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2013年05月17日 (金) | Edit |
今回は、Alpair 6Mの馬鹿ブースト方式での歪み計測結果をご紹介します。

久々の馬鹿ブーストです。サブウーハをデジタルフィルタで帯域分割するようになってからは、馬鹿ブースト方式を全く使わなくなってしまいましたからね。

今回のデータは全てサブウーハOFF/帯域分割フィルタなしです。このシンプルさとコンパクトさが馬鹿ブースト方式の真骨頂。さて、歪みの方は如何ほどか?

まずはFrieveAudioでのF特データ
A6 Baka Frieve
青が補正なし、赤が補正ONです。160Hz近辺のディップは部屋の影響です。スピーカに近付けば、このディップは完全に無くなります。僕の経験によると、このように1オクターブより十分に狭い急峻なディップは余りクリティカルではありません。FrieveAudioの補正係数は平滑化しているため、補正ONでもこのディップは少し残ります。

1) 標準ボリューム
まずは標準的ボリューム(標準ピンクノイズで75dBC)でのデータです。
上がAlpair 6M馬鹿ブースト、下は以ZAP 2.1の結果
A6 Baka 75dBC copy
ZAP 75dBC 32
赤ラインの歪み率(%)は67dBを基準に計算しています。馬鹿ブーでは、さすがに2.1に比べると全体的に歪みレベルが高く、50Hz以下で3次の方が2次よりも高くなり、40Hzで3次は2%を超えています。しかし、この程度の歪みであれば、40Hzまでフラットに補正してもマドンナのズンドコビートに問題を感じません。ブースト量は40Hzで約+17dBです。

そもそも2.1システムは「春の祭典」の超絶バスドラをヤッツケヨーという意地と、FrieAudio以外のソース(ラジオやiTuneやCD/DVD)でもLENAUDIOクオリティで聞けるようにと着手したものです。馬鹿ブーでも常用音量域における実用状態では特に問題を感じませんでした。実際、2.1システムにプレートアンプ内蔵のアナログフィルタを使っていた頃は、低音ビートに微妙な違和感を覚えたため、気持ちの良いビートを聴きたいジャズには専ら馬鹿ブーを愛用していました。その事から考えても、今回の歪みデータは「まぁ、コンナモンヤロ」と納得の行くレベルであるように思えます。

しかし、デジタルで帯域分割するようになってからは、自然と2.1方式に手が伸び、馬鹿ブー方式は全く使わなくなってしまいました。低音の歪みの少なさと、ドップラ歪みによる高音域の音質劣化といった面で2.1方式の方が「音楽を聴きやすい」のかもしれません。比較してしまうと、デジタル帯域分割2.1方式の方が総合的クオリティが高いという事なのだと思います。現在のZAP 2.1には全く満足しています。

2) 標準ボリューム+7dB
家族やご近所様を憚る音量です(標準ピンクノイズで約82dBC)。
同じく上がAlpair 6M馬鹿ブー、下が2.1 ZAPです。
A6 Baka 82dBC copy
ZAP 82dBC 60
さすがに馬鹿ブーでは50Hz以下で3次が激増し、40Hzで約10%に達しています。もうブリブリ寸前。これはアキマセン。ただし、欲張らずにブーストを60Hz(+9dB程度)までにしておけば、かなりの音量まで十分に使えそうです。非常に小径/小型のシステムで60Hzまで全くフラットに位相の乱れなく、しかもマンションの6畳間であれば周囲を憚るほどの音量で再生できるのですから、魅力的なポテンシャルを備えていると言って良いでしょう。 8cmクラスドライバであれば、下限周波数は60Hz程度にしておいた方が無難でしょう。

それにしても、Alpair 10の3次歪みの少なさは素晴らしいと思います。僕の使用環境では2.1 ZAPはオーバースペック気味ですが、Alpair 10を2本使って馬鹿ブーまたは2.2ch方式 (2~3"フルレンジ+ Alpair10)方式にすれば、ウーハが1本の2.1方式よりも低音再生にさらに余裕が得られます(同一音量であれば歪み率は低下する)。それでも音量が足りなければ、ウーハの数を単純に増やせば済みます。また、60Hz近辺の特徴的な2次歪みの増加を抑える事に成功すれば、もう完璧でしょう。プロ用モニタヘッドフォン並(3次歪みの低さを考えればそれ以上)の低音が得られます。一家に一台Alpair 10ですね。

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2012年10月28日 (日) | Edit |
英語版用にデータを追加したり、見やすくまとめたりしたので、掲載しておきます。

1) Dynavox PPウーハとAlpair10の4L密閉箱での比較
このウーハにはスケールステッカーを貼る場所が無いので振幅は計測できませんでした。なので4L密閉箱同士の比較です。IconAMPもパッシブプリもボリューム全開で、40Hz信号のレベルを変化させています。

PP vs A10 18

PP vs A10 14

PP vs A10 10

PP vs A10 8

PP vs A10 6
DynavoxもDayton同様3次歪みが多いですね。

2) オープンエアでの結果をまとめました。
左上(i)が1/2Xmax、下の(iii)がXmax、(iV)がXmax超えです。
Alpair 6M
A6M  40 matome copy

Dayton
Dayton matome copy

Alpair 10
Alpair 10matome copy
DaytonはAlpairに比べると4次、5次歪みも顕著に発生していますね。これに対し、どちらのAlpairも、そのような高次の歪みは殆ど見られません。

これらは下限周波数での結果ですが、そのドライバの素性の善し悪しをモロに露わにしてくれます。つまり、磁気的限界(Xmax)以内のこのように優れた振動板の運動特性は主に機械的ロスの少なさ(サスペンションが振動板の動きを邪魔しないという事、機械的コンプライアンスの高さ)に由来するものと思われ、従って全域に影響するであろうという事です。F80からAlpair5に交換した時に、「音楽」の聞こえ方の明瞭さにおいて全く次元が違うぜ!と感じさせられたのは、恐らくこのように優れた基本的素性によるものと思われます。F80では、どうしても、どこかベールが掛かったような不明瞭さ(音楽の聴きたい部分が時々聞こえ難くくモドカシイ)を覚え、ツイータやスーパーツイータを追加したりしましたが改善されませんでした。要は、Alpair5は入力信号に対してちゃんと真面目に動いてくれたという事なのだと思います。きっとね。。。

これから英語の記事を書きます。ではでは。。。

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2012年10月20日 (土) | Edit |
お待たせしました。

今回は振動板の振幅と波形の計測結果をお見せします。

なお当ブログを今回初めて読まれる方は、1つ前の記事を必ず先にお読みください。でないとチンプンカンプンかもしれません。

写真は振幅を計測するための実験君セットアップです。あいかわらず超雑。お仕事の休憩中にチョコチョコっとやるだけですから。。。
test config
iPadのカメラなので写りは最悪ですがご容赦くださいませ。写真のドライバは、マークさんが送ってくださった保護機構(Arrestor)付きの改良型Alpair 10シルバーです。Arrestorとは、早い話が機械的に振幅を制限する(底打ちさせる)シリコン製のストッパです。僕が以前ブリバリっとA10を一台破壊したのを知って送ってくださいました。。。。あれは全く当方のアホなミスで壊れたのですが、他にもブリっとやってしまった方もいらっしゃるようで、ユーザ思いのマークさんは早速この保護機構を採用されたようです。

今回の一連の試験はArrestorの評価も兼ねています。評価の結果、A10のArrestorは丁度良く作動している事を確認できました。今後のロットに順次投入されるのではないでしょうか。ただし、前進側には何のリミッタもありませんので過信はなりませぬよ。1台ずつ大切に組み上げられたドライバです。正しく使いましょう。。。と言える立場ではないですが。。

