周波数において180°程度です(1kHz基準)。従って、アナログフィルタを使った密閉型サブウーハ方式よりも位相遅れは少なくなります。しかし、再三申しているように、僕はジャズを聴いている時にピチカートベースにどうしても違和感を覚えて、何度やっても穴を塞いでしまいます。これは、単純な群遅延というよりは、ドンと信号が入った時の初期の過渡挙動(箱の中の空気を一定の共振状態まで励起するのに要する遅延時間)に問題があるように思えます。この点については7LのTONO箱を使って近々検証する予定です。

という事で、現在の一般的なスピーカでは、スピーカそのもの、アナログフィルタ、バスレフポートによって、周波数が低くなるほど位相が遅れます。しかし、バスレフポートと中域でのクロスオーバーを持たない僕の密閉型フルレンジ システム(+密閉型サブウーハ)に限って言えば、時間領域的特性(位相遅れ、過渡挙動)はそれほどクリティカルではなく、やはり周波数特性が「音楽」再生における最も支配的な要因であるように思えます。

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2012年07月01日 (日) | Edit |
本題の前に、前の記事の追記。。。

アーチストさんは往々にして破滅します。既に書いたように、追い込み過ぎて限界を超えたがために精神的に持ちこたえられなくなるというのも1つのパターンだと思いますが、恐らく、彼らが最も恐怖するのは「テンゴクトツナガラナクナル」という事でしょう。ミューズが降りてこなくなるという奴です。ある日突然、もしかしたら今この瞬間にも、降りてこなくなるんじゃないか。。。という恐怖。。。怖いですねぇ。。成功するまでは怖いものなしですが、大きな成功を収めた後は、それはそれは恐怖でしょう。。。オシマイですもん。他にできる事はナニモナイシ。ヤリタクモナイシ。死んだ方がマシだし。。。。ジャコもマイルスもたぶんジミさんも、そんな恐怖と戦って、ボロボロになったのでしょうねぇ。で、アルコールかドラッグによる束の間のテンゴクに逃げる。。。キッツイですよねぇ。。。アーチストさんという職業は。。。でも、カッコエーなぁ。。。ゆめゆめおろそかには聴けませぬよ。彼らが遺した命懸けの行為の結果を。。。

さて本題です。

今回は、普通に音楽を楽しむための装置が備えるべき基本中の基本性能について書きます。今まで散々書いてきた事の繰り返しになりますが、まぁ、一通り読んでやってください。

LEANAUDIOでアレコレやってみた結論は、

最も聴きやすく、最も楽に、最も自然に、最も飽きることなく、最も深く、全体も細部もバランス良く最もオイシク「音楽」の「内容」を楽しもうとした場合、結局「全く普通に再生」するのが基本である

という事です。

「全く普通に再生する」とは「記録されている音の波形をそのままに近いカタチで耳に届ける」という事です。これは「音楽再生装置」たるオーディオ装置にとって、今さら言うまでも無い、全くアタリ前の基本機能であると言え、ある時代までのオーディオ技術は、専らこれを目指して進んできたはずです。ある時代までは。。。。どこかの時点で再生音楽本来の目的を忘れ、あるいはソモソモ出来もしない事をツイキューとやらし始め、「趣味道楽」の機械として進化の袋小路に彷徨い込んだと思われ、これについては、その経緯を考察してみる価値は十分にあると思います。

逆に、ウォークマンに始まり、音源のデジタル化とPCおよびインターネットの普及/進化の結果としてiPodに代表される携帯型デジタルプレーヤが爆発的に普及し、既に極めて高い音楽再生クオリティを達成している(すなわち既に「全く普通に再生」できる)イヤフォン/ヘッドフォンが、もはや一般民生用オーディオの主流になった感があるのも、極めて妥当な成り行きのように思えます。巨大化/肥大化/趣味化/目的不明化/高額化/高齢化?し、進化の袋小路(根本的再生クオリティは全く進化せず、小型化せず、低価格化しない)にはまり込んだ恐竜に対して、新たな時代の担い手として登場した哺乳類というふうに見えなくもありません。

かくいうLEANAUDIOデスクトップシステムも、元々カナル型イヤフォンでの衝撃的体験から始まり、それを目標として開発を進めてきたわけですが、これからのスピーカ式オーディオというのは、そのように非常に高音質なイヤフォン/ヘッドフォンの音を聴き慣れた人々をターゲットにして開発されるべきでしょう。アチラの進化の方向を修正するのではなく、コチラから改めて進化の枝分かれをした方がもはや現実的であろうかと思えます。既にコチラがオーディオの基準であるという気がします。

「全く普通に再生する」とは、早い話が、「リスナの耳に、音楽帯域のほぼ全域でフラットな周波数を持ち、位相遅れのない音を届ける」という事です。そうする事により、ソースの波形を正確に再現できます。これについては、FrieveAudioで周波数特性と位相特性の両方を補正する事によって、ソース波形にほとんどドンピシャの音を届ける事ができる事を実証済みです(参考記事)。また、ヘッドフォンでは、何も補正せずとも、いとも簡単にそのような再生が可能である事も、同じ記事で実証しています。ハチマルの実感では、密閉型を使うかぎり、位相についてはそれほど神経質になる必要はなかろうと思います。従って、周波数特性が最重要特性であると言って良いのではないでしょうか。

なぜ、それが重要なのか。。。について、シツコイですが、もう一度おさらいします。

再三述べたように、西洋音楽というのは、楽聖ベトベンだろうが帝王マイルスだろうがポップスの女王マドンナ嬢だろうが、ジャンルに関係なく、ほぼ可聴帯域の全域(主要帯域としては40Hz~10kHz)で、人間が耳で感知できる音のスペクトル(ラウドネス補正済みのスペクトル)が、高い方にも低い方にも極端に偏ることなく、ほぼ左右対称またはほぼ均等に分布しています(参考記事)。これが、教会音楽に始まり、いわゆる我々がクラシックと呼んでいる時代に飛躍的に高度化し、その後、より大衆化マスプロダクト化された現代にも引き継がれている西洋音楽の基本構造、あるいは基本の調和だという事です。

ベト5第1楽章の周波数スペクトルの事例についてもう一度振り返ります。ハチマルが所有する、指揮者も楽団もホールも録音年代も全く異なる5枚のCDのスペクトルは非常によく一致しており、さらに、鎌倉のさるホールのほぼ中央席で計測された生演奏のスペクトルも、これらに驚くほどよく一致しています(参考記事)。おそらく、ベトベンが作曲した時点で(彼の頭の中で)既にこれに近いバランスにできており、最終的にはリハで指揮者さんがコンナモンヤネと具合良く調整したら、このようなスペクトルになってしまう。。という事ではなかろうかと思われます。そして、レコーディングのコンソールでの調整においても、スペクトルを計測しながら調整しているとは思えないため、生演奏を何度も聴いたであろう、繊細な専門的感覚を持つレコーディング技術者/アーチストさん達音楽のプロフェッショナルが、耳を頼りにコントロールルームで最終的にコンナモンヤネと調整した結果も、やはりこのようなスペクトルになってしまうという事なのでしょう。

そして、マドンナであれマイルスであれ、やはりスタジオでモニタして、耳で確認して具合エーントチャウ?と最終的に承認した結果も、やはり40Hzと10kHzがほぼ同等の大きさに聞こえ、その間がほぼ均等に分布したスペクトルになっています(参考記事)。音楽の専門家達が「具合エーントチャウ?」という調和を求めると、どのようなジャンルであれ、やはり自然とそのようになってしまう。。という事のようです。

