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2011年10月07日 (金) | Edit |
読者の方から、何m以内のリスニング距離をニアフィールドと呼ぶのか? というご質問を頂きました。

ニアフィールドリスニングの最大の目的は、リスニング位置での部屋の反射波(主に低音で発生する定在波)に対する直接波の比率を高めて、リスニング位置で音楽(特に低音)をクリアに聴き取れるようにする事にあります。この効果が十分に得られる距離は、部屋の大きさや反射特性によって異なるため、一概に何m以内と定義する事はできません(極端な話、完全な無響室では、どんなに離れようとも直接音だけを聴くことができる)。
また、ニアフィールドリスニングでは、上記の効果以外に、耳位置での音量を確保しながらSPから放出される絶対音量を下げられる(アンプの出力を下げられる)事から、音質(=音楽再生クオリティ)面、サイズ面、コスト面で数多の利点を得る事ができます。

現実的な環境でニアフィールド効果が得られるリスニング距離の目安としては、自分の部屋をアチコチ計測(参考記事)した結果ならびにシミュレーション結果から判断して、大まかに下記が言えると思います。

● 少なくとも、
部屋の前後方向の中央よりも前寄りで聴く事を推奨します。

● もっと端的に言えば、
部屋の真ん中より後には絶対に下がらない事を強くお薦めします。前後壁間の真ん中は、それより後に下がってはならない絶対限界ラインだと思ってください。

● さらに言えば、
部屋の前寄り1/3以内で聴く事により、ほぼ理想的なニアフィールド条件が得られるのではないかと思われます。

僕の部屋の前後方向の壁間距離は2.95mであり、リスニング位置は前方壁から約95cmです(SP前端は壁から約30cm前方。従ってSPからのリスニング距離は約65cm)。すなわち、ほぼ前寄り1/3の位置で聴いている事になります。

以下僕の部屋での実測値です。青がSP直前のF特、赤が部屋で実測したF特。
602_20111007113802.jpg
前方壁より約120cm (部屋の中央よりやや前): リスニング位置より数10cm後

603_20111007113802.jpg
前方壁より約170cm (部屋の中央よりやや後): 100Hz前後の極端な落ち込みと、50Hz以下の盛り上がりが顕著となる。中央より後ではどこで計測しても状況は大きく変わらない。このような条件で30Hzまでフラットなレスポンスを持つ大型SPを使用すると超低音がブーミーに聞こえ、極端に大音量で再生した場合、健康を害する可能性すらある。マンションの一般的なサイズの部屋では、ほぼ例外なく50Hz以下でゲインが発生するため、ニアフィールドではない通常レイアウトで音楽を聴く場合、スピーカは50Hzまでフラットでそこから-12dB/Octで減衰するLEANAUDIOのミニマム要件を満たせば十分であろう。ニアフィールド条件で聴かない限り、100Hz以下の低音はほぼ部屋の特性に支配されると考えるべきである。ただし遮音性の低い純和風家屋の場合、状況は大きく変わるかもしれない。

リスナーから背後壁までの距離をできるだけ大きくとった方が、一般的に有利となるように思われます。従って部屋が長方形である場合、短辺側にSPを配置して(すなわち部屋の前後長さを大きくして)、部屋の中央より前側(可能であれば1/3近く)で聴く事を推奨します。確かBlue Skyも同様の配置を推奨していたように記憶しています。

nearfield.jpg
同じ部屋、同じリスニング距離でも、右側の配置では良好なニアフィールド効果は得られません。

再三申しているように、僕は「音場感」とか「音場の拡がり」とか言うヤツを全く重視していません。というか、過剰に演出された「音場感」には嫌悪すら感じます(だって肝心の「音楽」が聴きにくくなるんだもん)。上記のコメントは主に低音(特に100Hz以下)をクリアに耳まで届ける事を主眼とするものである事をご理解ください。また、部屋の条件は全く千差万別であり、上記コメントはあくまで一般的なガイドラインとしてお考えください。

PCと安物マイクで誰でも簡単に計測できます。あるいは例えば40Hz~80Hzの正弦波を再生しながら段々と後に下がると耳で一発でわかります。凄まじい影響ですから!

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