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2013年05月17日 (金) | Edit |
今回は、Alpair 6Mの馬鹿ブースト方式での歪み計測結果をご紹介します。

久々の馬鹿ブーストです。サブウーハをデジタルフィルタで帯域分割するようになってからは、馬鹿ブースト方式を全く使わなくなってしまいましたからね。

今回のデータは全てサブウーハOFF/帯域分割フィルタなしです。このシンプルさとコンパクトさが馬鹿ブースト方式の真骨頂。さて、歪みの方は如何ほどか?

まずはFrieveAudioでのF特データ
A6 Baka Frieve
青が補正なし、赤が補正ONです。160Hz近辺のディップは部屋の影響です。スピーカに近付けば、このディップは完全に無くなります。僕の経験によると、このように1オクターブより十分に狭い急峻なディップは余りクリティカルではありません。FrieveAudioの補正係数は平滑化しているため、補正ONでもこのディップは少し残ります。

1) 標準ボリューム
まずは標準的ボリューム(標準ピンクノイズで75dBC)でのデータです。
上がAlpair 6M馬鹿ブースト、下は以ZAP 2.1の結果
A6 Baka 75dBC copy
ZAP 75dBC 32
赤ラインの歪み率(%)は67dBを基準に計算しています。馬鹿ブーでは、さすがに2.1に比べると全体的に歪みレベルが高く、50Hz以下で3次の方が2次よりも高くなり、40Hzで3次は2%を超えています。しかし、この程度の歪みであれば、40Hzまでフラットに補正してもマドンナのズンドコビートに問題を感じません。ブースト量は40Hzで約+17dBです。

そもそも2.1システムは「春の祭典」の超絶バスドラをヤッツケヨーという意地と、FrieAudio以外のソース(ラジオやiTuneやCD/DVD)でもLENAUDIOクオリティで聞けるようにと着手したものです。馬鹿ブーでも常用音量域における実用状態では特に問題を感じませんでした。実際、2.1システムにプレートアンプ内蔵のアナログフィルタを使っていた頃は、低音ビートに微妙な違和感を覚えたため、気持ちの良いビートを聴きたいジャズには専ら馬鹿ブーを愛用していました。その事から考えても、今回の歪みデータは「まぁ、コンナモンヤロ」と納得の行くレベルであるように思えます。

しかし、デジタルで帯域分割するようになってからは、自然と2.1方式に手が伸び、馬鹿ブー方式は全く使わなくなってしまいました。低音の歪みの少なさと、ドップラ歪みによる高音域の音質劣化といった面で2.1方式の方が「音楽を聴きやすい」のかもしれません。比較してしまうと、デジタル帯域分割2.1方式の方が総合的クオリティが高いという事なのだと思います。現在のZAP 2.1には全く満足しています。

2) 標準ボリューム+7dB
家族やご近所様を憚る音量です(標準ピンクノイズで約82dBC)。
同じく上がAlpair 6M馬鹿ブー、下が2.1 ZAPです。
A6 Baka 82dBC copy
ZAP 82dBC 60
さすがに馬鹿ブーでは50Hz以下で3次が激増し、40Hzで約10%に達しています。もうブリブリ寸前。これはアキマセン。ただし、欲張らずにブーストを60Hz(+9dB程度)までにしておけば、かなりの音量まで十分に使えそうです。非常に小径/小型のシステムで60Hzまで全くフラットに位相の乱れなく、しかもマンションの6畳間であれば周囲を憚るほどの音量で再生できるのですから、魅力的なポテンシャルを備えていると言って良いでしょう。 8cmクラスドライバであれば、下限周波数は60Hz程度にしておいた方が無難でしょう。

それにしても、Alpair 10の3次歪みの少なさは素晴らしいと思います。僕の使用環境では2.1 ZAPはオーバースペック気味ですが、Alpair 10を2本使って馬鹿ブーまたは2.2ch方式 (2~3"フルレンジ+ Alpair10)方式にすれば、ウーハが1本の2.1方式よりも低音再生にさらに余裕が得られます(同一音量であれば歪み率は低下する)。それでも音量が足りなければ、ウーハの数を単純に増やせば済みます。また、60Hz近辺の特徴的な2次歪みの増加を抑える事に成功すれば、もう完璧でしょう。プロ用モニタヘッドフォン並(3次歪みの低さを考えればそれ以上)の低音が得られます。一家に一台Alpair 10ですね。

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2013年05月16日 (木) | Edit |
今回はSONYの最高級モニタヘッドフォンMDR-Z1000の歪み測定結果をご紹介します。

このヘッドフォンは、スタジオ向けのプロ用モニタヘッドフォンで高い実績を誇るSONYの最上級モデルであり、メーカは「スタジオユースでの厳しい要求に応えるリファレンススタジオモニター」と謳っています。業界標準器的なMDR-CD900STがスタジオでの録音現場で使われるのに対し、MDR-Z1000は最終的なマスタリング等での使用を想定しているとかイナイトカ。まぁ、とにかくZAPシステムを評価するための基準として全く不足は無いと言って良いでしょう。

計測方法は簡単です。左右のパッドをピッタリと合わせて、隙間からマイクロフォンを突っ込んだダケ。パッド同士を強く圧着させると低音レベルが上がるため、実際の装着時の状態からかけ離れぬよう、パッドを押さえる力は最小限としました。

下はMDR-Z1000での測定結果です。
HeadPhone copy

比較のために前の記事の「標準ボリューム+7dB」を再掲します。
ZAP 82dBC 60

音圧レベルは共に約75dB @40Hzです。図中の歪みレベル(%)を表す赤ラインは75dBを基準として計算しています。あくまでも約40Hz(約75dB)を基準とする参考値として考えてください。僕が実用的音楽再生の下限周波数と考える40Hz一点に限って言えば、耳位置で同じ音圧(75dB)で比べた場合、ZAP 2.1とMDR-Z1000の歪みレベルは全く同等であると言えます。

なお、どちらもマイク手持ちのエーカゲンな計測であるため、グラフの細かい凸凹は計測のたびに結構変化します。ただし全体的なレベルは何度計っても安定していますので、コマケー事は気にせずに大まかなレベルを見比べてください。今回の結果を大雑把に見る限り、ZAPシステムの低音歪み(リスニング位置)はモニタヘッドフォンに比べて遜色のないレベルにあると言って良さそうです。これは日頃普通に使っていて感じていた事でもあります。

データの信頼性が未だ良く掴めていないため、細かい事象について確たる事は言えませんが、下記の2点が注目点として挙げられます。
1)全体的にZAPは2次歪みが高いものの3次歪みは低い(これはAlpair 10に負うところが大きい)
- ヘッドフォンでは約40Hzまで3次歪みの方が2次歪みよりも高く、3次歪みは1%を超えている
2)ZAPでは2次の60Hzあたり(つまり120Hzあたり)に何らかの共振現象が生じている可能性がある
- 正弦波周波数を段階的に変化させながら観察すると、明らかに60Hz前後でスピーカボックス全体の振動が増加する事から、何らかの共振現象が生じていると考えられる。これがユニット単体による現象なのか、ボックスおよびスタンドを含めた全体的な現象なのかは今のところ不明。実用状態で特に問題を感じないが、2次歪みを大幅に改善できる可能性は十分にありそう。

まぁ、コマケー事は置いといて、ZAP 2.1君の低音歪み(リスニング位置)はプロ用モニタヘッドフォンに比べて遜色ないレベルにあるという事を確認できました。いとウレシ。。。次回はZAP馬鹿ブー君を評価してみます。オッタノシミニ!

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2013年05月13日 (月) | Edit |
家内が出かけたの見計らって、DAYTONの計測システムでZAP 2.1ch君の歪み特性を手っ取り早く計測してみました。

計測はリスニング位置(距離約75cm)です。マイクは手持ち。相変わらずエーカゲンです。
音量設定には業界標準の-18dBFSrmsピンクノイズを使いました(詳しくはコチラの記事参照)。ピンクノイズは2つのスピーカで再生。再生ソフトはFrieveAudio。補正は全てOFF。ICON AMPのボリュームは1/2。

音量設定は
1) 昼間の標準的ボリュームよりやや高め
標準ピンクノイズで約75dBCに設定。PCのボリューム目盛りは32/100
2) ご近所にビクビクしながらかなり頑張ったボリューム
標準ピンクノイズで約82dBCに設定。PCのボリューム目盛りは60/100

DAYTON計測システムでは歪み計測用に-12dBのスイープ信号(R/Lモノラル)を使います。
「春の祭典」の超絶バスドラ(約40Hz/-6dB)を除けば、僕のコレクション中で低音信号レベルの最も高いマドンナのズンドコが約45Hz/-12dBです。通常のジャズやクラシックの超低音レベルは、マドンナよりもずっと低いので、-12dB信号でOKであれば実用上全くOKと言えます。また、マドンナの曲はコンプレションを効かせているので、再生時のボリュームは標準よりも絞ります。ソンナコンナを鑑みれば、このテストで良い結果が出れば大概のソースで実用上全くOK!と言えそうです。

では結果です。

グラフの色分けは以下の通りです。
Color.jpg
2次:赤、3次:紫、4次:緑、5次:水色、2~5次の合計:青

1) 標準ボリューム
ZAP 75dBC 32
2次(赤)が支配的なので2~5次(青)と殆ど重なっています。
2次歪み率は2%以下、3次歪み率は0.8%以下しかありません。
マイク手持ちという事もあり、計測するたびにグラフの凸凹が微妙に変化しますが、何度計ってもこのレベルでした。結構ヨロシーのではないでしょうか。

2) 標準ボリューム+7dB
ZAP 82dBC 60
2次が5%に達しましたが、3次の歪みはほとんど増えずほぼ1%以下を維持しています。これがAlpair10の凄いトコロと言えましょう。ブリッと完全に破綻するまで(Arrestorにヒットするまで)、3次は決して急増しません。前の記事の正弦波による聴感評価に基づくと、まだ許容範囲内にあると言えます。特に3次歪みが殆ど増加していないため、聴感的にはまだまだ余裕がありそうです。

Alapir10に比べればかなり低音歪み(特に3次)の多かったAlpair5および6の馬鹿ブーでも十分に実用に耐えた事から、様々な周波数成分を含みダイナミックに変化する実際の楽曲音では、純粋な定常正弦波で比較試聴するよりも聴感上の歪み許容範囲はかなり拡がると思われます。いずれにせよ、ZAP 2.1は僕の実用条件において全く十分、というかオーバースペックであるとすら言えるでしょう。Alpair6 4本使いくらいで丁度良いかも知れません。

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2012年12月31日 (月) | Edit |
お待たせしました。やっと、GAMA君の評価結果をお見せできます。ZAP君に関しては来年までお待ちください。

GAMAの標準的なリスニング距離は約50cmを想定しています。このため、騒音計をバッフルから50cmの距離に設置し、ベト5第1楽章(ブロムシュテット盤)を全曲再生して最大音圧レベルを計測しました。ICアンプのボリュームは最大で固定し、サウンドブラスタのマスターボリュームで音量を調整しました。

ベリンガ製グライコは最終的に下図のように設定しました。
Ftoku copy
超ニアフィールドで聴く場合の高域のキツサを緩和するために最終的にこのような設定としました。特性図のピンクの線はDIATONEの30cm密閉型DS-2000の特性です。50Hzまでほぼ同等の低域特性が得られています。このような大型スピーカは、リスニング距離5m以上、最大瞬時音圧100dBレベルを想定して設計されています(参考記事)。しかし、より現実的な住環境に即したリスニング距離と再生音量を想定する事により、低域性能を犠牲にする事なく装置を大幅に小型化できます。KEROやGAMAはそのミニマムな実施例です。殆どの人々にとって巨大な装置は全く不要でしょう。

それでは、テスト結果をご覧ください。

まず、サウンドブラスタのマスターボリュームを70%に設定したところ、ベト5第1楽章の再生中に数カ所で80dBAを超え、最大で83.5dBA max(FASTフィルタ)が記録されました。これはエンディングではなく第1楽章の中ほどで発生しました。

次に、70%ボリュームで-12dBの正弦波を再生してスピーカの出力音響波形を観測しました。
gama -12dB
63Hzでの波形をFFTで解析したところ、5次までを含めた総高調波歪み(THD)は1.5%でした。まぁ許容できるレベルと言えるでしょう。その他の周波数でのTHDは1%を超えません。

下は同じボリュームで観測した-6dB正弦波の再生波形です。
gama -6dB
63Hzでは大きく歪み、音も明らかに異常(ブリブリ)です。この時のTHDは13.6%となりました。前の記事で書いたように、この時代の交響曲では低周波成分が強くないため、特に問題を感じる事はありませんが、他のジャンルの楽曲では問題を感じる事があるかもしれません。ただし、このボリュームでジャズやロックを再生すると、奥さんからレッドカードをくらいます。

下は各種マスターボリューム レベルでの63Hz/-6dB波形です。このボリュームは5%ステップでしか調整できず、1ステップで音量は約2.5dB変化します。
gama vol
ボリュームを70%から65%に1段絞るだけでTHDは6.5%まで改善されます。-6dBを超える大振幅の低周波信号は大概はドラムスによる瞬間的な現象であるため、この程度の歪みであればさして気にならないと思われます(春の祭典のドラム音での経験による)。65%ボリュームにおいてベト5第1楽章の最大音圧は80.9dBA(fastフィルタ)を記録しました。普段交響曲を聴く時は、このくらいのボリュームになると思います。ジャンルを問わず推奨できるGAMA君の最大ボリュームは65%、ジャンルをクラシックに限れば70%でも大丈夫というところでしょうか。

一般的なジャズ/ロックのソースであれば、55%ボリュームでmax80dBAに達する十分な音量が得られるため、再生中に問題が生じる事はまずありません。普段は50%ボリュームで聞いている事が多いと思います。マドンナであれば、さらにボリュームを下げられます。

なお、70%ボリュームで例の標準ピンクノイズ(-18dBFSrms)を再生したところ、50cmの距離で76.8dBA(SLOWフィルタによるMax値、スピーカ1本)を記録しました。これは以前の記事で紹介した国際規格の提案値(78dBA)に近い値であると言えます。参考にCフィルタで計測すると78.8dBCでした。ただし、再生装置の低域が十分に伸びていないため、特性がフラットなCフィルタでの値は余り正確ではないと思います。

以上から、リスニング距離50cm程度、80dBA以下の快適音量レンジで使う事を想定した場合、GAMA君は必要にして十分な音量で音楽を再生できると言えるでしょう。今回のデータから推測するに1m程度までは十分に使えそうです。

このように、リスニング距離と必要音量によってシステムの基本設計が決まります。日本の一般的家屋での実用性を考えた場合、それほど巨大な装置は必要ないと思われます。真に実用的で、真に再生クオリティの高い、真にリーズナブルな価格の、断じて趣味道楽のマニア用ではない、日常的に音楽を愛聴する人々向けの、本当に真面目なオーディオ装置を、根本から真面目に開発すれば、需要は十分にあるように思えます。

慌ただしく駆け込みのような投稿になってしまいました。それでは良いお年を!

m01_01_08_kadomatu.jpgお年玉クリックくださいなm01_01_08_kadomatu.jpg

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2012年12月28日 (金) | Edit |
姪にプレゼントするGAMA II が無事完成しました! やれやれ。。

お気に入りのバンドを教えてもらい、デザインの参考にしました。バンドの公式サイトやYouTubeを見て、オヂサンなりに一生懸命作ってみたのですが、気に入ってもらえるかどうか甚だ不安。。

デザイン イメージを頂戴とお願いしたところ、姪が携帯で送ってきた写真
PxG4U.jpg
&Eccentric Agent というバンドらしい。やっぱり赤/黒のレザーに鋲がお作法でしょうか?
公式サイトはコチラ

爆音注意

& Eccentric Agent - B.L.A.Z.E. sub español 投稿者 DANTEX666_DSH
こちらはメタリックな赤が基調


こちらはメタリックな緑とゴールドが基調

なかなかハイセンスなバンドですねぇ。。汗臭いメタルとは違います。でも、オヂサンとしては赤と黒を基調に無難にまとめる事にしました。

で、出来たのがコレ
_1000261 copy copy
ケロと同様に三脚に取り付けられるようにしました。やはり、この方がグッと音楽を聴きやすくなります。

_1000255 copy copy
正面: 大切なAlpair 5を保護するために、頑丈な金網を装着。ホームセンターで売っていた排水孔用のネットです。ベーシストの髪型をイメージして一部赤く塗ってみましたが、ヤリスギたかな?公式サイトからコピーしたバンドのロゴもはり付けました。気に入らなければ直ぐに剥がせるようにしています。前脚はケロと同様に高さ調整可能としました。

_1000257 copy copy
側面: 基本のお作法に従い赤と黒のレザーをはり付けました。例によってユザワヤで本革の切れ端をお安く入手できました。赤い革は無かったので、ラッカーで塗装。ここにもバンドのロゴをはり付けています。写真ではわかりにくですが、全体にウェザリング(汚し)を施しています。上の動画のようなメタリック感が欲しくて、仕上げにクリアブルー メタリックを全体に吹き付けたかったのですが、良い塗料が見つかりませんでした。まあヨシとしましょう(今回の写真はそのへんをイメージして青っぽくしています)。鋲も買ってあるのですが、何処に付けて良いのやら? 付けずに渡す予定。好きなトコロに付けてチョウダイ。

_1000258 copy copy
背面: ターミナルと配線もデザインに利用。赤と黒なので良いかなっと?

試聴のためにAccuRadioでずっとメタルロックを聴いていましたが、聴き所が良くわからないので、なんだかどれも同じに聞こえてしまいました。タマホーーーームッ って感じ。。。上の日本のバンドの方が好きだな。アンプのボリュームは1/3も開けると十分な音量で聞けますし、LEANAUDIOの真骨頂であるスピーディーでタイトで正確なビートを堪能できます。イェイ!ただしAlpair 5を超ニアフィールドで聴くと高音がキツク聞こえるので、ネットに何かはり付けて少し高域を落とす工夫をしようかと思案中。低域を目一杯ブーストしているので、高域をグライコで落とす余裕は無いのですよ。。。

次回は、A6M ZAPと比較しながら、馬鹿ブー方式の限界音量について考察を加える予定です。オッタノシミニ!

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2012年12月24日 (月) | Edit |
ついつい先送りにしてきた約束事を年内に果たすべく、この三連休は大忙しです。その1つが大阪の姪に約束した黒い悪ケロ(ダースケロ)だったのですが、ミニアンプ用の電源をサブウーハ用アンプから取り出せないものかとゴニョゴニョしているうちに、全くウントモスントモ言わなくなってしまいました。ドシェー。。ですよ。暮れも押し迫ったというのに。。。

仕方なく、Alpair 5を使ったミニミニシステムを1日ででっち上げました。何とかお正月には持って行けそうで一安心。東京のオヂサンとしては約束を果たさねばね。。。

という事で、即席ミニガマ君のお披露目です。以前作った2.1ch方式の帝国軍TIEファイター風「黒ガマ君」(参考記事)の残骸からでっち上げました。ダースケロの代役として不足はないでしょう。
_1000246.jpg
このように机に置いて使うのが基本です。
_1000245.jpg

例のミニミニICアンプも新しいケースに入れました
_1000249.jpg
数年前に買ったソニーのイヤフォン用ケースに詰め込みました。ほぼギリギリ限界の大きさです。放熱用の穴も開けました。スピーカ出力には4ピンのPCパーツ用コネクタを使いました。アンプが壊れたら交換可能です。

_1000248.jpg
アンプはゴム紐で仮止め中

これに丁度使わなくなったベリンガの9バンドグライコをセットにして馬鹿ブースト方式で楽しんで頂きましょう(という事でグライコの読者プレゼントはなしね)。姪には出来るだけチッチャイの。。と頼まれています。また、築年数の経ったマンション暮らしなので防音性が余りヨロシクなく、自宅では専らiPod/iPhoneで聴いているとの事。チッチャイ音でもベースがよう聞こえるのがエーワー。。。そうなんです。そういうのが必要なんですよ。オヂオ業界のオヂサン達!

