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2013年12月03日 (火) | Edit |
ヘッドフォン3種類のF特を計測してみました。

今回は下記の2通りの方法で計測しました。
1)ヘッドフォンを頭に装着した状態で、イヤパッドの隙間からマイクロフォンの先端を耳穴近辺まで突っ込んで計測(ちょっとコツが要ります)
2)中央に穴を開けた丸い板にマイクロフォンを差し込み、この板をイヤパッドにギュッと強く押しつけて計測

以下が結果です。赤が装着状態の耳位置、黄色が丸板ギュッと押しつけです。

MDR-Z1000 (密閉型モニタ)
F Z100 p

Evo ZxR (密閉型メカトロ、Surround 100%、イコライザON)
F Zxr p

密閉型の場合、イヤパッドをギュッと押し付けると低音が強くなります。これには2つの理由が考えられます
1)イヤパッドの接触面の気密性(シール性)が向上して低音の圧漏れが減った
2)イヤパッドの内面よって低音の圧力変動が吸収されてしまう度合が減った

密閉型の場合、密閉度が高くて、薄くて、堅くて、内周の小さいイヤパッドを使うほど低音を出しやすくなります。そうする事で、小径ダイアフラムでも十分な低音を耳に届ける事ができます。その究極がトップマウント式カナル型イヤフォンです。

Z1000に比べると柔らかくて分厚いイヤパッドを採用し、しかもイヤパッドの締め付け力が弱いZxRでは、パッドをギュっと押し付けると、装着状態よりも低音が大きく増加する事が分かります。つまり、装着状態では、柔らかくて分厚くて締め付けの弱いパッドによって低音が随分減衰してしまっているという事です。でも、そのおかげで、長時間装着しても苦になりません。また、分厚いイヤパッドで多少低音が減ったってヘッチャラです。ドライバ自体がタップリと低音を出してくれるので、イコライザで減衰させているくらいですからね。

MDR-F1 (完全オープンエア型)
F F1 p
完全にオープンな構造を持つMDR-F1では、頭部に装着した方が低音が出ています。計測に使った小さな丸板よりも、実際の頭部の方が大きいので、バッフル効果に差が出たのかも知れません。

装着状態のF特を重ねてプロットしました。
mix2.jpg
- 緑がZ1000、青がF1、赤がZxR(Surround100%、イコライザON)、白がDSPをOFFにした素のZxRの特性。
- オープンエア型のF1(青)では、圧力変動が逃げてしまうため、密閉型に比べると低音は弱くなります。このため、僕はサウンドカードのBassブースト エフェクタを使っていました。
- Z1000(緑)では、約80Hzを中心に低音が少し盛り上がっており、ちょっとブワッと感が気になるので、サウンドカードのイコライザで63Hzバンドを少し落としていました。
- DSPをONにしたZxR(赤)はほぼフラットな特性になっており、僕には音楽を「聴きやすい」状態です。一方、素の状態のZxR(白)では、明らかに低音が出すぎです。買って最初に聴いた時には驚いてしまいました。イコライザによる調整を前提とした製品であると考えるべきでしょう。

データは以上です。
Z1000では、低音に圧迫感があって長時間聴くのは辛いのですが、DSPで調整したZxRの低音には、そのような圧迫感を感じません。イヤパッドが分厚くて柔らかくて締め付けが弱い事が奏功しているのかもしれません。低音の聞こえ方だけでなく全体のF特および左右音のセパレート(音場感)を含めて、ZxRはZAPで聴いている状態に最も近いと言えます。おかげで、ZAPまで殆ど使わなくなってしまいました。。。。。

分厚くて柔らかいイヤパッドでは、装着状態(ユーザの頭部の大きさや形状および装着位置等)によって、耳に届く低音の特性が変化しやすいかもしれません。しかし、イコライザの使用が前提なので、ユーザ各自が調整すれば良いでしょう。内部にF特計測用のマイクロフォンを仕込み、低音のバランスを自動補正できるようにすると良いかもしれませんね。

このようにDSPを内蔵する事で、イヤパッドの設計にも自由度が得られ、低音を確保しながら装着感を改善できます。これを突き詰めれば、オープンエア型でも十分な低音特性が得られるはずです。音漏れを気にしなくて良い自宅専用に使うなら、MDR-F1のような完全オープンエア型の方が長時間の使用に適しているでしょう(特に夏期)。超低音までバッチリピッチシ再生可能なDSP内蔵完全オープンエア型ZxRを作って欲しいですね。SONYのMDR-F1+ZxR DSPって感じのヤツをさ。。。そしたら、また買っちゃうぞ。。きっとね。

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2013年05月24日 (金) | Edit |
今回は、バスレフ型の低音歪みについての実験君結果をご紹介します。定常歪みだけでなく動的歪みも簡単に評価しました。

バスレフ型では、共鳴周波数で振動板振幅が非常に小さくなる(理論的にはゼロになる)ため、下限周波数における「定常」歪みに関しては密閉型+ブーストよりも大幅に有利です。

今回の実験君では、TONO箱(8L)のバスレフ仕様(共振f=60Hz、吸音材なし)とZAP(2.5Lポチ箱、密閉、吸音材大量)の低音歪みを比較してみました。ドライバは共にAlpair 6Mです。

部屋の影響を最小にするために、マイクは20cmの距離に置きました。周波数特性を正確に揃えるために、どちらもFrieveAudioで60Hzまでフラットにしています。密閉型の60Hzにおけるブースト量は約+9dBです。

音量は以前と同様に、下記のように設定しました。
1) 昼間の標準的ボリュームよりやや高め
標準ピンクノイズで約75dBC(リスニング位置)に設定。PCのボリューム目盛りは32/100
2) ご近所にビクビクしながらかなり頑張ったボリューム
標準ピンクノイズで約82dBC(リスニング位置)に設定。PCのボリューム目盛りは60/100

マイクロフォンを20cm位置に置いたため、グラフの絶対音圧レベルは以前のリスニング位置での計測結果と異なりますのでご注意ください。

それでは結果です。今回は4次および5次の歪みもプロットしています。グラフの色分けは下記の通りです。
Color.jpg

1)標準的音量
上が密閉、下がバスレフです。赤の%値は75dBを基準とする値です。
密閉75
バスレフ75
密閉型は最大ブースト点の60Hzをピークとして2次歪みが増加しますが、全く問題のないレベルです。バスレフ型の歪みは殆どフラットですね。

