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2013年07月06日 (土) | Edit |
今回は、パッシブネットワークを使ってサブウーハをアドオン(メイン側にHPFを使わないで接続)する場合の接続極性と遅れについて調べてみました。

スピーカはメイン側にAlpair6M+2.5L密閉(ZAP)、サブウーハ側にAlpair6M+8L密閉/バスレフ(TONO)を使いました。
LPFは22mH+400μF (fc=約70Hz、-12dB/Oct)のパッシブネットワークです。バスレフポート稼働領域(50弱~約100Hz)下限でのクロスオーバとなります。

まずはF特です。
赤が正相接続のトータル、黒が逆相接続のトータル、青がメインの密閉型緑がサブウーハです。

密閉型サブウーハのアドオン
F特 密閉 アドオン 

バスレフ型サブウーハのアドオン
F特 バスレフ アドオン 
- 150Hzあたりの段差は部屋の影響です。
- どちらも逆相で綺麗に繋がります。
- どちらも実質的なクロスオーバーは95Hzあたりです。
- どちらも正相接続ではクロス周波数で急峻なディップが発生します。
- バスレフの場合、逆相接続で綺麗に繫がりますが、位相が大きく回転するため70Hz以下ではメインスピカと逆相になって出力が低下しています。
- バスレフ単体だと60Hzから出力は低下するのですが、フィルタを接続すると出力が50Hz以下までフラットに延びています。

次に、いつものシミュレーションです。
- 例によって入力の位相を黄色の水平線で示しています。これが位相遅れゼロの基準です。
- 位相曲線の60Hzと100Hzに緑のをプロットしています。
密閉型メイン
SIMU 密閉
- 100Hzの位相は約-90°

密閉型サブウーハ
SIMU 密閉サブ
- 100Hzの位相は約-270°(スピカの180°+フィルタの90°)です。
- 100Hzにおいてメイン(-90°)とは180°差(つまり逆相)になります。
- 60Hzの位相は-180°弱。

バスレフ型サブウーハ
SIMUバスレフサブ
- 位相は激しく回転し、100Hzで-450°(スピカの360°+フィルタの90°)にもなります。
- 100Hzにおいてメイン(-90°)とは360°差(つまり同相)ですが、バスレフの応答は反転しているため、結局メインとは逆相になります。アーヤヤコシー。
- 60Hzの位相は約-270°です。
- シミュレーションでも出力は低周波側へ延びていますね。そーゆものなのね?

100Hzのメインとサブウーハの波形を重ね合わせました。正相接続の状態です。
上が密閉、下がバスレフ
アドオンクロス波形 密閉 
アドオンクロス波形 バスレフ
- 正相接続ではどちらもメインスピーカとは完全な逆相になっています。これでは急峻なギャップが発生するのが当然ですね。

いつものように、信号に対する出力の位相(タイムドメイン的位相)を調べてみました。
 バスレフの応答遅れを見るには波形を上下反転する必要があります。
上が密閉、下がバスレフ
100Hz
アドオン100密閉波形
アドオン100バスレフ波形
- 密閉は信号に対して270°(信号に対して7.5ms、メインスピカに対して5ms)弱の遅れです。
- バスレフは信号に対して450°(信号に対して12.5ms、メインに対して10ms)弱の遅れです。
- 上のシミュレーションとよく一致していると言えるでしょう。

60Hz
アドオン60密閉波形
アドオン60バスレフ波形
- 密閉は信号に対してほぼ180°(信号に対して8ms)の遅れです。
- バスレフは信号に対してほぼ270°(信号に対して12.5ms)の遅れです。
- これもシミュレーションとよく一致しています。

下は、位相と時間の遅れをプロットしたグラフです。
赤がバスレフサブ青が密閉サブ緑が密閉メインです。
アドオン位相遅れ アドオン時間遅れ
フィルタなしのバスレフは密閉アドオンと等価です。

100Hz以下のカットオフを持つアナログLPFを使ってサブウーハをアドオンすると、低音が信号に対して時間的に大きく遅れるだけでなく、クロス点においてメインスピーカからも遅れます(クロス点におけるタイムアラインメントは出鱈目)。
- 共鳴60Hzのバスレフの場合(フィルタなし60Hzで入力に対し約8ms遅れる)、フィルタを付加すると12.5ms(4.25m)まで遅れています。 共鳴周波数の低い大型バスレフは、周波数に反比例してもっと遅れます。
- 密閉型のアドオンでは約8ms(2.7m)遅れます。これはフィルタなしの60Hzバスレフと同等です。フィルタなしの密閉(デジタルフィルタを使った密閉型サブウーハ)だと遅れは4ms(1.35m)弱です。
- アドオン方式の場合、100Hzのクロス点において、メインスピカ(密閉型)に対してバスレフ型サブウーハで約10ms(3.4m)、密閉型サブウーハで約5ms(1.7m)遅れます。つまりクロス点におけるタイムアラインメントは全く出鱈目です。

大型メインシステムに共鳴周波数の低い大型バスレフ サブウーハを極端にカットオフの低いアナログLPFを使ってアドオンする場合、その時間的遅れは想像を絶します。またメイン側にもバスレフ型を使う場合、急激に変化するお互いの位相がどのように干渉し合うのか、これもまた想像を絶します。このような構成は、「デカイ重低音が出れば良い」というシアタ向けには使えるかもしれませんが、繊細な音楽再生用には到底適さないでしょう。

このように遅れの大きなアナログ式サブウーハをアドオンする場合、リスナのすぐ近くに設置した方が良好な結果が得られるかも知れません。さもなくばアドオン式には、位相回転が殆ど(というか全く)生じないFrieveAudioのような高性能デジタルフィルタが必須であると言えるでしょう。

今回はパッシブネットワーク(アンプの後で分割)を使いましたが、アクティブ方式(アンプの前で分割)でもアナログフィルタを使う限り遅れの様相は殆ど同じです。次回は、サウンドブラスタDACのチャンデバ(多分アナログ式)を使ったアクティブ クロスオーバ方式について調べてみます。オッタノシミニ!

結局「位相」の話は続きますね。。。スミマセン。

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