彼女はヘビメタ系の音楽業界で働いていて、大のベース好き。僕と同じで常にベースを基準にしてオンガクを聴く癖があるとの事。嬉しくなったオヂサンは今年の夏帰省した時にVictorのトップマウント型イヤフォンを彼女にプレゼントした事は以前にも書いた通りです。ベースがメッチャよう聞こえるわーー、黒ケロケロも楽しみにしてるでーー(大阪弁は語尾を延ばすのです)って凄く喜んでくれました。オヂサンとしては嬉しい。

バンド支配してるのはベースやでーーー、って全く僕と同じ事を言ってます。遺伝でしょうか。そんな彼女にもLEANAUDIOはピッタリですね。オッチャンの作った装置はベースの音がイヤフォン並によう聞こえるデーーー。グルーブでドライブやでーーー。

それではお馴染みのF特です。

その前にグライコの設定
_1000251.jpg
A6Mに比べて低音の出ないA5なので、±12dBのレンジをフルに使ってブーストしています。馬鹿ブーですね。

デスクの前端に置いて約20cmの距離で計測
F-1.jpg
-6dB/50Hzなので僕にはチョット物足りませんが、彼女はロックしか聴かないので十分でしょう。ロックって意外と低周波数信号は無いのですよ。

次に、上の写真のようにキーボード横に置いた状態でのF特。両耳のすぐ横にマイク先端を近付けて計測しました。
F 2
青がL、赤がR。距離はLが約45cm、Rが約57.5cmです。距離は近いですが、デスク面の影響でF特は結構凸凹になります。ZAP君のようにスピーカを高く持ち上げればこの影響は緩和されますが、使い勝手がヨロシクありません。やはり自動音場補正の内蔵が望まれるところです。彼女は音楽クリエータ関係の専門学校卒なのでグライコくらいお手の物(なはず)。後はヂブンの耳を頼りに微調整してもらいましょう。

一昨日からZAP君はお休みにしてミニガマ君をずっと試運転中です。60Hz以下を無理にブーストしていないため、マドンナをかなりの音量で再生してもズンドコビート(約45~50Hz/約-12dB)は全くOKですし、春の祭典のバスドラ(約40Hz/約-6dB)でもブリブリにはなりません。また、AccuRadioのエレクトリック ズンドコメニュー「My Bass Weighs a Ton」(君のスピーカをテストしちゃうぞ!というノリのチャンネル)でもOKでした。ただ、ZAP 2.1chに比べればズンドコ感が物足りないのは致し方アリマセン。音量的にも、机の上に置いた状態で椅子に座った時の耳位置でベト5/Max80dBAオーバーは超楽勝でクリアします。上に書いた事情により、彼女も爆音再生しないでしょうから、ブリブリ問題に対しては余裕十分と言えましょう。という事で製品として合格!

いやしかし、即席で作ったミニガマ君ですが、なかなかヨロシ。さすがAlpair 5。ケロよりも良いお品をプレゼント出来そうです。もうAlpair 5は手に入らないだろうし、手放すのはちょっと惜しいけど、東京のオヂサンとしてはグッと堪えましょう。

久々のAlpair 5ですが、やはり明瞭さではA6Mよりも一枚上手かもしれません。2つを合体する前に、両手に持って左右の距離を拡げたり縮めたりしながら聴いてみましたが、恐ろしく定位します。キッショクワルーーー!。僕はこのように明確なステレオ感を極端に嫌います。気が散って意識を音楽にフォーカスしにくいというか、アクセスしにくいというか。。なんか不自然で落ち着かない。。オヂサンとDNAの一部を共有する姪もスッテレオなんか全く意識せずに聴いているだろうから。。。と勝手に判断して例のごとく左右をガッタイしました。左右の中心間距離は135mmしかありません。殆どモノラル。机の上に置いたモノラルラジカセでビトルズやKind of Blueを聴きながらオベンキョしていた中学生の頃を思い出しました。懐かしい。。。

次回はA6 ZAP君と一緒に、低音波形の歪み具合から馬鹿ブー方式の実質的な音量限界について検討を加えたいと思います。そのデータがまとまったら、マークさんにお約束している英語版ブログの記事を書く予定です。これもなんとか年内に果たしたいものです。

今日はユザワヤにガマ君のお化粧用材料を買い出しに行く予定です。なにせヘビメタ屋さんですから、オッサンクサイ木のヌクモリなんざ全く無縁でしょう。黒のレザーとクローム、それにドクロと鋲と鎖?ワイルドだぜい!

追記
オヂサンとしてはヘビメタ = デーモン木暮閣下的イメージなんですけど、そのイメージで作っても良いのかな?
ロックには疎いのでちょと心配ではアリマス。。

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2012年12月22日 (土) | Edit |
マークさんに約束していた3"ドライバの低音性能に関する比較テストを行いました。本当は先月中にご報告する予定だったのですが、ぐずぐずしているうちに年末になってしまいました。この後、黒ケロも作らないといけないし、年内の予定を早めに終わらせて、年末はユックリ過ごしたいものです。。。

今回比較したドライバは以下の通りです
名称 : 有効面積 、 能率 、 Xmax(コイル長/ギャップ高)
MarkAudio Alpair 6M : 36.3cm2, 85.2dB, Xmax 1.6mm(7.2mm/4mm)
MarkAudio Alpair 6P : 36.3cm2, 86.7dB, Xmax ?mm(4.7mm/?mm)
MarkAudio Alpair 5 : 27.3cm2, 84.5dB, Xmax ? (?/?)
AuraSound NS3-193-8A: 31cm2, 80dB, Xmax 3.1mm (6.5mm/12.7mm)
Fostex FE83E : 28.3cm2, 88dB, Xmax 0.15mm (4mm/ ?)

これらはメーカ公表値(一部マークさん情報)に基づきます。Xmaxは公表値ではなくコイル長とギャップ高から計算したリニア片振幅です。FE83EのXmaxはメーカ公表値ですが定義は不明、コイル長は壊れたやつから僕が計った実寸です。

ケロ君のウーハに使っているAuraSound NS3-193のXmaxが3.1mm(A6Mのほぼ2倍)と非常に大きい事が分かります。メーカデータによるとコイル長よりもギャップ高の方が大きくなっています。これとは対称的にFEのXmaxは0.15mmしかありません。さて実力の程は???

全て2.5L密閉のポチ箱(吸音材タップリ)で計測しました。

まずはF特です。計測距離は30cm。クリックで拡大してご覧ください。
Ftoku-2 copy
赤がA6M、青がA6P、ピンクがA5、緑がAura、黒がFEです。絶対レベルは波形計測結果を基に推定しました。正確なデータではありませんのでご注意ください。大雑把に言えば、Aura以外のSPLはほぼ同等であり、Auraのみ他から6dB程度低めです(メーカ値80dB)。

下は200~500Hzでレベルを揃えたグラフです。
Ftoku-3 copy
FE83は低音が全然出てません。A5も低めです。Auraは2つのA6とほぼ同等であり、振動板面積の割に低音がよく出ていると言えます。能率を落として低音を稼いだという事でしょうか。他のTSパラメータメータを比べてみればナニか言えるかもしれませんが、メンドクサイので止めときます。今回は低音大振幅時の挙動についてのみ評価しますね。

以下、40Hzの正弦波を入力した時の波形です。信号のdBはフルスケールを0dBとした値です(dBFS)。10cmの距離で計測しました。Icon AMPのボリュームはFULLですが、サウンドブラスタのDACの出力レベルは今まで使っていたのより低いようです。
6M 40Hz copy copy

A6P 40Hz copy copy
マークさんはA6PはXmaxが小さいから。。。とおっしゃっていましたが、意外と頑張りますね。

A5  40Hz copy copy
以前はコイツで馬鹿ブーやっていたのですよ。。。。

aura 40Hz copy copy
A5よりは低音能力は高いですが、巨大なXmax値の割には期待外れです。-9dBあたりから異音が出始めて高調波歪みが増加します。ボビンがどこかに接触しているのかもしれません。

FE 40Hz copy copy
低音性能の評価にFE83を含めるのはチョット酷かもしれません。Xmaxはたったの0.15mmですから、いくらパワーをかけても振幅は増えません。

次に、Alpair 6MとAuraをほぼ同一音圧振幅で比較してみました。Auraは能率が低いので、振幅を揃えるには信号レベルを約6dB高くする必要があります。左がA6M、右がAuraです。
6M - Aura copy copy
Auraの方が振動板面積が小さいのでやや不利ではありますが(同一音圧振幅を得るには振動板振幅を増やす必要がある)、-9dBから異音が発生して高調波歪みが激増するのは頂けません。個体差もあるので全ての製品でこの現象が発生するかどうかは分かりません。今まで6.5セット(13ユニット)のAlpairを評価しましたが、極端なブリブリになっても(またはArrestorにヒットするまでは)そのような異音が発生した事はありません。

最後に、FE以外の4つのユニットを、ほぼ同一音圧振幅で比較しました。
Compare all copy
Alpair 6Mは優秀ですね。3次歪みを見る限り、Auraは異音さえ出なければA6Pと同等の実力と言って良いかもしれません。これも良く頑張っていると思います。さすがケロ君のウーハ。。。ちなみに、ケロ君で使っていて異音が出た事はありません。これらはかなり厳しい限界条件での評価である事をご理解くださいませ。

ブースト方式はコンパクトでコストも下げられる商品性の高い魅力的な方式であると思います。特に大音量を必要としないデスクトップまたはニアフィールド アプリケーションに適するでしょう。また、メカトロ化と機械的設計の最適化によってその可能性は飛躍的に広がるはずです。

次回はAlpair 6Mのブースト方式がどの程度の音量まで使えそうなのか? 検討を加えてみたいと思います。オッタノシミニ!

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2012年10月28日 (日) | Edit |
英語版用にデータを追加したり、見やすくまとめたりしたので、掲載しておきます。

1) Dynavox PPウーハとAlpair10の4L密閉箱での比較
このウーハにはスケールステッカーを貼る場所が無いので振幅は計測できませんでした。なので4L密閉箱同士の比較です。IconAMPもパッシブプリもボリューム全開で、40Hz信号のレベルを変化させています。

PP vs A10 18

PP vs A10 14

PP vs A10 10

PP vs A10 8

PP vs A10 6
DynavoxもDayton同様3次歪みが多いですね。

2) オープンエアでの結果をまとめました。
左上(i)が1/2Xmax、下の(iii)がXmax、(iV)がXmax超えです。
Alpair 6M
A6M  40 matome copy

Dayton
Dayton matome copy

Alpair 10
Alpair 10matome copy
DaytonはAlpairに比べると4次、5次歪みも顕著に発生していますね。これに対し、どちらのAlpairも、そのような高次の歪みは殆ど見られません。

これらは下限周波数での結果ですが、そのドライバの素性の善し悪しをモロに露わにしてくれます。つまり、磁気的限界(Xmax)以内のこのように優れた振動板の運動特性は主に機械的ロスの少なさ(サスペンションが振動板の動きを邪魔しないという事、機械的コンプライアンスの高さ)に由来するものと思われ、従って全域に影響するであろうという事です。F80からAlpair5に交換した時に、「音楽」の聞こえ方の明瞭さにおいて全く次元が違うぜ!と感じさせられたのは、恐らくこのように優れた基本的素性によるものと思われます。F80では、どうしても、どこかベールが掛かったような不明瞭さ(音楽の聴きたい部分が時々聞こえ難くくモドカシイ)を覚え、ツイータやスーパーツイータを追加したりしましたが改善されませんでした。要は、Alpair5は入力信号に対してちゃんと真面目に動いてくれたという事なのだと思います。きっとね。。。

これから英語の記事を書きます。ではでは。。。

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2012年10月25日 (木) | Edit |
振動板の振幅の増加に伴って3次の歪みが増加し、耳にも明らかに音が変化します。良質な低音再生には、振動板の運動がXmaxを超えない領域で3次歪みをできるだけ低く抑える事が重要だと思われます。

では、音の波形は何故あのように3次歪みによって尖るのでしょうか?

普通に考えれば、振動板の振幅が増加するにつれて機械的および磁気的な非線形性によって波形のピークが抑えられ、波形が丸くなるはずなのに?????と不思議にお思いの方もいらっしゃるかもしれません。僕も最初は不思議に思いました。

実は、マイクロフォン波形で観測される音圧波形は振動板の変位波形と同じではありません。音圧波形の通りに振動板が運動しているわけではないという事です。音圧は振動板の移動量ではなく移動速度に比例します。つまり、音圧波形は振動板の変位波形を微分した波形として観測されます。

今回はそのへんをMicrosoft Excelを使ってシミュレートしてみました。Excelはこのような思考実験に非常に便利です。ソコソコ複雑な多質点系の振動問題でも、Excelであればプログラムコードを書かずに簡単にモデル化でき、結果を様々なグラフで表示できます。開発業務では散々使い倒しましたが、こいつでゴネゴネやっているうちにアイデアが閃いたという事が何度もありました。

では計算結果です。

まずは歪みなしの状態です。
歪み無し
青が振動板の変位です。これを微分して求めた音圧波形が緑です。微分といっても難しくありません。1周期の時間を500個のセルに分割し、各セル間の差を求めれば微分値が得られます(要は引き算するだけ)。音圧は変位の速度(つまり青い線の傾き)に比例します。従って青い線(変位)がゼロ点を横切る時(傾きの絶対値が最大の時)に緑の線(音圧)は最大または最小となり、青い線が最大または最小の時(傾きがゼロの時)に緑の線はゼロを横切ります。

次に、青の変位波形に3次の成分を段階的に追加してみましょう。

3次=2.5%
3次2.5
2.5%の3次成分を加えました。グラフには3次成分を破線で示しています(ゼロ点付近でフラフラしている波形です)。2.5%とは、基本周波数の振幅を1とした時に、振幅が2.5/100の3次成分を追加したという事を意味します。3次成分の追加により、青の変位波形のピークが少し丸くなり、緑の音圧波形が尖って三角形に近付く事が分かります。ね。。こうやってマイクロフォン波形が尖るんですよ。これくらい尖ると、正弦波音とは明らかに違って聞こえます。

3次成分をもっと増やしてみましょう。
3次=7.5%
3次7.5
3次=15%
3次15
今までお見せしたマイクロフォン波形の挙動を良好に再現できています。変位が頭打ちになる事によって、変位に3次の歪みが生じ、その結果として音圧波形があのような形態で歪むという事です。
シミュレーションでは変位波形に人工的に3次成分を追加しましたが、実際の現象は逆ですので注意してください。実際には変位が磁気的および機械的な非線形性によって頭打ちになり、「その結果として」3次の歪みが生じます。

磁気的な非線形性については以前の記事で詳しく書きました。振動板の振幅が最大線形振幅Xmaxを超えれば、磁力による駆動力が頭打ちになるため、3次の歪みが生じるのは当然です。

しかし、Xmaxより小さい振幅で生じる3次の歪みは抑えられるはずです。これには機械的非線形性が強く影響するものと思われます。つまりサスペンション(エッジとスパイダ)が十分にシナヤカでないと、少し変位しただけで振動板を引き戻そうとする力が非線形に増加し、従って変位波形の頭が抑えられて丸くなり、結果として3次の歪みが増加する。。といった具合です。

実際、Daytonウーハの場合、Xmaxより十分に小さな振幅でも3次歪みが目立ちましたが、これもサスペンション系の機械的非線形性によるものではないかと考えています(シナヤカでは無いという事)。これに対し、Alpair10の3次歪みがXmaxに達するまで低く抑えられているのは、マークさんご自慢の超薄ダンパと非常に柔らかいエッジに負うところが大きいのではないでしょうか(非常にシナヤカだという事)。しかし、このようにシナヤカでソフトなサスペンションを使って振動板を傾けずに大きな振幅で運動させるのは極めて難しく、非常に高い組み立て精度が求められるため、今のところラインで量産するのが難しいのだと思われます。市販されているドライバをざっと見渡しても、Alpairというドライバは非常に特異であるように僕には思えます。

ついでに2次の歪みについても計算してみました。

2次=7.5%
2次7.5
2次の歪みは、振動板の前進方向と後退方向で何らかの条件が非対称である事により生じます。上図から、2次歪みが増えると音圧波形は右方に傾く事がわかります。これは、Alpair10の限界近くの大振幅時の傾向と良く一致しています。Alpair10では3次歪みが目立たないため、このように2次の影響を顕著に見る事ができます。

2次の歪みが生じる原因としては、磁気回路の形状(どう見ても対称ではないですよね)、エッジのバネ特性(ダンパは形状的に対称)、コーンの剛性(コーンを拡げる方向とすぼめる方向で剛性が異なる)、密閉箱の空気バネの特性(空気バネは非線形)等によって生じると思われます。これらは簡単には取り除けませんが、聴覚的に2次歪みは3次歪みほど深刻ではないように思えます。ちなみに素敵な音がする真空管シングルアンプでは2次歪みが顕著に表れます。そういえば、スピーカの2次歪みを軽減する方法として、以前に「プッシュプル方式」を試した事がありましたね(参考記事)。こんな事しなくてもDSPをうまく活用すれば2次歪みを大幅に削減できると思います。そのうち実験君してみましょう。

通常は2次と3次の歪みが同時に発生します。
2次=7.5%、3次=7.5%
2次3次7.5
図では、2次と3次を7.5%ずつ付加する事により、片方の振幅だけ激しく頭打ちした状態をシミュレートしてみました。このような場合、変位波形は左右対称であっても音圧波形は左右非対称になる事がわかります。

シミュレーションは以上です。

次に、以上の結果を検証するために、実測の音圧波形から変位波形を逆算してみました。変位波形を微分すると音圧波形になるわけですから、音圧波形を積分すると変位波形が求まります。

方法は簡単です。
僕が使っているハンディオシロはデータをテキストファイルとしてエクスポートできるため、これをExcelに取り込めば計算できます。積分といっても簡単で、微分とは逆に各時間のデータを単純に積算するだけです(要は足し算するだけ)。

Alpari 6M (2.5L密閉)の実測波形を使いました。縦軸は全てオートスケールなので、絶対振幅はデタラメです。
実測1
実測2
実測3
実測4
実測5
と、まぁ、こんな具合みたいです。コメントは不要ですね。

以上です。

これからマークさんにお約束した英語版の執筆(主にAlpair10対他社製比較)に入るので、暫く更新はお休み。その後、8cmクラスの評価をもう一度詳しくやってみます。今度はケロ君のAura3"も評価する予定です。オッタノシミニ!

