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2013年06月02日 (日) | Edit |
装置由来のオトの個性ではなく、媒体に記録されている「音楽」ソノモノをしっかりと「良く」聴き取って存分に楽しみたいというリスナさんのために、音楽再生クオリティを手っ取り早く本質的に改善するための「3つのズバット」をまとめてみました。

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1. ズバッと近う寄れ!
一般家庭における音楽再生で最も厄介なのがお部屋の音響特性です。住環境を損なわずに普通のお部屋の音響特性を整える事は困難であり、ましてや100Hz以下の長波長音を吸収する事は不可能に近いといって良いでしょう。

スピーカにズバッと近付くのが最も手っ取り早い対策です。スピーカに近付けば、単純に反射音に対する直接音の比率が高くなって部屋の影響を相対的に低減できるからです。6畳間であれば1m以内に近付く事をお勧めします(部屋の前後長の1/3以下)。僕のリスニング距離は約70cmです。これでも結構部屋の影響が出ます。

以前の記事に書いたように、どのようなソースにも適度な反響・残響音が加えられています。であるからこそ、今や主流となったヘッドフォン・イヤフォンでも存分に音楽を楽しめるワケです。部屋が響き過ぎると、交響曲で重要となる入念に設計された広大なホール空間の反響音が狭い部屋の反射音で阻害されてしまいます。前の記事に書いたように、交響曲ではZAP君のバッフルにオデコがくっつくくらい近付くと良い感じになります。つまり、70cmの距離でも部屋の反射音をかなり聴かされているという事です。できれば部屋はデッドにすると良いでしょう。基本的に部屋や装置で無闇にピャンピャラと響かせる必要は無かろうと僕は思います。

音源に近付けば近づく程、耳に聞こえる音は大きくなります(耳位置での音圧レベルは高くなる)。従ってスピーカで発する音量を小さくできるため、振動板を小さくできます(LEANAUDIO方式では必要振動板サイズは音量で決まる)。振動板は小さければ小さいほど軽くなり剛性は高くなります。つまり変換器としての基本的特性面で有利となるという事です。あるいは、振動板サイズが同じであれば振動板の振幅を小さくでき、低音大振幅の歪み率は確実に低下します。

つまり、スピーカに近付く事によって部屋の影響を低減できるだけでなく、根本的な「音質」の改善も得られるという事です。「スピーカは近くて小さいに超した事はない」というヤツですね。鼓膜に最も近いトップマウントのカナル型イヤフォンがその究極の形態です。

2. ズバッと穴を塞げ!
バスレフポートの穴はズバッと塞いでしまいましょう。これに関しては、最近の記事で詳しく書いたので説明は不要ですね。13cm以下の小型の2Wayバスレフ型をお持ちであれば、穴を塞いでニアフィールドで使えます。できれば箱の中にも吸音材を満たすと良いでしょう。

3.ズバッと平にせよ!
デジタルイコライザを使って「リスニング位置」での周波数特性を整えます(低音ブーストと全域F特のフラット化を行う)。僕の大まかな目標は「40Hz~10kHzで平均的ラインがフラットになり、ピークやディップが±6dB以内に収まる事」です。この条件は10バンドのグライコ(31Hz~16kHz)を使えば十分に達成できるはずです。非常に急峻なピークやディップはこの範囲を超えてもあまり気にする必要はありません。そのような現象はマイク位置が少し動くと変化します。

下限周波数はウーハの能力(振幅と歪みの関係)と必要音量さらにソースに含まれる低音信号レベルに応じて制限されます。3"クラスのドライバを比較的大きな音量で使う場合、ブーストは60Hzくらいまでにしておいた方が安心でしょう。それでも市販13cmクラスのバスレフ型と同等の特性が得られます。

あるいは100Hz以下にサブウーハを使う事もできます。サブウーハにももちろん密閉型を使います。サブウーハも必要音量に応じて(歪みが許容できる範囲で)できるだけ振動板を小さくすると良いでしょう。そして、デジタルフィルタで帯域分割する事が肝要です。100Hz以下という非常に低い周波数でアナログフィルタを使うと、時間的な遅れが大きくなるため違和感を覚える可能性があります。

リスニング位置で周波数特性をフラットに調整した後は、体調や気分あるいは音量に応じて適宜微調整しても良いですが、イコライザ調整にあまり拘るのは危険です。どうにでも調整できますし、チョイとイヂルと明らかに聞こえ方も変わるので泥沼に嵌ります。ソースの状態(つまり音楽に関しては僕達ドシロートよりもずっーーーーーーーーーと高いレベルにあるアーチストさんが表現意図を持ってスタジオのフラットな特性のモニタで聴きながら調整してくれはった状態)を受け入れるのが基本と考えるべきでしょう。ライブではアーダコーダ抜かさずソノママ受け入れてドキドキワクワク夢中で聴きますよね。それと同じ。あまりコマケー事を気にするとキリがアリマセンし重要ではアリマセン。