上の写真でご覧の通り、ドライバを箱に取り付けないオープンエア状態で評価しました。使うのはカメラ、照明、マイクロフォンです。

<計測方法>
ボビンに2mmおきのスケールと三角マークを印刷した紙を貼り付けます。
ラベル1 copy
まず静止状態で撮影し、PhotoShopでスケールの画像からピクセルあたりの長さを計算しておきます。次に正弦波信号をドライバに入力して振動板を上下させてシャッター速度1秒で撮影します。当然画像はブレますが、上死点と下死点では一瞬運動が停止するため、三角マークの残像?が比較的はっきりと写ります。それらの位置をPhotoShop上の座標で読み取って、実際の移動量に換算するという算段。。。。
アーーーーーメンドクサ。。。
でもね。。途中からそんな面倒臭い事しなくても良い事がわかりました。なんと運動中のスケールを目で簡単に読み取れるのですよ。2mm、4mm、6mm...の振幅では、2mmおきのスケールの線が重なってハッキリと見えます。慣れてくると目分量で奇数mmの振幅にも調整できました。楽勝じゃん! カメラは不要ですね。。。今度やる時は1mmおきに長短のスケールを印刷した紙を貼り付けようと思います。。

それでは結果をご覧ください。

1. Alpair 6M 40Hz
Alpai6M 40Hz copy
上の写真はブリブリが始まる直前の状態です。これ以上振幅を上げると、波形の中腹の平らな所が凹み始めて、1周期3山の波形(ハチマル用語の「ブリブリ」)になります。で、このブリブリ一歩手前の状態の写真から読み取った振幅は4.3+4.1=8.4mmでした。つまりA6Mのコイル長=7.2mmを既に超えています。ただし、コイルはまだ完全にギャップの外に飛び出していません(11.2mmを超えると完全に飛び出す)。
ふーーーん。こういう状態だったんだぁ。。。よくわかりました。実験てオモシロイですね。

では振幅の小さい方から見て行きます。
A6M 40 2mm A6M  40 3mm
図中の振幅の値は両振幅(pp)です。A6Mの最大線形片振幅Xmax=1.6mm (両振幅で3.2mm(pp))ですから、右側の3mm(pp)がほぼ線形限界状態に相当します。3次高調波の増加にともなって波形が少し尖り始めています。

A6M  40 4mmA6M  40 6mm
Xmaxを超えて4mm(pp)になると3次高調波成分は2次よりも高くなり、波形は三角形になります。聴感上3次高調波は耳触りです。右側の6mm(pp)はまだコイル長(7.2mm)以内の振幅ですが、波形は大きく変形しています。良質なトーンを得るにはやはりXmax=1.6mm (3.2mm(pp))あたりを正味の限界と考えた方が良さそうですね。

大した事ないように思われるかもしれませんが、次のDaytonウーハの結果をご覧になれば、Xmaxまでまともに振動板を運動させる事がそう簡単ではない事をお分かりいただけると思います。また、50Hz以下の超低域で大信号が入るのはバスドラくらいなので、そのような音ではブリらない限りあまり気になりません。経験上、40Hz/-6dB信号で6mm(pp)程度振動しても実用上は許容範囲であろうかと思われます。

2. Dayton Woofer 40Hz
次にDaytonの13cmアルミコーンウーハ(DA135-8)の結果です。このドライバのコイル長は12mm、ギャップ高は6mm、Xmaxは3mm(片振幅)です。これは一般的に売られている13cmクラスウーハの標準的スペックです。
Dayton 40 3mmDayton 40 4mm
なんだか最初から2次よりも3次が高くて三角形気味です。Xpp=4mmで既に殆ど三角に見えます。

Dayton 40 6mmDayton 40 8mm
Xmaxに相当する6mm(pp)では既に相当歪んでいます。実力的には4mm(pp)程度が限界という感じでしょうか。Xmaxが約半分のAlpair 6Mと大して変わりません。以前の聴感評価では、A6M 2本とDayton 1本がほぼ同等の限界性能でしたし、音質的にはA6Mの方が良好に聞こえましたから、まぁ、こんなもんだと思います。磁気回路の寸法から単純に計算したXmaxだけでは、実力の程は分からないと言えましょう。2つ前の記事に載せたDyanavox製LW5002PPR-S 13cm PPコーンウーハの歪み具合もDAYTONウーハと似たようなものでしたから、このあたりが平凡な13cmウーハの実力と考えて良さそうです。

3. Alpair 10 40Hz
Alpai10 40Hz copy
これは、限界ギリギリの大振幅状態です。これ以上振幅を上げると、例のArrestorにヒットします。薄いブルーの波形がArrestorに接触した時の波形です。この時の写真から読み取った両振幅は7.4+6.3=13.7mmです。A10のコイル長=16mmと最大線形片振幅Xmax=5.5mm (両振幅で11mm)のほぼ中間ですから、Arrestorが効き始める位置としては丁度良いのではないでしょうか。

Alpair 10 40 4mmAlpair 10 40 8mm
右側のXpp=8mmをDaytonの8mmと比べれば、Alpair 10の優位性は一目瞭然です。

Alpair 10 40 10mmAlpair 10 40 12mm
Xmax=5.5mm (両振幅で11mm)に近付くと、さすがに2次成分が目立ってきます。しかし3次成分が2次成分より低いままなので、さほど耳障りではありません。また波形は右方に傾き始めますが、大きく破綻せずにXmax超えの12mm(pp)を経て最終的に上のXpp=約14mmでArrestorにヒットします。僕の常用音量では明らかに過剰性能です。なんだか凄いですね。20kHzまで極めてフラットな特性を持つフルレンジドライバなのに。。。

このようなサイズの振動板を、10mmを超える振幅で、どこにも接触させずに正常に往復させるのは並大抵の事ではないでしょう。ほとんどアクロバティックです。。。これは、ご自慢の超薄スパイダーと非常にソフトなエッジ、それと、ラインに流さず1個ずつ日本人技術者がラボで組み上げるという高い組み立て精度のなせる技と言えます(量産型のCHRはラインに流している。Alpairはガンダムですか?)。先日、「これじゃあ儲からないでしょう?」とお伺いしたとろこ「いゃもう、パッション(情熱)だけでやってるから。。」との事。正に「事」に「仕える」といった感のあるマークさんでした。ナカジマさん、大変ですねぇ。。。Alpairとマークさん、尋常ではないと思います。僕としてはCHRがOEMで大量に売れる事を切に願います。

なお、このように良好な大振幅特性は、元々ブーストを想定したものではなく、常用域のリニアリティとコンプライアンスを徹底的に追究した結果であると思われます。それが僕のブーストコンセプトにたまたま適していたという事でしょう。もしAlpair5を使っていなかったら、このコンセプトには多分辿り付かなかったと思います。だいたい、サブウーハの100Hz以下の低音よりも小さなA5をブーストした低音の方がクオリティが高く聞こえたわけですから。たぶんサブウーハの高調波歪みが高かったのだと思います。平凡なドライバをブーストしても、そらアカンでしょう。。。。F80(多分Xmaxは0.5mm程度)を使っていた頃も、絶対にブーストを試したはずなのですが、記憶に残っていないところを見ると、ちょっとやってみて直ぐに止めたのではないかと思います。

