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2009年05月15日 (金) | Edit |
リスニングルームの音響特性に関しては、基本的にデッドな方が良いという意見と、ある程度ライブな方が良いという意見があるようです。今回はこれについてちょっと考えてみたいと思います。

僕の意見としては、重大な定在波が回避できているのであれば、部屋の反響特性はリスナーのお好みで調整すれば良いんじゃないかと思います。

イヤフォンによる再生では、部屋の反響を受けない全くデッドな状態で聴くことになりますし、ニアフィールドで聴く場合も部屋の影響は極端に少なくなります。僕は雰囲気とか臨場感よりも明瞭性を重視するのでデッドな状態を好む傾向にあると言え、従ってオーディオシステムはスタジオモニタのようになってしまいます。このような条件では音が味気ないといって嫌う方も多いのではないでしょうか。

そもそも録音がどの程度の残響時間のスタジオあるいはホールで行われたのか?マイクロフォンで収録された音に含まれる直接音と反射音の比率がどの程度あるのか?によって丁度良く感じられるリスニングルームの反響特性は変わってくると思います。

例えばピアノ、バイオリン、チェロのトリオ演奏の録音を考えてみます。

1) 3つの独立した録音ブースに各奏者を入れて、ヘッドフォンで互いの音をモニタしながら演奏してもらい、各楽器に対して1つのマイクロフォンを使用して録音した場合 (実際にクラシックでそんな録音方法が行われているかどうかは知りませんが)。
各奏者の定位は2chへのミクスダウンの時に人工的に作られることになります。前後方向の定位は位相の調整で行えると思われます。このような録音では実質的に直接音しか収録されていないので、デッドな部屋で聴くとまるで無響室内で演奏を聴いているように全く味気なく感じるのではないでしょうか。逆にコンサートホール並に音響特性が整えられたリスニングルームではとてもリアルに聞こえるかもしれません。

2) 貴族がかつてモーツアルトの演奏を聴いたであろうお城のとある部屋 (かなりライブ) の貴族達が座ったであろう場所に2本のマイクロフォンを置いてステレオ録音した場合 (このような録音方法も極めて稀らしい)。
この場合は石造りの部屋の反響音がそのまま収録されます。この録音をホールと同等の反響特性を持つリスニングルームで再生すると響き過ぎるのではないでしょうか。逆にデッドな方がその部屋の雰囲気をそのまま感じられるかもしれません(かな?)。

3) 音響特性に優れたとある小ホールで、複数の吊り下げマイクやスタンドマイクを使用して奏者近くの音を収録した場合(多分こういう録音が多いはず)。
この場合は2)よりも直接音の比率が高くなります。従って1)ほどではないにしろ各楽器の音がより明瞭に録音されるはずです。再生音は最前列のかぶりつきで聴いた状態に近いかもしれません。リスニングルームに適度な反響があった方が後方の普通の客席で聴いているのに近い感じを受けるかもしれません。
雰囲気よりも明瞭性を好む僕のは3)をデッドな状態(カブリツキ?)で聴くのを好みます。
ちなみに、このような録音では一般的な客席で聴くよりも直接音が強くなるので、再生すると高音がきつめに感じられる傾向にあるようです。というのは客席で受ける反響音は低音が主体で高音があまり含まれないためです。従って高域をイコライザで減衰させた方が自然に聞こえると一般に言われています。僕も交響曲では1000Hzから20kHにかけて9dB減衰させて聴いています。

いずれの録音方法にせよ、家庭でステレオ再生した時に快適に聴けるように様々なイコライジングや特定の楽器音の強調が行われるのが普通です。いたずらにリアリティにこだわらずに自分の部屋を好みに合わせてチューニングすれば良いんじゃないでしょうか。はなからステレオ再生と生演奏は違うものと考えるべきでしょう。

ウェザーリポート等のエレキ音楽は、スタジオで楽器別に録音した音源を複雑にオーバーダブしたりエフェクトをかけたりして最初からステレオ再生を前提に念入りに作り込まれており、もはや生演奏の代替ではなく全く独立したアートですから、生演奏の臨場感もへったくれもありません。自分の好みに合わせて如何様な状態で聴いても誰も文句を言う筋合いはありませんね。
僕はクラシック (ほとんどベトベン) を聴く場合でも再生音を生演奏の代替とは考えず、作曲者 (ベトベン) を聴くための単なるインターフェイスとして扱う傾向にあるようです。。。て、そんなヤツが書いているオーディオ ブログなので、その辺はさっ引いて読んでやってください。

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