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2011年05月02日 (月) | Edit |
今回のバスレフ チューニングでの測定結果をご紹介します。

まずは吸音材を入れずにポートと振動板前方の近接音を測定しました。ポートと振動板が離れているので、近接して合成音を測定する事はできません。ポート径はφ34mmです。なお、以下の全ての測定は、左右のSPを直列接続した状態で実施しています。
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黒がポート長70mm、赤が40mmです。凄まじい定在波が出ています。初めて音を出した時に愕然としたのも頷けます(こりゃ駄目かと思いました)。1/2波長ではなく1波長の定在波のようです。ポートの位置を中央ではなく左右どちらかにずらした方が良いかもしれません。共鳴周波数は容積11Lで計算にほぼ一致しました。

767.jpg
振動板前方数cmでの測定です。同調点では振動板の出力が低下します。振動板からも激しく定在波の音が出てきます。

10cmx10cmの正方形に切った吸音材(厚さ25mmのミクロンウール)を左右の両端に入れました。ポート長は40mmです。
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768.jpg
赤が吸音材なしです。この状態から吸音材を1枚ずつ増やして行きました。1枚入れるだけで高周波放射音は大幅に低下しますが、周波数が低いほど吸音率が下がるため、300Hzの定在波を殺すには左右に5枚ずつ計10枚(厚さ計250mm)の吸音材が必要でした(緑のプロット)。しかし狙い通り、細い筒の両端にだけ吸音材を入れるため、全体の共鳴効果に対する吸音材の影響はそれほど大きくなく、共鳴効果は劇的には低下していません。以前試した小容積ボックスでは、吸音材を少し入れるだけで共鳴効果は激減しました。なお、ピーク点がやや高域側に移動したため、最終的にポート長70mmを採用する事にしました。

次に、約1m離れて合成音を測定してみました。ポート長は40mmです。
774.jpg
スピーカーをデスクの上に置いて、中央前方約1.2mで測定しました。部屋の影響が凄まじく出ています。50Hzの激しいディップは部屋の特性です。無響室が欲しい。。。
黒が密閉(ポート塞ぎ)、赤が吸音材なし、緑が吸音材5x2枚です。100Hz~50Hzのバスレフ効果は吸音材を入れてもほとんど低下していない事が分かります。

下が前方の壁に設置してリスニング位置で測定した状態です。距離は約1m。ポートは最終的に70mmを採用。
777.jpg
吸音材の詰め方を少し修正し、前記事の測定データよりも音量を上げて測定しています。青が中央のリスニング位置、赤がドライバの正面で測定した結果です。50Hz以下で急激に減衰する典型的なバスレフ型の特徴が見られます。なお、特性のディップは部屋の影響です。吸音材で各種付帯音を十分に殺しながらほぼ狙い通りの50Hzまでフラットな特性が得られました(JBLの30cmコンパクトモニタ4312等と同等)。これは主にドライバのサイズに対して余裕のある容積を選択したおかげです。

以上のように事前のシミュレーションと、チューニング中の簡単な測定によって非常に効率的に作業を進める事ができました。もちろんそこから先は聴感による微調整が必要ですが、計算と測定は基準となるスタートラインへ素早くたどり付くために非常に有効な手段だと思います。

追記
今のところ筒とエルボーは普通に差し込んだだけの状態です。接合部で振動を遮断する必要性はそれほど感じません。エルボーのバッフル直後のストレート部には、内側にエアコン用の穴埋めパテを貼って補強/制振/マス付加しています。バッフル板(というかリング)には厚さ9mmの合板を使用しました。塩ビ管は木に比べて響かず、爆音を望まないのであれば、肉厚が薄くても意外とそのままSP用に使えそうです。お安く手っ取り早く実験/製作するには好適かもしれません。ただし、基本は長細い筒っぽなので管の長手方向で激しく定在波が発生します。断面が円なので、管端にだけ吸音材を挿入すれば効果的に吸音できるようです。波長の長い定在波は吸音が大変なので、管を長くする場合には注意が必要です。

追記2
測定しやすいようにモノラル接続のままで聴いていますが、別にモノラルでもエーンチャウ??というのが正直な感想。かえって聞きやすいかもしれません。ステレオってホンマに必要なのか???

