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2013年09月02日 (月) | Edit |
ヒトが「ナンタラ変えました!カンタラ感がコータラに変わりました!」と自信満々に言う時、そこには必ずプラセボ効果が付きまといます。その影響は、違いが微小であればある程大きくなります。

以前の記事に書いたように、何人たりともプラセボ効果の影響から逃れる事はできません。程度の差はあれどナンピトタリトモです。そして、この影響を排除するにはブラインドテストを実施するしか方法はありません。ソレシカホーホーハアリマセン。薬効の全く無い偽薬でも、医者から「効くから」と渡されると、実際に計測可能な治癒効果が生じる。。。というのが我々ニンゲンの習性です。

公なデータを求める場合、ブラインドテストには統計解析のために多数の被験者が必要となりますが、「自分が」聞き分けられるかどうかを知りたいだけであれば、工夫次第で1人で実施する事も可能です。2人居れば大概の事はできるでしょう。

そのような例として、foober2000のプレイリストでサンプルをランダムに再生するという方法を使って、1人でハイレゾとCDのブラインド比較を行ったという、さるマニアさんの興味深い記事を紹介します。

ブログ「週間:LEDライト」の中の「駄耳証明 ダブルブラインドテスト(二重盲検法)」という記事です。詳しくはソチラをお読みください。

著者は
自分の耳で聴く自宅のオーディオシステムで再生する弦楽四重奏曲では、ハイレゾ音源か否かの区別は付かないことが分かりました。何回も聴いていると、確かに高域が響く輝くまたは少し詰まって聴こえるなど差を感じることがありました。
しかし、テスト結果から考えると錯聴であるとしか考えられません。同じ音が自分の耳には確かに違って聴こえてしまうという不思議な現象が起きることが確認出来ました。

と結論付けています。非常に貴重で興味深い試みであったと思います。

そうなんです。偽の薬でも本当に効いてしまうという「不思議」な現象が我々ニンゲンには発生し得るのです。この著者が特別「駄耳」というわけでは無いでしょう。前の記事で紹介した論文の実験では、音楽の専門家達でもハイレゾを弁別できませんでしたよね。

オヂオマニアの方が音楽家よりもソーチのコマケー音を聞き分けられるなんて意見もありますが、果たしてそれはどうなんでしょうかね。たとえそうであったとしても、マニア達のやっている事を観察すると、オヂオソーチの「オト」をキキワケル耳と音楽を聴く耳では、意識の置き所(どの現象が重要で、どの現象は無視して良いかという焦点の合わせドコロ)がソモソモ異なるように思えます。ですから僕は、これから音楽に親しみ始める青少年少女には(少なくとも自分の息子には)オヂオマニア的な音楽の聴き方を決してして欲しくないと思います。

以前、LEANAUDIOに頂いたコメントにも、「アンプによって音は変わるのがアタリマエと思い込んで(思い込まされて)いたのに、オヂオ仲間で集まってブラインドテストを実施してみると明確には聞き分けられなかった」というのがありましたよね(PDF: ブラインドテストレポート スピーカ再生技術研究会)。
以下著者の結び
今回の試験の結果を考慮すると、雑誌の比較記事のような方法では、差は判別出来ないと考えられる。恐らく、雑誌等の比較テストでは、音量その他の条件が揃えられておらず、また、思い込みの影響が強く出ているのではないだろうか。今回の比較は、ほぼ完全なブラインド状態であり、被験者は事前に答を知ることが出来なかった。そして、大きな価格差のあるシステムを比較したにも拘らず、完全には判別することが出来なかった。このことは、ソースを限定すれば、アンプを変えても聴き分け可能な差がない可能性を示唆している。しかし、音量や試聴ソースを変えれば判別が可能になる可能性も否定できず、追試験は十分に意義があると考える。

ヒヨロンカの発言、雑誌の記事、ブランドイメージ、製品の見た目、製品のスペック、価格、過去の経験等によって我々の感覚は、我々が予想しているよりもずっと大きな影響を受けます。例えば、試聴会かなにかで、非常にカリスマ性のある人物または権威のある人物が、チョイト何かを変えたフリをして満面の笑みをたたえながら「ホラ、全然違うでしょう!」と自信満々に言えば、その場に居合わせた少なからぬヒトビトが実際にそのように感じるでしょう。それが「偽薬効果」です。そのような実験をやってみてもオモシロイかも知れません。