これ以上グダグダ言う必要はないですよね。

「周波数特性なんかジューヨーではない」とか「周波数をフラットにするとオンガクがツマラナクナル」。。。。。なんて、もし、音楽を本当に楽しもうと思ったら(オトじゃないですよ、オトじゃぁ。。音楽ね)、口が裂けても出てくる発言ではありませぬ。そりゃアンタがツマランというだけヤロ!。ドシロートが自分勝手にイヂクリマースのは、それは個人の勝手です。「趣味」ですから。しかし、少なくとも世間に対してそれなりの影響力を持つ業界の玄人さん達が、堂々とそのような発言をしている事には、重大な問題があるとハチマルは激しくそう思います。プリプリ。

さて、ハチマルが以上のような事を書くと、理屈でそんな事を言っているだけだと思われるかもしれませんので、補足しておきます。

以前のハチマルはトランジスタラジオで聴こうがJBLパラゴンで聴こうが「ベトベンはベトベン、ピ○ミGOはピ○ミGO」をモットーとし、再生機械にはゼンゼン拘りませんでした。上等のラジカセ級のやつで十分だと。。。しかし、携帯電話にフルトベングラさんのベトベン交響曲全集とジャコさんの全コレクションをコピーして、そこそこ上等のカナル型イヤフォンで聴いた時にショックを受け(電車の席でトリハダが。。。)。。。そして、DENONコンポのブワブワ スピーカを激怒のあまり破壊し、イヤフォン付けっぱなしで1日中仕事するわけにゆかぬため、また、いろいろ試聴した結果市販品でハチマルの要求を満たせそうな装置が存在せぬため、デスクトップシステムの開発に着手し、試行錯誤の結果ほぼイヤフォン並に聴きやすい現在のZAPの基本ができ上がった時点で、波形計測やスペクトルの解析をして後追いで理論的裏付けを取ったに過ぎません。まぁ、開発屋さんの典型です。

結局、その道の専門家さん達が、具合エーヤロと調整してくれたのを素直に聴くと、概ねどんな楽曲でもバランス良く調和がとれて聴きやすいという事です。アーチストさんの表現の全体と細部を感じ取りやすいという事です(シロートの身勝手なジョーカンとやらではナイヨ)。ウチラのために、そのように作ってくれてはるという事です。アタリ前の事です。そこにドシロートくさいオンガクセーたらナンタラを追加する必要性は感じませんし、あまり露骨にやられると、元々の音楽が聴きにくくって、そのうち激怒してハンマーで破壊したくなります。

以上が、ハチマルが「音楽」を普通に聴くためのスピーカ式オーディオ装置がまず目標とすべきと考える基本中の基本中の基本中の基本の考え方です。

次回から、もう少し具体的なオハナシに入りたいと思います。次回のキーワードは「インテグレイション」の予定です。

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2011年04月18日 (月) | Edit |
FrieveAudioではデジタル信号のアップサンプリング/ダウンサンプリングを設定できます。いろいろ試した結果、通常は44.1kHz/16bitのソースを5逓倍の220.5kHzまでアップサンプリングし、これを96kHz/24bitにダウンサンプリングして出力しています(途中の信号処理は全て64bit分解能)。下にFrieveAudioの「リサンプリング」設定タブを示します。
730.jpg

なのですが、数ヶ月前にUSB接続の小さなディスプレイ(タッチ機能付き)を購入して接続したところCPU負荷が増えてしまい、Atomプロセッサの非力さのためにアップサンプリングできなくなってしまいました。まあいいか。。と暫くアップサンプリングせずに44.1kHz出力で聞いていたのですが、先日タッチ機能だけを殺してみたところCPU負荷が一気に下がって以前のようにアップサンプリングできるようになりました。

とういことで、その効果を改めて実感した次第です。明らかに高音がスムースで好印象に聞こえます。暫く44.1kHz出力に耳が慣れた後であっただけに、その違いがはっきりと分かったのかも知れません。

下にFrieveAudioの「スペクトル」画面を示します。曲はベト3冒頭のジャンジャンです。ピークホールドの赤のラインを比較して下さい(キャプチャするタイミングが正確ではないので、青は正確に同一タイミングではありません)。横軸のスケールはリニアです。

729.jpg
44.1kHz出力です。22kHzでストンと信号が無くなります。

728.jpg
96kHz出力です。3逓倍(132.3kHz)してから96kHzにリサンプリングして出力しています。22kHzで急激に落ちます。アップサンプリングによってAD時に失われた22kHz以上の情報がよみがえるというワケではない。この状態だと僕にはあまり効果を感じられません。

727.jpg
96kHz出力です。こちらは5逓倍(220.5kHz)してから96kHzにリサンプリングしています。22kHzより上でもナニヤラ結構な信号が出できて、22kHzでの段差が目立たなくなります。これが僕の標準設定ですが、この状態でAtomプロセッサのCPU使用率は約70%に達します。ギリギリ。。。5倍のアップサンプリングで出てくる22kHz以上の成分は単なるノイズのはずです(元々ナイモン)が、高域にランダムノイズを付加するのと似たような効果を持つのだと思われます。スペクトルが22kHzでストンと無くなるのではなく、自然界がそうであるようになだらかに減衰するというのが良いのでしょうか??信号再生クオリティとしては決して良い状態とは言えないんだけど、ナンカ良く聞こえる。という感じかな。。。。「音質」が向上したワケでは無い。むしろ「音質」は落ちている?

FrieveAudioにはスーパーツイータの使用を想定したHSC機能という22kHz以上に人工的に信号を付加する機能も備わっています(関連記事)。しかしこの機能はCPU負荷が高いため、Atomプロセッサでは96kHz出力に組み合わせて使用する事はできません。PCの性能が高ければ、さらにこのHSC機能を組み合わせてみる事もできますよ。

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2010年12月30日 (木) | Edit |
「最も手っ取り早い音質改善法」とは「単純にスピーカーに近づく」だけの事です。

交響曲を聴くのが楽しくて、ついついデスクに身を乗り出して聴いてみました。スピーカーから耳までの距離は約40cmです。ディスプレイが目の前に来るので目を瞑ります。すると、低音も高音もより明確に聞こえ、音量は同じですが耳が近づくので特に低音の迫力も増します。通常のリスニング位置でボリュームを上げても、こうは聞こえません。このような超近接リスニングは、小径フルレンジ1発の馬鹿ブーストだからこそ可能な芸当ですね。

いつもは70cm以上の距離で聴いていますが、この程度の距離でも部屋の影響とデスクトップの反射の影響を結構受けています。FrieveAudioで補正しているとは言え、耳をスピーカへ近付けると、それらの影響が大幅に少なくなるのでもっと聴きやすくなるという事だと思います。また、ボリューム一定でも耳元での音圧が上がるので、低音もより聴きやすくなります。他の何かをイヂルよりも圧倒的に効果が大きくて手っ取り早いと直感しました。小径フルレンジ1発の30Hzフラット+αで超ニアフィールドで聴く交響曲。。。これはかなりイケテますよ。「ライブと同等の音圧」ってやつに拘る場合でも、部屋の影響を殆ど受けずに苦もなく実現できそうですしね。。