追記
僕がこのようにデータを使ってオーディオにまつわる現象を解析すると、音楽はゲージツ(とやら)だから。。。人間のカンセー(とやら)は。。。音楽家のジョーカン(とやら)は。。。オンガクセー(とやら)は。。。データでは表せない。。。とかなんとか申してデータを極端に否定的に扱う傾向が顕著に見られます。あのね、僕はなにもオンガクセーたらナンチャラカンたらジョーカンたらを計測しようとしているのではアリマセン。僕は「音楽再生」において超ウルトラ級に基本的なのに放ったらかしにされている現象を問題にしておるのです。

僕に言わせれば、素人が仕事机の上でチョイト簡単にできる実験で露呈してしまうような超ウルトラ級基本的問題に真っ先に取り組まず、表層的/微視的なナンチャラカンばかりを追い求め、その結果ホンマに必要なのか???と思われるような高額な装置が「オンシツ?」が良いと喧伝されている現状には全く納得が行きません。

再三申しているように、僕は「データが良ければ音は良い」というアプローチをとっていません。計測は全て後追いの確認のために行っています。例えば、LEANAUDIOの初期の頃、世の中は殆どバスレフ型なので、僕も当然としてバスレフ型から着手しましたが、どうしても気色悪く聞こえて最終的に受け入れる事ができませんでした。そのため現象を解析した結果、特定周波数に付帯音が現れ、過渡挙動が乱れる事をデータで確認できました。

例えば、僕はVictor製のパワードサブウーハよりもAlpair5をブーストした低音の方が質が高く聞こえ、このため振動板がもっと軽量な普通のウーハとしてPPコーン製の13cmウーハを試しました。しかし、やはり違和感はぬぐえず、自然と使わなくなりました(自然と手が伸びないというのが重要)。次に、振動板の材質を揃えた方が良いのでないかと考え、Dayton製のメタルコーン ウーハを試しましたが、結局A6Mのブーストを超える事はできず、やはり自然と全く使わなくなりました。最後に、Alpair10を思い切って導入する事により、やっと満足のできるクオリティの低音が得られ、常用するようになりました。今回のデータは、このような経緯を後追いで如実に裏付けていると言えるでしょう。

今までの僕の経験に照らし合わせれば、これも再三申しているように、耳に届く音波波形がソース波形に「ソコソコ概ね」近付けば、確実に音は自然になり(違和感を覚える事がなくなり、つまりヘンテコリンな現象がなくなり)、「音楽」の全体と細部を楽に聴きやすくなります。「音楽」(音楽家の表現行為の結果)をより良くより素直に受け止めようとするならば、表層的/微視的/瑣末的/付帯的/主観的/嗜好的/趣味的な「オンシツ」や「リンジョーカン」や「ナンチャラカン」をツイキューとやらする以前に、超ウルトラ級に基本的な「音楽再生クオリティ」をしっかりと整える事の方が遙かに重要です。この点が疎かにされては絶対になりません。でないと、いつまでたっても無限グルグル魔境を脱する事はできぬでしょう。

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2012年10月23日 (火) | Edit |
今回は密閉箱でのテスト結果を簡単にご紹介します。

Arrestorの作動を確認するために、最初は密閉箱に取り付けた状態で試験を行ったのですが、密閉箱ではArrestorの作動を明確には確認できなかったため、オープンエア状態での試験を行ったというのが、そもそもの経緯です。

密閉箱では内圧が働くため、オープン状態とは挙動が少し異なります。

Alpair6でボリュームを同じにして比べてみました。
A6M Open 2-3 A6M Sealed 2-3
IconAMP全開で、パッシブプリが約2/3の位置です。左がオープン右が密閉(2.5L)。密閉では内圧が働くので、同じ入力であれば少し振幅が下がって歪みが減少するように見えますが、波形のパターンが大きく変わるという事はなさそうです。

さて、限界ブリブリ試験の結果です。

まずはAlpair 6M
下はオープンでArrestorにヒットした時の波形です。
A6M Arrestor copy
Alpair 6MのArrestorは振動板振幅がコイル長を大きく超えないとヒットしません。もう少し浅くしても良いかもしれません。

下は密閉箱(2.5L)でArrestorにヒットしたと思われる波形です。
MM 0dB 40Hz
赤がArrestorあり、青がなしです。40Hz/0dB信号、IconAMP全開、パッシブプリも全開!(つまり僕のシステムの完全フルパワー条件)でやっとヒットしたみたいです。完全に3次の波形になっています。超ブリブリ!いゃぁぁぁ。。。怖かったです。。が、別に壊れたりはしませんでした。。。今も元気に鳴っています。

下は同じくフルパワー状態でのAlpair10の波形です。密閉箱の容積は4L。
Arresto 4_4
さすがのAlpair10も超ブリブリです。赤がArrestorあり、青がなし。Arrestorがヒットしたようには見えませんねぇ。。。。

下は、限界よりもボリュームを上げた時のAlpair 10の波形の変化を示しています。
A10 7_8
信号は全て40Hz/0dB、IconAMPは全開です。
青がパッシブプリが約3時の状態。オープンでは、この状態からボリュームを少し上げるとArrestorにヒットします。しかし密閉箱では、ここからボリュームを上げると波形が一気に崩れて緑の状態になり、フルボリュームで赤の状態になりますが、赤の状態でもArrestorにヒットしているようには見えません。

ついでに他の13cmウーハと同じボリュームで比べたデータも。。。
13cm woofer 3_4
13cm woofer 4_4
説明は不要ですね。

今回のデータは以上です。

40Hzのフル信号を入力してフルパワー(24W)をかけると、波形は殆ど3次成分だけになりますが、ドライバはへっちゃらでした。40Hz信号程度では、コイルが勢い余って過剰に飛び出す事は無いようです。ブリバリっと破壊するには、とんでもない信号レベルをステップ状に印加してコイルを一気に加速する必要がありそうです。僕が壊した時は、アンプのボリューム位置から考えてスピーカへの入力は100Wを大きく超えており(100Wステレオアンプをブリッジモードで使っていた)、その状態でアンプの入力信号ラインをブチッと抜いたので、凄まじいステップ信号が発生したのでしょう。もし壊れたら完全にユーザーの責任ですね。

お気づきだと思いますが、Alpair 10の歪み方は、今回テストした他のドライバとは大きく異なります。
他のドライバでは三次歪みの増加に伴って、
正弦波が尖り始める → 三角形 → 中腹が痩せ始める → 中腹が凹む → 波形が3山になる(ブリブリ)
といったパターンを見せますが、Alpair 10だけは完全に破綻するまで3次歪みはあまり顕著ではなく、全く突然に波形が崩れます。一体何が他と違うのでしょうか???不思議です。

他のドライバでは、振幅が大きくなるにつれて3次歪みが顕著に増加します。3次歪みは耳障りですので、できるだけ抑えたいところです。Daytonウーハのように、線形限界(Xmax)よりも随分小さな振幅であのように3次成分が多くて波形が三角では困りますよね。普通のウーハーってあの程度なのでしょうか???

そこで次回は、なんで3次歪みが増加するのか?ナニユエ波形は三角になるのか?ドーシテ波形は尖りだすのか?を簡単なシミュレーションを使って解明します。なかなかオモシロイですよ。オッタノシミニ!

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2012年10月20日 (土) | Edit |
お待たせしました。

今回は振動板の振幅と波形の計測結果をお見せします。

なお当ブログを今回初めて読まれる方は、1つ前の記事を必ず先にお読みください。でないとチンプンカンプンかもしれません。

写真は振幅を計測するための実験君セットアップです。あいかわらず超雑。お仕事の休憩中にチョコチョコっとやるだけですから。。。
test config
iPadのカメラなので写りは最悪ですがご容赦くださいませ。写真のドライバは、マークさんが送ってくださった保護機構(Arrestor)付きの改良型Alpair 10シルバーです。Arrestorとは、早い話が機械的に振幅を制限する(底打ちさせる)シリコン製のストッパです。僕が以前ブリバリっとA10を一台破壊したのを知って送ってくださいました。。。。あれは全く当方のアホなミスで壊れたのですが、他にもブリっとやってしまった方もいらっしゃるようで、ユーザ思いのマークさんは早速この保護機構を採用されたようです。

今回の一連の試験はArrestorの評価も兼ねています。評価の結果、A10のArrestorは丁度良く作動している事を確認できました。今後のロットに順次投入されるのではないでしょうか。ただし、前進側には何のリミッタもありませんので過信はなりませぬよ。1台ずつ大切に組み上げられたドライバです。正しく使いましょう。。。と言える立場ではないですが。。

上の写真でご覧の通り、ドライバを箱に取り付けないオープンエア状態で評価しました。使うのはカメラ、照明、マイクロフォンです。

<計測方法>
ボビンに2mmおきのスケールと三角マークを印刷した紙を貼り付けます。
ラベル1 copy
まず静止状態で撮影し、PhotoShopでスケールの画像からピクセルあたりの長さを計算しておきます。次に正弦波信号をドライバに入力して振動板を上下させてシャッター速度1秒で撮影します。当然画像はブレますが、上死点と下死点では一瞬運動が停止するため、三角マークの残像?が比較的はっきりと写ります。それらの位置をPhotoShop上の座標で読み取って、実際の移動量に換算するという算段。。。。
アーーーーーメンドクサ。。。
でもね。。途中からそんな面倒臭い事しなくても良い事がわかりました。なんと運動中のスケールを目で簡単に読み取れるのですよ。2mm、4mm、6mm...の振幅では、2mmおきのスケールの線が重なってハッキリと見えます。慣れてくると目分量で奇数mmの振幅にも調整できました。楽勝じゃん! カメラは不要ですね。。。今度やる時は1mmおきに長短のスケールを印刷した紙を貼り付けようと思います。。

それでは結果をご覧ください。

1. Alpair 6M 40Hz
Alpai6M 40Hz copy
上の写真はブリブリが始まる直前の状態です。これ以上振幅を上げると、波形の中腹の平らな所が凹み始めて、1周期3山の波形(ハチマル用語の「ブリブリ」)になります。で、このブリブリ一歩手前の状態の写真から読み取った振幅は4.3+4.1=8.4mmでした。つまりA6Mのコイル長=7.2mmを既に超えています。ただし、コイルはまだ完全にギャップの外に飛び出していません(11.2mmを超えると完全に飛び出す)。
ふーーーん。こういう状態だったんだぁ。。。よくわかりました。実験てオモシロイですね。

では振幅の小さい方から見て行きます。
A6M 40 2mm A6M  40 3mm
図中の振幅の値は両振幅(pp)です。A6Mの最大線形片振幅Xmax=1.6mm (両振幅で3.2mm(pp))ですから、右側の3mm(pp)がほぼ線形限界状態に相当します。3次高調波の増加にともなって波形が少し尖り始めています。

A6M  40 4mmA6M  40 6mm
Xmaxを超えて4mm(pp)になると3次高調波成分は2次よりも高くなり、波形は三角形になります。聴感上3次高調波は耳触りです。右側の6mm(pp)はまだコイル長(7.2mm)以内の振幅ですが、波形は大きく変形しています。良質なトーンを得るにはやはりXmax=1.6mm (3.2mm(pp))あたりを正味の限界と考えた方が良さそうですね。

大した事ないように思われるかもしれませんが、次のDaytonウーハの結果をご覧になれば、Xmaxまでまともに振動板を運動させる事がそう簡単ではない事をお分かりいただけると思います。また、50Hz以下の超低域で大信号が入るのはバスドラくらいなので、そのような音ではブリらない限りあまり気になりません。経験上、40Hz/-6dB信号で6mm(pp)程度振動しても実用上は許容範囲であろうかと思われます。

2. Dayton Woofer 40Hz
次にDaytonの13cmアルミコーンウーハ(DA135-8)の結果です。このドライバのコイル長は12mm、ギャップ高は6mm、Xmaxは3mm(片振幅)です。これは一般的に売られている13cmクラスウーハの標準的スペックです。
Dayton 40 3mmDayton 40 4mm
なんだか最初から2次よりも3次が高くて三角形気味です。Xpp=4mmで既に殆ど三角に見えます。

Dayton 40 6mmDayton 40 8mm
Xmaxに相当する6mm(pp)では既に相当歪んでいます。実力的には4mm(pp)程度が限界という感じでしょうか。Xmaxが約半分のAlpair 6Mと大して変わりません。以前の聴感評価では、A6M 2本とDayton 1本がほぼ同等の限界性能でしたし、音質的にはA6Mの方が良好に聞こえましたから、まぁ、こんなもんだと思います。磁気回路の寸法から単純に計算したXmaxだけでは、実力の程は分からないと言えましょう。2つ前の記事に載せたDyanavox製LW5002PPR-S 13cm PPコーンウーハの歪み具合もDAYTONウーハと似たようなものでしたから、このあたりが平凡な13cmウーハの実力と考えて良さそうです。

3. Alpair 10 40Hz
Alpai10 40Hz copy
これは、限界ギリギリの大振幅状態です。これ以上振幅を上げると、例のArrestorにヒットします。薄いブルーの波形がArrestorに接触した時の波形です。この時の写真から読み取った両振幅は7.4+6.3=13.7mmです。A10のコイル長=16mmと最大線形片振幅Xmax=5.5mm (両振幅で11mm)のほぼ中間ですから、Arrestorが効き始める位置としては丁度良いのではないでしょうか。

Alpair 10 40 4mmAlpair 10 40 8mm
右側のXpp=8mmをDaytonの8mmと比べれば、Alpair 10の優位性は一目瞭然です。

Alpair 10 40 10mmAlpair 10 40 12mm
Xmax=5.5mm (両振幅で11mm)に近付くと、さすがに2次成分が目立ってきます。しかし3次成分が2次成分より低いままなので、さほど耳障りではありません。また波形は右方に傾き始めますが、大きく破綻せずにXmax超えの12mm(pp)を経て最終的に上のXpp=約14mmでArrestorにヒットします。僕の常用音量では明らかに過剰性能です。なんだか凄いですね。20kHzまで極めてフラットな特性を持つフルレンジドライバなのに。。。

このようなサイズの振動板を、10mmを超える振幅で、どこにも接触させずに正常に往復させるのは並大抵の事ではないでしょう。ほとんどアクロバティックです。。。これは、ご自慢の超薄スパイダーと非常にソフトなエッジ、それと、ラインに流さず1個ずつ日本人技術者がラボで組み上げるという高い組み立て精度のなせる技と言えます(量産型のCHRはラインに流している。Alpairはガンダムですか?)。先日、「これじゃあ儲からないでしょう?」とお伺いしたとろこ「いゃもう、パッション(情熱)だけでやってるから。。」との事。正に「事」に「仕える」といった感のあるマークさんでした。ナカジマさん、大変ですねぇ。。。Alpairとマークさん、尋常ではないと思います。僕としてはCHRがOEMで大量に売れる事を切に願います。

なお、このように良好な大振幅特性は、元々ブーストを想定したものではなく、常用域のリニアリティとコンプライアンスを徹底的に追究した結果であると思われます。それが僕のブーストコンセプトにたまたま適していたという事でしょう。もしAlpair5を使っていなかったら、このコンセプトには多分辿り付かなかったと思います。だいたい、サブウーハの100Hz以下の低音よりも小さなA5をブーストした低音の方がクオリティが高く聞こえたわけですから。たぶんサブウーハの高調波歪みが高かったのだと思います。平凡なドライバをブーストしても、そらアカンでしょう。。。。F80(多分Xmaxは0.5mm程度)を使っていた頃も、絶対にブーストを試したはずなのですが、記憶に残っていないところを見ると、ちょっとやってみて直ぐに止めたのではないかと思います。

このような実験を重ねるたびに、Alpairというドライバはつくづく特別であるように僕には感じられます。高域性能に注目が集まり気味ですが、Alpairの真価は音楽再生の土台たるべき低音再生クオリティにあると言って良いでしょう。つまり、このような大振幅での優れた特性があればこそ常用振幅域で高いクオリティが得られるという事です。これは、表層的なオンシツを徒に追い求めた小手先の手業ではなく、モノゴトの根本/本質を見据えた真に真当/真正直な技術的アプローチであると言え、そこにこそAlpairのヒミツがあると言えます。このようなアプローチを取らない限り真の「良い」結果(音)には辿り付きません(手業で表層的な面ばかりを追い求めたのではグルグル回るだけなのです)。技術開発とはこうでないとイケマセン。。技術屋としての僕のマークさんに対する尊敬の念はますます高まりました。

次回は密閉箱でArrestorの効果を確認するために行った超ブリブリ限界再生の結果をお見せする予定です。いやぁ。。最初はビクビクもんでしたが、スピーカってそう簡単には壊れないものですねぇ。。。

追記
マークさんに、こんな企業秘密的な情報を公開しても良いのですか?と確認したところ、むしろ積極的に公開を望まれておりました。何でも書け、全部書け。と。。英語版ブログへの掲載もお約束しました。向こうのフォーラムでも驚くほどオープンに情報を公開しておられます。

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2012年10月19日 (金) | Edit |
シリーズ2回目の今回は、Xmaxとはナニなのか? について書きます。計測データは次回の記事に掲載します。スミマセン。。。

下はドライバの断面図です。
Xmax 1
赤丸の部分を拡大したのが下図です。
Xmax2.jpg
この図には2つの重要な寸法を記載しています。1つはコイルの長さ(当ブログでは「Hc」とする)、もう1つはギャップを形成するワッシャの厚さ=ギャップ高(当ブログでは「Hg」とする)です。

下図は、ギャップに対するコイルの位置関係と、各状態で発生する力の大きさを示しています。
Xmax1.jpg
A: コイルの上端がギャップの下端に一致(コイルがギャップから完全に出てしまった状態)
B: コイルの上端がギャップの中心に一致
C: コイルの上端がギャップの上端に一致
D: コイルの下端がギャップの下端に一致
E: コイルの下端がギャップの中心に一致
F: コイルの下端がギャップの上端に一致(コイルがギャップから完全に出てしまった状態)

C~Dの範囲では、ギャップの全幅にコイルが存在するため、一定の入力から得られる力は一定です(線形領域)。コイルの運動がこの領域内に収まっていれば、概ね理想的やね?と言える領域です。ただし、実際にはギャップの外側のコイルもある程度の範囲で影響するため、実際に発生する力は細線で示したような形状になるはずです。

さて、Xmaxの値ですが、全く公表していないメーカもありますし、公表していても定義が異なる場合もあるため、なかなか厄介です。いろいろ調べてみましたが、上記の線形可動範囲の1/2(片振幅)をXmaxとする場合が多いようです。つまり、中心からCまたはDまでの距離をXmaxとするという事です。仕様表に「Maximum Linear Excursion」と書かれていれば、まずこの定義に従うと考えて良いと思います。片振幅で示される場合が多いのですが、両振幅(pp)で表記しているメーカーもあるので注意が必要です。コイル長とギャップ高の値が記載されている製品もあり、そのような場合はXmaxを簡単に計算できます。

以降、当ブログでXmaxという言う場合は、この定義に従い、「最大線形片振幅」と呼ぶ事にします。
Xmaxは下式により求まります。

Xmax = [コイル長(Hc) - ギャップ高(Hg)]/2

Mark Audioが公表しているXmax値は、この定義には従わず、概ねコイル長の半分(Hc/2)に一致します。上図で言えば、中心からBまたはEまでの距離に相当します。ちなみにB~Eの距離はコイル長に一致します。つまり、Mark Audioでは、コイルの端がギャップの中心に達するまでを有効可動範囲と考えているという事です。従って、上記の標準的なXmax値よりも1/2Hg大きな値となります。

例えば、Alpair 6M のコイル長は7.2mm、ギャップ高は4mmです(マークさんが教えてくれた)。これに従うと、最大線形片振幅 Xmax = 1.6mm となります。これに対しMarkAudioが公表しているXmax値は3.4mmです。随分大きいですね。なぜMarkAudioがこのような定義のXmax値を使うのか?は分からないでもありません。機械的運動性能に優れるMarkAudioドライバはXmax内で掛け値無しに動いてくれるのですが、そのへんの設計がエーカゲンなドライバでは、Xmax内でもかなり歪むようです。つまり、そのようなドライバの実質的なXmaxは公称値よりもずっと低いという事です。そのへんのデータは次回の記事でお見せします。

Alpair 6MのXmax = 1.6mmという値は、TangBand等のトラディッショナルな3"ドライバ(Xmax = 0.5~1mm)に比べると大きいですが、最新のかなりアグレッシブな設計の小径フルレンジ ドライバの中には同等以上のXmax値を持つ物もあります。例えばVifa NE95W-04のXmaxは1.75mmですからA6Mとほぼ同等です。

Alpair 10のコイル長は16mm、ギャップ高は5mmです。これに従うと、最大線形片振幅 Xmax = 5.5mmとなります(MarkAudio公表値は7.5mm)。市販されている13cmウーハのXmax値を調べてみましたが、僕が調べた範囲では最大で4mm、平均的には3mm前後でした。Xmax = 5.5mmというのは、同等サイズのウーハに比べて非常に大きな値です。しかも、Alpair10は、この線形範囲内で掛け値無しにガシガシ動いてくれます。凄まじいと言えるかもしれません。これについても次回または次々回の記事でデータお見せします。

実験君は振動板の振幅を簡単に計測する事ができました。次回は、振動板振幅と再生波形を照らし合わせながら、Xmaxがどのように波形に影響するのかを、お見せする予定です。オッタノシミニ!

