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2012年01月31日 (火) | Edit |
多機能なFrieve Audioにはチャンデバ機能も組み込まれています。今回は、この機能を使ってデジタル方式で帯域を分割してみました。

方法はメチャクチャややこしいので、まずは結果をご覧ください。

いつもの40Hzにおける過渡応答性のチェック波形です。
DIGI hake1i
DIGI hake2i
グレーがソース信号、青が位相補正OFF、赤が位相補正ON。もともと密閉型なので、補正しなくても殆ど遅れません。前記事のようにアナログ式だと270°遅れましたが、デジタル式だとこのように位相的に正確なフィルタリングが可能です。

このように、極めて良好な結果が得られるのですが、残念ながらFrieve Audioのチャンデバ機能は非常に使い難いため、普段使う気にはなれません。それに、Frieve Audio以外のソースでも十分に高品位な低音が聴けるようにする事がZAP 2.1chの本来の狙いですからね。

さて、後は、Frieve Audioのチャンデバ機能の使い方について、簡単にご紹介しておきます。CPU負荷自体は大した事なく、Atomプロセッサ搭載のPCでも楽勝で動作しました。

まず、マルチチャンネルのDACが必要です。また、ビット数が同じであれば、2ch DACを2台使って同じ事ができそうです(2台のDACのビット数が異なるとダメ)。今回は、Sound Blaster X-Fi Surround 5.1 Proという5.1ch対応のDACを使ってみました。お値段は実売6K円程度と安価です。お仕事PC用に使っていたDenDACが壊れたので、試しに買ってみました。
814_20120131061716.jpg
Sound Blaster X-Fi Surround 5.1 Pro
メーカの製品紹介はコチラ

しばらく音楽用PCに繋いで仕事中に使って見ましたが、特に違和感を覚える事もなく、ハチマルが音楽を聴く分には全く十分なような気がします。というか、添付のドライバをインストールすると、普段使っているDACより少し良いように聞こえるような気がしないでもないような気もします。ドライバをインストールすると、ASIOはこのDACを8ch x 32bit/192kHzとして認識します。カタログでは24bit/96kHzなんですけど。。ドイウコト?。。。実際のところは不明ですが、普段の24bit DACよりもCPU負荷がやたら増えるので32bitで実際に動作している可能性はあります。まあ、とにかくハチマルには十分なクオリティです。

下はASIO4ALLの設定画面です。
ASIO.jpg
ドライバをインストールすると、出力は192kHz/32bitとして認識されます(カタログ上は96kHz/24bit)。しかも、5.1ch用なのに8chが認識されています。ドシテ?

ところが、このドライバが厄介で、こいつをインストールすると、Frieve Audioでは肝心のマルチチャンネルが使えなくなってしまいます。という事で、今回はドライバをインストールせずに使いました(標準ドライバを使用)。この場合、ASIOはこのDACを24bit/48kHzと認識します。また、ドライバをインストールしないと、DAC本体に付いているボリュームも使えなくなります。マルチチャンネルの場合、これが使えると非常に便利なのですが、使えないのでFrieve Audio側でボリュームを調整しなければなりません。

以下Frieve Audioの設定についてです。

環境設定の[ASIOドライバ]タブです。
kankyo.jpg
ここでは、L/RとC/SWチャンネルにDACのチャンネルを割り当てます。

DSPの[マトリクス]タブです。
matx.jpg
ここでは、各チャンネルの入力と出力を割り当てます。今回、サブウーハにはCチャンネルを使いました。Cチャンネルには、LとRの信号を入力として割り当てます。これにより、L/Rをミクスしたモノ信号をCチャンネルから出力します。

DSPのイコライザ画面です。
woo.jpg
main.jpg
上がCチャンネル(Alpair10)。下がLチャンネル(Alpair6)です。赤が帯域分割用のフィルタの特性です。この図では12dB/Octのフィルタ特性とし、200Hzでクロスさせています。青が実際に適用されるイコライザ曲線です。RチャンネルにはLチャンネルと同じフィルタを設定します。

L/RチャンネルをIcon AMP + A6、CチャンネルをCP400(ブリッジ) + A10で再生します。アンプのボリュームを連動できないので、F特がフラットになるように両方のアンプのボリュームを調整した後、Frieve Audioのマスタボリュームで音量を調整する必要があります。DACのボリュームが使えると便利なんですけどねぇ。。。

Masterボリュームをマウスで調整します。
vol.jpg
ボリュームのUP/DOWNをキーボードの任意のキーに割り当てる事もできます。

以上は再生時の設定です。

再生する前に音場の計測が必要ですが、これには手こずりました。

PC側の問題なのかも知れませんが、2チャンネルずつしか計測できませんでした。4チャンネルを一度に計測する事は可能なのですが、どういうわけか、計測結果は2チャンネル分しか保存されません。このため、L/Rチャンネル(Alpair6)とC/SWチャンネル(Alpair10)を別々に計測して、後で計測ファイルを操作する必要がありました。なお、各計測では必ず2チャンネルを計測しないとFrieve Audioは設定を保存してくれません。このため、サブウーハ用の計測でも、CおよびSWチャンネルに信号を入力して、2回計測する必要があります。

それぞれの計測結果を例えば「チャンデバ1」(メインSP用)と「チャンデバ2」(サブウーハ用)として設定を保存した場合、下図のように「Program Files/Frieve Audio M-Crass/IRs」フォルダに、設定ファイルを収めたサブフォルダが作成されます。

dir.jpg
各サブフォルダにはir0.wavとir1.wavが格納さます。2チャンネルの場合、ir0がLチャンネル、ir1がRチャンネルの計測結果です。

2回の計測を行った後、Frieve Audioを一端終了して、エクスプローラ上で以下の操作が必要です。
1) サブウーハ用「チャンデバ2」サブフォルダ内のir0.wavをir2.wav、ir1.wavをir3.wavにファイル名を変更します。
2) これら2つのファイルを「チャンデバ1」サブフォルダにコピーします。使うのは片方だけですが、2つともコピーする必要があります。

以上の操作により、「チャンデバ1」フォルダに4つのファイルを格納します。
dir2.jpg

以上のファイル操作を行った後にFrieve Audioを再起動し、DSPの「イコライザ」タブで計測結果に「チャンデバ1」を選択すると、やっと2.1チャンネルで再生できるようになります。メンドクサ。

最後に、もう1つ問題があります。「音響補正結果の計測」では、各チャンネルごとの補正結果しか計測できません。L+CまたはR+Cの全域特性を計測できないという事です。難儀ですね。

仕方ないので、マドンナを再生して、聴感でコンナモンヤネと2台のアンプのボリュームのバランスを調整しました。確認のために、以前の記事で紹介したWaveGeneでホワイトノイズのWAVファイルを生成し、これをFrieve Audioでリピート再生して、リスニング位置のマイクロフォンで録音し、そのWAVファイルをExactAudioCopyでFFT解析しました。アーーーーーーメンドクサイ!
Ftoku DIGI
赤がサブウーハON、青がOFF。まぁ、こんなもんちゃう? 後は、アンプのボリュームを固定したまま、Frieve Audioのマスタボリュームで音量を調整します。

暫くこの状態で聴いてみましたが、アナログ式に比べて低音がタイトに引き締まっているように聞こえないでもないような気もしないでもないかもしれませんが、デジタルで聴いているという先入観も絶対あるし、どちらにしろ実用的ではないので、二度と使う事はないでしょう。アーメンドクサカッタ。。。ホンマニ。。

という事で、2.1ch方式についてはこれ以上深追いせずに、アナログ チャンデバでアドオン方式を採用する事に決定!

40Hzで約270°の遅れは出ますが、市販のマルチウェイ バスレフに比べればずっとマシだという事で納得しましょう。最近は専らiTuneでベトベン全集とネットラジオでヘビーなラップを聴いていますがスコブル具合ヨロシ(って、どういう組み合わせだ!)。マイルスクインテットのクールでタイトなロンさんベースや、ジャコの天才グリングリン16ビートを楽しみたいときは、馬鹿ブーで聴けばヨロシ。

ZAPシステムの「音質」(再生クオリティとオンシツ)をこれ以上深追いする必要は無かろうと判断します。これ以上やっても、日常的に音楽を楽しむ上での決定的な効果は得られず、富士の樹海にはまり込みそうな気がします。ここでオッシマイにしましょう。次なる課題は使い勝手ですね。

次の計画としては、
1) サブウーハ用のプレートアンプを砂岩君(マツイ君)ボックスに組み込んでパワードサブウーハ化する
かさばるCP400とベリンガーのチャンデバは読者プレゼントとして放出して、身辺整理したいですね。これでシステム全体がスッキリコンパクトにまとまり、全てがデスクトップで完結します。オンシツも大事だけど、日常使う道具としては、こういうのも非常に大切だと考えるハチマルです。

2) AURA 1"を使った深夜用の超超ニアフィールド サウンドスコープ
使わなくなった電気スタンドがあるので、こいつの可動アームを利用して、A6Mの半分の距離に設置できるサウンドスコープという感じのヤツを狙いたいですね。ヘッドフォンは慣れてきたとは言え、鬱陶しいですから。。使わない時は可動アームで移動してしまえば邪魔になりません。A10サブウーハとの距離が一致しませんが、もともと位相がずれている(100Hz以下で数メートル)ので、30cmくらいの距離差は気にならない。カナ?

次回は、真空管バッファとパッシブプリの合体君についてご報告する予定です。

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2012年01月11日 (水) | Edit |
前回からの続きです。

既に説明した方法で十分にシステムの基本的音楽再生クオリティを評価できますが、特殊なテスト信号を作成する事により、スピーカ出力の過渡応答性を詳しく調べる事ができます。このような方法により、360°を超える位相回転も評価できます。今回はその方法について簡単に説明します。

過渡応答性を調べる場合、時間軸の絶対基準となるパルスなりステップを信号に挿入する必要があります。このため、多くの場合WAVファイルの加工が必要となります。

今回は、WAVファイルの編集用に、CDリッピング用フリー ソフトウェア Exact Audio Copy を使用します。このソフトウェアはコチラからダウンロードできます。このソフトウェアは、データを厳重にチェックしながらCDをリッピングしてくれるため、普段から愛用しているのですが、簡単なWAVファイル編集機能も備えているのでとても便利です。

今回は、例として、数サイクルの正弦波信号の先頭と末尾に時間基準となるパルスを挿入する方法について説明します。

まず、2つ前の記事で紹介したWaveGeneを使用して50Hzの正弦波信号(パルスなし)を作成しておきます。今回は2秒間のファイルを生成しました。

このファイルをExact Audio Copyで編集します。
1) Exact Audio Copyを起動し、メニューの[Tools]から[Process WAV]を選択して、作成したWAVファイルを開きます。
CD1.jpg
作成した2秒間の正弦波信号です。1秒間でも良かったかもしれません。

2) まず、信号の先頭区間を加工して、時間基準となるパルスを作成します。
- 下の[Zoom In]ボタンを何度かクリックして、時間方向に適当に拡大し、上の水平スライダを左一杯にスライドしてファイルの先頭に移動します。
- 次に、先頭からマウスをドラッグして、適当な波形のピークまでの区間を選択します。下図では8番目のピークまで選択しています。
CD2.jpg

3) メニューの[Edit]から[Silence Selection]を選択して、選択した部分を無信号状態にします。

4) 同じ方法で、ピークから最初のゼロ交差点までの区間を無信号状態にします。この時[Zoom In]で拡大すると正確に作業できます。
CD4.jpg

5) 正弦波を数サイクルだけ残し、信号の末尾区間でも上と同じ作業を行って最終的に下図のような波形を作成します。下図では5サイクルだけを残しました。最後のパルスは別に無くても構いません。
CD5.jpg

6) このように作成した信号を別の名前で保存します。以上で、信号の加工は終わりです。

この信号をFrieve AudioなりiTuneなりでリピート再生し、スピーカからの音を2つ前の記事で紹介したオシロスコープ(HandyOscillo)で観察します。その波形をソース信号波形と比較する事により、システムの過渡応答性を評価します。

Exact Audio Copyで表示した波形と比較しても良いのですが、同じオシロの画面で比較した方が容易であるため、PCの信号出力をマイクロフォン入力に接続して、ソース信号波形をオシロに表示させます。この際、出力レベルを相当下げないと信号が飽和してしまいますので注意してください。オシロに表示した波形の頭が平になっている場合は、出力レベルを下げる必要があります。下がオシロに表示したソース信号波形です。
oc1.jpg
この画面をキャプチャして、画像ファイルとして保存しておきます。

最後に、マイクロフォンをマイクロフォン入力に接続して、スピーカからの音響波形をオシロに表示します。この際、波形の振幅が上で保存したソース信号波形と同じくらいになるように、オシロの右側の縦スライダとアンプのボリュームで調整します。また、時間スケール(オシロの下の水平スライダ)は、ソース信号を表示した時と必ず同じにする必要があります。

下がマイクロフォンで計測したスピーカからの音響波形です。
oc2.jpg
これもキャプチャして、画像ファイルとして保存します。Frieve Audioで再生した場合、音響波形とソース波形の極性は逆になります(上下逆さま)。このため、実測波形を上下を反転して比較する必要があります。

PhotoShop等のレイヤ機能を備えた画像処理ソフトウェアを使用すると、画像を重ね合わせて比較できますが、そのようなソフトウェアを使用できない場合は、画面のキャプチャ画像を薄い紙またはOHP用紙に印刷して、重ね合わせて透かして見れば比較できます。この際、極性を反転するために片方の紙を上下逆にする事と、パルス位置を合わせて時間を一致させる必要があります。

下はPhoto Shopで重ね合わせた波形です。Alpair6MとIcon AMPによる再生、Frieve Audioの補正は一切なしです。
oc3.jpg
赤がソース信号、青が実測波形です。パルスを基準に時間軸を合わせています。また、実測波形は上下を反転しています。

この結果から、Frieve Audio未補正の実測波形は1/8周期程度遅れている事がわかります。また最初の2発の波形は振幅が小さく、完全に追従できていません。もちろん、再三お見せしたように、Frieve Audioの補正を適用すれば驚く程正確にソース信号に追従させる事ができます。

今までの経験から、バスレフ型では信号初期の応答で波形が大きく崩れます。僕は、バスレフ型の位相遅れそのものはそれほど問題ではなく、ビートが入った時の初期の過渡応答性に問題があるのではないかと見ています。これについては、そのうち実験で確かめてみますね。

今回はシンプルな正弦波信号を使用しましたが、CDの楽曲データの一部だけを切り出してテスト信号を作成する事もできます。例えば、仕事中に音楽を聴いていてオヤッと思う箇所があった場合、僕はまずカナル型イヤフォンで確認し、そちらが問題なければシステムに問題があると考えて、その部分の信号だけを切り出して再生波形を観察します。典型的な事例は、あの「春の祭典」の最強バスドラ信号です。LEANAUDIOでは、そのようなアプローチで対策と効果の確認を積み重ねてスピーカを開発してきました。

ちょっと手間がかかるので、誰にでもお薦めできる方法ではありませんが、工夫次第でいろいろ活用できると思います。高周波の現象になるとオシロのサンプリングレートが問題となりますが、1kHzくらいまでの現象には十分使えると思います。

位相遅れが何度かとか歪み率が何%かを見るだけであれば、スピーカ計測用ソフトで極めて簡単に計測できると思います。しかし開発屋としての経験から、生の波形をじっくりと観察する事が非常に重要だと思います。波形を見る事によって、単純な特性値を並べるだけでは決して得られないインスピレーションを掴む事ができるからです。なので、メンドクサがりやのハチマルでも、波形観測には手間を惜しみません。

とはいえ、深追いは禁物です。デンセンの違いによる最終的な音響出力のブツリトクセーの変化なんぞ、超精密計測器でも検出可能かどうか甚だ疑問です。そんなコマケー事を言っておるのではありませぬ。どうもブツリトクセーという意味を勘違いしている向きもあるようなので敢えて言っておきますが、デンセンだハイエンドだは、ハチマルの言うブツリトクセーとは最もかけ離れた存在です。

ハチマルが言っておるのは、再三再四申しているように、装置の個性や「オンシツ」ではなく「音楽」を真っ当に楽しみたいのであれば、基本中の基本である音楽再生クオリティを最低限整える事がまずは大切だよ!という事です。何もヒステリックな原音再生を求めるのではありませぬ。従って後は好みに応じて適度にオンシツを調整すればヨロシ。基本的に、それ自体を趣味とする者用ではなく、「音楽」を真剣に聴きたいリスナ用装置について申しておるのです。オーディオ装置による「音」の変化を楽しみたいマニアは好きにやればヨロシと思います。主たる目的が異なるという事です。

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2011年12月29日 (木) | Edit |
エフェクタの3回目。最終回です。
今回は、Frieve Audioが備えるその他のエフェクタについて書きます。最後に「まとめ」も書き加えました。

1) ステレオコントローラ
stereo-1.jpg
これは純粋にリスナ用に作られたものだと思います。

上段の4本のスライダを調整する事により、センターと左右のレベルを自由に調整できます。上の図はセンターを強めて左右を弱めた状態です。逆に左右を強める事もできますし、強める範囲も自由に調整できます。僕はこの機能を使用しません。

重宝しているのが最下段のスライダです。これでステレオ音場の拡がり具合を調整します。
stereo-2 copy
100%で通常のステレオ、0%でモノラルです

スタジオ録音されたジャズ等をヘッドフォンで聴いていると、完全に片方のチャンネルだけに割り振られた楽器が聴き辛くなります。そのような場合、音場の拡がりを狭める(100%より小さくする)と聴きやすくなります(上図の最上段)。0%にすると完全にモノラルになります。スライダをさらに左へ移動してRとLを反転する事もできます。Frieve Audioの「マトリクス」機能を使っても同じような事をできますが、ステレオコントローラではスライダひとつで調整できるので、とても便利です。

スライダを100%よりも右に移動すると、音場を通常のステレオよりも拡げる事ができます(上図の最下段)。原理はよく分かりません。一方のチャンネルの位相を反転した成分を他方のチャンネルに混ぜる等の処理をしているのかもしれません。ZAP君はスピーカの左右間距離が狭いので、交響曲を聴くと若干窮屈に感じるのですが、このエフェクタで適度に拡げてやると具合良く聞こえます。僕は人工的に演出されたステレオによる空間表現を嫌います(聴覚による不自然な空間認識を強いられたくない)。この方式だと、もともとスピーカの配置が狭いので空間表現(定位)は曖昧なまま、なんとなく音がぼやっと左右に拡がるので僕には丁度良く聞こえます。

2) コンボルバ
Frieve Audioにはエフェクタ以外に「コンボルバ」という機能が備わっています。これは、実際のホール等で計測したインパルス応答に基づいて残響音を付加する機能です。リバーブを使用するよりもリアルな残響効果が得られるのかもしれません。しかし、通常我々の手元に届く音楽ソースには、録音した実際のホールの残響音なり、スタジオでエフェクタやコンボルバを使用して付加された残響音が既に含まれているわけですから、リスナ側でコンボルバを使用する事には疑問を感じます。

コンボルバを使用するには、実測されたインパルス応答のWAVファイルをダウンロードする必要があります。世界中の著名なホールのデータも入手できるようですが、それらは有料です。無料のを見付けて使って見ましたが使い物になりませんでした。

例えば、理想的に整えられたリスニングルームのインパルス応答をバイノーラルで計測したものを使えば、ヘッドフォン再生に利用できるかもしれません。

3) まとめ
Frieve Audioで使えるエフェクタは以上です。7.1チャンネル サラウンドの各チャンネルの位相調整やレベル調整機能も備わっています。さらに、例の超高域音付加機能(HSC)や、アップサンプリング/ダウンサンプリング機能も使用できます。しかし、自動音場補正が可能な「イコライザ」こそが、「音楽再生クオリティ」の面で最も重要で最も基本的な機能である事は言うまでもありません。これらはは全て64bit分解能で内部処理されます(ソースは192kHz/32bit WAVまで対応)。しかも、このように高機能/高性能でありながら、2chステレオ再生であればAtomプロセッサ搭載の非力なPCでも、全ての重要機能が十分に作動します。このようなソフトウェアがたったの3,200円。ダウンロードはコチラ

このソフトウェアの最初のバージョンは2005年にリリースされていますが、世間で大して話題にも登らないし、正当に評価されているようにも思えないのが残念です。単なる再生ソフトウェアとして、たまにオーヂオ雑誌で小さく記事が載るようですが、その真価が全く読者に伝えられていません(オンシツはロック向きだとか、アホみたいな事しか書かない)。ナンチャラ感やカンチャラ感ではなく、真っ当に「音楽」を楽しみたい方には強力にお薦めします。是非お試しくださいませ。ホンマニ

PCはどんどん高性能化するでしょうし、ソースはハイレゾ化するでしょう。そうすると、DSPによる音質劣化も少なくなるため、ユーザ側でのエフェクタ使用というのも今後は普及するかもしれません。オリジナルのDSPプラグインを自作(プログラミング)するような新しいタイプのオーディオマニアが現れる可能性もあります。電線や真空管トッカエヒッカエのかわりにアルゴリズムとパラメータをチョメチョメ。。やってる事は全く同じです。ハードでやるかソフトでやるかの違いだけ。ただソフトでやった方がお金もかからないし、無駄なブツも増えない消費しない。

キチガイじみた高度成長期を体験した僕達オヂサン世代とは異なり、最近の若者はブツに対する執着や憧憬が希薄だと言われます。僕は時代の流れに則した自然な傾向だと思いますよ。僕達大消費時代を経験した日本人のブツに対する執着が異常だと考えた方がヨロシイカト思います。同世代の欧州人に比べると、日本人は必要以上あるいは分相応以上にデカイの高価なのを持ちたがる傾向は明らかです(僕も若い頃はロレックスデートナとかフェラーリ348が欲しいとかマヂで思った事もあるよ)。ケーザイは成長し続けるものというオッタンの論理はモハヤ通用しませぬ。オッタン達の勝手な思惑とは関係なく、時代は既に大きく舵を切っています。

それはさておき、何度でも言いますが、「音楽」を真っ当に聴こうと思うなら、音を好みに合わせて好き勝手にイヂル以前に、システム全体(ソースからリスニング位置まで)の基本中の基本的な物理特性(F特と位相)を必要十分なレベルで達成する事がまず重要です。何故ならば、そうする事によって「アーチストさんがやらはった事」をより明確/正確に聴き取ってより深く楽しむ事ができるからです。これマヂホント。。音楽で癒されたりとか、音楽で野菜や家畜が育つような、そんなレベルの「ゴリヤク」みたいなのを求めるのではなく、「音楽」をとことん楽しみたいのであれば、これは全く当然です。今時PCがあれば誰でも簡単に計測できます。マイクなんか絶対精度を求めないならパソコン用でも十分です。音楽再生をツイキューするマニアを自称するのであれば、最低限の計測は極めてアタリマエであると言えましょう。雑誌では計測方法とか紹介しているのかな??