単純にスピーカーを手前へ移動するとデスクの作業エリアが狭くなってしまうので、可動アーム式のスピーカースタンドを検討中です。写真のスタジオ用具(ライトやレフ板を固定するための可動式スタンド)の中に適当なものが見つかるかもしれません。当面これが最優先プロジェクトになりそうな気配です。とにかく効果が直接的かつ決定的ですので。

以前から「スピーカーは小さくて近いに超した事はない」と言いながら、昨日あらためてそれを実感した次第です。

追記1
ただし交響曲以外では、こんなに近づく必要性をそれほど感じません。交響曲の再生というのは特別なような気がします。今のところ交響曲はカナル型イヤフォンで聴くのが最も好きです。ただ長時間は辛い。SONY製の例のオープンエア ヘッドフォンでは低音のレベルとダンピングが不足気味なのでイマイチ楽しめません(改造計画はあるのですが手つかず)。上記の超ニアフィールドが成功すればカナル型で聴く感じにかなり近付けると思います。

追記2
最近買ったVictor製のカナル型イヤフォンHA-FXC71を凄く気に入っています。このイヤフォンはダイアフラム自体を耳穴へ突っ込む(すなわちダイアフラムと鼓膜の間に介在する空気室の容積が極小)という究極のニアフィールド ドライバです。低音を非常に明確に聴く事ができます。価格も6K円程度と手ごろですし、リファレンス用としても強力にお薦めします。イヤフォンは凄いです。ホントニ。別に音場が前方に展開しなくても僕には全く気になりません。
665.jpg
そう言えば、LEANAUDIOを始めるきっかけとなったのもカナル型イヤフォンでした。携帯電話で聴いたフルトベングラのベトベン交響曲に鳥肌立てていたっけ。。。

追記3
カナル型イヤフォンは、マイクロフォンと同等サイズのダイアフラムを使用し、駆動した空気の全てを密閉した耳穴へ送り込むわけですから有利なのは当然ですね。極端に言えば、ダイナミック型マイクロフォンを耳に突っ込んで、録音時の信号を逆に流して再生しているのと似たようなものですから。。これに比べれば、巨大なダイアフラムで大量の空気を駆動しなければならないスピーカーというのはいかに効率の悪い事か。。。なんかスピーカーで苦労してあれこれやるのがアホらしくなってきます。装着感と鬱陶しいコード、それと健康への不安さえなければ。。。。。音楽体験の初期から原理的に圧倒的高音質のイヤフォンに慣れ親しんだ若い人達が現在のオーヂオスピーカーの音に満足できるのかどうか?

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2010年12月24日 (金) | Edit |
LEANAUDIOにとってFrieveAudioとMarkAudio Alpairは無くてはならいない存在。

当ブログへの検索キーワードの上位一覧もそれを如実に表わしています。
660_20101224071627.jpg

ダントツの1位は「Frieve Audio 設定」です。この極めて優れたソフトウェアの普及に多少なりとも貢献できていれば嬉しいのですが。
このソフトウェアの最終版は2007年にリリースされて以来アップデートされていません。Windows XPまでしかサポートしていないので、今後が心配だと思っていたのですが、最近になってやっと同等の機能を備えたソフトウェアが他から出始めた模様です。ただ、これらのソフトウェアはXPに対応していないようなので、ハチマルは当分試せません(まだXPから乗り換える気はナイ)。それらがFrieveAudioに比べてどの程度使いやすいのか楽しみです。これらのソフトウェアは先駆者のFrieveAudioの機能を十分に研究した上で開発されているとは思いますが、マニアみたくコマケー事を気にしければ「音質」は大して変わらないと思います(なんかの雑誌に「FrieveAudioはロック向き」とか書いてたけど意味不明。ワケワカラン。そんなコトしか書けんのか?他に書くべきもっと重要な事があると思うのだが。。。)。
最も重要なのはユーザインターフェイスの使い勝手です。ブラウザの使いやすさが特に重要ですね。できればiTuneなみのブラウザを装備して欲しいところです。それとチャンデバ機能は是非充実させて欲しいですね(FrieveAudioでもチャンデバは可能なのですが、全チャンネルを同時に測定できないので不便)。Atomプロセッサでも最低限動作可能なくらいの軽量さもモチロン重要だと思います。ハイパワーPCは冷却ファンがウルサイノヨ。静音化には金がかかるし。。ヤタラ微細な音質を欲張ってもPCのファンノイズが大きいと何やってんだかわかりませんので。このへんはソフトウェア開発者のセンスが問われるところです。「何のために使うのか」を念頭に「必要十分」のバランス感覚を大切にして使いやすいツールを開発して欲しいものです。その点、FrieveAudioの作者は非常に優れたセンスの持ち主だと思います。難しいコードは書けても、使いやすく作れる人はそうそう居ないんですよ。FrieveAudioのアップデートを切に願います。

Alpair5との出会いも大きかったですね。
8cmフルレンジを5タイプほど試したのですが、A5は圧倒的に音楽が「よく聞こえました」。それまでに試したドライバーとは次元が違ったというか(値段もちょっと高価でしたが)。。「よく」とは「良く」という意味とはちょっと違います。「よく聞こえる」のです。ワカルカナ?
で、スパイダー付きのAlpair6はどうなんだろか?と心配していたのですが、ほとんど遜色ありませんでした。あいかわらず「よく聞こえます」。これがMarkAudioドライバの、というか設計者マーク氏の基本方針なんでしょうかね。しかもブースト耐性が飛躍的に上がったので、もう他に何も必要ない状態になってしまいました。小さなIcon AMPとの組み合わせがスコブル具合よろしい。Lean & Compactコンセプトの面目躍如ってとこですね。
A5とA6Pが余っているのですが、当分手つかずでしょう。ウーハーは単なるスピーカー台になってしまいました。差し迫った必要がないのにメンドクサイ事したくないのよ。暖かくなったらボチボチ動き出すかもしれません。

お名前は存じませんがFrieveAudioの開発者の方と、MarkAudioのMark Fenlon氏に心から敬意を表したいと思います。

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2010年12月23日 (木) | Edit |
このブログを立ち上げる以前は、ハチマルも4Lのバスレフ型から始めて、ポート長/径はもちろん、断面形状、開口端のファンネル形状/風切り音対策、内部音の直射を防ぐためのボックス内外の仕切り板、吸音材の量等々、それはそれは片っ端から試したのですが、何をやっても長時間聴いているとそのうち癖が耳に付きだして結局ポートに吸音材をドンドン詰めて密閉型にナッチッタ。。の繰り返し。
締まりのない低音を嫌って容積を2.5Lへ縮小し、それでも駄目で結局密閉型にして市販のパワードサブウーハー(密閉型に改造)を追加、さらにサブウーハーなしのAlpair5馬鹿ブースト、Alpair5だと時々低音がズッコケルのでバイアンプ駆動の密閉型13cmウーハーによる低音アシスト。。。。を経て、Alpair6 Mの馬鹿ブースト一発が今一番のお気に入りというトコロで落ち着いています。結局全ての帯域の音を振動板の「前面」だけから発生するというのが最もシンプルで最も自然に聞こえるという事だと思います。「音」自体がツマラナイとかツマルとかの問題ではなく、記録されている「音楽」をできるだけ自然な音で明瞭に正確に聴き取って、「音楽のツマルところ」を存分に楽しみたいというのがハチマルの願いです。