追記
なお、Alpari 6Pのコイル長は6Mに比べて随分短く、低音ブーストのような使い方には適さないと、マークさんがおっしゃっていました。従って、6Pは今回の検討対象から除外します。ちなみに、TONO君に6Pを使っていますが、部屋がブーストしてくれるので、イコライザの63Hzバンドは-12dBです。つまり振幅をブーストするのではなく12dBも減衰させているという事です。従って低音苦手コンビである6P+TU-870でも特に問題を感じません。信号ブーストを必要としない「お部屋でブースト」は、ある意味理想的かもしれません。いやマジで理想的かも。よく考えてみましょう。。

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2012年10月16日 (火) | Edit |
密閉型ブースト方式についてシリーズで詳しく書く予定です。

今回は手始めにドライバの選択基準について。

ドライバを選択する際は、最大許容振幅(Xmax)とドライバの気密性(エア漏れしない事)が重要な選択基準となります。

1: 最大許容振幅(Xmax)
密閉型ブースト方式の欠点は、バスレフ型に比べて大幅に振動板振幅が増加する点にあります。従って限界振幅(Xmax)の大きなドライバを選択する事が重要です。今回は僕が愛用するマークオーディオ製Alpairドライバと他社製ドライバの低音再生波形の比較結果をお見せします。

8cmクラス ドライバの比較
Alpair6M、6P、5と、お馴染みFOSTEX製FE-87を比較しました。FE-87の振動板面積はAlpair5とほぼ同じです。Alpair6の振動板面積は少し大きめです。

まずはお馴染みのF特です。クリックで拡大してご覧ください。
8cm Ftoku copy
4Lの密閉箱(吸音材たっぷり)で計測しました。青がA6P、赤がA6M、黒がA5、緑がFE87です。200~500Hzの出力レベルがほぼ同じになるようにして重ね書きしています(FrieveAudioを使った計測では絶対レベルは不明です)。

50Hz/-6dB正弦波信号の再生波形を比較しました。
アンプはIconAMP、ボリュームは最大です。信号はブーストしていません。
各波形の振幅がほぼ同じになるように、パッシブプリのボリュームを微調整しています。
パッシブプリ: 約1/2ポジション (僕の普段のリスニングではこの音量を超える事は絶対にない)
50HZ MID copy
FE87(緑)は既にブリブリです。最も良好なのはA6M(赤)ですが、小さなA5(黒)が健闘しています。A6PはA6Mに比べると明らかに歪みが大きいですね。マークさんによると、MとPで磁気回路の設計が異なるそうです。振動板の剛性も関係しているかもしれません。

パッシブプリ: 約3/4ポジション
50HZ BIG copy
さすがのA6M(赤)も波形は尖ってきますが、他の3つに比べると明らかに優位です。

13cmクラス ドライバの比較
次に、Alpair 10フルレンジと2つの13cmウーハ(Dyanavox製LW5002PPR-S(PPコーン)とDayton製DA135-8(メタルコーン)を比較しました。

F特です。
13cm woofer Ftoku
青がA10、緑がDynabox(PP)、赤がDayton(メタル)です。Daytonのセンターキャップは気密性が無かったため、木工ボンドでコーティングしてエア漏れしないように改造しています(参考記事)。このグラフも上と同様に200~500Hzでレベルを合わせて重ね書きしています。

40Hz/0dB正弦波信号の再生波形を比較しました。8cmクラスの50Hz/-6dB信号よりもずっと厳しい条件です。IconAMPのボリュームは最大です。信号ブーストはしていません。
パッシブプリはは3/4ポジションです。さすがに、ちょっと恐ろしくて、各波形の振幅を揃えているる余裕はありませんでした。僕の普段の再生音量に比べるととんでもない大音量条件です。
13cm woofer 3_4
A10の波形(青)は他に比べて明らかに良好です。これで振幅を揃えるとA10の優位性はさらに際立つでしょう。ウーハーとして売られているドライバよりもフルレンジのA10の方が低周波の再生能力が高いというのも驚きです。

今回比較した中では、マークオーディオ製Alpairドライバの低音再生限界が高い事がわかります。これは最大許容振幅(Xmax)が一般的な他社製ドライバに比べると非常に大きく設計されているためです。Xmaxに関しては、次回の記事で詳しく書きたいと思います。なかなかオモシロイ実験結果もお見せできると思いますのでオタノシミに。

2.ドライバの気密性
密閉型ではスピーカシステムの気密性が非常に重要です。箱はもちろんの事、ドライバ自体にも気密性が必要です。このため、フェイズプラグ付きやコアキシャルタイプは適しません。このようなタイプのドライバでは、下図のようにギャップからエアが漏れてしまいます。エアが漏れると気流ノイズが発生するだけでなく、低周波領域の出力も明らかに低下します。
スピーカー断面 copy
従って、Alpairのように気密性のあるセンターキャップ型または、Auraのような逆ドーム型を選ぶ必要があります。また、上のDaytonウーハのようにセンターキャップに気密性のない素材(布等)を使っている場合もNGです。

フェイズプラグ型の大御所といえばB&Wですが、彼らもこのエア漏れ問題を認識しており、最近発売したPM1のウーハにはフェイズプラグを採用していません(参考記事: B&Wも言っているフェイズプラグの問題点)。その理由として、トールボーイ型のミッドバスとして使う場合はフェイズプラグ付きで問題ないが、小型モデルのウーハとして使う場合にはフェイズプラグ付きでは気流音が生じるため適さないと堂々と述べています。CM1とかドースンノヨ?

また、大概のドライバのフランジの気密性はあまり良好ではありません。バスレフ型ではさして問題にならないでしょうが、小容積の密閉型ブースト方式では箱への取付に細心の注意を払う必要があります。パッキンを自作したり、シール剤を併用するのも効果的です。A10のフランジ面にはビード付きのラバーパッキンが貼られているので、大概は問題無く取り付ける事ができますが、A6の場合、付属のパッキンだけではエア漏れしてしまった事が何度かあります。プラ製フランジなので、あまり強く締め付けるわけにも行きません。なので僕はエアコン配管の穴塞ぎ用パテを併用しています。

ドライバを箱に組み付けたら、必ず50Hz程度の正弦波をある程度大きめの音量で再生して音と再生波形を確認するようにしています。エア漏れがあると波形は歪んでいないのに変な音がするのですぐに分かります(慣れるまで分かりにくいかも。。。僕も最初はそういう音なのだと思っていた)。漏れていそうな箇所に手を近付けると、微かに風を感じる事もあります。エア漏れチェックは非常に重要です。ゆめゆめ疎かにしてはなりませぬぞ。。。

次回はXmaxについて、興味深い実験データをお見せする予定です。ではでは。。。

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2012年05月08日 (火) | Edit |
今回は最終型ZAPシステムの計測結果と設定についてご紹介します。

final3.jpg
調整は「Gain」(音量レベル)、「Freq」(ローパス フィルタのカットオフ周波数)、「Phase」(正相/逆相の選択)の3箇所で行います。

Mode 1:  Frieve Audioを使わない場合
いわゆる一般的なアドオン式サブウーハとして使う場合の設定です。これはiTune、ネットラジオ、DVDやCDの直接再生等、Frieve Audioを介さない再生用に使います。マドンナを聴きながら聴感で良さそうな設定を探した後に測定してみました。
Final0011.jpg
青がAlpair 6Mのみ。赤がAlpair 10をアドオンした状態です。正相で接続しています。クロスオーバーは約100Hz。40Hzまで十分に再生してくれます。

Mode 2: Frieve Audioを使う場合
1本の小径ドライバで音楽のほぼ全帯域を位相遅れ皆無で再生してしまうという、他では得られない馬鹿ブースト方式の良さをできるだけスポイルしないように、50Hz以下の超低域だけをサブウーハで補うモードです。50Hzまでのブーストであれば、Alpair 6Mは十分な再生能力を持っており、大信号時に問題が生じる50Hz以下の超低域だけをサブウーハで補います。Alpair 10は、例の「春の祭典」の超絶バスドラ(35~40Hzのほぼフルスパン信号)も難なく再生してくれるので、矢でも鉄砲でも持ってきやがれです。
final002.jpg
青が50Hz~8kHzでフラットに補正した状態、赤がこれにサブウーハをアドオンした状態です。「Freq」(サブウーハーのカットオフ周波数)は最低位置(左に回しきった状態)です(実際のクロスオーバーは約50Hz)。「Gain」は上記の1)の場合と同じです。こちらも正相で接続しています。今までイロイロ試した中で間違いなくベストの結果が得られました。

小音量で聴く場合、人間の耳には低音が聞こえ難くなりますが、サブウーハを調整する事によって簡単に補正できます(ラウドネス補正)。プレートアンプの操作パネルを背面ではなく前面に向けて取り付けたおかげで、例えばベースラインが聞こえ難いなと感じた時に、仕事を中断する事なく左手をちょいと伸ばして調整できるので頗る具合がヨロシ。 基本的にMode 1では「Gain」を調整し、Mode 2では「Freq」を調整します。窓を開けて仕事する事が増えるこれからの季節、音量をあまり上げられないので重宝しそうです。

という事で、ZAPシステムの開発はここに完全終結しました。

今までの経験から、これ以上イヂッテも、ちょいとした気分や体調や環境騒音等の変化でグルグル同じところを周りそう(富士の樹海)なので、あくまでも「音楽」を聴くための「道具」として扱う場合、これ以上深入りせぬ方が賢明との判断です。

諸々の物理的および心理的な周辺条件の変化による音の感じ方の変動幅(耳の聞こえ具合だって血圧や気圧によっていつも同じではない)に埋もれてしまいそうな微小なオンシツのチガイに拘り始めるとキリがありません。例えば、二者を短時間で切り換えて直接比較すれば、微小なチガイを聞き分けられるのでしょうが、一部の楽曲のそのまた一部のパートを聴き比べて、その時の「好み」や「気分」でどちらかの方が「良い?」として選んだとしても、その差が極めて微小であり「良い?」の基準ももっぱら主観によるため、さらに、比較の条件が限られているため、周囲条件や体調や気分や楽曲が変われば、また違って感じられ、結局、何かを変えてはまた直接比較して「良い?」方を選ぶといった行為をひたすら繰り返すはめになり、「良い?」の拠(よりどころ)となる確たる基準もないため、どんどん高額商品に手を出し(値段だけは数値で表せる、「高価な方が良い?はず」という思い込み)、それでも少しずつ確実に「良い」方向に向かうならまだしも、所詮はその時々の「好み」や「気分」の問題なので、一周して元と同じような状態に戻っても気付かず(しかし装置は確実に高額になっている)、何周でも同じところをグルグル回る富士の樹海を彷徨う事になりがちではないかと思います。まぁ、それ自体を「趣味」とするならば、それが楽しいのであれば、それはそれで結構な事だと思いますが、あくまでも実用道具として扱う場合、その轍を踏む事は絶対に避けたいものです。

本システムはオーディオ自体を「趣味」とするヒトビトが求めるいわゆる主観的な「良い?音」(「ヒビキカン」「オンジョーカン」「リンジョーカン」「クーキカン」「オンガクセー」「ジョーカンノツタワル?」「ゲージツテキナ?」「イヤサレル?」等の嗜好的、趣味的、表層的、付帯的なナンタラ感やカンタラ感)は一切持ち合わせていません。媒体に記録されている音楽情報をできるだけ正確に、余計な事をせず素直に「耳」に届ける事を旨としています。手っ取り早く言えば、カナル型イヤフォンの聞こえ方に近付ける事を目標としたという事です。

装置ソノモノへの拘り、微細な表層的オンシツのチガイの聞き分け、「あたかも生演奏のような」リンジョーカンやオンジョーカンのツイキュー等に興味はなく、媒体に記録された「音楽」(表現者の表現の結果、音楽のホンシツ)を専ら興味の対象とする場合、そのように素直に再生するのが最も「音楽」を聴きやすく、従ってホンシツにアクセスしやすく、自然で違和感がなく、従って本来の「調和」を保って美しく聞こえ、長時間聴いても疲れず飽きないというのが、3年間イロイロやった上でのハチマルの結論です。基本的にオーディオ装置には、表現者と鑑賞者の間のコミュニケーションを媒介するためのインターフェイスとして、正確に機能する事を第一に求めます。

「良い?」オトとやらで鳴らすために、あるいはオンシツやリンジョーカンをツイキューとやらするためにオーディオ装置を使うのではなく、アーチストさんが遺してくれはった音楽表現に素直にアクセスするためにオーディオ装置を使うと言う事です。全くアタリマエですが。。。

ご覧のように、このような超小型の密閉型システムでも40Hzまで難なく再生できます。このような装置は、大多数のユーザの現実的な使用環境において、巨大で高額なハイエンド装置よりも、「真の意味」での高い再生クオリティで、「音楽」をリスナーの耳に届ける事ができるでしょう。すなわちリスナーは「表現者の行為の結果」をより容易により深く受け止める事ができるでしょう。

マンションの一般的な個室であれば、余程の大音量を求めない限り、このクラスのシステムで全く十分だと思われます。だいたい、ご近所や同居人の事を考えれば、また、一般家屋の構造を考えれば、100dB近い大音量を鳴らせる環境などめったにないはずですし、再生音楽をそのような大音量で鳴らす必然性についても甚だ疑問です。音楽演奏専用に入念に設計された広々としたホールとは音響的および心理的に全く異なる一般家屋の、平行面で囲まれた直方体の小さな閉鎖空間の内部で、そのような大音量を鳴らせば、真っ当な感覚を持った人間であれば苦痛に感じて音楽を楽しむどろこではないでしょう。ほとんど拷問です。もちろん健康にも良いわけがありません。

追記
あえて「音」で「遊ぶ」なら、直熱式の真空管アンプを使ったモノラルシステム(一体型のラヂオみたいなのも良いかも、iPod用)を一度試して見たいとは思いますが。。結局使わなくなりそうで。。。ガラクタ増えるの嫌だし。。。。とりあえずTU-870 (モノラル化)とAlpair 6P (タンデム)で試してみるかな? そのうち。。。

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2012年05月06日 (日) | Edit |
久々のオーディオねたです。今日は写真だけ。

重い腰を上げてZAP BAS君をお化粧直ししました。これで完成!

final5.jpg
final1.jpg
バッフルにZAP本体と同じ本革を貼りました。本体の方はグレーで塗装していますが、こちらは未塗装のチョコレート色のままです。

final99.jpg
アンプの筐体を合板で自作して側面に固定しました。もう少しコンパクトにまとめたかったのですが、これが限界です。後方は電源トランス。天井にはクッションシートを貼って、上に物を置けるようにしました。

final3.jpg
操作パネルはインクジェットで作成。

これが3年間やったLEANAUDIOトライアルの結論。「音楽」を聴くだけのための必要にして十分なミュージック マシーンの完成です。iTuneやネットラジオ等、ソースを選ばずに十分な低音まで再生できます。Frieve audioを使う時は、基本的に8kHz~50Hzの範囲でフラットに補正し、50Hz以下の領域でサブウーハーをほんのりと効かせるといった使い方に落ち着きそうです。通常のジャズやロックでは大した効果はありませんが、春の祭典やマドンナ等の超低域に強い信号を含む一部の楽曲では具合よろしく聞こえます。次回は計測結果を交えて、そのへんをご紹介します。

追記1
連休中に不要物を思いっきり処分しました。大量に保管していた写真プリントは、コンテスト受賞作品やギャラリー展示作品を残して全て廃棄(全て画像データで残してある)。すさまじい量があったので、部屋の収納スペースが一気に広がりました。3年間でたまったオーヂオ関連のガラクタも一気に処分。改造したプレートアンプが正常に作動する事を最終的に確認できたので、不要になったチャンデバと業務用アンプも読者プレゼント用に既に梱包しました。これに関しては近々お知らせします。オタノシミニ。

追記2
5本指シューズに薄い中敷きを入れたところ舗装路でも走れなくはない状態になりました。それで調子に乗って野川公園までの一般道も5本指を履いたまま走って行ったところ、帰り道で右足のふくらはぎ(内側上部)に軽い肉離れを起こし、バスで帰宅しました。普段の生活にたいして支障はないのですが、違和感が完全になくなるまで、おそらく1月かそれ以上はランニングを控えた方が良さそうです。ネットで調べたところ、5本指シューズを履き始めた頃にふくらはぎを痛める方が多いようです。今まで使っていなかった足指(特に親指)を積極的に使うようになるので、鍛えられていなかった部位に負担がかかるためだと思われます。ということで、先週からスイムを再開しました(ほとんど半年ぶりです)。2kmくらい泳ぐのですが、最近の筋トレのおかげで明らかに速度が上がっています。ライバル?のオバチャンにあおられる事ももうありません。

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2012年02月22日 (水) | Edit |
ゼンゼン気が乗らないので、なかなか作業が進まなかったZAP BASS君ですが、やっと音を出せるようになりました。

慣らし中です。実は、Alpair10をまたブリッバリ!とやってしまって、さらにシワシワに。ドシェー。。なんとか指で扱いてシワを目立たなくしましたが、やはり見るに堪えず、もう1個新品を購入しました。新品では、もう絶対に実験君はやらない!と誓ったのですが、以前から考えていたあるアイデアを試してみたくて、結局マタマタ危険な実験君です。この性分だけは抑えようがありません。。。。

superBass.jpg
上のAlpair10は置いてあるだけではありません。2次の高調波歪みを改善するためのヒミツメカです(たぶん既知の技術だと思う)。振動板面積がダブルになるので、2次だけでなく全体的に歪みが減るはずです。別に1発でも全く余裕でOKなのですが、シワシワ君を使わないのもモッタイナイという貧乏人根性と、効果を確認したいという実験君根性から、こういう事になってしまいました。たんなる技術的興味だけ。。

慣らし後、計測したらまたご報告します。オッタノシミニ!

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2012年01月28日 (土) | Edit |
今回はZAP君スピーカシステムについて、計測結果を交えてご紹介します。

まずは細部の写真から。

Alpair 6Mのフランジ部です
A6.jpg
締め付けネジを8本に増やしました。実は、前の黒ZAPで使っていた合成皮革が比較的厚めであったため、ネジ部だけが沈み込んでフランジが変形し、一部クラックが発生していました。このため、今回の薄い本革貼りで4本締めしたのでは盛大にエアが漏れしてしまったというわけです。

Alpairの樹脂製フランジの取り扱いには注意が必要ですね。バッフル面は堅くて平滑である事が重要です。

という事で、フランジ裏面にエアコン配管の穴埋め用パテを詰めた上で、8本締めにしました。これでエア漏れは完璧に退治できましたが、数々の実験君を経験したAlpair 6Mは満身創痍。もうZAP君の改造は止めにしましょう。

小容積密閉箱では気密性が極めて重要であり、細心の注意を払う必要があります。特にドライバのフランジ部からの漏れには注意が必要です。箱に小さな穴を開けて空気を写真用ブロアで吹き込む方法でもチェックできますが、この場合、余計な穴を開ける必要があります。

これを嫌う場合、実際に音を出してチェックする事もできます。信号には40または50Hzの正弦波を使います。これを再生して振動板を大振幅で振動させた時、エア漏れがあると直ぐに音で分かります。フェイズプラグ付きのドライバだと明らかに異常に聞こえるでしょう。

今回はフランジが歪んでいた事もあり、各ネジの締め付けトルクも、この音を聴きながら微調整しました。ボリュームを上げてゆくと、ある時点からボビンの接触によると思われるビビリ音(エア抜け音とは異なる)が出たため、これが出なくなるように各ネジのトルクを調整し、ビビリ音が消えたら、さらにボリュームを上げながら、トルク調整を追いみました。つまり、フレーム全体の歪みをフランジの締め付け具合で取り除いたという事です。この結果、限界振幅をかなり改善する事ができました。このような調整は、スピーカを立てた状態(すなわち実際に使用する状態)で行う必要があります。ボビンは重力によって偏心するため、ドライバを水平にした状態(上に向けた状態)で調整してから立てたのでは良好なな結果は得られません。

新品ドライバにこのような調整が必要かどうかは分かりませんが、今回のように何度も組み付けをしてフレームが歪んでいる可能性のあるドライバや、バッフルの平面度に問題がある場合には、効果があるかもしれません。

A6TOP.jpg
これはZAP君の上面です。いかにも「電線」という感じのスピーカケーブルを引き回すのが鬱陶しいので、Icon AMPを直結できるようにしました。電線がゴチャゴチャいっぱいあるのは見た目も良くないので大嫌いです。

ZAP箱の表面には、ユザワヤで安売りしていた半端物(穴、傷あり)の本革を貼ってみました。本革は、湿らせると良く伸びるので、作業は楽です。合成皮革ではこうは行きません。凹凸のあるフロント側も1枚で貼れました(濡らした皮を引っ張りながら各所をステープラで仮止めし、これを完全に乾かすと、そのままの形になる)。とても綺麗に貼れたのですが、チョコレート色がどうもヂヂクサク見えて気に入らなかったので、憧れの4311風つや消しグレーで塗装し、ついでにスピーカのフランジ部とIconAMPのケースも同色に揃えてみました。イカガでしょうか???