このような実験を重ねるたびに、Alpairというドライバはつくづく特別であるように僕には感じられます。高域性能に注目が集まり気味ですが、Alpairの真価は音楽再生の土台たるべき低音再生クオリティにあると言って良いでしょう。つまり、このような大振幅での優れた特性があればこそ常用振幅域で高いクオリティが得られるという事です。これは、表層的なオンシツを徒に追い求めた小手先の手業ではなく、モノゴトの根本/本質を見据えた真に真当/真正直な技術的アプローチであると言え、そこにこそAlpairのヒミツがあると言えます。このようなアプローチを取らない限り真の「良い」結果(音)には辿り付きません(手業で表層的な面ばかりを追い求めたのではグルグル回るだけなのです)。技術開発とはこうでないとイケマセン。。技術屋としての僕のマークさんに対する尊敬の念はますます高まりました。

次回は密閉箱でArrestorの効果を確認するために行った超ブリブリ限界再生の結果をお見せする予定です。いやぁ。。最初はビクビクもんでしたが、スピーカってそう簡単には壊れないものですねぇ。。。

追記
マークさんに、こんな企業秘密的な情報を公開しても良いのですか?と確認したところ、むしろ積極的に公開を望まれておりました。何でも書け、全部書け。と。。英語版ブログへの掲載もお約束しました。向こうのフォーラムでも驚くほどオープンに情報を公開しておられます。

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2012年10月19日 (金) | Edit |
シリーズ2回目の今回は、Xmaxとはナニなのか? について書きます。計測データは次回の記事に掲載します。スミマセン。。。

下はドライバの断面図です。
Xmax 1
赤丸の部分を拡大したのが下図です。
Xmax2.jpg
この図には2つの重要な寸法を記載しています。1つはコイルの長さ(当ブログでは「Hc」とする)、もう1つはギャップを形成するワッシャの厚さ=ギャップ高(当ブログでは「Hg」とする)です。

下図は、ギャップに対するコイルの位置関係と、各状態で発生する力の大きさを示しています。
Xmax1.jpg
A: コイルの上端がギャップの下端に一致(コイルがギャップから完全に出てしまった状態)
B: コイルの上端がギャップの中心に一致
C: コイルの上端がギャップの上端に一致
D: コイルの下端がギャップの下端に一致
E: コイルの下端がギャップの中心に一致
F: コイルの下端がギャップの上端に一致(コイルがギャップから完全に出てしまった状態)

C~Dの範囲では、ギャップの全幅にコイルが存在するため、一定の入力から得られる力は一定です(線形領域)。コイルの運動がこの領域内に収まっていれば、概ね理想的やね?と言える領域です。ただし、実際にはギャップの外側のコイルもある程度の範囲で影響するため、実際に発生する力は細線で示したような形状になるはずです。

さて、Xmaxの値ですが、全く公表していないメーカもありますし、公表していても定義が異なる場合もあるため、なかなか厄介です。いろいろ調べてみましたが、上記の線形可動範囲の1/2(片振幅)をXmaxとする場合が多いようです。つまり、中心からCまたはDまでの距離をXmaxとするという事です。仕様表に「Maximum Linear Excursion」と書かれていれば、まずこの定義に従うと考えて良いと思います。片振幅で示される場合が多いのですが、両振幅(pp)で表記しているメーカーもあるので注意が必要です。コイル長とギャップ高の値が記載されている製品もあり、そのような場合はXmaxを簡単に計算できます。

以降、当ブログでXmaxという言う場合は、この定義に従い、「最大線形片振幅」と呼ぶ事にします。
Xmaxは下式により求まります。

Xmax = [コイル長(Hc) - ギャップ高(Hg)]/2

Mark Audioが公表しているXmax値は、この定義には従わず、概ねコイル長の半分(Hc/2)に一致します。上図で言えば、中心からBまたはEまでの距離に相当します。ちなみにB~Eの距離はコイル長に一致します。つまり、Mark Audioでは、コイルの端がギャップの中心に達するまでを有効可動範囲と考えているという事です。従って、上記の標準的なXmax値よりも1/2Hg大きな値となります。

例えば、Alpair 6M のコイル長は7.2mm、ギャップ高は4mmです(マークさんが教えてくれた)。これに従うと、最大線形片振幅 Xmax = 1.6mm となります。これに対しMarkAudioが公表しているXmax値は3.4mmです。随分大きいですね。なぜMarkAudioがこのような定義のXmax値を使うのか?は分からないでもありません。機械的運動性能に優れるMarkAudioドライバはXmax内で掛け値無しに動いてくれるのですが、そのへんの設計がエーカゲンなドライバでは、Xmax内でもかなり歪むようです。つまり、そのようなドライバの実質的なXmaxは公称値よりもずっと低いという事です。そのへんのデータは次回の記事でお見せします。

Alpair 6MのXmax = 1.6mmという値は、TangBand等のトラディッショナルな3"ドライバ(Xmax = 0.5~1mm)に比べると大きいですが、最新のかなりアグレッシブな設計の小径フルレンジ ドライバの中には同等以上のXmax値を持つ物もあります。例えばVifa NE95W-04のXmaxは1.75mmですからA6Mとほぼ同等です。

Alpair 10のコイル長は16mm、ギャップ高は5mmです。これに従うと、最大線形片振幅 Xmax = 5.5mmとなります(MarkAudio公表値は7.5mm)。市販されている13cmウーハのXmax値を調べてみましたが、僕が調べた範囲では最大で4mm、平均的には3mm前後でした。Xmax = 5.5mmというのは、同等サイズのウーハに比べて非常に大きな値です。しかも、Alpair10は、この線形範囲内で掛け値無しにガシガシ動いてくれます。凄まじいと言えるかもしれません。これについても次回または次々回の記事でデータお見せします。

実験君は振動板の振幅を簡単に計測する事ができました。次回は、振動板振幅と再生波形を照らし合わせながら、Xmaxがどのように波形に影響するのかを、お見せする予定です。オッタノシミニ!

追記
なお、Alpari 6Pのコイル長は6Mに比べて随分短く、低音ブーストのような使い方には適さないと、マークさんがおっしゃっていました。従って、6Pは今回の検討対象から除外します。ちなみに、TONO君に6Pを使っていますが、部屋がブーストしてくれるので、イコライザの63Hzバンドは-12dBです。つまり振幅をブーストするのではなく12dBも減衰させているという事です。従って低音苦手コンビである6P+TU-870でも特に問題を感じません。信号ブーストを必要としない「お部屋でブースト」は、ある意味理想的かもしれません。いやマジで理想的かも。よく考えてみましょう。。

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2012年05月08日 (火) | Edit |
今回は最終型ZAPシステムの計測結果と設定についてご紹介します。

final3.jpg
調整は「Gain」(音量レベル)、「Freq」(ローパス フィルタのカットオフ周波数)、「Phase」(正相/逆相の選択)の3箇所で行います。

Mode 1:  Frieve Audioを使わない場合
いわゆる一般的なアドオン式サブウーハとして使う場合の設定です。これはiTune、ネットラジオ、DVDやCDの直接再生等、Frieve Audioを介さない再生用に使います。マドンナを聴きながら聴感で良さそうな設定を探した後に測定してみました。
Final0011.jpg
青がAlpair 6Mのみ。赤がAlpair 10をアドオンした状態です。正相で接続しています。クロスオーバーは約100Hz。40Hzまで十分に再生してくれます。