2)大音量
ドアを閉めていても奥さんから1発でレッドカードを喰らう音量です。PCのボリューム目盛りは1)の約2倍。
赤の%値は85dBAを基準としています。
密閉85
バスレフ85
当然どちらの歪みレベルも全体的に高くなりますが、傾向は1)と同じです。ブーストは60Hzまでなので、Alpair6 M最大の弱点である50Hz以下の3次歪みの急増は見られません。このため、このような大音量でも、以前のヘッドフォンによる聴感評価でガイドラインとして設定した基準(2次は5%以下、3次は2%以下(1%以下が好ましい)、4次以上は1%を大幅に下まわる事)になんとか収まっています。これらの歪みは、以前の記事に書いたように信号処理(メカトロ化すればコスト増殆どなし/ソフトで対処)または小径ウーハを2本プッシュプルで使えば(コスト増あり)大幅に改善できます。バスレフ型では、約150Hzに2次の特徴的なピークが見られますが、原因は分かりません。

下は60Hz/-12dB定常正弦波の再生音響波形です。音量は2)の条件と同じです。つまり2)のグラフの60Hzにおける波形と考えてください。
上が密閉型、下がバスレフ型です。
密閉 SINE
バスレフSINE
密閉型では、2次歪みの影響で波形が上下非対称になっていますが、バスレフ型では信号波形(グレー)と非常に良く一致しています。しかし、波形には明確に現れていませんが、このような大音量になるとバスレフ型ではポートの風切り音がハッキリと聞こえ、非常に耳障りです。聴感的には歪みの大きい密閉型の方が好ましく聞こえなくもありません。このように、バスレフ型の場合、高調波歪みは低くても、大音量ではポートの風切り音が問題となります。

下は、上の波形のFFT解析結果です。
上が密閉、下がバスレフ。
FFT密閉
FFTバスレフ 
バスレフ型の場合、高次の高調波成分が高くなっています。風切り音の影響かも知れません。

以上のように、バスレフ型の「定常」歪み特性は非常に優秀である事を確認できました。
しかし
音楽信号の周波数成分と振幅は極めてダイナミックに変化します。一時たりとも留まらぬ過渡現象の嵐であると言えましょう。従って、本当の歪みは動的に評価してみないと何とも言えません。

そこで、1サイクルの正弦波信号(60Hz/-12dB)を入力した時の音響波の挙動を調べてみました。音量設定は上記2)と同じ(大音量条件)です。以下の図には、信号波形をグレーで示しています。

上が密閉型、下がバスレフ型です。
過渡密閉
過渡バスレフ
密閉型の場合、信号に対して少し遅れますが、信号波形との対応は明確です。しかし、バスレフ型になると、音響波形の各ピークが信号のどのピークに対応するのか良く分からない程大きく変形して(従って歪んで)います。このように、バスレフ型は定常正弦波信号を非常に綺麗に出力しますが、過渡的な信号になると大きく崩れます。綺麗な定常波形がだいなしですね。

バスレフ型の波形を少し詳しく見て見ましょう。
最初に密閉型と同じ遅れで小さな振幅の波形が発生し、ほぼ1サイクル遅れて大きな振幅の波形が続いています。最初の小さな波形は振動板から直接放射される音、大きな波形はその後共鳴が起こってポートから放出される音だと思われます。

最初は無信号ですから、システム(ドライバ+箱内の空気)は全く共鳴していません。このため、振動板は信号通りに動いて音響波を発生し、システムが励起されて共鳴が始まります。その結果、1発目のピークよりも2発目のピークの方が振幅が大きくなっています。2発目の振動板の動きでさらにシステムが励起され、ポートからは3発目のさらに大振幅の音響波が放出されますが、その時点で振動板の運動はほぼ停止しています(信号が無くなる)。その後、放ったらかしにされた箱内の空気はダラダラと減衰しながら振動し、信号停止後も暫く音を放出します。。。と、いった現象が考えられます。あくまでも推測ですよ。

音楽信号は過渡現象の嵐ですから、音楽再生中にこれに近い現象がノベツクマナク発生していると考えられます。

LEANAUDIOの初期では、バスレフのチューニングに散々取り組みましたが、どうやってもバスレフ型で長く音楽を聴いているとだんだんイライラしてきて、ポートに詰め物をし始め、最終的に密閉型になってしまうという事を繰り返しました。これは、このような過渡現象の問題に由来するのかも知れません。僕はジャズを聴く際ピチカートベースを基準に聴く癖があるため、特に低音の過渡的問題には敏感なのかも知れません。

さらにバスレフ型は、ポート自体が共振音を発生し、箱内部の定在波音もポートから放出し、さらに大音量時には風切り音も生じると言った付帯音の多さも欠点として持ちます。これに関しては「音楽再生における付帯的音の現象 - データ編 その1 」で詳しく調べました。

最後にオマケとしてFrieveAudioの位相補正をONにしてみました。
過渡密閉 補正
位相の遅れは殆ど無くなります。しかし、実用状態での補正の効果は、僕には全く感じられません。密閉型では元々遅れが少ないからかも知れませんね。

今回の実験君結果は以上です。この後も、過渡挙動について追加の実験君を予定しています。オッタノシミニ!

追記
ブーストの下限周波数を欲張らずに同じドライバのバスレフ型と同等の周波数特性を達成するだけであれば、小さな密閉ブースト方式で十分に実用的な性能(歪み特性)が得られます。今回は8Lのバスレフ型に対して密閉型は2.5Lでしたが、以前の記事に書いたようにLEANAUDIO方式では箱容積の影響は小さいため、1L程度の箱でも結果は殆ど同じでしょう。バスレフ型の場合、共鳴周波数を保ったまま箱を小さくする事は困難です。1Lで60Hzなんか絶対無理ですから。商品性を高める上で、コンパクト化はトッテモ重要です。

再三申しているように、密閉型ブースト方式はシステムのコンパクト化に非常に有利であり、しかも動的挙動の面でも大きく優れている事がお分かり頂けたと思います。さらに、現象がシンプルである(音は振動板の運動に直接対応する)ため、電子制御による挙動の改善も容易です。メカトロ化により、そのポテンシャルはさらに大きく拡がるでしょう。

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2012年10月16日 (火) | Edit |
密閉型ブースト方式についてシリーズで詳しく書く予定です。

今回は手始めにドライバの選択基準について。

ドライバを選択する際は、最大許容振幅(Xmax)とドライバの気密性(エア漏れしない事)が重要な選択基準となります。

1: 最大許容振幅(Xmax)
密閉型ブースト方式の欠点は、バスレフ型に比べて大幅に振動板振幅が増加する点にあります。従って限界振幅(Xmax)の大きなドライバを選択する事が重要です。今回は僕が愛用するマークオーディオ製Alpairドライバと他社製ドライバの低音再生波形の比較結果をお見せします。