モチロンそれが全てだとは決して申しません。しかし、それは表現者が世に問うた状態であり、鑑賞者がまず尊重すべき状態であり「基準」である事に異論を挟む余地は無いはずです。それを知った上でイヂルのと、端から無視して全く好き勝手イヂルのでは雲泥の差があります。ナンチャラ感やカンチャラ感を求めてエフェクタをイヂルにしろ装置やアクセサリをトッカエヒッカエするにしろ、基準状態に対して自分は一体何を、どうのような方向で、どの程度イヂッテいるのかを(つまり自分は一体全体ナニをやっとるのかを)ある程度認識しておかないと、泥沼の富士の樹海を一生グルグルと彷徨い続ける事になるでしょう。彷徨っている事を本人が自覚した上で楽しんで彷徨っているなら、まあそれはそれで本人は幸せかもしれませんが。。。。

最近のこの業界では「ブツリトクセーはジューヨーではない」という風潮があからさまに見られます。「ブツリトクセーを重視して設定したのでは「オトガツマラナイ」云々。。」と堂々と宣う専門家すらいます(彼らは例外なく「オト」と言う。「オト」が○△×。。。「オト」が※◎◇。。「オンガク」はどうなのよ?)。しかしそれは、そのオッチャンの個人的な音楽の聴き方/接し方/音楽に対する価値観に基づくそのオッチャンの個人的感想を述べたに過ぎません。そのオッチャンにとっては「ツマラナイ」というだけです。社会に対して全く責任を負わない一般ユーザがこれを口にする分には全く問題ありません。しかし「音楽を大衆に伝達する装置」を扱うプロフェッショナルとして社会的責任を負い、広く一般ユーザに影響力を持つ立場の人間は、口が裂けてもコレを言ってはならないとハチマルは思います。何故ならば、これを言った瞬間に、オーディオ装置が本来担うべき第1の目的「表現者から鑑賞者への音楽の伝達」が根底から危うくなるからです。

何ら責任を負わない趣味のマニアと、社会的責任を負うべきプロフェッショナルの立場は全く異なります。それを職業とすると言う事は、社会に対して責任を負うという事です。「まあ、本職さんはあんな事を言うてはるけど、オイラはこの方が楽しいから好きにやるわ」とユーザが好き勝手に楽しむのには全く問題ありません。どこの業界でもそうです。しかし、本職さんや評論家というのは、常にユーザより高い見地に立って「基本はこうなんだよ。好きにやるのも良いけれど、大切な基本の事もしっかりわきまえて楽しんでね」と啓蒙する事を怠ってはならないはずです。それが玄人さんというもの。「楽しければ良い」で済まぬのが玄人さんの辛いトコロであるはずです。にもかかわらず、その玄人さん達がこぞってマニアと一緒になって(というか率先して)、好き勝手に遊んでしまうと、これはもう業界全体が魔界へと突き進むしかありません。本来の目的が疎かにされ、誰も抑制しないんですから無法地帯と化すのは当然です。

「音楽」は表現者が命懸けで世に問うた尊いものです(と、声高に言うと恥ずかしくなるような現在の音楽界ですが、トモアレ)。オーディオ装置とは、マニアが最終的にそれをどう使おうが関係なく、その音楽を大衆に伝達するための装置です。「芸術」を尊ぶ社会的風潮が衰退するのは恐ろしい事です。そんな事では良い作品も出てきません。

マニアの狭い領域だけでそれをやっているのなら、まだ問題ありません。しかし、業界の専門家に率先してソレをやられると、割を食うのがオーディオに趣味性をさして求めず、ただ「音楽」を真っ当に聴きたい一般「音楽」リスナです。だって、根幹的音楽再生クオリティの部分で装置が全然進化しないのに、やたら高価でデカイ。恐竜ですよね、こうなると。。。普通、進化しないのであれば周辺技術の進歩によって性能を維持したまま年々価格が下がるか、小型化します。同じ価格であれば、年々基本性能なり機能性が向上します。他の業界の製品を見れば一目瞭然でしょ。ブツとしてのソンザイカンたらショユーする喜びたら言うのは、それを趣味とするマニアの論理/価値観であって、我々一般リスナにはソンナモン通用しません。

ということで最近の一般リスナはヘッドフォンに走る。コチラの分野は最近すごく活気がありますね。新製品もどんどん出るし、正常に進化してるようにも見えますし、低価格で良い品も多いようです。新規参入メーカも多いのではないでしょうか。一般リスナ向けオーディオの主流は既にそっちにシフトしているように思えます。場所取らないし、アンプとかのデザインもコンパクトでクールだし、周囲に気兼ねしないし、何処ででも聴けるし、ハイエンドでも価格はリーズナブルだし、オンナノコが付けてると可愛いし、エラソーなマニアのオッチャンもいないし、何よりも、苦労せずに圧倒的に良好な音質(再生クオリティ)が得られるし。彼らは普段からシッカリとしたクオリティの音楽再生(例え圧縮音源であっても音楽の構造的再生クオリティは高い)を聴いているので基本的に耳も自然と肥えているでしょう(デンセン聞き分けるナンチャラ感の耳ではないよ)。そいういう人達にこそ、スピーカ再生用にFrieve Audioを試してみて欲しいな。それとコンパクトな非接触型ヘッドフォンLEANAUDIO方式もね。

従来はスピーカシステムがメインであって、音量を上げられない時に仕方なくヘッドフォンを使うというのが一般的な使い分けでしたが、この関係は逆転しつつあるように思えます。つまり、普段真剣に聴く時はヘッドフォンを使用し、装着に疲れてBGM的に聴きたい時、家事や仕事等で動き回らないといけない時、誰かと一緒に聴きたい時にコンパクトなスピーカシステムをサブ的に使うという具合です。最近ハチマルも慣れてきたのか、ヘッドフォンの使用比率が徐々に増えています。周囲に一切気兼ねしなくて良いのがアリガタイ。ヘッドフォン再生でもFrieve audioは大活躍してくれますよ(イコライザによる低域補正はモチロン(Sonyのは低域出過ぎなのでフラットに削る)、ステレオコントローラと微妙なリバーブはヘッドフォン再生で特に効果的です)。

ソースの方もヘッドフォン用とスピーカ用の両方でリリースして欲しいなぁ。。ソロソロそいう時代じゃないかな?

追記
Frive Audio (Mクラスではない)を息子のEeePC (Windows 7)にインストールしてみましたが、問題無く動作しました。今度はMクラスをインストールしてみて完全動作するか確認してみますね。Frieve Audioは2007年以来アップデートされていないので、今後のOSの進化にどこまで対応できるのか、そろそろ不安になってきました。

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2011年12月27日 (火) | Edit |
今回はリバーブについてです。

リバーブやディレイは、音に残響効果を与えて空間的な拡がりを作り出すために、ミクスダウンの過程で広く用いられる代表的エフェクタです。このような効果はデジタル信号処理(DSP)で簡単に加える事ができますが、アナログ時代には特殊な部屋を使用したり、鉄板やスプリング等の機械的振動を利用した装置が使われたそうです。鉄板式は独特な質感を出せるため、デジタル時代の今でもスタジオで使われているとの事です(鉄板のサイズは4~5畳程度の巨大なものらしい)。

僕のコレクションは、80年代初頭(ジャコ)までのジャズと、父のクラシックLPコレクションの中から気に入ったのをCDで集めたものが殆どです。つまりアナログ時代に録音されたものが殆どだと言う事です。なので、最近買ったベトベン全集の録音には正直驚かされました。僕の耳には異様と思えるほど残響効果が加えられていて、肝心の偉大なるベトさんが作らはった「音楽」が非常に聴き辛く感じられたからです(ベトさんご自身にアクセスし辛い、不自然に感じるほど音がキレイ、生演奏の音はそんなにやたらキンキラしていない)。最近のクラシックCDは、ほぼ例外なくDSPで残響効果が加えられていると聞いた事があります。聴衆がそのような録音を好むというのもあるのでしょうが、プロである製作側がしっかりと抑制を効かせて欲しいと思います。聴覚に対する「エコー」というやつは味覚に対する「ウマ味」と同じで、慣れてしまうと物足りなくなって、どんどんエスカレートするような気がします。

と、前置きはそれくらいにして、Frieve AudioにはReverb G2とその簡易版であるReverb G2 Lite、さらにサラウンド用のReverbが付属しています。これらはいずれも非常に多機能で自由度の高い本格的なものです。今回は、Reverb G2を使用してみました。Liteも全く同じ機能を備えていますがCPU負荷を軽くできるようです。しかし、Atomプロセッサ搭載の非力なPCでもLiteではない普通のG2を問題無く使用できました。

下がReverb G2のパラメータ設定画面です。
3 copy
4種類の定義済み設定が用意されています。「Default」は各種パラメータを分かりやすく配置しただけのもの、「Ambient」は一般的な空間の残響特性をシミュレートしたもの、「Long」は残響時間を極端に長くしたもの、「Plate」は上記の鉄板式をシミュレートしたものだと思われます。

以下、マニュアルの説明です。
[スライダー]
Diffusionはリバーブをぼかす強さです(上図の1)
Sizeは部屋のサイズです(2)
Spreadはリバーブの広がりの大きさです(3)
Colorはリバーブの質感です(4)
Densityはリバーブ音の密度です。100%に近いほど豊かなリバーブ音が得られ
ますが、多くのCPUパワーを消費します(5)
E.R.Denstyは初期反射音の密度です(6)
Wet Gainはリバーブのレベルです(7)
Dry-Wetは、直接音とリバーブ音の割合です(8)


下はグラフの部分を拡大したものです。マウスのドラッグでこれらのパラメータを簡単に変更できます。
1 copy

以下はマニュアルの説明です。
[上のディスプレイ]
リバーブの先頭をドラッグしてプリディレイ、直接音の大きさを調節します(上図のA)
リバーブの後方をドラッグしてリバーブタイムを調節します(B)

[下のディスプレイ]
下のポイントをドラッグしてLPF、HPFの周波数を調節します(DE)
上のポイントをドラッグして減衰を開始させる周波数を調節します(F)
バーを上下にドラッグして、高域のフィードバックレシオを調節します(G)


マニュアルには(C)の説明がありませんが、これはER(初期反射音)の強さを設定するものです。
これについては、コチラが参考になります。以下抜粋です。
間接音には、遅れとして感じられるものと、響きとして感じられるものがあります。遅れと感じられる間接音は初期反射音(アーリーリフレクション)と呼ばれ、響きと感じられる間接音は残響音(リバーブ)と呼ばれます。「ウァーン」というリバーブの、「ウ」の部分が初期反射音、「ワーン」の部分が残響音だと考えればわかりやすいと思います。

FGは、一般的なホールの残響特性を表現するためのパラメータです(ホールでは高域の方が吸収されやすく残響時間が短い)。Gのバーを下げる事によって、Fより高い周波数の残響時間をBで設定した残響時間より短くできます(上の図では約50%に短縮している)。

このように、Frieve Audioのリバーブ エフェクタは、極めて多数のパラメータを持つ本格的なものです。しかし余りにもパラメータが多すぎるため、影響の大きなパラメータだけを使用して、できるだけ簡単かつ汎用的に使える設定を探してみました。それが下の図です。
2 copy
僕はホールの残響をシミュレートして空間効果を演出したいわけではなく、音に微妙な響きを加えて少しだけ「軽やか」あるいは「メロー」な感じを出したいだけなので、「Plate」の設定を基本としました。従ってER(初期反射音)(C)はゼロ、高域の残響時間(G)は100%です。

Diffusion: リバーブをぼかす強さ(1)、Spread: リバーブの広がり(3)、Color: リバーブの質感(4)の効果は微妙すぎて僕にはよく分からないので、とりあえず全てゼロとしました。つまりソース信号(直接音)に単純に数回のディレイをかけて減衰させるという事です。Size: 部屋のサイズ(2)は最小の20mとしました。

Density(5)は高いほど質感が向上するという事なので最大としました(CPU負荷が増加しますが、Atomプロセッサでも問題なく処理できました)。E.R Density(6)は関係ないのでゼロです。

低域はあくまでもビシッとバシッとさせたいので、下限周波数(D)を2kHzまで上げました。高域の調整はしないのでGは100%です。

Dry-Wet: 直接音と反響音の割合(8)は100%:100%としました。このスライダを右端まで移動すると反響音だけを聞くことができます。

以上の設定は基本的に変更しません。効果の強さは下記の2つのパラメータだけで調整します。

1) Bで残響時間を調整します。これを右に移動すると残響時間が長く(すなわちライブに)なります。僕には1.5~2.0sくらいで具合良く聞こえます。

2) Wet Gain(7)で残響音のレベルを調整します。0dBを標準とし、±3dB程度の範囲で調整します。

このようにして微妙な響きを加えると、音が少し「軽やか」で「メロー」な感じになります。真空管アンプの効果に似ているかもしれません。あくまでも最小限だけホンノリと効かせるのがコツです。はっきりとわかる程度に効かせると、明らかにディティールが失われます(例えばピアノのアタックが鈍る)。

最適な設定は盤によっても異なります。これは製作時のリバーブのかけ具合が盤によって異なるからかもしれません。例えば、総じて録音がシャープなマイルスクインテット(Nefertiti)で丁度よく響いても、同時代のハビハンコックのリーダーアルバム(Speak like a child)では「メロー」になりすぎます。さらに、ソースで十分以上に響かせているベトベン全集ではリバーブは全く不要です。

今までLEANAUDIOでやってきた「音楽再生クオリティ」の領域とは異なり、このへんの「好み」の領域になると、普遍的最適条件というのはソモソモ存在し得ないという事です。この領域を細かく追いかけ回すとキリがありません。上で紹介したハチマル標準設定は、常時効かせっぱなしにしても大概の盤で概ねOKヤネという設定です。録音に合わせてイチイチ微調整する気なんぞ、ハチマルは全く持ち合わせていません。メンドクサイ事は大嫌いなのよ。

ただし、基本的にクラシックを聴く時にはリバーブを使用したくありません。というのは、クラシックでは(特に交響曲では)、製作時にかなり気を遣って残響音を収録(あるいは調整/付加)しているように思われるからです。カナル型イヤフォンでじっくり聴くと、そのへんの事がよく分かります。携帯電話+カナル型イヤフォンでフルトベングラさんのベトベン交響曲を聴いたのがLEANAUIDOに着手する大きなきっかけとなったわけですが、響きの気持ち良いところで鳥肌が立つくらい感動しました。フルさんがホールの響きに合わせて音を止めたり出したりしている様子もよくわかりました(たとえ50年代のモノラル録音であっても、ケータイ電話でもあっても、圧縮した音源であってもです)。ですから、下手に好き勝手に響かせたり、好き勝手な帯域だけを強調したりすると、せっかくソースに含まれているそのへんの醍醐味が台無しになってしまうような気がします。

そのように慎重に記録された「音楽」を構成する全ての音(重要な残響音を含む)を、可聴帯域の下限近くまで正しい位相でしっかりと耳に届ける事がまずは何よりも肝要であって、今回のエフェクタ効果や装置をトッカエヒッカエしてツイキューとやらをするナンチャラ感とかカンチャラ感は、あくまでもその後の、好みや気分や体調に合わせた最小限の味付け程度に留めておいた方が、そこに記録されたせっかくの「音楽」の醍醐味をより深く楽しめるようにハチマルには思えます。

次回は、その他のエフェクタと、まとめを書く予定です。オタノシミに!

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2011年12月24日 (土) | Edit |
今回から何回かにわたって、Frieve Audioに付属しているデジタル エフェクタについて書いてみます。最近まで全く使っていなかったのですが、スピーカ開発がほぼ終結した事もあり、少しイヂッテみました。なかなか使えそうなのでご紹介しますね。

Frieve Audioの作者はセンスの良い非常に優秀な方だと想像しているのですが、音楽製作畑の方のようで、Frieve Audio以外に単体のデジタルエフェクタ ソフトウェアもいくつかリリースしていた模様です。Frieve Audioにはそれらのエフェクタが最初から付属しており、必要に応じて使用できるようになっています。

下はFrieve Audioの「エフェクタ」タブです。ここで各種のエフェクタを選択してON/OFFします。
effector.jpg
Frieve Audioには最初から5種類のエフェクタ(Dyanamics、3種類のReverb、Stereo Controller)が付属しています。また、追加のエフェクタをダウンロードしてプラグインする事もでき、最大8種類のエフェクタを同時に使用できます。上の図には、そのうちの3種類のエフェクタの設定画面を表示しています(画像は全てクリックで拡大表示できます)。

我々リスナには余り馴染みがありませんが、製作現場ではアナログ領域およびデジタル領域で様々なエフェクタが使われており、上記の付属エフェクタはいずれもプロが使用しているデジタルエフェクタと同等の機能を備えています。

エフェクタに関してはコチラが参考になります。これらのエフェクタは本来製作者用に作られたものですが、我々リスナにも一部のエフェクタを有効に利用できるかもしれません。

という事で、Frieve Audioのオマケエフェクタを試しに使った結果をご報告します。今回はDyanamics(ダイナミクス)についてです。

このダイナミクスには3つの機能(コンプレッサ、エキスパンダ、ゲート)が組み込まれています。製作現場でのこれらの使い方については、コチラ(コンプレッサ)コチラ(エキスパンダ/ゲート)を参考にしてください。

まずはコンプレッサから試してみました。上記の参考サイトによると、ギタリストたちはこのコンプレッサを使用して「音をパキパキにしたり、アタックを強調したり」するそうです。

僕はこれを例の「春の祭典」の最強バスドラの信号ピークだけを弱めるために使ってみました。この最強バスドラは全曲中たった1発だけ発生し、馬鹿ブー方式では、僕の全コレクション中この曲のこの1発だけ低音が顕著に歪みます。
Dynamic wave 1
例のバスドラの信号波形です(スピーカの音響波形ではありません)。グレーが馬鹿ブーストを適用した波形です。馬鹿ブーした時の最強ピークの振幅は24bitの出力レンジを完全に使い切ります。赤がこれにコンプレッサを適用した時の波形です。振幅の大きな波形だけが圧縮(コンプレス)され、その他の波形はほとんど変化していない事がわかります。全曲中、コンプレッサがはっきりと効果を発揮するのはこの3山だけです。

下はマドンナのエロチカのズンドコです。
ero wave
マドンナのズンドコ程度ではエフェクタはほとんどかかりません。

下がそのパラメータ設定です。
Dyanamic 1
コンプレッサ以外の部分はグレーで隠しています。

まず右端のグラフを見てください。横軸は入力、縦軸は出力を表します。PhotoShop等の画像処理ソフトウェアのトーンカーブの調整と同じです。この設定では、信号入力の大きい右端で右上がりの直線の傾きが緩やかになっています。つまり、最大入力レベル付近の信号出力を少しだけ抑えている(圧縮している)という事です。各パラメータについて、もう少し詳しく説明します。

Threshhold: -6.2dB
0dBはCDの最大信号レベルです。「基本的に」-6.2dBよりも大きな入力信号に対してエフェクタを効かせるという事です。
Ratio: 9.0:1
上記のレベルを超えた入力信号をどの程度圧縮するのかを設定します。
Attack: 3.1ms
入力信号が上記のレベルを超えても即座にエフェクタを効かせるのではなく、3.1msの遅延後にエフェクタを効かせます。
Release: 21ms
エフェクタが効き始めてから21msの遅延後にエフェクタの効果をOFFにします。
Knee: 8.2dB
補正カーブをどの程度滑らかにするのかを設定します。これを0にすると、補正カーブは折れ線になります。

とりあえず波形を観察しながら上記のように設定しました。これが最適な設定かどうかは、しばらく実際の音楽を聴いてみないと何とも言えません。思わぬ弊害が潜んでいるかもしれませんね。

馬鹿ブーストする場合、このような大振幅信号は必ず超低音でしか発生しません。従ってエフェクタも大きな超低音信号が発生した時にのみ発動します。このような補正をアンプのボリュームと連動させる事により、どのような音量でもドライバの限界以内でブースト効果を最大限に効かせる事ができます。

次はエキスパンダと組み合わせた使用例をご紹介します。
Dynamic wave 2
同じ「春の祭典」の波形です。コンプレッサだけの場合と異なり、ピーク部の振幅はソースと同等ですが、それ以外の波形の振幅がソースよりも大きくなっています。つまり、大音部と小音部の音量差が小さくなって、音量が全体的に均一化されたという事です。

下はそのパラメータ設定です。
Dyanamic2.jpg
右端のグラフを見ると何をやっているのか一目瞭然だと思います。小信号部の傾きを強く(エキスパンド)して、大信号部の傾きを弱く(コンプレス)しています。これにより、小さな音が大きく聞こえ、大きな音は相対的に小さく聞こえます。また、全体的なゲインを右端のダイヤルで+18dBにしているため、全体の音量も上がります。

この設定例では極端に効果を強めているため、音楽は明らかに不自然に聞こえます。しかし、適度に調整する事によって、例えば交響曲を小音量で聴く場合等に有効に利用できるかもしれません (交響曲を小音量で聴く場合、静かなパートが聞こえにくくなります。かといって、小音パートが聞こえるようにボリュームを調整すると、大音部であわててボリュームを絞る必要があります)。

下はベト4第1楽章全曲の信号です。
bet4_20111224070301.jpg
僕は冒頭の静かなパート(千秋君が失敗したよね)が大好きで、ついついボリュームを上げてしまいます。なのでスピーカで聴く場合、大音量になる直前にすかさずボリュームを絞ります(家族とご近所様に気兼ねするので)。そういう事情もあり、最近は交響曲用に専らヘッドフォンを愛用しています。しかしコンプレッサを適度に使えば、不自然に感じない範囲で小音パートの音量を相対的に大きくする事ができるかもしれません。

最近のポップス系では、コンプレッサを積極的に効かせて音量感を高めているそうです(同じボリュームでも音がのべつくまなく大きく聞こえる)。しかし、音楽の微妙なニュアンスが失われるため、最近の行き過ぎた傾向を危惧するアーチストさんも居られるようです。

下はマドンナのエロチカ全曲の信号です。
madona_20111224070302.jpg
最初さから最後まで信号がびっしりですね。最近のJポップ等ではコンプレッサをバリバリ効かせているので、このように信号を表示するとほとんど長方形にしか見えないくらいだそうですよ。

最後の「ゲート」エフェクタは、あるレベル以下の信号をカットしてノイズを除去する場合等に使用するそうです。再生時には不要かと思います。

次回は「リバーブ」についてご紹介する予定です。オッタノシミニ!