イエス様かお釈迦様でも無い限り、ナンピトタリトモその影響からは逃れられません。自分に限ってそんな事はないと完全に否定する事は誰にも絶対にデキマセン。

このような意見に対しては、「鰯の頭も。。。」と居直る発言が必ず見られます。それを楽しんでいるマニアご本人達はそれで良いでしょう。他人の趣味にとやかく言う筋合いはゴザイマセンしね。しかし、業界の玄人さん達、特にヂャナリズムがそうであっては決してナリマセヌ。そのような傾向は技術の健全な進化を妨げるからです。そして、オーディオ技術とは何も鰯の頭を信心する特殊な性向を示す信者達(マニア、オタク)のためダケにあるのでは断じてないからです。

業界は、世の中のより多くの人々が、誰でも簡単に、より快適により良い状態で、音楽をより豊かに楽しめるよう、より良い製品をより安価に提供する事に精進しなければなりません。それがプロフェッショナル(クロートさん)のオシゴトといういうものです。そして、何が重要で何が重要ではなく、どの状態が「より良い状態」なのかを考えるにおいて、音楽の専門家(表現者自身)の意見に真摯に耳を傾ける事が重要でしょう。上でも述べたように、オヂオマニア的観点と音楽家的(音楽愛聴者的)観点では意識の置き所が大きく異なるでしょう。オヂオを中心に考えてはモノゴトを大筋で見誤ります。それは信者(マニア)にしか通用しない価値観だと心得るべきでしょう。

ブラインドテストは内容によっては上記のように1人でもできますし、2人いれば大概の事ができます。メディアが真に有用な情報を消費者に提供せぬのなら、自分達で試して見るしかありません。上記2例のように全く意外な結果が得られるかもしれません。

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2013年08月31日 (土) | Edit |
前の記事の続きです。

前記事では、「ハイレゾリューションオーディオの研究 -西口敏行、電気通信大 情報システム研究科 博士(工学)の学位申請論文」という論文の実験結果についてご紹介しました。

そこでは、192kHz/24bitで生録音されたさまざまな音源を使って、21kHz以上の帯域の再生をON/OFFする事で、被験者が超高域の音を弁別できるかどうかをブラインドテストによって評価していました。その結果、特殊な条件(特殊なマイクで録音、琵琶音源のみ、長時間提示、36名中2名のみ弁別)を除いて、被験者が超高域を弁別している(聞き分けている)という有意な結果は得られませんでした。

この結果を見る限り、一般的に可聴帯域の上限と言われる20kHz以上の音成分が再生されても、リスナが(本実験では被験者に演奏家や音源制作者が含まれていたにも関わらず)それを弁別できるケースは非常に稀であろうと思われます。

しかし、音源のハイレゾ化は、可聴帯域の再生音にも影響するはずです。特にビット分解能は周波数には関係アリマセン。また、例えば40kHzでサンプリングした場合、10kHzの波形はたったの4サンプル点で表現されるのに対し、200kHzでサンプリングした場合は20サンプル点で表現されます。つまり、可聴帯域の音でも、より細かく記録されるという事です。前記事の実験では、全て192kHz/24bitの音源を使用し、超高域(21kHz以上)を受け持つ再生装置をON/OFFしていただけなので、このような効果を評価する事はできません。

実は、この論文では、前記事で紹介した実験1と実験2の後で、音源のフォーマットの影響についても実験しており、僕は見落としていました。今回は、その実験結果についてご紹介します。この実験結果は第4章「標本化フォーマットと可聴帯域内の音質」に書かれています。

標本化フォーマットと可聴帯域内の音質

実験条件
- 音源収録では、アナログ出力を3並列にして、48kHz/24bit192kHz/24bitDSDの三種のフォーマットで動作する3台のADCに接続
- ADCには機種とファームウェアが同一のものを使用
- 再生環境は実験1、2と同じだが、21kHz以上を受け持つスーパーツイータをOFFにしている
- 可聴帯域における3種のフォーマットのF特には全く差は見られない

被験者
- 音大生4名(30代男性1名、20代女性3名)、、音源の演奏に加わったバイオリニスト1名(30代女性)、録音技術者1名(30代男性)の計6名

音源
- 邦楽(箏、尺八)、ボサノバ(ギター、女性ボーカル)、「ピアノトリオ」(ピアノ、チェロ、バイオリン)の3種(ステレオ生録)
- マイクは通常の音楽録音用を使用(実験2に使った特殊マイクではない)
- 提示時間は約20~30秒