追記3
Frieve Audioを使用して45Hz~8kHzの範囲でフラット化と位相補正を適用したところ、少し残っていた臭さが抜けてぐっと音楽が聴きやすくなった。思いの外効果が大きい。やはりフラットな特性が最も自然で聞きやすいと思う。最低音域の締まりと重みはデスクトップの密閉型システムに及ぶべくもないが、完全にハチマルの許容範囲に入ったと実感できる。このような周波数特性の微妙な修正を機械的/電気的/音響的にチューニングするのは大変手間がかかるが、デジイコを使用すれば極めて簡単に良好な結果が得られる。軽くて明るい音調もバリエーションとしては良いかもしれない。たぶんこれでOKなのでステレオ接続に戻した。
778.jpg
イコライザ係数。これで50Hz~8kHzが完璧にフラットになる。バッフル板を大きくすればハイ上がりの度合を低減できると思うので、不要な板が見つかればそのうち実験してみる。

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2010年11月15日 (月) | Edit |
最後に吸音材の有り無しと、測定距離/バッフル効果について測定してみました。最後に「まとめ」も書きました。

1) まず吸音材の有無比較。
A6P
631.jpg

A6M
630.jpg
黒が吸音材タップリ、赤が吸音材ナシです。800Hzのピークが箱の前後方向の定在波です(参考記事1)。

各種8cmドライバーを同一箱で比較した過去の経験から、コーンの材質によって内部の定在波の前面への透過性が異なるのではないかと予測していました。今回はそれを確かめる良い機会なので測定してみたのですが、予測していた程の差は見られませんでした。上の2つの図を比べると僅かにPの方が影響が大きいように見えますが、大した差とは言えません。A5とFE87も同一箱で比べたのですが、やはり同程度でした(データを保存し忘れたので図はありません)。

「紙コーンの「紙臭さ」は定在波の透過に起因するのではないか?」というハチマル仮説は覆されてしまいました。

箱内部の3面に吸音材を1層ずつ貼る事によって定在波をほぼ完全に除去できる事は、以前の記事で確認しました(参考記事2)。ただし、箱のサイズが大きくなると、定在波の周波数も下がるため、吸音材の吸音率も低下する点には注意が必要です(波長が長くなると吸音効果は激減する)。大きい箱ではそれなりに吸音材の厚みを増やす必要があるかもしれませんので、ご注意ください。

ストリングやボーカルでは定在波が多少あった方が響き感が加わったように聞こえるので、そのような音を好まれる方には吸音材が毛嫌いされる傾向にあるようです。しかし僕の場合、ベートベンのピアノソナタをよく聴くのですが、吸音材を入れないとピアノの音が不自然に聞こえてとても耐えられません。

2) さて、吸音材の効果については、定在波以外にもうひとつ注目すべき点があります。
上の図では、吸音材を無くすと300Hz~50Hzのレスポンスが増加する事がわかります。これは密閉箱に特有の機械的共振による低音増強効果です。A6Pの方がこの効果が大きく出るようです。A6Mではあまり大きく変化しません(ということは、吸音材をあまり入れなくてもダンピングの効いた低音が聴けるかもしれません)。ちなみに、箱容積をある程度まで増やすとこの効果はもっと顕著に表れ、しかも低域側へシフトします。従って低域限界を延ばす事ができますが、大容積の密閉型では吸音材を適度に入れないと往々にしてダンピングの不足した低音になりがちです。

