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2012年07月08日 (日) | Edit |
シリーズ最終回として、具体的なシステム例を挙げながら、ハチマルが考える、それ自体を趣味とするマニア用では断じて絶対全くない、誰にでも何の知識がなくとも簡単に日常生活の中でより快適により深く音楽を楽しめる、必要十分な音楽再生クオリティを備えた、妥当な価格の真の実用オーディオ装置について書いてみます。

そのキーワードとなるのが System Integration です。システム統合というやつです。

簡単に言うと、個々のコンポーネントを個別に最適化するのではなく、1つのシステムとして総合的に最適化するという意味です。一般的に、個々の要素技術が十分に成熟すると、システムの統合へと技術は向かいます。多くの場合、システムの統合によって性能、コスト、サイズを飛躍的に向上させる事ができるからです。一般家電では、さらにインテリジェント化(内蔵マイコンによる自動制御)が進んでいます。オヂオ分野は、そのような面で、かなり遅れているように見受けられます。

下は現在の一般的なオヂオシステムの実施例を示しています。
Legacy Concept
ハチマルは、どのようなオヂオシステムであれ、何らかのイコライザ機能は必須であると考えるため、この図にはイコライザも含めています。DAC、イコライザ、アンプ、スピーカは別々に設計され(スピーカ屋はスピーカの事しか考えず、アンプ屋はアンプの事しか考えない)、別々の筐体を持ち、電気装置は別々の電源回路を備えます。そして、それらの装置間は電線で接続されています。冷静に考えれば、コスト、スペース、資源を激しく無駄使いしており、電線類も生活空間においては鬱陶しい限りです。

現在でも、一体化した廉価でコンパクトな装置が売られていますが、それらは単純に1つの箱に各種装置を詰め込んだだけであり、機能的にシステム統合されているとは言えません。

下図は、ハチマルの考えるシステム統合のほんの一例です(クリックで拡大)。
New Concept
全ての電気装置をスピーカ筐体に内蔵しています。図には1系統だけを示しており、ステレオ方式の場合は同じ物を2個使います。このような方式は、電子回路が飛躍的に低コスト/コンパクト/低消費電力化したからこそ可能となります。今や、業務用モニタスピーカではアンプ内蔵が常識です。加えて、このシステムは、無線LANを前提とした無線式システムとしています。無線化が今後の大きなトレンドである事に疑いの余地は無いでしょう。

基本的考え方としては、システムの出力端に位置し、電気-機械-音響変換という最も困難な役割を担い、音質に支配的影響力を持ち、コンポーネントとしては最も不完全な「スピーカ」において最良の結果が得られるように、システム全体を最適化するという事です。さらに、実際の使用状態においてシステム全体をキャリブレートするための機構(自動音場補正機能)を内蔵します。このような校正機構により、はじめてオーディオシステムは真っ当な音楽再生装置と呼べるようになります。

各コンポーネントについて、出力側(スピーカ側)から見て行きます。

1) スピーカ
システムにおける最重要コンポーネントです。他の全てのコンポーネントには、御大スピーカ様の不完全さを補うためのシモベとなって甲斐甲斐しく働いて頂きます。そのようなシモベ達のサポートを大前提として、御大スピーカ様を最初から設計する必要があります。

フルレンジ1本を基本とし、必要に応じて超高域(10kHz以上)を受け持つ同軸スーパツイータを追加しても良いでしょう。この場合、単純にコンデンサをかませるだけで良いかもしれません。コスト増が許される高級システムであれば、デジタルチャンデバとバイアンプを内蔵した2Way型でも良いかもしれません。また、低音補強用にパワードサブウーハをオプションとして用意します。ドライバのサイズとしては、リスニング距離と部屋の大きさに応じて、8cm~13cmから選べれば、一般家庭向けには十分でしょう。普通の人はアホみたいな大音量で鳴らしたりしません。エンクロージャは当然密閉型とし、スピーカ本体にデジタルイコライザを内蔵するため、最初からデジタル低音ブーストと特性補正を前提としてドライバを最適設計します。

これらを前提とした場合、スピーカには、低音ブーストに対応する十分な許容振幅(Xmax)と、大振幅時の挙動最適化が求められます。一方、デジイコで特性補正するため、ドライバの素の状態の特性は多少凸凹していても構わず、設計に自由度が得られます。例えば、敢えて分割振動を起こして高域のレスポンスを半ば無理矢理稼いだりする必要がなくなるかもしれません。なお、密閉型システムでは、再三申しているように、ドライバ自体の気密性が重要です。現存するドライバでは、マークオーディオのAlpairシリーズが良い線行っていると思います。

大音量を必要とするユーザ、あるいは低域限界をさらに延ばしたい(例えば30Hzまでフラット)と望むユーザに対応するために、同じコンセプトで作られた無線式のDSP内蔵パワードサブウーハをオプションとして用意します(後述)。

エンクロージャには、低コストで設計自由度の高い樹脂製が最適だと思います。特性が異なる複数の材料を組み合わせたコンポジット構造が有力でしょう。最新の材料技術と設計技術を駆使すれば、低コストで堅牢な、また、形状が自由であるため音響特性にも優れた密閉型エンクロージャを実現できるはずです。筐体はコストのしわ寄せが最も及びやすい領域ですが、ドライバと同様に音質に決定的影響を与える領域でもあるため、決して手抜きは成りませぬ。。。なお、筐体を変に響かせたりする必要は全く無いと思います。

2) アンプ
アンプ自体には特に新しい技術は必要ないかもしれません。Tripath社製等の安価な量産ICを使った低発熱でコンパクトなデジタルアンプが適するでしょう。性能的には現状ので十分なような気がします。

3) ボリュームコントローラ
リモコンによる音量調整を行います。ステレオ方式の場合、左右の同調が必要です。ドライバ保護のために、低音ブーストの設定に応じて最大ボリュームを制限できると良いでしょう。例えば、+6dB程度の標準設定ブーストではフルボリューム可能とし、バス拡張モード(例えばmax+12dB)の場合は最大ボリュームを制限する等が考えられます。または、ボリュームに応じて、最大ブースト量を連続的に変化させる事も可能でしょう。DSPと連動したマイコン制御が良いでしょう。

4) DAC
これも、機械屋のハチマルには、特に新しい技術は思い浮かびません。アンプと同様、量産チップで十分ではないでしょうか。デジタルブーストを前提とするため、24ビット分解能は欲しいですね。レートは96kHzもあれば十分だと思います。

5) デジタルイコライザ(DSP)
スピーカお助け隊の隊長です。標準イコライザ設定として、スピーカの特性(無響室での特性)がフラットになるようなイコライザ設定を固定プログラミングしておきます。この設定は消去/変更不能です。この標準設定には、ドライバの安全性と音質を保証できる程度のブースト(例えば6dB程度、50Hzまでフラットとか)を最初から含めておけば良いでしょう。この特性が、システムのカタログ値となります。面倒臭いユーザはこの特性のまま使っても良いでしょう(従来のシステムと同じ事)。位相遅れ補正は標準設定のまま固定で十分です(自動補正までは不要)。これにより極めて正確な低音再生が実現します。

なお、イコライザのタップ数は、FrieveAudioのように数百にも及ぶ必要はなく、対数的に配置すれば10数バンドもあれば十分ではないでしょうか。

オプションモードとして、バス拡張モード(例えばmax+10dB、40Hzまでフラットとか)を選択できるようにします。この場合、上記したボリュームコントローラで上限音量を制限してドライバを保護する必要があります。これは最も単純な方法ですが、マイコン制御のボリュームと連動させ、DSP内でダイナミックかつインテリジェントにブースト量を調整する事も可能でしょう。そのようなインテリジェントな方式を採用すれば、ドライバ保護と音質を保証できる範囲内で常に最大限のブーストが可能となります。例えば、以前の記事で紹介したように、春の祭典の超絶バスドラにだけコンプレッションを効かせる等が可能です。このへんはソフトウェアでどうとでもなります。

もう一つの重要な機能が、自動音場補正です。一般ユーザを前提とした場合、あのビックリするようなノイズ信号は使いたくないので、理想としては、通常の音楽を再生しているうちに自動的に最適イコライジングできると良いナァと思います。つまり、使い始めの数時間だけ、リスニング位置にマイクを置いておき、普通に音楽を再生すると、装置がソース信号とマイク信号を比較して自動的に補正特性を算出して設定する。。。といった具合です。十分なデータが得られた時点でインジケータが点灯し、以降マイクロフォンは不要です。あるいはテスト専用の音楽データを同梱しても良いでしょう。複数の特性を記憶できれば、リスニング位置に合わせて補正特性を選択できます。最近のエアコンみたく、リスナの位置を認識して自動的に切り換えるとかも可能でしょう(まぁ、不要だとは思いますが)。マイクをリモコンに組み込めると素晴らしいですね。

あとは、ユーザがお好みでイコライザをイヂレルようにしておけば良いでしょう(iTuneにも付いてるよね)。内蔵DSPにリバーブやシンクーカン風味なんかのエフェクタ機能を持たせても良いでしょう。やり過ぎない程度に。。。このへんは全てリモコンから設定できること。

6) 受信機
もはや無線式が標準となるでしょう。これで鬱陶しい電線類から解放されます。あとは電源ケーブルだけ。。受信機のスイッチで、L/Rどちらの信号を受信するのかを選ぶようにしておきます。両Chを受信してMONOで出力できるようにすれば、装置を1個だけ購入してモノラルで楽しめます。ハチマルなら絶対モノラルにしますね。また、3個買えば、フロント3ch方式も可能でしょう。なんならサラウンドにも対応しますか。

7) リモコン
こいつは重要です。ソース装置の選曲、音量調整、イコライザ/DSPの操作等を行います。携帯型プレーヤ(iPod Touch、iPhone、iPad等)にアプリをインストールすれば、ソースとリモコンを一体化できます。そのような使い方が標準となるかもしれません。というか普通そうだよね。きっと。

8) オプション
お部屋が広くて音量が必要な場合や、拡張ブーストモードでは音量が足りない場合に、同様のコンセプトの無線式パワードサブウーハがあると良いですね。サブウーハの使用を前提とする場合、部屋が広くてもメインスピーカは小径(8cm)で十分かもしれません。ドライバの必要サイズは、ほぼ低音の音量で決まりますから。もちろん、自動音場補正で誰でも簡単にベストな状態に設定できる事は言うまでもありません。

システムとして、機能性とデザイン性に優れたスタンドも同時に設計すべきでしょう。なんなら標準で同梱して欲しいくらいです。ハチマルが今使っている壁/天井取り付け用のブラケットは1個 5~6千円もします。高価すぎでしょう。天井/壁取り付け用と、デスクトップで耳の高さまで持ち上げられるヤツ(Zライト(古!)みたいな可動アーム式なんかもね)があると良いナァと思います。お安くしてね!でもデザインはクールにね!

9) デザイン
システム全体のデザインは、もしかしたら音質よりも重要です。あと色もね。ハチマルなんか、クルマでもなんでもまず色で選びますモン。音楽は、アートは、クールでないといけません。全くです。なんか恥ずかしげもなく「ジョーカン」とか言いそうなオヂサン臭いのはNG。電源コードひとつてっても、デザインを疎かにしてはなりませぬぞ(黒いコードは止めてね)。優秀なデザイナさんを起用してください。市場で成功するかどうかは、ほぼここにかかっていると言っても過言ではないでしょう。日本人は、基本的に建築や工業デザインに優れたセンスを持っていると思います。なのに、製品は洋物に比べると明らかにダサイ。何故にあのようにダサイのか???Apple製はクールですよね。もうそれだけでハチマルは日本製を買う気が全く失せてしまいます。

せっかくデザイナさんがクールな絵を描いても、複雑な会社の審査過程で上の方のオヂ様達が偉そうに口出しして、最終製品はどうしても無難でダサクなる傾向があります。デザインの分からぬオヂ様は黙りましょう。もう、オヂオ=癒しと温もりの木目調のヂダイではありませぬ。

10) 価格
例えば、Alpair 10クラス(13cm)の最高品位のフルレンジドライバを搭載したシステムで、実売1台5万YENでどうよ(ステレオで10万YEN)。デスクトップ用の8cm L/R一体型(ZAP風)も5万YENくらいだな。電気関係は驚くほど低コストで済むはずだし、可能でしょう?ねぇ?

実はJBLが上記のハチマル提唱システムに近いDAC/DSP(自動音場補正)内蔵2wayバイアンプ式業務用パワードモニタを既に発売しています。価格は16cmウーハータイプ(内蔵アンプはウーハ150W/ツイータ70W、マイク付き)がペアでなんと159,800YEN (サウンドハウス調べ)です。1本8万YEN弱。。ハチマル提唱システムは、JBLの背面バスレフ式(ナンデヤネン?)を密閉型にして低音ブーストを追加し、2Wayをフルレンジ1本にし、信号伝送を無線接続にしただけ。。。と言えなくもない。。このJBLシステムが1本8万YENですから、13cmフルレンジ1本のハチマルシステムが1本5万YENというのは、そう非現実的ではないと思いますよ。まぁ。。百歩譲って無線はオプションにするか?いやいや、甘やかしてはいけませぬ。。
JBL.jpg
JBL/LSR4326P 159,800YEN
20cmウーハ搭載の4328Pはペアで229,800YEN
サウンドハウスさんの商品ページ

電子回路が極端に低コスト化した現代において、価格はどう考えてもそんなモンでしょう。

以上、ハチマルが考える、これからの「音楽」を楽しむためのオーディオ装置について書いてみました。まぁ、マニアさんにとっては、とんでもなくツマラナイ装置ですが、そもそも根本的な目的が違いますので、そこのところはご理解くださいませ。

上記の実施例は、ほんの一例に過ぎません。たとえばL/Rを一体化したZAPのようなステレオラジカセ風も考えられますし、パワードウーハーをL/Rに組み込んだ大型システムも考えられます。ケロのようなウルトラミニマムな可搬型2.1chシステムも素敵でしょう。こいつは充電式にしていつも身近に置けると良いですね。無線式だと家中何処でも聴けるので便利です。欲しいなぁ。。このタイプが一番売れそう。また、FrieveAudioのようなソフトウェアをバンドルし、PC側でDSP処理を済ませた後の信号を無線で飛ばす事もできます。いろいろ考えてみてください。ハチマルに電子回路の知識があれば、自分で組めるのですが、機械屋のハチマルには到底無理です。そのへんの知識をお持ちの方は自作に挑戦してみるのも面白いかもしれません。なにも、高価なデンセンやアクセサリのオンシツとかナンタラカンとかの微小なチガイを追いかけマースだけがオヂオ趣味ではないでしょう。もっと自由な発想で、もっと知的に楽しんでみても良いのではないかな? ホンマニ

追記1
という事で、TONO君の開発に関連して最近の記事を書いてきましたが、それも一段落した感があり、更新はまた疏らになると思います。今後の予定としては、最近使わなくなったケロ君を大阪の姪(黒くてアンダーグラウンドな音楽業界のヒト)にプレゼントする事にしたので、メインアンプを組み込む改造を考えています。外装も彼女の趣味に合わせて、黒革/ドクロのどメタル調にする予定。。黒くてバイオレンスな悪ケロに変身です。モヒカンにするか? ユザワヤに行けば、ドクロも鋲も鎖も黒革も手に入るので、ちょっと凝ってみようかなぁ。。。なんてね。出来たらご紹介しますね。ま。年内一杯はかかるでしょう。クリスマスプレゼントが目標です。

追記2
この記事を書いている時点で、ランキングはまだ1位に留まっているみたいです。もう10日は過ぎたでしょうか。。。ちょっと驚き。。。応援ありがとうございます。更新しないとテキメンに順位は落ちますが、10位より落ちそうになったら、お情けでポチしてやってくだせぇ。。。10位以内はキープしたいですね。。なんとなく。。。

ではでは。。。。。

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テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2012年06月09日 (土) | Edit |
イコライザというと、「鮮度が落ちる」とか言われて毛嫌いされる向きもあるようですが、果たしてそうでしょうか?彼らの言う「センド」とは一体何を指すのでしょうか? 今回は、そのへんについて書いて見たいと思います。

その前に、カラー写真について考えてみます。多くのデジカメでは「カラーバランス」を設定できるようになっています。これは、照明の種類(太陽光、人工照明(白熱/蛍光灯等))によって光のスペクトル分布(色温度)が異なり、また自然光であっても天候や時間帯によって色温度が異なるため、一定の条件で処理したのでは色かぶり(色が偏って不自然に見える)が生じるためです。これは一種のデジタルイコライザ機能であると言えます。多くの方はオマカセの「オートカラーバランス」を使っていると思いますが、これは撮影した画像の全体的な色の傾向からその時の色温度を推測して補正します(専用のセンサを使う機種もある)。これはデジタル式の自動音場補正に相当します。デジカメに限らず多くの装置は、ある条件を基準として設計され、実際の使用条件がそれと異なる場合には、その装置に課せられた本来の目的を最善の状態で達成するために、何らかの補正を適用します。

銀塩のカラー写真の場合、フィルムは特定の色温度で自然な発色が得られるように作られています(デーライトとかタングステンとか)。しかし、撮影条件に合わせてフィルムを選んだとしても、実際の色温度はそのフィルムの標準色温度と常にピッタリと一致するわけではありません。このため、ネガカラーであれば引き延ばし時点で、リバーサルであれば撮影時に、光学系に色付きの補正フィルタを挿入します。こちらはアナログ式ですね。当然ですが、そのようなフィルタを挿入すると、光学系の性能(すなわち画質、オヂオ的に言えばレンズのセンド)は僅かに低下しますが、それを嫌って補正しなければ、色が不自然に偏ってしまって、本来の目的を最善の状態で達成する事はできません。もちろん表現上の理由により意図的に色をかぶらせる事もありますが、それは表現者が行う特殊なケースです。

さて、オーディオではどうでしょうか?