実験方法
- 微小な差の検出に適したペアテスト法を採用(フォーマットが異なるサンプルAとBから、AA、BB、AB、BAの4種の対をつくり、ランダムに提示し、被験者は音が同じか違うかを判定)
- 30分を1セッションとし、1セッションで24試行、セッション間に10~15分の休憩をはさみ、1日に3セッションを実施
- 各被験者は3日で計9セッションの実験に参加し、全ての比較条件(3フォーマット × 3音源)について24回繰り返し評価を行った

実験結果
- 最も高い正答率は66.7%であった
- 24試行の場合、有意水準5%で有意と判定されるには75%以上の正答率が必要
- 従って、今回の結果からは被験者別に見ても、音源別に見ても、フォーマットの違いは有意に弁別されなかった(聞き分けられたとは言えない)

今回の結果からは「録音現場で標準的に使われる48kHz/24bitあれば十分ちゃう?」という事が伺えます。

しかし、今回の音源にCDフォーマット(44.1kHz/16bit)が含まれていない事は非常に残念です。16bitと24bitの違いは果たして有意に弁別できるのか?については、今回の実験からは何も言えません。現在の民生向け標準フォーマットであるCDフォーマットを改良する価値があるのかどうか?という肝心のところが不明です。

学会におけるこのようなハイレゾの研究では、超高域音を感知できるかどうか(あり/なしを弁別できるかどうか)に焦点が置かれます。また結論も、否定的なものもあれば肯定的なものもあります。言い換えれば、それくらい違いは微小で微妙あるという事です。これらはあくまでも学術的見地による研究です。

しかし、現場現実現物主義の血みどろの民生向け開発者的観点からは、「それによって世のヒトビトがより豊かに音楽を楽しめるようになるのか?」「リソースやコストのの増加に対して、その効果は釣り合うのか?」「総合的に見てそれはヒトビトに真に恩恵をもたらすのか?」という観点からの評価が最終的に最重要であると思います。ScienceとEngineeringでは最終的観点が異なるという事です。

一方、商業的観点からは「高音質!」と謳ってビジネスチャンスを拡げたいのも理解できます(実際、ソースの情報量が多い事に偽りはないですからね)。しかし、そのへんのバランスを適正に保つには、真っ当なヂャナリズムの働きが必要です。イヤホンマニ。ゼッタイニ。例えば写真業界では、一時期の行き過ぎた高画素数化競争(これもハイレゾ化ですね)に対して、各誌がこぞって否定的な見解を述べ、実際にそのような動向は抑制されました。最近は知らんけど。。。

また、現在配布されているハイレゾ媒体がどのように制作されているのかについても注意が必要です。例えば、CD盤の元になった48kHz/24bitのデジタルマスタを単純に変換したものなのか、テープから最新機器を使ってリマスタリングして最先端のADCプロセスを適用したものなのかによって、CD盤との音質差は当然違ってくるでしょう。要は、「CD盤よりもハイレゾ盤の方が音質が良い」と実際に聞こえた場合でも、それが純粋にフォーマットのハイレゾ化によるものなのか、それともリマスタリング等の別の要因によるものなのかは分かりません。そのへんが曖昧にされていると言えるでしょう。

この影響を排除するため、この論文では市販の媒体を用いずに自ら生録した音源を使っていました。これは極めて正しい判断であると言えます。この結果を見る限り、ハイレゾ自体の主観的音楽再生音質に及ぼす影響は、超高域音の有無を含めて、極めて微小である(または殆ど無い)と言えるでしょう。

恐らく、僕が思うに、フォーマット自体よりも、録音エンジニアの技能やセンスおよび現場の録音機器/プロセスの技術的レベルの方が、リスナが感じる音質に対して遙かに大きな影響を持つでしょう。センスのない録音のハイレゾよりも、ハイセンスな録音の圧縮音源の方がずっと音楽を楽しめるはずです。

いずれにせよ、正しい本当の情報が消費者に行き渡る事と、消費者が賢く判断する事が重要です。それを助けるのがヂャナリズムです。短期的には商売の妨げになる事もあるでしょうが、長い目で見れば、業界が発展するには消費者に対して健全である事が何よりも重要です。これは衰退/縮小し続けていると言われる現状を見れば明らかでしょう。