密閉箱では内部の空気はバネとして働くため、ドライバとこのバネの組み合わせによって機械的な共振現象が発生します(ドライバ単体でも共振は発生する)。これはインピーダンスのピークとして表れます(参考記事3)。この領域では、小さな信号入力でも振動板が大きく振動します。特にダンピングファクタ(DF)の低い小型真空管アンプではこの影響が大きく現れ、締まりの無い低音になる傾向があります。
540.jpg

以前に掲載したA5での測定結果(吸音材なし、約5cmの距離)。赤がiCon AMP、黒がTU-870。

僕はジャズのピチカートベースの聞こえ方を重視するため、ダンピングの効いた低音を好みます。仕事しながらでも、無意識にベースラインを追いかけながら聴くのが僕の習性です(これは中学生の頃にジャズを聴き始めた頃からずーっと続いている癖)。そのようにして長時間聴いていると、半導体アンプの場合でも時々ベース音が微妙にズッコケ気味に聞こえる事があり、その都度吸音材を少しずつ増量しているうちに、とうとう現在のような満杯状態に至りました。新システム用の13cmウーハーやケロでも、最初は吸音材控えめで始めたのですが、結局今は満杯状態で落ち着いています。

通常の場合、密閉箱でこのように吸音材を増やすと低音の出力レベルが下がってしまいますが、僕の場合はデジタルイコライザでブーストするので全く問題ありません。吸音材をたっぶりとぶち込んで共振現象を抑え込む事によって、制動の効いたタイトな低音再生を得る事ができます(すなわち、信号通りの正確な低音が得られる = ベースラインが聴きやすくなるトイウコト)。このように、デジタルイコライジングを活用する事によって、バスレフ型のみならず通常の密閉型ですら抱える低音増強にまつわる問題を回避する事ができます。

3)ついでに、測定条件にまつわる影響を簡単に調べてみました。

このブログの過去のデータを見ると、同じA5のグラフでも微妙に特性が異なっている事に気付かれるかもしれません。通常、何かを比較するために測定を行うため、その記事内で比較するもの同士の条件は徹底的に揃えるのですが、異なる記事間では毎回スピーカーの置き場所やマイクの位置が微妙に異なります。このため、同じスピーカーでも記事によってF特グラフが微妙に異なる場合があります。ホントはいつも同じに揃えれば良いのですが、ついつい手持ちで測定したり、ディスプレイの横に置いたまま測定したりするので、記事が異なると厳密な比較はできませんのでご注意ください。

下図はマイクの距離を変えた場合の影響です。
632.jpg

黒が5cm、赤が10cm、緑が20cmです。いずれも中心軸上で測定しています。波長の長い低音は、バッフルの後方へ回り込むため、バッフル サイズと同等以内の距離で測定すると、ある程度以上離れた場合に比べて低音が高めに測定されます。

次に、20cmの距離で、バッフルの左右と上にA4サイズのハードカバーの本を置いて、擬似的にバッフル面積を増やしてみました。
633 copy

緑は通常の状態(デスク前端に置いて測定)、ピンクがバッフル面積を増やした場合の結果です。約500Hz以下で明らかにレスポンスが増加する事が分かります。この効果もさらに離れれば低下すると思われます。僕の場合、実用状態では幅約60cmのディスプレイの左右にピッタリとくっつけてスピーカーを配置し、約70cmの距離で聴いているため、ディスプレイが結構バッフルとして作用しているかも知れません。

さらに言えば、スピーカー後方の壁との距離も低音特性に影響します。そしてもちろん、お部屋の定在波や反射の影響も被ります。このような諸条件により、無響室内で規定標準箱で測定されたメーカー公表データと自宅での測定データは大幅に異なりますのでご注意ください。当然ですが、最終的には普段のリスニング位置でどのような周波数特性になるかが重要です。

4)まとめ
以上でAlpair6 M(メタル)とP(紙)の比較を一応終えます。
昨日、左右ともMに換装しました。片方は慣らしが付いていないため、完全ブースト状態ではありませんが、なかなか好印象です。音がしっとりと落ち着いたという感じかな。暫くこの状態で使用して慣らしが付いたら、今度は両チャンネルをPに換装してみますね。