。。。。。と偉そうに言ったものの。。。。。思うに。。。チョット脱線しますが、
MarkAudio Alpairシリーズの恩恵が大きいのではないかと最近ふと思います。というのは音が非常に明瞭かつ自然であるため、付帯音を徹底的に取り除いても音が際だつのではないのか? 付帯音を落とせば落とすほど響きが自然で美しく聞こえるのって、もしかしてAlpairのおかげかもしれないゾ?とね。以前使っていたF80/AMGだと音が沈んでしまって確かに「音がツマラン」かったコトを思い出しました。あの頃は吸音材なしで戸澤を入れただけだったし。もうちょっと音に艶が欲しいとか言ってゴニョゴニョとイヂッタ記憶が。。(背圧を抜くためのポチの尻尾とかアホなコトをした)。


で本題に戻りますが、
どのくらいまで低域特性を延ばす必要があるのか?。。。というのも今までにイロイロ試してきました。FrieveAudioイコライザを使えば周波数特性を如何様にも調整できるのでそのへんはトッテモ簡単です。
結論としては
● 50Hzまでフラット(43Hz/約-3dB、30Hzで-9dB)であれば十分
● でも交響曲を聴くと30Hzまでフラットにした方がホンノリ嬉しいゾ
というところかな?

部屋全体の空気を動かすような大ボリュームで再生すれば違ってくるかもしれませんが、それはハチマルの目指すトコロではありません。

下図はA6 Mの馬鹿ブーで20Hz、30Hz、50Hzまでフラットに修正した時のF特です。
655.jpg
赤の測定データはA6 Mの未補正特性、赤の直線は-12dB/Octの減衰ラインです。A6Mは吸音材をタップリ入れて機械的共振を殺しているので50Hzまでは-12dB/Octラインには乗らずにダラ下がりの特性になっています。ピンクのラインは50Hzに共鳴点を合わせた場合のバスレフ型の減衰特性です。2つ前の記事の計算結果を反映しています。

50Hzフラット(-3dB/43Hz)であれば、前の記事の黄色帯域(40Hzまで)を十分に再生できます。また密閉型であるため、それ以下の周波数のレスポンスもなだらかに減衰するので30Hz/-9dBを確保できます。市販の立派なスピーカーと比べても遜色の無い特性だと言えます。
664 copy
カタログデータで30Hz/-10dBの特性を持つFOSTEX G200 (20cmウーハー2本使用した4Wayスピーカー)との比較。13cmドライバを+6dBするだけで、ほぼ同等の特性が小容積の密閉型で得られます。もちろん最大音量では負けますが、一般家庭で常識的な音量できく分には十分だと思います。左側のラインは30Hzフラットの特性。

普通サイズの部屋では、50Hz以下で部屋の音響特性によるゲインが発生するので、一般向け市販品であれば30Hzまでフラットに延ばさない方がかえって良いかもしれません。極低音でブーミーになる可能性があります。音場補正を前提とするか、ハチマルのように1m以内のニアフィールドリスニングを前提とするのであれば30Hzフラットでも良いけれど。。。

609.jpg
ハチマル部屋の距離1.4mでの特性(参考記事)。50Hzから25Hzにかけて約+12dB/Octのゲインが発生しています。小さめの部屋で1m以上離れて聴く場合は50Hz以下をブーストしない方がかえって良いかもしれませんよ。お部屋の影響はとにかくデカイのでご注意!

前の記事のスペクトルを見る限り、交響曲の30Hz以下の信号レベルは大して高くないのですが、どういうワケか30Hzフラットで聴いた方が微妙に嬉しく感じます。理由はよく分かりません。普通のオーケーストラでは、ソンナニ低い音を出す楽器は使っていないと思うのだけれど。。。ホールの残響?それとも多数の楽器によるモジュレーション?

大概の楽曲では50Hz以下の信号レベルは高くないので、別にフルブーストしても振幅レベルは大した事にならないため、普段は30Hzフラットを標準設定としています。しかし、マドンナの曲(前の記事のBad Girlのスペクトルを見てね)ではモロ30Hzまで高い信号レベルが記録されており、これを30Hzフルブーストで再生するとデスクの振動が手に伝わって気色悪いのでブーストを落とします(A6M自体はこの低音でも破綻せず平気で再生してくれるんだけどね)。

低域応答をフラットにするために必要なイコライザ係数を下図に示します。
658.jpg
赤がAlpair6 M+2.5L密閉、青が13cmウーハー+4.0L密閉です(共に吸音材タップリ)。縦軸は200Hzを0dBとしてプロットしています。この図から、A6 Mでは+12dB、13cmウーハーではたったの+6dBで50Hzまでフラット(43Hz/-3dB、30Hz/-9dB)の特性が得られるコトが読み取れます。

FrieveAudioは内部演算を64bit分解能で行い、DACに合わせて24bitで出力するため、+48dBを超えるブーストをしない限り、オリジナルの16ビットデータの最小ビット情報を失う事はありません。また、ビットのオーバーフローが発生すると、自動的にレベルを調整してくれます。iTuneとかのオマケのイコライザとはワケが違います。+12dB程度のブーストで果たしてどの程度の音質劣化が感じられるのか?分かりませんが、バスレフ型に比較した場合の「総合的な音楽再生クオリティの向上」に比べれば、そのような「音質」の劣化は「屁」みたいなものだと思います。

デジタルブーストがどうしても受け入れられない場合は、

バイアンプ駆動の密閉型ウーハーによる低音アシストでも良質な低音再生が得られます(いわゆる新システム: 参考記事)。ただしアナログフィルタを使用する場合にはどうしても位相の問題を避けられません。下図は、アナログチャンデバの位相遅れによる波形の崩れを示しています(ピチカートベース音: 赤がCDの信号、青が再生音波形)
565_20101219084943.jpg
位相遅れによって波形は崩れますが、バスレフのようにトランジェント部で波形が大きく崩れる事がないので、ピチカートベースではほとんど気になりません。ただし、このような波形ではポールチェンバースのアルコ(弓引き)のソロパートで違和感を覚えた経験があります。
FrieveAudioは位相も補正してくれます(ON/OFF可能)。上と同条件で位相補正をONにした波形を下に示します。
564_20101219084914.jpg


。。。。。という具合に、8cmクラスのドライバでも、小容積密閉箱に入れて100Hz以下を約+12dB/Octの傾きで+12dB程度までデジタルイコライジングするだけで、いとも簡単に位相まで含めて極めて正確で十分な低音再生能力が得られます。中高域の音をイヂリたくないというのであれば、全域の音場補正をせずに200Hzなり100Hz以下の低域だけブーストすればヨロシイ。一般にアタリマエのように使用されているアナログ式の-12dB/Octフィルタは、クロスオーバー点で位相が180°もずれます(だから普通はツイータを逆相でつなぐ)。そんな代物が平気で使われているワケですから、デジタルフィルタによる多少のブーストくらい「屁」でもないでしょう。。。と思うのですが。そもそも音源は最初っからデジタルデータなんだし。。。

もちろんブースト領域の最大振幅によって音量的な制限を受けますが、Alpair6 Mにしてからは低音が破綻せず全く音量的な不足を感じません。さすがにAlpair5では無理があったなぁ。。と反省。
ブースト量を+12dB程度に抑えておけば、音量的な制限は大した問題にはならないでしょう。6畳クラスのマンションの小部屋であれば10~8cmクラス一発で全くOKだと思います。13~16cmクラスのドライバを使用すれば、一般家庭のリビングでも快適音量で聴く分には十分ですよ。きっと。