8cmクラス ドライバの比較
Alpair6M、6P、5と、お馴染みFOSTEX製FE-87を比較しました。FE-87の振動板面積はAlpair5とほぼ同じです。Alpair6の振動板面積は少し大きめです。

まずはお馴染みのF特です。クリックで拡大してご覧ください。
8cm Ftoku copy
4Lの密閉箱(吸音材たっぷり)で計測しました。青がA6P、赤がA6M、黒がA5、緑がFE87です。200~500Hzの出力レベルがほぼ同じになるようにして重ね書きしています(FrieveAudioを使った計測では絶対レベルは不明です)。

50Hz/-6dB正弦波信号の再生波形を比較しました。
アンプはIconAMP、ボリュームは最大です。信号はブーストしていません。
各波形の振幅がほぼ同じになるように、パッシブプリのボリュームを微調整しています。
パッシブプリ: 約1/2ポジション (僕の普段のリスニングではこの音量を超える事は絶対にない)
50HZ MID copy
FE87(緑)は既にブリブリです。最も良好なのはA6M(赤)ですが、小さなA5(黒)が健闘しています。A6PはA6Mに比べると明らかに歪みが大きいですね。マークさんによると、MとPで磁気回路の設計が異なるそうです。振動板の剛性も関係しているかもしれません。

パッシブプリ: 約3/4ポジション
50HZ BIG copy
さすがのA6M(赤)も波形は尖ってきますが、他の3つに比べると明らかに優位です。

13cmクラス ドライバの比較
次に、Alpair 10フルレンジと2つの13cmウーハ(Dyanavox製LW5002PPR-S(PPコーン)とDayton製DA135-8(メタルコーン)を比較しました。

F特です。
13cm woofer Ftoku
青がA10、緑がDynabox(PP)、赤がDayton(メタル)です。Daytonのセンターキャップは気密性が無かったため、木工ボンドでコーティングしてエア漏れしないように改造しています(参考記事)。このグラフも上と同様に200~500Hzでレベルを合わせて重ね書きしています。

40Hz/0dB正弦波信号の再生波形を比較しました。8cmクラスの50Hz/-6dB信号よりもずっと厳しい条件です。IconAMPのボリュームは最大です。信号ブーストはしていません。
パッシブプリはは3/4ポジションです。さすがに、ちょっと恐ろしくて、各波形の振幅を揃えているる余裕はありませんでした。僕の普段の再生音量に比べるととんでもない大音量条件です。
13cm woofer 3_4
A10の波形(青)は他に比べて明らかに良好です。これで振幅を揃えるとA10の優位性はさらに際立つでしょう。ウーハーとして売られているドライバよりもフルレンジのA10の方が低周波の再生能力が高いというのも驚きです。

今回比較した中では、マークオーディオ製Alpairドライバの低音再生限界が高い事がわかります。これは最大許容振幅(Xmax)が一般的な他社製ドライバに比べると非常に大きく設計されているためです。Xmaxに関しては、次回の記事で詳しく書きたいと思います。なかなかオモシロイ実験結果もお見せできると思いますのでオタノシミに。

2.ドライバの気密性
密閉型ではスピーカシステムの気密性が非常に重要です。箱はもちろんの事、ドライバ自体にも気密性が必要です。このため、フェイズプラグ付きやコアキシャルタイプは適しません。このようなタイプのドライバでは、下図のようにギャップからエアが漏れてしまいます。エアが漏れると気流ノイズが発生するだけでなく、低周波領域の出力も明らかに低下します。
スピーカー断面 copy
従って、Alpairのように気密性のあるセンターキャップ型または、Auraのような逆ドーム型を選ぶ必要があります。また、上のDaytonウーハのようにセンターキャップに気密性のない素材(布等)を使っている場合もNGです。

フェイズプラグ型の大御所といえばB&Wですが、彼らもこのエア漏れ問題を認識しており、最近発売したPM1のウーハにはフェイズプラグを採用していません(参考記事: B&Wも言っているフェイズプラグの問題点)。その理由として、トールボーイ型のミッドバスとして使う場合はフェイズプラグ付きで問題ないが、小型モデルのウーハとして使う場合にはフェイズプラグ付きでは気流音が生じるため適さないと堂々と述べています。CM1とかドースンノヨ?

また、大概のドライバのフランジの気密性はあまり良好ではありません。バスレフ型ではさして問題にならないでしょうが、小容積の密閉型ブースト方式では箱への取付に細心の注意を払う必要があります。パッキンを自作したり、シール剤を併用するのも効果的です。A10のフランジ面にはビード付きのラバーパッキンが貼られているので、大概は問題無く取り付ける事ができますが、A6の場合、付属のパッキンだけではエア漏れしてしまった事が何度かあります。プラ製フランジなので、あまり強く締め付けるわけにも行きません。なので僕はエアコン配管の穴塞ぎ用パテを併用しています。

ドライバを箱に組み付けたら、必ず50Hz程度の正弦波をある程度大きめの音量で再生して音と再生波形を確認するようにしています。エア漏れがあると波形は歪んでいないのに変な音がするのですぐに分かります(慣れるまで分かりにくいかも。。。僕も最初はそういう音なのだと思っていた)。漏れていそうな箇所に手を近付けると、微かに風を感じる事もあります。エア漏れチェックは非常に重要です。ゆめゆめ疎かにしてはなりませぬぞ。。。

次回はXmaxについて、興味深い実験データをお見せする予定です。ではでは。。。

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2012年10月12日 (金) | Edit |
今回はバスレフ型の動的挙動についての計測結果を簡単にご紹介します。

条件をできるだけ揃えるために、どちらもFrieveAudioイコライザを使って周波数特性だけ50Hz~20kHzの範囲で完全にフラットに補正しています。位相はもちろん補正していません。

スピーカ前方約30cmで計測しました。3つの波形は上から、ソース信号、密閉、バスレフです。
80Hz
BR 80
60Hz
BR 60
50Hz
BR 50
50Hzの波形にはピークを結んだ包絡線も表示しています。

如何でしょうか?バスレフ波形は単純に遅れるというのではないように見えます。密閉型の場合、ソース波形とのピークの対応は一目瞭然ですが、バスレフ型の場合どれがどれに対応するのかよくわかりません。一発目の波形が崩れていて後に余計なピークがあるように見えなくもありません。また、僕がよく使う表現「ビシッと動いてバシッと止まる」という観点でもなんだか間延びして見えます。