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2011年12月13日 (火) | Edit |
前の記事に掲載し忘れた補足データです。

40Hzパルス入り正弦波を再生した時のスピーカ音響出力波形をFrieve Audioの位相補正あり/なしで比較してみました。

アンプにはCP400を使用しました。
グレーが信号波形、青が位相補正なし、赤が位相補正ありです。クリックで拡大してご覧ください。

信号の先頭部
40 パルス 始め 補正

信号の終端部
40 パルス 終わり 補正

補正あり(赤)は驚くほど源信号(グレー)に一致しています。正弦波が一致するのは当然なのですが、信号の立ち上がりおよび立ち下がり部の追従性が飛躍的に改善されているのには驚かされます。念のために言っておきますが、これはアンプの電気信号ではなく、スピーカから実際に出てくる音をマイクで拾った音波波形です。

CP400で計測した補正特性を使用してアイコンで再生してみました。緑がアイコンです。
40 パルス 始め 補正 ICON
CP400の特性で補正すると、Icon AMPでは過補正になる事がわかります。このデータからも、Icon AMPの位相特性が非常に優れている事が裏付けられました。

あ、それと、前の記事で「どのアンプでも大して変わらないように感じる」と書きましたが、それは、それぞれのアンプの特性で補正して聴き比べていたからかもしれません。こんなに正確に補正されたら、違いが分からなくて当然ですね。。。補正を外して聴き比べ直すべきなのかもしれませんが、ソンナノメンドクサイシ。。。補正してオンナジやったら、それでエーヤン。。。

データは以上です。

いつもの事ながら、Frieve Audioの補正精度の高さには驚かされます。このように、信号入力からマイク位値までの伝達関数(ゲインと位相)を計測し、デジタル信号処理で補正する事により、部屋を含むシステム全体を極めて正確にキャリブレートして、可聴帯域の下限近くまで位相遅れの無いフラットな特性を簡単に実現できます。Alpair6 Mは8cmクラスの小径フルレンジですが、マンションの6畳間であれば、40Hzまでフラットにブーストしても、近所に気兼ねするくらい音量を上げる事ができます。

オーヂオマニアの間では、「イコライザ」というだけで敬遠されがちですが、このような補正は「音」をイヂッテいるのではなく、本来あるべき音が聞こえるようにシステム全体を「校正」しているに過ぎません。一般的にマニアと呼ばれる人々がやってる事の方が、余程好き勝手に、アノテコノテで、「音」をイヂクリマーシテいるように僕には見えます。

低音をこのように正確に再生すると「音楽」を聴く楽しみが一気に深まるという事は、LEANAUDIOに着手するきっかけとなったカナル型イヤフォンでの衝撃的体験と、LEANAUDIOを通しての経験から、僕には極めて明白であるように思えます。何故ならば、西洋音楽はクラシックであれ、ジャズであれ、ロックであれ、マドンナであれ、このような低音を土台に積み上げられているからです。そのような低音をしっかりと正確にリスナーの「耳」に届ける事こそが音楽再生の基礎であるというのは、僕の経験を通して得た重要な結論の1つです。

例えば、2つ前の記事の、ベースとトランペットの波形を見るとわかるように、ベースの低音による大きなウネリによって波形の基本形状が決まり、そこにペットの高音が乗っかります。特にジャズでは低音ビートの絶妙なグルーブが極めて重要です。僕はジャズを聴き始めた時から、ベースラインを追いかけながら聴くくせが付いているのですが、各奏者はこのベースの波に乗るようにして演奏しているように聞こえます。ジャコが大編成のビッグバンドをベース一本でグリングリンと煽り立てるようにドライブするのがいかにカッコイー事か! 学生時代はよくライブハウスや屋外のジャズフェスに出かけましたが、ベースとドラムスがヘボなバンドは聴くに堪えず、あまりに酷い時は席を外したりしました。僕が特に小容積のバスレフ型に堪えられないのは、おそらくそういう事だと思います。今度はクラシックのストリングの重奏部の波形を解析してみましょう。

本当に正確な低音を聴けるカナル型イヤフォンや密閉型ヘッドフォンで、真剣に「本当に大好きな音楽」を(オンシツやテーイやリンジョーカンやナンタラカンではなくオンガクを!)聴き直してみれば、その事に気付くかもしれません。

デジタル信号処理によって、このように正確な低音を容易に再生できるという事は、基本的にダイナミック型スピーカを音響出力手段として発展してきた音楽再生技術の歴史を理解するならば、極めて画期的かつ重大な事であり、リスナー側にとっては、音源のデジタル化によってもたらされた最大の恩恵であると言えます。製作側はとっくの遠に、その恩恵を使い倒しているにもかかわらず、何故、家庭用再生装置の分野は、この事実を長年無視し続けてきたのか、僕には全く理解不能としか言いようがありません。

やたらコマケー事ばかり見てオッキイ事が見落とされているような気がします。ヒョーロンカが悪いのか?メーカの技術屋もオーヂオマニア出身だからか?マニアがうるさいのか?

高級オーディオというものを業界がこぞって「音」で遊ぶための道楽的道具であるかのようにしてしまい、本来の「音楽」を鑑賞するための道具としての根本的な部分での進化が、余りにも疎かにされているのではないでしょうかねぇ????

追記
このような補正は密閉型だから可能だという事をお忘れ無く。。。過去の実験では、バスレフ型の位相は完全には補正できませんでした。音波波形がダイアフラムの振動と一対一に対応しないためだと思われます。バスレフ型を補正する場合は、ポートを粘土等で塞ぐ必要があります。

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2011年12月04日 (日) | Edit |
Frieve Audioの自動音場補正は、「周波数特性」と「位相特性」の両方を補正してくれます。すなわち周波数ドメインと時間ドメインで補正してくれるという事です。これらの補正は別々にON/OFF可能です。「周波数特性」の補正効果はF特グラフを見れば直ぐに確認できますし、聴覚でも比較的容易に効果を実感できます。これに対し「位相特性」の補正効果は簡単には確認できません。

アナログチャンデバを介する2.1システムやバスレフ型では、位相の遅れによって特にピチカートベース音で違和感を覚え、波形でも簡単に確認できました。しかし、密閉型馬鹿ブー方式では位相特性の補正をOFFにしても違和感を殆ど感じません。今回の実験君レポートでは、馬鹿ブー方式で位相補正がどの程度影響しているのかを検証すると共に、比較のためにヘッドフォンで初の計測を試みました。

以前は、ベースソロの信号を使用して密閉、バスレフ、サブウーハー方式で位相遅れ補正効果を確認しましたが、今回は密閉型馬鹿ブー方式だけを対象に、高音楽器の音も混じった信号を使用して、より明確に補正効果を確認しました。

サンプルに使用したのはマイルスのMadnessという曲です。ロンさんのベースとマイルスのトランペットがうまく重なっている部分を抽出しました。下がその波形とスペクトルです。
波形
Madness.jpg
約55Hzのロンさんベース音に、約520Hzを基音として綺麗な倍音を含むマイルスのペット音が重なっています。

部屋の反射波の影響を小さくするために、マイクロフォンはスピーカ前方約10cmに設置しました。下はFrieve Audioが計測したAlpair 6Mの位相遅れ特性です。
位相遅れ
密閉形であっても、周波数が下がるほど位相が遅れます。バスレフ型の場合はもっと大きく遅れます。500Hz近辺の位相の乱れは主にデスクトップからの反射によるものです。

それでは、波形を比較してみます。グレーが信号波形、赤がスピーカ出力波形です。再生音量はハチマルの実用上限音量です。クリックで拡大してご覧ください。

● まずは全く補正していない波形です。
位相 OFF OFF
なんだかゼンゼン違いますね。


● 周波数特性と位相遅れの両方の補正をONにしました。補正範囲は20Hz~20kHzです。
位相 ON ON
嘘みたいにバッチリ合っています。ここまで一致するとは、ちょっと予想していませんでした。


● 位相遅れ補正だけをOFFにしてみました。
位相 ON OFF
低周波数のベース音がトランペット音に対して遅れている事がよくわかります。ペットの波形もなんだか変ですね。


● 今度は位相補正をONにして周波数特性補正をOFFにしてみました。
位相 OFF ON
ペットの波形はかなりソース波形に近付きましたが、低域がブーストされないのでベース音が弱まって、全体的に平らな波形となっています。


● 最後に、SONYの高級密閉形モニタ ヘッドフォンMDR-Z1000でも計測してみました。マイクロフォンは例のバイノーラル録音用です。初のヘッドフォン再生での計測です。
ヘッドフォン
さすがですね。もちろん全くの未補正です。何の苦労もありません。再三申しているように、ヘッドフォン/イヤフォン再生はスピーカ再生に比べて「圧倒的に高音質」であるという事をご理解いただけると思います。でも、波形を詳しく見るとベースが若干進み気味です。

下はFrieve Audioで測定したヘッドフォンの位相遅れ特性です。
HP位相遅れ copy
やはり低域で位相がわずかに進んでいます。こんな事ってあるのね?

下はヘッドフォンのF特です。
HP F
このバイノーラル用マイクの周波数特性はあまり信用できません。特に高域の特性は全く信用できません(マイクの表と裏の両方で音を拾う構造であるため、耳穴の気柱振動が影響している模様)。聴感では、カナル型イヤフォンや馬鹿ブーフラット再生よりも低音がブワッと出過ぎる気がしていたのですが、やはり低音が盛り上がり気味ですね。しかし、そのおかげで、40Hzまで中域と同等レベルのレスポンスが確保されています。Frieve audioで500Hz以下をフラットに補正すれば、馬鹿ブーやカナル型イヤフォンとと比べて違和感のない低音を聴けるかもしれません。

と言う事で、Frieve Audioの音場補正により、周波数ドメインだけでなく時間ドメインでも、密閉形モニタヘッドフォンに匹敵する非常にクオリティの高い音楽再生を実現できるという事を再確認できました。非接触型ヘッドフォンを標榜するLEANAUDIOニアフィールド方式の面目躍如ってとこですね。

Alpair5を使っていた頃は、アナログチャンデバを介してサブウーハーを使用すると、大幅にウーハーの位相が遅れたため、位相遅れ補正をOFFにすると時々違和感を覚える事がありました。しかし、密閉型の馬鹿ブー方式の場合、OFFにしても殆ど違和感を覚えた事がありません。ですので、OFFにするとこんなに波形が崩れてしまうという今回の結果には逆にちょっと驚きました。ONにした場合の弊害というのも特に感じませんし、CPU利用率もほとんど増えないめ、今後も位相遅れ補正ONを標準設定にしたいと思います。

オーディオを趣味とされる方々は、こんなのツマラナイと思われるかもしれませんが、このように「音楽再生クオリティ」を高める事によって、「音楽」(アーチストさんがやらはった事)を非常に聴き取りやすくなります。また、僕には「音」自体も癖や違和感のない素直で自然な、従って美しい、「響き」方に聞こえます。これはマイクで拾った波形が素直にそのまま耳に届くからだと思われます。例えば、録音されたストラディバリの響きを本当に味わいたいのであれば、倍音をタップリ含んだ精妙極まりない波形を出来るだけ正確に耳に届ける以外に方法はないはずです。

今回驚いたのは、密閉型スピーカであっても、位相を補正しないと、トランペットの各倍音成分の波形の時間的順番がソースとは異なっているよう見える事です(スペクトルは同じはずですが、波形が全然違って見える)。僕の耳では同じようなペットの音にしか聞こえませんが、電線の違いを聞き分けられるくらい耳の良い方には違いが分かるかもしれません。例えば、ストラディバリの微妙な響きを真剣に聞き分けようとする場合、このへんの波形の崩れはどの程度影響するのでしょうか? (僕にはそこまで聞きわけようという熱意はありませんが。。。)

スピーカとしては最もシンプルなフルレンジ1発でも、スピーカの位相特性によって、このように大きく波形が変形しているというのは驚きです。アナログフィルタを介したマルチウェイ方式の状態は「推して知るべし」ではないでしょうか。

対して、ヘッドフォンでは、何の苦労もなく非常に正確な波形を耳に届けられるという事が、今回の計測で実証されました。ヘッドフォン/イヤフォン再生は、テーイがドータラコータラを無視してしまえば、めっちゃ気持ち良いですよ。ホンマニ。特にベトベン交響曲はヘッドフォンで聴く方が好きだな、未だに。。。。真面目なバイノラル盤出ないかなぁ。。でも、長時間の装着が鬱陶しいのよね。。。

LEANAUDIOでは、常にカナル型イヤフォンの聞こえ方をリファレンスとしてきました。そこそこ上等のカナル型イヤフォンなり密閉型モニタヘッドフォンを真剣に聴いた事のない方には、一度じっくりと聴いてみる事をお薦めします(あんまりジョートーなやつはジョートー感を演出している可能性があるので、イヤフォンなら1マンエン前後のクラスが適当かと思います)。僕はジョートーすぎるヘッドフォンを買ってしまった事を少し後悔しています(超特価を見付けて衝動的にポチしてしまったのよ)。多くのスタジオで愛用されているMDR-CD900STくらいにしておけば良かったかもしれません。ハチマルはVictor製のダイアフラムがトップマウントされたタイプのカナル型イヤフォン(HA-FXC71、6K円くらい)をリファレンスとして使用しています。外出時およびジョギング中も、いつもこいつを愛用しているので、ボロボロになってきました。値段も手頃ですのでお薦めします。

ヘッドフォン/イヤフォンで定位に違和感を覚える方は、モノラルにして「オンジョー」とか「テーイ」を気にせずに「オンガク」を聴いてみてください。何か新しい発見があるかもしれませんよ。ハチマルもソースによってはモノラルで聴いています。

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2011年12月03日 (土) | Edit |
仕事中に時々リサンプリングの設定を変えながらIA-7Eで音楽を聴いていました。例のシュワシュワ感はアップサンプリング自体に原因があるのではなく、Frieve Audioの超高域ノイズ付加機能(HSC)が効いているように思えてきました。これをOFFにすれば、アップサンプリングしてもシュワシュワしないような気がするような気もしないでもないかもしれないような、そんな気がします。。。。切り換えて直ぐに分かるわけではないので、確たる判断は難しい。。

という事で、実験君としてはこのへんを検証するために、アップサンプリングの効果を波形とスペクトルで確認してみました。

今回はベト3第1楽章冒頭のジャンジャンの2発目を抜き出してテスト信号としました。また、Lameエンコーダを使用して128kbps/44.1kHzのMP3信号も作成しました。

以下はFrieve Audioのスペクトル表示です。横軸はリニアですのでご注意ください。

リサンプリングなし(44.1kHz)
41 copy
横軸は44.1/2=約22kHzまでです。青がWave(CDのまま)、赤がMP3です。MP3では約13.5kHz以上の信号が含まれていない事がわかります。2本のグレーは、曲が始まる前の無信号区間(非常に微小なノイズが含まれる)と、第1楽章終了後の音が完全に静まった後のスタジオ暗騒音(録音機材のノイズを含む)です。無信号区間が約-108dB、暗騒音が約-96dBです。CD信号は22kHzで完全に途切れてしまいますが、本当の音は暗騒音レベルに達するまで、自然に減衰するはずです。恐らく30kHz程度までは伸びていると思われます。

x3アップサンプリング/96kHz出力
Frieve Audioは44.1kHz信号を3倍(132.3kHz)にアップサンプリングしてから、96kHzにリサンプリングします。
96 copy
横軸のスケールは96/2=48kHzです。上図とスケールが異なるので注意してください。WAVEもMP3も、元の限界周波数以上の成分は見られません。

x5アップサンプリング/96kHz出力
これはFrieve Audioで設定可能な最大のアップサンプリング(5倍、220.5kHz)です。Icon AMPでは、この設定がなんとなく良く聞こえました。以前のハチマル標準設定です(参考記事)。
96_2 copy
22kHz以上にCDの無信号ノイズレベルを少し超える成分が見られます。何故このような成分が現れるのか、よくわかりませんが、ノイズのようなものでしょうか。

3xアップサンプリング+HSC
3倍にアップサンプリングして、超高域ノイズ(HSC)をONにしました。
96_3 copy
超高域成分がドカンと付加されます。IA-7Eを初めて使用した時、このHSCがONである事に気付きませんでした。Icon AMPでは、これがONでもシュワシュワしないので気付かなかった模様です。いろいろ試した結果、アップサンプリングしても、HSCをOFFにすれば、IA-7Eでもシュワシュワしないような気がします。IA-7EはICONに比べて超高域の特性が伸びているからかもしれません(100kHzを軽く超えているというのがNuForceの自慢)。

次は波形を比べてみます。
ベト3のジャンの、極一部の区間だけを拡大して比較します。高域信号の違いを分かりやすくするために、8kHzの最大急峻なハイパスフィルタを適用しました。今回はスピーカで出力せず、DACの出力波形を直接オシロで比較しています。オシロのサンプリングレートは48kHzです。

MP3 hakei copy
グレーが元の44.1kHz信号、青がアップサンプリングなしのMP3、赤が5倍アップサンプリング(96kHz出力)のMP3波形です。8kHz以上の成分だけで比較すると、MP3波形はオリジナルからかなり崩れている事がわかります。アップサンプリングしても、オリジナル波形に近付くわけではなく、どちらかというと、尖ったピークが少し丸くなるような傾向が見られます。

追加実験として、WAVエンコーダを使用して、オリジナルデータから22kHzのWAVファイルを作成して比較してみました。このファイルの限界周波数は約11kHzです。これならば、48kHzの計測レートでもアップサンプリングの効果を確認できるはずです。
22k hakei
青がリサンプリングなし、赤が5倍アップサンプリング(96kHz出力)です。波形は128kbpsのMP3よりもマシですね。やはり、アップサンプリングしてもオリジナル波形に近付くわけではなく、尖ったピークが少し丸くなる傾向が見られます(と言っても、逆にもっと尖ってることろもある?)。

なお、3倍アップサンプリングの波形は、5倍と生の中間程度でした。3つ重ねると見にくくなるので掲載を省略しました。

以上のように、アップサンプリングしても、オリジナルのA/Dで失われた高域成分が復元できるわけでも、従ってオリジナル波形に近付くわけでもないと言えます。よく言われる波形の立ち上がりがシャープになるという事もなく、逆に低サンプリングレートで尖ってしまった波形ピークが少し丸くなるというのが効果と言えば効果と言えるかもしれません。ちょっと高音がマイルドになるという感じでしょうかね。

という事で、以前の関連記事に書いたハチマルのコメント:
信号再生クオリティとしては決して良い状態とは言えないんだけど、ナンカ良く聞こえる。という感じかな。。。。「音質」が向上したワケでは無い。むしろ「音質」は落ちている?
を裏付けるような結果であったと言えます。モトモトナイモンハナイノヨってやつです。NuForceの言う事もわかるけど、聴感ではなんとなく5倍アップサンプリングがホンの少し良く聞こえるような気がしないでもないような気もするような気がするので、従来通りこれを標準設定にしようと思います。HSCは絶対OFF。

IA-7Eは100kHzオーバーまで完全にフラットな特性を持っているそうですが、これを生かすには、超高域まで感度のあるマイクロフォンを使用して高サンプリングレートでデジタル化した音源を、それなりのスーパーツイータを使用して再生しない限り、その恩恵は感じられないのではないでしょうか。ハチマルのようにCDレベルのソースを聴くだけであれば、いくらアップサンプリングしても、可聴帯域さえしっかりと再生できれば十分という事かもしれませんね。Alpairフルレンジ + ICON AMPで必要十分という事でしょう。

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2011年10月30日 (日) | Edit |
前の記事からの続きです。

「アーチストさんの言うてはるコト、やらはったコト」を漏らさずしっかりと聴き取って感じ取りたいというのがLEANAUDIOの最も基本的なモチベーションであると書きました。基本的にオンシツ?ではなく音楽再生クオリティを求めるという事です。

LEANAUDIOはそもそも、カナル型イヤフォンで音楽を聴いてショックを受けた事に端を発し、以来その聞こえ方をリファレンスとしてデスクトップシステムを開発してきたという事は、今まで再三述べました。また、マイクロフォンと同等あるいはそれ以下の極小ダイアフラムを使用し、ダイアフラムと鼓膜との間で密閉された極少量の空気だけをドライブするイヤフォンあるいはヘッドフォン方式は、ダイアフラムとリスナーの間に部屋という巨大な影響を持つ音響空間が介在し、その巨大な量の空気を駆動するためにマイクロフォンに比べて巨大な振動板を巨大なパワーで駆動せねばならないスピーカ方式に比べて、原理的に圧倒的に高音質である(音楽再生クオリティが高い)という事も述べました。ただ、仕事中に長時間イヤフォンやヘッドフォンを装着する事は耐えられないため、デスクトップシステムの開発に着手したという事です。結果として、従来のスピーカ方式とヘッドフォン方式の中間的存在である超ニアフィールドスタイルに帰結したのは当然の成り行きと言えるでしょう。

その経緯を振り返ってみたいと思います。

当時使用していたDENONのCD/MDコンポのスピーカは、結構立派に見える2way/13cmウーハー/6Lバスレフ型でした。しかし、カナル型イヤフォンの正確な再生を知った僕には、とても耐えられる代物ではありませんでした。メチャクチャ音が不明瞭(ブワブワのモゴモゴ)で音楽を聴くに堪えないため、こいつを破壊した時点からLEANAUDIOトライアルが始まります。

dmg33m.jpg
DENON ラビシアDMG-33というやつでした。口コミでは評判良かったのですが。。。

それまでに使った装置の中では、おそらく3"クラスのフルレンジを搭載していたであろうSONY製の高級な一体型CDプレーヤZS-F1が最も聴きやすかった事から、3"のフルレンジドライバが良かろうと判断し、これを破壊したスピーカボックスに取り付けてバスレフ型を作製しました。このスピーカボックスは低音再生時に不快極まりない振動を出す事が分かっていたため、徹底的に補強も加えました(このため容量は6Lから4Lに減少)。

zs-f1.jpg
名機とは知らず酷使したSONY ZS-F1。
多くのスタジオでモニタ用として使用されたらしい。いまだにエッジを貼り替えて使っている人もいるようだ。捨てるんじゃなかったなぁ。。。

各種3"ドライバを試聴した上でF80AMGメタルコーンドライバを選択し、バスレフのチューニングに手を尽くしました。しかし、カナル型イヤフォンで本当の低音ビートを知ってしまった僕には、どうチューニングしても低音(特にピチカートベース)の聞こえ方に満足できず、よく聞こえるようにしようとするとポートに吸音材を少しずつ詰める事になって、最終的に密閉型になってしまうというプロセスを何度も繰り返しました。容量が大きすぎるのかと想い、2.5Lのポチ型ボックスを作って、背面ポート、側面ポート、スリットダクト、超ロングダクトと手を尽くしましたが、結局徒労に終わりました。

という事で、バスレフ型はあきらめて密閉型とし、低音の不足を補うために小型のパワードサブウーハーを購入し、最初はblue skyの言うように床に置きましたが、デスクトップに置いた方が断然自然に聞こえたため、デスクトップサブウーハー方式でしばらく満足して聴いていました。この頃は計測しておらず、専ら聴感によるチューニングをしていました。

ただ、サブウーハーが正しく調整できているのか計測したくなり、ネットでいろいろ調べた結果、Frieve Audioという素晴らしいソフトウェアに出会うことができました。サブウーハと組み合わせた状態で音場補正を適用する事により、30Hzまでフラットなレスポンスおよび位相特性が得られ、目標としていたカナル型イヤフォンの聞こえ方に一気に近付く事ができ、LEANAUDIOの基礎が固まりました。

002b_20111030121834.jpg
なつかしいなぁ。サブウーハーのポートは最終的に粘土で塞ぎました。

その後、F80の明瞭さにやや不満を覚え、ツイータ等を追加してみたりした後に、Alpair5と出会い、そこから馬鹿ブースト+吸音材タップリという第2段階が始まった事は、最近の記事で述べた通りです。元々サブウーハーの使用を前提にAlpair5を選んだため、ブースト時の超低音のタフネスには限界がありましたが、逆に限界の低いAlpair5であったればこそ、ブースト方式に関する様々な知見を得る事ができました。

さて、Frieve Audioの音場補正とAlpair5の馬鹿ブーストにより、「音楽」の聞こえ方はますます目標とするカナル型イヤフォンに近づきましたが、僕自身、なんでこんな事が可能なのか、こんな極悪非道な方式で本当にまともに音楽を再生できているのか検証する必要性を感じたため、この頃からソース信号の解析や、スピーカからの音響波形の解析を試みるようになりました。

計測した物理特性ばかりに頼って開発したかのように思われがちなのかもしれませんが、最終的に馬鹿ブーストに辿り付くこの時点まで、計測と言えば、Frieve Audioの音場測定だけしか行っていません。これによって部屋の定在波の凄まじさを知ることができ、ニアフィールドリスニングの優位性を確信しましたが、それ以外は「聞こえ方」(主に違和感、不快感、不明瞭感を感じないかどうか)を頼りに開発を進めてきたという事です。ただ馬鹿ブーストが十分に実用に耐えると確信した時点で、それまでのLEANAUDIOアプローチの妥当性を後追いで確認しただけの事に過ぎません。

225_20111030122018.jpg
サブウーハーを撤去、F80はスタンドとして使用

なお、このような評価では、少なくともスピーカからの音響波形、理想的にはリスニング位置での音響波形(すなわちシステムの最終出力点)で評価する事が重要です。アンプでいくら矩形波が正確に再生されたとて、スピーカは絶対に矩形波の音響波形を出力できません。最も最初の入力である「ソース信号波形」と最も最後の出力である「リスニング位置の音響波形」を比較評価する事によって本当のシステム全体の再生クオリティを評価できるという事です。基本的に、電気信号を機械運動に変換してさらに音響現象に変換しなければならないスピーカがハードウェア システムのボトルネックとなり、さらに、スピーカとリスニング位置の間には、如何ともし難い厄介極まりない部屋という空間が介在し、特に低音の波形を大きく歪ませます。つまり、アンプ出力点(スピーカ入力点)からリスニング位置までの間の伝達関数が「音楽再生」に最も大きく影響するという事です。現代の技術で作られたアンプの歪みや周波数特性で究極を極めたとて、システム全体に対する影響は微々たるものでしょう。だからイチマンエンのアンプとサンビャクマンエンのアンプをブラインドで評価したらイチマンエンのが勝ってしまうてな事は条件次第でいくらでも有り得ます(でも真空管アンプはスピーカに次いで音の好みに合わせたセレクションを楽しめる因子だとは思う)。

Frieve Audioの自動音場補正は、ソースからリスニング位置までのシステム全体の伝達関数(ゲインと位相)を正確に補正(すなわちキャリブレート)してくれるという点で極めて理に適っており、真っ当に「音楽」を聴こうとする者にとって必須の機能であると言えます(オンシツ?ではなく音楽再生クオリティを飛躍的に高めてくれます)。

ちょっと脱線しました。話を元に戻します。

一連の追認試験の結果として下記を確認できました。

- バスレフポートによるピチカートベース波形の崩れ、位相遅れ
- アナログフィルタの位相遅れによるピチカートベースの波形の崩れ
- 吸音材を入れない場合の箱の定在波の発生(これは振動板を透過して前面に放射される)
- 吸音材を大量に入れる事により、ドライバの機械的共振が抑制されること(特に真空管アンプで顕著)
- Frieve Audioで補正したピチカートベース波形が位相も含めてソース信号波形に極めて正確に一致すること
- Frieve Audioの位相補正によってアナログフィルタやドライバ自身の影響で遅れた低音を極めて正確に補正できること

以上の結果は、「音楽を聴いている時に違和感を覚えた現象は波形で簡単に確認できる」という事、また、「音楽の聞こえ方を頼りに実施してきた各種方策によってそれらの問題が正しく解消された」という事を如実に示してくれました。また、これらの多くは、主に低音再生に関するものであり、この科学技術が進んだ現代においてすら、一般家庭用オーディオ装置が未だに抱える「音楽再生装置」として未解決の根幹的(カンセーがアーダコーダ言う以前のずーーーーと基本的な)かつ巨大な問題であると言えます。僕が最近オーヂオに手を染めて以来、未だに不思議なのは、アナログだ、デジタルだ、デンセンだ、ハイレゾだ、超高音だ、ナンチャラ感だ、ナンダカンダとやたらコマケー事に拘る以前に、「オンシツ?」にさして拘らぬ僕ですら「音楽」を真面目に聴こうとした時に「聴感」で確実に違和感や不快感を覚えた上記の「音楽再生クオリティ」上の根本的大問題に、業界もマニアもさして目を向けようとしないという点です。なして????