お次はZAP BAS君です。
A10.jpg
まず、振動板に放射状のシワが見えますね。実は、アンプ(CP400)の電源が入った状態で、誤って入力信号ラインを抜いてしまい、「ブー、バリ!」と大音響が発生。その時に振動板がビローンと前に付きだして、シワができてしまいました。トホホです。恐るべし、業務用ハイパワーアンプ。。一個ずつMさんが手作りした貴重なドライバを、こんな事にしてしまい、申し訳ないやら情けないやら。。。幸い、F特にも超低音の正弦波にも、明らかな影響は見られませんでしたが、Alpair10をサブウーハーに使うなんぞという不埒な行為に天罰が下ったのでしょうか?

箱はDENONコンポの超補強改造箱ですが、表面をジルコンサンドでコーティングしています。箱の表面に透明ニスを厚めに塗り、その上にジルコンサンドを均等に撒いて固めました。別にオンシツ的効果を狙ったわけではなく、砂吹きつけ塗装風を狙ったのですが、上からラッカーを塗装するとゴジラ松井の顔面風になってしまい、大失敗です。塗装前の状態は、砂岩でできた箱みたいで、とっても頑丈そうに見えたのですが、グレーを吹き付けるとコンクリートの塊みたいになってしまいました。ちょっと見るに堪えないので、フロントバッフルにはインクジェットでグレーに印刷した高級画材用紙を貼り付けて応急措置。そのうち綺麗に仕上げたいと思います。

BAS君の後部です。
A10 rear
ケロ君と同様に3mHのコイルを挿入しています。これは無信号時のサー音を完全に除去してくれます。支柱にはZAP君と同じく、不要になった卓袱台の脚を使っています。スピーカの上部と下部を支柱に固定しているので、ビクともしません。

細部の紹介は以上です。

次に、いつもの計測結果をお見せします。
ftoku_20120128081605.jpg
リスニング位置(65cm)で計測。赤がBAS OFFです。180Hz近辺のディップは部屋の影響。チャンデバの目盛り上のカットオフは60Hz。今回はメインSP側もチャンデバを通してローカットしています。マイクは左右の中央に設置しているので高域は落ち気味ですが気にしないでください。このように、デジタルイコライザでブーストしなくても、ソースを選ばず、十分にフラットな低音特性が得られます。

次は過渡応答性の評価です。

F特補正をONにした状態で、位相遅れ補正のONとOFFを比較しました。最近、200mほど離れた所で工場の解体工事をやっており、かなり低周波の騒音が入るため、あまり精度の良い計測はできていません(波形がフラフラする)。

BAS ONの2.1chでの結果
21 phase
赤が位相補正OFF、青が補正ON。補正無しで約90°の遅れに見えます。補正しても少し遅れが残ってしまいましたが問題ないでしょう。補正しても1発目の波形はかなり崩れています。

BAS OFFの馬鹿ブーでの結果
A6 phase
同じく赤が位相補正OFF、青がON。アナログフィルタを全く介さない馬鹿ブー方式の方が応答性に優れます(今回はリスニング位置で計測しているので、以前にお見せした20cmでの計測結果ほど完璧には補正できていませんけどね)。特に1発目の波形の再現性は馬鹿ブー方式が明らかに優れます。今までに試した2.1または2.2方式でも、1発目のアタックの再現性が馬鹿ブー方式に比べると明らかに劣るという事を、様々な楽曲の波形で確認しています。このあたりが、特にジャズを聴く場合に、馬鹿ブー方式に手が伸びてしまう理由かもしれません。

今までに馬鹿ブー方式から主役の座を奪ったパワードウーハー方式はありません。はてさて、今回はどうでしょうね。暫く使って見ないと何とも言えません。

バスレフ型では、この初期のアタック波形がさらに崩れます。ハチマルが思うに、位相の多少の遅れは大して重要ではなく、アタックに対する初期応答性が重要なのではないかという気がしています。そのへんについては、追々確認したいと思います。

今回は、メインSPもチャンデバを通してみましたが、なんかイラッとさせられる事があるので、結局従来通りのアドオン方式に戻しました。次回は、そのへんについて書いて見ますね。

ではでは。。

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2012年01月26日 (木) | Edit |
ご無沙汰です。仕事の合間にゴニョゴニョとやってました。
で、現在こんな状態です。。というのが今回の内容。

テキトーに調整して聴いていますが、非常にヨロシかと思います。今まででベストかもしれません。これから計測しながら微調整します。

今回はとりあえず写真だけ貼っておきます。ご覧ください。

_1000129.jpg
リスニング位置からの眺め

_1000130.jpg
New ZAP君と仲良しのピジョン君。Icon AMP君は直結です。Alpair 6MのフランジとIcon AMPのケースの色もお揃いになりました。

_1000131.jpg
新しい仲間ZAP BAS君。Alpair 10のフランジの色もお揃いに。。

_1000133.jpg
左からヘッドフォンアンプ、おなじみパッシブプリ(トグルSWが2つ付いてますね)、真空管バッファ、お仕事PC用のDAC(5.1ch対応だよ、DenDAC壊れたので)。手前のは超小型のワイヤレス キーボードです。

_1000135.jpg
デスク左横。上から、USBディスプレイと音楽用PC、ウーハ駆動用パワーアンプ、チャンデバ、電源ユニット(買ったよ)。このへんはもっとリーン&コンパクトにしたいですね。

。。。。という状態です。

これから順次詳しくご紹介します。

オッタノシミニ!

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2012年01月15日 (日) | Edit |
Alpair 10の設置方法が決まりました。ZAP君と同じ方法で窓枠にガッチリと固定したので、デスクを振動させる事なく超低音をブリブリ再生できます。さてその実力は如何に?

new.jpg
結局、DENONコンポの改造箱を使用しました。容積は約4Lです。コンポスピーカのあまりに酷い音に激怒して、ガチガチに補強したので、恐ろしく頑丈です。板厚はバッフルが30mm(集積材、一部15mm合板で補強)、その他が24mm(9mmパーチクルボード+15mm合板+一部制振パテ)。

正面上方(左右スピーカのセンター)に設置しようと思ったのですが、見た目の圧迫感を嫌って左方に設置し、数日間この状態で聴いてみた上でOKと判断しました。後でお見せするように超低音の再生クオリティが飛躍的に向上した事と、同じAlpair同士という事もあり、今まで試したパワードウーハ方式の中では最も自然に聞こえます。最初っからAlpair 10をウーハに使えば良かった。高価だし、20kHzまでアタリマエに再生してくれるフルレンジをサブウーハに使うのはもったいないと思って躊躇したのですが、今となっては安物買いの銭失いでしたね。随分遠回りをしてしまったものです。。。。。(でも逆に、貴重な知見がイロイロ得られたから、それはそれで良かったとも言えるか)。

以下、-6dBの正弦波の再生波形です。

40Hz/-6dB ハチマル実用限界ボリューム(Icon 2時/プリ全開)
new_40.jpg
今までのAlpair 6M馬鹿ブーや13cmウーハでは激しく歪みました(トンガリモードを超えてビヨンビヨンになる)が、Alpair10はへっちゃらです。このボリュームでは40Hz/0dB信号まで大きく破綻せず再生できました(下の-6dB/Icon全開とほぼ同等でした)。

40Hz/-6dB Icon全開/プリ全開
new 40 max copy
Iconのボリュームをグイッと全開にしました。それでもまだ3次歪みは2次歪みを超えません。十分に聴ける状態です。スゴイ!

30Hz/-6dB ハチマル実用限界ボリューム(Icon 2時/プリ全開)
new 30
30Hzでも余裕です。従来よりも高調波が劇的に減ったため、このボリュームだとハチマルには殆ど「音」として聞こえません。凄く静か。。。Iconフルボリュームも試しましたが、40Hzよりも歪みが少なく、波形は驚くほど良好でした!どして? でも、殆ど聞こえないから余り意味はない?

高調波歪みが大幅に低下したため、同じ正弦波信号を同じボリュームで再生しても今までより静かに聞こえます。特に30Hzは殆ど聞こえません。一般的に低域を本当に良好に再生すると(低歪みで再生すると)、低音の量感が落ちたように感じると言われます。これは、周波数が低いほど耳の感度が落ちるため、周波数の高い高調波成分が多いと耳には大きく聞こえてしまうためです。よく「良い低音は静かだ」と言われるのもこのためです。低域特性をフラットに伸ばすと「ドン」に聞こえるようであれば、正弦波を再生して波形を観察してみても良いかもしれません。駆動力の弱い真空管アンプだと、50Hzでもかなり歪んでいる可能性があります。

さてさて、これからZAP君ともども箱のお化粧に入ります。今回は本革貼りに挑戦!
オッタノシミニ!

追記
後で気付いたのですが、計測の時に真空管バッファを通していました。このような超低域でも真空管プリはゼンゼン問題ないみたいですね。真空管プリ付きでマドンナをガンガン聴いていましたが、やはり女性の声が魅力的に聞こえるような気がします。

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2011年11月20日 (日) | Edit |
久しぶりの実験君です。なかなか興味深い結果が得られたのでご紹介します。

普段は相変わらずFrieveAudio + Nuforce Icon AMP + Alpair 6Mの馬鹿ブースト(40Hzフラット)で快適に音楽を楽しんでいます。僕には、やはりこの馬鹿ブー方式が最も自然で気持ち良く聞こえます。「春の祭典」さえ聴かなければ全く問題を感じません。

フルレンジ ドライバ一発で真に音楽のフルレンジを再生できるというのは、「音楽全体の自然な聞こえ方、調和のとれた聞こえ方」という面で圧倒的に優れているように感じます。どの周波数で分割しようが、この自然さには適わないでしょう。音楽の周波数帯域に「ココ」という切れ目はありません。それを複数の出音源(ドライバ)に分割するというアプローチは、考えようによっては、デジタルブースト方式よりも、余程「無理矢理」で「強引な」やり方に思えなくもありません。

さて馬鹿ブーに関して、50Hz以下の超低音領域での正弦波の再生波形が、なぜあのような形態で歪むのか、以前から釈然としませんでした。超低域の歪みがドライバの機械的な限界に起因するのであれば、波形は単純に頭打ちになって丸くなるはずです(振幅が過大であるために非線形領域に入るため)。しかし、実際には、高調波が顕著に現れて波形が尖ります。変ですね????どして????

これが機械的な問題によるものではなく、電気的および磁気的な問題によるものだとすると、アンプによって歪み方が変わるかもしれないぞ、と考えるのが実験君というもの。そこで手持ちのアンプ4台で波形を比較してみました。

供試アンプは下記の通りです。
- Nuforce Icon AMP: 24W (4Ω)、18W (8Ω)
- ONKYO A-905FX: 60W (4Ω)、40W (8Ω)
- KENWOOD KA-S10: 12W (8Ω)
- ELEKIT TU-870R改: 2W (8Ω)

スピーカにはAlpair 6M (1本だけ)を使用し、マイクロフォンをスピーカ前方約10cmに設置して音響波形を計測しました。

以下に、50、40、30Hzの0dB正弦波信号を再生した時の各アンプによる再生音響波形を示します。50Hzの音響波形の最大振幅がほぼ同じになるように、各アンプのボリュームを調整しています(50Hzで音量を同じに揃えたという事です)。普段の標準的ボリューム位置くらいだと思います。TU-870を含めるために、あまり大音量にはできませんでした。なお、グラフ中の数値は気にしないでください。カーソル位置の設定が正しくありませんでした。

●まずは50Hzの波形です。
50Hzまでは危なげなく確実にビシッと再生して欲しいものです。

Icon AMP /50Hz、ボリュームは12時
ICON 50

A-905FX /50Hz、ボリュームは9時半くらい
ONKYO 50
Iconに比べて2次が多く、4次が少なめ。波形はIconよりもやや尖り気味に見えます。

KA-S10 /50Hz、ボリュームは1時半くらい
KEN 50
波形を見ただけでも結構歪んでいるように見えます。FFTで見ても高調波は上の2つに比べると多めです。

TU-870 /50Hz、ボリュームは3時半くらい(ほぼ全開)
TU 50
50Hzでもかなり歪んでいます。これは比べるのが可哀想かもしれません。真空管式シングルアンプの場合、プラス側とマイナス側で振幅と波形が多少異なるのは、真空管の特性上ある程度仕方ない事です。また、それが独特の心地よさを演出してくれるわけですからね。

●次は40Hzです。
通常の曲では、この周波数領域の信号はそれほど高くありません。この周波数まである程度ビシッと再生してくれれば、過激なズンドコ系や最強バスドラにも対応できます。
Icon AMP /40Hz
ICON 40 copy
2次、3次によって波形が尖ります。ただし、マドンナのズンドコ信号レベルでも-12dB程度ですので、通常の再生時にここまで歪む事はありません。

A-905FX /40Hz
ONKYO 40
Iconよりも明らかに歪んでいます。2次が多めです。

KA-S10 /40Hz
KENWOOD 40
波形は905FXとほぼ同等。さらに3次が増加しています。

TU-870 /40Hz
TU 40
チッコイTU-870にこの領域の再生クオリティを求めるのは酷すぎです。

●最後に30Hzです。
この周波数ではソースの信号レベルは一般的に非常に低いため、あまり重要ではないと思います。
Icon AMP /30Hz
ICON 30
結構頑張っていると思います。

A-905FX /30Hz
ONKYO 30
Iconよりも明らかに歪んでいます。

KAーS10 /30Hz
KEN 30
意外にもIcon同等以上ですね。

TU-870 /30Hz
TU 30
。。。。。

と言う事で、アンプによって超低音の歪み方が異なる事がわかりました。この周波数領域で見る限りIcon AMPが最も優れているように思えます。A-905FXは定格出力が大きい割りには、ちょっと期待外れでした。定格出力の低いKA-S10が良く健闘しています(注: このアンプは4Ω負荷での動作を保証していない)。なお、トランスの小さいTU-870にこの領域の再生能力を求めるのは全く酷だと思います。ケロでは200Hz以下をサブウーハー用デジタル アンプに受け持たせているので問題はありませんが、この結果だけを見て真空管アンプは駄目だとは決して思わないでください。そこんとこヨロシク。

以上の結果を見ると、定格出力はあまり関係無さそうです。EIAJ(日本電子機械工業会)の定める実用最大出力というのがあって、これは1kHzで歪み率(THDだと思う)が10%!に達する出力とされているようです。TU-870の実測データを見た事がありますが、2Wというカタログ値はほぼ正確にこの実用最大出力に一致していました。ただし、各メーカがカタログに記載している出力値がこのEIAJに必ず準拠しているかどうかは定かではありません。

このような超低音の再生能力において、重要なのは「駆動力」と言われるやつなのでしょうか? あるいはダンピング ファクタと言われるやつなのでしょうか? 出自が機械屋さんなので電気系はどうも苦手です。「駆動力」というのが理論的にどのような電気的特性値によって定義されるのかよく理解できませんが、そのような「駆動力」の高いアンプを使用すれば、馬鹿ブーの限界を改善できる可能性があります。「駆動力」あるいは「ドライブ力」というのは、多くの場合、例によって極めて感覚的に捉えられているようですが、このへんを特性値としてキチンと定量化して欲しいものです。

今回の結果を見る限り、Icon AMPは安くて小さい割りに極めて優秀だと言えます。デザインがクールで超コンパクト。お値段は超お手頃。素晴らしい製品だと思います。国産品も頑張らないと。。

なのでNuforce社の上等のプリメインアンプIA-7 (最新はV3)には凄く興味があります。評判を見る限り、超ニュートラルで癖は一切なし、スピード感ブリブリ(ドラマーの方がドラムの音が他のアンプに比べて圧倒的にリアルだと言っている)、非常に明瞭、しかし音はカリカリし過ぎないという、ソース波形を素直に正確に再生してくれる「音楽再生マシーン」的アンプであるように思えます。
nuforce.jpg
普段聴いている生音に近い音が聞けるという事で
Nuforceを好むミュージシャンも多いとか
しかも、ハイエンド機としては超コンパクト
デザインもGOOD
価格以外はLEANAUDIOにぴったり
定格出力は100W

ドラムスがリアルって事は、きっと「駆動力」「瞬発力」が素晴らしく高いのだろうなぁ。試してみたいなぁ。とは思うのですが、定価が22マンエン。アンプだけに二ジューマンエン以上。これはもうハチマル的経済観念による許容範囲を遙かに超えています。Iconでも十分に満足できているわけで、50Hz以下の駆動力が大幅に上がったとて、実際に音楽を日常的に聴く上で、如何ほどの効果を実感できるのやら? せめてジューマンエン以下なら考える余地もあるのですが。中古を探しても、ほとんど出回っていませんでした。気長に探してみますか。。。デスクトップとハイエンドの中間的プロダクトラインを出して欲しいなぁ。。。

「音質」というと、どうしても「中高音」のキャラ(ナンタラ感)に耳目が集まるように見受けられますが、徒にディティールのオンシツに拘らず「音楽」を全体的に捉えながら聴く場合、僕には低音領域がビシッとバシッとしている事(スピード感というやつ?)が、「音楽再生クオリティ」にとって極めて重要な因子であるように思えます。音波波形の基本形状を決定付ける低音の再生クオリティこそが、音楽再生のキモだと言っても過言ではないかもしれません。Alpairドライバを非常に高く評価しているのも、大信号がドンと入った時にスパッと動いてビシッと止まるという、運動性能の高さ故ではないかと考えています。恐らく、Alpairに出会っていなければ、馬鹿ブーには辿りつかなかったでしょう。

Nuforceは、Mark audioと並ぶLEANAUDIOお気に入りブランドになるかもしれません。どちらもクオリティの高さを視覚的にもうまく表現しており、クールで理知的な製品イメージをしっかりと訴求しています。重厚長大ジョーカンタップシ木目調オーヂオとは明らかに異なる、新しくてカコイー オーディオを予感させてくれると言えるでしょう。音楽に限らずアートとは、常に若者が憧れる時代の最先端を行くカコイーものであるはずです。そんなカコイー音楽に深く関わるオーヂオも、もっとクールてファッショナブルにならないとね。

今時はヘッドフォンという事ですかね?
確かに、セッティングなんかで何も苦労せず、スピーカよりも圧倒的に高いクオリティの再生音を、安価に、周囲を気にせず、手軽に聞けるわけですから、人気があるのも納得です。僕は極めて現実的で賢明な選択だと思いますよ。特に密閉型ヘッドフォンやカナル型イヤフォンで低音ビートの正確なノリを体験してしまうと、そんじょそこらのスピーカでは満足できませんやね。

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ヘッドフォン少女、いいですね

オッチャン達のように大層な装置で、コマケーオンシツやリンジョーカンにやたら拘って聴くよりも、余程素直に「音楽」を楽しめますよね。装置なんぞに苦労せずに、高いクオリティの再生音で大好きな音楽に集中できる事は、とても大切です。若者がヘッドフォン再生で気軽に音楽に親しむ事に、とかくアータラ言う向きもあるようですが、大層な装置をトッカエヒッカエして、オンシツやリンジョーカンにやたら拘って聴くのが「エラク」て「ジョートー」な音楽の聴き方では決してありませぬ。「エラソー」にしてるけど、あれはアーユー「趣味」だと言うだけです。装置の事など一切気にせず、必要十分な本当の意味での良質な再生クオリティで、自分の大好きな音楽を、自分なりのスタイルで、カッコよくガンガン楽しむのが何よりです。

でも、オウチで聴くには鬱陶しくないかい? 僕は最近とっても上等な密閉型モニタ ヘッドフォンを早朝に愛用していますが、CD 2枚が限度だな。音は申し分ないのだけど、あの装着感がね。。。ま。。だから苦労してLEANAUDIOを開発したというコトです。

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2011年11月02日 (水) | Edit |
今回はマークオーディオのAlpairについて、思うところを書いてみたいと思います。

僕は基本的に「オンシツ?」ではなく「音楽再生クオリティ」を求めると書きました。そうすると、キツイ音、死んだ音、楽しくない音、ジョーカン?とやらの伝わらない音、ウツウツとした音、ゲージツ的?ではない音、カラダに良くない音?癒されない音を、やせ我慢して聴いているのではないか?と思われるかもしれません。しかし、僕が主観的に感じるオンシツでは、付帯音等を徹底的に除去して素直に再生した音の方がずっと自然で美しく響くように聞こえますし、長時間聴いても疲れません。逆に、装置で響かせた場合、様々なジャンルの曲を聴いているうちに、なにがしか不自然さや不快感を覚えて耐えられなくなります。