Mode 2: Frieve Audioを使う場合
1本の小径ドライバで音楽のほぼ全帯域を位相遅れ皆無で再生してしまうという、他では得られない馬鹿ブースト方式の良さをできるだけスポイルしないように、50Hz以下の超低域だけをサブウーハで補うモードです。50Hzまでのブーストであれば、Alpair 6Mは十分な再生能力を持っており、大信号時に問題が生じる50Hz以下の超低域だけをサブウーハで補います。Alpair 10は、例の「春の祭典」の超絶バスドラ(35~40Hzのほぼフルスパン信号)も難なく再生してくれるので、矢でも鉄砲でも持ってきやがれです。
final002.jpg
青が50Hz~8kHzでフラットに補正した状態、赤がこれにサブウーハをアドオンした状態です。「Freq」(サブウーハーのカットオフ周波数)は最低位置(左に回しきった状態)です(実際のクロスオーバーは約50Hz)。「Gain」は上記の1)の場合と同じです。こちらも正相で接続しています。今までイロイロ試した中で間違いなくベストの結果が得られました。

小音量で聴く場合、人間の耳には低音が聞こえ難くなりますが、サブウーハを調整する事によって簡単に補正できます(ラウドネス補正)。プレートアンプの操作パネルを背面ではなく前面に向けて取り付けたおかげで、例えばベースラインが聞こえ難いなと感じた時に、仕事を中断する事なく左手をちょいと伸ばして調整できるので頗る具合がヨロシ。 基本的にMode 1では「Gain」を調整し、Mode 2では「Freq」を調整します。窓を開けて仕事する事が増えるこれからの季節、音量をあまり上げられないので重宝しそうです。

という事で、ZAPシステムの開発はここに完全終結しました。

今までの経験から、これ以上イヂッテも、ちょいとした気分や体調や環境騒音等の変化でグルグル同じところを周りそう(富士の樹海)なので、あくまでも「音楽」を聴くための「道具」として扱う場合、これ以上深入りせぬ方が賢明との判断です。

諸々の物理的および心理的な周辺条件の変化による音の感じ方の変動幅(耳の聞こえ具合だって血圧や気圧によっていつも同じではない)に埋もれてしまいそうな微小なオンシツのチガイに拘り始めるとキリがありません。例えば、二者を短時間で切り換えて直接比較すれば、微小なチガイを聞き分けられるのでしょうが、一部の楽曲のそのまた一部のパートを聴き比べて、その時の「好み」や「気分」でどちらかの方が「良い?」として選んだとしても、その差が極めて微小であり「良い?」の基準ももっぱら主観によるため、さらに、比較の条件が限られているため、周囲条件や体調や気分や楽曲が変われば、また違って感じられ、結局、何かを変えてはまた直接比較して「良い?」方を選ぶといった行為をひたすら繰り返すはめになり、「良い?」の拠(よりどころ)となる確たる基準もないため、どんどん高額商品に手を出し(値段だけは数値で表せる、「高価な方が良い?はず」という思い込み)、それでも少しずつ確実に「良い」方向に向かうならまだしも、所詮はその時々の「好み」や「気分」の問題なので、一周して元と同じような状態に戻っても気付かず(しかし装置は確実に高額になっている)、何周でも同じところをグルグル回る富士の樹海を彷徨う事になりがちではないかと思います。まぁ、それ自体を「趣味」とするならば、それが楽しいのであれば、それはそれで結構な事だと思いますが、あくまでも実用道具として扱う場合、その轍を踏む事は絶対に避けたいものです。

本システムはオーディオ自体を「趣味」とするヒトビトが求めるいわゆる主観的な「良い?音」(「ヒビキカン」「オンジョーカン」「リンジョーカン」「クーキカン」「オンガクセー」「ジョーカンノツタワル?」「ゲージツテキナ?」「イヤサレル?」等の嗜好的、趣味的、表層的、付帯的なナンタラ感やカンタラ感)は一切持ち合わせていません。媒体に記録されている音楽情報をできるだけ正確に、余計な事をせず素直に「耳」に届ける事を旨としています。手っ取り早く言えば、カナル型イヤフォンの聞こえ方に近付ける事を目標としたという事です。

装置ソノモノへの拘り、微細な表層的オンシツのチガイの聞き分け、「あたかも生演奏のような」リンジョーカンやオンジョーカンのツイキュー等に興味はなく、媒体に記録された「音楽」(表現者の表現の結果、音楽のホンシツ)を専ら興味の対象とする場合、そのように素直に再生するのが最も「音楽」を聴きやすく、従ってホンシツにアクセスしやすく、自然で違和感がなく、従って本来の「調和」を保って美しく聞こえ、長時間聴いても疲れず飽きないというのが、3年間イロイロやった上でのハチマルの結論です。基本的にオーディオ装置には、表現者と鑑賞者の間のコミュニケーションを媒介するためのインターフェイスとして、正確に機能する事を第一に求めます。

「良い?」オトとやらで鳴らすために、あるいはオンシツやリンジョーカンをツイキューとやらするためにオーディオ装置を使うのではなく、アーチストさんが遺してくれはった音楽表現に素直にアクセスするためにオーディオ装置を使うと言う事です。全くアタリマエですが。。。

ご覧のように、このような超小型の密閉型システムでも40Hzまで難なく再生できます。このような装置は、大多数のユーザの現実的な使用環境において、巨大で高額なハイエンド装置よりも、「真の意味」での高い再生クオリティで、「音楽」をリスナーの耳に届ける事ができるでしょう。すなわちリスナーは「表現者の行為の結果」をより容易により深く受け止める事ができるでしょう。

マンションの一般的な個室であれば、余程の大音量を求めない限り、このクラスのシステムで全く十分だと思われます。だいたい、ご近所や同居人の事を考えれば、また、一般家屋の構造を考えれば、100dB近い大音量を鳴らせる環境などめったにないはずですし、再生音楽をそのような大音量で鳴らす必然性についても甚だ疑問です。音楽演奏専用に入念に設計された広々としたホールとは音響的および心理的に全く異なる一般家屋の、平行面で囲まれた直方体の小さな閉鎖空間の内部で、そのような大音量を鳴らせば、真っ当な感覚を持った人間であれば苦痛に感じて音楽を楽しむどろこではないでしょう。ほとんど拷問です。もちろん健康にも良いわけがありません。

追記
あえて「音」で「遊ぶ」なら、直熱式の真空管アンプを使ったモノラルシステム(一体型のラヂオみたいなのも良いかも、iPod用)を一度試して見たいとは思いますが。。結局使わなくなりそうで。。。ガラクタ増えるの嫌だし。。。。とりあえずTU-870 (モノラル化)とAlpair 6P (タンデム)で試してみるかな? そのうち。。。

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2012年05月06日 (日) | Edit |
久々のオーディオねたです。今日は写真だけ。

重い腰を上げてZAP BAS君をお化粧直ししました。これで完成!

final5.jpg
final1.jpg
バッフルにZAP本体と同じ本革を貼りました。本体の方はグレーで塗装していますが、こちらは未塗装のチョコレート色のままです。

final99.jpg
アンプの筐体を合板で自作して側面に固定しました。もう少しコンパクトにまとめたかったのですが、これが限界です。後方は電源トランス。天井にはクッションシートを貼って、上に物を置けるようにしました。

final3.jpg
操作パネルはインクジェットで作成。

これが3年間やったLEANAUDIOトライアルの結論。「音楽」を聴くだけのための必要にして十分なミュージック マシーンの完成です。iTuneやネットラジオ等、ソースを選ばずに十分な低音まで再生できます。Frieve audioを使う時は、基本的に8kHz~50Hzの範囲でフラットに補正し、50Hz以下の領域でサブウーハーをほんのりと効かせるといった使い方に落ち着きそうです。通常のジャズやロックでは大した効果はありませんが、春の祭典やマドンナ等の超低域に強い信号を含む一部の楽曲では具合よろしく聞こえます。次回は計測結果を交えて、そのへんをご紹介します。