スピーカは、無響室で測定した時に概ねフラットな特性になるように設計されています。無響室というのは実用からかけ離れた非常に特殊な条件ですが、実際に使われる条件が不特定であるため、致し方のないところと言えます。しかし、実際の部屋に設置した場合、スピーカから出た音がリスナの耳に届くまでに、必ずその部屋の影響を極めて多大に被ります。

TONO君でその影響をもう一度見てみましょう。

下は、スピーカをデスクの前端に置いて約20cmの距離で測定した結果です。device.jpg
ほぼドライバの素の特性(無響室での特性)に近いと思われます。4kHzのピークはドライバ自体の癖です。

下は、TONO君をコーナーに設置して、実際のリスニング位置(ベッドの枕の位置)で計測した結果です。
room.jpg
これが同じスピカか?と目を疑いたくなるくらい違います。このように、実際の使用条件によって、耳に届く特性は装置ソノモノの特性とは大きく異なります。もちろん、部屋が異なれば、その影響の出方も千差万別です。このまま聴くと、交響曲の低音部のウナリがブオーと不自然に聞こえ、また、ジャズのベースラインを追跡しにくくなります。

そこで9バンドのイコライザで調整しました。
equalize_20120609060642.jpg
これは、以前に紹介した設定から、イロイロな曲を聴いている時に気になるところがあるとその都度チョコチョコ微調整を繰り返した結果としての現在の状態です。このような調整により、「音楽」は明らかに自然で聴きやすくなります。

さて、「鮮度」とは何を指すのでしょうか?

「鮮度」を、「記録された音楽と実際に耳に届く音楽の違いの少なさ」と定義するならば、適正なイコライジングによって音楽再生の総合的な「鮮度」は確実に向上します。すなわち、その装置の本来の目的をより善い状態で達成できるという事です。もちろん、「装置」レベルでの信号は多少劣化します。特にアナログ式フィルタでは位相に影響も出ます。しかしリスナの耳に実際に届く「総合的な音楽再生」の鮮度の向上は、そのような微小な信号劣化を補って余りあると言う事です。色補正フィルタを挿入するとレンズの性能(ガシツ)は僅かに劣化しますが、「写真」としての総合的な鮮度(本来の色味の自然さ)は、そのような微小なガシツの劣化を補って余りあるのと同じです。微小な劣化にばかり目を向けて、総合的で決定的な本来の目的を見失ったのでは意味がありません。ソーチがいくらセンドとやらの高い音を出しても、リスナに届く実際の音楽の全体的な調和がガタガタに崩れていたのでは意味がありません。キモチヨクナイノヨ。

もちろん、可能であれば、イコライザを適用する以前に、部屋の音響特性を可能な限り整える事も重要です。しかし、完璧に行うには多大な費用と労力を要し、一般的には対策の範囲も極めて限定されます。唯一現実的な方法は、ニアフィールドで聴く事です。

さて、では、彼らの言うところの「センド」とは何なのでしょうか。それは、「装置ソノモノから出てくるオトのコセーの際立ち度」と言う事でしょうか。写真でも、レンズマニアは写真ソッチノケでルーペに齧り付きで超微細なレンズのガシツに拘ります。それと似ているように思えます。

つまり、主たる興味の対象を「そこに記録されている音楽」に置くのか「ソーチそのもの」あるいは「ソーチから出てくるオト」あるいは「ソーチによって現出する諸々の付帯的現象」あるいは「それらのコセイとかアジ」に置くのかによって、イコライザに対する考え方が如実に違ってくるという事です。端的に言えば「音楽」を主体に考えるのか「ソーチ」を主体に考えるのか、という事です。

当ブログで再三書いたように、デジタルを音源とするならば、DAC以前のデジタル段で全ての処理を済ませる事により、位相の遅れなく最小限の信号劣化でそのような補正を、望むならば自動的に、極めて容易に適用できます。「音楽」を主たる目的としてオーディオ装置を使う場合(って、それが普通なんですけど)、TONO君の例のように部屋の影響を強く受けているようであれば、イコライザは大きな効果を発揮するでしょう。基本的なところが整った後、コマケー事をティマティマやる以前に、デジタル式であれアナログ式であれ、何らかのイコライザの適用を真剣に検討してみる価値は十分にあると思います。音楽再生において周波数特性の影響は何にも増して決定的です。アタリマエなんですけどね。

イコライジングを適用する際に何よりも重要なのは、絶対的な基準を明確にする事です。すなわち、まずリスニング位置で計測してみる事が必須です。計測に基づいてできるだけフラットに調整し、その状態で暫く素直に聴いて耳を慣らした後に、必要と感じれば自分なりに微調整すると効率的です。もちろん、自動補正が利用できれば非常に便利です。「ブツリトクセーはジューヨーではない」と言って憚らぬオヂオ業界人も多いですが、それはあくまでも「ソーチ」を主たる興味の対象とするかなり特殊な音楽との関わり方をするヒトビトの考え方であり、そうではないヒトビトはそのような言動に決して惑わされてはなりません。

フラットな状態を聴き慣れていない方がいきなり聴感だけでイコライジングするのは無謀です。基準の状態が分からないまま感覚だけで調整すると、それこそ富士の樹海グルグル必至でしょう。イコライザが正しく認識されて普及しない根本の原因はそこにあるような気がします。あ、それと、イコライザは簡単にイヂラレルので、今度は超微小な調整に没頭しだす危険性があります。イコライザ(equalizer)とは、読んで字のごとく「特性を均一化」するための装置です。基本的に好き勝手にイヂクリマースための装置ではアリマセン。あくまでフラット基準で、オコノミは必要最小限に留めておいた方が身のためですよ。後は音楽聴くダケ。メンドクサガリ屋さんになりましょう。

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2011年12月13日 (火) | Edit |
前の記事に掲載し忘れた補足データです。

40Hzパルス入り正弦波を再生した時のスピーカ音響出力波形をFrieve Audioの位相補正あり/なしで比較してみました。

アンプにはCP400を使用しました。
グレーが信号波形、青が位相補正なし、赤が位相補正ありです。クリックで拡大してご覧ください。

信号の先頭部
40 パルス 始め 補正

信号の終端部
40 パルス 終わり 補正

補正あり(赤)は驚くほど源信号(グレー)に一致しています。正弦波が一致するのは当然なのですが、信号の立ち上がりおよび立ち下がり部の追従性が飛躍的に改善されているのには驚かされます。念のために言っておきますが、これはアンプの電気信号ではなく、スピーカから実際に出てくる音をマイクで拾った音波波形です。

CP400で計測した補正特性を使用してアイコンで再生してみました。緑がアイコンです。
40 パルス 始め 補正 ICON
CP400の特性で補正すると、Icon AMPでは過補正になる事がわかります。このデータからも、Icon AMPの位相特性が非常に優れている事が裏付けられました。

あ、それと、前の記事で「どのアンプでも大して変わらないように感じる」と書きましたが、それは、それぞれのアンプの特性で補正して聴き比べていたからかもしれません。こんなに正確に補正されたら、違いが分からなくて当然ですね。。。補正を外して聴き比べ直すべきなのかもしれませんが、ソンナノメンドクサイシ。。。補正してオンナジやったら、それでエーヤン。。。

データは以上です。

いつもの事ながら、Frieve Audioの補正精度の高さには驚かされます。このように、信号入力からマイク位値までの伝達関数(ゲインと位相)を計測し、デジタル信号処理で補正する事により、部屋を含むシステム全体を極めて正確にキャリブレートして、可聴帯域の下限近くまで位相遅れの無いフラットな特性を簡単に実現できます。Alpair6 Mは8cmクラスの小径フルレンジですが、マンションの6畳間であれば、40Hzまでフラットにブーストしても、近所に気兼ねするくらい音量を上げる事ができます。

オーヂオマニアの間では、「イコライザ」というだけで敬遠されがちですが、このような補正は「音」をイヂッテいるのではなく、本来あるべき音が聞こえるようにシステム全体を「校正」しているに過ぎません。一般的にマニアと呼ばれる人々がやってる事の方が、余程好き勝手に、アノテコノテで、「音」をイヂクリマーシテいるように僕には見えます。

低音をこのように正確に再生すると「音楽」を聴く楽しみが一気に深まるという事は、LEANAUDIOに着手するきっかけとなったカナル型イヤフォンでの衝撃的体験と、LEANAUDIOを通しての経験から、僕には極めて明白であるように思えます。何故ならば、西洋音楽はクラシックであれ、ジャズであれ、ロックであれ、マドンナであれ、このような低音を土台に積み上げられているからです。そのような低音をしっかりと正確にリスナーの「耳」に届ける事こそが音楽再生の基礎であるというのは、僕の経験を通して得た重要な結論の1つです。

例えば、2つ前の記事の、ベースとトランペットの波形を見るとわかるように、ベースの低音による大きなウネリによって波形の基本形状が決まり、そこにペットの高音が乗っかります。特にジャズでは低音ビートの絶妙なグルーブが極めて重要です。僕はジャズを聴き始めた時から、ベースラインを追いかけながら聴くくせが付いているのですが、各奏者はこのベースの波に乗るようにして演奏しているように聞こえます。ジャコが大編成のビッグバンドをベース一本でグリングリンと煽り立てるようにドライブするのがいかにカッコイー事か! 学生時代はよくライブハウスや屋外のジャズフェスに出かけましたが、ベースとドラムスがヘボなバンドは聴くに堪えず、あまりに酷い時は席を外したりしました。僕が特に小容積のバスレフ型に堪えられないのは、おそらくそういう事だと思います。今度はクラシックのストリングの重奏部の波形を解析してみましょう。

本当に正確な低音を聴けるカナル型イヤフォンや密閉型ヘッドフォンで、真剣に「本当に大好きな音楽」を(オンシツやテーイやリンジョーカンやナンタラカンではなくオンガクを!)聴き直してみれば、その事に気付くかもしれません。

デジタル信号処理によって、このように正確な低音を容易に再生できるという事は、基本的にダイナミック型スピーカを音響出力手段として発展してきた音楽再生技術の歴史を理解するならば、極めて画期的かつ重大な事であり、リスナー側にとっては、音源のデジタル化によってもたらされた最大の恩恵であると言えます。製作側はとっくの遠に、その恩恵を使い倒しているにもかかわらず、何故、家庭用再生装置の分野は、この事実を長年無視し続けてきたのか、僕には全く理解不能としか言いようがありません。

やたらコマケー事ばかり見てオッキイ事が見落とされているような気がします。ヒョーロンカが悪いのか?メーカの技術屋もオーヂオマニア出身だからか?マニアがうるさいのか?

高級オーディオというものを業界がこぞって「音」で遊ぶための道楽的道具であるかのようにしてしまい、本来の「音楽」を鑑賞するための道具としての根本的な部分での進化が、余りにも疎かにされているのではないでしょうかねぇ????

追記
このような補正は密閉型だから可能だという事をお忘れ無く。。。過去の実験では、バスレフ型の位相は完全には補正できませんでした。音波波形がダイアフラムの振動と一対一に対応しないためだと思われます。バスレフ型を補正する場合は、ポートを粘土等で塞ぐ必要があります。

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2011年12月04日 (日) | Edit |
Frieve Audioの自動音場補正は、「周波数特性」と「位相特性」の両方を補正してくれます。すなわち周波数ドメインと時間ドメインで補正してくれるという事です。これらの補正は別々にON/OFF可能です。「周波数特性」の補正効果はF特グラフを見れば直ぐに確認できますし、聴覚でも比較的容易に効果を実感できます。これに対し「位相特性」の補正効果は簡単には確認できません。

アナログチャンデバを介する2.1システムやバスレフ型では、位相の遅れによって特にピチカートベース音で違和感を覚え、波形でも簡単に確認できました。しかし、密閉型馬鹿ブー方式では位相特性の補正をOFFにしても違和感を殆ど感じません。今回の実験君レポートでは、馬鹿ブー方式で位相補正がどの程度影響しているのかを検証すると共に、比較のためにヘッドフォンで初の計測を試みました。

以前は、ベースソロの信号を使用して密閉、バスレフ、サブウーハー方式で位相遅れ補正効果を確認しましたが、今回は密閉型馬鹿ブー方式だけを対象に、高音楽器の音も混じった信号を使用して、より明確に補正効果を確認しました。

サンプルに使用したのはマイルスのMadnessという曲です。ロンさんのベースとマイルスのトランペットがうまく重なっている部分を抽出しました。下がその波形とスペクトルです。
波形
Madness.jpg
約55Hzのロンさんベース音に、約520Hzを基音として綺麗な倍音を含むマイルスのペット音が重なっています。

部屋の反射波の影響を小さくするために、マイクロフォンはスピーカ前方約10cmに設置しました。下はFrieve Audioが計測したAlpair 6Mの位相遅れ特性です。
位相遅れ
密閉形であっても、周波数が下がるほど位相が遅れます。バスレフ型の場合はもっと大きく遅れます。500Hz近辺の位相の乱れは主にデスクトップからの反射によるものです。

それでは、波形を比較してみます。グレーが信号波形、赤がスピーカ出力波形です。再生音量はハチマルの実用上限音量です。クリックで拡大してご覧ください。

● まずは全く補正していない波形です。
位相 OFF OFF
なんだかゼンゼン違いますね。


● 周波数特性と位相遅れの両方の補正をONにしました。補正範囲は20Hz~20kHzです。
位相 ON ON
嘘みたいにバッチリ合っています。ここまで一致するとは、ちょっと予想していませんでした。


● 位相遅れ補正だけをOFFにしてみました。
位相 ON OFF
低周波数のベース音がトランペット音に対して遅れている事がよくわかります。ペットの波形もなんだか変ですね。


● 今度は位相補正をONにして周波数特性補正をOFFにしてみました。
位相 OFF ON
ペットの波形はかなりソース波形に近付きましたが、低域がブーストされないのでベース音が弱まって、全体的に平らな波形となっています。


● 最後に、SONYの高級密閉形モニタ ヘッドフォンMDR-Z1000でも計測してみました。マイクロフォンは例のバイノーラル録音用です。初のヘッドフォン再生での計測です。
ヘッドフォン
さすがですね。もちろん全くの未補正です。何の苦労もありません。再三申しているように、ヘッドフォン/イヤフォン再生はスピーカ再生に比べて「圧倒的に高音質」であるという事をご理解いただけると思います。でも、波形を詳しく見るとベースが若干進み気味です。

下はFrieve Audioで測定したヘッドフォンの位相遅れ特性です。
HP位相遅れ copy
やはり低域で位相がわずかに進んでいます。こんな事ってあるのね?

