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2012年05月27日 (日) | Edit |
構成がほぼ固まったので、大雑把に周波数特性を計測してみました。

まずはAlpair6Pの設置状態
tono_20120526152348.jpg
いつものオシゴト ポジションからの視点。デスクトップ右上方の部屋のコーナーに天井からぶら下げました。例によってバラックの実験君状態です。箱は以前使っていたVictor製パワードウーハーの箱を流用。容積は約7L。ベッドの枕位置に真っ直ぐ向くように下方に傾けると高音がきつく聞こえるので、それよりは上向きです(少しだけ下に向けた状態)。完全にできあがったら、AirMac、イコライザ、アンプを本棚の上に移動して、ケーブル類を最短にする予定です。デンセン大嫌い。

まず、参考データとしてZAP君の周波数特性を再掲しておきます。zap.jpg
仕事中のいつものリスニング位置(距離は約65cm)で計測。補正は一切無し。赤はサブウーハON。黄色の領域は±6dBの範囲を示しています。実際のリスニング位置で計って40Hz~10kHzのレスポンスが±6dBに概ね収まれば、まぁえーんちゃう?というのが一応のハチマル基準です。

ではTONO君のデータをお見せします。データは全て背面ポートを塞いだ密閉型の状態で計測しています。吸音材は、内壁に貼り付けるだけでなく、内部空間全体に軽くフンワリと満たした状態です。ZAP君よりは大分少なめです(ZAP君はすり切り一杯という感じで充填している)。

1) まず、ドライバの真正面約20cmの距離でで計測しました。全てマイク手持ちなのであまり正確ではありません。
1.jpg
青がデスクの前端に置いて約20cmの距離で計測した結果です。典型的な密閉型の特性を示しています。赤が天井から吊り下げた状態で正面約20cmで計測した結果です。全く同じスピーカですが、こちらは50Hz近くまでフラットに伸びています。これがコーナー設置のソモソモの狙いです。ただし200Hz前後は低下しています。後の計測結果をご覧になれば分かると思いますが、どこかの帯域が増加すると、必ずと言って良い程、その隣の帯域が減少します。これは、音響系をイヂル場合の典型として心得ておく必要があります。

通常、このような部屋のコーナーへの設置は良くないとされますが、今回のトライは、それを逆手にとって、敢えて利用してしまおうという事です。最初は正三角形の平面バッフルだけ作って、壁/天井に直接固定して密閉箱にしようかと考えていました。しかし、使わない箱が邪魔でしょうがないので廃物利用の精神を発揮してしまいました。

2) 何度でもシツコク言いますが、重要なのはあくまでもリスニング位置での特性です。下は枕位置の特性。
bed.jpg
どしぇー!というくらい凄まじいディップが発生。100Hz以下はモリモリだし。。(ソモソモこれが狙いなんですけどね)。50~500Hzはベースの重要帯域です。ここで激しく凸凹するとベースが非常に聴き辛くなるため、ハチマルとしてはゼッタイに捨て置くわけには行きませぬ。ちなみに、ベースに関してイコライザーの使い方で良く言われるのは、「厚み 80-100Hz 抜け 200-500Hz」とか 「輪郭、重み 150Hzブースト250Hzブースト」です。
シャープ(狭帯域)なディップなら、何dB落ち込んでも大して気にする必要はないのですが、コイツは1オクターブにわたって落ち込んでいます。このようにF特曲線の全体的形状が明らかに変わるようなディップは問題です。これを埋める事ができれば、100Hz以下の盛り上がりは大した問題ではないでしょう。

各所の特性を重ね書きしました。
2.jpg
赤は正面約20cm、緑は部屋の丁度中央、青がベッドの枕の位置でのデータです。SP前面から枕の中央までの距離はざっと見積もって約3mあります。スピーカと枕は互いに直方体の対頂角を成す関係に近く、この部屋で現実的に取り得る最も長い距離だと言えます。
部屋中央(緑)では、約125Hzにピーク、約250Hzにディップが生じ、100Hz以下で赤(20cm)よりもレスポンスが低下しています。枕位置(青)まで離れると、250Hz前後のディップがさらに顕著となり、逆に100Hz以下ではレスポンスが赤よりも増加しています。一方、500Hz以上の領域は、測定位置にほとんど影響されない事がわかります。既に述べた理由により、青(枕)と緑(中央)はスピーカの軸線から下方に外れているため、10kHz以上では真正面で計測した赤よりもレスポンスが低下しています。