ただ、最近になって、LEANAUDIOのアプローチを振り返ってみると、付帯音の徹底除去にせよ、馬鹿ブーストにせよ、Alpairを使用したからこそ可能であったのではないかという気がしないでもありません。例えば、以前の記事に書いたように、F80では吸音材を入れる事を嫌いましたし、恐らくF80でもブーストを試みたはずなのですがAlpair5のように深追いはしていません (よく覚えていないが、自分の性格上一度はぜったい試したと思う)。果たしてAlpair以外のドライバでもLEANAUDIO方式でこのように良好な結果が得られるのかどうか。。。もしかしたらAlpairというドライバが非常に特殊なのではないか?という気が最近しています。

実は、開発者のMark Fenlon氏(以下「マークさん」)には、来日された際にお会いした事があり、実に楽しい時間を過ごす事ができました。僕の技術屋としてのキャリアも既にご存じでしたので、お会いした瞬間からお別れする瞬間まで、僕にとってはほんとに久しぶりのテクニカルなディスカッションを存分に楽しむことができ、時間はあっという間に過ぎてしまいました。

マークさんは一言で言って、純粋熱血系一直線技術屋です。食事中でも突然なにか思い付くと、ナプキンにスケッチを殴り書きしてこれどう思う?といった調子で、24時間スピーカの事ばかり考えているという感じでした。僕も現役時代は同様でしたので、すっかり意気投合してしまいました。

で、Alpairの開発について。。。。お互い技術屋同士の会話という事もあったのでしょうが、マークさんからは感覚的な発言は記憶する限りほとんどなく、全く透徹した技術的アプローチをされているように見受けられました。特に「F1エンジンの開発と全く同じだよ」と強調されていたのが印象的でした。必要な剛性を維持しながら運動系を徹底的に軽量化し、運動のロスを徹底的に低減しつつ(コンプライアンスを徹底的に高めつつ)付帯的な好ましくない運動や振動を徹底的に抑え込み、そのために各所の構造と材料を徹底的に吟味し、さらにフレームが発する付帯音まで除去する(プラスチック製フレームを使うのはこのため)。そして、これらを高いレベルで達成するために、共通部品を一切使用せずに全ての部品を専用設計する。

要は、電気信号を音響波に変換するトランスデューサとしての性能を、偏執狂的とも言える執念でもって、徹頭徹尾理想に近付けようとした結果がAlpairであると、僕には感じられました。もちろん、最終的には音楽を再生して耳で評価するのは言うまでもありませんが、そこに至るアプローチが技術的に極めて透徹しているという事です。まさにF1エンジンの開発と同じです。マークさんならきっと優秀な(すなわちクレージーな) F1エンジン開発者にもなれたと思いますよ(お父上はジャガーのV12の開発に携われたとのこと)。

特に最近のAlpairモデル(6以降だったと思う)では、部品が非常に繊細であるため、1個ずつ日本人技術者が組み上げているとの事。特にスパイダは、マークさんが突きつける無理難題に答えて日本人技術者(Mさんにもお会いできました)が開発した、マークさんご自慢の逸品のようです。あまりに薄すぎて従来の工法では固定できず大変苦労されたそうです。こんな生産体制で、よくあの価格で提供できるものだと驚かされます。

僕はAlpair以外の最新高性能ドライバを実際に使ってみた事がないため確たる事は言えませんが、マークさんにお会いして以来、Alpairは市場に現存するドライバの中で間違いなくOutstandingな存在であろうという確信を益々強めました。尋常ならぬ純粋な熱意とお人柄から、フィデリテムのナカジマ氏はじめ、日本人技術者が集結してマークさんのために尽力しているというのもよく分かります(マークさんの要求に応えるのはほんと大変だろうなぁと思いますよ)。技術的に突っ走るマークさんをコントロールするナカジマ氏のご苦労も(と同時にお喜びも)ヒシヒシと感じられました。そもそも僕は、Alpair5デビューの頃のカタログ写真を見た瞬間に、こいつはタダモンじゃねぇ!と直感したわけですが、その技術屋的直感が正しかったという事ですよ。うん。

追記1
日本のFeastrexもタダモンじゃねぇ!と思うのだが、コーンが紙である事と、あの凄まじい磁気回路のお値段のせいで手が伸びない。ただ、純粋な興味として、メタルコーンAlpairの運動系とFeastrexの磁気系を組み合わせたら、一体どんな事になるのか興味がある。マイルスとジャコの共演みたいな。。夢の競演だね。

追記2
そもそも、ソースを正確に再生する以上に「ウツクシク」聞こえるというのは、どう考えても眉唾だ。箱を響かせたりして付帯音を加えるという事は、ソース本来の音を人工的に「補う」という事だが、あの精妙極まりない形状をした様々な楽器から発せられる複雑多様極まりない音を再生装置で人工的に補おうとて、そいつぁ無理な相談ですぜダンナ。ではないのか? たとえ一部の楽器の一部の帯域をタマタマ良い具合に付帯音で補えたとて、その他の音では邪魔になるだけではないのか?。それは楽曲や環境条件や気分によって如何様にも左右される富士の樹海というやつではないのか? そんな誤魔化しではなく、ドライバのセンシティビティ(運動系の軽量化とコンプライアンス(動きやすさ)の改善)を徹頭徹尾進める事が重要なのではないだろうか?

F80とAlpair5の経験から考えるに、付帯音を消すと音がウツウツとしたり死んだりするのは、ドライバがきちんと信号を音に変換できていないからではないのか?どう考えても、録音された音そのものがウツウツとしてたり死んでたりするはずは無かろうと思うのだが。。。

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2011年10月30日 (日) | Edit |
前の記事からの続きです。

「アーチストさんの言うてはるコト、やらはったコト」を漏らさずしっかりと聴き取って感じ取りたいというのがLEANAUDIOの最も基本的なモチベーションであると書きました。基本的にオンシツ?ではなく音楽再生クオリティを求めるという事です。

LEANAUDIOはそもそも、カナル型イヤフォンで音楽を聴いてショックを受けた事に端を発し、以来その聞こえ方をリファレンスとしてデスクトップシステムを開発してきたという事は、今まで再三述べました。また、マイクロフォンと同等あるいはそれ以下の極小ダイアフラムを使用し、ダイアフラムと鼓膜との間で密閉された極少量の空気だけをドライブするイヤフォンあるいはヘッドフォン方式は、ダイアフラムとリスナーの間に部屋という巨大な影響を持つ音響空間が介在し、その巨大な量の空気を駆動するためにマイクロフォンに比べて巨大な振動板を巨大なパワーで駆動せねばならないスピーカ方式に比べて、原理的に圧倒的に高音質である(音楽再生クオリティが高い)という事も述べました。ただ、仕事中に長時間イヤフォンやヘッドフォンを装着する事は耐えられないため、デスクトップシステムの開発に着手したという事です。結果として、従来のスピーカ方式とヘッドフォン方式の中間的存在である超ニアフィールドスタイルに帰結したのは当然の成り行きと言えるでしょう。

その経緯を振り返ってみたいと思います。

当時使用していたDENONのCD/MDコンポのスピーカは、結構立派に見える2way/13cmウーハー/6Lバスレフ型でした。しかし、カナル型イヤフォンの正確な再生を知った僕には、とても耐えられる代物ではありませんでした。メチャクチャ音が不明瞭(ブワブワのモゴモゴ)で音楽を聴くに堪えないため、こいつを破壊した時点からLEANAUDIOトライアルが始まります。

dmg33m.jpg
DENON ラビシアDMG-33というやつでした。口コミでは評判良かったのですが。。。

それまでに使った装置の中では、おそらく3"クラスのフルレンジを搭載していたであろうSONY製の高級な一体型CDプレーヤZS-F1が最も聴きやすかった事から、3"のフルレンジドライバが良かろうと判断し、これを破壊したスピーカボックスに取り付けてバスレフ型を作製しました。このスピーカボックスは低音再生時に不快極まりない振動を出す事が分かっていたため、徹底的に補強も加えました(このため容量は6Lから4Lに減少)。

zs-f1.jpg
名機とは知らず酷使したSONY ZS-F1。
多くのスタジオでモニタ用として使用されたらしい。いまだにエッジを貼り替えて使っている人もいるようだ。捨てるんじゃなかったなぁ。。。

各種3"ドライバを試聴した上でF80AMGメタルコーンドライバを選択し、バスレフのチューニングに手を尽くしました。しかし、カナル型イヤフォンで本当の低音ビートを知ってしまった僕には、どうチューニングしても低音(特にピチカートベース)の聞こえ方に満足できず、よく聞こえるようにしようとするとポートに吸音材を少しずつ詰める事になって、最終的に密閉型になってしまうというプロセスを何度も繰り返しました。容量が大きすぎるのかと想い、2.5Lのポチ型ボックスを作って、背面ポート、側面ポート、スリットダクト、超ロングダクトと手を尽くしましたが、結局徒労に終わりました。

という事で、バスレフ型はあきらめて密閉型とし、低音の不足を補うために小型のパワードサブウーハーを購入し、最初はblue skyの言うように床に置きましたが、デスクトップに置いた方が断然自然に聞こえたため、デスクトップサブウーハー方式でしばらく満足して聴いていました。この頃は計測しておらず、専ら聴感によるチューニングをしていました。

ただ、サブウーハーが正しく調整できているのか計測したくなり、ネットでいろいろ調べた結果、Frieve Audioという素晴らしいソフトウェアに出会うことができました。サブウーハと組み合わせた状態で音場補正を適用する事により、30Hzまでフラットなレスポンスおよび位相特性が得られ、目標としていたカナル型イヤフォンの聞こえ方に一気に近付く事ができ、LEANAUDIOの基礎が固まりました。

002b_20111030121834.jpg
なつかしいなぁ。サブウーハーのポートは最終的に粘土で塞ぎました。

その後、F80の明瞭さにやや不満を覚え、ツイータ等を追加してみたりした後に、Alpair5と出会い、そこから馬鹿ブースト+吸音材タップリという第2段階が始まった事は、最近の記事で述べた通りです。元々サブウーハーの使用を前提にAlpair5を選んだため、ブースト時の超低音のタフネスには限界がありましたが、逆に限界の低いAlpair5であったればこそ、ブースト方式に関する様々な知見を得る事ができました。

さて、Frieve Audioの音場補正とAlpair5の馬鹿ブーストにより、「音楽」の聞こえ方はますます目標とするカナル型イヤフォンに近づきましたが、僕自身、なんでこんな事が可能なのか、こんな極悪非道な方式で本当にまともに音楽を再生できているのか検証する必要性を感じたため、この頃からソース信号の解析や、スピーカからの音響波形の解析を試みるようになりました。

計測した物理特性ばかりに頼って開発したかのように思われがちなのかもしれませんが、最終的に馬鹿ブーストに辿り付くこの時点まで、計測と言えば、Frieve Audioの音場測定だけしか行っていません。これによって部屋の定在波の凄まじさを知ることができ、ニアフィールドリスニングの優位性を確信しましたが、それ以外は「聞こえ方」(主に違和感、不快感、不明瞭感を感じないかどうか)を頼りに開発を進めてきたという事です。ただ馬鹿ブーストが十分に実用に耐えると確信した時点で、それまでのLEANAUDIOアプローチの妥当性を後追いで確認しただけの事に過ぎません。

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サブウーハーを撤去、F80はスタンドとして使用

なお、このような評価では、少なくともスピーカからの音響波形、理想的にはリスニング位置での音響波形(すなわちシステムの最終出力点)で評価する事が重要です。アンプでいくら矩形波が正確に再生されたとて、スピーカは絶対に矩形波の音響波形を出力できません。最も最初の入力である「ソース信号波形」と最も最後の出力である「リスニング位置の音響波形」を比較評価する事によって本当のシステム全体の再生クオリティを評価できるという事です。基本的に、電気信号を機械運動に変換してさらに音響現象に変換しなければならないスピーカがハードウェア システムのボトルネックとなり、さらに、スピーカとリスニング位置の間には、如何ともし難い厄介極まりない部屋という空間が介在し、特に低音の波形を大きく歪ませます。つまり、アンプ出力点(スピーカ入力点)からリスニング位置までの間の伝達関数が「音楽再生」に最も大きく影響するという事です。現代の技術で作られたアンプの歪みや周波数特性で究極を極めたとて、システム全体に対する影響は微々たるものでしょう。だからイチマンエンのアンプとサンビャクマンエンのアンプをブラインドで評価したらイチマンエンのが勝ってしまうてな事は条件次第でいくらでも有り得ます(でも真空管アンプはスピーカに次いで音の好みに合わせたセレクションを楽しめる因子だとは思う)。

Frieve Audioの自動音場補正は、ソースからリスニング位置までのシステム全体の伝達関数(ゲインと位相)を正確に補正(すなわちキャリブレート)してくれるという点で極めて理に適っており、真っ当に「音楽」を聴こうとする者にとって必須の機能であると言えます(オンシツ?ではなく音楽再生クオリティを飛躍的に高めてくれます)。

ちょっと脱線しました。話を元に戻します。

一連の追認試験の結果として下記を確認できました。

- バスレフポートによるピチカートベース波形の崩れ、位相遅れ
- アナログフィルタの位相遅れによるピチカートベースの波形の崩れ
- 吸音材を入れない場合の箱の定在波の発生(これは振動板を透過して前面に放射される)
- 吸音材を大量に入れる事により、ドライバの機械的共振が抑制されること(特に真空管アンプで顕著)
- Frieve Audioで補正したピチカートベース波形が位相も含めてソース信号波形に極めて正確に一致すること
- Frieve Audioの位相補正によってアナログフィルタやドライバ自身の影響で遅れた低音を極めて正確に補正できること

以上の結果は、「音楽を聴いている時に違和感を覚えた現象は波形で簡単に確認できる」という事、また、「音楽の聞こえ方を頼りに実施してきた各種方策によってそれらの問題が正しく解消された」という事を如実に示してくれました。また、これらの多くは、主に低音再生に関するものであり、この科学技術が進んだ現代においてすら、一般家庭用オーディオ装置が未だに抱える「音楽再生装置」として未解決の根幹的(カンセーがアーダコーダ言う以前のずーーーーと基本的な)かつ巨大な問題であると言えます。僕が最近オーヂオに手を染めて以来、未だに不思議なのは、アナログだ、デジタルだ、デンセンだ、ハイレゾだ、超高音だ、ナンチャラ感だ、ナンダカンダとやたらコマケー事に拘る以前に、「オンシツ?」にさして拘らぬ僕ですら「音楽」を真面目に聴こうとした時に「聴感」で確実に違和感や不快感を覚えた上記の「音楽再生クオリティ」上の根本的大問題に、業界もマニアもさして目を向けようとしないという点です。なして????

僕は何もブツリトクセーとやらを頼りに開発してきたわけではありません。上記問題はデスクトップシステムの開発に着手して真っ先に「聴感」で違和感を覚えて対策した現象であり、それを後から計測で(といっても極めて雑で簡単な方法で)追認したに過ぎません。これらはカンセーだブツリトクセーだがどーだこーだのレベルの問題ではなく、あまりに明白な超基本的問題です(というかずっと放ったらかしにされてきた超古典的問題。僕が中学生の頃に読んだオーヂオ誌にアタリマエのように書かれていた問題)。。わざわざ御大カンセー様のお出ましを願う程のものではゴザイマセン。ホンマニ。

例えば、メタルコーンのAlpair6Mと紙コーンのALpair6Pを自動音場補正でフラットに補正すれば、全く同じF特で比較できますが、やはり「音調」は微妙に異なります。この違いを波形で明らかにしようなどとは微塵も考えた事はありません。余程精密な計測をしない限り明らかな事は分からないでしょうし、それが分かったとしても、僕は「聴感」で好ましく感じられるメタルコーンを選ぶ事に変わりないからです。

また、僕は正弦波の再生を評価する際に、高調波歪み率が何パーセントかという値を提示しません。波形を見て「概ね」見慣れた正弦波の形をしていれば、音の方も「概ね」正弦波のブー音に聞こえるからです。これは明らかに正弦波ちゃうねと言える程度に波形が歪んだ時は、明らかに音も異なって聞こえます。同様に、実際の楽曲のビートの再生波形が「概ね」ソース波形に一致すれば、「概ね」カナル型イヤフォンで聴くのに近いビシッとタイトな気持ち良いビート音に聞こえます。それ以上精密な測定を行って深追いしても実用的なメリットはたいして得られないでしょう。必要十分な「概ね」を見切る事がいずれの場合も重要です。

もちろん「音楽」に限らず芸術は感性の領域です。これを楽しむにあたり、まずは「理性」や「知識」は邪魔ものとなります(だから僕はモードチェーンジする)。しかし、これを伝達するためのオーディオ装置は物理法則に従う厳然たる電気機械装置です。基本的に感性の領域は装置の両側(すなわち表現者側と鑑賞者側)にあり、装置は両者の橋渡しをするものです。基本的技術領域において技術者の透徹した理知的アプローチがまず重要である事は言うまでもありません。もちろん、どのような機械であれ(たとえ最新のハイテク戦闘機であれ宇宙船であれ)、そこには人間としての開発者の思想や感性が反映されますし、またメーカとしてのブランドイメージも重要でしょう。それはどの業界も同じです。ユーザはそれらの個性の中から、自分の好みの製品を選べばよろしい。しかし、開発者はいたずらに「カンセー」あるいは「シュミ」の領域に踏み込んで本来の根幹的な部分(いったいこの製品は何のために存在するのか、この製品は社会にどのような貢献をもたらすものなのか、この製品に求められる最も基本的で重要な機能は何なのか、この製品が伝達しなければならない音楽とはいったい何なのか)での進化を疎かにしてはならないと思います。

オーティオ装置とは何もオーディオそのものを趣味とする人々のためだけにあるのではないという事です。鉄道でも、カメラでも、時計でも、自動車でも、自転車でも、航空機でも、パソコンでも、最近は一般家電でも、果ては銃器でも兵器でもなんでも、本来の用途とは離れてそれ自体に強い美意識を持ちそれ自体を趣味とする限られた数のマニアと呼ばれる層が必ず存在し、一定規模のマーケットを形成しています。しかしマニア層が好むと好まざるに関係なく、本来の用途でそれを必要とする圧倒的大多数の人々のために技術は進化しています。交通機関に関しては安全性と経済性の追求に終わりはありません。マニアがSLをどのように懐かしもうが鉄道は進化するという事です(リニアの必要性は疑問ですけどね)。中には、これ以上便利にせんでもエーンチャウ?という分野もありますし、兵器なんぞ金輪際進化して欲しくはありません。しかし、民生用オーディオ分野では、人々のために根本的に改善されなければならない基幹的技術領域(ネットワークだ、ハイレゾだあるいはやたらコマケー オンシツ?だ以前の基本的音楽再生能力(小型化/低価格化を含む)の領域)が随分放ったらかしにされているような気がしてなりません。。

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2011年09月06日 (火) | Edit |
結論から申します。ガマ君は失格です。

仕事しながら2日間ほどアレコレ調整しつつ聴いてみましたが、Alpair6Mザップ君(+サブウーハー)がベストと判断。Alpair5ガマ君は残しておいても使用しないだろうという事で潔く撤収。せっかく作ったのに残念ですが使わんモンを置いておいても仕方ないので。。

結局下の写真のようにザップ君+サブウーハーという当初考えていた構成で落ち着きました。
849.jpg
850.jpg

Alpair 6Mのナチュラルな(悪く言えばちょっと地味な)音にすっかり慣れてしまったのでしょうか。Alpair5のキラリとシャープな音を長時間聴くのが辛く感じました。また、アンプがTU-870だとさらにシャラリンキラリンとするので、これにもだんだん鬱陶しくなってきて、最後の方はIcon AMPで聴いていました。しかし、どう調整しても明らかに自分はAlpari 6Mのシットリ控えめな音の方を好むという事がはっきりと分かったという次第です。

今回、A6Mの良さを改めて再認識できたとも言えます。他のAlpairメタルコーン ドライバーを聴いた事はありませんが、A6Mと同じようなキャラクターだとすると、本当に好きな「音楽」をたくさん聴き込むには最適なドライバーだと思います。ちなみに、Alpair 6Mのこの音質的特長は、高音がやや不足気味(というか300Hz~2kHzが少し盛り上がった弱カマボコ傾向)というF特に由来するものではありません。なぜなら僕はFrieveAudioでどのドライバーもフラットに補正して聴いているからです。これは長い時間愛用した後に他のドライバーと比較してみて始めて真に認識できる類の良さかもしれません。

いつもの測定結果です。ほぼリスニング位置での結果です。距離は約65cm。
848.jpg
赤がザップ君単体、青がサブをアドオンした結果です。黄色の帯は35Hz~15kHz/±6dBの領域を示しています。

50Hzのピーク、50~100Hzの落ち込み、180Hzのシャープなディップは部屋の影響、10kHzのディップはドライバーの特性によるものです。これらのディップを除けば、部屋の影響を含むリスニング位置での実効値としては極めて良好な特性が得られていると言えます。これでネットラジオやiTuneをイコライザなしで十分に楽しめるようになりました。

このシステムはサブウーハーをアドオンしています(フルレンジ側はチャンデバを通していません)。前の記事で、アドオン式にすると位相が大きく乱れると書きましたが、今回のサブウーハーの位相遅れはザップ君単体の密閉型馬鹿ブーストの遅れと殆ど同程度しかありません。今まで散々試したAlpair5との組み合わせでは位相が大きく遅れたのに、どうして今回はOKなのか??理由は全く分かりませんが、とりあえず願ってもない結果ではあります。

Frieve Audioで計測した位相遅れ。マイナス(下)側が遅れです。縦軸のスケール値は不明。750Hzのピークはデスクトップの反射の影響と思われる。
852.jpg
ほとんど同じ2本がAlpair6M単体と+サブウーハー アドオン、大きく遅れているのがAlpair5+サブウーハー(アドオン方式ではない)の結果です。Alpair5でアドオンすると、50~100Hzでもっと遅れます。ドシテ?