追記1
連休中に不要物を思いっきり処分しました。大量に保管していた写真プリントは、コンテスト受賞作品やギャラリー展示作品を残して全て廃棄(全て画像データで残してある)。すさまじい量があったので、部屋の収納スペースが一気に広がりました。3年間でたまったオーヂオ関連のガラクタも一気に処分。改造したプレートアンプが正常に作動する事を最終的に確認できたので、不要になったチャンデバと業務用アンプも読者プレゼント用に既に梱包しました。これに関しては近々お知らせします。オタノシミニ。

追記2
5本指シューズに薄い中敷きを入れたところ舗装路でも走れなくはない状態になりました。それで調子に乗って野川公園までの一般道も5本指を履いたまま走って行ったところ、帰り道で右足のふくらはぎ(内側上部)に軽い肉離れを起こし、バスで帰宅しました。普段の生活にたいして支障はないのですが、違和感が完全になくなるまで、おそらく1月かそれ以上はランニングを控えた方が良さそうです。ネットで調べたところ、5本指シューズを履き始めた頃にふくらはぎを痛める方が多いようです。今まで使っていなかった足指(特に親指)を積極的に使うようになるので、鍛えられていなかった部位に負担がかかるためだと思われます。ということで、先週からスイムを再開しました(ほとんど半年ぶりです)。2kmくらい泳ぐのですが、最近の筋トレのおかげで明らかに速度が上がっています。ライバル?のオバチャンにあおられる事ももうありません。

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2011年09月06日 (火) | Edit |
結論から申します。ガマ君は失格です。

仕事しながら2日間ほどアレコレ調整しつつ聴いてみましたが、Alpair6Mザップ君(+サブウーハー)がベストと判断。Alpair5ガマ君は残しておいても使用しないだろうという事で潔く撤収。せっかく作ったのに残念ですが使わんモンを置いておいても仕方ないので。。

結局下の写真のようにザップ君+サブウーハーという当初考えていた構成で落ち着きました。
849.jpg
850.jpg

Alpair 6Mのナチュラルな(悪く言えばちょっと地味な)音にすっかり慣れてしまったのでしょうか。Alpair5のキラリとシャープな音を長時間聴くのが辛く感じました。また、アンプがTU-870だとさらにシャラリンキラリンとするので、これにもだんだん鬱陶しくなってきて、最後の方はIcon AMPで聴いていました。しかし、どう調整しても明らかに自分はAlpari 6Mのシットリ控えめな音の方を好むという事がはっきりと分かったという次第です。

今回、A6Mの良さを改めて再認識できたとも言えます。他のAlpairメタルコーン ドライバーを聴いた事はありませんが、A6Mと同じようなキャラクターだとすると、本当に好きな「音楽」をたくさん聴き込むには最適なドライバーだと思います。ちなみに、Alpair 6Mのこの音質的特長は、高音がやや不足気味(というか300Hz~2kHzが少し盛り上がった弱カマボコ傾向)というF特に由来するものではありません。なぜなら僕はFrieveAudioでどのドライバーもフラットに補正して聴いているからです。これは長い時間愛用した後に他のドライバーと比較してみて始めて真に認識できる類の良さかもしれません。

いつもの測定結果です。ほぼリスニング位置での結果です。距離は約65cm。
848.jpg
赤がザップ君単体、青がサブをアドオンした結果です。黄色の帯は35Hz~15kHz/±6dBの領域を示しています。

50Hzのピーク、50~100Hzの落ち込み、180Hzのシャープなディップは部屋の影響、10kHzのディップはドライバーの特性によるものです。これらのディップを除けば、部屋の影響を含むリスニング位置での実効値としては極めて良好な特性が得られていると言えます。これでネットラジオやiTuneをイコライザなしで十分に楽しめるようになりました。

このシステムはサブウーハーをアドオンしています(フルレンジ側はチャンデバを通していません)。前の記事で、アドオン式にすると位相が大きく乱れると書きましたが、今回のサブウーハーの位相遅れはザップ君単体の密閉型馬鹿ブーストの遅れと殆ど同程度しかありません。今まで散々試したAlpair5との組み合わせでは位相が大きく遅れたのに、どうして今回はOKなのか??理由は全く分かりませんが、とりあえず願ってもない結果ではあります。

Frieve Audioで計測した位相遅れ。マイナス(下)側が遅れです。縦軸のスケール値は不明。750Hzのピークはデスクトップの反射の影響と思われる。
852.jpg
ほとんど同じ2本がAlpair6M単体と+サブウーハー アドオン、大きく遅れているのがAlpair5+サブウーハー(アドオン方式ではない)の結果です。Alpair5でアドオンすると、50~100Hzでもっと遅れます。ドシテ?

以上のようにザップ君で極めて良好な結果が得られましたが、Frieve Audioで聴く場合は相変わらず馬鹿ブーストを好みます。特にスピーディーでタイトなジャズは馬鹿ブーストの方が気持ち良く聴けます。細かい音質に集中して聴き比べれば、ブーストによる悪影響も分かるのかも知れませんが、僕は別に「音質」を細かく聴き分けたいわけではないので、「音楽」の全体的な聞こえ方(自然さ、違和感の無さ、聴きやすさ、スピード感)を重視すると、馬鹿ブーの方に食指が動くという事です。

どうもウーハーの低音がダルく聞こえるので、メタルコーン型に交換してみようかと考えています。100Hz以下しか使わないので、Alpair10ではもったいなさ過ぎるため、そこそこ廉価なアルミコーンウーハーを物色中です。交換したら、またご報告しますね。

という事で、今までやってきたデスクトップ スピーカー システムもほぼ終着駅にたどり着いた感があります。
つまり、
「小径フルレンジ(お好みの音調のやつ)」+「小容積密閉型エンクロージャ」+「吸音材たっぷり」+「耳幅配置超ニアフィールド リスニング」+「デジタルイコライザまたは密閉型小径サブウーハ(2.1ch)による低域補強」+「デジタルイコライザによるF特/位相フラット化」+「お好みで真空管アンプまたはDSPによる味付け(ハチマルには不要みたい)」
これが、LEANAUDIOの「ステレオ スピーカー方式音楽再生装置」に対する1つの解答だという事です。

今後はヘッドフォン再生について、ゴチョゴチョやってみようかな?と考えています。

追記
装置の音を評価するに際して短時間のチョイ聴きでは正しい判断はできないという事をつくづく感じる。これは、例えばナニかを交換して「音質」を評価または聞き分けようとする行為は、「本来の実用状態」すなわち「音質」の事など念頭になく「音楽」を聴き込んでいる時の行為とは全く異なるからだと思う。A6Pの交響曲用システムにしろ、今回のAlpair5ガマにしろ、TU-870にしろ、最初は凄く良いと感じたのだが、「音楽」を聴き続けていると「ありゃ?」となって、結局撤収となった。たぶん、その時は気になる一部の「音質」にしか注意を払わず、しかし実際に音楽を聴く時はもっと総合的に音を聴いているからなんだろう。

別にワザワザ細かい音質?の違いを聞き分けたいわけではない。音楽を違和感なくより快適に楽しめる総合的な音楽再生音質が重要だと思う。だって「音楽」を聴くための装置なのだから。

自作の強みは、仕事中でも音楽を聴いている時に「ありゃ?」と感じたら、すぐに対策できる点にある。それを繰り返してここまで辿り付いたのだが、おかげでポチ2型ボックスは、そこらじゅう粘土で穴を埋めた満身創痍の実験君状態。。。そろそろ終着駅も見えたし、新しい綺麗な箱を作らないとね。メンドクサ。。。