全部を重ねて、時間ではなく周期を合わせてみました。
BR all
赤が50Hz、青が60Hz、緑が80Hzです。

密閉型の場合、周波数が変わっても波形(位相)は殆ど変化しませんが、バスレフ型の場合はたった30Hzの範囲でかなり大きく波形(位相)が変化しています。密閉型に比べて現象が複雑である事は明らかです。

僕はバスレフ型のピチカートベースの音に違和感を覚えますが、それが専らこのような現象に起因するのかどうかは定かではありません。しかし密閉型と比較した場合、単純な位相のシフトというのではなく、信号波形の再現性という観点でもかなり問題があるように思えます。様々な周波数成分を含み、様々に変化する実際の楽曲の信号を再生した場合、ある特定の条件で違和感を覚える可能性はあるかもしれません。

次に、ベリンガ製グライコを使って密閉型をブーストした波形をお見せします。F特は前の記事に掲載しています。
digi ana
青がFrieveAudioのマニュアルイコライザで60Hzを約+7dBデジタル ブーストした波形、赤がベリンガ製グライコの63Hzバンドだけ約+7dBアナログ ブーストした波形です。それぞれ2回の計測波形を重ねています。青がデジタル、赤がアナログです。

アナログでも位相は殆ど変わらない事が分かります。ナカナカやりまんがな。。しかし、ダンピングが低下するのでしょうか、信号波形が終わった後に1山余計なピークが発生し、その後の減衰具合もデジタルに比べると劣ります。それでもバスレフ型に比べれば明らかに波形再現性に優れていると言えるでしょう。

前回の付帯音と今回の動的挙動の計測結果から、共鳴効果というキワドイ現象を利用するバスレフ方式というのはナニカと難儀な機構であると言えます。使わなくて済むなら使いたくない。。。。と考えるのが普通でしょう。ですよね?

しかし、密閉型ブースト方式にも致命的と言ってよい欠点があります。バスレフ型の場合、共鳴周波数における振動板の振幅は大幅に小さくなります。これに対し、密閉型ブースト方式では振動板振幅が大幅に増加します。次回は、このへんについての実験君データをご紹介しようかと予定しています。その後、いよいよ「真空管サウンドのヒミツを探る!」に挑戦してみるかな? オッタノシミニ!

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2012年10月08日 (月) | Edit |
お約束通り、再生音の付帯的現象に関するデータをご紹介します。

音の付帯的現象に問題の多いバスレフ型を題材とし、下記の内容で2回にわけて書く予定です。
1回目: 箱内部の定在波とポート自体の共振音の影響と吸音材の効果
2回目: バスレフ型における応答の遅れ

いずれもTONO君(Alpair 6P、7L)を使って一連の計測を行いました。現象をシンプルにするために、ポートは前面のスピーカのすぐ近に配置しました。

おなじみのシミュレーションです。
シミュレーション
約60Hzを同調点としました。

約30cm前方での実測値です。吸音材は一切入れていません。
20cm F特
青が密閉、赤がバスレフです。相変わらず計算とよく一致しています。50Hzで-6dB程度ですから10~13cmウーハを使った市販の小型2Wayクラスに相当します。バスレフ効果は同調点(60Hz)で7~8dB程度です。なお、4~5kHzの盛り上がりはドライバ固有の特性です。

緑は密閉型をベリンガのグライコでブーストした特性です(63Hzバンドを約+7dB)。以前にも書きましたが、密閉型をトーンコントローラ等でチョイト6dB程度ブーストするだけでも、ロールオフ周波数をバスレフ型並に下げる事ができ、しかもバスレフ型よりもなだらかな減衰特性が得られます。

図中の黄色の帯は、ポート自体の最初の(基本モードの)共振領域を表しています。上のシミュレーションの「ポート出力」曲線(青)の最初のポート共振領域(約800Hzから約2.5kHz)に対応します(実際の周波数は、シミュレーションよりもやや低めです)。詳しくは後で説明します。2本の赤の縦線は箱の定在波の周波数です。低い方は箱の前後と左右壁(ほぼ同じ)、高い方は上下壁による定在波に対応します。

それでは詳細なデータをご覧ください。

1. ポートからの音
まず、どのような現象が起こっているのかを、ポート前方3cmの位置で計測したデータで見てみましょう。
a)吸音材なし
ポート吸音材なし
黄色が最初のポート共振領域です(ディップからディップ、シミュレーションよりもやや低め)。この領域に箱の定在波のピーク(赤の2本の縦線)が重なっています。

b)吸音材を3面にはる
ポート吸音材3枚
最小限の吸音措置として、吸音材(ミクロンウール)を3面にだけはりました。この状態では、肝心のバスレフ効果はほとんど低下しませんでした。データを見ると、定在波の急峻なピーク/ディップが明らかに減少してる事がわかります。しかし、最も面積の広い上下壁の定在波の影響はまだ残っているようにも見えます。また、ポート共振領域(黄色領域)の盛り上がりは残ったままです。

C)ポート塞ぎ/吸音材たっぷり
ポート吸音材たっぷり
マイクロフォンはポート前方3cm位置ですが、ポートを粘土で完全に塞いでいます。従って振動板だけの音です。上の2つのグラフには振動板からの音も多少含まれています。

2. 振動板からの音
今度は振動板の前方約3cmにマイクロフォンを置きました。
a)密閉/吸音材なし
振動板 吸音材なし密閉
b)バスレフ/吸音材なし
振動板吸音材なし
c)バスレフ/吸音材3面
振動板吸音材3枚
d)密閉/吸音材たっぷり
振動板吸音材たっぷり

振動板前面では、密閉もバスレフも付帯音の大きさはあまり変わらないように見えます。また、吸音材を3面にはると定在波のピークが明らかに減少します。それでも、前後/左右の定在波の影響はわずかに観測できます(左側の赤線)。上下壁面の定在波(右側の赤線)がほとんど観測されないのは何故でしょうか??ポート音では、吸音材を3面にはっても上下の定在波はしつこく残ったように見えたのとは対照的です。ポチ箱とも傾向が異なるため、とりあえず謎のまま保留。

3. 両方の音の計測
今度は、マイクロフォンを少し離して、振動板+ポートの音を計測しました。マイクロフォンはスピーカのセンターではなく、ポート側に少しオフセットしています(両方の音をほぼ均等に拾うため)。最初にお見せしたF特グラフではプロットがギザギザ過ぎてみにくいため、約15cmの距離で計測しています。
a)密閉/吸音材なし
吸音材なし密閉
b)バスレフ/吸音材なし
吸音材なし
C)バスレフ/吸音材3面
吸音材3枚
d)密閉/吸音材たっぷり
吸音材タップシ