最終結論はそれからかな?結局、年内一杯はかかりそうかも。

とりあえず現在の僕の印象を以下に要約します。
PやA5と直接比較すると低音よりに聞こえるM (f0も低く低音よりの特性です。素の状態だとA5愛用者には高音が物足りなく感じられるかも。)
●A5に近い高音特性を持つP (A5愛用者でも満足できる高音。A5に比べれば低音も随分出てます。素のF特バランスがGOOD)
●デジイコ愛用者にはブースト耐性の高いM (デジタルイコライジングすればバッチシよ。ホンマに。素材しとしてGOOD。デジタル時代のSPはこうあるべき。。という感じ。Mも出してくれてありがとう。マークさん!)
●音調がニュートラルなM (ナチュラルです。例えばお店でPと比較試聴する場合には、試聴アンプにトーンコントロールが付いていたらMだけTREBLE(10kHz)をちょっと上げて聴いてみてね。随分印象が変わるはず。Mだけ単独で聴くと高域不足には感じないんだけど、Pと直接比較すると印象がそちらに引きずられるみたい。)
●適度に鳴りの良いP (Mに比べてほんのりブリリアント。イコライザ無しでMと直接比較試聴したらPの方を好む人が多いはず。デジイコなしで素のまま聴くならハチマルだってPを選びますよ!)
●はじめて自作するので自分の好みが分からない方にはP (F特が好バランスで音が綺麗なので、どんな箱に付けても満足できそう。Pと直接比較すると、イコライザなしのMだとちょっと地味に聞こえるかもね。普段使っているスピーカにもよると思いますが)

てとこですかね。あくまでもシャープなAlpair5を聴き慣れた者としての印象ですのでご注意。耳がちょっと「高域より」にバイアスしているかもしれませんので。。A5の高音がキツメに感じられる方にはM6の方が好みに合うかもしれません。

A6 MかPかでお悩みの方。。ご参考になりましたでしょうか?

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2010年10月19日 (火) | Edit |
前の記事の測定結果を計算で検証してみました。
計算ソフトウェアには以前にも紹介したStandwave2を使用しました(参考記事)。
ダウンロードはコチラ

下図がその設定画面です。
608.jpg
部屋の幅は作り付けクローゼット分を差し引いて3mとしています。このため僕の部屋は前後と左右の寸法がほぼ同じ正方形に近くなるため、音響的には良い状態とは言えません。各壁面の反射率は測定結果と比較しながら大まかに合わせ込みました。詳しいパラメータは図を拡大してご覧ください。なお、このソフトウェアは500Hz以下しか計算できません。(注意: デフォルトの反射率は部屋に家具類を置いていない空室状態を想定しているようなので、実測値に比べるとかなりライブな特性です。測定値と比べながら多少反射率を下げる事を推奨します。)

下図に140cm位置での測定結果と計算結果の比較を示します。測定には20Hzまでフラットな音響出力を使用したので、計算結果とそのまま比較する事ができます。
609.jpg
グラフの縦横のスケーリングを正確に合わせて測定結果と計算結果を重ね合わせてみました。赤が測定結果。黒が計算結果です。非常によく一致していると言えます。

この状態から部屋のサイズを左方、後方、上方に1m拡大した場合の計算結果を下に示します。スピーカとリスナの位置関係は変わりません。
606.jpg
部屋を後方に延長した場合に最も良い結果が得られそうです。この場合、部屋を縦長に使用して中央よりやや前寄りで聴いている状態になります。やっぱり広い部屋は良いですね。。

次に各壁面の反射率をゼロに設定して計算してみました。反射率をゼロにするのは現実的に不可能ですが、各壁面の影響の度合を見る事ができます。
607.jpg
この結果からは、後方の壁を吸音するのが最も効果的である事が分かります。しかし60Hz以下のゲインは部屋を大きくしない限りほとんど改善されないように見受けられます。