僕は何もブツリトクセーとやらを頼りに開発してきたわけではありません。上記問題はデスクトップシステムの開発に着手して真っ先に「聴感」で違和感を覚えて対策した現象であり、それを後から計測で(といっても極めて雑で簡単な方法で)追認したに過ぎません。これらはカンセーだブツリトクセーだがどーだこーだのレベルの問題ではなく、あまりに明白な超基本的問題です(というかずっと放ったらかしにされてきた超古典的問題。僕が中学生の頃に読んだオーヂオ誌にアタリマエのように書かれていた問題)。。わざわざ御大カンセー様のお出ましを願う程のものではゴザイマセン。ホンマニ。

例えば、メタルコーンのAlpair6Mと紙コーンのALpair6Pを自動音場補正でフラットに補正すれば、全く同じF特で比較できますが、やはり「音調」は微妙に異なります。この違いを波形で明らかにしようなどとは微塵も考えた事はありません。余程精密な計測をしない限り明らかな事は分からないでしょうし、それが分かったとしても、僕は「聴感」で好ましく感じられるメタルコーンを選ぶ事に変わりないからです。

また、僕は正弦波の再生を評価する際に、高調波歪み率が何パーセントかという値を提示しません。波形を見て「概ね」見慣れた正弦波の形をしていれば、音の方も「概ね」正弦波のブー音に聞こえるからです。これは明らかに正弦波ちゃうねと言える程度に波形が歪んだ時は、明らかに音も異なって聞こえます。同様に、実際の楽曲のビートの再生波形が「概ね」ソース波形に一致すれば、「概ね」カナル型イヤフォンで聴くのに近いビシッとタイトな気持ち良いビート音に聞こえます。それ以上精密な測定を行って深追いしても実用的なメリットはたいして得られないでしょう。必要十分な「概ね」を見切る事がいずれの場合も重要です。

もちろん「音楽」に限らず芸術は感性の領域です。これを楽しむにあたり、まずは「理性」や「知識」は邪魔ものとなります(だから僕はモードチェーンジする)。しかし、これを伝達するためのオーディオ装置は物理法則に従う厳然たる電気機械装置です。基本的に感性の領域は装置の両側(すなわち表現者側と鑑賞者側)にあり、装置は両者の橋渡しをするものです。基本的技術領域において技術者の透徹した理知的アプローチがまず重要である事は言うまでもありません。もちろん、どのような機械であれ(たとえ最新のハイテク戦闘機であれ宇宙船であれ)、そこには人間としての開発者の思想や感性が反映されますし、またメーカとしてのブランドイメージも重要でしょう。それはどの業界も同じです。ユーザはそれらの個性の中から、自分の好みの製品を選べばよろしい。しかし、開発者はいたずらに「カンセー」あるいは「シュミ」の領域に踏み込んで本来の根幹的な部分(いったいこの製品は何のために存在するのか、この製品は社会にどのような貢献をもたらすものなのか、この製品に求められる最も基本的で重要な機能は何なのか、この製品が伝達しなければならない音楽とはいったい何なのか)での進化を疎かにしてはならないと思います。

オーティオ装置とは何もオーディオそのものを趣味とする人々のためだけにあるのではないという事です。鉄道でも、カメラでも、時計でも、自動車でも、自転車でも、航空機でも、パソコンでも、最近は一般家電でも、果ては銃器でも兵器でもなんでも、本来の用途とは離れてそれ自体に強い美意識を持ちそれ自体を趣味とする限られた数のマニアと呼ばれる層が必ず存在し、一定規模のマーケットを形成しています。しかしマニア層が好むと好まざるに関係なく、本来の用途でそれを必要とする圧倒的大多数の人々のために技術は進化しています。交通機関に関しては安全性と経済性の追求に終わりはありません。マニアがSLをどのように懐かしもうが鉄道は進化するという事です(リニアの必要性は疑問ですけどね)。中には、これ以上便利にせんでもエーンチャウ?という分野もありますし、兵器なんぞ金輪際進化して欲しくはありません。しかし、民生用オーディオ分野では、人々のために根本的に改善されなければならない基幹的技術領域(ネットワークだ、ハイレゾだあるいはやたらコマケー オンシツ?だ以前の基本的音楽再生能力(小型化/低価格化を含む)の領域)が随分放ったらかしにされているような気がしてなりません。。

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2011年10月21日 (金) | Edit |
と、当ブログを読んでいて思われる方も多いのではないでしょうか?

この点については、Mark Audio Alpair吸音材タップシ密閉箱で十分に僕が満足できるレベルに達しているという事です(カナル型イヤフォンと聴き比べても違和感や遜色を覚えるところがなく、自然かつ明瞭に「音楽」を聴く事ができる)。不満がないので、書く事もない。。。というコト。

Alpair 5に出会うまでは、巷で評判の良かった各社の3インチドライバを色々試した後に、最も音がナチュラルに聞こえたF80AMGという当時人気のメタルコーン ドライバを気に入って使用していました(「ハチマル」の名前はこのドライバ名に由来する)。しかし、どうもディティールが全体的に聴き取りにくく(ベールのかかったようなちょっと重くて鈍くてモドカシイ感じ)、ツイータやスーパツイータを追加したりもしましたが満足できませんでした。高音が足りないとかの問題ではなかったようです。また、その頃は吸音材も最低限しか入れていませんでした(例の戸澤を入れただけ)。というのはF80で吸音材を増やすと、ますます音が鈍くなってしまって、さらにディティールを聴き取りにくく感じたからです。そういえば、密閉型だと内圧が振動板の動きを邪魔してディティールを殺しているのかも知れないと考えて、ポチに圧抜きの長い尻尾を付けたりとかもしました。思い返せばアホな事をしたもんです。

その後Alpair 5に出会い、音を出した瞬間にゼンゼンチャウヤン!というくらい「音楽」が「よく」聞こえるのに驚きました。しかもナチュラル。。次元が違うぜ!ホンマニ。。というヤツです。僕はその頃既に紙やPPのキャラの立った音を嫌っていました。キャラが立つと一部のディティールが「よく」聞こえるような気がするのですが、全体的な音楽の聞こえ方(主に低めの周波数帯域だと思う)にはなにがしかの違和感を覚えたからです。F80で吸音材を入れない方がディティールがよく聞こえるような気がしたのも、定在波によるキャラが出て「よく」聞こえるような気がしただけだと思います。

で、A5のおかげで中高域にそこそこ満足できた時点から馬鹿ブーストによる低音再生へのトライが始まります。これは、その頃使っていた安物のパワードサブウーハーでは音がダルくて、シャープなAlpair5と釣り合わなかったためです(音がダル気味だったF80とでは特に違和感なく聞けたのですが)。そして、ブースト時の低音のダンピングを改善するために吸音材を段々に増やしてゆくという段階に入ります。Alpair5では、吸音材を増やしても音が鈍くなるどころか、付帯音が減って逆にますます磨きがかかった(より澄んだ、より自然な、より明瞭な、より聴き取りやすい)ように聞こえました。つまり、もともと周波数の全域で「よく」聞こえるので付帯音は邪魔なだけという事みたいです。特にブースト時の50Hzまでの低域音が安物サブよりもシッカリと良質に聞こえるのには驚かされました(それ以下はブリブリ気味)。だからこそ馬鹿ブーなどというキチガイじみた事にも挑戦する気になったという事です。また、「吸音材タップリ」というのも、実はAlpairだからこそなのかもしれません。

現在は低域限界が大幅にタフなAlpair 6Mを愛用しています。こいつはAlpairシリーズ中唯一ある磁気回路部品を使っていないというやや異色のドライバであり、高域が他のAlpairに比べると控えめであるため一聴しただけではジミヘン(地味でちょっと異色)に聞こえるのですが、長く使っていると自分でも気付かないうちに惚れ込んでしまっているという、ちょっと不思議なドライバなようです(僕はもうA5には戻れない)。同じ事を感じているA6M愛用者が僕以外に少なくとも2名居るという事を最近知りました。

という事でですね、僕は決して低音マニアというワケではないのですが、現在のところ中高域で違和感を覚える現象がないので、圧倒的に問題が多くて技術的に困難な低音再生にどうしても話題が偏ってしまうという事です。

中高音域に関して最近行った対策としては、左右のスピーカ距離をケロ並に縮めた事くらいですね。でも、これは効果大でした。ケロ級に音楽を聴きやすくなったので、「スピーカ開発もそろそろ終結かな?」と考えるきっかけとなりました。それくらい決定的だったという事です。

でもですね、終結を一端決断したのですが、先日Alpair 10を1個だけ購入してしまいました。こいつの低音タフネスがどれくらいあるのか、早く知りたくなったという技術的好奇心だけなんですけどね。。。。近いうちにご報告できると思います。オタノシミニ。。。またポチ箱の改造か。。メンドクサ。

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2011年09月21日 (水) | Edit |
前の記事からの続きです。今回は50Hz以下の超低音の再生波形を確認してみました。LEANAUDIOでは50Hzより下を「超低音」と呼ぶ事にしますね。なお、今回でスピーカシステムの開発は一端終結します。その締めくくりとして長文となってしまいました。ご容赦を。。

今までに再三申しているように、LEANAUDIOでは音楽再生装置の最低要件として50Hzまでフラットな低域特性を掲げています(密閉型による-12dB/Octの減衰を前提とする: 30Hzで-10dB程度)。ジャズやロックを聴く場合、この要件を満たしていれば十分に楽しめるように思えます(これ以上伸ばしても嬉しさはあまり感じない。それよりも低音ビートの位相が重要)。しかしクラシックの交響曲を聴く場合(ほとんどベトベンしか聴かないが)、レスポンスがそれ以下に伸びていると微妙に嬉しく感じる事があります。FOSTEXによると、これは「弱音で演奏される低音楽器のうなりや響き」というヤツだそうで「フルオーケストラの醍醐味のひとつ」としています。

以上を念頭に、今回は下記の条件で計測してみました。
1) 音量はハチマル快適音量の上限
- 約65cmのリスニング距離におけるベト5第1楽章の最大音圧レベルで約80dBA相当(参考記事)のアンプ ボリュームとする
2) 現実的な信号レベルとして、フルスパンに対して-6dBAの正弦波信号を再生
- CDにフルスパンの純正弦波が記録されている事はまずないため(参考記事)
- ハチマル コレクションの最強低音である「春の祭典」(シャイー指揮/クリーブランド、参考記事)のバスドラピークでも35Hz/-12dB程度(参考記事))

以下、スピーカ前方約20cmで計測した波形です。赤がAlpair 6M 2本の馬鹿ブースト、青がDAYTONウーハです。両者の絶対音量は同じに調整しています。クリックで拡大してご覧ください。

50Hz
875.jpg
両者ほぼ同等。どちらも、不安になるくらい音量を上げても顕著には崩れません。下段のFFTを見ると、DAYTONの方が2次、3次の高調波成分が少し低い事がわかります。

40Hz
874.jpg
これも両者ほぼ同等ですが、波形が明らかに歪んで尖ってしまいました。FFTを見ると、3次の高調波が強い事がわかります。ボリュームを少し下げれば正弦波に近付きます。40Hzまでは余裕で正確に再生して欲しいと思います。Alpair6Mはともかく、ウーハにはも少し頑張ってもらわないとね。今後の課題だな。

30Hz
873.jpg
波形はさらに崩れます。Alpair 6Mは4次の高調波が強く出るために、DAYTONよりも歪んで見えます。どちらのドライバでも、ボリュームを下げて行くと40Hzと同様のトンガリ波形を経て正弦波に戻ります。50Hzでもボリュームを思いっきり上げると、波形が尖り始めます。つまり、周波数が変わっても歪みのパターンは同じだと言う事です。なお、周波数が30Hzまで下がると、フルスパン信号をカナル型イヤフォンで聴いても微かにしか聞こえないので、ここまでの低周波はあまり重視していません。Frieve Audioでは振動板の無用な振幅を避けるために30数Hzから20Hzにかけて急峻にローカットしています。

以上から下記が言えます。
1) DAYTONウーハ 1本とAlpair 6M 2本はほぼ同等か、ややDAYTONが優れる
2) 両者とも50Hzまでは十分な余裕を持つが、それ以下では高調波が急激に目立ち始める
3) 歪みのパターンはドライバが変わっても周波数が変わっても基本的に同じであり、単純に振動板の「振幅」によって支配されているように見える(歪みの主要因はスピーカの構造的限界(大振幅時の非直線性)に起因するらしい)
- しかし、何故波形が尖るのか? 不思議。。普通に考えれば、振幅が頭打ちになって波形は丸くなると思うのだが。。。調査が必要。

-6dBの単音正弦波というのはかなり厳しい条件であり、通常、50Hz以下の信号レベルはそれほど高くないため、大概の楽曲の再生では聴感上問題ありません。特にベトベン交響曲やアコースティック ジャズでは50Hz以下の信号レベルが十分に低いため、30Hzまで馬鹿ブーストしても歪み領域に全く入りません。また、古典ロック(新しいのは知らない)も、50Hz以下の重いビートは意外と含まれていません。

ハチマルのコレクションの中で最強の低音は、再三取り上げた「春の祭典」の中に1発だけ含まれている超絶バスドラ(曲中他のバスドラは問題なし)と、マドンナの曲中延々と通奏されるズンドコ ビートです。これらの楽曲を再生して波形を確認してみました。

手順は下記の通りです。
1) 音量をハチマル快適音量の上限に調整
- 実際の曲を普通に再生し、約65cmのリスニング距離における大音量時の平均的音量が75dB~80dBになるようにアンプのボリュームを調整。普段は平均75dB前後、あるいはそれ以下で聴いているので、かなり頑張ったボリュームです。家内のイエローカード必至の音量。
2) 楽曲の問題の部分だけ(数秒間)を抜き出したWAVファイルを作成(左右をミックスしてモノラル化)
3) 高調波の発生を見やすくするために、Frieve Audioで60Hz以上を急峻にカットして、上記で決めたアンプ ボリュームでリピート再生

結果は以下の通りです。

マドンナの Erotica
数秒間を抜き出したサンプル音源のスペクトル
mad spe
約45Hzのビートが曲中延々と続きます。ピーク信号レベルは-12dB弱。マドンナの曲の典型的パターンです。

下がスピーカ前方で計測した波形です。
青がソース信号の波形、赤がマイクロフォンで計測した出力波形です。

Alapri6M馬鹿ブースト(30Hzフルフラット)
baka_mad copy
Daytonウーハー
sub_mad copy
どちらも、顕著な高調波歪みは観測されません。ズシッと重くてビシッとタイトなビートを聴くことができます。3"クラスのフルレンジSPだけでこの低音を再生するとは、Alpair 6M君は頑張りますね。凄いぞ。
なお、マイクは手持ちですし、環境騒音が結構影響するため、波形の細かい部分はサイクルごとにかなり変動しています。多少の波形の変形は多めに見て下さい。

春の祭典 第一楽章
最強バスドラ1発だけを抜き出したサンプル音源のスペクトル
haru spe copy
この1発のバスドラだけを抜き出すと、ピークは約40Hzに表れます。ピークレベルは-12dB弱ですから、ソース信号レベルとしては上のマドンナとほぼ同等です。しかーし、この曲は最強バスドラを収録するためにダイナミックレンジが非常に広い(すなわち、平均的な録音レベルが非常に低い)ため、上記の平均音量に設定するにはアンプのボリュームを大幅に上げる必要があります(プリのボリューム位置で比較すると、マドンナが約1/2開度に対して春の祭典はほぼ全開!)。ですから、ソース信号レベルが同じでも、スピーカに入力されるパワーはマドンナの比ではありません。この最強バスドラは全く尋常ではありません。

Alpair6M馬鹿ブースト(30Hzフルフラット)
baka_haru copy
DAYTONウーハー
sub_haru.jpg
注: 横軸のスケールはマドンナとは異なります。
吸音材たっぷりの密閉型なので基本波形をかなり正確に追従しますが、さすがに、このアンプボリュームでは高調波出まくり状態です。尖りモードを飛び越えて4次の高調波が顕著に出ています。しかしAlpair6Mは頑張りますね。偉いぞ!
この曲中の、これ以外のバスドラは難なく再生できますが、この1発だけはどうしようもありません。この曲を聞くときは、最強君のところだけボリュームを下げるか、イコライザで50Hz以下を減衰させるしかありません。それともWAVファイルをここだけ編集するか。。。
680_20110921045633.jpg
赤はブーストなし、青はフルブーストで再生したAlpair6Mスピーカ出力波形。一箇所だけ青の振幅がデカイのが問題の1発です。上の波形グラフは1本抜きん出ているヒゲの部分を時間軸方向に拡大したものです。このように強烈なのは全曲中1発だけ。こいつのために全体の録音レベルが低くなっています。他の盤ではどうなんでしょうか?

そこそこ大型のスピーカでも、この最強の一発をサイズに見合ったそれなりの音量で正確に再生するのは簡単ではないと思います。特にバスレフ型だと、余程大型のもの(共鳴点が40Hz以下、JBLだと4365以上)でないと、波形はかなり崩れるでしょう。どうあがいても、穴っぽこから噴出する音と振動板前面から直接送り出される音は異なります(特に打撃音)。

自分が聴く楽曲、自分が聴く音量がはっきりと限定されており、システムの限界を認識した上で使用するのであれば問題無いのですが、このようなシステムを広く一般に製品として市販する場合、そうも行きません。どのような楽曲でも(例え春の祭典でも)大音量で破綻せぬ事を保証するために、例えば50Hz以下を減衰させるローカット フィルタを適用べきであると言えます。実際、Victor製13cmパワード サブウーハのアンプは約50Hzのローカットフィルタを実装しています(解除不能)。このアンプは現在ケロに使用しており、その特性は下図のように50Hz以下で急激に減衰します(密閉型なのでフィルタが無ければ-12dB/Octで減衰するはず)。
577_20110919071343.jpg
余談となりますが、デジタル信号処理をフルに活用すれば、振幅がある一定量を超えぬように制御しながらドライバの能力をギリギリまで使い切る事ができるはずです。最も単純な方法として、アンプのボリュームと連動したイコライザ設定が考えられます(ボリュームと連動して低域信号レベルを制限する事により、振幅を安全な範囲に保つ。低ボリューム時はフルフラット)。さらに進めれば、波形を先読みしながらダイナミックに処理する事もできます(例えば、春の祭典の最強バスドラだけ信号レベルを少し下げる)。そのような方式を前提とするならば、ハードウェア(スピーカ)の設計自由度も大幅に向上するはずです。ソースだけ、アンプだけ、スピーカだけというのではなく、信号入力から音響出力(さらにルーム アコースティック)を含むシステムトータルで考える事により、音質(音楽再生クオリティ)、サイズ、コストを飛躍的に改善できるはずです。スピーカ屋はスピーカだけ、アンプ屋はアンプだけを見るのではなく、トータルなシステムで考える事が重要です。システムの中で最も大きな問題を抱えるのがスピーカ(さらに言えば部屋の音響特性)であり、この弱点をシステム全体で補う事が肝要かと思います。

さて、上記したように、このような超低域での高調波歪みは、振動板振幅とドライバの構造的限界(直線性の限界)の関係に支配されると考えられます。これを改善する方法として、同一振幅でも低音レベルを上げられる大径ドライバを使用するか、あるいはドライバの数を増やすのが最も直接的です。これとは別に、サイズ据え置きでドライバの構造的限界(線形性をある程度維持できる最大許容振幅: Xmax)を向上させる方向性があります。コンパクトさを追究するLEANAUDIOでは当然後者の方向性に興味が向かいます。そこで、2つ前の記事で紹介した各ドライバの公称Xmax値を調べてみました。

MarkAudio Alpair10v2 13cmフルレンジ: 7.5mm
HiVi M5a マグネシウム・アルミ合金 13cmウーファー: 3mm
DAYTON AUDIO DA135-8 13cmウーファー: 3mm

MarkAudio CHR-70v3 10cmフルレンジ: 4.5mm
MarkAudio Alpair 6Mフルレンジ: 3.4mm
HiVi M4N メタルコーン10cmフルレンジ: 3mm

FOSTEX M100HR-W: 不明

10~13cmクラスだと、判で押したようにXmax = 3mmと記載しているドライバが多く、あまり重視されていないように見受けられます。これに対し、Mark Audioは常にXmaxを重視する姿勢を前面に打ち出し、カタログ値を見る限り同サイズのドライバに比べてXmax値が異様に大きくなっています。13cmクラスで見るならば、HiVi M5aおよびDAYTON AUDIO DA135-8がともに3mmと記載しているのに対し、MarkAudio Alpair10v2は7.5mmを掲げています(実に2.5倍!)。以前製造されていた13cmのAlpair 10ウーハのXmaxは9.0mmにも達します。これは別にズンドコを狙った物ではなく常用振幅領域での直線性を重視した結果だと思われますが、ヤクザなLEANAUDIOコンセプトにとっても好適なドライバであると言えそうです。