1982年にCDが発売されてからもうすぐ30年になろうとしています。音源がデジタルで配布されるようになって30年。。。。どしてコンナニ簡単な方法が未だに普及していないのか? ハチマルには不思議で不思議で不思議でと百回言っても足りないくらい不思議でなりません。

もしかして簡単過ぎてマニアにはツマライから???
オーディオってのは電線の違いを聞き分けるようなマニアだけのためにあるのではアリマセン。
鉄道だって、前照灯のちょっとした位置の違いで型式を見分ける鉄道マニアのためにあるのではないのと同じです。アタリマエだけど。。

やたらコマケー事は置いといて (前照灯の位置の違いなんか興味ないから)、普通のリスナーに (普通の通勤客を) 必要十分な音質+適正価格で肝心の音楽を低音までマヂメにキチンと聴かせてチョ (低料金で乗り心地よく安全に運んでチョ、鉄道会社はマジメに頑張っていると思うけど)。。と言いたいぞ。ハチマルは。

以上で「シツコイけど」3回シリーズはオシマイ。

追記
LEANAUDIOコンセプトにとって極めて重要なFrieveAudioMarkAudio Alpairについては、あらためてキチントした記事を書きたいと考えています。ただ書くことが多過ぎてまとまらないのよ。あと、ジャコのコトもね。

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2010年12月05日 (日) | Edit |
ヘッドフォン再生でもFrieveAudioはとっても便利に活用できます。

クラシックだとあまり気にならないのですが、小編成ジャズのスタジオ録音盤だと、左右のセパレーションがはっきりし過ぎて聴きにくい場合があります(例えばベースがほとんど左でしか聞こえない等)。これはヘッドフォン再生では左右耳のクロストークが全く発生しないためですが、このような場合はFrieveAudioの「マトリクス」機能がとても便利です。

この機能を使用すると、計8チャンネルの入力を任意のレベルでミックスして任意の出力チャンネルへ出力できます。もちろん通常のステレオ再生では2チャンネルしか使用しません。

646.jpg
これが通常のステレオ状態です。Lチャンネルの音はL側へ、Rチャンネルの音はR側へ単純に出力されます。「マトリクス」をOFFにすると放っておいてもこの状態になります。ですからスピーカで再生する場合は「マトリクス」をOFFにしています。

645.jpg
この設定では、RとLの信号を完全にミックスしてRとLへ同じ信号を出力します。要は「モノラル」状態です。全ての音は中央に定位し、楽曲によっては非常に聴きやすくなります。

644.jpg
これはステレオとモノラルの中間の設定です。L側出力へはLチャンネル(0dB)と適当に減衰させたRチャンネル(例えば-12dB)をミックスして出力します。R側も同様に調整します。こうすると片耳にも反対チャンネルの音が少し聞こえます。要はクロストークを人工的に作り出した状態です。これにより極端なセパレーションを緩和して、スピーカー再生に近い聞こえ方に調整できます。もちろん反対側チャンネルの混ぜ具合はお好み次第で調整可能です。

イコライザもとても有効です。
デスクトップの馬鹿ブーと近い感じに聞こえるようにイコライザで調整してみました。
648.jpg
100Hzから30Hzにかけて+12dBブーストすると、馬鹿ブーと似た感じに聞こえます。ややダンピング不足に聞こえる点は変わりませんが。。。また、ジャズを聴く場合にはチッチキチーがシャープに聞こえるように15kHzを中心に+6dBすると好みの感じになります(Alpair5のピークをシミュレートした状態)。

そのうち簡単な治具を作って測定してみたいと思います。装着状態をある程度再現しないと何を測っているか分からないので、耳まわりだけでも再現した簡単なダミーヘッドが必要だと思われます。メンドクセー。

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2010年11月15日 (月) | Edit |
最後に吸音材の有り無しと、測定距離/バッフル効果について測定してみました。最後に「まとめ」も書きました。

1) まず吸音材の有無比較。
A6P
631.jpg

A6M
630.jpg
黒が吸音材タップリ、赤が吸音材ナシです。800Hzのピークが箱の前後方向の定在波です(参考記事1)。

各種8cmドライバーを同一箱で比較した過去の経験から、コーンの材質によって内部の定在波の前面への透過性が異なるのではないかと予測していました。今回はそれを確かめる良い機会なので測定してみたのですが、予測していた程の差は見られませんでした。上の2つの図を比べると僅かにPの方が影響が大きいように見えますが、大した差とは言えません。A5とFE87も同一箱で比べたのですが、やはり同程度でした(データを保存し忘れたので図はありません)。

「紙コーンの「紙臭さ」は定在波の透過に起因するのではないか?」というハチマル仮説は覆されてしまいました。

箱内部の3面に吸音材を1層ずつ貼る事によって定在波をほぼ完全に除去できる事は、以前の記事で確認しました(参考記事2)。ただし、箱のサイズが大きくなると、定在波の周波数も下がるため、吸音材の吸音率も低下する点には注意が必要です(波長が長くなると吸音効果は激減する)。大きい箱ではそれなりに吸音材の厚みを増やす必要があるかもしれませんので、ご注意ください。

ストリングやボーカルでは定在波が多少あった方が響き感が加わったように聞こえるので、そのような音を好まれる方には吸音材が毛嫌いされる傾向にあるようです。しかし僕の場合、ベートベンのピアノソナタをよく聴くのですが、吸音材を入れないとピアノの音が不自然に聞こえてとても耐えられません。

2) さて、吸音材の効果については、定在波以外にもうひとつ注目すべき点があります。
上の図では、吸音材を無くすと300Hz~50Hzのレスポンスが増加する事がわかります。これは密閉箱に特有の機械的共振による低音増強効果です。A6Pの方がこの効果が大きく出るようです。A6Mではあまり大きく変化しません(ということは、吸音材をあまり入れなくてもダンピングの効いた低音が聴けるかもしれません)。ちなみに、箱容積をある程度まで増やすとこの効果はもっと顕著に表れ、しかも低域側へシフトします。従って低域限界を延ばす事ができますが、大容積の密閉型では吸音材を適度に入れないと往々にしてダンピングの不足した低音になりがちです。

密閉箱では内部の空気はバネとして働くため、ドライバとこのバネの組み合わせによって機械的な共振現象が発生します(ドライバ単体でも共振は発生する)。これはインピーダンスのピークとして表れます(参考記事3)。この領域では、小さな信号入力でも振動板が大きく振動します。特にダンピングファクタ(DF)の低い小型真空管アンプではこの影響が大きく現れ、締まりの無い低音になる傾向があります。
540.jpg

以前に掲載したA5での測定結果(吸音材なし、約5cmの距離)。赤がiCon AMP、黒がTU-870。

僕はジャズのピチカートベースの聞こえ方を重視するため、ダンピングの効いた低音を好みます。仕事しながらでも、無意識にベースラインを追いかけながら聴くのが僕の習性です(これは中学生の頃にジャズを聴き始めた頃からずーっと続いている癖)。そのようにして長時間聴いていると、半導体アンプの場合でも時々ベース音が微妙にズッコケ気味に聞こえる事があり、その都度吸音材を少しずつ増量しているうちに、とうとう現在のような満杯状態に至りました。新システム用の13cmウーハーやケロでも、最初は吸音材控えめで始めたのですが、結局今は満杯状態で落ち着いています。