最後に、著者の本研究全体に関する総合的な結論(第5章 結論)の結びの部分を掲載します。
ハイレゾ結論
学会(超高域は弁別できると主張するセンセも居る)および業界をおもんばかった結論のように見えます。

追記
原文には、実験結果以外にも貴重な技術的背景が記載されています。ゼヒゼヒご一読くださいませ。
ハイレゾリューションオーディオの研究 -西口敏行、電気通信大 情報システム研究科 博士(工学)の学位申請論文

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テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用
2013年08月29日 (木) | Edit |
前の記事で、オーディオ用圧縮コーデックに関しては、ITU-R (国際電気通信連合 無線通信部門)が定める主観品質評価法(ブラインド評価)に則った方法で音質が評価されている事を紹介しました。

では、巷を賑わすハイレゾ音源についてはどうなのでしょうか?

例によってネットでサーチしてみましたが、確たる情報は得られませんでした。「高音質」が喧伝されているわけですが、その根拠はイッタイゼンタイ何処にあるのでしょうか? JAROさんに叱られないのでしょうか?

サーチ中に非常に興味深い論文を見付けましたので、要約をご紹介します。
PDFで113ページに及ぶ博士号申請論文です。

PDFへのリンク
ハイレゾリューションオーディオの研究 -西口敏行、電気通信大 情報システム研究科 博士(工学)の学位申請論文

以下、実験の内容と結果を要約しますが、原文に目を通される事を強くお勧めします。

実験1
実験システム
-信号は192kHz/24bitでデジタル化
-1024タップの直線FIRフィルタを使って21kHzで可聴帯域と超高域を分割
-再生システムは21kHz以下と以上で独立した系統を持つ
-実験はITU-R BS1116に完全準拠した音響評価質で実施
-2チャンネル ステレオ再生(スピカとリスナ間の距離は3m)
-可聴帯域用スピカにはB&Wの800シリーズ(Diamond)を使ったと思われる(図から推測)
-超高域用には別体のスーパーツイータ(上限70kHz)を使用(歪みを計測して機種選定している)

被験者
-男性30名、女性6名の計36名
-音響関係の研究者と音声制作技術者が33名、学生2名、評価音源の演奏家自身1名
-年齢は10代が3名、20代が12名、30代が16名、40代が3名、50代が2名

音源
-様々な音楽ジャンル、楽器からなる全20種を用意
-そのうち16種は独自録音(演奏家による生演奏を録音)
-生録楽器には琵琶、ジャズピアノトリオ、バイオリン、フルート、ピッコロ、サックス、ボーカル、フルオーケストラ!、ギター等が含まれる
-マイクロフォンには音楽録音用を使用してステレオ録音(40~50kHzまでフラットな特性を持つ、全指向性)
-音源のうち2種類は市販のSACD
-超高域を含むホワイトノイズも音源の1つとして用意
-音量は音源の主要なピークが80dBA(FAST)前後となるレベルを標準とする(僕の標準音量と同じだね)
-被験者は上記標準レベルに対し-3~+5dBの範囲で音量を調整してもよい(36名中26名は標準音量で試聴)

実験方法
-3つのサンプル(リファレンスとA、B)を比較試聴
-リファレンスは必ず超高音域を含み、AとBのどちらかは超高音域をカットした可聴帯域のみの音源
-被験者はAとBのどちらがリファレンスと同じに聞こえるかを答える
-被験者はリモコンを使ってサンプルを自由に切り換えながら音源の任意の位置を繰り返し聞くことができる

結果
-音源ごとの正答率を見ると、特に有意な音源はない(被験者が超高域の有無を弁別していると言える音源は1つもない)。敢えて言えば、超高域のレベルが高く、かつ、超高域成分が非定常(変化する)音源の正答率は比較的高いと言えるかもしれない。
-被験者ごとの正答率を見ると、1名だけ(17才の女性)が有意(聞き分けている)とみなせる結果を出したが、追試の結果では有意とみなせる結果は得られなかった。
-結局、実験1では20種の音源を用い、36名の被験者で評価を行ったが、音源別および被験者別どちらで見ても、有意な弁別結果(確かに聞き分けているという結果)は得られなかった。


実験2
実験1の結果で超高域成分が高い音源の正答率が比較的高いように見える事、また音源の提示時間が影響する(ある程度長い時間聞くと超高域を関知できる)とする学説がある事から、追加の実験が行われた。