以上のようにザップ君で極めて良好な結果が得られましたが、Frieve Audioで聴く場合は相変わらず馬鹿ブーストを好みます。特にスピーディーでタイトなジャズは馬鹿ブーストの方が気持ち良く聴けます。細かい音質に集中して聴き比べれば、ブーストによる悪影響も分かるのかも知れませんが、僕は別に「音質」を細かく聴き分けたいわけではないので、「音楽」の全体的な聞こえ方(自然さ、違和感の無さ、聴きやすさ、スピード感)を重視すると、馬鹿ブーの方に食指が動くという事です。

どうもウーハーの低音がダルく聞こえるので、メタルコーン型に交換してみようかと考えています。100Hz以下しか使わないので、Alpair10ではもったいなさ過ぎるため、そこそこ廉価なアルミコーンウーハーを物色中です。交換したら、またご報告しますね。

という事で、今までやってきたデスクトップ スピーカー システムもほぼ終着駅にたどり着いた感があります。
つまり、
「小径フルレンジ(お好みの音調のやつ)」+「小容積密閉型エンクロージャ」+「吸音材たっぷり」+「耳幅配置超ニアフィールド リスニング」+「デジタルイコライザまたは密閉型小径サブウーハ(2.1ch)による低域補強」+「デジタルイコライザによるF特/位相フラット化」+「お好みで真空管アンプまたはDSPによる味付け(ハチマルには不要みたい)」
これが、LEANAUDIOの「ステレオ スピーカー方式音楽再生装置」に対する1つの解答だという事です。

今後はヘッドフォン再生について、ゴチョゴチョやってみようかな?と考えています。

追記
装置の音を評価するに際して短時間のチョイ聴きでは正しい判断はできないという事をつくづく感じる。これは、例えばナニかを交換して「音質」を評価または聞き分けようとする行為は、「本来の実用状態」すなわち「音質」の事など念頭になく「音楽」を聴き込んでいる時の行為とは全く異なるからだと思う。A6Pの交響曲用システムにしろ、今回のAlpair5ガマにしろ、TU-870にしろ、最初は凄く良いと感じたのだが、「音楽」を聴き続けていると「ありゃ?」となって、結局撤収となった。たぶん、その時は気になる一部の「音質」にしか注意を払わず、しかし実際に音楽を聴く時はもっと総合的に音を聴いているからなんだろう。

別にワザワザ細かい音質?の違いを聞き分けたいわけではない。音楽を違和感なくより快適に楽しめる総合的な音楽再生音質が重要だと思う。だって「音楽」を聴くための装置なのだから。

自作の強みは、仕事中でも音楽を聴いている時に「ありゃ?」と感じたら、すぐに対策できる点にある。それを繰り返してここまで辿り付いたのだが、おかげでポチ2型ボックスは、そこらじゅう粘土で穴を埋めた満身創痍の実験君状態。。。そろそろ終着駅も見えたし、新しい綺麗な箱を作らないとね。メンドクサ。。。

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2011年09月03日 (土) | Edit |
LEANAUDIOに新しい仲間が加わりました!

名付けて「GAMA」(ガマ)君です。

Alpair5とPPコーン13cmウーハー(DYNAVOX LW5002)を組み合わせた一体型2.1chシステムです。「KERO(ケロ)」君の兄貴分なので「GAMA(ガマ)」君。。細かい調整はまだですが、とりあえず写真を公開します。

846.jpg
LEAUAUDIO 3兄弟。真ん中のがガマです。新参者のくせに一番押し出しが強そう。

最近ネットラジオを聴く事が多く、またiTuneのイコライザはどうも信用できないので、イコライザを通さなくても十分な帯域幅でフラットな特性を持つ再生装置の必要性を強く感じました。このため手持ちの材料を有効利用して、手っ取り早く「ガマ」君をでっち上げたというのが今回の経緯です。

ウーハー用のボックスにはポチ1型(ケロの片割れ)を使用し、これに13cmウーハーをムリヤリ取り付けました(厚さ30mmの集積材の端材で箱の断面よりも大きなバッフルを作成してポチに接着!。。かなり強引な作り方です)。。

844.jpg
Alpair 6Mの上に載っけて使用します。雑な仕上げを目立たなくするためにマットブラックで塗装したら、ちょっとメカニカルな悪役ロボ的外観になりました(というか帝国軍のTIEファイター?)。ぜんぜんカエルっぽくありませんが、ケロの兄貴なので、名前は「ガマ」で問題なし!としましょう(ほんとはカエルぽくしたかったのですが、ALpair 5が大きすぎてデザイン的にまとまりませんでした)。

Alpair 5のエンクロージャには呼び径75の塩ビ管エルボー継ぎ手を使用し、上下に角度調整可能としました。写真ではやや下向きにしています。今回買い足したのは、このエルボーだけです。容積は500ccくらいかな? サブの容積は基本的にポチなので2.5Lです。もちろん、どちらも密閉型+吸音材ぎっしり仕様です。総容積3.5Lと結構コンパクトな構成なのですが、見た目は厳つくなってしまいました。。ケロのような可愛らしさはありません(こちらは総容積たったの1L)。R/Lスピーカの軸間距離は約290mm。ケロやA6Mよりもやや広めです(あり合わせの材料で極力メンドクサイ事をしないで作ったらこの寸法になってしまったのよ)。

アンプにはKENWOOD KA-S10(メインSP用)とONKYO A-905FX(サブ用、片チャンネルだけ)を使用します。チャンデバ(ベリンガー CX2310 SuperX Pro)にはモノラルのサブウーハー用出力も備わっているので、2.1chシステムにも容易に対応できました。

今回のシステムでは、メインSPの信号もチャンデバ(HIGHチャンネル)を通してからKA-S10で増幅しています。メインSP信号をチャンデバを介さずにダイレクトにアンプで増幅し、サブウーハー信号だけチャンデバ(LOWチャンネル)経由でハイカットしてから増幅する、いわゆるアドオン方式も当然可能ですが、このチャンデバの場合アドオン方式で使用すると、ダイレクト信号とLOWチャンネル出力信号間の位相差がかなり大きくなるため、今回はアドオン方式を採用しませんでした。以前のバイアンプ システム(2.2chシステム)ではアドオン方式を採用しましたが、それはFrieve Audioが位相遅れを完璧に補正してくれるためです。しかし、今回はFrieve Audioを使用しない事が前提であるため、位相特性を優先したという次第です。それでも密閉型の2倍かそれ以上位相が遅れます。このへんはアナログフィルタ方式なので仕方ありません。手軽なデジタルチャンデバ内蔵DACの製品化が望まれます。

細かい調整はまだですが、40Hz/-6dB程度は簡単に確保できそうです。また、Alpair 6Mをイコライザなしで使用すると高域(4kHz以上)が不足気味(コモリ気味)に聞こえるのですが、Alpair 5は高域がフラットに伸びているため、イコライザなしを前提とする本システムには理想的です。先ほどからネットラジオを聴いていますが、今のところすこぶる具合良しと言えそうです。今のところはね。。

これから暫くオシゴト中に聴きながら、調整を進めます。僕の場合、いわゆる「音質?」というのではなく、長時間聴いて違和感がないか?不自然に聞こえないか?聴きたい音が聴きにくくてフラストレーションが溜まらないか?等が重要な指標となります。A6P交響曲用システムのように、短時間聴いて「良い!」と感じても、癖があるとどうしても段々と違和感がつのり始め、最終的に耐えられなくなってNGとなります。今回はそうならない事を祈ります。

ある程度調整が済んだら、計測結果等を適宜ご紹介したいと思います。オタノシミニ!

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2011年08月16日 (火) | Edit |
もともとの音源が巨大な交響曲を聴く場合、Alpair6Mのニアフィールド馬鹿ブーシステムだと寂しく感じる事があります。かといってAlpari6Pバスレフ(一辺120cmの正三角形配置)だと、左右に拡がり過ぎて音が全体に希薄になり、なんかタヨリナイし、細部を聴きにくい。これだったらA6M馬鹿ブーで聴く方がマシ。。と言うことで、A6Pバスレフも撤去しようと思ったのですが。。。

827.jpg
Alpair5でセンターSPを作って追加してみたところ、なかなか具合良くなりました。このSPボックスは、あり合わせの端材(内径約80mmの塩ビ管、9mm合板、ケロのあまりの合成皮革)で作りました。モノラルではなく左右別々のステレオです。容積は約500cc x 2。もちろん密閉型です。エアコン配管用のシール材と、分厚いフェルト材とガムテープで徹底的に制振しているので全く響きません。

Alpair 6Pは約45°上向きにしています。左右の高音を天井に反射させる事により、左右SPからの直接音の干渉を和らげて自然なステレオ感を得るのが狙いです。これが意外と効きました。ホワンと響いて喫茶店のBGM風になりますがポップス系だと意外とOK。ボーカルも中央に自然に定位します。ただし響き過ぎのホワンホワン。。死の臭い漂うJAZZを聴く気にはとてもなれませんし、肝心の交響曲でも拡がり過ぎ/響き過ぎで密度感が低下してタヨリナイ。バッハの無伴奏チェロなんか全く聴けません。

センターSPは楽団からの直射音に相当する音を追加するのが狙いです。これを加えた事で交響曲あるいはフルオーケストラ曲を聴く楽しさがグッと増しました。今までのLEANAUDIOトライアルの中で最も交響曲を楽しめるシステムに仕上がりそうな気配がします。チャント仕上がったら、塩ビ管に色を塗らないとね。。

さらに6Pバスレフのポートチューニングを変更しました。以前は特性がフラットになるように約50Hzにポートをチューニングしていました。以下、いつものシミュレーションで説明します。
829.jpg
この場合、50Hz以下で位相が大きく遅れ、レスポンスも急減するため、50Hz以下をブーストする事はできません。これでは交響曲を聴くには物足りない。

そこでポートを伸ばして共鳴周波数を約34Hzまで下げました。
830.jpg
100Hz以下がダラダラと下がりますが、デジイコで+10dBブーストするだけで30Hzまで問題無くフラットにできます。問題の位相遅れも大きく改善されます。

下は密閉型です。
828.jpg
上の34Hzバージョンは、密閉型に対して30Hzで+8dBのゲインがり、共鳴前の40Hzでの位相遅れは密閉型とあまり変わらない事が分かります。

以上のように、バスレフ型にデジイコを組み合わせる事により、ポートの同調を思いっきり下げて、ブースト率をそれほど上げずに低域を可聴帯域下限近くまで伸ばす事ができます。すなわち、ポート効果+デジタルブーストの組み合わせで低音を増強する事ができるという事です。

下はAlpair6M + 2.5L密閉です。
831.jpg
小型密閉箱の場合、30Hzまでフラットにするには20dB以上のブーストが必要です。大容積バスレフと長いポートにより、このブースト量を約1/2にできるということです。A6M密閉の場合、ブーストは通常40Hzまで(約+15dB)にしています。

とはいえ低音のタイトさ、スピード感、正確さという点では小容積密閉型(A6M)馬鹿ブーの方が圧倒的に有利です。ジャズは絶対にA6M密閉で聴く方が好きですね。クラシックでも、特にピアノソナタは密閉型で聴きます。ピアノはアタック音ですので、とりわけ低音部は密閉型の方が気持ち良く感じます。チェロソナタやチェロ独奏も密閉型の方が好きかもしれません。響きが加わると演奏が聴きにくくてもどかしく感じます。反面、オーケストラ曲のホールと一体となった低音のウナリは、バスレフ型+センターSPの方が雰囲気良く聞こえます。オーケストラを聴く場合、多数の楽器とホールで構成された巨大な一塊の楽器として聴こうとしているのかもしれません。僕には、交響曲(フルオーケストラ)の再生というのは、以前から特別のように思えてなりません。

さて、最後にお決まりの測定結果をお見せします。全てリスニング位置での測定結果です。全て左右同時に音を出して計測しています。

Alpair 6Pバスレフ、11L、同調34Hz、上向き45°
821.jpg
上に向けたので2kHz以上はダラダラ低下します。部屋の影響で50Hzにピーク、200~500Hzにディップが発生しています。吸音材は以前より少し増やしました(片側4枚から6枚に増やした)。低域もダラダラ低下するので、概ね40万ヘルツの法則に従うカマボコ型となっています。

Alpair 5 密閉、0.5L
822.jpg
200Hz以上は綺麗にフラットです。久しぶりに聴いたけど、やっぱり良いユニットだなぁ。。これでA6Mなみに低音が出てくれたら。。。

Alpair 5 + Alpair 6P
823.jpg
50Hzに部屋のピークがあるので、うまい具合に50Hzまでほぼフラットな特性が得られています(タマタマですけどね)。このためiTuneでイコライザなしで再生しても十分に楽しめます。

アンプですが、A6PにKENWOODのKA-S10(ヘッドフォン用に使っていた)、A5にIcon AMPを使用し、ボリューム位置を両方とも12時の位置にしています(全体のボリュームはパッシブプリのボリュームで調整)。比較的センターを強めに効かせたハチマル好みの設定なので、左右のステレオ感はあまりありません(もともとフルトベングラ盤を楽しく聴く事を目標にしてましたし)。ステレオソースの場合、センターのボリュームを少し下げると楽器が左右に分かれ始めます。このへんはお好み次第。

833.jpg
これ以外にはPC本体だけ。。リーン&コンパクトなシステムです。

832.jpg
ポチ2型の上に置いたスピーカセレクタです。Icon AMPをA6M用とA5用に切り換えます。

次回は、久しぶりにバイノーラル録音してみようかな。。

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2011年08月15日 (月) | Edit |
最近モノラルの聴きやすさが気に入ってずっとモノラルで聴いていたのですが、2週間ほど前にAlpair6M馬鹿ブーをディスプレイ上方の真正面に置けるようにして、仕事の合間にイロイロと配置を試していました。その結果、L/Rの軸間距離を約23cm(ケロと同じ、ほぼ両耳の左右距離と同じ)にしたステレオレイアウトが、ステレオ感をホンノリ感じながらモノラルなみに聴きやすいという結論に達し、写真のようなレイアウトを採用しました。
825.jpg
ポチ2型ボックスの底面同士を付き合わせて合体すると、L/R軸間距離は偶然ですがケロと同じ230mmになります。ニアフィールドだと左右耳の距離と同じくらいのLR距離って聴きやすいのでしょうかねぇ? ケロ開発の時も、聴きやすさを求めてイロイロ試した結果、この距離に落ち着きました。ちょうど小型のステレオラジカセという感じです。ちなみに、上に乗っけているのはスピーカー セレクターと、ディスプレイ清掃用のピジョン君です。

826.jpg
YAMAHA製のスピーカーブラケットを使用して前方の窓枠に固定しました(製品情報)。ジャズを聴くにはコイツが一番。低音までほとんど直射音で聞けるので、タイミングが正確でタイトなベースを存分に楽しめます。ジャコの超高速ベースやマイルス クインテットのロンさんのベースの、スピーディでタイトなウネリというかドライブ感というか、神業的微妙なユラギというか、ソイツを最高に気持ち良く聴けます。やっぱりコレでしょう。ジャズは。ベースとドラムスのインパクトのタイミングがビシッとせんと。ビシッと。。ビシッとしないと酔ったみたいになって気色悪いのよ。

デスクトップ全景です。
824.jpg
Alpair5 + バイアンプ駆動13cmウーハーを撤去したので、レイアウトがすっきりしました。A6M馬鹿ブーストで30Hzまでブーストしても殆どの楽曲で全く問題ないし、こちらの方が低音がビシッとタイトで自然に聞こえるので、バイアンプシステムは全く使用しませんでした。なのでボツ。。。邪魔だし。
ディスプレイのセンターが右にシフトしているのは、オシゴト中に左半分をメイン(正面)に使うためです(左側に翻訳原稿を置いて、右側に辞書(英辞ろう)や参考文書を開く)。左方の小さなディスプレイは音楽用PCのUSBディスプレイです。FrieveAudioやiTuneの操作だけなのでこれで十分。。。

で、Alpair5は窓枠の上(Alpair6Pバスレフの下)に移動しました。なぜかAlpair6 Pは上向いてるし。。
次回はAlpair5 + Alpair6Pバスレフの交響曲用システムについてご紹介します。まだ実験君段階ですが、こいつはナカナカ手応えアリですよ。オタノシミニ。。。

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2011年05月03日 (火) | Edit |
バスレフ型のチューニングを一通り終えたので、これから数回にわたって3種類のAlpairシステムについて比較してみたいと思います。

ハチマルは3"クラスのAlpairフルレンジ ドライバを使用して、低音増強方式の異なる下記の3システムを構築しました。

- システム1: Alpair 6M (2.5L密閉) : 馬鹿ブースト
- システム2: Alpair 5 (1L密閉) + 13cm PPウーハー(3L密閉) :バイアンプ駆動
- システム3: Alpair 6P (11L バスレフ) :共鳴部はR/L共有

今回は、ハチマルにとって非常に重要な音質評価指標であるピチカートベースの再生について比較してみました。ざっと聴いてみた限りでは、今回のバスレフ型のベースラインの聞こえ方はハチマルの許容範囲に入ったと言えそうです。3年前にDENON製MD/CDコンポの13cm/6Lバスレフの低音に激怒し、その箱を使用してバスレフ型をさんざんトライした末に断念してLEANAUDIOを始めたというのがソモソモの経緯ですが、今回のバスレフ トライアルには満足できそうな予感がしています。マダワカリマセンケド。。。

で、今回は、そのピチカートベースの再生波形を確認してみました。

まず、以前にも使用した Footprints 冒頭のロンさんのベースソロ波形を比較してみました(詳細はコチラを参照してください)。
ソース: Footprints ベースソロ
今回はボ・ポ・ポ・ポーンの最初の「ボ」の音に注目します。基本周波数は約65Hzです。R/Lをミックスしてモノラルで再生し、普段のリスニング位置で1本のマイクロフォンを手持ちして録音しました。

下はシステム2(バイアンプ方式)の波形です(システム1は今までに数回測定して確認済み)。
784.jpg
赤がCDのソース信号、青がリスニング位置での実測波形です。FrieveAudioで10kHz~30Hzをフラットにイコライジングし、位相補正を適用しています。相変わらず嘘みたいに良く一致しています。

下は、出来たばかりのシステム3(バスレフ方式)の波形です。以前作成した小容積バスレフ型に比べるとベース音の違和感も随分改善されたと思うのですが。。。果たしてどうでしょうか?
785.jpg
この場合もFrieveAudioの自動音場補正を使用して、8kHz~45Hzをフラットにイコライジングしています(50Hz以下は急激にレスポンスが低下するので補正できない)。青が実測波形です。出だしの音で波形がやや崩れ、その後も細かい凹凸が鈍っていますが、以前の小容積型では100Hzでももっと大きく崩れましたから、確実に改善されていると言えそうです(今回使用した65Hz音は小型ボックスの共鳴点以下であったため比較すらできなかった)。