メーカによってXmaxの定義や計測方法が異なる可能性があるため、単純には比較できないかもしれませんが、Mark AudioがXmaxを重視する姿勢は明らかです。Alpair6Mがここまで頑張れるのも、その基本姿勢に因るところが大きいかもしれません。このように飛び抜けたXmaxは、全ての部品を専用設計するという基本方針によって可能になったものと思われます。他社製のドライバは標準的なコンポーネント(内部部品やフレームまで)を組み合わせて使用している例が多く、部品をよく見ると他メーカのドライバと同じ部品だったりします。Xmaxがどのメーカでも同じような値になっているのは、そのへんに起因するのかもしれません。

まだ何も知らなかった初期の頃にたまたまMark Audioドライバを採用したわけですが、偶然にもそれらが気密性と大Xmaxという特性を備えていたからこそ、現在のLEANAUDIOがあると言えます。もし、LEANAUDIO初期に例えばフェイズプラグ付きの標準的なXmaxを持つドライバを採用していたとしたら、小容積密閉箱に入れて信号ブーストまたは別アンプで強引に駆動するという基本コンセプトには絶対にたどり付かなかったでしょう。Mark Audioドライバとの出会いは幸運であったと言わざるをえません。また、当ブログを見てLEANAUDIO方式をちょこっと試してみたけど駄目だったという方は、今一度ドライバの適性(まずは気密性)を確認してみてください。フェイズプラグ付きやコアキシャル型ではまず駄目だと思います。センター(ダスト)キャップ付きでも布製や真ん中に穴の開いたタイプでは駄目です。

現在のシステムの50Hz以下のタフネスを向上させるには、ウーハ用にAlpair 10(できればウーハバージョン)を選択するか、あるいは、面倒くさい2.1ch方式は捨ててAlpair10 (または7) 2本の馬鹿ブーストってのがシンプルで良いかもしれません。今回改めてAlpair馬鹿ブーストのポテンシャルを再認識しました。また来年の夏くらいですかね。何か変えるとすれば。

今回サブウーハを追加したそもそもの目的は、iTuneやネットラジオをイコライザなしで聴くためであって、Frieve Audio用には馬鹿ブーストを前提としています。しかし、ブースト方式には欠点が2つあります。すなわち、1)デジタル信号のオーバーフローを回避するために全体の信号レベルを下げる必要がある(アンプのボリュームを上げる必要がある、つまり信号クオリティとS/N比が多少低下する)、2)振動板が大振幅で動くため高域音が多少劣化する、という事です。従って、メタルコーン ウーハを採用した事によって今まで感じていた違和感が無くなるのであれば、2.1ch方式を常用する可能性もあります。

とりあえずは毎日聴いてみないと何とも言えません。無意識にどちらに手が伸びるか? 駄目なシステムには自然と手が伸びなくなり、全く使わなくなります。3つも電源を入れる手間をかけてでもウーハ付きに手が伸びるようであれば大成功と言えましょう。「音質?」の事なんか念頭になく、意識が自然に「音楽」を追いかけている時に、違和感や、不自然さや、聴き取りにくさを感じるようであれば「音楽再生装置」としてNGです。

冒頭でも述べたように、かれこれ3年以上続けてきたデスクトップ スピーカの開発は今回で一端終結します。
基本的にAlpair6M + Frieve Audio自動音場補正による耳幅配置超ニアフィールド馬鹿ブーストでハチマルが望んでいた「音楽再生クオリティ」言い換えれば「音楽の聴きやすさ(自然さ、違和感のなさ、正確さ、明瞭さ)」を十分に達成できたという事です。従来になく「音楽が聴きやすい」システム(そう、ハチマルの欲しかった「ミュージック マシーン」)となりました。また、数々の実験を通して多くの貴重な知見を得る事ができました。それらの経緯は全て当ブログに記載していますので、是非ご参考にしてください。「春の祭典」はめったに聴かないし、これ以上のものはとりあえず不要かなと思えますが、今まで年に1回ペースで何か作っているので、来年の今頃には新しい物をリリースするかもしれません。

マークさんに英語の要約版を約束しているので、そちらが終わるまで暫くブログの更新はお休みになると思います。以降はヘッドフォン再生がメインテーマとなる予定です。既に、ハチマルとしては大奮発のハイエンドなヘッドフォンを購入して早朝に愛用しています(最近奥さんからのイエローカードが頻発しているので。。)。オタノシミニ。

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2011年09月06日 (火) | Edit |
結論から申します。ガマ君は失格です。

仕事しながら2日間ほどアレコレ調整しつつ聴いてみましたが、Alpair6Mザップ君(+サブウーハー)がベストと判断。Alpair5ガマ君は残しておいても使用しないだろうという事で潔く撤収。せっかく作ったのに残念ですが使わんモンを置いておいても仕方ないので。。

結局下の写真のようにザップ君+サブウーハーという当初考えていた構成で落ち着きました。
849.jpg
850.jpg

Alpair 6Mのナチュラルな(悪く言えばちょっと地味な)音にすっかり慣れてしまったのでしょうか。Alpair5のキラリとシャープな音を長時間聴くのが辛く感じました。また、アンプがTU-870だとさらにシャラリンキラリンとするので、これにもだんだん鬱陶しくなってきて、最後の方はIcon AMPで聴いていました。しかし、どう調整しても明らかに自分はAlpari 6Mのシットリ控えめな音の方を好むという事がはっきりと分かったという次第です。

今回、A6Mの良さを改めて再認識できたとも言えます。他のAlpairメタルコーン ドライバーを聴いた事はありませんが、A6Mと同じようなキャラクターだとすると、本当に好きな「音楽」をたくさん聴き込むには最適なドライバーだと思います。ちなみに、Alpair 6Mのこの音質的特長は、高音がやや不足気味(というか300Hz~2kHzが少し盛り上がった弱カマボコ傾向)というF特に由来するものではありません。なぜなら僕はFrieveAudioでどのドライバーもフラットに補正して聴いているからです。これは長い時間愛用した後に他のドライバーと比較してみて始めて真に認識できる類の良さかもしれません。

いつもの測定結果です。ほぼリスニング位置での結果です。距離は約65cm。
848.jpg
赤がザップ君単体、青がサブをアドオンした結果です。黄色の帯は35Hz~15kHz/±6dBの領域を示しています。

50Hzのピーク、50~100Hzの落ち込み、180Hzのシャープなディップは部屋の影響、10kHzのディップはドライバーの特性によるものです。これらのディップを除けば、部屋の影響を含むリスニング位置での実効値としては極めて良好な特性が得られていると言えます。これでネットラジオやiTuneをイコライザなしで十分に楽しめるようになりました。

このシステムはサブウーハーをアドオンしています(フルレンジ側はチャンデバを通していません)。前の記事で、アドオン式にすると位相が大きく乱れると書きましたが、今回のサブウーハーの位相遅れはザップ君単体の密閉型馬鹿ブーストの遅れと殆ど同程度しかありません。今まで散々試したAlpair5との組み合わせでは位相が大きく遅れたのに、どうして今回はOKなのか??理由は全く分かりませんが、とりあえず願ってもない結果ではあります。

Frieve Audioで計測した位相遅れ。マイナス(下)側が遅れです。縦軸のスケール値は不明。750Hzのピークはデスクトップの反射の影響と思われる。
852.jpg
ほとんど同じ2本がAlpair6M単体と+サブウーハー アドオン、大きく遅れているのがAlpair5+サブウーハー(アドオン方式ではない)の結果です。Alpair5でアドオンすると、50~100Hzでもっと遅れます。ドシテ?

以上のようにザップ君で極めて良好な結果が得られましたが、Frieve Audioで聴く場合は相変わらず馬鹿ブーストを好みます。特にスピーディーでタイトなジャズは馬鹿ブーストの方が気持ち良く聴けます。細かい音質に集中して聴き比べれば、ブーストによる悪影響も分かるのかも知れませんが、僕は別に「音質」を細かく聴き分けたいわけではないので、「音楽」の全体的な聞こえ方(自然さ、違和感の無さ、聴きやすさ、スピード感)を重視すると、馬鹿ブーの方に食指が動くという事です。

どうもウーハーの低音がダルく聞こえるので、メタルコーン型に交換してみようかと考えています。100Hz以下しか使わないので、Alpair10ではもったいなさ過ぎるため、そこそこ廉価なアルミコーンウーハーを物色中です。交換したら、またご報告しますね。

という事で、今までやってきたデスクトップ スピーカー システムもほぼ終着駅にたどり着いた感があります。
つまり、
「小径フルレンジ(お好みの音調のやつ)」+「小容積密閉型エンクロージャ」+「吸音材たっぷり」+「耳幅配置超ニアフィールド リスニング」+「デジタルイコライザまたは密閉型小径サブウーハ(2.1ch)による低域補強」+「デジタルイコライザによるF特/位相フラット化」+「お好みで真空管アンプまたはDSPによる味付け(ハチマルには不要みたい)」
これが、LEANAUDIOの「ステレオ スピーカー方式音楽再生装置」に対する1つの解答だという事です。

今後はヘッドフォン再生について、ゴチョゴチョやってみようかな?と考えています。

追記
装置の音を評価するに際して短時間のチョイ聴きでは正しい判断はできないという事をつくづく感じる。これは、例えばナニかを交換して「音質」を評価または聞き分けようとする行為は、「本来の実用状態」すなわち「音質」の事など念頭になく「音楽」を聴き込んでいる時の行為とは全く異なるからだと思う。A6Pの交響曲用システムにしろ、今回のAlpair5ガマにしろ、TU-870にしろ、最初は凄く良いと感じたのだが、「音楽」を聴き続けていると「ありゃ?」となって、結局撤収となった。たぶん、その時は気になる一部の「音質」にしか注意を払わず、しかし実際に音楽を聴く時はもっと総合的に音を聴いているからなんだろう。

別にワザワザ細かい音質?の違いを聞き分けたいわけではない。音楽を違和感なくより快適に楽しめる総合的な音楽再生音質が重要だと思う。だって「音楽」を聴くための装置なのだから。

自作の強みは、仕事中でも音楽を聴いている時に「ありゃ?」と感じたら、すぐに対策できる点にある。それを繰り返してここまで辿り付いたのだが、おかげでポチ2型ボックスは、そこらじゅう粘土で穴を埋めた満身創痍の実験君状態。。。そろそろ終着駅も見えたし、新しい綺麗な箱を作らないとね。メンドクサ。。。

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2011年09月03日 (土) | Edit |
LEANAUDIOに新しい仲間が加わりました!

名付けて「GAMA」(ガマ)君です。

Alpair5とPPコーン13cmウーハー(DYNAVOX LW5002)を組み合わせた一体型2.1chシステムです。「KERO(ケロ)」君の兄貴分なので「GAMA(ガマ)」君。。細かい調整はまだですが、とりあえず写真を公開します。

846.jpg
LEAUAUDIO 3兄弟。真ん中のがガマです。新参者のくせに一番押し出しが強そう。

最近ネットラジオを聴く事が多く、またiTuneのイコライザはどうも信用できないので、イコライザを通さなくても十分な帯域幅でフラットな特性を持つ再生装置の必要性を強く感じました。このため手持ちの材料を有効利用して、手っ取り早く「ガマ」君をでっち上げたというのが今回の経緯です。

ウーハー用のボックスにはポチ1型(ケロの片割れ)を使用し、これに13cmウーハーをムリヤリ取り付けました(厚さ30mmの集積材の端材で箱の断面よりも大きなバッフルを作成してポチに接着!。。かなり強引な作り方です)。。

844.jpg
Alpair 6Mの上に載っけて使用します。雑な仕上げを目立たなくするためにマットブラックで塗装したら、ちょっとメカニカルな悪役ロボ的外観になりました(というか帝国軍のTIEファイター?)。ぜんぜんカエルっぽくありませんが、ケロの兄貴なので、名前は「ガマ」で問題なし!としましょう(ほんとはカエルぽくしたかったのですが、ALpair 5が大きすぎてデザイン的にまとまりませんでした)。

Alpair 5のエンクロージャには呼び径75の塩ビ管エルボー継ぎ手を使用し、上下に角度調整可能としました。写真ではやや下向きにしています。今回買い足したのは、このエルボーだけです。容積は500ccくらいかな? サブの容積は基本的にポチなので2.5Lです。もちろん、どちらも密閉型+吸音材ぎっしり仕様です。総容積3.5Lと結構コンパクトな構成なのですが、見た目は厳つくなってしまいました。。ケロのような可愛らしさはありません(こちらは総容積たったの1L)。R/Lスピーカの軸間距離は約290mm。ケロやA6Mよりもやや広めです(あり合わせの材料で極力メンドクサイ事をしないで作ったらこの寸法になってしまったのよ)。

アンプにはKENWOOD KA-S10(メインSP用)とONKYO A-905FX(サブ用、片チャンネルだけ)を使用します。チャンデバ(ベリンガー CX2310 SuperX Pro)にはモノラルのサブウーハー用出力も備わっているので、2.1chシステムにも容易に対応できました。

今回のシステムでは、メインSPの信号もチャンデバ(HIGHチャンネル)を通してからKA-S10で増幅しています。メインSP信号をチャンデバを介さずにダイレクトにアンプで増幅し、サブウーハー信号だけチャンデバ(LOWチャンネル)経由でハイカットしてから増幅する、いわゆるアドオン方式も当然可能ですが、このチャンデバの場合アドオン方式で使用すると、ダイレクト信号とLOWチャンネル出力信号間の位相差がかなり大きくなるため、今回はアドオン方式を採用しませんでした。以前のバイアンプ システム(2.2chシステム)ではアドオン方式を採用しましたが、それはFrieve Audioが位相遅れを完璧に補正してくれるためです。しかし、今回はFrieve Audioを使用しない事が前提であるため、位相特性を優先したという次第です。それでも密閉型の2倍かそれ以上位相が遅れます。このへんはアナログフィルタ方式なので仕方ありません。手軽なデジタルチャンデバ内蔵DACの製品化が望まれます。

細かい調整はまだですが、40Hz/-6dB程度は簡単に確保できそうです。また、Alpair 6Mをイコライザなしで使用すると高域(4kHz以上)が不足気味(コモリ気味)に聞こえるのですが、Alpair 5は高域がフラットに伸びているため、イコライザなしを前提とする本システムには理想的です。先ほどからネットラジオを聴いていますが、今のところすこぶる具合良しと言えそうです。今のところはね。。

これから暫くオシゴト中に聴きながら、調整を進めます。僕の場合、いわゆる「音質?」というのではなく、長時間聴いて違和感がないか?不自然に聞こえないか?聴きたい音が聴きにくくてフラストレーションが溜まらないか?等が重要な指標となります。A6P交響曲用システムのように、短時間聴いて「良い!」と感じても、癖があるとどうしても段々と違和感がつのり始め、最終的に耐えられなくなってNGとなります。今回はそうならない事を祈ります。

ある程度調整が済んだら、計測結果等を適宜ご紹介したいと思います。オタノシミニ!

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2011年08月16日 (火) | Edit |
もともとの音源が巨大な交響曲を聴く場合、Alpair6Mのニアフィールド馬鹿ブーシステムだと寂しく感じる事があります。かといってAlpari6Pバスレフ(一辺120cmの正三角形配置)だと、左右に拡がり過ぎて音が全体に希薄になり、なんかタヨリナイし、細部を聴きにくい。これだったらA6M馬鹿ブーで聴く方がマシ。。と言うことで、A6Pバスレフも撤去しようと思ったのですが。。。

827.jpg
Alpair5でセンターSPを作って追加してみたところ、なかなか具合良くなりました。このSPボックスは、あり合わせの端材(内径約80mmの塩ビ管、9mm合板、ケロのあまりの合成皮革)で作りました。モノラルではなく左右別々のステレオです。容積は約500cc x 2。もちろん密閉型です。エアコン配管用のシール材と、分厚いフェルト材とガムテープで徹底的に制振しているので全く響きません。

Alpair 6Pは約45°上向きにしています。左右の高音を天井に反射させる事により、左右SPからの直接音の干渉を和らげて自然なステレオ感を得るのが狙いです。これが意外と効きました。ホワンと響いて喫茶店のBGM風になりますがポップス系だと意外とOK。ボーカルも中央に自然に定位します。ただし響き過ぎのホワンホワン。。死の臭い漂うJAZZを聴く気にはとてもなれませんし、肝心の交響曲でも拡がり過ぎ/響き過ぎで密度感が低下してタヨリナイ。バッハの無伴奏チェロなんか全く聴けません。

センターSPは楽団からの直射音に相当する音を追加するのが狙いです。これを加えた事で交響曲あるいはフルオーケストラ曲を聴く楽しさがグッと増しました。今までのLEANAUDIOトライアルの中で最も交響曲を楽しめるシステムに仕上がりそうな気配がします。チャント仕上がったら、塩ビ管に色を塗らないとね。。

さらに6Pバスレフのポートチューニングを変更しました。以前は特性がフラットになるように約50Hzにポートをチューニングしていました。以下、いつものシミュレーションで説明します。
829.jpg
この場合、50Hz以下で位相が大きく遅れ、レスポンスも急減するため、50Hz以下をブーストする事はできません。これでは交響曲を聴くには物足りない。

そこでポートを伸ばして共鳴周波数を約34Hzまで下げました。
830.jpg
100Hz以下がダラダラと下がりますが、デジイコで+10dBブーストするだけで30Hzまで問題無くフラットにできます。問題の位相遅れも大きく改善されます。

下は密閉型です。
828.jpg
上の34Hzバージョンは、密閉型に対して30Hzで+8dBのゲインがり、共鳴前の40Hzでの位相遅れは密閉型とあまり変わらない事が分かります。

以上のように、バスレフ型にデジイコを組み合わせる事により、ポートの同調を思いっきり下げて、ブースト率をそれほど上げずに低域を可聴帯域下限近くまで伸ばす事ができます。すなわち、ポート効果+デジタルブーストの組み合わせで低音を増強する事ができるという事です。

下はAlpair6M + 2.5L密閉です。
831.jpg
小型密閉箱の場合、30Hzまでフラットにするには20dB以上のブーストが必要です。大容積バスレフと長いポートにより、このブースト量を約1/2にできるということです。A6M密閉の場合、ブーストは通常40Hzまで(約+15dB)にしています。

とはいえ低音のタイトさ、スピード感、正確さという点では小容積密閉型(A6M)馬鹿ブーの方が圧倒的に有利です。ジャズは絶対にA6M密閉で聴く方が好きですね。クラシックでも、特にピアノソナタは密閉型で聴きます。ピアノはアタック音ですので、とりわけ低音部は密閉型の方が気持ち良く感じます。チェロソナタやチェロ独奏も密閉型の方が好きかもしれません。響きが加わると演奏が聴きにくくてもどかしく感じます。反面、オーケストラ曲のホールと一体となった低音のウナリは、バスレフ型+センターSPの方が雰囲気良く聞こえます。オーケストラを聴く場合、多数の楽器とホールで構成された巨大な一塊の楽器として聴こうとしているのかもしれません。僕には、交響曲(フルオーケストラ)の再生というのは、以前から特別のように思えてなりません。

さて、最後にお決まりの測定結果をお見せします。全てリスニング位置での測定結果です。全て左右同時に音を出して計測しています。

Alpair 6Pバスレフ、11L、同調34Hz、上向き45°
821.jpg
上に向けたので2kHz以上はダラダラ低下します。部屋の影響で50Hzにピーク、200~500Hzにディップが発生しています。吸音材は以前より少し増やしました(片側4枚から6枚に増やした)。低域もダラダラ低下するので、概ね40万ヘルツの法則に従うカマボコ型となっています。

Alpair 5 密閉、0.5L
822.jpg
200Hz以上は綺麗にフラットです。久しぶりに聴いたけど、やっぱり良いユニットだなぁ。。これでA6Mなみに低音が出てくれたら。。。

Alpair 5 + Alpair 6P
823.jpg
50Hzに部屋のピークがあるので、うまい具合に50Hzまでほぼフラットな特性が得られています(タマタマですけどね)。このためiTuneでイコライザなしで再生しても十分に楽しめます。

アンプですが、A6PにKENWOODのKA-S10(ヘッドフォン用に使っていた)、A5にIcon AMPを使用し、ボリューム位置を両方とも12時の位置にしています(全体のボリュームはパッシブプリのボリュームで調整)。比較的センターを強めに効かせたハチマル好みの設定なので、左右のステレオ感はあまりありません(もともとフルトベングラ盤を楽しく聴く事を目標にしてましたし)。ステレオソースの場合、センターのボリュームを少し下げると楽器が左右に分かれ始めます。このへんはお好み次第。

833.jpg
これ以外にはPC本体だけ。。リーン&コンパクトなシステムです。

832.jpg
ポチ2型の上に置いたスピーカセレクタです。Icon AMPをA6M用とA5用に切り換えます。

次回は、久しぶりにバイノーラル録音してみようかな。。

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2011年08月15日 (月) | Edit |
最近モノラルの聴きやすさが気に入ってずっとモノラルで聴いていたのですが、2週間ほど前にAlpair6M馬鹿ブーをディスプレイ上方の真正面に置けるようにして、仕事の合間にイロイロと配置を試していました。その結果、L/Rの軸間距離を約23cm(ケロと同じ、ほぼ両耳の左右距離と同じ)にしたステレオレイアウトが、ステレオ感をホンノリ感じながらモノラルなみに聴きやすいという結論に達し、写真のようなレイアウトを採用しました。
825.jpg
ポチ2型ボックスの底面同士を付き合わせて合体すると、L/R軸間距離は偶然ですがケロと同じ230mmになります。ニアフィールドだと左右耳の距離と同じくらいのLR距離って聴きやすいのでしょうかねぇ? ケロ開発の時も、聴きやすさを求めてイロイロ試した結果、この距離に落ち着きました。ちょうど小型のステレオラジカセという感じです。ちなみに、上に乗っけているのはスピーカー セレクターと、ディスプレイ清掃用のピジョン君です。

826.jpg
YAMAHA製のスピーカーブラケットを使用して前方の窓枠に固定しました(製品情報)。ジャズを聴くにはコイツが一番。低音までほとんど直射音で聞けるので、タイミングが正確でタイトなベースを存分に楽しめます。ジャコの超高速ベースやマイルス クインテットのロンさんのベースの、スピーディでタイトなウネリというかドライブ感というか、神業的微妙なユラギというか、ソイツを最高に気持ち良く聴けます。やっぱりコレでしょう。ジャズは。ベースとドラムスのインパクトのタイミングがビシッとせんと。ビシッと。。ビシッとしないと酔ったみたいになって気色悪いのよ。

デスクトップ全景です。
824.jpg
Alpair5 + バイアンプ駆動13cmウーハーを撤去したので、レイアウトがすっきりしました。A6M馬鹿ブーストで30Hzまでブーストしても殆どの楽曲で全く問題ないし、こちらの方が低音がビシッとタイトで自然に聞こえるので、バイアンプシステムは全く使用しませんでした。なのでボツ。。。邪魔だし。
ディスプレイのセンターが右にシフトしているのは、オシゴト中に左半分をメイン(正面)に使うためです(左側に翻訳原稿を置いて、右側に辞書(英辞ろう)や参考文書を開く)。左方の小さなディスプレイは音楽用PCのUSBディスプレイです。FrieveAudioやiTuneの操作だけなのでこれで十分。。。

で、Alpair5は窓枠の上(Alpair6Pバスレフの下)に移動しました。なぜかAlpair6 Pは上向いてるし。。
次回はAlpair5 + Alpair6Pバスレフの交響曲用システムについてご紹介します。まだ実験君段階ですが、こいつはナカナカ手応えアリですよ。オタノシミニ。。。

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2011年07月20日 (水) | Edit |
このブログで再三書いたように、僕がLEANAUDIOを始めたのは、携帯電話にフルトベングラのベトベン交響曲全集(とジャコ全コレクション)をコピーして、6000円くらいの低音がしっかりと出るカナル型イヤフォンで聴いた事が、そもそもの発端です。なにせ携帯電話ですし、圧縮データですし、録音も古いので「音質」的にはお世辞にも良い状態とは言えませんが、低音までキッチリと再生した交響曲を電車の中で聴いて、僕はしょっちゅう鳥肌を立てていました。それまでベトベンは、ピアノソナタとチェロソナタを聴く事が多く、交響曲はそれほど聴きませんでした。低音がしっかり再生できないと交響曲はそれこそ「ツマラナイ」からだと思います。低音までしっかりと聴くと、その楽しさが一気に増し、一時期は交響曲ばかりを聴いていました。

その後、まともなプレーヤーと1マンエンくらいのもう少し上等なカナル型イヤフォンを購入して、ジャズの全コレクションも聴き直してみて、低音再生の重要性を痛感し、今まで自分はマトモに音楽を聴けていなかった事を悟りました。ビシッと正確なタイミングの低音が聞こえるとタノシサが段違いなのよ。。。。(参考記事)。。

その頃所有していたのは、定価6マンエンくらいのDENON製CD/MDコンポ(13cm 2Way バスレフ)でしたが、それではカナル型イヤフォンで聴くような明瞭な低音が聞こえず、頭に来てSPを破壊したのがLEANAUDIOの始まりです。量販店のオーヂオコーナーで試聴させてもらったりもしたのですが、どうも僕が望む聞こえ方がしないのと、低音が出るヤツはやたらデカクて高価だし。。で、「可聴帯域の下限近くまで位相遅れなくフラットな周波数特性で」というやつの始まりですね。

今回は、ベトベン交響曲のデータを基に、そのへんについて考察してみます。

下は前の記事で紹介したCDデータと鎌倉のとあるホールの中央席で実測されたデータの比較です。
704_20110720064652.jpg
共にベトベン交響曲第5番第一楽章(CDはブロムシュテッド盤)ですが、楽団もホールも全く異なるにも関わらず、スペクトル形状は驚くほどよく一致しています(参考記事)。

下は、僕が所有する5枚のベト5第1楽章のCDデータのスペクトル分布です。
818.jpg
50年代に録音されたフルトベングラ盤から、今世紀に入って録音されたものまで、ライブ盤も含めて、非常に良く一致しています。つまり、誰がどこで演奏しようと、またCDを聴こうが(ただし真っ当なフラット再生が必要)ホール中央席で聴こうが、これがあの偉大なるオヤヂが書き上げた交響曲第5番第1楽章の全体的/基本的なカタチ「フォルム」だという事です。さすがにクラシック界はキッチリとした仕事してますね!