以上2つの結果を見る限りでは、後方の壁(すなわちスピーカーと対面する壁)の影響が大きいように見受けられます。この壁をできるだけスピーカーから遠ざける(部屋を縦長に使用して前寄りで聴く)か、吸音する(吸音は容易ではないので、ついたて等で斜めにする)と効果的かもしれません。ただし様々なパラメータが複雑に影響し合うため、この結論が全ての部屋に一般的に当てはまるとは限りません。全く逆の結論になる場合も十分に考えられます。ご興味のある方は、ソフトウェアをダウンロードして是非ご自分で試して見てください。使用方法は極めて簡単です。ダウンロードはコチラ

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2009年04月17日 (金) | Edit |
ちょっとお仕事が忙しくてしばらく更新していませんでしたが、ボックスの塗装も終わってAlpair5は素晴らしく良い音で鳴っています。多分もうF80AMGを聴くことは無いですね。次元が全く違うという感じです。ほんとに。

とりあえず今回は完成したボックス「ポチ2型」のお披露目です。

192.jpg
Alpair5搭載のポチ2型
といっても、いたってシンプルな密閉箱ですのでたいしたことはありません。サイズはポチ1型と全く同じで容積は2.5L。やはり15mm厚のラワン合板で作成し、今回は着色ニスで仕上げてみました。背面にはダクトはありません。

吸音材にはコイズミ無線で買った「ミクロンウール」を使用し、聴感をたよりに量を調整しました。最終的に箱の内部全体を満たすように無理なく詰め込んだ状態になっています(重量は片側32g)。

AMG80はもともとダンピングの効いた音なので、ポチ1型には吸音材は全く使用せずに戸澤式(1辺6cm)を2個入れただけにしています。Alpair5のチューニングも同じ条件で始めたのですが、ダンピングが不足気味に聞こえたので上記の状態まで吸音材を詰め込みました。

スピーカー正面の20cmの距離で測定した結果です。
194.jpg
距離20cmの測定結果
赤がAlpair5,黒がF80AMG
それぞれR/Lをプロット

FrieveAudioは自動的にレベル調整してプロットするため絶対的な音圧レベルの比較はできませんので注意してください。実際には4ΩのAlpair5の方が同一アンプボリュームでは少し大きな音がします。

100Hzから200HzではF80AMGの方がレベルが高くなっていますが、これはAlpair5が出ていないというよりもF80がこの周波数領域にコブを持っていると言った方が良いかもしれません。シミュレーション計算でもF80はこの周波数領域にコブができる傾向を示します。1kHz近辺のバッフルステップの影響が無ければAlpair5の方がフラットな特性を示すと思われます。

このコブの影響を除けば100Hz以下の減衰特性はほぼ同等と考えて良さそうで、実際50Hzではほとんど差がありません。最低共振周波数(fs)はF80が89Hz、Alpair5 Grayが136Hzと大きく違うので、計算上では低域特性にもっと差が出るはずなのですが。。。。

という事で計算してみました(参照「スピーカー設計プログラムの検証」)。
198_20090825181737.jpg

シミュレーション結果
高域でレベル合わせ
この結果を見ると、F80がほぼ計算通りでAlpair5が計算より良すぎるといった感じを受けます。なんにしろ予想以上にAlpair5の低域特性が優れていることに驚かされます。
fs=136HzのApair5がこのように優れた低域特性を示す事から、Alpair6(fs=74Hz)とCHR-70(fs=70Hz)がいったいどういう測定値を示すのか興味がそそられます。

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2009年04月05日 (日) | Edit |
昨日からAlpair5をチューニングもせずに聴いていますが、ますます気に入ってきました。特にオーケストラのストリングの響きが素敵です。F80AMGでは何を聴いても全体的にどっしりとしていて反響の少ないホールで録音したように聴こえるのに対して、Alpair5ではもう少しライブなホールで録音したように聴こえます。f特は両方ともフラットにして比較しているのですが、やはりユニットの性格の違いがはっきりと聴き取れます。これからエージングが進むのが楽しみです。