通常の場合、密閉箱でこのように吸音材を増やすと低音の出力レベルが下がってしまいますが、僕の場合はデジタルイコライザでブーストするので全く問題ありません。吸音材をたっぶりとぶち込んで共振現象を抑え込む事によって、制動の効いたタイトな低音再生を得る事ができます(すなわち、信号通りの正確な低音が得られる = ベースラインが聴きやすくなるトイウコト)。このように、デジタルイコライジングを活用する事によって、バスレフ型のみならず通常の密閉型ですら抱える低音増強にまつわる問題を回避する事ができます。

3)ついでに、測定条件にまつわる影響を簡単に調べてみました。

このブログの過去のデータを見ると、同じA5のグラフでも微妙に特性が異なっている事に気付かれるかもしれません。通常、何かを比較するために測定を行うため、その記事内で比較するもの同士の条件は徹底的に揃えるのですが、異なる記事間では毎回スピーカーの置き場所やマイクの位置が微妙に異なります。このため、同じスピーカーでも記事によってF特グラフが微妙に異なる場合があります。ホントはいつも同じに揃えれば良いのですが、ついつい手持ちで測定したり、ディスプレイの横に置いたまま測定したりするので、記事が異なると厳密な比較はできませんのでご注意ください。

下図はマイクの距離を変えた場合の影響です。
632.jpg

黒が5cm、赤が10cm、緑が20cmです。いずれも中心軸上で測定しています。波長の長い低音は、バッフルの後方へ回り込むため、バッフル サイズと同等以内の距離で測定すると、ある程度以上離れた場合に比べて低音が高めに測定されます。

次に、20cmの距離で、バッフルの左右と上にA4サイズのハードカバーの本を置いて、擬似的にバッフル面積を増やしてみました。
633 copy

緑は通常の状態(デスク前端に置いて測定)、ピンクがバッフル面積を増やした場合の結果です。約500Hz以下で明らかにレスポンスが増加する事が分かります。この効果もさらに離れれば低下すると思われます。僕の場合、実用状態では幅約60cmのディスプレイの左右にピッタリとくっつけてスピーカーを配置し、約70cmの距離で聴いているため、ディスプレイが結構バッフルとして作用しているかも知れません。

さらに言えば、スピーカー後方の壁との距離も低音特性に影響します。そしてもちろん、お部屋の定在波や反射の影響も被ります。このような諸条件により、無響室内で規定標準箱で測定されたメーカー公表データと自宅での測定データは大幅に異なりますのでご注意ください。当然ですが、最終的には普段のリスニング位置でどのような周波数特性になるかが重要です。

4)まとめ
以上でAlpair6 M(メタル)とP(紙)の比較を一応終えます。
昨日、左右ともMに換装しました。片方は慣らしが付いていないため、完全ブースト状態ではありませんが、なかなか好印象です。音がしっとりと落ち着いたという感じかな。暫くこの状態で使用して慣らしが付いたら、今度は両チャンネルをPに換装してみますね。

最終結論はそれからかな?結局、年内一杯はかかりそうかも。

とりあえず現在の僕の印象を以下に要約します。
PやA5と直接比較すると低音よりに聞こえるM (f0も低く低音よりの特性です。素の状態だとA5愛用者には高音が物足りなく感じられるかも。)
●A5に近い高音特性を持つP (A5愛用者でも満足できる高音。A5に比べれば低音も随分出てます。素のF特バランスがGOOD)
●デジイコ愛用者にはブースト耐性の高いM (デジタルイコライジングすればバッチシよ。ホンマに。素材しとしてGOOD。デジタル時代のSPはこうあるべき。。という感じ。Mも出してくれてありがとう。マークさん!)
●音調がニュートラルなM (ナチュラルです。例えばお店でPと比較試聴する場合には、試聴アンプにトーンコントロールが付いていたらMだけTREBLE(10kHz)をちょっと上げて聴いてみてね。随分印象が変わるはず。Mだけ単独で聴くと高域不足には感じないんだけど、Pと直接比較すると印象がそちらに引きずられるみたい。)
●適度に鳴りの良いP (Mに比べてほんのりブリリアント。イコライザ無しでMと直接比較試聴したらPの方を好む人が多いはず。デジイコなしで素のまま聴くならハチマルだってPを選びますよ!)
●はじめて自作するので自分の好みが分からない方にはP (F特が好バランスで音が綺麗なので、どんな箱に付けても満足できそう。Pと直接比較すると、イコライザなしのMだとちょっと地味に聞こえるかもね。普段使っているスピーカにもよると思いますが)

てとこですかね。あくまでもシャープなAlpair5を聴き慣れた者としての印象ですのでご注意。耳がちょっと「高域より」にバイアスしているかもしれませんので。。A5の高音がキツメに感じられる方にはM6の方が好みに合うかもしれません。

A6 MかPかでお悩みの方。。ご参考になりましたでしょうか?

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2010年11月13日 (土) | Edit |
リスニング位置(距離70cm)の音場補正用に測定を行いました。距離が離れると測定時のボリュームを上げなければならないため、ある程度エージングが済むまでは測定を控えていた次第です。

下図はA6Pの測定結果です。
628.jpg
黒が第1報に載せた前方10cmでの結果。緑がリスニング位置(70cm)での結果です。たったこれだけの距離で随分凸凹になる事が分かります。

下図は以前測定した80cm位置での部屋の特性です(参考記事)。横軸のスケールが異なるので注意してください。
602_20101017124212.jpg
リスニング位置ではこの特性をモロに被っている事が分かります。

今までは10cmでの測定結果を基にして補正していたため、特に約70Hzのディップの影響を受けた低音を聞いていた事になります。今回の結果をイコライザへ反映する事によってこれが補正され、重みのあるベースの低音がよりハッキリと聞こえるようになり、改めて音場補正の恩恵を体感することができました。やはり手放せません。これは。。。。

下は3つのドライバの比較です。
625.jpg
黒がA5、緑がA6P、赤がA6Mです。FrieveAudioは高域(たぶん2kHz以上)のレベルに基づいてグラフを自動調整します。200Hzのレベルを合わせると下図のようになります。
626.jpg
参考のために、10cm位置での比較結果を再掲します。
616.jpg

さらにマークオーディオからの公表データを下に掲載します。

A6P
623.jpg

A6M
624.jpg

200Hzでレベルを合わせて重ね書き
629.jpg

測定条件は大きく異なりますが、2つのドライバの相対的な特性差はメーカー公表値とよく一致していると言えます。公表値では300~100Hzがやや盛り上がり、100Hz近辺からロールオフしますが、これはドライバの機械的共振による効果です(参考記事)。ハチマルは小さな箱に吸音材をタップリと入れてこの効果を殺しているので、ロールオフは高めになります。このためfoの違いもほとんど表れません(メーカーデータではf0の低いMの方がロールオフが低域側へ少し伸びているが、ハチマルデータでは共振効果を殺しているのでMとPのロールオフはほとんど同じ)。

大ざっぱに2つのドライバの特徴を挙げれば、
Pはややハイ上がりで、A5に似た特性。Mの特性はPに比べると低域寄りの特性(このためPやA5と直接聴き比べると、やや籠もった(こもった)ような音に聞こえた)。未補正で聴き比べれば、ブラインドでも明らかに聞き分けられると思います。