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2011年08月15日 (月) | Edit |
最近モノラルの聴きやすさが気に入ってずっとモノラルで聴いていたのですが、2週間ほど前にAlpair6M馬鹿ブーをディスプレイ上方の真正面に置けるようにして、仕事の合間にイロイロと配置を試していました。その結果、L/Rの軸間距離を約23cm(ケロと同じ、ほぼ両耳の左右距離と同じ)にしたステレオレイアウトが、ステレオ感をホンノリ感じながらモノラルなみに聴きやすいという結論に達し、写真のようなレイアウトを採用しました。
825.jpg
ポチ2型ボックスの底面同士を付き合わせて合体すると、L/R軸間距離は偶然ですがケロと同じ230mmになります。ニアフィールドだと左右耳の距離と同じくらいのLR距離って聴きやすいのでしょうかねぇ? ケロ開発の時も、聴きやすさを求めてイロイロ試した結果、この距離に落ち着きました。ちょうど小型のステレオラジカセという感じです。ちなみに、上に乗っけているのはスピーカー セレクターと、ディスプレイ清掃用のピジョン君です。

826.jpg
YAMAHA製のスピーカーブラケットを使用して前方の窓枠に固定しました(製品情報)。ジャズを聴くにはコイツが一番。低音までほとんど直射音で聞けるので、タイミングが正確でタイトなベースを存分に楽しめます。ジャコの超高速ベースやマイルス クインテットのロンさんのベースの、スピーディでタイトなウネリというかドライブ感というか、神業的微妙なユラギというか、ソイツを最高に気持ち良く聴けます。やっぱりコレでしょう。ジャズは。ベースとドラムスのインパクトのタイミングがビシッとせんと。ビシッと。。ビシッとしないと酔ったみたいになって気色悪いのよ。

デスクトップ全景です。
824.jpg
Alpair5 + バイアンプ駆動13cmウーハーを撤去したので、レイアウトがすっきりしました。A6M馬鹿ブーストで30Hzまでブーストしても殆どの楽曲で全く問題ないし、こちらの方が低音がビシッとタイトで自然に聞こえるので、バイアンプシステムは全く使用しませんでした。なのでボツ。。。邪魔だし。
ディスプレイのセンターが右にシフトしているのは、オシゴト中に左半分をメイン(正面)に使うためです(左側に翻訳原稿を置いて、右側に辞書(英辞ろう)や参考文書を開く)。左方の小さなディスプレイは音楽用PCのUSBディスプレイです。FrieveAudioやiTuneの操作だけなのでこれで十分。。。

で、Alpair5は窓枠の上(Alpair6Pバスレフの下)に移動しました。なぜかAlpair6 Pは上向いてるし。。
次回はAlpair5 + Alpair6Pバスレフの交響曲用システムについてご紹介します。まだ実験君段階ですが、こいつはナカナカ手応えアリですよ。オタノシミニ。。。

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2011年05月02日 (月) | Edit |
今回のバスレフ チューニングでの測定結果をご紹介します。

まずは吸音材を入れずにポートと振動板前方の近接音を測定しました。ポートと振動板が離れているので、近接して合成音を測定する事はできません。ポート径はφ34mmです。なお、以下の全ての測定は、左右のSPを直列接続した状態で実施しています。
765.jpg
黒がポート長70mm、赤が40mmです。凄まじい定在波が出ています。初めて音を出した時に愕然としたのも頷けます(こりゃ駄目かと思いました)。1/2波長ではなく1波長の定在波のようです。ポートの位置を中央ではなく左右どちらかにずらした方が良いかもしれません。共鳴周波数は容積11Lで計算にほぼ一致しました。

767.jpg
振動板前方数cmでの測定です。同調点では振動板の出力が低下します。振動板からも激しく定在波の音が出てきます。

10cmx10cmの正方形に切った吸音材(厚さ25mmのミクロンウール)を左右の両端に入れました。ポート長は40mmです。
766.jpg
768.jpg
赤が吸音材なしです。この状態から吸音材を1枚ずつ増やして行きました。1枚入れるだけで高周波放射音は大幅に低下しますが、周波数が低いほど吸音率が下がるため、300Hzの定在波を殺すには左右に5枚ずつ計10枚(厚さ計250mm)の吸音材が必要でした(緑のプロット)。しかし狙い通り、細い筒の両端にだけ吸音材を入れるため、全体の共鳴効果に対する吸音材の影響はそれほど大きくなく、共鳴効果は劇的には低下していません。以前試した小容積ボックスでは、吸音材を少し入れるだけで共鳴効果は激減しました。なお、ピーク点がやや高域側に移動したため、最終的にポート長70mmを採用する事にしました。

次に、約1m離れて合成音を測定してみました。ポート長は40mmです。
774.jpg
スピーカーをデスクの上に置いて、中央前方約1.2mで測定しました。部屋の影響が凄まじく出ています。50Hzの激しいディップは部屋の特性です。無響室が欲しい。。。
黒が密閉(ポート塞ぎ)、赤が吸音材なし、緑が吸音材5x2枚です。100Hz~50Hzのバスレフ効果は吸音材を入れてもほとんど低下していない事が分かります。

下が前方の壁に設置してリスニング位置で測定した状態です。距離は約1m。ポートは最終的に70mmを採用。
777.jpg
吸音材の詰め方を少し修正し、前記事の測定データよりも音量を上げて測定しています。青が中央のリスニング位置、赤がドライバの正面で測定した結果です。50Hz以下で急激に減衰する典型的なバスレフ型の特徴が見られます。なお、特性のディップは部屋の影響です。吸音材で各種付帯音を十分に殺しながらほぼ狙い通りの50Hzまでフラットな特性が得られました(JBLの30cmコンパクトモニタ4312等と同等)。これは主にドライバのサイズに対して余裕のある容積を選択したおかげです。

以上のように事前のシミュレーションと、チューニング中の簡単な測定によって非常に効率的に作業を進める事ができました。もちろんそこから先は聴感による微調整が必要ですが、計算と測定は基準となるスタートラインへ素早くたどり付くために非常に有効な手段だと思います。

追記
今のところ筒とエルボーは普通に差し込んだだけの状態です。接合部で振動を遮断する必要性はそれほど感じません。エルボーのバッフル直後のストレート部には、内側にエアコン用の穴埋めパテを貼って補強/制振/マス付加しています。バッフル板(というかリング)には厚さ9mmの合板を使用しました。塩ビ管は木に比べて響かず、爆音を望まないのであれば、肉厚が薄くても意外とそのままSP用に使えそうです。お安く手っ取り早く実験/製作するには好適かもしれません。ただし、基本は長細い筒っぽなので管の長手方向で激しく定在波が発生します。断面が円なので、管端にだけ吸音材を挿入すれば効果的に吸音できるようです。波長の長い定在波は吸音が大変なので、管を長くする場合には注意が必要です。

追記2
測定しやすいようにモノラル接続のままで聴いていますが、別にモノラルでもエーンチャウ??というのが正直な感想。かえって聞きやすいかもしれません。ステレオってホンマに必要なのか???