この「フォルム」全体を低域までキッチリと、そのカタチのまま耳に届ける事によって、交響曲を聴くタノシサが一気に高まるという事を、僕は携帯電話とカナル型イヤフォンを通して、齢50手前にして遅ればせながら劇的に体感したという事です。で、音楽を夢中で聴いた学生時代にせめてケロが欲しかったなぁ。。。となるわけです。

さて、以下、やや蛇足になりますが、なかなか興味深い事に気付きました。
上の図のピンクの太線は、ベト5-Iの平均的な基本フォルムを表しており、赤の直線は40Hz~10kHzの領域を表しています。この図から、40Hzの音の大きさは10kHzの音の大きさよりも30dB弱高い事が見て取れます。

下図のA特性(つまり人間の等ラウドネス特性)を見ると、40Hzと10kHzの感度差も約30dB弱である事が分かります。すなわち、ベト5-Iを聴いた時、ヒトの耳には40Hzと10kHzの音がほぼ同じ大きさで含まれているように聞こえるという事です。楽曲のスペクトル全体をラウドネス特性で補正すると、40Hzと10kHzの間でカマボコ型になるはずです。つまり、ニンゲンの耳にはそのように聞こえているという事です。というと、また勘違いされるかもしれませんが、「だから装置の特性もカマボコ型で良いのだ」というのでは決してありませんよ。フラットに再生して始めて「ホンモノ」のカマボコ型に聞こえるという事ですからね。そこのところ努々勘違いせぬようお願いします。フラットに再生したら「ドンシャリ」になるってな考え方は全くの根本的大間違いですからね。

698_20110720070814.jpg

これは、奇しくもオーディオ界でよく言われる「40万ヘルツの法則」(再生装置の下限周波数と上限周波数の積が40万であると、「音楽」がバランス良く聞こえるという説)に対応しているようにも思えます。単なる偶然かもしれませんが興味深いですね。

そこで、ブロムシュテット盤の第1から第9の第一楽章のスペクトルも調べてみました。
上から順番に1番、2番、、、、9番です。
LvB 1
LvB 2
LvB 3
LvB 4
LvB 5 copy
LvB 6
LvB 7
LvB 8
LvB 9

曲によって全体的な「フォルム」は結構異なりますが、40Hzと10kHzのバランスは、どの曲でも概ね近いと言えるのではないでしょうか。40Hzから10kHzまでフラットに再生できる装置であれば、ベトベン交響曲の「フォルム」の全体像あるいは全体構造を概ねバランス良く聴き取れると言えそうです。この説に従えば、もう少し裾野を両側に拡げて30Hz~13kHzが再生できればほぼ完璧と言えるかもしれません(僕には、いずれにせよ15kHzから上が全く聞こえないし)。根拠不明のヘンテコリンな「定説?」が多い中、この「法則」は本物かもしれません。これがベトベン以外の交響曲にも当てはまるのかどうか、興味深いところではあります。交響曲あるいはクラシックに限らず、ジャズでもロックでも、西洋音楽の全体構造(スペクトル)の重心は、我々がイメージしているよりも随分低周波数側にあります。。それだけ低域再生が重要だということです(参考記事)。この事からも、件の「法則」は妥当なように思えます。そのうち、イロイロな曲で検証してみますね。。。

さて、音楽に限らず、ゲージツ作品において、その全体的な「フォルム」あるいは「バランス」あるいは「調和」は非常に重要です。例えば、彫刻「ダビデ像」や「ミロのビーナス像」では、身長に対するオヘソの高さの比がほぼ黄金比に一致するというのは有名なハナシですね。作者が「黄金比」を知っていて意図的にそうしたのか、美を追究した結果タマタマそうなったのかは知りませんが、「美」にはそのような神秘的といっても良い「ヒミツの法則」が隠されていると言えます。日本語の五七調や、ブルースのコード進行、ソナタ形式などもその類ですね。理屈ではなく、ヒト(あるいは特定民族)が普遍的に「具合エーヤン」と感じるヒミツの法則があるという事です。ゲージツカは、時には意識的にそれを利用し、時には無意識にそのようなバランスを選択しています。それは「セカイノヒミツノカケラ」に通じるイチバン手前のドアだとも言えます。「音楽」は様々な「音」の要素で構築された、時間軸方向の変化によって表現される極めて複雑で高度な構造体です。そして優れた音楽作品の中にも、そのようなヒミツがふんだんに隠されているはずです。

davide.jpg
ダビデ像

miro 0 miro 1
ミロのビーナス像; 右側はちょっとオヘソの位置を下げてみました。こちらの方が民族的に親しみが持てるカナ?

monariza copy monariza 2
モナリザ: 右のは現代風に小顔にして、ちょっとお化粧してみました。お付き合いするならこっちかなぁ。。

上の例のように末端のユーザーが「音楽」をどう弄ってどう再生しようが全く個人の勝手ですが、例えばこれらの彫刻のプロフェッショナルなレプリカを作成するに際して、全体的フォルムが歪んだのでは、ディティールがどのように素晴らしかろうが、ゲージツ作品の伝達機能としては全く失格です。

極めて基本的な論として、オーディオ装置の本来の機能は「音声発生装置」(Sound Generator)ではなく「音楽再生(伝達)装置」(Music Reproducer)であるとハチマルは考えます。それをどう使おうがユーザの勝手ですが、少なくともプロフェッショナルとしてオーディオ装置の開発/製造に携わる人間は、そこのところを努々疎かにしてはならないと思います。また、「オーディオ技術者は音楽家では断じてない」という事もキモに命じ、身勝手に音楽を解釈せず、「音楽」あるいは「芸術」に対する敬意を忘れてはならないと、ハチマルはそう思います。。。

音楽を聴くに際して、リスナーが上記のようなヒミツを知識として持つ事は重要ではありません(逆に、かえって邪魔になる事も多々あります)。ただ、そのヒミツの調和をしっかりと含んだ全体が、何も意識する事なく自然に耳に届いて、その全体を感じ取れれば良いのです。「素直」に音楽に接するならば、ココロがそれを感じ取ります(アタマでリカイするのではありません、ミミでキクのでもありません)。
であるからこそ、何も知らずともアタリマエのように、可聴帯域の下限近くまで位相の乱れなくフラットに音楽を聴くことができる、コンパクトでリーズナブルな価格のオシャレで真っ当な音楽再生装置が世に広まると良いなと思うのですよ。。ハチマルはね。。

はやいはなしが、オッチャン向けオトナの高級玩具みたいなのバカリでなく、もっと広く大衆一般に音楽芸術を高品位に伝達するための実用機械としてのオーディオが進化しないと駄目じゃん。。。と言いたいのよ。ハチマルは。それが大人の仕事ってもんでしょう。。。

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2011年07月13日 (水) | Edit |
周波数特性をフラットに再生するという事に関して、勘違いがあるようなので、補足説明しておきます。

「人間の耳はフラットな特性を持っていない(いわゆる等ラウドネス特性)ので、フラットな周波数特性で再生したのでは不自然だったりツマラナク聞こえるはずだ」というやつです。

これは大きな間違いです。

前の記事にも書きましたが、音楽家および録音エンジニアは、ほぼフラットな特性を持つモニタースピーカーを使用して、音響調整されたコントロールルームで音楽をモニタリングしながら細かい調整を行います。この時、彼らは「計測値」ではなく自分の「耳」で音楽を確認しながら「感覚」で作業を進めます。で、当然ですが、彼らも人間である以上、我々と同じような等ラウドネス特性でもって、その音を聞いているわけです。我々と同じような特性の耳で確認してコンナモンヤネと調整しているという事です。言いたいコト ワカルカナ?最終的に調整された音には、既に人間の等ラウドネス特性が反映されているというコトです。上の考え方が誤りである事がお分かりいただけましたか?「ツマラナク」聞こえるのはそのヒトの「好み」の問題だ。というやつです。

さらに言えば、自分の部屋で周波数特性をフラットにして再生した時に聞こえる音楽の聞こえ方は、彼らがコントロールルームで、フラットな特性のシステムを使用して彼らの「耳」で聞いた音楽の聞こえ方と概ね同じになるわけですから、裏返して言えば、自分の部屋でフラットな周波数特性で再生した時に不自然に聞こえる、あるいは「ツマラナク」聞こえるというヒトは、録音時に彼らのコントロールルームに行って、彼らと一緒に彼らがコンナモンヤネと調整した音楽を聞いても、自分には不自然または「ツマラナク」聞こえるというコトです。。。。「ツマラナイ」のであれば、なにもワザワザその音楽を聴く必要はなく、もっと自分にとって「ツマル」音楽を聴いてみましょう。

余談ですが、「計測」や「データ」というと、ドシロートの「カンセー」とやらを持ち出して拒否反応を示す方が多いようですが、「計測」は、我々「ドシロート」より遙かに優れた感性とやらを持つ音楽家が作り上げた作品を、自分の部屋でできるだけ正確に再生するためにやっているわけです。何故なら、それがイチバン自然に聞こえて聴きやすいから、彼らの目指した表現を感じ取りやすいからです。。そうやって「素直」に聴いた音楽から自分なりにナニを感じ取るかという部分で、自分の「感性」とやらが大切になるわけで、それ以前の段階でドシロートなオッチャンが「カンセー」とやらをやたら勝手に振り回すというのは、なんか逆じゃね?ソンナ聞き方してると、いつまでたっても本当に自分が好きな音楽は見つからないよ。音楽を聴く本当の楽しさは分からないよ。だから若い子にはソンナ聞き方を絶対にして欲しくないのよ。。。iPodで気楽に聴いている方がズット良い。

もちろん、等ラウドネス特性には個人差がありますし、アーチストやエンジニアの好みもありますし、スタジオによってモニタシステムも異なりますので、録音に多少の個性が出るのは当然です。例えば、以前の記事で取り上げたマイルスとハビハンコックのリーダーアルバムでは、リーダー以外のメンバーが殆ど同じで、殆ど同時期に録音されたにも関わらず、マイルスの作品の方が高音寄りでシャープに聞こえます。なので、マイルス好みの僕は、ハビさんのアルバムを聴く時に30Hzから20kHzにかけて直線的にハイ上がりに補正を適用したりしていました。最近はランダム再生をよく使うのですが、ジャンルを問わずイロンナのを片っ端に聞くと、真フラットが平均的にはベストだね。という事で、今は細かい事を気にしない事にしています。どれも超一流プロの仕事なので、そんなにヘンチクリンに録音されたのなんてアリエマセンし。。。ただ、最近は窓を開けて仕事をするので、音量も控えめで屋外の騒音も増えて細部が聴き取りにくくなるため、やはり直線的に少しハイ上がりに設定しています。また、小音量で交響曲を聴く時は、100Hz以下をエイヤとブーストします(ラウドネス補正)。

音場補正でフラットな特性を初めて経験すると、最初はオヤ?と違和感を覚えますが、それは今まで癖のある音に慣れていただけの事であって、フラットに少し慣れてくると「音楽」が聴きやすい事に気付いて手放せなくなるヒトが多いようです。最近も読者の方からそのようなコメントを頂いたばかりです。考えてみれば極当然なんですけどね。

そもそも「音楽」ではなく「音」が「ツマラナイ」というのは、僕にはよく理解できませんが、オーヂオマニアにドーユーワケか多いボーカルやストリングをメインに聞く、いわゆるカマボコ特性で聴いておられる方には、他の帯域の音が出てくるので、なんか主役が引っ込んだみたいに感じてツマラナク感じるのかもしれません。どうなんでしょうね。

追記
ここで「フラット」と呼んでいるのは、部屋の影響も含めて「耳元で」という意味です。

追記2
だいぶ以前の記事に書きましたが、交響曲(ベト5)のCD信号のスペクトル分布は、さるホールの中央席で実測されたスペクトル分布にほぼ一致します(参考記事)。
704.jpg
緑が実測、グレーがCDの信号
つまり、フラットな周波数特性で再生すれば、ほぼ中央席と同じように聞こえるという事です。それが不自然またはツマラナク聞こえるというヒトは、ホールで聴いても不自然でツマラナク聞こえる事でしょう。

また、少なくとも40Hzまでは重要な信号が入っている事も分かります(濃いグレーの帯域)。ダイゴミってやつらしい??つまり、少なくともそのヘンまではフラットに再生したいという事です。あ。。。また勘違いされるかもしれませんが、「この絵のスペクトル分布が40Hzまでフラットになるように再生する」という意味ではありませんよ。。。「実際に耳元に届く音のスペクトルがこの絵のスペクトルと同じカタチになるように再生する」という事ですから。。
このCDソースも複数の近接マイクで収録されたと思われ、録音したままだともっと高域が強くなるはずです。恐らく、調整段階で高域を落として、ホールの中央あたりで聴くのに近くなるように調整してくれているのだと思われます。このように、彼らはスタジオで、我々と同じような特性を持つ彼らの「耳」で確認しながら、我々のためにチャント調整してくれているわけです。

周波数特性が基本中の基本だという事、少しはご理解頂けたでしょうか。。当然スペクトルだけでなく、「音楽」を楽しむためには、特に低域での位相遅れも重要である事は言うまでもありません。周波数ドメインと時間ドメインの両方が重要だという事です。実測波形で再三お見せしたように、Frieve Audioのデジタルイコライザはその両方を驚くほど正確に1発で補正してくれます。なんでデジイコがもっと普及しないのか? 極めて簡単に根幹的「音楽再生クオリティ」を画期的に改善してくれるのに。。。

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2011年07月06日 (水) | Edit |
僕は事あるごとに「可聴帯域の下限近くまでフラットに位相遅れなく」を強調します。これはLEANAUDIOトライアルを通して「音楽の聴きやすさ」(違和感やフラストレーションなく音楽の全体構造と細部を自然に聴ける事)をアレコレ試した結果として得た結論です。今回は、このへんについて。。。シツコイけど。

僕もFrieve Audioを使い始めた当初は、耳元の特性を一端フラットに補正した上でイコライザをアレコレ弄りましたが、現在はフラットのまま殆ど弄りません。弄ると、弄った当初は良く聞こえるのですが、いろいろな曲を長時間聴いていると、結局なにがしかの不自然さを感じるためです。

結局素直にソノママ再生する(注: ヘンに響かせたりせず、源信号に近い波形が耳元に到達するようSPや部屋の特性を修正する、すなわち可聴帯域の下限近くまでフラットに位相遅れなく再生するという意味)のが一番「音楽」を聴きやすい。結局一番「音楽」が自然に聞こえる。結局一番「音」も自然に聞こえる(元の波形に近付くので当然、それに生音はそんなにヤタラ響かない)。結局一番美しく「音楽」がココロに響く(「音」が耳に響くのではナイ)。結局一番スムースに「音楽」が意識に流れ込む。結局一番「音楽」を深く楽しめる。という事です。「音」がツマルとかツマラナイとか言うのではなく、様々な「音」で複雑に構成された「音楽」をより深く楽しめるという事です。「音」ソノモノは「音楽」を伝達するための「媒体」または構成するための「素材」に過ぎません。

僕には、「音楽再生」(特に西洋音楽の再生)において「最も基本的で最も優先されるべき」この課題(可聴帯域の下限近くまでフラットに位相遅れなく)があまりにも軽視されているように思えてなりません。「(西洋)音楽」を真に楽しむ上でメッチャ重要だと思うのだが。。。ナンデヤネン? ヤタラコマケー事をアーダコーダする前に、ヤタラ勝手にアレコレ弄る前に、これって基本中の基本ちゃうの??どう考えても。。 やたら微視的な「音」のコマケー音質?よりも、「音楽」の全体的/総合的な音楽再生クオリティの方が、「音楽」を聴く上ではずーーーーーーーっと重要だと思うぞ。。

媒体に記録されている「音楽」は、音楽家が表現の結果として世に問うた「ほぼ可聴帯域全域に分布する音の時間変化」の記録です。普通、大好きな音楽家の作品を聴く時、できるだけ全ての音をできるだけ素直に再生したいと思うはずです。何故なら、そうする事によって彼の遺した「表現」の結果(ジョーカンとやらも全てココに含まれる。含まれないベタベタなジョーカンとやらをドシロートなオッチャンが勝手にムリヤリ創出する必要はナイ。全くナイ。断じてナイ)を聴き取りやすくなるからです。すなわち、より多くより深く「彼」を感じ取れるからです。といっても、いわゆるマニアックな「原音再生」の事ではアリマセン。今時、たかが100kHz以下の電気信号の増幅なんて廉価なアンプでも十分にこなします。

録音において、音楽家と録音エンジニアという「音楽の専門家」達は、音響特性が整えられた部屋で、周波数特性の「フラット」なモニタースピーカを使用して、録音された多チャンネルの生信号に様々な処理を施して2チャンネルにミクスダウンします。彼らが作り上げた「作品」をより良いカタチで僕達に「伝達」するために、「俺様の感じたコト伝えたいコトがより良くミンナに伝わりますように」という願いを込めて。。。。多分、「ココハコンナモンチャウ?」「イヤ、モーチョット」「ソウソウ、ソンナモンヤネ」「オ、イーネー!」てな具合に「音楽」を練り込んでゆくはずです。ちなみにジャコは、ベース演奏だけでなくコンソールでのミキシング作業にも尋常ではない集中力を見せたと聞きます。

オウチで素直に(すなわちフラットに)再生するという事は、彼ら専門家が「コンナモンヤネ」と最終的に承認した音を素直にそのまま聴くという事になります。で、僕がLEANAUDIOでアレコレやって最終的に思ったのは、結局、専門家が調整してくれたのをソノママ、フラットに耳元に再生して聴くのが概ね一番「聴きやすいネ」という事です。

注: ここで言う「ソノママ素直」にというのは、イコライザを通さずという意味ではありません。イコライザで修正して耳元で彼らが聴いた音に概ね近付けるという意味です。

多少好みに合わせて再生音をイヂルにしても、こと音楽に関しては我々よりも遙か高いレベルにある音楽の専門家達が「ドーヨ?」って世に問うた作品を、まずは尊重してスナオニ拝聴してみてはどうでしょうか。結局、大概の場合、それが一番聴きやすい、彼らの目指した表現を感じ取りやすい、すなわち、「音楽」をより深く楽しめると思います。

それでは「音」が「ツマラナイ」というのであれば、まずは、自分にとってそのように再生しても「ツマラナクナイ」と感じる「音楽」(「音」がツマルとかツマラナイとか気にせずに聴き込んでしまう本当に好きな「音楽」)を聴いてみてはどうでしょうか。

それがどんな音楽であっても構わない(サブチャンでもアキナちゃんでもなんだって構わない、あたしゃマエカワ先生(トーキョーサバックってね)とジュリー(片手にピストルッてね)のファンだぞ、オータヒロミチャンもよく聴くし(コッイビットヨーてね)、セーコチャンは真のプロだと思う、キャンディーズにはいまだに胸がキュンとするし(青春だー)、あの頃のキョンキョンは大好きだな(怪盗ナントカ最高だったな)、なによりもヒバリさんは世界レベルだぞ、ビリーホリデーにも負けないぞクソッ、マジ、ジャズ歌ってりゃアメリカでもダイセーコーダ、コノヤロー。アー。もー。10年後にはヒバリ全集買うぞ(なんで10年後?)。こらアッコ。バラエティばかり出てんじゃねー。天与の才を無駄にするな。バカヤロー。バチアタルゾ。あたしゃモッタイナクテ、泣けてくるぞ。ホンマニ)。

「真に自分が好きな音楽を聴く」それが音楽を本当の意味で楽しむたのめ第1歩だと思う。ゾ。と。そして「オーディオ装置」とは、本来、そのようにして音楽を楽しむヒトのための装置だと思うぞ。

さて本題に戻って、
優れた音楽家は、僕達ドシロートには想像を絶する極限的な状態で全生命を注ぎ込んで僕達のために作品を遺してくれたわけで、それに対して畏敬の念を持たずして、また真摯に素直に接せずして、「音楽」の凄さ(ひいてはモノゴトに真に帰依したニンゲンのみが成し遂げ得た行為の凄さ)を本当に楽しむ事はできないと思います。本来オーディオ装置とは、そのような「音楽」を家庭で日常的に楽しむための装置です。「音楽」をネタに「音」を出して弄って楽しむという「趣味」があっても一向構わないと思いますが、業界全体がソチラにばかり引きずられていては困ります。また、特に「音楽」の凄さにまだ目覚めていないまたは目覚め始めた若い子達には、そのように低音まで素直に再生された本当の意味での良質な「音楽再生音」で「音楽」に接して欲しいと思います。あの頃にケロみたいな装置があれば。。。こんなに遠回りしなくで済んだのに。。。クソ。

以上は、僕の「音楽再生装置」に対する極めて個人的な基本的理念です。オーディオ装置の開発に携わる者は、ひとりひとりが「音楽」とはナニなのか?「音楽」をどのように大衆に伝達すべきなのか?という事を、常に自分なりに真剣に掘り下げて考える必要があると思います。

ハヤイハナシ、音楽を楽しむ上でさして重要ではないやたらコマケー事はマニアに勝手にやらせておけばヨイので、大手メーカーは「音楽」を低音までキチントマトモに再生できるコンパクトで良質なオーディオ装置を、貧乏学生やギャルでも買えるリーズナブルな価格で広く世の中に普及させて欲しいのよ。。。こいつが技術屋としても最もチャレンジングでやり甲斐のある仕事だと思うよ。例えばホンダ(本田宗一郎)の最高傑作は絶対にスーパーカブです。。より良質な製品をより安価により多くのヒトビトのために。。。世の中のオーディオに対する認識を根底から是正するのも企業としての責務だね。

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2011年05月29日 (日) | Edit |
音楽鑑賞時の音場とか空間再現についてイロイロ考察したあげくに、フロント3チャンネルが良いのでは?というところに行き着いたわけですが、例によってネットで検索してみたところ、実際にその効果を楽しんでいる方も居られるようです。

下記のリンクをご参照ください。
真空管とマルチチャンネルで聞く音楽
3チャンネルか、4チャンネルか、5チャンネルか?