ポート共振による比較的広い周波数領域の盛り上がりと、内部定在波による比較的鋭いピークから成る付帯音成分がはっきりと現れています。上の振動板直前で測定した結果とは異なり、吸音材なしの密閉型とバスレフ型を比べると、バスレフ型の方が付帯音成分が明らかに大きい事がわかります。これは密閉型には皆無であるポートの共振音が発生するのと、ポートから箱内部の定在波を含む音が放出されるためであると考えられます。吸音材を3面にはると、定在波のピークはそれなりに減少しますが、ポート共振による盛り上がりはそれほど改善されません。吸音材たっぷりの密閉型では、そのような鋭いピークや盛り上がりがほぼ平坦になっている事がわかります。1.3kHz近辺の凹みは原因不明ですが、部屋の影響ではないかと思われます。

4. 考察
今回の計測データは以上です。

このように、バスレフ型ではポート自体の共振音が生じる事と、穴からボックス内部の音が漏れる事により、密閉型に比べるとどうしても付帯音が多くなります。定在波は吸音材を使って容易に低減できますが、バスレフ型の場合、肝心の共鳴効果を十分に確保するために吸音材は最小限に留めたいところです。そう考えると、バスレフ型では、箱形状の工夫による定在波の低減が非常に効果的ではないかと思います。対して、密閉型であれば、直方体の箱であっても、吸音材を大量に充填する事により、定在波の影響をほぼ完全に抑える事ができます。

肝心のバスレフ共鳴効果を得るには、ポートは必ず筒として働く必要があるため、ポート自体の共振音を抑制する根本的な方法は無いでしょう。なぜならば筒としての特質が無くなれば、肝心の共鳴効果も無くなってしまうからです。

また、今回のように、ポートの最初の共振領域と定在波が重なってしまうのも良くないかもしれません。箱の寸法は、容積が決まれば、見た目のバランスもあるため、それほど極端にプロポーションを変える事はできないでしょう。しかし、共鳴周波数を変えずにポートを「太く/長く」するか「短く/細く」する事により、ポートの共振周波数を移動する事は可能です。ただし、太く/長くすると、下図のようにポート共振の音がより盛大に出てしまうため、注意が必要です。

シミュレーション2
同調周波数を約60Hzに維持したまま、ポートを極端に太く長くしました。この場合、ポートの共振周波数を低周波側へ移動できますが、共振音のレベルが上がってしまいます。

逆に細く/短くすると共振音のレベルを下げる事ができますが、風切り音に注意が必要でしょう。。と考えれば、結局それほど選択の自由度はないかもしれません。箱の形状を工夫して定在波を極力抑えた上で、風切り音が問題にならない範囲でポートをできるだけ細く短くするというのが最良の手かもしれません。また、設置条件によっては、背面ポートにした方が耳に届くポートからの付帯音を低減できるかもしれません。ただし、背面ポートの場合、設置場所によって低域の特性が変化しやすいといった問題を抱えます。ちょっとした家具の上等に気軽に設置する事はできぬでしょう。本来、コンパクトなスピーカほど、設置自由度は高くあるべきだと思います。

なお、ウーハーのローパスフィルタのカットオフが十分に低く(たとえば100Hz以下)かつ十分に急峻であるために、ウーハーの出力帯域が箱定在波周波数にもポート共振周波数にも重ならない場合、以上のような付帯音問題は基本的に解消されます(起振源がなくなる)。従って、僕が常々提唱しているように、密閉型小径フルレンジ(あるいはワイドレンジツイータ)を基本とし、そのロールオフ領域だけを別のウーハーに受け持たせる場合、バスレフ型であっても付帯音的な問題は深刻ではなくなるでしょう。しかし一般的な市販大型マルチウェイの場合、38cmウーハーでも700~800Hzでクロスオーバし、当然箱のサイズも相応に大きい(すなわち定在波周波数は相応に低い)ため、定在波問題を逃れる事はできないでしょう。

バスレフ型は、このような付帯音以外に、応答の遅れが生じるという問題を抱えています。次回は、そのような問題によって生じる現象について、計測データを交えながら考察を加えたいと思います。オッタノシミニ!

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2012年09月05日 (水) | Edit |
現在、改良型Alpairの低音再生能力について実験君中です。マークさんが改良型ユニットを送ってくださったので、仕事の合間にそれらのユニットを評価しています。そのうちこのブログで結果をご紹介できるかもしれません。できるだけ暗騒音を下げる必要があるので、家族の外出中を狙ってやっています(足音やドアの音が入ると、波形が崩れるので)。測定中は窓も閉めて、扇風機も止めるので暑くて仕方ありません。

スピーカによる音楽再生において、最も困難なのが、低音再生です。前の記事で、低音再生についてタクサンご質問を頂き、タクサン回答を書いたので、せっかくですから記事として残しておきたいと思い、以下にまとめて掲載しておきます。原文をご覧になりたい方は、1つ前の記事のコメントをご覧ください。殆どコピペですが、一部加筆しています。

Q: フラットにした場合小さい音量でも40-60Hzの音は聞こえるものでしょうか?基本的には小さい音でききますので。
「低音量」というのがくせ者です。「爆音ではない」という意味の「低音量」であれば、程ほどの音量で聞いておられるのかもしれません。確かに音量が低いと低音は聞こえにくくなりますが、「音量」は音響パワー(スピーカから出る音の大きさ)ではなく「耳」に届く音圧レベルで考える必要があります。例えば、小さい部屋でスピーカの近くで聞けば、大きい部屋でスピーカから離れて聞くよりも、再生出力(パワー)が同じでも「耳」には大きく聞こえます。例えば、イヤフォンで「耳」が壊れるほど大音量にしても、出力パワーはたかが知れています。

ちなみに僕が普段聴いているリスニング位置(1m以内)での音圧レベルは、通常の楽曲で概ね最大75~80+α dBA程度です(A特性、FASTフィルタによるMAX値)。音量を上げ気味にしても最大85dBAを超える事は絶対にありません。コンサートホールの中央席辺りでの交響曲の最大音量もその程度のようです。大部分の人は、音楽を聴く場合80dBA以下を快適音量と感じるようです。100dBAにも達するアホみたいな爆音で再生した場合、フラットに低音を再生すると、実際よりも低音が聞こえ過ぎるでしょう(人間の耳は音量が上がると低音がよく聞こえるようになる)。だいたい耳の健康に良くありません。
僕の耳/僕のリスニング条件では、ロールオフのなだらかな「密閉型」で50Hzまでフラットに再生できれば、一般的な音楽ソースを聴くには必要十分だと思います。低周波が聞こえるかどうかは、低音(30Hz)まで低歪みで再生できるスピーカを使い、アンプを普段のボリュームの上限くらいに設定して、普段のリスニング位置で、正弦波信号(16ビットのフルスパン-6dB程度)を再生してみればわかります。バスレフ型の場合、同調周波数以下の出力は急激に低下しますので、この種の実験には向きません。ご注意ください。