今回は昨日測定したデータを紹介します。エージングもチューニングもほとんど行っていない状態でのデータですが、とりあえず全く問題なくシステムに組み込めそうである事が分かってひと安心。結局今日は聴きほれてしまって、塗装は明日以降から開始です。

それでは測定結果をどうぞ

まずは軸上20cmの距離で測定。スピーカーは通常の位置ではなくデスクの前端に置いているので周囲の影響は最も少ない状態です。
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いわゆるバッフルステップの影響と思われる段差が1kHz前後にあります。10kHz以上の盛り上がりはカタログ特性どおりです。ピーク前後のディップは慣らしと共に少なくなっていくと思われます。密閉型なので120Hz以下の低域が素直に低下しています。

標準のリスニング位置での測定値です。赤がA5、黒がF80。全く同一形状(2.5L)のボックスによる比較です。
190_20090825181119.jpg

ユニット自体の最低共振周波数FsはF80が89Hzに対してA5 Grayが136Hzなのでもっと差がでるかと思ったのですが、80Hzくらいまではほとんど差がありません。結構やるやん。。
Mark Audioのホームページではサブウーハーとの併用を容易にするためにQtotalを高めに設定して低域をシャープに減衰させている旨の説明がありますが、確かにそのような特性になっています。
軸から約15°ずれた位置で測定していますが、Alpairの高域はフラットに伸びています。マイクの定格が16kHzまでなので20kHz以上は全くゲインがありません。
この状態ではスピーカー横のディスプレイやデスクトップ面のバッフル効果によってバッフルステップはほとんど見られません。スピーカーというのは単体で評価してもあまり意味がないことが分かります。

以下は全てAlpair5の測定値です。
サブウーハーなしで無理を承知で50Hzまでフラットになるように音場補正しました。赤が補正OFF,黒が補正ON。
187_20090825181207.jpg

これが驚いたことに平気で鳴ってくれます。しかも低域まで非常にクリアでタイトです。ただし僕がいつも低域のチェックに使用しているマイルスデイビス So What(Kind of Blue、1997リマスター)イントロ部のウッドベースで音が不安定になります。アンプが原因かと思って4Ωの抵抗を入れてみましたがあまり改善されない様子。しかし、それ以外の曲では特に目だった問題は感じられません。さすがにシンフォニーではバスドラ等に不足を感じますし、ジャズのコントラバスの胴鳴りでは上記のような問題が稀に気になりますが、エレキ系であればサブウーハーなしで十分以上に楽しめるはずです。僕はデスクトップ上にフルサイズ以上のf特を求めるので要求が厳しいですが、密閉箱でイコライジングを行えば一般的なデスクトップスピーカーとしては全く問題なくフルレンジをカバーしてくれます。どこがツイーターやねん。ですよ。。。

最後にサブウーハーとのマッチングです。低域特性がF80と大きく異ならないので普通にマッチングできました。赤がサブウーハーONでイコライジングなし、黒がイコライジングONです。
188_20090825181347.jpg

F80と全く事情は変わりません。普通に30Hz/-3dBが達成可能です。もしサブウーハーを経験していなかったら上記の50Hzフラットの状態でも大満足だったと思うのですが、一度味を占めてしまうとサブなしでは特にオーケストラは聴けません。ジャズのウッドベースの聴こえ方も全く違います。

しかしA5の低域音の魅力には捨てがたいものがあります。いっそサブウーハーもAlpair10(ウーハー)で作ってしまおうかと考え初めてしまいました。ペア売りなので左右に置いて1台のプレートアンプでモノラル駆動するのも悪くないかも。