下はヘッドフォンのF特です。
HP F
このバイノーラル用マイクの周波数特性はあまり信用できません。特に高域の特性は全く信用できません(マイクの表と裏の両方で音を拾う構造であるため、耳穴の気柱振動が影響している模様)。聴感では、カナル型イヤフォンや馬鹿ブーフラット再生よりも低音がブワッと出過ぎる気がしていたのですが、やはり低音が盛り上がり気味ですね。しかし、そのおかげで、40Hzまで中域と同等レベルのレスポンスが確保されています。Frieve audioで500Hz以下をフラットに補正すれば、馬鹿ブーやカナル型イヤフォンとと比べて違和感のない低音を聴けるかもしれません。

と言う事で、Frieve Audioの音場補正により、周波数ドメインだけでなく時間ドメインでも、密閉形モニタヘッドフォンに匹敵する非常にクオリティの高い音楽再生を実現できるという事を再確認できました。非接触型ヘッドフォンを標榜するLEANAUDIOニアフィールド方式の面目躍如ってとこですね。

Alpair5を使っていた頃は、アナログチャンデバを介してサブウーハーを使用すると、大幅にウーハーの位相が遅れたため、位相遅れ補正をOFFにすると時々違和感を覚える事がありました。しかし、密閉型の馬鹿ブー方式の場合、OFFにしても殆ど違和感を覚えた事がありません。ですので、OFFにするとこんなに波形が崩れてしまうという今回の結果には逆にちょっと驚きました。ONにした場合の弊害というのも特に感じませんし、CPU利用率もほとんど増えないめ、今後も位相遅れ補正ONを標準設定にしたいと思います。

オーディオを趣味とされる方々は、こんなのツマラナイと思われるかもしれませんが、このように「音楽再生クオリティ」を高める事によって、「音楽」(アーチストさんがやらはった事)を非常に聴き取りやすくなります。また、僕には「音」自体も癖や違和感のない素直で自然な、従って美しい、「響き」方に聞こえます。これはマイクで拾った波形が素直にそのまま耳に届くからだと思われます。例えば、録音されたストラディバリの響きを本当に味わいたいのであれば、倍音をタップリ含んだ精妙極まりない波形を出来るだけ正確に耳に届ける以外に方法はないはずです。

今回驚いたのは、密閉型スピーカであっても、位相を補正しないと、トランペットの各倍音成分の波形の時間的順番がソースとは異なっているよう見える事です(スペクトルは同じはずですが、波形が全然違って見える)。僕の耳では同じようなペットの音にしか聞こえませんが、電線の違いを聞き分けられるくらい耳の良い方には違いが分かるかもしれません。例えば、ストラディバリの微妙な響きを真剣に聞き分けようとする場合、このへんの波形の崩れはどの程度影響するのでしょうか? (僕にはそこまで聞きわけようという熱意はありませんが。。。)

スピーカとしては最もシンプルなフルレンジ1発でも、スピーカの位相特性によって、このように大きく波形が変形しているというのは驚きです。アナログフィルタを介したマルチウェイ方式の状態は「推して知るべし」ではないでしょうか。

対して、ヘッドフォンでは、何の苦労もなく非常に正確な波形を耳に届けられるという事が、今回の計測で実証されました。ヘッドフォン/イヤフォン再生は、テーイがドータラコータラを無視してしまえば、めっちゃ気持ち良いですよ。ホンマニ。特にベトベン交響曲はヘッドフォンで聴く方が好きだな、未だに。。。。真面目なバイノラル盤出ないかなぁ。。でも、長時間の装着が鬱陶しいのよね。。。

LEANAUDIOでは、常にカナル型イヤフォンの聞こえ方をリファレンスとしてきました。そこそこ上等のカナル型イヤフォンなり密閉型モニタヘッドフォンを真剣に聴いた事のない方には、一度じっくりと聴いてみる事をお薦めします(あんまりジョートーなやつはジョートー感を演出している可能性があるので、イヤフォンなら1マンエン前後のクラスが適当かと思います)。僕はジョートーすぎるヘッドフォンを買ってしまった事を少し後悔しています(超特価を見付けて衝動的にポチしてしまったのよ)。多くのスタジオで愛用されているMDR-CD900STくらいにしておけば良かったかもしれません。ハチマルはVictor製のダイアフラムがトップマウントされたタイプのカナル型イヤフォン(HA-FXC71、6K円くらい)をリファレンスとして使用しています。外出時およびジョギング中も、いつもこいつを愛用しているので、ボロボロになってきました。値段も手頃ですのでお薦めします。

ヘッドフォン/イヤフォンで定位に違和感を覚える方は、モノラルにして「オンジョー」とか「テーイ」を気にせずに「オンガク」を聴いてみてください。何か新しい発見があるかもしれませんよ。ハチマルもソースによってはモノラルで聴いています。

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2011年04月04日 (月) | Edit |
Alpair6 MとPを録音で比較してみました。

箱は例によって2.5L密閉型+吸音材タップリ仕様(ポチ2型)ですので、ブーストしないと低音は出ませんが、箱自体の癖はほとんど皆無ですからドライバの裸の音を聴けると思います。なお、吸音材によってドライバの機械的共振を殺しているので、fo(ドライバの最低共振周波数)の差はほとんど出ていません。カタログデータが測定された標準状態とは条件が全く異なりますのでご注意ください。

今回はできるだけ条件を揃えて録音するために、バイノーラル録音ではなく、1ch (ユニット1本)のモノラル録音としました。FrieveAudioでR/Lをミックスした信号を1本のSPで再生しています。2本のマイクロフォンをSP前方20cmに設置して録音しているので左右の音は基本的に同じです(マイクの感度差によってR側のレベルがやや低め)。

例によってまずは周波数特性
下図はFrieveAudioが自動的に左(M)/右(P)のレベル調整をした状態です。黒がM、赤がP。録音データのR/Lレベルはほぼこの状態です。
713.jpg

Pのグラフを上にずらして低周波側でレベルを揃えてみました。
714.jpg

大まかに言うと、PはややHigh上がりの特性(バッフル面積が小さい事(バッフルステップ)が影響していると思われる)。Mは2kHzくらいまでほぼPと同じ傾向で、それ以上の高域で3~6dB減衰させたような特性になっています(前記事のマークさんのコメントによると、これは意図的に狙った特性)。このためMとPを直接比較すると、Mが高域不足のように聞こえてしまうのは否めません。この小さな箱では、PはややHigh上がり気味になるため、マークさんが言うようにMの方がフラットな特性と言えなくもありませんが、Pに対して2kHzから上だけを削り取ったような特性になっているため、結果としてMは800Hz~2kHzが盛り上がったカマボコ型傾向となっています。この中域の盛り上がりがフラットになっていれば、高域の不足感もかなり和らぐと思われます。今回使用した小さな箱(ポチ2型)での測定結果に限って言えば、高域不足というよりは中域出過ぎと言えなくもありません。また、大きめの箱を使用した場合、800Hz以下の落ち込みが和らぐ(バッフルステップと機械的共振の効果)ため、相対的にさらに高域不足に聞こえる可能性もあります。スピ研さんのAlpair6Mバスレフの測定結果が参考になると思います。マークさんも言うように、6Mには低音の出すぎない(大きすぎない)デスクトップ用の小さめの箱が適していると言えそうです。

では録音データを添付します。各曲でMとPの未補正の音と、FrieveAudioでフラットにした音を録音しました。今回はAlpai6を一般的なバスレフボックスで使用した場合を想定して50Hz/-3dBまでブーストし、50Hz以下を急峻に減衰させています。ご試聴には、できるだけ癖のないイヤフォンかヘッドフォンまたはモニタスピーカをご使用ください。

マドンナ/American Dream
M 未補正
P 未補正
M 補正あり
P 補正あり

マイルス/Freedum Jazz Dance
M 未補正
P 未補正
M 補正あり
P 補正あり

ベートーベン/交響曲No.5
M 未補正
P 未補正
M 補正あり
P 補正あり

ベートーベン/ピアノソナタNo.32
M 未補正
P 未補正
M 補正あり
P 補正あり

補正なしでは、MはPに比べて高域が伸びない感じを受けると思います。また、僕には籠もり気味の「癖」が少し感じられます。これは1~2kHzにある中域の盛り上がりの影響ではないかと思われます(これはポチ2型特有、大きい箱だとスピ研さんのように段差になると思われる)。Mはトーンコントローラかデジタルイコライザで高域を少し上げるなり、中域を少し落とすなりすると、印象がかなり変わると思います。そのような装置をお持ちの方は積極的に試してみてください。

さらに、FrieveAudioイコライザの自動音場補正でフラットにしてしまえば、MもPも差はほとんどなくなります。微妙にPの方が音が明るくMの方が大人しめに聞こえるような気もしますが、ブラインドで聞きわけられるか僕には自信がありません。また、その差が音楽を聴く上で僕にとってはさほど重要だとは思えません。今回のMとPの比較に限って言えば、両者の個性の違いの大部分は周波数特性の違いによるものではないかと思われます。いずれにせよPでもMでも未補正よりもフラットに補正した音の方が僕には自然に聞こえ、非常に音楽を聴きやすく感じます。という事で、デスクトップの馬鹿ブースト用には、ブースト係数を低く抑えられ(相対的に低域が出ているため)かつブースト耐性の若干高いMを基本的に選択しています。近いうちにPを使用したバスレフのスタディを開始する予定です。

追記
僕は別にスピーカーを始めとする装置の音の個性を楽しみたいという気は毛頭なく、できるだけ自然かつ明瞭な音で音楽を楽しみたいだけなので、デジタルイコライザを非常に重宝しています。デジイコを前提とするならば、ユーザー側のスピーカーの選択だけでなく、製造者側の設計面(サイズ、コスト含む)でも極めて大きな自由度が得られると思います。ヴィンテージSPの音を愛でるのも良いと思いますが、そいうのだけがオーディオではないと思います。原点に戻って「生活の中で音楽を聴くための装置」という観点から、新しいオーディオのあり方をもっと考えるべきだとハチマルには思えてなりません。

追記2
録音データを細かく頻繁に切り換えながら聴いてみたら、補正あり同士でも違いが結構はっきりと分かりますね。やはりPは明るめ、Mはシットリ大人しめのキャラクタ。


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2011年03月12日 (土) | Edit |
以前の記事で投票によるブラインドテストを実施していますが(曲はマドンナのNothing Fails)、現在のところ「ブースト無しの方が良い」に4票、「どちらとも言えない」に3票という結果です。やはり、この曲において低域ブーストによる高音の劣化が感じられるのは確かなようです。

今回は、約100Hz以下をバイアンプ駆動のウーハーに受け持たせるいわゆる「新システム」と馬鹿ブーストの再生音を録音して比較してみました(どちらもAlpair6 Mを使用)。新システムの詳細についてはコチラをご覧ください。

今回のイコライザは30Hzまでフラットのフル馬鹿です。バイノーラル録音ですので、ヘッドフォンまたはイヤフォンでお聞き下さい。オープンエア型のヘッドフォンがお薦めです。
マドンナ/Nothing Fails
馬鹿ブー
新システム
前回よりもこちらの方が差がはっきりしてるようにも聞こえます。

ただ、普段馬鹿ブーストで音楽を聴いていて明らかに違和感を覚えるのは今のところNothing Failsだけで、マドンナを含めその他の曲ではこのように顕著な違和感を覚えません。また、この曲は僕のお気に入りで以前からよく聴いていたのですが、Alpair5を使用していた頃には馬鹿ブーストでもこのような違和感を覚えた記憶がありません。Alpair5を復活させたら再確認してみたいと思います。いずれにせよNothing Failsはちょっと特殊なケースだと思われます。

その他の曲も2つの再生モードで録音してみました。僕はこれらの曲の馬鹿ブーストでは違和感を覚えません。「音楽」の全体的な聞こえ方として違和感やフラストレーションを感じないという事です。

全て30Hzフラットで録音しました。今回のサンプルを録音していたところ、途中で例の地震が発生して混乱してしまい、どっちのファイルがどっちのシステムで録音したものなのか正確には分からなくなってしまいました。曲によって馬鹿ブーと新システムの並び順もバラバラだと思います。
バイノーラル録音ですので、ヘッドフォンまたはイヤフォンでお聞き下さい。オープンエア型のヘッドフォンがお薦めです。

マドンナ/American Dream
サンプルA
サンプルB
同じマドンナでもAmerican Dreamでは問題を感じません。下にAmerican Dream(赤)とNothing Fails(青)のソース スペクトルを示します。
706.jpg
スペクトル的には同じようなものです。

マイルス/Freedum Jazz Dance
サンプルA
サンプルB

ジミヘン/Johnny B Good
サンプルA
サンプルB

ベートーベン/ミサソレニムス
サンプルA
サンプルB

ベートーベン/交響曲No.5
サンプルA
サンプルB

ベートーベン/ピアノソナタNo.32
サンプルA
サンプルB

最後に
ストラビンスキー/春の祭典
馬鹿ブー
新システム
さすがに最強バスドラでは違いが分かりますね。こいつだけはどっちがどっちか分かりました。

サンプルは以上です。

短時間だと分からないのですが、長時間聴いていると新システムでは微妙に違和感を覚える事があり、結局ほとんど馬鹿ブーの方で聴いています(最近は45Hzまでフラットが標準設定)。もし新システムしかなければ全く気にせずに聴いていると思うのですが、馬鹿ブーの聞こえ方に慣れているとナンダカちょっと不自然に感じる事があるという事です。また、直接比較すると、馬鹿ブー方式の方がバスドラムの音が少しタイト(ハチマル好み)に聞こえます。それに、馬鹿ブーだとスイッチもアンプを1つONにするだけでOKだし(新システムだとアンプ2つとチャンデバをONにする必要があるので面倒)。近いうちにウーハーの箱にAlpair5を組み込んで新システム専用にする予定です。

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2011年02月27日 (日) | Edit |
前回はシンプルな2波長の混合波を使用しましたが、今回は実際の楽曲を使用して比較してみます。最後にブラインドテスト用の投票フォームも設けましたので、サンプルをご試聴の上ふるってご参加ください。

サンプル楽曲はマドンナの Nothing Fails です。詩も興味深いですし、僕のお気に入りの一曲です。この曲は45Hzにピークを持つ低音のズンドコが通奏されるので、今回の目的に適していると考えて採用しました。

左右SP間の干渉を避けるために、Frieve Audioで左右信号をミックスして左側のSPだけから再生し、SP前方約40cmの距離にマイクロフォンを置いて録音しました。今回はバイノーラル録音ではありません。

下は録音データのスペクトルです。
697.jpg
赤が30Hzまでフルブースト、青がブーストOFF(140Hz以上はフラット)です。縦軸は1目盛りが6dBです。イコライザは50~40Hzで約+12~15dBブーストしますので、ブーストの効果はほぼそのままスペクトルに表れています。緑は録音したWEVファイルに300Hzのハイパスフィルタを適用した特性です。このスペクトルはブーストONとOFFでほとんど同じなので1本だけプロットしました。今回は、この低域をカットした音を聴き比べてもらいます。ちなみに普段マドンナを聴く時は50Hzまでしかブーストしません(それ以上ブーストすると机の振動が手に感じられるため)。

ではご試聴ください。

いつものように192bpsでエンコードしています。L側だけに音が入っています。今回はバイノーラル録音ではありません。マイクをSP前方40cmに設置して録音しました。

まず録音した未処理の音です。低音は小さなSPでは聞こえません。
ブーストOFF
30Hzフルブースト

次にフルブースト音に300Hzのローパスフィルタを適用した音を聴いてみてください。ズンドコのみ
演奏中ずっとズンドコしているのがお分かり頂けると思います。ただし小さいスピーカーでは聞こえませんので、大きなスピーカーか低音の出るイヤフォンで聴いてみてください。

そして最後が今回の目的である300Hzハイパスを適用したファイルです。この2つを聴き比べる事によって、低域ブーストによる高域音への影響を聴感で評価しようというのが今回の狙いです。300Hz以下の低音が入っていないので小型のSPで再生しても評価できます。ご試聴の上、よろしければ下の投票フォームでどちらの音の方が良く聞こえたか投票してください。

サンプル1
サンプル2

ブラインドテストなので、どっちがどっちかはもちろん内緒です。自分自信では完全なブラインドテストができないので定かではありませんが、ある点に気を付けてよーく聴くとハチマルの耳でも微妙な違いが分かるような気がする時があります。オンナジヤン!と聞こえる時もありますが。。。

投票は1回しかできません。締め切りは来月末としました。途中結果は評価の性格(ブラインド)を考慮して非公開としました。

追記
投票は終了しました。「サンプル1の方が良い」に4票、「どちらとも。。」に4票、計8票という結果でした。
ご協力ありがとう御座いました。「どちらとも。。」に投票された方は、マドンナの息継ぎの音に注意して聞いてみてください。馬鹿ブーだとちょっと痰がつまってゴロゴロした感じに聞こえます。後の記事で書きましたが、この曲はちょっと特殊で、僕の耳では他の曲で馬鹿ブーの音質劣化を聞きわける事はできません。コチラの記事も参考にしてください。