「音場」に拘るのであれば、マルチチャンネルでいろいろ試してみると楽しいと思いますよ。フロント3チャンネルであれば、2チャンネルのソースでも試せるはずです。

サウンドブラスターのコイツを使えばUSBから簡単に5.1ch出力が得られます。お値段も手頃。
814.jpg

Frieve Audioのマトリクス機能を使えばRにR信号、センターにR+L信号、LにL信号を出力できます。さらに例えばRにR-α*L (RからLの成分を適度に差し引いた信号)等の出力も可能ですし、センターに対するR/L信号の位相関係も変更できます。

センタースピーカーを追加すると、音が中抜けしないので左右のスピーカーのスパンをさらに拡げて音場を左右に拡大できるそうです。ハチマルとしては、オーケストラの直射音が高密度でセンターからドーンと直撃してくれて、間接音が左右から適度に漂ってくれるくらいの雰囲気を狙ってみるかな。各楽器パートの分離はさして望まない。間接音を演出するR/Lの音も別にモノラルに近くても全然構わない。だいたいホールで聴いている時には左右の違いなど全然意識にも登らないと思うぞ(というかホール中ほどの席では左右耳で音はあまり変わらないと思う。だからバイノーラル録音でも左右は大して分離しないだろう。ステレオソースは左右に分離しすぎの気がする)。ソースの録音条件に合わせてR/Lのレベルを変更しても良いかもしれない(DSPでキンキラのやつはR/Lを弱める等)。小編成のコンボやボーカルであればR/Lの音量を落としてほぼセンタ-だけで聞いても良いと思う。まずはモノラル+αの基本コンセプトをとりあえずのスタート地点としたい。

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2011年04月18日 (月) | Edit |
FrieveAudioではデジタル信号のアップサンプリング/ダウンサンプリングを設定できます。いろいろ試した結果、通常は44.1kHz/16bitのソースを5逓倍の220.5kHzまでアップサンプリングし、これを96kHz/24bitにダウンサンプリングして出力しています(途中の信号処理は全て64bit分解能)。下にFrieveAudioの「リサンプリング」設定タブを示します。
730.jpg

なのですが、数ヶ月前にUSB接続の小さなディスプレイ(タッチ機能付き)を購入して接続したところCPU負荷が増えてしまい、Atomプロセッサの非力さのためにアップサンプリングできなくなってしまいました。まあいいか。。と暫くアップサンプリングせずに44.1kHz出力で聞いていたのですが、先日タッチ機能だけを殺してみたところCPU負荷が一気に下がって以前のようにアップサンプリングできるようになりました。

とういことで、その効果を改めて実感した次第です。明らかに高音がスムースで好印象に聞こえます。暫く44.1kHz出力に耳が慣れた後であっただけに、その違いがはっきりと分かったのかも知れません。

下にFrieveAudioの「スペクトル」画面を示します。曲はベト3冒頭のジャンジャンです。ピークホールドの赤のラインを比較して下さい(キャプチャするタイミングが正確ではないので、青は正確に同一タイミングではありません)。横軸のスケールはリニアです。

729.jpg
44.1kHz出力です。22kHzでストンと信号が無くなります。

728.jpg
96kHz出力です。3逓倍(132.3kHz)してから96kHzにリサンプリングして出力しています。22kHzで急激に落ちます。アップサンプリングによってAD時に失われた22kHz以上の情報がよみがえるというワケではない。この状態だと僕にはあまり効果を感じられません。

727.jpg
96kHz出力です。こちらは5逓倍(220.5kHz)してから96kHzにリサンプリングしています。22kHzより上でもナニヤラ結構な信号が出できて、22kHzでの段差が目立たなくなります。これが僕の標準設定ですが、この状態でAtomプロセッサのCPU使用率は約70%に達します。ギリギリ。。。5倍のアップサンプリングで出てくる22kHz以上の成分は単なるノイズのはずです(元々ナイモン)が、高域にランダムノイズを付加するのと似たような効果を持つのだと思われます。スペクトルが22kHzでストンと無くなるのではなく、自然界がそうであるようになだらかに減衰するというのが良いのでしょうか??信号再生クオリティとしては決して良い状態とは言えないんだけど、ナンカ良く聞こえる。という感じかな。。。。「音質」が向上したワケでは無い。むしろ「音質」は落ちている?

FrieveAudioにはスーパーツイータの使用を想定したHSC機能という22kHz以上に人工的に信号を付加する機能も備わっています(関連記事)。しかしこの機能はCPU負荷が高いため、Atomプロセッサでは96kHz出力に組み合わせて使用する事はできません。PCの性能が高ければ、さらにこのHSC機能を組み合わせてみる事もできますよ。

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2011年04月04日 (月) | Edit |
Alpair6 MとPを録音で比較してみました。

箱は例によって2.5L密閉型+吸音材タップリ仕様(ポチ2型)ですので、ブーストしないと低音は出ませんが、箱自体の癖はほとんど皆無ですからドライバの裸の音を聴けると思います。なお、吸音材によってドライバの機械的共振を殺しているので、fo(ドライバの最低共振周波数)の差はほとんど出ていません。カタログデータが測定された標準状態とは条件が全く異なりますのでご注意ください。

今回はできるだけ条件を揃えて録音するために、バイノーラル録音ではなく、1ch (ユニット1本)のモノラル録音としました。FrieveAudioでR/Lをミックスした信号を1本のSPで再生しています。2本のマイクロフォンをSP前方20cmに設置して録音しているので左右の音は基本的に同じです(マイクの感度差によってR側のレベルがやや低め)。

例によってまずは周波数特性
下図はFrieveAudioが自動的に左(M)/右(P)のレベル調整をした状態です。黒がM、赤がP。録音データのR/Lレベルはほぼこの状態です。
713.jpg

Pのグラフを上にずらして低周波側でレベルを揃えてみました。
714.jpg

大まかに言うと、PはややHigh上がりの特性(バッフル面積が小さい事(バッフルステップ)が影響していると思われる)。Mは2kHzくらいまでほぼPと同じ傾向で、それ以上の高域で3~6dB減衰させたような特性になっています(前記事のマークさんのコメントによると、これは意図的に狙った特性)。このためMとPを直接比較すると、Mが高域不足のように聞こえてしまうのは否めません。この小さな箱では、PはややHigh上がり気味になるため、マークさんが言うようにMの方がフラットな特性と言えなくもありませんが、Pに対して2kHzから上だけを削り取ったような特性になっているため、結果としてMは800Hz~2kHzが盛り上がったカマボコ型傾向となっています。この中域の盛り上がりがフラットになっていれば、高域の不足感もかなり和らぐと思われます。今回使用した小さな箱(ポチ2型)での測定結果に限って言えば、高域不足というよりは中域出過ぎと言えなくもありません。また、大きめの箱を使用した場合、800Hz以下の落ち込みが和らぐ(バッフルステップと機械的共振の効果)ため、相対的にさらに高域不足に聞こえる可能性もあります。スピ研さんのAlpair6Mバスレフの測定結果が参考になると思います。マークさんも言うように、6Mには低音の出すぎない(大きすぎない)デスクトップ用の小さめの箱が適していると言えそうです。

では録音データを添付します。各曲でMとPの未補正の音と、FrieveAudioでフラットにした音を録音しました。今回はAlpai6を一般的なバスレフボックスで使用した場合を想定して50Hz/-3dBまでブーストし、50Hz以下を急峻に減衰させています。ご試聴には、できるだけ癖のないイヤフォンかヘッドフォンまたはモニタスピーカをご使用ください。

マドンナ/American Dream
M 未補正
P 未補正
M 補正あり
P 補正あり

マイルス/Freedum Jazz Dance
M 未補正
P 未補正
M 補正あり
P 補正あり

ベートーベン/交響曲No.5
M 未補正
P 未補正
M 補正あり
P 補正あり

ベートーベン/ピアノソナタNo.32
M 未補正
P 未補正
M 補正あり
P 補正あり

補正なしでは、MはPに比べて高域が伸びない感じを受けると思います。また、僕には籠もり気味の「癖」が少し感じられます。これは1~2kHzにある中域の盛り上がりの影響ではないかと思われます(これはポチ2型特有、大きい箱だとスピ研さんのように段差になると思われる)。Mはトーンコントローラかデジタルイコライザで高域を少し上げるなり、中域を少し落とすなりすると、印象がかなり変わると思います。そのような装置をお持ちの方は積極的に試してみてください。

さらに、FrieveAudioイコライザの自動音場補正でフラットにしてしまえば、MもPも差はほとんどなくなります。微妙にPの方が音が明るくMの方が大人しめに聞こえるような気もしますが、ブラインドで聞きわけられるか僕には自信がありません。また、その差が音楽を聴く上で僕にとってはさほど重要だとは思えません。今回のMとPの比較に限って言えば、両者の個性の違いの大部分は周波数特性の違いによるものではないかと思われます。いずれにせよPでもMでも未補正よりもフラットに補正した音の方が僕には自然に聞こえ、非常に音楽を聴きやすく感じます。という事で、デスクトップの馬鹿ブースト用には、ブースト係数を低く抑えられ(相対的に低域が出ているため)かつブースト耐性の若干高いMを基本的に選択しています。近いうちにPを使用したバスレフのスタディを開始する予定です。

追記
僕は別にスピーカーを始めとする装置の音の個性を楽しみたいという気は毛頭なく、できるだけ自然かつ明瞭な音で音楽を楽しみたいだけなので、デジタルイコライザを非常に重宝しています。デジイコを前提とするならば、ユーザー側のスピーカーの選択だけでなく、製造者側の設計面(サイズ、コスト含む)でも極めて大きな自由度が得られると思います。ヴィンテージSPの音を愛でるのも良いと思いますが、そいうのだけがオーディオではないと思います。原点に戻って「生活の中で音楽を聴くための装置」という観点から、新しいオーディオのあり方をもっと考えるべきだとハチマルには思えてなりません。

追記2
録音データを細かく頻繁に切り換えながら聴いてみたら、補正あり同士でも違いが結構はっきりと分かりますね。やはりPは明るめ、Mはシットリ大人しめのキャラクタ。


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2011年03月12日 (土) | Edit |
以前の記事で投票によるブラインドテストを実施していますが(曲はマドンナのNothing Fails)、現在のところ「ブースト無しの方が良い」に4票、「どちらとも言えない」に3票という結果です。やはり、この曲において低域ブーストによる高音の劣化が感じられるのは確かなようです。

今回は、約100Hz以下をバイアンプ駆動のウーハーに受け持たせるいわゆる「新システム」と馬鹿ブーストの再生音を録音して比較してみました(どちらもAlpair6 Mを使用)。新システムの詳細についてはコチラをご覧ください。

今回のイコライザは30Hzまでフラットのフル馬鹿です。バイノーラル録音ですので、ヘッドフォンまたはイヤフォンでお聞き下さい。オープンエア型のヘッドフォンがお薦めです。
マドンナ/Nothing Fails
馬鹿ブー
新システム
前回よりもこちらの方が差がはっきりしてるようにも聞こえます。

ただ、普段馬鹿ブーストで音楽を聴いていて明らかに違和感を覚えるのは今のところNothing Failsだけで、マドンナを含めその他の曲ではこのように顕著な違和感を覚えません。また、この曲は僕のお気に入りで以前からよく聴いていたのですが、Alpair5を使用していた頃には馬鹿ブーストでもこのような違和感を覚えた記憶がありません。Alpair5を復活させたら再確認してみたいと思います。いずれにせよNothing Failsはちょっと特殊なケースだと思われます。

その他の曲も2つの再生モードで録音してみました。僕はこれらの曲の馬鹿ブーストでは違和感を覚えません。「音楽」の全体的な聞こえ方として違和感やフラストレーションを感じないという事です。

全て30Hzフラットで録音しました。今回のサンプルを録音していたところ、途中で例の地震が発生して混乱してしまい、どっちのファイルがどっちのシステムで録音したものなのか正確には分からなくなってしまいました。曲によって馬鹿ブーと新システムの並び順もバラバラだと思います。
バイノーラル録音ですので、ヘッドフォンまたはイヤフォンでお聞き下さい。オープンエア型のヘッドフォンがお薦めです。

マドンナ/American Dream
サンプルA
サンプルB
同じマドンナでもAmerican Dreamでは問題を感じません。下にAmerican Dream(赤)とNothing Fails(青)のソース スペクトルを示します。
706.jpg
スペクトル的には同じようなものです。

マイルス/Freedum Jazz Dance
サンプルA
サンプルB

ジミヘン/Johnny B Good
サンプルA
サンプルB

ベートーベン/ミサソレニムス
サンプルA
サンプルB

ベートーベン/交響曲No.5
サンプルA
サンプルB

ベートーベン/ピアノソナタNo.32
サンプルA
サンプルB

最後に
ストラビンスキー/春の祭典
馬鹿ブー
新システム
さすがに最強バスドラでは違いが分かりますね。こいつだけはどっちがどっちか分かりました。

サンプルは以上です。

短時間だと分からないのですが、長時間聴いていると新システムでは微妙に違和感を覚える事があり、結局ほとんど馬鹿ブーの方で聴いています(最近は45Hzまでフラットが標準設定)。もし新システムしかなければ全く気にせずに聴いていると思うのですが、馬鹿ブーの聞こえ方に慣れているとナンダカちょっと不自然に感じる事があるという事です。また、直接比較すると、馬鹿ブー方式の方がバスドラムの音が少しタイト(ハチマル好み)に聞こえます。それに、馬鹿ブーだとスイッチもアンプを1つONにするだけでOKだし(新システムだとアンプ2つとチャンデバをONにする必要があるので面倒)。近いうちにウーハーの箱にAlpair5を組み込んで新システム専用にする予定です。

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2011年03月05日 (土) | Edit |
以前から一度測ってみたかった普段聞いている再生音の音圧レベルを測定してみました。

騒音計はコチラを使用。
699.jpg
ちょっともったいないかな?とも思いましたが、5K円を切る値段をみてポチしてしまいました。日本国内の公式な騒音計としての仕様は満たしていませんが、米国の規格には合格しており個人的に使用する分には全く問題ないでしょう。iPhoneまたはiPod Touchをお持ちの方なら、こんな大層なモノを購入しなくても騒音計アプリを利用できますよ(精度は?ですが目安にはなると思う)。

で、問題となるのが、実際のフルオーケストラの音圧レベルが一体どの程度あるのか?という点です。今までに見つけた情報では、大音量時に85~95dB(瞬間最大では100dBを超える事もあるらしい)という程度の情報しかなく、どの位置で測定したのか(大概は指揮者位置、ステージ上、ステージ直前の近距離での測定値らしい)も、正確な測定条件も全く明記されていませんでした。そこでネットでいろいろ検索したところ、この記事を見つけました。詳細はそちらをご覧ください。

この記事では、ベトベン5番第1楽章の生演奏を最前列中央席と後方のホール中央席の2箇所で測定しています。これは非常に貴重なデータだと思います。しかし、残念な事に重み付けなし(FLAT)で測定したピーク値しか掲載されていません。これらの値は、他のどのような測定を行ってもこれより大きな値は絶対に測定されないと言える値であると考えるべきです。

測定値を見ると、全周波数のピーク最大値(すなわち生(FLAT)音圧波形の瞬時実効値の最大値)が最前列で106.7dB、ホール中央で89.9dBとなっています。後の席では音圧レベルが15dB以上も低下しているのには驚きました。

通常の騒音計では、125ms(FAST)の時間重みとA特性またはC特性の周波数重みを適用した「時間重み付きサウンドレベル」を計測します。つまり上記の単純な全周波数の音圧波形ピーク値よりは必ず低くなります。最前列席で測定された106.7dBというピーク値は、上で言っている「瞬間最大では100dBを超える」という意味に対応すると思われます。スペクトルを見ると、当然ですが低周波数に強い音圧を持つ左上がりの特性になっており、特に低周波数の重み付が小さくなるA特性では大幅に騒音レベル値が低下します。従って、このスペクトルデータと照らし合わせても一般に言われるステージに近い位置(指揮者位置、ステージ直前)で85~95dBAというのは、ほぼ妥当な線であると思われます。また、ホールのサイズや反響特性にもよりますが、後方の席では音圧レベルが相応に低下すると考えられます(上の-15dBが真だとすると70~80dB?、さすがに-15dBは大きすぎるように思われるが、スペクトルを見てもA特性に大きく影響する1kHz以上での低下が大きいので、dBA換算でも10dBかそれ以上は確実に低下していると思われる)。

下に周波数重み付け特性を示します。上記の参考データはFLATで計測されたものです。
698.jpg

ではでは、ということで僕のデスクトップシステムで再生音の騒音レベルを測定してみました。
音源はブロムシュテッド指揮のベトベン交響曲第5番第一楽章のうち、音圧が最大になるエンディング部です。
バイノーラル録音をご試聴ください(30Hzフラットの馬鹿ブー、ボリューム位置は12時、距離50cm):
bet5 end

アンプ(Icon AMP、定格24W)のボリューム位置ですが、デジタルオーバーフローを避けるためにFrieve Audioでベースレベルを-12dBした状態で、時間帯と気分に応じて10時~1時で聞いています。録音レベルの低いソースでも1時以上に上げる事は絶対にありません。
測定結果は以下の通りです。5回程度繰り返し再生した時の最大値(ホールド機能あり、ピーク値ではない)です。アンプのボリューム位置は全て12時です(交響曲を気合いを入れて聴く時の標準位置)。

距離50cm A特性: 79.7 dBA
距離50cm C特性: 84.6 dBC
距離200cm A特性: 77.0 dBA
距離200cm C特性: 81.6 dBC

信号が正弦波の場合、ピークレベル値と最大騒音値では3dB異なるとされます。バースト信号の場合はもっと差が大きくなります。ホール中央部で計測されたピーク値が89.9dBですから、その最大騒音レベルは少なくとも86.9dBよりも低いと考えられ、さらにFLATからC特性への換算によって多少値が低下するはずです。この事から考えても、上記の50cm位置で84.6dBCという結果はホール中央部での音量に非常に近いと思われます。

以上から、僕の日頃のリスニング条件の範囲でも、ホール中央席で聴くフルオーケストラの音圧とさしてかけ離れていない音量が得られていると推測されます。これはチョット意外でした。さすがにカブリ付きでの音圧は無理ですが、爆音派ではないので僕には十分です。というかこれ以上の音量で聴くのは苦痛です。なお、僕の部屋ではリスニング位置が50cmから2mに離れると音圧は約3dB低下しています(無響室や広いリビングならもっと激しく低下する)。これも部屋の音響特性によりますが、一般的に音圧一定とした場合、距離が離れればそれだけパワーをかける必要があります。小さなパワーでも耳元で十分な音圧を確保できるのがニアフィールドリスニングの強みです(僕の小さな部屋でも、50cmから2mに離れるだけで、同等音量を得るには2倍のアンプ出力が必要です)。

追記1
今回ご紹介したデータはもう1つ貴重な点を示しています。すなわち、ステージから離れると2kHz以上の高域音のレベルが顕著に低下するという事です。通常、レコーディングは近接マイクで録音されるので、ステージかぶりつきで聞く状態に近いと言えます。しかしこれだと高域がきつく聞こえる場合があるため、特にフルオーケストラ曲では高域を多少落とした方が聴きやすくなる場合があります。

追記2
今回驚いたのは、後方の席ではフルオーケストラでも最大音量で80dBAをちょっと超えるか超えないかといったレベルにしか聞こえないという点です。何も指揮者の気分になる必要はないので、最大ピークが100dBを超えるような爆音で再生する必要は全く無かろうと思いました。だいたい最前列というのは音楽を鑑賞する際にベストな位置だとは思えませんし、ホールも中央を中心にできるだけ多くの人が最適に聴けるように設計されているはずですよね。大音量嫌いの僕はコンサートでも映画でもやや後ろよりの席を選びます。それでも映画館の音は必要以上にデカイと感じますけど。

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2011年02月27日 (日) | Edit |
前回はシンプルな2波長の混合波を使用しましたが、今回は実際の楽曲を使用して比較してみます。最後にブラインドテスト用の投票フォームも設けましたので、サンプルをご試聴の上ふるってご参加ください。

サンプル楽曲はマドンナの Nothing Fails です。詩も興味深いですし、僕のお気に入りの一曲です。この曲は45Hzにピークを持つ低音のズンドコが通奏されるので、今回の目的に適していると考えて採用しました。

左右SP間の干渉を避けるために、Frieve Audioで左右信号をミックスして左側のSPだけから再生し、SP前方約40cmの距離にマイクロフォンを置いて録音しました。今回はバイノーラル録音ではありません。

下は録音データのスペクトルです。
697.jpg
赤が30Hzまでフルブースト、青がブーストOFF(140Hz以上はフラット)です。縦軸は1目盛りが6dBです。イコライザは50~40Hzで約+12~15dBブーストしますので、ブーストの効果はほぼそのままスペクトルに表れています。緑は録音したWEVファイルに300Hzのハイパスフィルタを適用した特性です。このスペクトルはブーストONとOFFでほとんど同じなので1本だけプロットしました。今回は、この低域をカットした音を聴き比べてもらいます。ちなみに普段マドンナを聴く時は50Hzまでしかブーストしません(それ以上ブーストすると机の振動が手に感じられるため)。

ではご試聴ください。

いつものように192bpsでエンコードしています。L側だけに音が入っています。今回はバイノーラル録音ではありません。マイクをSP前方40cmに設置して録音しました。

まず録音した未処理の音です。低音は小さなSPでは聞こえません。
ブーストOFF
30Hzフルブースト

次にフルブースト音に300Hzのローパスフィルタを適用した音を聴いてみてください。ズンドコのみ
演奏中ずっとズンドコしているのがお分かり頂けると思います。ただし小さいスピーカーでは聞こえませんので、大きなスピーカーか低音の出るイヤフォンで聴いてみてください。

そして最後が今回の目的である300Hzハイパスを適用したファイルです。この2つを聴き比べる事によって、低域ブーストによる高域音への影響を聴感で評価しようというのが今回の狙いです。300Hz以下の低音が入っていないので小型のSPで再生しても評価できます。ご試聴の上、よろしければ下の投票フォームでどちらの音の方が良く聞こえたか投票してください。

サンプル1
サンプル2

ブラインドテストなので、どっちがどっちかはもちろん内緒です。自分自信では完全なブラインドテストができないので定かではありませんが、ある点に気を付けてよーく聴くとハチマルの耳でも微妙な違いが分かるような気がする時があります。オンナジヤン!と聞こえる時もありますが。。。