追記3
Frieve Audioを使用して45Hz~8kHzの範囲でフラット化と位相補正を適用したところ、少し残っていた臭さが抜けてぐっと音楽が聴きやすくなった。思いの外効果が大きい。やはりフラットな特性が最も自然で聞きやすいと思う。最低音域の締まりと重みはデスクトップの密閉型システムに及ぶべくもないが、完全にハチマルの許容範囲に入ったと実感できる。このような周波数特性の微妙な修正を機械的/電気的/音響的にチューニングするのは大変手間がかかるが、デジイコを使用すれば極めて簡単に良好な結果が得られる。軽くて明るい音調もバリエーションとしては良いかもしれない。たぶんこれでOKなのでステレオ接続に戻した。
778.jpg
イコライザ係数。これで50Hz~8kHzが完璧にフラットになる。バッフル板を大きくすればハイ上がりの度合を低減できると思うので、不要な板が見つかればそのうち実験してみる。

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2011年04月14日 (木) | Edit |
前の記事からの続きです。仕事の合間にイタズラ半分でAlpair 6Mをウーハーとして使ってみました。

前の記事で、基本的にこのコンセプトではウーハーのサイズによって低域限界周波数は大きく変わらないと書きました。ウーハーが大きくても小さくても基本的に100Hz以下の周波数特性は変わらないという事です。

これを証明するために、13cmウーハーのかわりに8cm(実際には少し大きめ)のAlpair 6Mを低域アシスト用に使ってみました。Alpair6 Mの実効振動板面積は13cmウーハーの1/2弱しかありません。

下がその結果です。
726.jpg
緑が今回測定したAlpair 5 + Alpair 6M、黒が前の記事に載せたAlpair 5 + 13cmウーハーです。チャンデバの設定も、ウーハー用アンプのボリューム位置も一切変更していません。多少Alpair 6Mの方がレベルが低いですが、ウーハー用アンプのボリュームをほんの少し上げれば全く同じレベルになります(13cmウーハーは8Ω、A6Mは4Ω)。

ただし最大音量の面では13cmウーハーの方が当然有利です。ボリュームを上げて行くとAlpair6の方が先に限界(低音の歪みが急激に増える音量)に達します(参考記事)。すなわち、ウーハーのサイズは低域周波数限界には大きく影響せず、最大音量に直接影響するという事です。

ケロの場合、サブウーハー用アンプに50Hz以下をカットするローパスフィルタが内蔵されているため、ここまで低域は伸びていませんが、ローパスフィルタを解除できればほぼこれと同等の特性が得られるはずです。

また、この方式はドライバの機械的共振も吸音材で殺してしまうため、ボックスの容積にもほとんど影響を受けません。従って非常にコンパクトにできるという利点も持ちます。いったいぜんたい容積はどこまで小さくできるのか?というのが現在の疑問点です。そのうち実験してみたいと思います。実際、最近の密閉型サブウーハーの箱って、ドライバの大きさの割に極端に小さいですよね。ドライバとアンプを収納して設置しやすいカタチに作りました。。という感じ?

ちなみに100Hz以下の低音だけ聴くと「ボーボー」「ゴーゴー」鳴っているだけなので、全体の音色には殆ど影響しないように思われます。ただし、いわゆるスピーディーな低音とかタイトな低音とか締まった低音とかを求める場合(ハチマルはこれを強く求める)、バスドラやピチカートベース等の再生における過渡応答性(突然大振幅になったときの応答性)を決定付けるのはウーハーの動特性だと考えられます。

デスクトップ用であれば、10cmのCHR-70クラスがウーハー用に丁度良いかも知れません。

追記
なんでこうなるか?というと、それはスピーカーを小さい密閉箱に入れて吸音材で機械的共振を殺してしまえば、大きかろうが小さかろうが、この周波数領域ではほぼ-12dB/Octの左下がり(右上がり)の特性になるからです。で、高域側を右下がり-24dB/Octのローパスフィルタでカットすると、元々右上がり-12dB/Octの特性なので、差し引き右下がり-12dB/Octの特性になります。で、これをフルレンジSPの右上がり(左下がり)-12dB/Octの特性(こちらも密閉型なので自然とそうなる)と重ね合わせると、合成した特性はほぼフラットになります。従ってフルレンジSP側にハイパスフィルタは不要です。ウーハーの音量レベルは小径であるほど小さくなりますが、それはウーハー用アンプのボリュームで調整できてしまいます。というわけです。。

バスレフ型ではこのように簡単にはゆきません。箱も大きくなるし。。市販の密閉型サブウーハーを使用する場合は、メインSPのポートを塞いで密閉型にした方が繋がりは良いでしょう。基本的にサブウーハには密閉型スピーカーを組み合わせるべきだとハチマルは考えます。

追記2
基本的に100Hz以下の音は音色や定位にはほとんど影響しないと言われていますので、2chパワードウーハー(または1chサブウーハー) システムを1つ作っておけば、いろいろ応用が利くと思います。今回は1つの箱にフルレンジとウーハーを組み込みましたが、例えば3Lの小さなサイコロ型の箱に13cmウーハーだけを組み込んで、その上に1Lのフルレンジ箱を乗っけるようにした方が自由度に優れます。例えば、リスニング位置に合わせてフルレンジSPの向きを自由に変える事ができます。また、何種類かの3"フルレンジドライバをそれぞれ1Lの箱に組み込んでおけば、楽曲や気分に合わせて個性の違うフルレンジドライバを手軽にとっかえひっかえできます(箱に番号を付けておけばサンダーバード2号の気分?)。3"クラスのフルレンジドライバは種類も極めて豊富ですし、値段も手頃ですので、非常に経済的かつ手軽に楽しめますよ。一般的な家屋の個室であれば、音量的にも十分です。

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2011年04月07日 (木) | Edit |
という事で、Alpair6 Pはオーソドックスなバスレフボックスで使用してみたいと考えています。

例の「スピーカー設計プログラム アプレット版」で検討したところ、6Pでは概ね7~9Lくらいで約50Hzまでフラットな素直な特性が得られそうです(6Mの場合は5 L前後の小さめの箱で同等の低音特性が得られる、関連記事)。以前購入したVictorのパワードサブウーハーの箱がちょうど8 Lくらいなので、こいつを実験用に利用しようと考えています。ちなみに、このサブウーハーが内蔵していたアンプは現在ケロ用に使用しています。

で、容積が決まったので、今回はポートの径と長さについて検討してみます。

同じヘルムホルツ共鳴周波数が得られるポート径/長さの組み合わせは無数に存在します。箱容積と共鳴周波数を一定とした場合、細くすると短くする必要があり、逆に太くすると長くする必要があります。

容積を8L、共鳴周波数を約53Hzに合わせて、3種類のポート仕様について計算してみました。

ケース1: 内径=4cm x 長さ=12cm
ケース2: 内径=2.8cm x 長さ=4.5cm
ケース3: 内径=2cm x 長さ=1.5cm

ケース1: 内径=4cm x 長さ=12cm
717.jpg

ケース2: 内径=2.8cm x 長さ=4.5cm
716.jpg

ケース3: 内径=2cm x 長さ=1.5cm
715.jpg

3つとも共鳴周波数がほぼ同じなので、得られる周波数特性もほぼ同じです。このシミュレーションは空気抵抗の影響を考慮していないのかもしれません。ポートが細くなると流速が上がって空気抵抗も大きくなるので、共鳴周波数が同じでも実際の出力に影響が出るかもしれませんのでご注意。。。。

さて、ここで注目すべきは、ポートから出てくる音の特性です(グラフの緑の線)。太くて長いケース1では、約1kHzにポート(筒っぽ)自体の共振ピークが発生し、そこから高域側に倍数周波数のピークが発生しています。この1発目のピークは、ポートを短く細くするにつれて高周波側へ移動し、そのレベルも低下します(ケース1では1kHz/67dBに対してケース3では4.5kH/36dB)。