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2011年02月26日 (土) | Edit |
ほぼ満足できる録音条件が決まりました。

マイクを改良しました。
695.jpg
前の記事の状態では、使用しない側(本来のバイノーラル用)のマイク穴を完全にビニルテープで塞いだのですが、それが良くないらしいというのが分かったので、穴を直接塞がずにスピーカーボックス用の吸音材を穴部に当てた状態でイヤフォンに固定しました。

下に各種状態でのソースと録音データのスペクトルを示します。赤が録音データ(MP3データなので16kHz以上は急激に落ちている)、青がCDのソース信号です。ソース楽曲はベト5。

1) メーカー指定の方法でマイクを耳に装着した状態
692.jpg
この状態では低音が籠もり気味に聞こえました。グラフのオレンジ色の部分を比較すると、ソースや他の測定データに比べて特性がやや左上がりになっているのが分かります。

2) 前記事の状態: メーカー指定と反対向きにしてイヤフォンに固定した状態(バイノーラル用の穴はテープで塞いだ)
693.jpg
低音の聞こえ方は良くなったのですが、特にカナル型イヤフォンで聴いた時に高音がややキツメに聞こえました。黄色の領域でディップと盛り上がりが見られます。

3) 今回の状態: 穴を塞ぐのを止めて、かわりに吸音材を穴に当てた状態
694.jpg
高域の特性がスムースになりました。

周波数が高くなるにつれ頭部形状の影響が現れやすくなりますが、上図の高域部の特性差の主要因はマイクロフォン自体にあります。SP前方にマイクだけを置いて測定した時も同じような特性の違いが見られました。

上記は雑な実験的測定の結果です。下に第5交響曲の本番録音のスペクトルを示します。
696.jpg
青がCDのソース信号、赤が録音データ(これはWAV)です。見やすくするために重なった部分を黒で表示しています。10kHzまでは非常に良く一致しています。頭部の影響がどの程度F特に含まれているのかは?です。

今回は各種ジャンルから9曲録音しました。ご試聴ください。

条件: イコライザは45Hzまでフラット(30Hz/-6dB)、試聴距離は約50cm、192kbpsでエンコード、S/Nを上げるために音量は普段よりもやや大きめ(深夜、早朝だとイエローカード級)。

今回、Victorのカナル型イヤフォン、SONYのオープンエア型ヘッドフォンMDR-F1、AudioTchnicaの密閉型ヘッドフォン(安物)で真剣に聴き比べたのですが、特にマドンナを聴くとカナル型イヤフォンでは低音が実際よりもかなりズンドコ気味に聞こえます。密閉型ヘッドフォンはイヤフォンよりもましですが、やはり実際よりもズンドコします。低音に限って言えば、オープン型ヘッドフォンが最も実際の聞こえ方に近いように感じました。耳の外に置いたマイクで録音しているので、耳の外側のオープンな空間で再生した方がリアルに聞こえるのかも知れません。再生も難しいですね。

それではご試聴ください。バイノーラル録音なのでイヤフォンまたはヘッドフォンでご試聴ください。オープンエア型のヘッドフォンがお薦めです。

まずはおなじみの3曲から
ベトベン交響曲第5番
マイルス フリーダムジャズダンス
ストラビンスキー 春の祭典

初録音の3曲
ジミさんのJohnny B. Goode (ゴッキゲーン!、20秒間身体を停止させるのに困難を極めました)
ジャコさんのTeen Town(WR: 8:30) (ひたすらリピートでジャコの無限加速地獄をお楽しみください)
マドンナさんのAmerican Dream (ボリュームにご注意!)

最近よく聴くベトベン晩年の作品から(僕の中では上の3曲とベトベンは何ら隔たり無く共存しています)
大フーガ
ミサソレニムス(だっけ?)
最後のピアノソナタ(32番) ピアノは実際の再生音とは随分違って聞こえます。ピアノの再生が一番難しい気がする。

上記は全て45Hzまでフラットな特性で録音しています。特にクラシックでは高域を少し落とした方が聴きやすくなると思います。僕は気分に応じてそのへんをイコライザで調整しています。しかし、いずれにせよLEANAUDOでは余分な響きを極力抑えているため、一般的なオーディオマニアの方には音がキツク聞こえるかもしれません。

追記
左右のマイクで約3dBの感度差があります。右側が3dB低めです。このため音像はやや左寄りに定位するかもしれません。

追記2
直接SPの音を聴いては、イヤフォンとヘッドフォンをとっかえひっかえ聴き比べてみたのですが、やはりSONYの例のオープンエア型ヘッドフォンMDR-F1で聴くのが最もリアルです。気持ちの持ちようによっては、前方から聞こえるような気もします。バイノーラル録音とMDR-F1はナカナカ良い組み合わせかもしれません。

追記3
ミサソレニムスのソース(MP3)です。ソレニムス

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2011年02月22日 (火) | Edit |
馬鹿ブーストの弱点は、1つの振動板で全帯域をカバーするために、低域をブーストした信号で振動板を大きく振動させがら高域音も再生しなければならないという点にあります。マルチウェイ化して帯域を分割した方が、この点では有利になるのは当然です。しかし僕は、音楽の全体的な聞こえ方の自然さから、100Hz以下を13cmウーハーに受け持たせる新システムよりも、小径フルレンジ1発で可聴帯域のほぼ全域をカバーする馬鹿ブースト方式を好みます。

とはいえ高域の音質がどの程度劣化しているのか気になるところではあるため、今回はそこのところを簡易的に解析してみました。
まずソース信号として、50Hz正弦波と4kHz正弦波を合成した波形(16bit/44.1kHz)をソフトウェア ジェネレータで生成し、これをWAVファイルとして保存しました。ちなみに4kHzは人間の耳の感度が最も高くなる周波数です。
下図にソースの波形とスペクトルを示します。
688.jpg
682.jpg

これをFrieveAudioで再生して、30Hzまでフルブーストした音と、低域ブーストしなかった音をSP前方10cmで収録してWAVファイルに記録しました。次に、4kHの音だけを聴き比べるために、録音したWAVファイルに1kHz以下をカットするハイパスフィルタを適用したファイルを生成しました。このような方法によって、ブーストあり/なしで記録された2つの音の4kHzの音だけを解析する事ができます。

ハイパス処理後の2つのファイルのスペクトルを下に示します。
まずブーストあり
689.jpg

次にブーストなし
690.jpg

上の2つのスペクトルを比較すると、ブーストありの方が4kHzのピークの幅がやや広がっており、高調波のピークも顕著に表れています。このデータを見る限り、ブーストありの4kHzの音はブーストなしに比べて明らかに劣化していると言えます。

次に波形を重ね合わせてみました。青がブーストあり、赤がブーストなしです。
687.jpg
サンプリングレートはCDと同じ44.1kHzなので、4kHzの1サイクルの波形には約10個のサンプル点が含まれます(20kHzだと、たったの2点になってしまいます)。さて、波形の比較ですが、この程度のサイクル数を見ただけでは違いは全く分かりません。波形(周波数)が50Hz周期で微妙に変動しており、その影響がFFTに表れたものと思われます(ドップラ効果?)。

以下に音声ファイルを添付します。

WAVファイルは添付できないので、最高の320kbpsでMP3にエンコードしました。音はLchだけに入っています。高性能イヤフォンでのご試聴をお薦めします。

下の3つのファイルはハイパス処理なしなので50Hz音が聞こえます。
ソース(未処理): SOURCE
ブーストあり(未処理): ブーストON RAW
ブーストなし(未処理): ブーストOFF RAW

こちらはハイパス処理しているので4kHz音だけを聞く事ができます。
ブーストあり(1kHzハイパス): ブーストON ハイパス
ブーストなし(1kHzハイパス): ブーストOFF ハイパス

出だしの音は波形のどの位置から再生が始まるかによって結構聞こえ方が異なります。出だしの音ではなく中間の連続音に注目してください。

どですか?WAVファイルをiPodに入れてイヤフォンで聴き比べたのですが、僕の耳では違いがよく分かりませんでした。実際には低音と一緒に聞く事になるので、高域音だけ分離して聞くよりもっと違いが分かりにくくなると思います。

追記
それ程悲惨な事になっていない事がデータでも確認できて一安心というのが率直な感想です。前の記事の超絶低音の結果も含めて、馬鹿ブー方式のポテンシャルを再認識できたと思います。ネットワークなしで全ての音が1点を中心に放射されるというのは、音楽の全体像を自然に聴き取るという事において、また特にニアフィールドリスニングにおいて非常に重要だと思います。

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2011年02月20日 (日) | Edit |
今回は、僕のコレクションの中では最強の低音信号であるストラビンスキー「春の祭典」のバスドラを録音してみました。ついでに振動板が激しく前後する様子を撮影した動画もお見せします。

サンプル楽曲は今までにも再三取り上げた「春の祭典」(シャイー指揮/クリーブランド)です。
226_20110220113513.jpg
このCD中の最強の一打を馬鹿ブーストで再生すると、Alpair5では振動板が暴れて「ブリブリ」とか「ビチビチ」と下品な音がしました。しかしAlpair6 Mでは多少音が歪みっぽく聞こえはするものの、破綻する事なくなんとか再生してくれます。今回はその最強の一打を録音しました。
下が今回使用した約20秒のソース波形です。後半にある16ビット幅一杯のピークが問題のバスドラです。
679.jpg

下はこのピークを時間方向に拡大した波形です。
678.jpg
下はこの部分のスペクトル分布です。35Hzに強いピークが見られます。
677.jpg
すなわち35Hzのフルスパン信号が記録されているという事です。条件としてはかなり過酷だと思います。

それではご試聴ください。振動板の動画もご覧頂けます。

録音条件は前記事と同じです(バイノーラル録音はイヤフォン/ヘッドフォンでご試聴ください)。

ソース: SOURCE
SP前方20cm/30Hzフラット: SP前20cm EQ30Hz
バイノーラル/30Hzフラット: バイノーラルEQ30Hz
バイノーラル/イコライザなし: バイノーラルEQなし

下は振動板を手持ちで撮影した動画です。
[高画質で再生]

春の祭典 Alpair6 M [ホスティング]

下はソース波形(青)とSP前方20cmで測定した波形(赤)の比較です(片Chずつモノラルで測定したものではないので左右の干渉が含まれます)。
676.jpg
限界に近い条件なので波形はかなり崩れるかと予想していたのですが、思いの外正確に原信号をトレースしているので驚きました。Alpair5の時は悲惨でしたから。。。

よく聴くと最強1発は素早く制動してすかさずもう1発打っています(ドン・ドーーン)。下は2発目まで比較したものです。振動板は打撃の合間にフラフラする事もなく、よく制動が効いているように見えます。
675.jpg

下はバイノーラル録音のイコライザ有り(青)とイコライザ無し(赤)の波形を比較したものです。
680.jpg
イコライザなしでは2発のバスドラ(ドン・ドーーン)を全く表現できていない事が分かります。その他の打撃は別のドラムのようで周波数も高めです。今回試聴位置がやや左寄りであったようで、右側の信号レベルが低くなってしまいました。次から気を付けます。

追記 1
今回、「35Hzという下限近い周波数+フルスパンの大信号+タイムドメイン的に厳しい打撃音」という非常に厳しい条件で納得のゆく低音再生性能を確認できた事には大きな意義があったと思います。さすがに8cm径では限界近いという感じを受けますが、10cmあるいは13cmのドライバを使用すれば十分な余裕が得られると思います。逆にあまりに大径にすると、追従性の面で問題が生じるかもしれません。

追記 2
測定波形と信号波形をもう少し正確に比べるために、FrieveAudioでLchだけ出力して録音した。こうする事により反対チャンネルからの干渉のない波形を比べる事ができる。
681.jpg
案の定、本文中の波形比較よりもさらによく一致している。ここまで一致するとは思っていなかったが。。。Alpair6 Mはよく頑張っていると思います。

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2011年02月18日 (金) | Edit |
バイノーラル方式でデスクトップ システムの再生音を録音してみました。

その前に現在のデスクトップの状況です。
以前の記事「最も手っ取り早い音質改善法」に書いたように、スピーカーをできるだけ耳に近付けるために、現在は下記のようなレイアウトになっています。仕事に差し障りのない範囲で、できるだけスピーカーを手前に移動しました。デスクに頬杖をついて音楽に聴き入っている状態で、耳までの距離は約40cmです。
670.jpg

単なる台として使用している下側のウーハーを出来るだけ手前に移動し、さらにポチ型ボックスをサブウーハーから前方にオーバーハングして載せています。また、低音時振動を抑えるために、ポチの上には2.5Kgのウェイトを載せています。オーディオテクニカの比較的低周波を吸収するタイプのインシュレータをウーハーの脚とポチの下に3個ずつ(片Ch2段で計6個)使用していますが、それでもバスドラ等で振動が手に伝わって気になります。音にも影響していそうな気がします。なのでデスクから完全に独立したスタンドを検討中です。
671.jpg

距離40cmでの測定結果です。
672.jpg
黒がL、赤がRです。70cmでの測定結果に比べると、特に100Hz以下で特性が大幅に改善されています。以前の記事と比較してみてください。スピーカーは近いに超した事はない。というやつです。

今さらお見せする必要もないですが、一応今回の録音条件という事で。。。
673.jpg
30Hzフルフラットの馬鹿ブーストの測定結果です。もちろん下側のウーハーはOFFです。30Hzから20Hzにかけて急峻なローカットフィルタを適用しています。

さて、バイノーラル録音の方ですが、SANYO製のPCMレコーダICR-PS004M(製品ページ)とバイノーラルマイク(製品ページ)を使用しました。どちらも音楽録音用としてはチョット不安ですが、合計で11K円程度だったので、まあこの値段ならばモノは試しと考えて思い切って購入してみました。

今回はバイノーラルマイクを耳に装着した状態で、机の前端に頬杖をつく姿勢をとって録音しています。WAVファイルに記録し、必要箇所を切り出してレベルをノーマライズしてから、MP3ファイルに変換しています。エンコーダにはLameを使用し、ビットレートは192kbpsに設定しました。このブログではファイルサイズが500Kバイト以下に制限されるため、WAVファイルを直接添付する事はできません。

サンプル楽曲には、マイルスの Freedom Jazz Dance (Miles Smiles)から約20秒、ブロムシュテット指揮ベトベン交響曲No.5 第一楽章から約12秒を選びました。

では以下にサンプルを添付しますので、ご試聴ください。

バイノーラル録音は原理的にヘッドフォンまたはイヤフォンで聴く事を前提としています(参考記事)。
極低音まで再生可能なそこそこの性能のカナル型イヤフォンでのご試聴をお薦めします。小さなスピーカーでは肝心の低音がよく聞こえません。PCにオーディオ用DACを接続していない方は、ファイルをMP3プレーヤーにコピーしてご試聴になる事をお薦めします。PCのサウンドボードは一般的に音質がかなり劣ります。

1) Freedom Jazz Dance /Miles Davis
ソース: Freedom Jazz_SOURCE
イコライジングなし: Freedom Jazz_NO EQ
イコライジングあり(30Hzまでフラット): Freedom Jazz_EQ30
イコライジングあり(50Hzまでフラット): Freedom Jazz_EQ50

2) ベートーベン交響No.5、第1楽章/ブロムシュテット指揮
ソース: Beethoven SOURCE
イコライジングなし: Beethoven NO EQ
イコライジングあり(30Hzまでフラット): Beethoven EQ30
イコライジングあり(30Hzまでフラット、マイクをSP前方20cmに設置): Beethoven EQ30 20cm

如何ですか?
バイノーラルで録音しても、僕には別に音が前から聞こえるようには感じません。もっとリアルな感じを期待していたのですが。ちょっと期待外れかな?