僕の場合、50Hzは確実に聞こえます。40Hzはかなり感度が落ちますが聞こえます。30Hzはもう殆ど聞こえません(歪みの少ないAlpair10を使った場合)。このような超低域では、スピーカの高調波歪みが増加します。高調波歪み(特に3次以上)が顕著だと、実際よりも音(偽の音)が聞こえやすくなってしまうので注意が必要です(正弦波の音を聴き慣れれば歪みは耳で分かります)。マイクで再生波形をモニタできれば理想的です。
また、周囲の環境騒音にも影響されますので、静かな時間帯に試してみてください。我が家の環境では、昼間は結構低周波騒音が大きいように思えます。自動車の音かな? モニタヘッドフォンやカナル型イヤフォンであれば周囲音に影響されないので、お持ちであればそちらでも試してみてください。この場合も、普段聴く曲でボリュームを調整した後にテストしてみてください。

もしかして、ご質問の根拠は、巷で言われている「低音の再生限界は部屋の寸法によって決まる。小さい部屋では低音は再生できない。」ですか?
これについては、一体全体、何を根拠にそのような事が言われているのか、僕には全く理解できません。部屋の定在波の周波数は部屋のサイズで決まりますが、スピーカから再生される直射音は当然部屋の影響を全く受けません。また、小さい部屋であっても、定在波や音響特性を利用して、低音再生を増強する事も可能です(ZAP君の位置であれば、50Hz以下は部屋が増強してくれるし、TONO君のようにコーナーを利用すると、部屋は小さくても低音は出すぎるくらいになる)。 このジャンル、根拠不明の迷信が多いような気がします。

Q: 小さい音量でも40Hzからフラットに聞こえるか?の質問は単純に低音聞くなら、大きいスピーカーで大きい音量でしか聞けない物だと思っていたからです。
どのように小さな振動板でも、40Hzの信号が入力されれば40Hzできちんと振動してくれます。ですから、カナル型イヤフォンのように、振動板と鼓膜の間を密閉してしまえば、数mmの振動板でも38cmウーハーよりも低い音まで再生可能です。
広い空間に置かれたスピーカの場合、空気が振動板の周囲へ逃げてしまうために、小さな振動板では低周波で効率が落ちてしまいますが、信号をブーストして振幅を上げれば、低音をフラットに再生できるようになります。何も不思議な事ではありません。低音だけアンプのボリュームを上げるのと同じ事です。大きな振動板は低音を「出しやすく」小さな振動板は低音を「出しにくい」というに過ぎず、小さな振動板で低音を出すのは不可能だという事ではありません。
小さな振動板をブーストして低音を出す場合の問題は、振動板の振幅限界によって最大音量が制限される点にあります。このため、AlpairのようにXmaxが大きなドライバを使う必要があります。小さな部屋で適度(Max80dBA程度)な音量で聞くならば、小さな振動板でも大丈夫ですが、大きな部屋で爆音再生するには大きな振動板が必要です。密閉型のロールオフをイコライザで補う場合、必要な振動板の大きさは必要音量(必要音響パワー)によって決まります。密閉型で大音量が必要な場合、パワードサブウーハー方式が理想的でしょう。ブースト方式よりもサブウーハー方式の方が汎用性は高いと思います。マイクロ2.1のケロ君はたった8cmのウーハーで50Hzまで全くフラットに再生してくれます。ちなみにケロに使っているAura 3"のXmaxはブットビにデカイみたいです。

Q: マンションの一室でそんな音出たら逆に困るなーとかも思っていました。
部屋が狭かろうが広かろうが、フラットに再生した低音はうるさくはありません。高調波の少ない真にフラットな低音は意外と地味です。ただ音が全体的にズンと重くなるだけです。高調波の少ないフラットな低音は、200Hz前後を強調したいわゆる「ズンドコ」の低音とは異なります。また、リスナの耳位置での音圧レベルを同じにした場合、部屋が狭い方が距離も近く駆動すべき空気の量も少ないため、再生音量(音響パワー)を下げられます(小さなスピーカで済む)。部屋が広いほどスピーカが出さねばならない音(音響パワー)が大きくなるため、かえって近隣への影響が大きくなるでしょう。また、一般的に、音量(音響パワー)が大きくなればなるほど装置(スピーカ、アンプ)の歪みや、部屋自体(床や壁等)が発する騒音は増加します(クオリティは低下する)。考えようによっては、音響パワーを低く抑えられる狭い部屋の方が、良質な低音を再生しやすいと言えなくもありません。その極限状態が、小指の先ほどしかない振動板を使うカナル型イヤフォンです。また、近隣への影響が気になる場合は、ニアフィールドシステムが理想的です。

Q: バスレフ、密閉話も重要視している人が少ないのかそんな議論はあまり見たことなかったので盲点でした。
バスレフ型の原理的な問題点は、僕が中高生の頃の入門書には必ずきちんと書かれていましたが、最近はそのような超基礎的な知識が広く一般に行き渡っていないように思えます。最近は、デンセンやハンダ等、やたらコマケー事に異常としか思えない程にこだわる傾向にあるようですが、バスレフ型やアナログフィルタ、小型スピーカの低音不足等、音楽再生が未だ抱える超基礎的問題に全く目が向けられていない事には驚かされます。これらは簡単な波形計測でも問題が露呈します。
僕も最初はバスレフ型から始めましたが、ジャズのピチカートベースの音に異常に敏感であるため、また、カナル型イヤフォンで理想的な低音ビート再生を知ってしまったため、どうチューニングしてもバスレフ型では不自然に聞こえ、ポートに詰め物をしてバスレフ効果を抑えた方が、余程ましに聞こえました。つまり、バスレフ型の不自然なビートを聞くくらいなら、基音が聞こえなくても倍音のビートだけ聞いている方が余程ましだという事です。バスレフ型は、過渡挙動と付帯音に明らかに問題が見られます。