以上の比較では時間軸の絶対基準がないため、波形を重ね合わせる際の横の水平(時間)方向の置関係(位相関係)は波形を見ながら適当に調整しました。ですから波形の形状は比較できますが、位相の遅れ度合を正確に知る事はできません。そこで、他の楽器音も含まれるパートを録音する事によって再生波形の位相関係を明確にできないか試してみました。

Footprintsでは、ロンさんのソロイントロ(Lチャンのみ)に続いてトニさん(ドラムス、Rチャンのみ)、とハビさん(ピアノ、両チャンネル)が加わるので、トニさんのシンバル音を基準にして位相関係を割り出す事にしました。Rチャンでは、シンバル以外の区間の信号を消去(無音化)しました。
ご試聴ください: Footprints トリオ.mp3

この信号をモノラル再生し、上記と同じ方法で録音した波形から、シンバル音(シャープな波形ピーク)を基準にして位相関係を正しく合わせました。以下の図では、赤がソース信号、青が位相補正なし、緑が位相補正ありです。全て上記と同じ周波数範囲でイコライジングしています。

システム1 (馬鹿ブー方式)の結果
781.jpg
密閉型でも位相は遅れますが、FrieveAudioの位相遅れ補正を適用するとソース信号と殆ど一致します(数ヶ月前に測定した係数を使用しているので、補正精度は高くないです。直前に測定したデータで補正して、同じマイク位置で録音するとピッタリ一致します)。

システム2 (バイアンプ方式)の結果
782.jpg
位相遅れ補正なしだと激しく位相が遅れます。これはアナログ式チャンデバによるものと思われます。手軽に使えるデジタルチャンデバ内蔵DACが欲しいですね。とはいえ位相補正を適用すると殆ど信号波形に一致します(こちらのスピーカーボックスは動かないようにネジで完全に固定しているためか補正精度が良いですね)。こういうデータを見るとアクティブ フィードバックは要らないなぁ。。と思います。

システム3 (バスレフ方式)の結果
780.jpg
補正なしの位相遅れは密閉型より大きいですが、システム2よりはずっとマシです。位相遅れ補正を適用しても完全には補正されませんが、補正なしの密閉型とほぼ同等まで改善されます。なんで補正しきれないのか? は良くわかりません。。。。多分、振動板以外(ポート)からも音が出るからだと思うけど。。あ。それと、シミュレーションによると、共鳴点が50Hzの場合、65Hzくらいまでであれば位相は密閉型に対して大きくは遅れず、ここから共鳴点(50Hz)に近付くに従って急激に遅れる模様です(下図参照)。

786.jpg
黄色の線が密閉型。緑の線がバスレフ型の位相遅れ。

コンクライの遅れなんか大した事ではないと思いますし、短時間「音」に集注して聴き比べても別に問題を感じないのですが、「音」を気にしないで「音楽」を半ば無意識に追いかけているうちに「音」に癖があると違和感が溜まってポートに吸音材を詰めてしまう。。というのが過去のバスレフトライアルでの経験です。さて、今回のはどうでしょうか?

以上、バスレフ型にはちょっと酷な比較でしたが、以前の小容積型に比べると聴感上も格段に改善されています。最終的にFrieveAudioでイコライジング(極小バッフルによるハイ上がり傾向の補正)と位相遅れ補正を適用する事によってハチマルの許容範囲に入ったかなぁ。というのが現在の実感です。共鳴容積を十分に大きくしたので、吸音材を十分に入れて筒っぽ臭い音や箱臭い音を抑えてもバスレフ効果を維持できた事が改善の主な要因だと思われます。以前の小容積型では、音の癖を嫌って吸音材を増やしてゆくうちに結局密閉型にナッチッタの繰り返しでしたから。。。。ハチマルの場合、デスクトップサイズだとバスレフ型は厳しいかもしれません。これから暫くオシゴト中にイロイロな曲を長時間聴いてから最終的な結論を出したいと思います。

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2011年05月02日 (月) | Edit |
今回のバスレフ チューニングでの測定結果をご紹介します。

まずは吸音材を入れずにポートと振動板前方の近接音を測定しました。ポートと振動板が離れているので、近接して合成音を測定する事はできません。ポート径はφ34mmです。なお、以下の全ての測定は、左右のSPを直列接続した状態で実施しています。
765.jpg
黒がポート長70mm、赤が40mmです。凄まじい定在波が出ています。初めて音を出した時に愕然としたのも頷けます(こりゃ駄目かと思いました)。1/2波長ではなく1波長の定在波のようです。ポートの位置を中央ではなく左右どちらかにずらした方が良いかもしれません。共鳴周波数は容積11Lで計算にほぼ一致しました。

767.jpg
振動板前方数cmでの測定です。同調点では振動板の出力が低下します。振動板からも激しく定在波の音が出てきます。

10cmx10cmの正方形に切った吸音材(厚さ25mmのミクロンウール)を左右の両端に入れました。ポート長は40mmです。
766.jpg
768.jpg
赤が吸音材なしです。この状態から吸音材を1枚ずつ増やして行きました。1枚入れるだけで高周波放射音は大幅に低下しますが、周波数が低いほど吸音率が下がるため、300Hzの定在波を殺すには左右に5枚ずつ計10枚(厚さ計250mm)の吸音材が必要でした(緑のプロット)。しかし狙い通り、細い筒の両端にだけ吸音材を入れるため、全体の共鳴効果に対する吸音材の影響はそれほど大きくなく、共鳴効果は劇的には低下していません。以前試した小容積ボックスでは、吸音材を少し入れるだけで共鳴効果は激減しました。なお、ピーク点がやや高域側に移動したため、最終的にポート長70mmを採用する事にしました。

次に、約1m離れて合成音を測定してみました。ポート長は40mmです。
774.jpg
スピーカーをデスクの上に置いて、中央前方約1.2mで測定しました。部屋の影響が凄まじく出ています。50Hzの激しいディップは部屋の特性です。無響室が欲しい。。。
黒が密閉(ポート塞ぎ)、赤が吸音材なし、緑が吸音材5x2枚です。100Hz~50Hzのバスレフ効果は吸音材を入れてもほとんど低下していない事が分かります。

下が前方の壁に設置してリスニング位置で測定した状態です。距離は約1m。ポートは最終的に70mmを採用。
777.jpg
吸音材の詰め方を少し修正し、前記事の測定データよりも音量を上げて測定しています。青が中央のリスニング位置、赤がドライバの正面で測定した結果です。50Hz以下で急激に減衰する典型的なバスレフ型の特徴が見られます。なお、特性のディップは部屋の影響です。吸音材で各種付帯音を十分に殺しながらほぼ狙い通りの50Hzまでフラットな特性が得られました(JBLの30cmコンパクトモニタ4312等と同等)。これは主にドライバのサイズに対して余裕のある容積を選択したおかげです。

以上のように事前のシミュレーションと、チューニング中の簡単な測定によって非常に効率的に作業を進める事ができました。もちろんそこから先は聴感による微調整が必要ですが、計算と測定は基準となるスタートラインへ素早くたどり付くために非常に有効な手段だと思います。

追記
今のところ筒とエルボーは普通に差し込んだだけの状態です。接合部で振動を遮断する必要性はそれほど感じません。エルボーのバッフル直後のストレート部には、内側にエアコン用の穴埋めパテを貼って補強/制振/マス付加しています。バッフル板(というかリング)には厚さ9mmの合板を使用しました。塩ビ管は木に比べて響かず、爆音を望まないのであれば、肉厚が薄くても意外とそのままSP用に使えそうです。お安く手っ取り早く実験/製作するには好適かもしれません。ただし、基本は長細い筒っぽなので管の長手方向で激しく定在波が発生します。断面が円なので、管端にだけ吸音材を挿入すれば効果的に吸音できるようです。波長の長い定在波は吸音が大変なので、管を長くする場合には注意が必要です。

追記2
測定しやすいようにモノラル接続のままで聴いていますが、別にモノラルでもエーンチャウ??というのが正直な感想。かえって聞きやすいかもしれません。ステレオってホンマに必要なのか???

追記3
Frieve Audioを使用して45Hz~8kHzの範囲でフラット化と位相補正を適用したところ、少し残っていた臭さが抜けてぐっと音楽が聴きやすくなった。思いの外効果が大きい。やはりフラットな特性が最も自然で聞きやすいと思う。最低音域の締まりと重みはデスクトップの密閉型システムに及ぶべくもないが、完全にハチマルの許容範囲に入ったと実感できる。このような周波数特性の微妙な修正を機械的/電気的/音響的にチューニングするのは大変手間がかかるが、デジイコを使用すれば極めて簡単に良好な結果が得られる。軽くて明るい音調もバリエーションとしては良いかもしれない。たぶんこれでOKなのでステレオ接続に戻した。
778.jpg
イコライザ係数。これで50Hz~8kHzが完璧にフラットになる。バッフル板を大きくすればハイ上がりの度合を低減できると思うので、不要な板が見つかればそのうち実験してみる。

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2011年04月14日 (木) | Edit |
前の記事からの続きです。仕事の合間にイタズラ半分でAlpair 6Mをウーハーとして使ってみました。

前の記事で、基本的にこのコンセプトではウーハーのサイズによって低域限界周波数は大きく変わらないと書きました。ウーハーが大きくても小さくても基本的に100Hz以下の周波数特性は変わらないという事です。

これを証明するために、13cmウーハーのかわりに8cm(実際には少し大きめ)のAlpair 6Mを低域アシスト用に使ってみました。Alpair6 Mの実効振動板面積は13cmウーハーの1/2弱しかありません。

下がその結果です。
726.jpg
緑が今回測定したAlpair 5 + Alpair 6M、黒が前の記事に載せたAlpair 5 + 13cmウーハーです。チャンデバの設定も、ウーハー用アンプのボリューム位置も一切変更していません。多少Alpair 6Mの方がレベルが低いですが、ウーハー用アンプのボリュームをほんの少し上げれば全く同じレベルになります(13cmウーハーは8Ω、A6Mは4Ω)。

ただし最大音量の面では13cmウーハーの方が当然有利です。ボリュームを上げて行くとAlpair6の方が先に限界(低音の歪みが急激に増える音量)に達します(参考記事)。すなわち、ウーハーのサイズは低域周波数限界には大きく影響せず、最大音量に直接影響するという事です。

ケロの場合、サブウーハー用アンプに50Hz以下をカットするローパスフィルタが内蔵されているため、ここまで低域は伸びていませんが、ローパスフィルタを解除できればほぼこれと同等の特性が得られるはずです。

また、この方式はドライバの機械的共振も吸音材で殺してしまうため、ボックスの容積にもほとんど影響を受けません。従って非常にコンパクトにできるという利点も持ちます。いったいぜんたい容積はどこまで小さくできるのか?というのが現在の疑問点です。そのうち実験してみたいと思います。実際、最近の密閉型サブウーハーの箱って、ドライバの大きさの割に極端に小さいですよね。ドライバとアンプを収納して設置しやすいカタチに作りました。。という感じ?

ちなみに100Hz以下の低音だけ聴くと「ボーボー」「ゴーゴー」鳴っているだけなので、全体の音色には殆ど影響しないように思われます。ただし、いわゆるスピーディーな低音とかタイトな低音とか締まった低音とかを求める場合(ハチマルはこれを強く求める)、バスドラやピチカートベース等の再生における過渡応答性(突然大振幅になったときの応答性)を決定付けるのはウーハーの動特性だと考えられます。

デスクトップ用であれば、10cmのCHR-70クラスがウーハー用に丁度良いかも知れません。

追記
なんでこうなるか?というと、それはスピーカーを小さい密閉箱に入れて吸音材で機械的共振を殺してしまえば、大きかろうが小さかろうが、この周波数領域ではほぼ-12dB/Octの左下がり(右上がり)の特性になるからです。で、高域側を右下がり-24dB/Octのローパスフィルタでカットすると、元々右上がり-12dB/Octの特性なので、差し引き右下がり-12dB/Octの特性になります。で、これをフルレンジSPの右上がり(左下がり)-12dB/Octの特性(こちらも密閉型なので自然とそうなる)と重ね合わせると、合成した特性はほぼフラットになります。従ってフルレンジSP側にハイパスフィルタは不要です。ウーハーの音量レベルは小径であるほど小さくなりますが、それはウーハー用アンプのボリュームで調整できてしまいます。というわけです。。

バスレフ型ではこのように簡単にはゆきません。箱も大きくなるし。。市販の密閉型サブウーハーを使用する場合は、メインSPのポートを塞いで密閉型にした方が繋がりは良いでしょう。基本的にサブウーハには密閉型スピーカーを組み合わせるべきだとハチマルは考えます。

追記2
基本的に100Hz以下の音は音色や定位にはほとんど影響しないと言われていますので、2chパワードウーハー(または1chサブウーハー) システムを1つ作っておけば、いろいろ応用が利くと思います。今回は1つの箱にフルレンジとウーハーを組み込みましたが、例えば3Lの小さなサイコロ型の箱に13cmウーハーだけを組み込んで、その上に1Lのフルレンジ箱を乗っけるようにした方が自由度に優れます。例えば、リスニング位置に合わせてフルレンジSPの向きを自由に変える事ができます。また、何種類かの3"フルレンジドライバをそれぞれ1Lの箱に組み込んでおけば、楽曲や気分に合わせて個性の違うフルレンジドライバを手軽にとっかえひっかえできます(箱に番号を付けておけばサンダーバード2号の気分?)。3"クラスのフルレンジドライバは種類も極めて豊富ですし、値段も手頃ですので、非常に経済的かつ手軽に楽しめますよ。一般的な家屋の個室であれば、音量的にも十分です。

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2011年04月12日 (火) | Edit |
Alpair5を復活させました。

4Lのバイアンプ駆動用13cmウーハーの箱(もちろん密閉型)にAlpair 5を組み込んで2 Way化。元はDENONコンポの6Lの箱ですが、内部をガチガチに補強したので実容積は4L(正確には3.9L)しかありません。
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隔壁には内径約83mmの塩ビ管を使用しました。容積は約1L。従って13cmウーハーの容積は約3Lです。バッフル面は塗装ではなく、上等の画材用紙にインクジェットプリンタでJBL風ブルーをベタで印刷して両面テープで貼り付けています。

たまたまベランダで見つけた45mmx45mmの角材を使用してSPボックスを正面の窓枠(しっかりした木製)に固定しています。木ねじで結構がっしりと固定する事ができました。おかげでSPの低音振動がデスクに全く伝わらず、すこぶる快適です。
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実は、この方式に変更したのは地震発生の3日前のこと。おかげでSPは全く無事でした。それ以前は、デスクへの振動伝達をできるだけ遮断するために、柔らかめのインシュ(3点指示)を2段使用した2階建て構造で、しかも最上段に2.5kgの重りを置いた不安定極まりない状態でした。このままだと確実に悲惨な事になるところでした。
現在
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以前
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くわばら。くわばら。

周波数特性です(20cm前方で測定)。
720.jpg
赤がAlpair5単独の特性です(チャンデバを介さずダイレクトにアンプで駆動)。ウーハー容積はたった3Lですが、イコライザ補正なしで40Hzまでほぼフラット(-6dB/30Hz)な特性が得られます(ブーストは全く不要)。500Hz近辺の落ち込みはデスクトップの反射の影響です。SPをもっと上に持ち上げれば改善されますが、いたしかたありません。50Hzのポッコリは部屋の影響と思われます(Alpair5もこの位置で少し盛り上がる)。システムの詳細はコチラを参照してください。このシステムのコンセプトは一般的な2 Way型とは異なり、Alpair 5をあくまでもフルレンジドライバとして使用し(ツイータではない)、不足する低域を別アンプ駆動のウーハーでアシストするという考え方です。従ってAlpair5はチャンデバを介さずに直接アンプで駆動されます。このシステムはイコライザなしでも十分フラットなので、iTuneのブラウザでベトベン全集データベースをジャンル別や年代別に一気聴きする場合に重宝しています。あと、買ったCDをリッピングする前に即聞きたい時とかも。

ジャズにはFrieveAudio+6Mの馬鹿ブーを使用しています(こちらの方がベースラインの聞こえ方が微妙に気持ち良いので)。
721.jpg
現在のポチ2型ボックス。ケロの余りの人工皮革を貼ってつや消しグレーで塗装しました。目の前に尖った角があると鬱陶しいので、コーナーを斜めにカットしています。内部にもゴッツイ補強を追加しました。効果は未だによくわかりませんがBatpure(小さなスーパーツイータ)も復活させました。

さて、ご覧に入れたように、
フルレンジSP + バイアンプ駆動ウーハー(密閉型)の組み合わせによって、トータルたった4Lの密閉箱で上記のような周波数特性がイコライザによるブーストなしで簡単に得られます。しかも、基本コンセプトはあくまでもフルレンジSPなので200Hz以上で一切のクロスオーバーがなく、小径フルレンジドライバならではの良さをたっぷりと堪能できます。ALpair5は3"ドライバとしては径が小さく低音性能は貧弱ですが、極めて優れた高域音質を持つので(なにせ半ばツイータとして設計されている)、このような使い方(または2.1システム)には最適です。このドライバで馬鹿ブーストしてたんですから、ホントの馬鹿と言えましょう。。。

と言うことで、Alpair 5を想定したバイアンプ駆動(または2.1ch)のコンフィグレーションをいくつか考えてみました。組み合わせるウーハーには10cmまたは13cmを想定しています。なお、10cmx2と13cmx1がほぼ同等(面積xストロークがほぼ同等)と考えました(ストローク相似で考えても13cm一本の方が少し有利みたい)。同じMarkaudio製メタルコーン ドライバを使用するのであれば、Alpair10 (13cm、できればウーハーバージョン)またはCHR-70 (10cm)が使えると思います。ただ、実際に必要なのは200Hz以下だけなので、高域まで気を使って設計されたフルレンジドライバを使うのはもったいないですね。このような用途向けに最適設計されたメタルコーン アシスト ウーハーが欲しいところです(フルレンジドライバとのデザイン統一性も重要だよ)。

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どのコンフィグレーションを選ぶかは、必要な音量(リスニング距離、部屋の広さ等)によって決まります。この方式では、小さくても大きくても低域の周波数限界はほとんど変わりません。再三申しているように、どんなに小さくても低音楽器の音をしっかりと正確に聴けてこそ「音楽再生装置」と言えるというのがLEANAUDIOの基本コンセプトです。デスクトップ用であればMINIかSMALLクラスで十分だと思います(なにせAlpair6一本の馬鹿ブーでも十分なんですからね)。僕のAlpair5システムはCOMPACTクラスに属します。ちなみにケロはMINIよりさらに小さいMICROクラスと言えましょう。

LARGEはシャレのつもりで載せましたが、13cmクラスより大きな振動板というのは、どうも直感的に(見た目ですが)無理があるような気がして使う気がしません(厚さと径の関係、剛性、重量等の面)。あくまで僕の直感ですが(。。ちっちゃいのが好きなのよ。基本的に)。

もちろん、どのコンフィグレーションも全て完全密閉型のバイアンプ(または2.1)方式です。デジタル チャンネル デバイダを内蔵したDAC (1つのデジタル入力から2つのアナログ信号(HIとLO)を出力するDACがあると良いのになぁ。。と以前から思っています。クロスオーバーの設定はPCからやれば宜しい。どこか作ってくれないかなぁぁ。。と。

追記
そういえばAlpair5ってもう販売していないんですね。MarkAudioのスーパーカブとして是非復活して欲しいものです。その時にはパートナーとなる専用ウーハーや、できればチャンデバDAC等も一緒に展開してくれると良いなのになぁ。。。このクラスのフルレンジドライバにはまだまだ大きな可能性が秘められていると思います。

追記2
13cmよりも大きな振動板を使いたくないと書きましたが、これは極低域だけをハイパワーで駆動する(あるいはブーストする)方式では振動板を大きくする必然性があまりないためです。従来方式でウーハーを使用する場合、低域限界は単純にウーハーのサイズ(面積)でほぼ決まります。しかし本方式あるいは低域ブースト方式では、再三お見せしたように小さな振動板でも十分な低域性能が得られます。基本的に振動板は小さいほど軽くて剛性が高く、音質面で有利になります。本方式では、必要振動板面積は低音限界ではなく必要音量によって決まります。

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