しかし周波数特性を揃えてしまえば、印象の違いは僅かとなります。敢えて聴き比べれば音色的にはPの高域はやや華やかで軽い感じ(真空管アンプの音のイメージかな?)。Mの高域はナチュラルでPに比べるとややソリッドな感じ。しかしハチマルの耳では、ブラインドで聞き分けられるかどうか自信はありません(というか強い意志を持ってそのへんの差を聞き分けようという気が興らない。それがそれほど重要とは思えないため)。

Mは高域に対して低域が相対的に出ているため、馬鹿ブーストには向いていると思います(補正量を少なくできる)。また、普通にバスレフ型として使用する場合でも、Mの方がf0が低いため低域を延ばしやすく、低音を重視する方にはMが向いているかもしれません。ただ、同じ箱で直接聴き比べた場合のその場での印象では、音色的にPの方を好む方が多いのではないかと思います。

この程度のf特の違いでも音の印象が大きく変わる事が今回よく分かりました。その意味でも、FrieveAudioデジタルイコライザの恩恵を再認識した次第です。デジタルイコライザを前提とすれば、スピーカーに対する考え方が大きく変わると思います。

次回は、お約束の内部音の透過性を比較してみます。お楽しみに。

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2010年06月06日 (日) | Edit |
新システムのウーハーの吸音材を増やしたところ、Alpair5一発と比べた時の微妙な違和感もほぼ解消しました。実は吸音材のストックが足りなかったので空間の1/2程度しか満たせてなかったのですが、追加購入して吸音材を増やしたところ聴感で随分改善されました。ウーハー側のダンピングが不足していた模様です。これでほぼ完璧な状態だと思います。

そこで前回の記事で使用したベース音の波形を測定してみました(測定ばかりで済みません。備忘録も兼ねているので。聴感で得た結果を測定で裏付けしておくと後々便利なんです)。今回はリスニング位置近辺(距離75cm)にマイクロフォンを手持ちして簡単に測定しただけですが、予想以上に良好な結果が得られました。

メインスピーカーはAlpari5、メインアンプはIcon(チャンデバ通さず)です。

ポポポポーンの2発目の出始めです。中心周波数は約100Hz。と言うことは、ちょうどクロスオーバーする一番微妙なところです。Alpari5とウーハーの音がほぼ均等に混じり合う領域なので、かなり波形は崩れているかと思いきや。。。
564.jpg
素晴らしい! 2Way化したにもかかわらず予想以上に良好な結果が得られて少し驚きました。それどころか、今回は全域フラットに補正しているので前回の測定より信号忠実度が上がっているようにさえ見えます(前回は音場補正なし)。

調子に乗って1発目の「ポ」も比較してみました。

中心周波数は60Hz~80Hzです(ほぼウーハーのみの音)。この「ポ」は音の立ち上がりが緩やかなので前回のバスレフの測定には使用しませんでした。時間スケールは上図と異なります(実際にはこちらの方が周波数が低い)。
561.jpg
これも非常に良いですね。ウーハー君も頑張って動いてくれているようです。

このチャンデバはアナログ式なので低域側の位相が結構遅れます。特に低域だけチャンデバに通して高域側をダイレクトに入力する方式(Iconアンプ使用時)では位相が大きく乱れます。下図にFrieveAudioで測定した位相遅れ特性を示します。
566.jpg
黒: ALpair5のみ、赤: Hi/Loにチャンデバ使用、青: Loのみチャンデバ使用
今回の波形は最も位相が乱れる青の状態で測定したものです。

FrieveAudioはこのような位相遅れも補正してくれるのですが(僕は常時ONにしています)、この補正を敢えてOFFにして上と同じ波形を測定してみました。

2発目の「ポ」
565_20100606205949.jpg

1発目の「ポ」
562_20100606210119.jpg
位相補正をOFFにするとてきめんに波形が歪みます。前回のトーンコントロールの波形と似ていますね。アナログ式のチャンデバだけでなく一般的に用いられるネットワーク回路も、このようなアナログフィルタ特有の位相問題を避けて通る事はできません。ソース信号がデジタルであるこの時代にアナログ式でフィルタリングする事の愚かさがお分かり頂けると思います。実はFrieveAudioにはチャンデバ機能まで組み込まれているのですが、あまり実用的ではないのが残念です(ボリューム調整をPC側でやるしかない)。デジタル式チャンデバとDACを内蔵したプリアンプがあれば理想的なんですけどねぇ。パワーアンプまで内蔵した製品(ラステーム RSDA904)はありますが、これでは真空管アンプ等の好きなアンプを繋げる事ができません。これまた残念。

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2010年05月29日 (土) | Edit |
前回の記事の録音データを使用して、FrieveAudioイコライザの効果を検証してみました。

マイルスの「Hand Jive」の冒頭3.5秒だけを、正確に切り出してスペクトル解析した結果をご紹介します。

535.jpg
全域

534.jpg
低域のみ拡大

黒がCDのデジタルデータをそのまま解析した結果です。基本的に原音再生とは、この信号通りの音がスピーカーから出てくるだけでなく耳に届く事を意味します。

原音再生が必ずしも「好きな音」に聞こえる訳でもないでしょうし、ましてや「最終目標」でもありません。しかーし、これはオーヂオイヂリに手を染める場合の「出発点」あるいは「基準点」で有る事は確かでしょう。これを基準に「好きな」方向へイヂルのが最も効率が良いし、とんでもない方向へズッコケナイ方法だと思います。それがハチマル的アプローチ法なんです。

でと。

青と赤は、黒の信号をスピーカーで再生し、これをマイクロフォンで録音したWAVファイルからの結果です。早い話がマイクロフォン位置で実際に耳に届く音の特性です。
青がイコライザを使用せずにそのまま再生した音、赤がFrieveAudio自動音場補正で作成したイコライザ特性を使用して補正したもの(いわゆる30Hzフラットの馬鹿ブースト)です。8cmのAlpair5一本ですよ。

音を聞いてみる→(補正なし / 馬鹿ブースト):
小さいスピーカーでは違いが分かりません。それなりのイヤフォンで聴いてみてください。

理論上は全くアタリマエの事なのですが、ここまで綺麗に原信号のスペクトルが再現されているのを目の当たりにするとちょっと驚きです。
さあ、赤と青のどっちがとりあえずホントの音に近いと言えるでしょうか?