実験1との相違点
-100kHzまで高い感度を持つ音楽録音用の広帯域マイクロフォンを新たに開発して音源の録音に使用
-このマイクの感度は、10kHz以下よりも超高域感度が10dBも高いやや極端な特性を持つ
-被験者にある程度長い時間聞かせるために試聴方法を変更(音源の提示時間を85~120秒と長くした)
-音源には弦楽四重奏、筑前琵琶、ハープシコードの3種類を用意
-特に琵琶では21kHz以上の超高域が常時40~50dB出ており、70dBに達する箇所もある(帯域も70kHzまでと広い)
-被験者は男性5名、女性8名の計13名
-音楽大学学生7名、音大教員3名、作曲家2名、演奏家1名
-年齢は19~51才

結果
-13名中2名の被験者(20才女性と30才男性、ともに音大学生)が、「琵琶の音源でのみ」超高域の有無を有意に弁別できた(有意水準5%の二項検定)
-音源の提示時間を20秒程度に縮めた場合、上記2名+琵琶音源でも超高域を有意に弁別できなかった
-上記2名に対して純音の閾値測定を行ったところ、22kHzの閾値は90dBを超えており、直接的に琵琶音源の超高域を聴取できたとは考えがたい(単純に耳で聞こえたとは思えない)
-従って、上記2名が超高域の有無を聞き分けたメカニズムは不明である

以上です。

僕の感想としては、
非常に信憑性の高い実験であると思います。リスニング位置での測定で実際に超高域成分が再生されている事も確認されており、再生装置としては申し分ないでしょう。また、被験者の選択も適切だと思いますが、ハイレゾの音質が良いと喧伝するオヂオヒヨロンカ達にもゼヒ参加して頂きたかったと思います。

結局、特殊なマイクを使って録音した特殊な楽器(琵琶)の音源を長時間提示した場合のみ、2名の被験者が辛うじて超高域を弁別できた(正答率70数%)というのが結論です(半ば無理矢理感が漂っている)。そして、その弁別は単純に耳で聞き分けたとは言えないという事です。この実験結果を見る限り、一般的な人が、一般的に市販されているハイエンド装置を買って、一般的に配布されているハイレゾ音源を再生しても、まずその違いは弁別不能であろう。。と言えそうです(プラセボ効果を排除すれば。。。という前提でね)。

共に音大生という事ですから、「あなたは、この音楽を愛聴するにおいて、この超高域が聞こえる事をどの程度重要だと考えますか?聞こえる事が好ましいと思われますか?」という質問も是非投げかけて欲しかったと思います。最終的に重要なのは、聞こえるか聞こえないかではなく、聞こえる事によって何か得る物があるのか、それが音楽を愛聴するにおいて果たして如何ほど重要なのか?という事ですからね。アッタリマエですが。

徒なハイレゾ化は計算処理負荷、通信負荷、ストレージ等のリソースを浪費します。すなわちエネルギや資源を浪費するという事です。また、末端ユーザの経済的負担も増加します。世界的に見て裕福なヒトビトはほんの一部に過ぎません。音楽は全人類の貴重な財産です。世の中に対する真の有用性が明らかにならぬママ、商業的思惑によって、このような媒体がなし崩しに標準的な規格として普及してしまう事は非常に危険です。これからの時代、そいう考え方が必要です。ゼッタイニ!

ソレハソレのソレと明確に位置付けて(つまり、上記のような評価をキチント実施して、一般大衆を徒に煽るのではなく、正しい客観的情報を公開した上で)、「ソレでも、敢えて、、」と言うマニアック層向けに限定的に配布される事を僕は望みます。

また、これは「ハイレゾ」に限った事ではなく、常識的に考えて異常に高額で怪しげな製品や根拠不明の論が横行するオヂオ界全般に言える事でもあると思います。これらの動向をプロフェッショナルな(クロートさんの)観点から監視して警鐘を鳴らすのがヂャナリズムの重要な役割であると思うのですが。。。。。。逆に煽ってね?

追記
ハイレゾに関しては、もう1つの観点からの評価が必要です。すなわち、超高域まで再生できる装置を使ってサンプリングレートとビット分解能の異なるソースを比較する必要があります。例えば24bit/192kHzと24および16bit/44.1kHzの比較です。そのような評価結果もネットで見つかったら、またご紹介したいと思います。

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テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用