これらはiTuneのイコライザである程度補正できる事を確認済みです。しかし、前の記事で書いたように、iPadのラジオチューナーを使う場合イコライザは使えないため、9バンドのイコライザを購入しました。

3) 9バンド イコライザを使って補正した結果です。まずは枕位置。
3.jpg
青がイコライザOFF、マゼンタがONです。9バンドしかないため、大雑把な補正しかできませんが、特に200Hz前後のディップを埋める事によって、ベースが随分聴きやすくなりました。聴感上の効果も明らかです。そもそも、用途(ラヂオ、BGM)からして、ZAPのようなダイレクト感や位相の正確さを求めるわけではないため、今のところイコライザの弊害と思えるような違和感は感じません。後はイロイロな曲を聞いている中で、気に障る所があればチョコッと微調整を繰り返して設定を煮詰めれば良いでしょう。

イコライザの設定はこんな感じです。
eq1.jpg
兎にも角にもナニハトモアレ250Hzのディップを埋めた後、他のバンドで全体の帳尻を合わせました。1kHz以上はフラットなまま一律-6dBとしています。4kHzバンドは少し落とした方が良いかもしれません(ドライバの癖)。

ブーストする場合、信号のクリッピング(飽和)に注意が必要ですが、このイコライザには入力および出力の信号レベルを示すLEDインジケータが付いており、クリッピングには十分な余裕がある事を確認済みです。
ind.jpg
さすが業務用。iTuneのイコライザは飽和しても何もしてくれないので注意が必要です。

参考に中央位置での補正結果も掲載しておきます。
4.jpg

eq2.jpg
こちらは比較的小さな補正で済みました。やはり距離が近いと補正も楽です。この位置は、仕事に疲れた時に、椅子に座ったまま足をうーんと伸ばして後にふんぞり返った時の耳の位置に相当します。小休止モードですね。以前にも書いたように、低音の定在波を嫌う場合、できるだけ部屋の中央より前で聴く事をお薦めします。一般的住居において、100Hz以下の吸音は現実的に不可能だと考えた方が良いでしょう(お金とスペースの無駄使い)。どうしても離れて聴く必要がある場合はイコライザが必須でしょう。

最終的には、どちらの位置で聴いてもソコソコOKなイコライザ設定を見つけて、後は一切さわらないようにする予定です。メンドクサイのは嫌い。。。

4) 最後にオマケとしてバスレフ型の計測結果をお見せします。
5.jpg
枕位置で計測。緑がバスレフ。明らかに低音過多です。これではイコライザでも補正しきれません。バスレフ型としては異常なほど大量に吸音材をブチ込んだのですが、それでもこの状態です。背面ポートなので、背後のコーナーの影響を受けてポートの効果が大きく出るのかもしれません。じゃあ、というのでポートを思いっきり長くして同調を下げたのですが、そうすると時々ボーボーと鳴ってダメでした。もちろん、デスクトップに置いた状態で計測すれば、吸音材を最小限入れた状態でほぼ50Hzまで綺麗にフラットになる事を事前に確認済みです。

いつものシミュレーション結果
sim.jpg
デスクトップで計測すれば、ほぼシミュレーション通りの結果が得られるのですが。。設置場所や部屋の影響は凄まじいですね。ほんとに厄介です。特に背面にポートを持つバスレフ型は設置場所の影響を受けやすいので注意が必要です。部屋の隅近くに置く場合、ポートの詰め物(製品に同梱される場合が多い)が必要かもしれません。

という事で、やはり例によって密閉型に落ち着きそうです。

次回は、これらの結果を基に考察を加えたいと思います。

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