Q: プロを相手にする業務用スピーカーでもバスレフの比率が見ている限り高いです。 業務用はアクティブが当たり前でドライバー毎のバイアンプになっているのでハチマルさんが言う+6dbブーストぐらい簡単に出来ると思いますがどうなってるんでしょうかね?
プロ用のアンプ内蔵コンパクトモニタが、のきなみバスレフ型であるのは、大音量時の動作を保証する必要があるからだと思われます。小型のモニタでも、大概はかなり大パワーのアンプを内蔵しています。プロ用にはとにかく堅牢性が求められます。また、現在では広く一般にバスレフ型がすっかり標準的な形式として定着してしまったという点もあるでしょう。スピーカとはそういう音だという事になってしまっているという気がします。また、彼らは必ずモニタ用ヘッドフォンでもチェックしています。プロ用の場合、密閉型サブウーハー方式の方が向いているでしょう。当ブログで再三取り上げたBlueSky社は、バスレフ型の問題を徹底的に訴求し(僕と全く同じ事を言っていた)、完全密閉型の2.1chスタジオモニタシステムを提供していましが、日本からは撤退した模様です。なんでやねん。。日本では未だにヤマハの密閉型モニタが多くのスタジオで重用されているようですが、良い状態の中古を見つけるのが困難になっているとのこと。最近プロ用機材を扱うサウンドハウスさんが、そのような要望に応えてレプリカモデルを超安価に提供しています。

Q: この辺りの低音の話になるとよく出てくるのが「小さいスピーカーから出る低音は質がウンヌン、、、やはり最低38cmはないと、、」と始める人がいると思うのですが。この辺りの低音の質の差はデータでいくと高調波歪みだとか位相で説明できるのですか?
同音量で比較するならば、振幅を小さく抑えられる大きなウーハーの方が歪みを低く抑えられます。広い部屋全体を揺るがすような、あるいは風が吹くような爆音で再生したい場合、38cmウーハーが必要でしょう。小さなウーハーをブーストして使う場合、音量を上げると振幅の増加によって高調波歪みが増加し、極端な場合は壊れてしまいます。このようなシステムでは、歪みが実用上顕著にならない範囲の音量で使用する事が大前提です。再三言っているように、必要な振動板のサイズ(面積)は必要な再生音量によって決まります(振動板の許容振幅Xmaxも決定要因です)。一般家庭において、普通に良い状態で音楽を鑑賞する上で、過剰な音量は全く不要であると思います。健康的にも良いはずがありません。大きなソーチを持っていると、大きな音で鳴らしたくなる。。。という面もあるのではないでしょうか。

低音再生のクオリティを考える時、もう1つ重要なのは、過渡挙動(位相遅れを含む)です。低音ビートを気持ち良く再生するにはこれが非常に重要です。この面では、振動板が軽い小さなウーハーを適度な音量で使う方が有利になります。大きくて重いウーハーを大振幅(大爆音)でビシッと動かしてバシッと止めるには、相当に強力な駆動性能を持ったアンプが必要になるでしょう。当然ですが、一般家屋であれば、部屋(家?)自体にも相当な振動対策が必要でしょう。いついかなる場合も「部屋」をシステムに含めて考える必要があります。

また、大径ウーハーの場合、振動板の剛性面でも不利になります。例えば、僕はメタル製のウーハーを好みます。紙やPPコーンでは「ドン」が「バン」気味に聞こえる事を嫌うためです。これは振動板の剛性に関係していると思われます。当然ですが、振動板が極小のカナル型イヤフォンでは、素晴らしく「ドン」に聞こえます。最近のトールボーイ型スピーカのように比較的小径のウーハーを複数個使う1つの理由は、この点にあると思われます。

僕が今まで経験した中で最も理想的な低音再生が可能な装置は、LEANAUDIOのリファレンスでもあるVicotr製のトップマウント型カナル型イヤフォンです。耳穴に入るほど小さな振動板が鼓膜のすぐ近くで振動し、介在する密閉空間が非常に小さいため、鼓膜をビシバシに駆動してくれます。遺伝のせいか僕の姪もベースを基準に音楽を聴く癖があり(彼女はメタル系専門の音楽業界人)、彼女にこのイヤフォンをプレゼントしたところ「ベースがメッチャよう聞こえるわ!」と非常に気に入ってくれました。

低音ビートの正確な再生こそが、スピーカによる音楽再生において最も困難な課題であると思います。密閉型スピーカとデジタル信号処理により、この問題を飛躍的に改善できる事は、当ブログで再三ご紹介した通りです。

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2011年04月21日 (木) | Edit |
3"フルレンジドライバを含む小型密閉型SPとの組み合わせに適しそうな小型のパワードサブウーハーとして、FOSTEXのCW200Aをご紹介。20cmサブを1本使用した場合、ハチマルの13cm2本方式よりも低音音量的には余裕があると思います。シアター用の馬鹿低音を求めないのであれば、もう一回り小さくても良いかもしれません。
735.jpg
メーカーサイトはコチラ

以下は本製品の商品説明からの抜粋です。
超高級モデル以外の従来のサブウーハーはバスレフによるLFE(低音効果音)の大音量再生を重視した設計であり、低音楽器の最低音域の表現は困難でした。CW200Aは密閉型キャビネット設計により、フルオーケストラの醍醐味のひとつである弱音で演奏される低音楽器のうなりや響きを再生できる音楽性 能と、シアターでのLFE再生の両立を目指しました。音楽が持っている楽しさ、感動を伝えるためには自然な低域の広がりが不可欠です。(ソノトーーリ。。。タケモトピアノ風に)

以下は本製品の上級グレードにあたるCW250Aの商品説明からの抜粋です。
独立したサブウーハーの最大の問題点は、群遅延時間の増加です。極端な例は、バスレフ型でジャズトリオを再生するとベースの演奏が後打ちに聞こえてしまうこともあり、興醒めしてしまいます。密閉型の遅延はバスレフ型の約半分になりますが、更なる改善にはMFBが有効です。本機は密閉型である上に60Hzにおいて24dBものMFBを掛けることにより更に改善しており、ベーシストがジャズを的確なテンポでしっかりと下支えしている快感が楽しめます(これもソノトーーーリ)

というように、ハチマルがこのブログで再三強調しているのと全く同じような事が書かれています。そこまで言いながら、何故通常のスピーカー向けには大型も含めてバスレフ型ばかりを作り続けるのか?このサブウーハーとの組み合わせに適した小型密閉型スピーカーをどうして作らないのか?フシギ。。。

追記1
MFBとは、モーショナル・フィード・バックの略であり、スピーカーコーンの振動速度を検出し、アンプ入力と比較する事によってコーンの動きを制御するフィードバック制御の事。ハチマルの場合、FrieveAudioの位相補正によってオープンループで同じような事をしている。その効果は下図をご覧ください。

バイアンプ駆動ウーハー方式での測定結果。ピチカートベース音。赤がCDのソース信号、青がマイクで拾った音響出力信号。
565_20110421065447.jpg
遅延補正なし↑
564_20110421065445.jpg
遅延補正あり↑