以下、気付いた点を上げてみます。
● Freedom Jazz Danceの場合、ソースをイヤフォンで聴くとベースのロンさんが完全に左端に寄ってしまうのに対し、バイノーラル録音では実際に耳できくのと同じクロストークが発生するので少し中央よりに定位します。

● マイクの性能のせいか、低音は実際に耳で聴くよりも少しコモリ気味に聞こえます。

● ジャズの場合50Hzフラットで十分という感じです。

● No.5でも、バイノーラル録音の方が全体的に中央寄りに定位します。低音がこもり気味に聞こえるので、左右のマイクを手持ちでSP前方20cmに置いて録音してみました。こちらの方が実際の聞こえ方に近いような気がします。別にバイノーラルでなくてもエーンチャウという気もしますね。

これからイロイロと遊んでみようかな?
Alpari6 M 対 P の時に、このような録音サンプルを添付できれば良かったかな?
そのうちM対Pも録音してみたいと思います。

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2010年05月27日 (木) | Edit |
今回はリスニング位置での測定値です(スピーカーからマイクロフォンまでの距離は約75cm)。

526.jpg
前回紹介した20cmでの測定値との比較です(L側、Icon AMPを使用)。スピーカーの位置は同じで、マイクロフォンの位置だけが異なります。このようにスピーカーから少し離れただけで特性が随分凸凹になりますが、1m以上離れると低域がさらに激しく歪みます。

128_20100527142932.jpg
これは以前に測定した参考データです。この時はF80AMGをデスクトップの前端に置いて、スピーカー軸上で測定しています。135cm離れただけで500Hz以下が凄まじい事になります。

528.jpg
再び今回のデータです。リスニング位置で測定したR/Lスピーカーのデータを比較しています。500Hz以下の低域では、R/Lが一緒に上下する周波数領域と、R/Lで明らかに異なる変化を示す周波数領域が存在します。単純に考えれば、前者は前後壁または上下壁(天井/デスク)の反射の影響、後者は左右壁の反射の影響によるものと推察できます。500Hz以上の凸凹はデスクトップの影響と思われます(スピーカーをデスク前端に置いて測定した場合、500Hz以上の凸凹はほとんど発生しない - 1つ前の参考グラフ参照)。

近いうちに新聞紙か何かで巨大な戸澤式レゾネータを作って部屋の特性を改善できるかどうか試してみる予定です。市販されている音響調整用ボードは随分高価ですが、新聞紙でこれに挑戦してみたいと思います。

なお、TU-870のデータは割愛します。アンプによる違いはほとんどありません。

529.jpg
新システムのイコライザ係数とおなじみAlpair馬鹿ブーストのイコライザ係数を示します。新システムでは全域で±6dB程度の補正だけで、30Hzまで完璧にフラットな特性が得られます(というか補正しなくても十分な特性が得られます)。補正後の測定データはお見せするまでもないと思いますので割愛します。

次回は、このようなコンセプトの利点について考えてみたいと思います。

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2009年05月10日 (日) | Edit |
前記事の楽曲信号レベルを参考にしてイコライザー設定を2種類作成しました。ほとんど全ての楽曲に適用可能なフルブースト仕様(30Hzフラット)と、「春の祭典」用のブースト制限仕様(50Hzフラット)です。
230.jpg
赤がフルブースト、青がブースト制限仕様
イコライザのベースレベルは-12dB(ピンクのライン)
一般的にデジタルイコライザーで極端なブーストを行うとデジタル信号のオーバーフローが発生します。再生中にそのようなオーバーフローが発生すると、Frieve AudioのAVC機能(自動ボリューム制御機能)が作動してトータルゲインが自動的に下げられます (言いかえれば、ダイナミックレンジが拡大されます)。演奏の途中でAVCが作動するとボリュームが急に下がってしまうため、通常は予めAVCを下げておくか、あるいはイコライザーのベースラインを下げておく必要があります。

このようなゲインダウン (ダイナミックレンジの拡張) を16bitデータのままで行うと、最下位の数ビットの情報が失われますが、Frieve Audioは内部演算を64bitで行い、かつ使用しているDACが24bitデータ入力に対応しているので、理論的には下位bitの情報が失われる事はまずありません (16->24bitであれば48dB(8bit=256倍)まで大丈夫)。ただしアナログ変換後のS/N比は当然低下します (同じ音量で聴くにはアンプのボリュームを上げる必要がある)。僕のオーディオPC (ONKYO HDC-1L) は特に高S/N比 (120dB) を売りにしているので、アンプのボリュームを上げてもノイズはほとんど聞こえませんが、オンボードのサウンドポートを使用するとはっきりとノイズが増えるのが分かります。大ブーストを行う場合はDACの入力bit数とS/N比が非常に重要になりますので、機器選びの際には注意してください。


フルブースト仕様では、イコライザのベースレベルを-13.5dBに設定しています。イコライザの最大係数が約+10dBとなるため、通常の曲であればACVが作動する事はまずありません (前の記事を参照してください)。また極まれに作動したとしても1~2dB程度なので音量の低下はほとんど感じません。

下図は補正後の周波数特性です。
229.jpg
赤がフルブースト(30Hz)仕様、青がブースト制限(50Hz)仕様
黒の線はFOSTEX G2000のカタログデータ
232.jpg
FOSTEX G2000
20cmウーハーx2, 4way

もちろんG2000は広いリスニングルームにおける大音量再生を想定して設計されているので、フェアな比較とは言えませんが、ニアフィールドによる小音量再生だからこそ可能な芸当であるとも言えます。

直径たった5cm程度の振動板だけで反転ポートも使用せずに30Hz~30kHzの音がフラットに再生できてしまいます (20kHz以上はマイクの感度がないので測定できていません)。この状態を一度経験すると、もはやサブウーハーやマルチウェイではどうあがいても絶対に満足できないのではないかと思えてなりません。大振幅による歪みの増加やS/Nの低下はそれ相応にあるのでしょうが(僕の耳では問題は感じない)、そんな瑣末な事はどうでも良いと思わせるほどの根本的な「自然さ」「聴きやすさ」「心地よさ」を感じます。

欲を言えばAlaprir5ではなくAlpair6にしておいた方が良かったかなとは思います。
もともとサブウーハーの使用を前提にAlpari5を選択したわけですが、サブを使用しないのであれば低域特性に優れるAlpair6の方がブースト量が下げられるので有利です (計算では約6dB分下げられる)。「春の祭典」もフルブースト可能かもしれません。

これからやってみようと思っている方には
Alpair6(fs=74Hz)かCHR-70(fs=70Hz)をお薦めします。


さらにデスクトップ使用ではなくブックシェルフ型として1mを超える距離で相応の音量を確保したい方には、Alpair10フルレンジまたはALpair10ウーハー+Alpair5の2wayをお薦めします(ブースト量は約10dB下げられる)。
お試しアレですよ、ホンマニ。

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2009年05月10日 (日) | Edit |
以前にも少し紹介しましたが、もっと多数の楽曲の低域信号レベルを調べたので、その結果をあらためてご紹介します。

下は計45枚のCDで50Hz以下のピーク信号レベルを測定した結果です。
231.jpg

50Hz以下の信号レベルが低い順に左から並べています。
左から
-ピンクフロイド「狂気」全曲
-ベートーベン 交響曲第1から第9全曲、ブロムシュテット指揮
-マイルスデイビス 21枚のCDから全曲、エレキ含む
-ウェザーリポート 12枚のCDから全曲、全てエレキ
-ストラビンスキー「春の祭典」、シャイー指揮
-マドンナ「エロチカ」全曲

縦軸は飽和信号レベルを基準(0dB)としています。
例えばピンクフロイド「狂気」の場合だと、50Hz以下を+11dBまでブーストしても信号飽和は生じません。それ以上ブーストするとFrieve AudioのAVC(自動ボリューム調整)が作動して全体のゲインが下げられます。以前にも紹介したように「春の祭典」と「エロチカ」の低域信号レベルが他に比べて非常に高くなっています。

これらの値は多数の楽曲の中の瞬間的なピーク信号レベルを示しており、平均的にはこれより遙かに低くなります。

下図は1トラックづつピックアップして測定した結果です。
233.jpg

1曲だけ抜き出して測定してみると、上図に比べて信号レベルが遙かに低いことがわかります。
一般的に言って、ジャズ、クラシック、ロックを含めて50Hz以下の信号レベルが-10dBを超える楽曲は極めて稀であり、また超えるとしても極瞬間的な信号ピークでしかありません。このためフルブーストで聴いていても聴感上はほとんど問題を感じません。ただし「春の祭典」と「エロチカ」内の特定の曲だけは極めて例外的に大きな低域信号レベルを持っているため、フルブーストでは明らかな歪みを感じます。

聴感とこれらの測定結果を基に、標準的なイコライザー設定を決めました。

イコライザ設定は次の記事で紹介します。

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2009年04月19日 (日) | Edit |
サブウーハーを使用せずにイコライザによる低域ブーストだけでもそこそこ十分な低域特性が得られるようになった事は以前の記事で紹介しました。おかげで以前ほど劇的にはサブウーハーの効果が感じられなくなってきました。

210.jpg
黒がサブウーハー無しで低域ブーストした場合
赤がサブウーハーありで低域ブーストした場合
特性的な差はもはやそれほど大きくありません

Frieve Audioのイコライザで50Hz以下だけを通す急峻なローパスフィルタを設定して聴いてみると、楽器の「音」というよりはウナリのような音が断続的に小さく聞こえるだけです(イヤフォンでも確認)。
それでもサブウーハーを使用すると交響曲(とくにティンパニー)とジャズ(ウッドベース、バスドラ)の響がより豊かになり、音楽全体の厚みが増します。通奏低音のような連続的な音よりもパルシブな音(打楽器、ピッチカート)の方により多くの効果が感じられます。特に交響曲のティンパニー高速連打には大きな効果が見られます。

細かい事を抜きにして言えば音楽を聴く楽しみがぐっと深まるという感じでしょうか。という事でサブウーハーは常時ONにしています。

サブウーハーONとOFFの比較です。Alpair5の音をできるだけ残したいのでサブウーハーのカットオフは50Hz、ボリュームも最低限としています。
206.jpg
黒がサブウーハーOFF、赤がサブウーハーON

これをFrieve Audioの音場補正でフラットにします。
208.jpg
黒がL、赤がR

この時のイコライザ係数です。50Hz以下をブーストしています。
209.jpg
黒がL、赤がR

サブウーハーなしの時と同様に最大で約+18dBのブースト係数となっていますが、Frieve AudioのAVC(自動ボリューム制御)はほとんど作動しません(デジタル信号が飽和しない)。元々ソースに含まれる50Hz以下の信号のレベルはそれほど大きくないという事ですね。この点ではサブウーハーONの方が有利だと言えます。

サブウーハーのボリュームを抑え気味にした事で50HzくらいまではAlpair5の音が結構含まれるようになり、低音の輪郭が随分明確になったような気がします。しばらくはこの状態で満足できそうです。
将来的にはAlpair10ウーハー1本またはCHR-70 2本でサブウーハーを作製してフルMarkAudioシステムを構築してみたいと思ってます。ちなみにAlpair10ウーハーは1本だけで購入可能な事をLinfofさんに確認済みです。値段的にはCHR-70二本の方が圧倒的に安上がりですし、振動板面積も稼げます(A10 =90cm2、CHR-70=50cm2x2)のでそちらの方が面白いかも。。

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2009年04月19日 (日) | Edit |
前の記事でAlair5を50Hzまでフラットに音場補正をしました。その結果たった8cmのフルレンジスピーカーと2.5Lの小さな箱で30Hz/-10dBという特性が得られました。これはFOSTEXのG2000 (20cmウーハーx2)のカタログ値に匹敵する低域特性です。
205.jpg
FOSTEX G2000のカタログデータ

しかしこのような極端なイコライジングは、あくまでもニアフィールドで聴いている(すなわち小音量で聴いている)からこそ可能になるテクニックです。
普段からスピーカーの限界近くの大音量で聴いている場合には適用できませんので、ご注意ください。

今回は、このような極端なイコライジングを行う場合に必要な条件について考えてみたいと思います。

1) 基本的に小音量であること
低域をブーストするという事は、低域だけボリュームを上げるという事です。
僕はスピーカーから約80cmの距離でアンプのボリュームは1/4以下で聴いていますが、この場合+20dBくらいまでブーストしても顕著な破綻は見られません。+20dBは信号(電圧)レベルで10倍に相当します。スピーカーへの入力パワーは100倍となります。つまり、スピーカーの振動板振幅や耐入力に十分な余裕が無いと大きなブーストは行えないという事です。既にスピーカーを限界近くの音量(振幅、入力)で鳴らしている場合に極端なブーストを行うとスピーカーを壊してしまうかもしれません。

つまり、小音量のニアフィールドリスニングだからこそこのようなブーストが可能だということです。

2) アンプにも余裕が必要
上で書いたように+20dBのブーストを行うと、その周波数に対しては100倍のパワー(10倍の電圧と10倍の電流)をスピーカーへ供給する必要があります。従って瞬間的な大入力に対してスピーカーを十分に駆動できる余裕が必要となります。KENWOOD KA-S10 (12W/8Ω)を使用していた頃はブースト量は+12dBくらいに自粛していました。それ以上ブーストしても測定上はフラットになるのですが聴感ではあまり効果が感じられず、逆に音が苦しげに感じられたためです。特にインピーダンス4ΩのAlpair5では低域の音が不安定になる傾向が見られました(KA-S10は6Ωまでしか動作保証していない)。
そこで60W/4Ωの定格を持つONKYO A-905FXを購入したわけですが、おかげで4ΩのAlpair5を+20dBまでブースとしても十分に楽しめるようになりました。デジタルアンプの利点を活かした設計思想も有利に働いているのかもしれません(以下ONKYOの製品説明より)。
A-905FXは、デジタルアンプの特長である「電力効率の高さ」を、「スピーカードライブ能力の向上」のために最大限に引き出すという目標のもとに開発しました。電力効率が約70%程度である従来のアナログアンプに対して、「0」と「1」のみで信号伝送されるデジタルアンプは約90%という高効率化が可能。オンキヨーでは、この電力効率の向上を、アナログアンプに対しての最大のアドバンテージである「スピード感やエネルギー感の再現能力の高さ」の追求、例えば「全くの静寂から瞬時に立ち上がる躍動感」や「空間の広がりを表現するレンジ幅の広い力強さ」に内在する「スピード感」や「エネルギー感」を求めることに結び付けました。デジタルアンプの潜在的なポテンシャルを、これまで培ったさまざまな回路/実装技術で引き出し、圧倒的なスピード感とエネルギーでスピーカーをエモーショナルにドライブする。これがオンキヨーの考える「デジタルアンプ」のコンセプトです。

3) DACの入力が24bit以上に対応していること
Frieve Audioのデジタル イコライザで極端なブーストを行って信号飽和が発生すると、自動ボリューム制御(AVC)によってゲインが自動的に下げられます。CDのデータは16ビットですが、単純にこのようなゲインダウンを行うと下位のビット(微小レベルの情報)が切り捨てられてしまいます。例えば-18dB (1/8)のゲイン調整を行った場合、下位の3ビットが切り捨てられます。
Frieve Audioは64bitの分解能で内部演算を行うので微小レベルの情報は内部的には失われませんが、DACの入力が16ビットに制限される場合は結局それらの3bit分の情報は失われてしまう事になります。
ONKYO HDC-1Lは24bit入力のDACを搭載しているので、理論的には-48dBのゲインダウンを行わない限り元の16ビットデータの最下位ビットの情報は失われません。
しかし結局は出力アナログ信号のレベルが全体的に低下するので、DAC以降のS/N比の低下はある程度免れません。音が消え入る瞬間の再現性を重視される方にはもしかしたら問題が感じられるかもしれません。

補足
実際のCDでは全周波数でフルにダイナミックレンジを使用している訳ではないので、例えば50Hzで+18dBのブーストを行っても、AVCによるゲインダウンは-12dB(1/4)を超える事はまずありません。

4) 密閉型スピーカーであること
バスレフタイプの場合、ポートの共鳴周波数以下ではポートからの音とスピーカー前面からの音が逆位相となるため出力が急激に減衰します。また、スピーカー振動板の振幅も急激に増加します。このような事から、イコライザによるブーストには密閉型スピーカーの方が適しているといえます。


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2009年04月17日 (金) | Edit |
Alpair5搭載ポチ2型をまずはサブウーハーなしで低域ブーストしてみました。

結論から言うとFriebe Audioによる音場補正を使用して50Hzまでブーストしても僕の耳では全く問題を感じません。非常にタイトでスピード感のある低音が楽しめます。さすがにサブウーハーをONにした状態を聴き慣れていると全体的な響(ひびき)の豊かさとか音楽の構造的な分厚さに不足を感じますが、サブウーハーONの状態を知らなければ十分に満足してしまうレベルだと思います。
Alpair5恐るべしです。もっとツイーター的な性格かと思っていましたが立派にフルレンジをカバーしてくれます。Alpair5ですらこれですから、Alpair6とかCHR-70だといったいどういう事になるんでしょうか? まじでサブウーハー不要かもしれません。