このように、同じチューニング周波数でも、ポートを細く短くする事によって、ポート自体が発生する筒っぽ臭い音を抑える事ができます。また、バスレフ型の場合、十分な共鳴効果を得るには吸音材を最小限にせざるを得ず、箱内の定在波の音もポートから放射されるため、その意味でもポート径は小さめの方が有利かもしれません。

ただし、ポート径を小さくすると流速が上がるため、空気抵抗と風切り音の影響が無視できなくなる可能性があります。また、過渡特性にも悪影響が生じる可能性もあります。これは実際に使用する時の音量にも影響を受けます(音量が大きいとポートを出入りする空気の量が増える → 流速も上がる)。例えばドライバの限界近い大音量で聴く場合には、あまり小径にはできないかもしれません。しかし、控えめの音量でしか聴かない場合には、ポートをかなり小径にしても大丈夫かもしれません。市販製品の場合、当然限界近い音量での再生も想定してポートを選定せざるを得ませんが、自作の場合は自分の音量に見合ったチューニングが可能です。

という事で、近々バスレフのスタディを始めますのでオタノシミニ。。。

追記
この場合もそうだけど、最大音量をどこに見積もるかによって装置の設計は大きく影響を受けますね。たとえば馬鹿ブーストにしてもそうです。最大音量を制限する事によって音質面のみならず設計自由度が大きく広がります。そういう意味でもニアフィールドリスニングは極めて有利です。また、デジタル処理によって信号を制御する事により、使用条件を確実にハードウェアの限界以下に制限できるようになれば、ハードウェア側の設計自由度はさらに向上します。それには、信号入力から音響出力(スピーカー)までを含めたトータルなシステムコンセプトが必要なのは言うまでもありません。このようなコンセプトにより、「本質的」な「音楽再生クオリティ」の向上のみならず「コンパクト化」も可能です。まだまだ技術的にやることが一杯あると思うのだが。。。。

追記2
6Mは6Pよりもf0が低いが、6Pと同じ箱に入れて低域が伸びるのではなく、6Pよりも小さい箱で同等の低域特性が得られると考えた方が良さそうだね。

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2011年04月04日 (月) | Edit |
Alpair6 MとPを録音で比較してみました。

箱は例によって2.5L密閉型+吸音材タップリ仕様(ポチ2型)ですので、ブーストしないと低音は出ませんが、箱自体の癖はほとんど皆無ですからドライバの裸の音を聴けると思います。なお、吸音材によってドライバの機械的共振を殺しているので、fo(ドライバの最低共振周波数)の差はほとんど出ていません。カタログデータが測定された標準状態とは条件が全く異なりますのでご注意ください。

今回はできるだけ条件を揃えて録音するために、バイノーラル録音ではなく、1ch (ユニット1本)のモノラル録音としました。FrieveAudioでR/Lをミックスした信号を1本のSPで再生しています。2本のマイクロフォンをSP前方20cmに設置して録音しているので左右の音は基本的に同じです(マイクの感度差によってR側のレベルがやや低め)。

例によってまずは周波数特性
下図はFrieveAudioが自動的に左(M)/右(P)のレベル調整をした状態です。黒がM、赤がP。録音データのR/Lレベルはほぼこの状態です。
713.jpg

Pのグラフを上にずらして低周波側でレベルを揃えてみました。
714.jpg

大まかに言うと、PはややHigh上がりの特性(バッフル面積が小さい事(バッフルステップ)が影響していると思われる)。Mは2kHzくらいまでほぼPと同じ傾向で、それ以上の高域で3~6dB減衰させたような特性になっています(前記事のマークさんのコメントによると、これは意図的に狙った特性)。このためMとPを直接比較すると、Mが高域不足のように聞こえてしまうのは否めません。この小さな箱では、PはややHigh上がり気味になるため、マークさんが言うようにMの方がフラットな特性と言えなくもありませんが、Pに対して2kHzから上だけを削り取ったような特性になっているため、結果としてMは800Hz~2kHzが盛り上がったカマボコ型傾向となっています。この中域の盛り上がりがフラットになっていれば、高域の不足感もかなり和らぐと思われます。今回使用した小さな箱(ポチ2型)での測定結果に限って言えば、高域不足というよりは中域出過ぎと言えなくもありません。また、大きめの箱を使用した場合、800Hz以下の落ち込みが和らぐ(バッフルステップと機械的共振の効果)ため、相対的にさらに高域不足に聞こえる可能性もあります。スピ研さんのAlpair6Mバスレフの測定結果が参考になると思います。マークさんも言うように、6Mには低音の出すぎない(大きすぎない)デスクトップ用の小さめの箱が適していると言えそうです。

では録音データを添付します。各曲でMとPの未補正の音と、FrieveAudioでフラットにした音を録音しました。今回はAlpai6を一般的なバスレフボックスで使用した場合を想定して50Hz/-3dBまでブーストし、50Hz以下を急峻に減衰させています。ご試聴には、できるだけ癖のないイヤフォンかヘッドフォンまたはモニタスピーカをご使用ください。

マドンナ/American Dream
M 未補正
P 未補正
M 補正あり
P 補正あり

マイルス/Freedum Jazz Dance
M 未補正
P 未補正
M 補正あり
P 補正あり

ベートーベン/交響曲No.5
M 未補正
P 未補正
M 補正あり
P 補正あり

ベートーベン/ピアノソナタNo.32
M 未補正
P 未補正
M 補正あり
P 補正あり

補正なしでは、MはPに比べて高域が伸びない感じを受けると思います。また、僕には籠もり気味の「癖」が少し感じられます。これは1~2kHzにある中域の盛り上がりの影響ではないかと思われます(これはポチ2型特有、大きい箱だとスピ研さんのように段差になると思われる)。Mはトーンコントローラかデジタルイコライザで高域を少し上げるなり、中域を少し落とすなりすると、印象がかなり変わると思います。そのような装置をお持ちの方は積極的に試してみてください。

さらに、FrieveAudioイコライザの自動音場補正でフラットにしてしまえば、MもPも差はほとんどなくなります。微妙にPの方が音が明るくMの方が大人しめに聞こえるような気もしますが、ブラインドで聞きわけられるか僕には自信がありません。また、その差が音楽を聴く上で僕にとってはさほど重要だとは思えません。今回のMとPの比較に限って言えば、両者の個性の違いの大部分は周波数特性の違いによるものではないかと思われます。いずれにせよPでもMでも未補正よりもフラットに補正した音の方が僕には自然に聞こえ、非常に音楽を聴きやすく感じます。という事で、デスクトップの馬鹿ブースト用には、ブースト係数を低く抑えられ(相対的に低域が出ているため)かつブースト耐性の若干高いMを基本的に選択しています。近いうちにPを使用したバスレフのスタディを開始する予定です。

追記
僕は別にスピーカーを始めとする装置の音の個性を楽しみたいという気は毛頭なく、できるだけ自然かつ明瞭な音で音楽を楽しみたいだけなので、デジタルイコライザを非常に重宝しています。デジイコを前提とするならば、ユーザー側のスピーカーの選択だけでなく、製造者側の設計面(サイズ、コスト含む)でも極めて大きな自由度が得られると思います。ヴィンテージSPの音を愛でるのも良いと思いますが、そいうのだけがオーディオではないと思います。原点に戻って「生活の中で音楽を聴くための装置」という観点から、新しいオーディオのあり方をもっと考えるべきだとハチマルには思えてなりません。

追記2
録音データを細かく頻繁に切り換えながら聴いてみたら、補正あり同士でも違いが結構はっきりと分かりますね。やはりPは明るめ、Mはシットリ大人しめのキャラクタ。


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