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2013年01月22日 (火) | Edit |
以前の記事に頂いた再生音量に関するコメントへの僕の返答を例によって記事として転載しておきます。多少手を加えています。

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等ラウドネス曲線に見るように、人間の聴覚感度の周波数特性は音量によって変化します。このため、騒音計を購入して実際に計測した結果や、再生時の音量について考えるためにイロイロと調べた事を当ブログで紹介してきました。

さる機関の調査によると、耳元で70~80dBAが最も多くのヒトにとっての快適な音楽再生音量であるようです。実際、これは僕の普段のリスニング位置での音量でもあり、当ブログの数名の読者さんからも、ほぼ同様の音量で聴いているとのコメントを頂いています。普段、快適に音楽を聴いている時の音量を騒音計で測ってみると、やはりそのへんの音量であったという事です。同調査によると、80%以上のヒトが80dBA以下を快適な再生音量であると感じます。

以前の記事「スタジオのモニタリングレベル(音量)てどのくらい? 」にも書いたように、彼らが制作時にスタジオでモニタリングしている時の音量も、我々にとっての快適音量に近い常識的な音量レベルにあるようです。長時間聴くと耳に障害をきたすとされる85dBAを超えるような爆音でモニタリングしながら作品を作っているわけではアリマセン。これは当然です。彼らにとって耳は大切な商売道具であり、また、媒体は一般の多くの人々にとって快適な(健康的にも問題のない)音量で音楽を存分に楽しんで貰えるよう作られるのが当然だからです。なにも酔狂な爆音マニアのために作られているワケではアリマセン。ですから、大概の媒体は多くの人々にとっての常識的な音量で大きくバランスを崩さずに聞く事ができるでしょう。

よくマニアは、オーケストラの指揮者あるいは最前列中央席で計測される例えば瞬間最大105dB(97dBA)とかの大音圧の再現を云々します。しかし、「コンサートホールの音響データから再生音量考察する 」に書いたように、そのような位置では高音成分が減衰しないため、一般的な席での周波数分布とは大きく異なります。一方ホール中央で計測されたベト5の瞬間最大音圧は89dBであり、これを一般的な方法で計測される最大音圧レベル(Aフィルタ/FASTフィルタ)に換算すると、せいぜい82dBA程度に過ぎません。僕の計測によると、そのような音量で再生した場合、80dBAを超えるのはベト5第1楽章中、瞬間的に(ダンとかバンとか)数回だけであり、大部分の音量は80dBA以下しかありません(音が比較的大きいパートでも平均75dBA程度)。このように、ホール内の一般的な席での音量は上記の快適音量レンジによく一致します。つまり、楽曲やホールも、できるだけ多くの人々が快適な音量レンジで聞けるよう自然とそう作られているという事です。また、高音は(従って高音に敏感なdBAレベルは)ステージから後方席に向かって急激に減衰するため、ホールの大部分の座席においける高音成分(とdBAレベル)は、最前列よりも大幅に低下します。ホール全体の中で最前列付近というのは非常に特異な条件を持つ非常に狭い領域であると言えます。そして、当然ですが、媒体の周波数分布は、平均的な座席での聞こえ方に合わせて作られています(5枚のベト5CDを解析したが、全てホール中央席で計測された高音が減衰したスペクトルに驚く程よく一致していた)。つまり、そのように平均的な条件、平均的な感覚を持つ人々のために作られた媒体を、マニアの言うような特殊な条件を想定して(しかも周波数分布が明らかに異なるのに単純に最大dB値だけで合わせるという全く間違った考えでもって)大爆音で再生すれば、それこそバランスは完全に崩れてしまうでしょう。

全く当然ですが、媒体は少数の大音量好きマニア用に作られているワケではありません。また、ホールの最前列中央といった非常に特殊な条件をサイゲンするよう作られているワケでもありません。また、再三申しているように、ソモソモ生演奏を正確にサイゲンする事を目的に作られているワケでもありません。生演奏と同じ音量で聴くのがエラクてジョートーというワケでもありません。ソモソモ、広々とし音響条件の整った音楽用ホールと平行面で囲まれたオウチの限られた部屋空間では、物理的および心理的に全く条件が異なります。媒体は多くの人々にオウチで快適に音楽を楽しんでもらえるよう制作されるのが当然です。生をソノママサイゲンする事が本来の目的では断じてアリマセン。

結局、変な拘りのない一般的な感覚を持った多くのヒトが、自分の大好きな曲やアーチストさんの演奏が良く聞こえるよう快適に楽しめるようフツーに音量を調整すれば(ラジオで大好きな曲がかかると、ボリュームを少し上げますよね)、自然に概ねバランス良く聞こえるはずです。なお、深夜や早朝等、事情により快適音量よりも下げざるを得ない場合は、次善の策としてラウドネス補正やコンプレッション処理が効果的です。

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