以前の仮組状態での試聴ではマイルスのSo Whatのイントロでベースの低音が不安定になると書きましたが、その現象も今は出ていません。これはアンプをKENWOOD KA-S10 (12W/8Ω)からONKYO A-950FX (60W/4Ω)にパワーアップしたのが効いていると思われます。

標準リスニング位置で測定(スピーカーからマイクまでの距離は約80cm)
204.jpg
黒がL、赤がR

Frieve Audioを使用して50Hzから20kHzの範囲で音場補正
202.jpg
50Hzまで難なくフラットになります

その時のイコライザ係数
203.jpg

かなり極端なイコライジングを行っていますが音質に破綻は感じません。バスレフタイプではどうしても許容できなかった低音の不自然さも全く感じません。ベースラインがばっちり聴き取れます。もちろんF80AMGでも全く同様の周波数特性が得られますが、明らかに音の明瞭さが異なります。Alpair5を聴いてからF80AMGを聴くと全体的に鈍く(あるいは重苦しく、ベールがかかったように)感じます。

と良い事ずくめですが、
このように極端なイコライジングを良好に行うにはそれなりの条件が必要です。
次回はその条件について書いてみたいと思います。

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2009年03月12日 (木) | Edit |
このブログを立ち上げたのが先月の2月5日ですから、約1ヶ月たった事になります。

COLOSSALという無料アクセス解析を使用しているので、各記事のアクセス数とかヒットした検索語とかが分かるのですが、本当に読んで欲しい記事はなかなか読んでもらえないなあというのが今の感想です。アクセスが多いのはアンプとかスピーカーの紹介記事ばかりです。

僕が本当に読んで欲しいのは
○ 音場補正の有効性
○ 定在波の重大性あるいはニアフィールドリスニングの優位性
○ 小型スピーカー + サブウーハーの有効性
○ 音源がデジタル化されているこの時代におけるデジタル信号処理の有効性
というあたりなんですけど。。
上記の項目はどれもが互いに密接に関係していて、結局1つの方向性を指し示すものです。

例えば通常サイズのステレオ装置を考えると、
-定在波は低域で支配的となるため、低域を受け持つサブウーハーを中高域用のスピーカーとは分離してリスニング位置のf特が最適となる位置に独立して設置
-メインスピーカーは低域の出力が減衰する小径のスピーカーとする(すなわち低域の音はもっぱらサブウーハー1点から出力されるようにする)
-スピーカー システム全体のf特/位相を最適に調整するためにデジタル信号処理による音場補正が大前提

つまり「デジタル信号処理による音場補正」と「サブウーハー」がキーワードになるのですが、特にサブウーハーに対する皆さんの無関心さにはちょっとがっかりです。

僕は近い将来にフルサイズのステレオ装置においても、ご立派なウーハーを持ったスピーカーを2本も部屋に置くというスタイルは主流ではなくなると思います。これと合わせてデジタルプレーヤーとコンピューターの融合は当然の帰結となるはずです。

オーディオいぢりを始めたのはつい半年前ですが、それだけに先入観なしに普通に考えると、僕の結論はそうなります。

次回から3回に分けてこのコンセプトを計算で検証します。そちらも是非ご参考にしてください。

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2009年03月10日 (火) | Edit |
PCで音楽を再生する事には抵抗があるけど音場補正はやってみたいという方には外付けのデジタル イコライザが便利だと思います。
161.jpg
BEHRINGER DEQ2496 Ultracurve Pro
実売価格で4万円以下
■S/N比:113dB
■レンジ:±15dB
■インプットレベル:+12dBu、または+22dBu
■AES/EBUデジタル入出力:XLR×1
■測定マイク用XLR入力端子、ファンタム+15V
■ワードクロックBNC端子
■MIDI IN、OUT、THRU端子
■24-bit/96 kHz
■EQ/RTA
■マスタリングプロセッサー

購入はコチラで可能
メーカーサイトはコチラ
製品マニュアル(日本語)はコチラ

BEHRINGERの製品はオーディオ用というよりは音楽クリエータ用ですが、音質劣化が少ないため愛用されているオーディオファンも結構いらっしゃるようです。
.
このDEQ2496は光学デジタル入出力を備えているので、CDプレーヤーのデジタル出力を接続すればデジタルのままイコライジングが可能です。そしてオプションのマイクロフォンを追加購入すればFrieve Audioと同じように自動音場補正も行えます。音場補正でフラットにした上に手動のイコライザ調整を重ねるといった使い方もできるようですから、ほぼFrieve Audioと同じ事ができると考えて良いと思います。

グラフィック イコライザは31バンドしかありませんから、タップ数が最大で65,535まで設定できるFrieve Audioのように細かい補正はできませんが、音場補正の目的であれば十分かもしれません。

価格もお手頃ですので、リスニングルームにPCを持ち込む事に抵抗のある方は一度試されてみてはいかがでしょうか。ただしコネクタ類がオーディオ用に一般に使用されているものとは異なるので注意が必要かもしれません。操作系はかなり独特なので慣れが必要なようです。上に製品マニュアルへのリンクを貼ったので購入を検討される方はよく読んでみてください。

アナログ出力も備えているようですが、デジタルで出力して別体の高性能DACを使用した方が当然音質的に有利だと思うので、DACをお持ちでない方はDACへの出費も考慮に入れておく必要があります。

このDEQ2496をオーディオ用に愛用されている方のブログとしてはlikeさんのAudio Likeが参考になると思います。是非ご一読をお薦めします。
ブログAudio Likeはコチラ

このような装置を信号経路に挿入する事を嫌われる方は多いと思いますが、部屋の音響特性をもろに被った音を「高音質?」で聴くのと、「音質」に微小な劣化はあってもそれらを補正して自然な音響特性で聴くのと、どっちが「自分にとって」「音楽を楽しむ」上で重要かを冷静に判断する必要があります。オーディオに限らず何でもそうですが、技術的に何かを改善すれば何かが悪化します。要は「トータル」で見て何が「自分にとってベスト」なのかを常に考える事が大切です。

技術とはすべからく妥協の産物です。様々に絡み合う要素を限られた周辺条件の中でバランス良く妥協しながら総合的にベストな結果が得られる一番シンプルなソリューションを見つける事が大切です。一部の要素だけに頑なに理想を追求しようとすると決して良いシステムはできません。全ての要素に理想を追求するといつまでたってもシステムが完成しないか、化け物のような非現実的なシステムになってしまいます。

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2009年03月10日 (火) | Edit |
このブログではデジタル信号処理による音場補正の有効性を紹介していますが、長年普通のオーディオ装置を愛用されてきた方にはPC上でマウスとキーボードを使用して音楽を再生したりイコライジング処理を行うのには抵抗があるかもしれません。

そんな方でも一度はご自分のリスニング位置の音響特性を簡単に測定してみてはいかがでしょうか。
もし特性が激しく凸凹している場合は、測定しながらスピーカーを移動したり、リスニング位置を変えたり、絨毯やカーテンで部屋の音響特性を改善したりすると結構大きな効果が得られるかもしれません。

128.jpg
スピーカーからの距離による音響特性の変化(40cmと135cmの比較)
スピーカーから離れるにつれて部屋の音響特性の影響が強くなり特性は凸凹になります。


PCさえあれば測定はお金をかけずに簡単に行えます。
このブログをご自宅でご覧になっている方はコンピューターをお持ちだという事ですよね。であれば1000円くらいの安物のマイクを購入するだけで誰でも簡単に測定が行えます。

マイクはパソコン用の安物で十分です。
087.jpg
ELECOM MS-STM54
定格 20~16,000kHz
1,312 YEN
先端の穴あきキャップとスポンジ状のフィルタを外して
ユニットむき出しの状態で使用しています。
いろいろな条件で測定してみてわかりましたが
20kHzまでほぼフラットな特性を持っているようです。
音場補正の目的であればこれで十分だと思います。
いたずらに高級なマイクを使用する必要はありません。

.
コンピューターも高性能なものは必要ありません。
僕は性能的には現在最低クラスに相当するネットブック(EeePCとか)と同じAtomプロセッサを搭載したONKYO HDC-1Lという音楽用PCを使用していますが、問題無く測定も音場補正も行えます。

ソフトウェアも無料でダウンロードできます。
僕が愛用しているWAVファイル再生ソフトウェアFrieve Audioには音場補正ができないフリー(無料)版があります。フリー版は音場補正はできませんが、音響測定だけなら可能です。測定を行うにはASIOまたはASIO4ALLというサウンドドライバのインストールも必要となるので注意してください。
Frieve Audioのダウンロードサイトはコチラ

音響測定はPCに内蔵のサウンドデバイスを使用して行えます。
サウンドデバイスのフロントスピーカー出力(緑のジャック)またはヘッドフォン出力から「ステレオミニプラグ-RCAx2」ケーブルでアンプの入力へ接続します。もちろんマイクもPCのマイクロフォンジャック(ピンクのジャック)へ接続してください。

測定方法やASIO4ALLドライバの入手方法はこのブログのカテゴリ「Frieve Audioによる音場補正」内に詳しく記載していますのでそちらを見てください。
「補正結果の測定」以外はフリー版もシェアウェア版も操作方法は全く同じです。マイクロフォンについてもそこに書いてありますが、僕は1000円くらいの安物をちょっと改造して使っています。それで十分。

もしFrieve Audioを本格的に音楽再生に使用したいとお考えであれば、音場補正が可能なシェアウェア版(M-Class: 3,200円)を強く推奨します。それと外付けのDACも必要です。PC内蔵のサウンドデバイスは音質的にはかなり劣りますから。

Frieve Audioの本来の用途はWAVファイルの再生であり音響測定は補助的な機能ですが、スピーカーの音響測定用に専用設計された「MySpeaker」というソフトウェアも無料で入手可能です。
MySpeakerのダウンロードサイトはコチラ
MySpeakerはスピーカーの詳細な性能測定が行える多機能な測定ソフトウェアです。もちろんリスニング位置の測定にも使用可能です。僕は使った事がありませんが、なかなか良くできていそうです。興味のある方はどうぞ。

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2009年02月27日 (金) | Edit |
通常はリスニング位置の音場しか測定しないのですが、今回は場所と距離を変えて測定してみました。

現在の標準的なリスニング位置を始めて正確に計ってみたのですが、左右のスピーカー間の中心距離が85cm、スピーカーからリスニング位置までの距離も左右のスピーカーの中心から約85cmで、ちょうど正三角形に近い教科書通りの配置になっていました。スピーカーは約15°だけ内側に向けているので、軸上から約15°ずれた位置で聴いている事になります。部屋はマンションの5.5畳なので、かなり狭いです。

下図はスピーカーをデスクの前端に置いて、中心軸上約20cmの距離で測定した結果です。ほぼスピーカーの素の特性と考えて良いと思います。今回の測定は全てサブウーハーと音場補正をOFFにしています。
125.jpg
200~800Hzに特性の落ち込みありますが、20kHzまでほぼフラットな特性が得られています(マイクの定格は16kHzまで)。スピーカーには例のノーチラス尻尾を付けているので、100Hz以下は約12dB/octで綺麗に減衰する典型的な密閉型の特性を示しています。

これを基準に、通常のリスニング位置と、もっと離れた位置での周波数特性を比較してみました。

. 
下が標準的リスニング位置の特性です。スピーカーはテーブル前端ではなく通常通り奥の方に置いています。従ってテーブルトップと背面の壁からの反射を受けると考えられます。
127b.jpg
50Hzのピークと75Hzの落ち込み、および1kHz以上の領域の凸凹が目立ちます。また、軸上から約15°ずれているために10kHz以上の高域が減衰しています。この位置では200~800Hzの落ち込みはありません。

次にスピーカーを再びテーブル前端に置いて、軸上135cmの距離で測定したのが下の図です。
128.jpg
今度は40cmの結果と重ね合わせています。
75Hzがさらに酷く落ち込み、逆に50Hzのピークはレベルが増加しています。200~800Hzではいくつかのピーク/ディップが見られます。部屋が狭いとはいえ、たかだか1mちょっと離れただけでこのように大きく変化するとは予想していませんでした。距離が増えるとS/Nの低下によって細かいピークの振幅が増えますが、高域側は平均的なラインで見る限りほとんど重なっています。標準リスニング位置のような高域の凸凹も見られません。距離が離れてもスピーカーの真正面で聴く限り高音はそのまま耳に届くと言って良いと思います。

<注意>
アンプのボリュームは全て一定で測定しています。従ってマイクの入力レベルは距離が増えるほで低下します。しかしFrieve Audioは縦軸の0dB位置を信号レベルに合わせて自動調整するため、全体的な音圧レベルの違いはグラフには現れませんが、距離が離れるとS/Nが低下するのでヒゲ状の細かいピークが目立つようになります。ですからグラフの細かいギザギザは気にせずに見てください。今度やるときはマイク入力がほぼ同一となるようにアンプ側で調整した方が良いかも知れません。

このように、スピーカーから出る音の特性がフラットであっても、実際のリスニング位置の特性は部屋の影響を受けて激しく変化します。 一度でも音場補正でフラットな特性の音を聴くと、もう以前の音は聴けなくなります。如何に今まで癖のある音を聴いていたかが身にしみて分かるはずです。

しかし極端に強い反射の影響は音場補正でも補正しきれないでしょうし、また無理矢理補正したとしても正しい結果が得られるとは思えません。多くのベテラン オーディオ マニアが口を酸っぱくして言うように、高級なオーディオセットを購入する以前に部屋の音響特性を整える事が重要であると言えます。

ただしそれも専用のリスニングルームがあればそれ相応の吸音対策もできるでしょうが、一般のリビングルームでは限界がありますし費用もかさみます。これに対して今回の結果を見れば明白ですが、スピーカーに近づいて聴く事が最も簡単で効果的な対策であることがお分かりいただけると思います。

スピーカーに近づく事によって直接音に対する反射音の比率が下がって周波数特性がフラットに近づくだけでなく、同一音圧を得るのに必要なアンプ出力も下がり、従ってスピーカーの振幅も下げられます。音場補正の量も最小限に抑えられます。これらは音質的にも装置コスト的にも有利な方向に働きます。音が拡散する前に耳に届くため小さなスピーカーでも低音が聴き取りやすくなります(究極のニアフィールドリスニング装置であるカナル型イヤフォンがあのように小さなダイアフラムで超低音を再生している事を考えてください)。サブウーハーも近接して聴く限り極めて小さな出力でダイレクト感のある低音が得られます。
装置を大きくして離れて聴くと上記の利点が全て反対に働きます。

本当に快適かつ経済的に音楽を楽しみたいのであれば、
是非 ニアフィールドリスニング + 音場補正 を試してみてください。

これが僕の提案する LEAN AUDIOです。

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2009年02月16日 (月) | Edit |
LEAN AUDIOの概念
通常の部屋でステレオ再生する場合、スピーカーから出る音がどんなに完璧な特性を持っていても、壁からの反射音によって実際に耳に届く音の特性(周波数、位相)は醜く歪みます。これを改善するために部屋の音響特性を整える事は、一般家庭においては簡単ではありません。

128.jpg
スピーカー正面の周波数特性 距離40cmと135cmの比較、サブウーハーOFF

しかしスピーカーに近づく事によって直接音に対する反射音の比率を下げれば、それらの影響を軽減する事ができます。その上でデジタル信号処理による音場補正を行えば、理想に近い周波数/位相特性をリスニング位置に実現する事ができます。

デジタル信号処理は極めて精密で位相誤差のない補正を可能とします。音源がほぼ100%デジタル化されている現代において、信号をアナログ化する以前にデジタル処理を最大限に活用すべきであると考えます。

また、近距離で聴くため同一音圧を得るのに必要なアンプ出力(ボリューム)も下がり、従ってスピーカーの振幅も下げる事ができます。これらは音質的にも装置のコスト/サイズ的にも有利な方向に働きます。

音が拡散する前に耳に届くため、小さなスピーカーでも低音が聴き取りやすくなります(究極のニアフィールドであるカナル型イヤフォンがあのように小さなダイアフラムで超低音を再生している事を考えてください)。

さらにサブウーハーをデスクトップに設置する事によって、耳の高さに近いデスクトップ面からの反射が有効に利用でき、部屋の反射の影響を最小限におさえたダイレクト感のある低音が得られます。そして音場補正を使用する事によって極低域まで極めてフラットな周波数/位相特性を簡単に実現する事ができます。