投票は1回しかできません。締め切りは来月末としました。途中結果は評価の性格(ブラインド)を考慮して非公開としました。

追記
投票は終了しました。「サンプル1の方が良い」に4票、「どちらとも。。」に4票、計8票という結果でした。
ご協力ありがとう御座いました。「どちらとも。。」に投票された方は、マドンナの息継ぎの音に注意して聞いてみてください。馬鹿ブーだとちょっと痰がつまってゴロゴロした感じに聞こえます。後の記事で書きましたが、この曲はちょっと特殊で、僕の耳では他の曲で馬鹿ブーの音質劣化を聞きわける事はできません。コチラの記事も参考にしてください。

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2011年02月26日 (土) | Edit |
ほぼ満足できる録音条件が決まりました。

マイクを改良しました。
695.jpg
前の記事の状態では、使用しない側(本来のバイノーラル用)のマイク穴を完全にビニルテープで塞いだのですが、それが良くないらしいというのが分かったので、穴を直接塞がずにスピーカーボックス用の吸音材を穴部に当てた状態でイヤフォンに固定しました。

下に各種状態でのソースと録音データのスペクトルを示します。赤が録音データ(MP3データなので16kHz以上は急激に落ちている)、青がCDのソース信号です。ソース楽曲はベト5。

1) メーカー指定の方法でマイクを耳に装着した状態
692.jpg
この状態では低音が籠もり気味に聞こえました。グラフのオレンジ色の部分を比較すると、ソースや他の測定データに比べて特性がやや左上がりになっているのが分かります。

2) 前記事の状態: メーカー指定と反対向きにしてイヤフォンに固定した状態(バイノーラル用の穴はテープで塞いだ)
693.jpg
低音の聞こえ方は良くなったのですが、特にカナル型イヤフォンで聴いた時に高音がややキツメに聞こえました。黄色の領域でディップと盛り上がりが見られます。

3) 今回の状態: 穴を塞ぐのを止めて、かわりに吸音材を穴に当てた状態
694.jpg
高域の特性がスムースになりました。

周波数が高くなるにつれ頭部形状の影響が現れやすくなりますが、上図の高域部の特性差の主要因はマイクロフォン自体にあります。SP前方にマイクだけを置いて測定した時も同じような特性の違いが見られました。

上記は雑な実験的測定の結果です。下に第5交響曲の本番録音のスペクトルを示します。
696.jpg
青がCDのソース信号、赤が録音データ(これはWAV)です。見やすくするために重なった部分を黒で表示しています。10kHzまでは非常に良く一致しています。頭部の影響がどの程度F特に含まれているのかは?です。

今回は各種ジャンルから9曲録音しました。ご試聴ください。

条件: イコライザは45Hzまでフラット(30Hz/-6dB)、試聴距離は約50cm、192kbpsでエンコード、S/Nを上げるために音量は普段よりもやや大きめ(深夜、早朝だとイエローカード級)。

今回、Victorのカナル型イヤフォン、SONYのオープンエア型ヘッドフォンMDR-F1、AudioTchnicaの密閉型ヘッドフォン(安物)で真剣に聴き比べたのですが、特にマドンナを聴くとカナル型イヤフォンでは低音が実際よりもかなりズンドコ気味に聞こえます。密閉型ヘッドフォンはイヤフォンよりもましですが、やはり実際よりもズンドコします。低音に限って言えば、オープン型ヘッドフォンが最も実際の聞こえ方に近いように感じました。耳の外に置いたマイクで録音しているので、耳の外側のオープンな空間で再生した方がリアルに聞こえるのかも知れません。再生も難しいですね。

それではご試聴ください。バイノーラル録音なのでイヤフォンまたはヘッドフォンでご試聴ください。オープンエア型のヘッドフォンがお薦めです。

まずはおなじみの3曲から
ベトベン交響曲第5番
マイルス フリーダムジャズダンス
ストラビンスキー 春の祭典

初録音の3曲
ジミさんのJohnny B. Goode (ゴッキゲーン!、20秒間身体を停止させるのに困難を極めました)
ジャコさんのTeen Town(WR: 8:30) (ひたすらリピートでジャコの無限加速地獄をお楽しみください)
マドンナさんのAmerican Dream (ボリュームにご注意!)

最近よく聴くベトベン晩年の作品から(僕の中では上の3曲とベトベンは何ら隔たり無く共存しています)
大フーガ
ミサソレニムス(だっけ?)
最後のピアノソナタ(32番) ピアノは実際の再生音とは随分違って聞こえます。ピアノの再生が一番難しい気がする。

上記は全て45Hzまでフラットな特性で録音しています。特にクラシックでは高域を少し落とした方が聴きやすくなると思います。僕は気分に応じてそのへんをイコライザで調整しています。しかし、いずれにせよLEANAUDOでは余分な響きを極力抑えているため、一般的なオーディオマニアの方には音がキツク聞こえるかもしれません。

追記
左右のマイクで約3dBの感度差があります。右側が3dB低めです。このため音像はやや左寄りに定位するかもしれません。

追記2
直接SPの音を聴いては、イヤフォンとヘッドフォンをとっかえひっかえ聴き比べてみたのですが、やはりSONYの例のオープンエア型ヘッドフォンMDR-F1で聴くのが最もリアルです。気持ちの持ちようによっては、前方から聞こえるような気もします。バイノーラル録音とMDR-F1はナカナカ良い組み合わせかもしれません。

追記3
ミサソレニムスのソース(MP3)です。ソレニムス

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2011年02月22日 (火) | Edit |
馬鹿ブーストの弱点は、1つの振動板で全帯域をカバーするために、低域をブーストした信号で振動板を大きく振動させがら高域音も再生しなければならないという点にあります。マルチウェイ化して帯域を分割した方が、この点では有利になるのは当然です。しかし僕は、音楽の全体的な聞こえ方の自然さから、100Hz以下を13cmウーハーに受け持たせる新システムよりも、小径フルレンジ1発で可聴帯域のほぼ全域をカバーする馬鹿ブースト方式を好みます。

とはいえ高域の音質がどの程度劣化しているのか気になるところではあるため、今回はそこのところを簡易的に解析してみました。
まずソース信号として、50Hz正弦波と4kHz正弦波を合成した波形(16bit/44.1kHz)をソフトウェア ジェネレータで生成し、これをWAVファイルとして保存しました。ちなみに4kHzは人間の耳の感度が最も高くなる周波数です。
下図にソースの波形とスペクトルを示します。
688.jpg
682.jpg

これをFrieveAudioで再生して、30Hzまでフルブーストした音と、低域ブーストしなかった音をSP前方10cmで収録してWAVファイルに記録しました。次に、4kHの音だけを聴き比べるために、録音したWAVファイルに1kHz以下をカットするハイパスフィルタを適用したファイルを生成しました。このような方法によって、ブーストあり/なしで記録された2つの音の4kHzの音だけを解析する事ができます。

ハイパス処理後の2つのファイルのスペクトルを下に示します。
まずブーストあり
689.jpg

次にブーストなし
690.jpg

上の2つのスペクトルを比較すると、ブーストありの方が4kHzのピークの幅がやや広がっており、高調波のピークも顕著に表れています。このデータを見る限り、ブーストありの4kHzの音はブーストなしに比べて明らかに劣化していると言えます。

次に波形を重ね合わせてみました。青がブーストあり、赤がブーストなしです。
687.jpg
サンプリングレートはCDと同じ44.1kHzなので、4kHzの1サイクルの波形には約10個のサンプル点が含まれます(20kHzだと、たったの2点になってしまいます)。さて、波形の比較ですが、この程度のサイクル数を見ただけでは違いは全く分かりません。波形(周波数)が50Hz周期で微妙に変動しており、その影響がFFTに表れたものと思われます(ドップラ効果?)。

以下に音声ファイルを添付します。

WAVファイルは添付できないので、最高の320kbpsでMP3にエンコードしました。音はLchだけに入っています。高性能イヤフォンでのご試聴をお薦めします。

下の3つのファイルはハイパス処理なしなので50Hz音が聞こえます。
ソース(未処理): SOURCE
ブーストあり(未処理): ブーストON RAW
ブーストなし(未処理): ブーストOFF RAW

こちらはハイパス処理しているので4kHz音だけを聞く事ができます。
ブーストあり(1kHzハイパス): ブーストON ハイパス
ブーストなし(1kHzハイパス): ブーストOFF ハイパス

出だしの音は波形のどの位置から再生が始まるかによって結構聞こえ方が異なります。出だしの音ではなく中間の連続音に注目してください。

どですか?WAVファイルをiPodに入れてイヤフォンで聴き比べたのですが、僕の耳では違いがよく分かりませんでした。実際には低音と一緒に聞く事になるので、高域音だけ分離して聞くよりもっと違いが分かりにくくなると思います。

追記
それ程悲惨な事になっていない事がデータでも確認できて一安心というのが率直な感想です。前の記事の超絶低音の結果も含めて、馬鹿ブー方式のポテンシャルを再認識できたと思います。ネットワークなしで全ての音が1点を中心に放射されるというのは、音楽の全体像を自然に聴き取るという事において、また特にニアフィールドリスニングにおいて非常に重要だと思います。

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2011年02月20日 (日) | Edit |
今回は、僕のコレクションの中では最強の低音信号であるストラビンスキー「春の祭典」のバスドラを録音してみました。ついでに振動板が激しく前後する様子を撮影した動画もお見せします。

サンプル楽曲は今までにも再三取り上げた「春の祭典」(シャイー指揮/クリーブランド)です。
226_20110220113513.jpg
このCD中の最強の一打を馬鹿ブーストで再生すると、Alpair5では振動板が暴れて「ブリブリ」とか「ビチビチ」と下品な音がしました。しかしAlpair6 Mでは多少音が歪みっぽく聞こえはするものの、破綻する事なくなんとか再生してくれます。今回はその最強の一打を録音しました。
下が今回使用した約20秒のソース波形です。後半にある16ビット幅一杯のピークが問題のバスドラです。
679.jpg

下はこのピークを時間方向に拡大した波形です。
678.jpg
下はこの部分のスペクトル分布です。35Hzに強いピークが見られます。
677.jpg
すなわち35Hzのフルスパン信号が記録されているという事です。条件としてはかなり過酷だと思います。

それではご試聴ください。振動板の動画もご覧頂けます。

録音条件は前記事と同じです(バイノーラル録音はイヤフォン/ヘッドフォンでご試聴ください)。

ソース: SOURCE
SP前方20cm/30Hzフラット: SP前20cm EQ30Hz
バイノーラル/30Hzフラット: バイノーラルEQ30Hz
バイノーラル/イコライザなし: バイノーラルEQなし

下は振動板を手持ちで撮影した動画です。
[高画質で再生]

春の祭典 Alpair6 M [ホスティング]

下はソース波形(青)とSP前方20cmで測定した波形(赤)の比較です(片Chずつモノラルで測定したものではないので左右の干渉が含まれます)。
676.jpg
限界に近い条件なので波形はかなり崩れるかと予想していたのですが、思いの外正確に原信号をトレースしているので驚きました。Alpair5の時は悲惨でしたから。。。

よく聴くと最強1発は素早く制動してすかさずもう1発打っています(ドン・ドーーン)。下は2発目まで比較したものです。振動板は打撃の合間にフラフラする事もなく、よく制動が効いているように見えます。
675.jpg

下はバイノーラル録音のイコライザ有り(青)とイコライザ無し(赤)の波形を比較したものです。
680.jpg
イコライザなしでは2発のバスドラ(ドン・ドーーン)を全く表現できていない事が分かります。その他の打撃は別のドラムのようで周波数も高めです。今回試聴位置がやや左寄りであったようで、右側の信号レベルが低くなってしまいました。次から気を付けます。

追記 1
今回、「35Hzという下限近い周波数+フルスパンの大信号+タイムドメイン的に厳しい打撃音」という非常に厳しい条件で納得のゆく低音再生性能を確認できた事には大きな意義があったと思います。さすがに8cm径では限界近いという感じを受けますが、10cmあるいは13cmのドライバを使用すれば十分な余裕が得られると思います。逆にあまりに大径にすると、追従性の面で問題が生じるかもしれません。

追記 2
測定波形と信号波形をもう少し正確に比べるために、FrieveAudioでLchだけ出力して録音した。こうする事により反対チャンネルからの干渉のない波形を比べる事ができる。
681.jpg
案の定、本文中の波形比較よりもさらによく一致している。ここまで一致するとは思っていなかったが。。。Alpair6 Mはよく頑張っていると思います。

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2011年02月18日 (金) | Edit |
バイノーラル方式でデスクトップ システムの再生音を録音してみました。

その前に現在のデスクトップの状況です。
以前の記事「最も手っ取り早い音質改善法」に書いたように、スピーカーをできるだけ耳に近付けるために、現在は下記のようなレイアウトになっています。仕事に差し障りのない範囲で、できるだけスピーカーを手前に移動しました。デスクに頬杖をついて音楽に聴き入っている状態で、耳までの距離は約40cmです。
670.jpg

単なる台として使用している下側のウーハーを出来るだけ手前に移動し、さらにポチ型ボックスをサブウーハーから前方にオーバーハングして載せています。また、低音時振動を抑えるために、ポチの上には2.5Kgのウェイトを載せています。オーディオテクニカの比較的低周波を吸収するタイプのインシュレータをウーハーの脚とポチの下に3個ずつ(片Ch2段で計6個)使用していますが、それでもバスドラ等で振動が手に伝わって気になります。音にも影響していそうな気がします。なのでデスクから完全に独立したスタンドを検討中です。
671.jpg

距離40cmでの測定結果です。
672.jpg
黒がL、赤がRです。70cmでの測定結果に比べると、特に100Hz以下で特性が大幅に改善されています。以前の記事と比較してみてください。スピーカーは近いに超した事はない。というやつです。

今さらお見せする必要もないですが、一応今回の録音条件という事で。。。
673.jpg
30Hzフルフラットの馬鹿ブーストの測定結果です。もちろん下側のウーハーはOFFです。30Hzから20Hzにかけて急峻なローカットフィルタを適用しています。

さて、バイノーラル録音の方ですが、SANYO製のPCMレコーダICR-PS004M(製品ページ)とバイノーラルマイク(製品ページ)を使用しました。どちらも音楽録音用としてはチョット不安ですが、合計で11K円程度だったので、まあこの値段ならばモノは試しと考えて思い切って購入してみました。

今回はバイノーラルマイクを耳に装着した状態で、机の前端に頬杖をつく姿勢をとって録音しています。WAVファイルに記録し、必要箇所を切り出してレベルをノーマライズしてから、MP3ファイルに変換しています。エンコーダにはLameを使用し、ビットレートは192kbpsに設定しました。このブログではファイルサイズが500Kバイト以下に制限されるため、WAVファイルを直接添付する事はできません。

サンプル楽曲には、マイルスの Freedom Jazz Dance (Miles Smiles)から約20秒、ブロムシュテット指揮ベトベン交響曲No.5 第一楽章から約12秒を選びました。

では以下にサンプルを添付しますので、ご試聴ください。

バイノーラル録音は原理的にヘッドフォンまたはイヤフォンで聴く事を前提としています(参考記事)。
極低音まで再生可能なそこそこの性能のカナル型イヤフォンでのご試聴をお薦めします。小さなスピーカーでは肝心の低音がよく聞こえません。PCにオーディオ用DACを接続していない方は、ファイルをMP3プレーヤーにコピーしてご試聴になる事をお薦めします。PCのサウンドボードは一般的に音質がかなり劣ります。

1) Freedom Jazz Dance /Miles Davis
ソース: Freedom Jazz_SOURCE
イコライジングなし: Freedom Jazz_NO EQ
イコライジングあり(30Hzまでフラット): Freedom Jazz_EQ30
イコライジングあり(50Hzまでフラット): Freedom Jazz_EQ50

2) ベートーベン交響No.5、第1楽章/ブロムシュテット指揮
ソース: Beethoven SOURCE
イコライジングなし: Beethoven NO EQ
イコライジングあり(30Hzまでフラット): Beethoven EQ30
イコライジングあり(30Hzまでフラット、マイクをSP前方20cmに設置): Beethoven EQ30 20cm

如何ですか?
バイノーラルで録音しても、僕には別に音が前から聞こえるようには感じません。もっとリアルな感じを期待していたのですが。ちょっと期待外れかな?

以下、気付いた点を上げてみます。
● Freedom Jazz Danceの場合、ソースをイヤフォンで聴くとベースのロンさんが完全に左端に寄ってしまうのに対し、バイノーラル録音では実際に耳できくのと同じクロストークが発生するので少し中央よりに定位します。

● マイクの性能のせいか、低音は実際に耳で聴くよりも少しコモリ気味に聞こえます。

● ジャズの場合50Hzフラットで十分という感じです。

● No.5でも、バイノーラル録音の方が全体的に中央寄りに定位します。低音がこもり気味に聞こえるので、左右のマイクを手持ちでSP前方20cmに置いて録音してみました。こちらの方が実際の聞こえ方に近いような気がします。別にバイノーラルでなくてもエーンチャウという気もしますね。

これからイロイロと遊んでみようかな?
Alpari6 M 対 P の時に、このような録音サンプルを添付できれば良かったかな?
そのうちM対Pも録音してみたいと思います。

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2011年02月11日 (金) | Edit |
気が付いたらブログ開設(2009年2月5)から2周年を過ぎていました。この2年間「音楽の聴きやすさ」を求めてアレコレとイヂッテきたわけですが、デスクトップ システムとしてはAlpair6 M + FrieveAudioの30Hzフラット馬鹿ブースト(アンプはIcon AMP)で行き着いた感があります。あとは箱の補強(または新作)と超ニアフィールド用スタンドの導入くらいですね。今の箱は実験用にアチコチ穴が空いており、エアコン用の充填パテを詰め込んで塞いでいるので、綺麗にお化粧してやりたいと思いつつ、例のジルコンサンドを大量に使って全く新しい工法で箱を新作してみるかなぁとも思案中です。

馬鹿ブーストすると当然ですが振動板は低周波数で大きく動きながら高域音も発生せねばならないため、高域の音質では不利になると思うのですが、音楽の全体的な聞こえ方を重視する僕には全く問題を感じません。バイアンプ駆動の13cmウーハーを100Hz以下だけで駆動させる新システムも悪くはないのですが、どうしても「自然さ」では馬鹿ブーに一歩及びません。いわゆる微細な「音質」の違いではなく、全体的/総合的な「音楽の聴きやすさ」「自然な聞こえ方」「違和感のなさ」という点で、馬鹿ブーストの方へ無意識に手が伸びるという感じです。言い換えれば、細かい「音質」ではなく総合的な「音楽再生クオリティ」に優れているという事です。

こと「音楽を鑑賞する」という目的において、コンポのスピーカーを破壊してオーヂオイヂリに手を染めた当初に望んでいた「音楽再生クオリティ」にほぼ到達したのではないかと思います。これは、小径フルレンジ一本で反転ポートも使用せずに耳元に30Hzまでフラットなレスポンスを位相遅れなく届ける事によって実現できたという事になります。

もう以前のように「違和感」や「フラストレーション」を覚える事もなくなりましたし、これ以上の「音質?」を望む気も毛頭ありません(箱の鳴りだけはもう少し抑えてみようとは思う)。オーヂオイヂリを始めた頃は一時期「音質」ばかりがが気になって閉口しましたが、今は全く「音質」を気にせずに「音楽」を楽しめます。僕の望む「音楽を再生するための実用的道具」として満足できるレベルに達したと言うことだと思います。

このシステムのコストは、Alpair6 M: 17K、SPボックス(自作): 約3K、Icon AMP: 27K、FrieAudio: 3.2K、DAC: 12K相当ですからPC抜きで約6万5千円くらい、ONKYOのPC(DAC内蔵、約50K)を入れて約10万円になります。これでも以外とお金がかかっているなぁ。。というのが実感です。このレベル(一般向けは50Hzフラット、30Hz/-9dB でよいと思う)のシステムがPC抜きで5万円以下で出回るようになると良いなぁ。。と思いますね。

これとは別にベッドサイド用として、またミニマムな音楽再生装置のスタディとして作製したケロにも大いに満足しています。こちらはiPod Classic(非圧縮)+ i-Trans(エレキットの昇圧トランス) + TU870改 という組み合わせで使用しています。AURAの1"ドライバのおかげか、あるいはデスクトップの反射を受けないせいか、はたまた箱の制振を徹底したおかげか、音の「明瞭さ」ではこちらの方が上かもしれません。ほんとに「よく」聞こえます。また、サブウーハーが8cmと小径であるためか、あるいは3つのSPが近接しているためか、帯域分割の不自然さも感じません。「音楽聴くだけならケロで十分」と言うに十分以上の「音楽再生クオリティ」を備えていると思います。コスト的には上記システムとほぼ同等になるかと思います。

今までにも再三申しましたが、装置の変更による「音質」の微細な変化を敢えて聞き分けたりする事や、ソースに含まれない響きや音場感やナントカ感を創出したりする事にはさして興味のない「本当に好きな音楽をよりよく聴きたいだけ」のリスナーのために(参考記事)、製造者として本来最も注力すべき「リーズナブルな価格の真っ当な音楽再生装置」の根本的な音楽再生性能の改善に努めないと、オーディオ業界はますますニッチになるでしょう。マニアは別にそれで良いのでしょうが、世の中にとって、あるいは民生向け工業製品として、あるいは技術者的観点から、それは決して健全な事とは言えないというのがハチマルの考えです。なぜならば、より多くの人がより安価により手軽によりクオリティの高い音楽再生を楽しめるようにできる極めて容易に実現可能な技術的余地が明らかにそこに存在するからです。これを無視するのは製造者の怠慢としか言いようがありません。オーディオ装置とは何もそれ自体を趣味とするニッチなマニア達のためだけにあるのでは無いという事をもう一度真剣に考えてみてはどうかと思うのだが。

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2011年02月03日 (木) | Edit |
前の記事に続いて今回はプロ用スタジオモニタのご紹介。このブログでも度々取り上げてきたBlue Skyの製品です。
669.jpg
Blue Sky / eXo2 (製品サイト)
8cmウーハーを使用する密閉型2ウェイメインスピーカー
20cmの密閉型サブウーハー(35Hz/-6dB)
クロスオーバーは140Hz
35W x 2 + 90Wのアンプを内蔵
別体のボリュームコントローラ付き
で、お値段は
59,800円
(ゴマンキューセンハッピャクエン)!

オペアンプを換装したグレードアップ型も12台限定で発売中だそうな
(お値段は+9,250円、コチラ)。

コンパクトサイズ + リーズナブル価格!
35Hz/-6dBの十分な低音再生能力
オール密閉型の正確な音楽再生
さすがプロ用
音楽を聴くための肝心のところをシッカリと押さえています。

やっぱり、この値段でできるやん。

メインスピーカーをAlpair5にしてDACを内蔵すればハチマル好みだね。
サブウーハーも13cmで十分だな。もっとコンパクトにできる。
FrieveAudioの無償版でもバンドルすれば完璧。
それともDACと併せてデジタルのチャンデバとイコライザも内蔵しちまうか
(設定はPCから)。

リビングルーム用にサイズアップしても二十万円程度まで。
液晶TVの価格と比較しても、そのへんがリーズナブル帯ではないかな。

同じオーディオでもピュアオーヂオ以外の領域では製品価格は極めてリーズナブルだと思うぞ。

リスナーズオーディオもこうあって欲しいね。

こちらも読んでね→2.1システムの優位性
でもハチマルはやっぱり馬鹿ブー方式の方が好きだけど。。。

Blue Skyのサイトには他にも色々勉強になる記事が満載です(コチラだよ)。

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