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2010年05月20日 (木) | Edit |
本日は新LEANAUDIOシステムの写真をご紹介。

写真があまり綺麗に撮れてませんがご容赦を。。(僕はストリートフォト専門なので、物撮りは嫌になるくらい下手です。これでも一昨年は銀座のニコンサロンで個展やったり、写真新世紀やエプソンのカラーイメージングでも入選してるんですけど。。。)

514_20100521143351.jpg
デスクトップはこんな感じです。装置類はデスク左横のラックに置いたので、デスクトップはすっきりしました。手元でボリューム調整できるようにL側スピーカーの横にパッシブプリだけを置いています。
ウーハー用のボックスは4Lの密閉型。メインのAlpair5は以前のまま2.5Lの密閉型。Alpair5の上側に付いているのはチープなスーパーツイーターBATPUREです。効果が良く分からないので暫く使ってなかったのですが、もったいないので復活させました。相変わらず効果の程は良く分かりませんが、外観上のアクセントにもなりますし。。。

512_20100521143430.jpg
メインスピーカーの位置が低いとデスクトップの反射の影響が強く出るので、耳位置よりも高めに設置しています。このためメインスピーカーは少し下向きになるようにインシュレータでお尻を持ち上げました。

513_20100521143550.jpg
デスクの左側に置いたラックの様子です。本来のLean & Compactポリシーに反するたいそうなシステムになってしまいました。チャンネルデバイダーはホームオーディオ用ではなく19"ラックマウントを前提に設計されているため、置き場所に苦労したあげく壁面に上向きに取り付けてみました。

チャンデバに取り付けた配電盤みたいなのは、メインスピーカー用の2台のアンプ(TU-870とNuforce Icon AMP)を簡単に切り換えられるように作ってみました。使用しない方のアンプには安全のために8Ωの負荷抵抗を差し込むようにしています。その下のコイルはウーハーの高域ノイズ除去用です。

ウーハーにはかなりパワーをかけるため、無信号状態で微かに「サー」ノイズが聞こえます。スピーカーの距離が遠ければ問題無いレベルだと思いますが、僕のシステムではウーハーが目の前にあるので少し気になりました。そこで以前実験用に購入した3mHのコイルをアンプとウーハーの間に挿入してみたところ、ノイズはほとんど聞こえなくなりました。効果絶大です。計算上のカットオフは約500Hzになります。

せっかくIcon AMPを購入したのですが、ほとんど使用していません。100Hz以下をデジタルアンプでアシストしたTU-870とAlpair5の組み合わせが僕の好みにドンピシャにはまったという感じです。今のところ唯一の例外はピンクフロイド。ロックは最近これしか聴かないのですが、この時だけはIconの方が明らかにGood。その他はクラシックもジャズ(アコ/エレキ含む)も真空管の方が圧倒的に好みに合っています。ジミヘンは僕的にはジャズの範疇にあり、これも絶対シンクーカンで聴きたいですね(特にLittle Wing、惚れ直しました)。ジャコのエレキベースももちろんTU-870の方が宜しい。あとは真空管の寿命がどこまで延びるか?ですね。1日12時間使用で少なくとも半年はもってもらわないと、本格的に真空管アンプ導入には踏み切れないです。

音質的にはこのシステム予想以上に大当たりでした。バイノーラル録音してブログで公開できないものか、ちょっと検討してみようかな。。と。

次回から測定データを紹介しながら、デジタルオーディオの利点について考えてみたいと思います。

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2009年04月19日 (日) | Edit |
前の記事でAlair5を50Hzまでフラットに音場補正をしました。その結果たった8cmのフルレンジスピーカーと2.5Lの小さな箱で30Hz/-10dBという特性が得られました。これはFOSTEXのG2000 (20cmウーハーx2)のカタログ値に匹敵する低域特性です。
205.jpg
FOSTEX G2000のカタログデータ

しかしこのような極端なイコライジングは、あくまでもニアフィールドで聴いている(すなわち小音量で聴いている)からこそ可能になるテクニックです。
普段からスピーカーの限界近くの大音量で聴いている場合には適用できませんので、ご注意ください。

今回は、このような極端なイコライジングを行う場合に必要な条件について考えてみたいと思います。

1) 基本的に小音量であること
低域をブーストするという事は、低域だけボリュームを上げるという事です。
僕はスピーカーから約80cmの距離でアンプのボリュームは1/4以下で聴いていますが、この場合+20dBくらいまでブーストしても顕著な破綻は見られません。+20dBは信号(電圧)レベルで10倍に相当します。スピーカーへの入力パワーは100倍となります。つまり、スピーカーの振動板振幅や耐入力に十分な余裕が無いと大きなブーストは行えないという事です。既にスピーカーを限界近くの音量(振幅、入力)で鳴らしている場合に極端なブーストを行うとスピーカーを壊してしまうかもしれません。

つまり、小音量のニアフィールドリスニングだからこそこのようなブーストが可能だということです。

2) アンプにも余裕が必要
上で書いたように+20dBのブーストを行うと、その周波数に対しては100倍のパワー(10倍の電圧と10倍の電流)をスピーカーへ供給する必要があります。従って瞬間的な大入力に対してスピーカーを十分に駆動できる余裕が必要となります。KENWOOD KA-S10 (12W/8Ω)を使用していた頃はブースト量は+12dBくらいに自粛していました。それ以上ブーストしても測定上はフラットになるのですが聴感ではあまり効果が感じられず、逆に音が苦しげに感じられたためです。特にインピーダンス4ΩのAlpair5では低域の音が不安定になる傾向が見られました(KA-S10は6Ωまでしか動作保証していない)。
そこで60W/4Ωの定格を持つONKYO A-905FXを購入したわけですが、おかげで4ΩのAlpair5を+20dBまでブースとしても十分に楽しめるようになりました。デジタルアンプの利点を活かした設計思想も有利に働いているのかもしれません(以下ONKYOの製品説明より)。
A-905FXは、デジタルアンプの特長である「電力効率の高さ」を、「スピーカードライブ能力の向上」のために最大限に引き出すという目標のもとに開発しました。電力効率が約70%程度である従来のアナログアンプに対して、「0」と「1」のみで信号伝送されるデジタルアンプは約90%という高効率化が可能。オンキヨーでは、この電力効率の向上を、アナログアンプに対しての最大のアドバンテージである「スピード感やエネルギー感の再現能力の高さ」の追求、例えば「全くの静寂から瞬時に立ち上がる躍動感」や「空間の広がりを表現するレンジ幅の広い力強さ」に内在する「スピード感」や「エネルギー感」を求めることに結び付けました。デジタルアンプの潜在的なポテンシャルを、これまで培ったさまざまな回路/実装技術で引き出し、圧倒的なスピード感とエネルギーでスピーカーをエモーショナルにドライブする。これがオンキヨーの考える「デジタルアンプ」のコンセプトです。

3) DACの入力が24bit以上に対応していること
Frieve Audioのデジタル イコライザで極端なブーストを行って信号飽和が発生すると、自動ボリューム制御(AVC)によってゲインが自動的に下げられます。CDのデータは16ビットですが、単純にこのようなゲインダウンを行うと下位のビット(微小レベルの情報)が切り捨てられてしまいます。例えば-18dB (1/8)のゲイン調整を行った場合、下位の3ビットが切り捨てられます。
Frieve Audioは64bitの分解能で内部演算を行うので微小レベルの情報は内部的には失われませんが、DACの入力が16ビットに制限される場合は結局それらの3bit分の情報は失われてしまう事になります。
ONKYO HDC-1Lは24bit入力のDACを搭載しているので、理論的には-48dBのゲインダウンを行わない限り元の16ビットデータの最下位ビットの情報は失われません。
しかし結局は出力アナログ信号のレベルが全体的に低下するので、DAC以降のS/N比の低下はある程度免れません。音が消え入る瞬間の再現性を重視される方にはもしかしたら問題が感じられるかもしれません。

補足
実際のCDでは全周波数でフルにダイナミックレンジを使用している訳ではないので、例えば50Hzで+18dBのブーストを行っても、AVCによるゲインダウンは-12dB(1/4)を超える事はまずありません。

4) 密閉型スピーカーであること
バスレフタイプの場合、ポートの共鳴周波数以下ではポートからの音とスピーカー前面からの音が逆位相となるため出力が急激に減衰します。また、スピーカー振動板の振幅も急激に増加します。このような事から、イコライザによるブーストには密閉型スピーカーの方が適しているといえます。


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