130.jpg
サブウーハー使用時の音場補正ON/OFF比較
ハイエンド指向 → 装置を大きくしてスピーカーから離れる → 音量を上げる / 反射の影響がますます増える
リーン指向 → 装置を小さくしてスピーカーに近づく → 音量を下げる / 反射の影響がますます減る

システム構成は、
音源装置として、非圧縮PC音源 + デジタル信号処理ソフトウェアFrieve Audio
出力装置として、小出力アンプ + 小径フルレンジスピーカー + デスクトップサブウーハー
が基本となります。

カナル型イヤフォンに迫るワイドレンジで明瞭なニアフィールドサウンドをデスクトップ上に実現する事がLEAN AUDIOの目標です。

現在のシステム構成
- スピーカー -
8cmフルレンジ (F80AMG、自作ボックス)
デスクトップ サブウーハー (Victor SP-DW1)
超小型スーパーツイーター (TAKET BATPURE)

- 再生ソフトウェア -
Frieve Audio M-Class (シェアウェア)

- 音源 -
オーディオPC (ONKYO HDC-1L)

- アンプ -
KENWOOD KA-S10

- リスニング位置の周波数特性 -
088.jpg
Frieve Audio M-Classの音場補正機能を使用
サブウーハー ON
補正範囲: 30Hz~10kHz

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2009年02月14日 (土) | Edit |
当初は仕事用のPC(自作、Core2、2.13GHz)でFrieve Audioを使用して音楽を聴いていました。このPCでFrieve Audioを使用すると、設定にもよりますが再生時のCPU使用率は25%を超えます。翻訳支援ソフトとワープロで作業を行う程度であれば特に問題ないのですが、Adobe PhotoShopとBridgeで写真の編集を行う場合はさすがに厳しく、曲が途中で途切れたり、PhotoShopの演算に時間がかかったりします。またIE等のアプリケーションの起動/終了時にも曲が一瞬途絶えます。
そのころコンペ用に大量の作品(写真)の作成中であったこともあり、ハードディスクも余裕が無くなってきました。

それで音楽専用にPCを1台追加する事にしました。
073.jpg
ONKYO/SOTEC HDC-1L

当初は安価なベアボーンでも組もうかと思ったのですが、それなりのCDドライブの追加や静音化を考えると結構値がかさみそうだったので、タイミング良く新発売されたONKYO/SOTECのHDC-1Lを購入しました。このPCはONKYO製の高性能DAC(24bit/96kHz)を搭載し、ドライブやHDの振動対策や静音化に気を配ったオーディオ用PCです。しかもCPUにAtomプロセッサを搭載する事によって価格はネットブック並に抑えられています。

検討の時に唯一気になったのがCPUパワーです。

Atomプロセッサは性能的にはかなり見劣りします( おかげで安価)。CPU喰いのFrieve Audioが動作可能かどうか不安だったのでネットで検索したのですが、Frieve AudioもHDC-1Lも世間ではあまり注目されてないようで満足な情報が得られず、しばらく躊躇した後に思い切って購入してみました。

幸いFrieve Audioは問題無く作動し、肝心の音場補正も難なく実行できました。ASIOドライバ(実際にはASIO4ALL)も作動します。仕事PC上での使用に比べて操作はかなり緩慢になりますが許容範囲内です(例: 再生中に停止ボタンを押しても数秒間は止まらない、再生中にイコライザを変更すると数秒間再生が途切れる)。
ただしASIOを使用すると出力が48kHz以下に限定されます(標準ドライバでは96kHzまで可能だが、ASIOで2倍の88.2kHZ出力にすると再生がスロー(多分1/2速度)になってしまう。どして?)。
48kHz出力と96kHz出力の音質差が僕には分かりませんので通常はASIOドライバを使用しています。

通常のステレオ再生において唯一機能的に制限されるのがHSCという超高域(20kHz以上)に信号を擬似的に付加する機能です。タイプA,B,Cの3種類が選択可能ですが、このPCではタイプAしか使用できません(B,Cを使用すると音がブチブチ途切れる)。ちなみにFrieve作者はタイプCを推奨しています。詳しい事はFrieve Audioのカテゴリを参照してください。HSCタイプA使用時の音楽再生中のCPU使用率は50%を超えます。このHSC機能はスーパーツイーターを使用しない場合は不要です。

プリインストールされているONKYO製の再生ソフトウェアを使用すればASIOと同様にカーネルミキサーをバイパスしてダイレクトに信号を出力できるようですが、音場補正はできませんので全く使用していません。使い勝手も最悪そうです(センスなし)。

仕事PC + DenDAC(16bit/48kHz)と同一曲/同一ソフトウェア設定で聞き比べましたが、音質的に顕著な差は感じませんでした。まあ多少の違いはあるのでしょうが、僕が求めるレベルの音質はどちらもクリアしているので◎。オンボードのサウンド出力はさすがに僕でも一発NGですが。

静音性ですが今のところファンの音は全く気になりません(ただし購入したのが涼しくなってからなので夏場のことは分かりません)。時々聞こえるHDの動作音(回転音ではない)の方が少し気になるくらいです。十分に静音と言えるのではないでしょうか。デスクトップには置かずに、机の下のラックに置いています。

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2009年02月13日 (金) | Edit |
使い始めた頃は低域(200Hz以下)の補正がうまくできませんでした。

部屋の影響で約150Hzに左右とも大きなピークが発生し、左のみ約75Hzに大きな穴が発生するんですが、今のように綺麗にフラットには補正できませんでした。

これはイコライザのタップ数を増やす事で解決できました。タップ数は「環境の設定」内の「フィルタ」タブで行えます。このタップ数のデフォルトは確か2047でしたが現在は8191に設定しています。
低域が綺麗に補正できない方は試してみてください。
 
以下ではタップ数2047と8191で比較してみます。ちなみに以前の記事のデータは全てタップ数=8191によるものです。

DSPの「イコライザ」画面で「イコライザ係数の確認」ボタンをクリックすると、実際に適用されるイコライザ曲線を見る事ができます。イコライザ画面に青でプロットされている曲線がそのまま補正に適用されるわけではないので注意が必要です。

「イコライザ係数の確認」ボタンを押すと下のようなグラフが表示されます。
067_20090807202612.jpg
068_20090807202628.jpg

これが実際に適用されるイコライザ係数のグラフです。全く同じ測定データに基づいています。
上がタップ数=8191で、下がデフォルトのタップ数=2047です。補正範囲はともに0~20kHzにしています。

こちらが補正結果です。
065_20090807202656.jpg
066_20090807202719.jpg

同様に上が8191、下が2047です。2047では150Hzのピークがポッコリ残ります。現在のスピーカーは例の尻尾を付けてバスレス効果を出していませんが、以前のバスレフタイプではもっと激しい凸凹が低域に出ていました。

低域ほどタップ数の影響が大きくなりますが、これは周波数領域がリニアに分割されているためだと思われます。周波数特性は通常横軸を対数にしますが、リニアで考えれば100Hz幅のピークなどは高域では単なる線になってしまいますから。

タップ数を4倍に増やしてもCPU消費率が顕著に増加する等の弊害は見られませんので、現在はタップ数に8191を設定しています。ただし少ないに超した事はないので、デフォルトで問題がない場合は変更しない方が良いと思います。

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2009年02月13日 (金) | Edit |
補正を反映した結果を測定して、その効果を確認します。

まずDSPのイコライザ画面でイコライザの設定を行います。
062_20090807202852.jpg

これはR側です。
 
「周波数特性の補正」と「位相特性の補正」をONにします。どんなスピーカーでもついてまわる低音側の位相遅れも補正してくれます。

「補正の強さ」は通常100に設定します(補正量を100%反映)。

「補正範囲」の低音側はスピーカーの性能によって決まります。極端な補正量にならないように、このスピーカーでは50Hzに設定しています。僕は+12dBを大きく超えない事を目安にしています。高音側はマイクロフォンの定格周波数以下にすべきですが、ここでは試しに20kHzに設定しています(通常は10kHzに設定しています)。L側の結果を見る限りこのマイクは20kHzまでかなりフラットな特性を持っているようです。

「ピーク重視」の効果はいまいちよく分かりません。いつも0に設定しています。

「平滑化」はイコライザの平滑化の程度を設定します。この値を大きくするとイコライザ曲線がなまされて細かい凹凸は補正されなくなります。僕は通常0に設定しています。これを0に設定しても、グラフに示されているイコライザ特性がそのまま反映されるわけではなく、タップ数の設定によってかなり平滑化されます。「イコライザ係数の確認」を押すと実際の補正特性を見る事ができます。これは別の機会に説明します。

「終端」は上記周波数範囲外の補正量を決めます。0にすると範囲外の補正量は全て0になります。最大の200にすると、境界周波数の補正量がそれより上または下の周波数に一律に適用されます。

以上の設定はLとRそれぞれで行う必要がありますが、シフトを押しながら設定するとR/L同時に変更できます。

最後にイコライザをONにするのを忘れないでください。

測定を始めます。
メニュー「設定」から「音響特性補正結果の測定」を選びます。後の操作は最初の測定と全く同じです。マスターの設定が反映されるので、今度は測定結果テーブルのレベルと遅延はほぼゼロで共に正相となります。「STEP4」に進んでテーブルをクリックして測定結果を確認します。特性がフラットになっているはずです。OKであれば忘れずに測定結果を保存します。
064_20090807202926.jpg
065_20090807202938.jpg
上図が補正された特性です。上がL、下がR。50Hzから20kHzまで見事にフラットになります。しかもL/Rのレベル差と遅延も補正されます。

ダイアログを閉じたら、もう一度イコライザ画面上段の「測定結果」フィールド横のフロッピー アイコンをクリックします。お忘れ無く。名前を変更する必要はありません。

以上で終了です。イコライザ画面内の「測定結果の確認」と「補正結果の確認」ボタンでいつでも測定結果が見られます。

最後にイコライザ画面最上段の「プリセット」に適当な名前を入力してフロッピー アイコンをクリックすると、全ての設定がプリセットとして保存されます。これは便利です。

以上でリスニング位置の周波数特性がフラットになりましたが、最後にイコライザーのMasterチャンネルで最終調整を行います。一旦フラットになった特性を基準として、自分の聴感に合わせたイコライザ調整が行えます。音場補正を行わない凸凹の特性から聴感だけをたよりに調整するのに比べて格段に効率と精度が上がります。僕は曲だけでなく体調やその日の気分に合わせて結構こまめに調整してます。

このチャンネルは全てのチャンネルに対して適用されます。

DSPの「イコライザ」画面の「チャンネル」リストボックスで、一番上にある「Master」を選択します。
最初は0dBでフラットな設定となっています。

この画面上で各種のマウス操作(クリック、ダブルクリック、スクロールダイヤルの回転)を行う事により、フィルタが自由自在に設定できます。マウス操作だけで全ての設定が行えます。非常に良くできています。
一例を下に示します。
070_20090807202345.jpg

これは極端な例ですが、低域側のローカットと高域側の減衰は現実的な設定です。
中域の凸凹は見本としてわざと設定してみました。

 
この状態でLチャンネルを表示すると下のようになります。
071_20090807202414.jpg

マスタの設定を重畳したイコライザ特性が青線で示されます。緑がLチャンネル本来の特性です。
このLチャンネル上で同様ににフィルタを追加する事もできます。この場合は他のチャンネルへは影響しません。

Frieveの作者は特性をフラットにすると高域がきつく感じる場合があるので、2kHzから20kHzにかけて適当に減衰させる事を薦めています。クラシックでは僕もそのように設定する場合があります。ジャズの場合は逆に5kHzくらいから上をフラットに3dB程度ブーストしてシンバルのチッチキチを聞こえやすくしたりもします。このへんはお好み次第です。

僕が特に重視しているのは低域の急峻なカットです。下に例の尻尾付きスピーカーの計算結果を示します。
072b_20090807202443.jpg

スピーカーの振幅(紫色の線)に注目してください。共鳴周波数(40Hz)以下では振幅が激増し、かつ出力が激減します。つまり、これより低周波の信号が入ってもスピーカーがバタバタ動くだけで音が出て来ない事を意味します。フルレンジは働き者で、低域信号でバタバタしながらも20kHzの音を出してくれます。しかし無駄に大振幅でバタバタ動けば高域音に良いはずありません。という事で、このようなスピーカー設定では40Hz以下を急激にカットします (サブウーハーを使用しない場合)。デジタルフィルタであれば、こんなのお手の物です。

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2009年02月13日 (金) | Edit |
カナル型イヤフォンの聴きやすさをスピーカーで再現する事を目標にしてきた僕には、この音場補正が決定的な効果を上げてくれました。

この機能を使用するにはシェアウェア版Frieve Audio (M-Class)とASIOドライバ(またはASIO4ALL)に加えてマイクロフォンが必要となります。僕はスカイプとかで使用する1000円くらいの安物を使用しています。カタログ上の帯域は16kHzまでとなっていますが、20kHzまでフラットなのは上等なやつでも少ないみたいです。特性の凸凹をとりあえずフラットにするのには問題なかろうと考えています。最終的には聴感によるイコライジング調整を行いますから。

087.jpg
ELECOM MS-STM54
定格 20~16,000kHz
1,312 YEN
先端の穴あきキャップとスポンジ状のフィルタを外して
ユニットむき出しの状態で使用しています。
いろいろな条件で測定してみてわかりましたが
20kHzまでほぼフラットな特性を持っているようです。
音場補正の目的であればこれで十分だと思います。
いたずらに高級なマイクを使用する必要はありません。
 
手順を説明します。前回の記事で説明した設定が行われた状態を前提とします。

DenDACにはマイク入力がありませんので、測定にはオンボードのサウンドデバイスを使用します。従って予めマイクとアンプの入力ラインをサウンドデバイスへ接続しておく必要があります。DACに入力がある場合は当然そちらを使用します。

まずオンボードサウンド デバイスをASIOで使用できるようにします。
メインメニューの「設定」から「環境の設定」を選択して環境設定ダイアログを開きます。

「ASIOドライバ」タブで「ASIOコントロールパネル」ボタンをクリックしてASIOの設定ダイアログを開いて、オンボードのサウンドデバイス(僕のPCではIDT High Definition Audio CODEC)を選択します。僕の場合バッファのサイズを変更する必要はありませんが、以降の動作で問題が出る場合は大きめの値に変更してみてください。
056_20090807203624.jpg

このASIO設定の変更を有効にするために、「環境の設定」ダイアログの「OK」ボタンをクリックして一度閉じます。

再度メニューから「環境の設定」ダイアログを開いて「ASIOドライバ」タブを開きます。「出力デバイスのアサイン」で「L,R」に対してオンボード サウンドデバイスのフロントL/Rチャンネルを割り当てます(僕のPCではIDT Audio 1)。
その下の「入力デバイスのアサイン」ではオンボード サウンドデバイスのマイク チャンネルを割り当てます(これもIDT Audio 1)。
057_20090807203708.jpg

「音響特性の測定」タブでは測定に関する設定変更ができますが、デフォルトで特に問題が無いので一切手をつけていません。

以上で設定は終わりです。

アンプのセレクタを切り換えるのも忘れないようにします。

それでは実際に測定を行います。
通常はマイクを実際のリスニング位置に設置します(僕の場合左右から均等に約1mの距離)。
しかし今回はマイクをわざと左側へオフセットして置きました(左が約80cm、右が約1mの距離)。
さらに、右側のスピーカーをわざと逆相に接続しました。
というのはFrieve Audioはこれらを全て補正してくれるからです。

では測定を始めます。

前の記事の設定が済んだら、DSPのイコライザ画面を表示して、「音響特性の測定」ボタンをクリックすると、下のダイアログが開きます。この図は測定が終了した状態を示しています。
058_20090807203231.jpg

 
最初は「STEP1」タブが表示され、右側のテーブルは空白になっています。「測定信号のプロット」ボタンを押すと、測定に使用する信号の特性が表示されます。デフォルトでは-3dB/octで高音側を減衰した特性になっています(多分ツイーター保護のため)。この設定はユーザによる変更が可能ですが、僕はデフォルトのまま使用しています(前回説明した環境の設定で変更可能)。

アンプのボリュームを絞ってから「STEP2」タブを開くと、左右のチャンネルへ交互に信号が送られます(デフォルトでは自動切り替え)。マイクの入力レベルが表示されるので、これがL/Rともに-30dB前後となるようにアンプのボリュームを調整します。