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2009年03月12日 (木) | Edit |
部屋の定在波の様相を簡単に計算できるフリーのソフトウェアを見つけたので紹介します。

計算結果をそのまま信用するのは危険ですが、実際の測定結果と照合する事によって部屋の吸音対策がよりいっそう効率的に行えるはずです。測定はPCさえあれば簡単にお金をかけずに行えますので、決して計算だけに頼らずに必ず測定も行ってください。計算はあくまでも測定結果を解釈するための補助的なものと考えた方が間違いがありません。
測定方法に関しては「リスニング位置の音響特性を測定してみよう!」を参考にしてください。

今回紹介するのはStandwave2というフリー ソフトウェアです。
ダウンロードサイトはコチラ

162a_20090807205550.jpg
上は計算結果の一例です。
右側に部屋の平面図が表示されます。この枠内で2つのスピーカー()とリスナーの位置()をマウスでドラッグして設定します。中央のスライダーでは各スピーカーとリスナーの床面からの高さが設定できます。
リスナー位置における周波数特性は左側のグラフに表示されます。この特性は20Hzまで完璧にフラットな出力特性を持つスピーカーを使用した場合に得られる周波数特性に相当します。実際にはこの特性にスピーカーの出力特性を掛け合わせた特性となります。

この例では部屋のサイズは3.4m x 3.4mに設定しています。計算結果からは70Hz近辺に強烈なディップが発生する事が予測できます。

163_20090807210047.jpg
これが設定画面です。部屋のサイズ、各壁の反射率、計算条件をここで設定します。部屋の反射率は僕の手持ちの測定値から大ざっぱに見積もって全て0.7に設定しました。デフォルトの反射率は0.8から0.9に設定されており、これは部屋に家具やカーペットを置いていない引っ越し前の部屋の特性に近いと思われます。この値はご自分の部屋の測定値と見比べながら大ざっぱに設定してみてください。反射回数では何回目の反射まで計算するのかを指定します。10回より増やしても大きく変わりません(デフォルトは20回)。

計算結果が測定結果に近い傾向を示す事を確認したら、どれか1つの壁の反射率を0に設定して計算結果の変化を観察してください。最も望ましい変化が得られた壁から対策を行えば効率的に作業が進められるはずです。
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上の図は後面の反射率だけを0に設定した場合の結果です。問題のディップはほとんど無くなります。従ってリスナー背後の壁に集中的に吸音対策を行えば効果的であると予測できます。まずはマットレス等を簡単に置いて測定してみて、本当に効果が高いようであれば本格的な作業に入れば良いかと思います。
注意: 部屋の形状やスピーカーの配置によって最も効果的な壁面は変わりますので注意してください。つねに後面の対策が効果的という訳ではありませんのでハヤトチリしないでください。

あるいは吸音対策をしなくてもスピーカーの位置を移動するだけで良い結果が得られるかもしれませんので、スピーカーが実際に移動できるのであればマウスであちこちに移動させてみてください。

以上のように計算と測定を組み合わせれば、効率良く対策が進められます。ただし計算を使用する場合は下記を肝に銘じてください。
○ 計算はあくまでも対策の方向性を探るための参考データとして考えてください。常に測定データと照らし合わせて、その計算結果が信用に足る物かどうかを冷静に判断する事が大切です。
○ 計算と測定は決して完全には一致しません。支配的なピークやディップの傾向がそれなりに合っていれば、それで満足とすべきです。結果を精密に合わせるために反射率を細かく調整する必要はありません。あくまでも大ざっぱに設定する事がコツです。

ここで、ニアフィールドリスニングの優位性を検証してみましょう。

スピーカー位置以外の計算条件は上の条件と全く同じです。部屋のサイズは3.4mx3.4mです。
162a_20090807205550.jpg
こちらが一般的なスピーカー配置
70Hzに激しいディップ

スピーカーを極端にリスナーに近づけてみました
165_20090807205855.jpg
説明の必要は全くありませんね。

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