また、クラシック ソースの場合、以前の記事で書きましたが、僕の手元にある指揮者・楽団・年代(1950年代~今世紀)の全く異なる交響曲(ベト5)の5枚のCDの信号周波数分布は非常によく一致しており、これは鎌倉のとあるホールの中央席で計測された周波数分布とも驚くほど一致しています。つまり、CDをフラットに再生すれば、ホール中央付近で聴くのと概ね同じように聞こえるという事です。

僕達の手元に届く音楽ソースとは、再生時にアレコレ調整の必要な取りっぱなしの生録テープではなく、僕達が具合良く聞けるよう、あるいは明確な表現意図の下に、様々な調整を加えられた完結した作品であると言えます。

オーディオ装置とは、そのように作られた作品を表現者から鑑賞者へ伝えるための情報伝達装置です。情報伝達のクオリティを確保する上で、再生場のリスニング位置における周波数特性は最も基本的で最も重要な調整項目であると言えるでしょう。どのような機械も、正しく機能させるには現場の環境に合わせて正しく調整する必要があります。。。技術の進化した現代では多くの民生用機械が自動調整機構を内蔵していますけどね。

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以上で、音楽再生の基本が整います。オンシツ?やジョーカン?やオンガクセー?がドータラではなく「音楽」の「全体」と「細部」が「バランス」良く「調和」がとれ、より「自然」に「ヨク」聞こえて「聴きやすく」なるはずです。アーチストさん達は、自分の伝えたかった表現を僕達リスナに存分に楽しんでもらえるよう、スタジオでモニタしながら作品をそのように入念に作ってくれてはるという事です。

後はコノミのモンダイです。余りコマケー事は気にせず、ガンガンお気に入りのアーチストさんの「音楽」を楽しみましょう。ソーチ由来のオトのナンタラカンではなく、アーチストさんが作品に込めはった「音楽」のナンタラカンを存分に楽しみたければ、耳までソースの音楽を正確に伝えて全体から細部まで楽にバランス良く聴き取れるようにする事がまず第1に重要なのは極めてアッタリマエです。でしょ?

スピーカに近付いて部屋の影響を軽減し、ポートを塞いで吸音材で付帯音を徹底的に除去し、密閉型で低音を時間ドメイン的に正しく再生し、リスニング位置で全域のF特をフラットにした効果は、つまり基本的音楽再生クオリティを整えた事による効果は、ピアノソロを聴けば最も実感できるでしょう。これは、ピアノの音は帯域が広大(下限は27Hz)でしかも全て打撃音で構成されるためです。つまり、ピアノという楽器は周波数ドメイン的にも時間ドメイン的にも再生が難しいと言えます。また、付帯音やF特の凸凹等ソーチの癖を最も敏感に感じるのもピアノの音です。さらにカセットテーブの時代、ワウフラッタを最も敏感に感じたのもピアノの音でしたよね。基本的音楽再生クオリティを整える事により、ピアノの音は自然に澄み、ドロドロとした低音鍵盤の音も存分に楽しめるようになります。

またビシッとタイトで正確なピチカートベースの絶妙なノリ(スイング、ユラギ、ウネリ)や、ヒップホップ系の50Hz以下のズンと来るヘビーなビートも楽しめます。基本的に、音楽再生クオリティの改善効果はソースのジャンルを問いません。

ただし、交響曲だけはどうもスペサルです。こいつはヘッドフォン再生に限るぜ!というのが僕の結論です。広大なホールに比べて圧倒的に狭いお部屋ではどう手を尽くそうが基本的に無理でしょう。

そもそも上記の3つの「ズバッと」はヘッドフォン・イヤフォンを使えば簡単に達成できます。という事で究極のズバッとは「ヘッドフォン・イヤフォンで聴け!」かもしれません。ただし、ソースが最初っからヘッドフォン・イヤフォン向けに最適に制作されるようにならないとイケマセンし、長時間使うのは辛いですね。

追記
僕の場合、音場サイゲンは殆ど気にしません。モノラルでも良いくらい。ステレオフォニック効果なんて、所詮は飛び出るTV(ステレオスコープ効果)と同程度のギミックに過ぎません。基本的に「再現」ではなく「演出」に過ぎないと言えるでしょう。効果がはっきりしすぎると肝心の音楽が聴きにくいので、ZAP君のSP左右間距離は極端に狭くしています。これでも結構左右を認識できますよ。

当の音楽家達はこのステレオ効果をどの程度重要と考えているのでしょうか。スピカがタマタマ2つあるから、そう作っているというだけのような気もしないではアリマセン。そういえば、音楽畑のプロフェッショナルがオヂオマニアに対して「音場ってソンナニ重要なのか?」としきりに疑問を呈していたというのを聞いた事があります。僕も疑問です。まぁ、オマケ程度に考えておいた方が良かろうと思います。

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