ボリュームを設定した後に「STEP3」タブを開くと、自動的にLチャンネルから測定が始まります。信号が環境設定で定義された回数だけ繰り返し再生されます。再生回数も環境設定内で変更できます。ボリュームが適正であれば、右側のテーブルに測定結果が自動的に表示されます。自動的に表示されない場合はボリュームを少し上げてみてください。Lチャンネルの測定が終わると自動的にRチャンネルの測定が行われ、その後信号が自動的に停止します。
テーブル内の測定結果を見ると、スピーカーからの距離が大きいRがLに対してレベルが4.8dB低く、0.6ms遅れている事がわかります。また、位相はLが逆、Rが正になっています。どういうわけかスピーカーを正相(アンプの赤をスピーカーの赤に接続)した状態ではFrieveは逆相として認識します。従って逆相で接続したRが正として認識されています。
以上で測定は終わりです。

「STEP4」タブを開いて、テーブル内のLまたはRをクリックすると、測定結果のグラフが表示されます。
059_20090807203259.jpg
060_20090807203310.jpg
上がL下がRです。マイクの位置がスピーカー正面に近いL側では、補正の必要もないくらいフラットになっていますが、R側は凸凹が目立ちます。特に高域の低下と150Hzのピークが目立ちます。

おかしなところがなければ、「周波数特性を保存」ボタンをクリックして測定結果を保存します。さらに「マスターに反映」をクリックすると左右のレベル/遅延の補正値がDSPの「マスター」へ反映されます。「終了」を押してダイアログを閉じます。

下図に結果を反映した「マスタ」の状態を示します。
061.jpg
ここではLチャンネルのレベルを4.8dB下げて、0.63msec遅らせています。この0.63msecは距離にして213mmに相当する事が示されています。これはほぼ実際の距離差に一致します。さらにLチャンネルの位相を反転させています(φマークが赤になる)。

「イコライザ」画面を開くと、測定値に基づいたイコライザ特性が表示されます。黒の線は位相遅れを示しています。通常は低音側で遅れが発生します。
063_20090807203446.jpg
これはL側のイコライザ曲線です。当然ですが測定された特性曲線を上下逆さまにした形状となります。

この状態では測定結果はまだ完全には保存されていません。イコライザ画面最上段の「測定結果」フィールドに適当な名前を入力してからフロッピー アイコンをクリックすると、測定結果ファイルが作成/保存されます。お忘れ無く。。。

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2009年02月12日 (木) | Edit |
今回はFrieve Audioの各種設定方法を紹介します。

メインメニューの「設定」から「環境の設定」を選択して各種の設定を行います。ここではASIO4ALLがインストールされてASIOドライバが使用可能となっている状態を想定しています。

まず「オーディオ出力」タブで標準ドライバとASIOドライバのどちらを使用するのかを選択します。せっかくASIOが使用できるのでASIOを選択します。その下では使用周波数を選択します。DenDACでは48kHzまでしか選択できません。
053a_20090807203809.jpg

次に「ASIOドライバ」タブでASIOドライバの設定を行います。
ASIO4ALLが既に認識されています。
051_20090807203842.jpg

「ASIOコントロールパネル」ボタンをクリックすると、ASIOの設定ダイアログが開きます。
052_20090807204027.jpg

オンボードのサウンドデバイスとDenDAC(USB Audio DAC)が認識されています。USB DACの方を選択してから下のスライダでバッファサイズを調整します。このバッファサイズを小さくするほど遅延(レイテンシ)を小さくできます。ただし小さくしすぎるとプチプチと再生音が途切れるので、この現象が出ない範囲で設定する必要があります。再生だけであれば頑張って小さくする必要もないかと思います。デフォルトが512サンプルだったのでそのままの設定で使用しています。スパナのアイコンをクリックすると詳細設定画面が開きますが、通常は全く気にする必要はないようです。

元のダイアログへ戻って「出力デバイスのアサイン」でL.Rチャンネルに対してUSB DACを選択します。
音響特性の測定を行う場合はちょっと設定が異なってきます。それは次回に説明します。

標準ドライバ」タブはASIOを使用しない場合の標準ドライバの選択を行います。ASIOを使用する場合はここでの設定は関係ありません。

リサンプリング(1)」タブではアップサンプリング/ダウンサンプリングの設定を行います。
054_20090807204141.jpg

まだどういう設定がベストなのかよく分かっていませんが、DenDACは48kHzまで出力可能なので出力周波数を48kHzに固定しています。「元の周波数の整数倍にアップサンプリング」は選択してもしなくても整数倍にしかアップサンプリングされないようなので、直接44.1から48へアップサンプリングされるのではなく一旦2倍の88.2kHzまでアップサンプリングされます。別に一切アップサンプリングせずに44.1kHzで出力しても僕の場合違いはよくわかりませんが、せっかくなのでこういう設定にしています。Frieveは192kHzまでのアップサンプリングをサポートしています。やってみましたが、もちろん可能でした。アップサンプリングは後述のHSC程CPUパワーを消費しないようです。

リサンプリング(2)」タブではリサンプリング フィルタの設定が行えますが、詳しい説明もないので一切手を付けていません。作者も分からなければ変更しないように勧めています。

フィルタ」タブです。
055_20090807204231.jpg

問題がなければバッファサイズを変更する必要はないと思います。音が途切れるようであれば大きめに設定にします。図では最大値が設定されていますが、間違って変更してしまったようです。大きくすると操作の反応が遅くなります。
イコライザの「タップ数」とは周波数分割の数に対応しているようです(グライコのバーの数?)。これを大きくするほど急峻な補正が可能になります(分割がより細かくなる)。低音側の凸凹を綺麗に補正するにはデフォルトでは少なすぎたのでかなり大きくしています(リニアスケールで分割される模様)。

「Hyper Sonic Creation」(HSC)は、デジタル化によって失われた高音域(CDの場合は22kHz以上)の信号を擬似的に生成する機能です。昨今スーパーツイータの必要性が取りざたされ、ハーモネータという名称で20kHz~100kHz+αのランダムノイズをソース信号の強弱に同調させながら発生する装置が話題となっているようですが、それに似たような機能をDSPで行ってくれる有り難くも安上がりな機能です。装置一式を買うと10万円以上の出費となります。
スピーカーには小さなスーパーツイータを付けているので、この機能を使用しています。
ただし、この機能はCPUパワーを相当消費するため、CPUに余裕がないと使えません。A,B,Cの三種類が選択可能ですが、Aに比べてB,CはCPUにより大きな負担がかかるようです。作者はCの使用を推奨しています。ただしA,B,Cでアルゴリズムがどう異なるのか一切の説明はありません。Cはソースとの連携がより精密になっているような気がします。

だいたい以上でASIOによる再生が可能となります。
操作とか表示はお好みに合わせてカスタマイズ可能です。

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2009年02月12日 (木) | Edit |
Frieve Audioは各種のダイアログ エレメントで構成され、メイン ウィンドウ内で自由にレイアウト可能となっています。

全体レイアウトは以前の記事を参考にしてください。

以下ではFrieve Audioの様々なダイアログ エレメントの機能を紹介します。

コンダクタ
044_20090807204318.jpg
コンダクタはプレーヤーの操作部です。ボリューム(Master)の下のAVC(自動ボリューム制御)をONにすると、イコライザでブーストを行った際にデジタル信号が飽和しないように全体のゲインを自動調整してくれます。これをONにすると、再生の途中で大きな信号が入った時に勝手にボリュームが下がります(一度下がるとそのまま維持)。それが鬱陶しい場合は、イコライザの最大補正量が+12dBであればMasterボリュームを最初から-12dBに設定してAVCをOFFにすればOKです。
右側のボタンは各種DSP機能のON/OFFボタンです。僕の場合通常はイコライザ(EQ)と、スーパーツイータを付けているので高域補完(HSC)を使用します。

ブラウザ
045.jpg

普通にファイルブラウズします。アーチスト名等で分類する機能はないので、フォルダ構造で分類しておく必要があります。フォルダを選択すると、そのフォルダ内の全てのファイルがプレイリストへ挿入されます。特に説明の必要はないと思います。ブラウザは半透明にして表示する事ができます。透過率も設定可能です。シンプルなだけにかえって使いやすいです。

プレイリスト
これは説明は不要ですね。

情報
046.jpg

ここには信号処理に関する情報が表示されます。
特に重要なのはリサンプラの情報です。
この例の場合、ソースの44.1kHzを3倍にアップサンプリングしてから48kHzへダウンサンプリングしています。

スペクトル
047_20090807204407.jpg

各チャンネルのスペクトルがほぼリアルタイムで表示されます。
楽器や声の帯域と倍音の分布が見られるので結構おもしろいです。
マイルスのミュートトランペットとかマリアカラスの声なんか綺麗に倍音の分布が見られます。

DSP
このソフトウェアの心臓部であるデジタル信号処理(DSP)の設定を行います。
各種のタブ上で様々な設定が行えます。

「イコライザ」では出力の周波数特性の補正が極めて精密に行えます。タップ数(周波数分割の細かさ)は選択可能です。通常のステレオ再生では「イコライザ」しか使用しません。自動音場補正もイコライザのページで行います。
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「エフェクタ」を使用すると信号の動特性(立ち上がり特性?)とかも調整できるようですが、マニュアルに詳しく書かれていないので使い方がわかりません。多分DTMをやっておられる方々には常識なんでしょうが。

「コンボルバ」は残響特性の調整のようですが、これもよくわかりません。サラウンド用かな?普通のステレオ再生であれば不要だと思います。

「マトリクス」では各チャンネルの入出力の割り当てとレベル調整が行えます。
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ステレオ再生ではLとRだけを使用します。
スピーカーの初期チューニングで片方のスピーカーだけに左右の信号をミックスしたモノラル信号を出力したい場合なんかに便利に使用しています(上図のように設定してONボタンを押すと、左右の信号がミックスされて右チャンネルにだけ出力されます。これってハードウェアでやろうとすると難儀なんですよね)。

チャンネル名は7.1チャンネルシステムに対応した構成となっていますが、チャンネルディバイダとして使用する場合はこれらの中から適当なチャンネルを各ユニットへ割り当てます(例えばLに左ウーハー、SLに左スコーカー、SCLに左ツイーター、SWにサブウーハー)。ただし相当ハイパワーなCPUが必要となります。僕のCore2では2ウェイすらできない。
「φ」をクリックすると信号の位相が反転できます。

「マスター」では各チャンネルのレベル調整と遅延補正ができます。
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リスニング位置が左右のスピーカーの中央に位置しない場合は、自動音場補正の結果をマスターに反映すると左右のレベルだけでなく音の到達時間の差(遅延)も自動的に補正してくれます。ほぼ中央で聴くので通常は使用してません。チャンネルディバイダとして使用する場合は、ここで各チャンネルのレベルだけでなく位相も調整できます。

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2009年02月12日 (木) | Edit |
Frieve Audioで音場補正を行うにはASIO(アジオ)というオーディオ用ドライバーが必要です。

ASIOは特にDTM(デスクトップ音楽作成)用に開発されたものらしく、信号の遅延(レイテンシー)を飛躍的に短縮する事を主たる目的としているようです。多分、ドラムを打ち込んでから音が出力されるまでに遅延があると困るので、その遅延を短縮するといった目的で用いられるのだと思われます。

しかもASIOを使用すると音楽再生の音質面でも効果が得られます。

PCで普通に音楽を再生すると、信号はカーネルミキサーという部分を経由してサウンドデバイスへ送られるのですが、このカーネルミキサーをチンタラ通過する際にジッターノイズによる音質劣化が発生します。ところがASIOはカーネルミキサーをパスして直接サウンドデバイスへ信号を送るので音質が改善できるといった理屈のようです。以上は「アレコレAUDIO」というサイトを参考にさせていただきました。

ASIOを使用するには、これに対応したサウンドカードが必要です。僕のお仕事PCも音楽PCもASIOには非対応です。しかし、このような場合は「ASIO4ALL」というドライバを使えばASIO機能が利用可能となります。ASIO4ALLはコチラから無料でダウンロードできます。

ASIO4ALL使用時のノイズ低減効果が藤本健氏のDigital Audio Laboratoryに掲載されています。リンク先の記事は現在使用しているONKYOのHDC-1Lという音楽専用PCのレビュー記事です。詳しくはそちらをどうぞ。

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1kHzサイン波のスペクトルによる比較
上がASIOなし、下がASIO4ALL使用

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2009年02月12日 (木) | Edit |
今回から気合いを入れてFrieve Audioを紹介していきたいと思います。

以下はダウンロード サイトからの抜粋です。
重要と思われるところは僕が強調しました。

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Frieve Audio / Frieve Audio M-Classについて
Frieve Audio(フリーブオーディオ)は、リビングPCでの音楽再生用途などに最適なWav、MP3対応高音質オーディオファイルプレイヤーです。昨今のPCの有り余るCPUパワーをふんだんに利用することにより、これまでにない高音質再生を実現しています。Frieve AudioはフリーソフトウェアのFrieve Audio、上位バージョンであるシェアウェアのFrieve Audio M-Classからお選びいただけます。

主な特徴
-マウスによる簡単な操作で目的のフォルダやファイルを再生できる音楽ファイルブラウザ
-プレイリストの再生が終わると、指定したプレイリストを小音量でランダム再生するBGM機能
-高機能、高音質イコライザ(直線位相FIRフィルタ、特性はマウスによる簡単操作でパラメトリック風に設定、マスター、各チャンネルにそれぞれ独立した特性を設定可能)
-高機能、高音質コンボルバ(任意のインパルス応答を2系統(M-Classは8系統)まで畳み込み可能)
-インターポレーションフィルタの係数を簡単なパラメータでカスタマイズ可能な高品質リサンプラ
-VST/AEP対応プラグインを8系統まで使用可能なエフェクト機能
-マイクを使った音響特性の自動測定機能
-高域の失われたMP3ファイルや、アップサンプリング後の信号の無い高域に擬似的な高域を付加するHyper Sonic Creation機能
-192kHz、32bitWavファイル、MP3他DirectShowで再生可能なフォーマットに対応
-内部処理64bit
-ASIOドライバに標準対応
-ネット上の音楽をキーワード検索して即座にストリーミング再生可能(Friejyu機能)

以上の機能はフリー版でも利用可能ですが、以下はシェアウェア(M-Class、有料版)でしか利用できません。
-直線位相FIRフィルタにより音響特性を補正する自動音響特性補正機能
-8chまでのマルチアウト機能。マトリクス、EQ、エフェクト機能を利用したサブウーファーマネージメント、マトリクス出力、高品質サラウンドエフェクト、直線位相チャンネルデバイダなどを実現可能

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自動音場補正(自動音響特性補正)を行うにはシェアウェア版(M-Class)が必要です(3,200YEN)。
さらにM-Classでは複数のDACと複数のアンプを使用してデジタル チャンネルデバイダを実現可能です。

このソフトウェアはかなりCPUパワーを必要とするので注意が必要です。
僕のお仕事PC (Core2, 2.13GHz, メモリ2GB, XP Pro)でも、チャンネルデバイダをステレオで実現する事はできませんでした。また、音楽再生中にPhotoShopで大きなファイルの作業を行うのはかなり辛いです。

とはいっても性能的にかなり劣るAtom CPU搭載のONKYO HDC-1Lで自動音場補正と音楽再生は普通にできます。従って今はやりのネットブックにDenDACという組み合わせでも使用可能と思われます。ただし高域補完のHSC機能はCPUパワーをかなり消費するので使用が一部限定されます(タイプA,B,Cが選択可能ですが、タイプAしか使用できない。作者はタイプCを推奨)。タスクマネージャのCPU使用率は音楽再生だけで50%を超えます(HSC タイプA使用時)。Core2ではタイプC使用でも約25%の使用率です。

音楽ファイルのブラウズも、メディアプレーヤーやiTune並みとは言えませんが、必要最小限の機能はきちんと備えています。アーティストによる分類などはできませんが、フォルダの階層構造やファイル名を工夫すれば使いやすくなります。僕はジャンル/アーティスト(作曲者)/アルバム名というフォルダ構造でファイルを保存しています。アルバム名の先頭には録音年を付けて、年代順の一気聴きを可能にしています。プレイリストのランダム再生も可能です。

全体的に作者の非常に高いセンスが伺えます。この方は他にFrieve Editorというフリーのアイデアプロセッサも公開されていますが、これもなかなかセンスの光る内容です。ただ者ではないと見ました。

この方の総合サイトはコチラです。

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