MFB方式はリアルタイムで赤(アンプ信号)と青(音圧またはコーンの運動)を比較しながら、両者が一致するようにアンプのゲインを閉ループ制御する方式の事です。これに対しオープンループ方式は、事前に測定した遅延特性を基にフィードバックなしで固定的に補正する方式です。後者の方が精度的に劣る反面、フィードバック制御に伴う複雑な問題的挙動を伴わないという利点があります。FrieveAudioを使用した経験から、この種のアプリケーションではオープンループ方式で十分ではないかと思います。なんにもしなくてもバスレフ方式よりはずっとマシですし。

追記2
ハチマルは以前から、ジャズ等では30Hzまでの再生の必要性をさほど感じないが、交響曲を聴く時には30Hzまでフラットだと嬉しく感じると書いてきました。それはFOSTEX言うところの「フルオーケストラの醍醐味のひとつである弱音で演奏される低音楽器のうなりや響きを再生できる音楽性能」というやつなのかもしれません。ダイゴミだったのね。。。50Hz以下の信号レベルは高くないのですが、これが聞こえると交響曲を聴く楽しみがグッと増すような気がするのですよ。ハチマルは。もともとはカナル型イヤフォンで聞いて気が付いたんですけどね(しかも携帯電話で再生)。

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2010年12月23日 (木) | Edit |
このブログを立ち上げる以前は、ハチマルも4Lのバスレフ型から始めて、ポート長/径はもちろん、断面形状、開口端のファンネル形状/風切り音対策、内部音の直射を防ぐためのボックス内外の仕切り板、吸音材の量等々、それはそれは片っ端から試したのですが、何をやっても長時間聴いているとそのうち癖が耳に付きだして結局ポートに吸音材をドンドン詰めて密閉型にナッチッタ。。の繰り返し。
締まりのない低音を嫌って容積を2.5Lへ縮小し、それでも駄目で結局密閉型にして市販のパワードサブウーハー(密閉型に改造)を追加、さらにサブウーハーなしのAlpair5馬鹿ブースト、Alpair5だと時々低音がズッコケルのでバイアンプ駆動の密閉型13cmウーハーによる低音アシスト。。。。を経て、Alpair6 Mの馬鹿ブースト一発が今一番のお気に入りというトコロで落ち着いています。結局全ての帯域の音を振動板の「前面」だけから発生するというのが最もシンプルで最も自然に聞こえるという事だと思います。「音」自体がツマラナイとかツマルとかの問題ではなく、記録されている「音楽」をできるだけ自然な音で明瞭に正確に聴き取って、「音楽のツマルところ」を存分に楽しみたいというのがハチマルの願いです。

。。。。。と偉そうに言ったものの。。。。。思うに。。。チョット脱線しますが、
MarkAudio Alpairシリーズの恩恵が大きいのではないかと最近ふと思います。というのは音が非常に明瞭かつ自然であるため、付帯音を徹底的に取り除いても音が際だつのではないのか? 付帯音を落とせば落とすほど響きが自然で美しく聞こえるのって、もしかしてAlpairのおかげかもしれないゾ?とね。以前使っていたF80/AMGだと音が沈んでしまって確かに「音がツマラン」かったコトを思い出しました。あの頃は吸音材なしで戸澤を入れただけだったし。もうちょっと音に艶が欲しいとか言ってゴニョゴニョとイヂッタ記憶が。。(背圧を抜くためのポチの尻尾とかアホなコトをした)。


で本題に戻りますが、
どのくらいまで低域特性を延ばす必要があるのか?。。。というのも今までにイロイロ試してきました。FrieveAudioイコライザを使えば周波数特性を如何様にも調整できるのでそのへんはトッテモ簡単です。
結論としては
● 50Hzまでフラット(43Hz/約-3dB、30Hzで-9dB)であれば十分
● でも交響曲を聴くと30Hzまでフラットにした方がホンノリ嬉しいゾ
というところかな?

部屋全体の空気を動かすような大ボリュームで再生すれば違ってくるかもしれませんが、それはハチマルの目指すトコロではありません。

下図はA6 Mの馬鹿ブーで20Hz、30Hz、50Hzまでフラットに修正した時のF特です。
655.jpg
赤の測定データはA6 Mの未補正特性、赤の直線は-12dB/Octの減衰ラインです。A6Mは吸音材をタップリ入れて機械的共振を殺しているので50Hzまでは-12dB/Octラインには乗らずにダラ下がりの特性になっています。ピンクのラインは50Hzに共鳴点を合わせた場合のバスレフ型の減衰特性です。2つ前の記事の計算結果を反映しています。

50Hzフラット(-3dB/43Hz)であれば、前の記事の黄色帯域(40Hzまで)を十分に再生できます。また密閉型であるため、それ以下の周波数のレスポンスもなだらかに減衰するので30Hz/-9dBを確保できます。市販の立派なスピーカーと比べても遜色の無い特性だと言えます。
664 copy
カタログデータで30Hz/-10dBの特性を持つFOSTEX G200 (20cmウーハー2本使用した4Wayスピーカー)との比較。13cmドライバを+6dBするだけで、ほぼ同等の特性が小容積の密閉型で得られます。もちろん最大音量では負けますが、一般家庭で常識的な音量できく分には十分だと思います。左側のラインは30Hzフラットの特性。

普通サイズの部屋では、50Hz以下で部屋の音響特性によるゲインが発生するので、一般向け市販品であれば30Hzまでフラットに延ばさない方がかえって良いかもしれません。極低音でブーミーになる可能性があります。音場補正を前提とするか、ハチマルのように1m以内のニアフィールドリスニングを前提とするのであれば30Hzフラットでも良いけれど。。。

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ハチマル部屋の距離1.4mでの特性(参考記事)。50Hzから25Hzにかけて約+12dB/Octのゲインが発生しています。小さめの部屋で1m以上離れて聴く場合は50Hz以下をブーストしない方がかえって良いかもしれませんよ。お部屋の影響はとにかくデカイのでご注意!

前の記事のスペクトルを見る限り、交響曲の30Hz以下の信号レベルは大して高くないのですが、どういうワケか30Hzフラットで聴いた方が微妙に嬉しく感じます。理由はよく分かりません。普通のオーケーストラでは、ソンナニ低い音を出す楽器は使っていないと思うのだけれど。。。ホールの残響?それとも多数の楽器によるモジュレーション?

大概の楽曲では50Hz以下の信号レベルは高くないので、別にフルブーストしても振幅レベルは大した事にならないため、普段は30Hzフラットを標準設定としています。しかし、マドンナの曲(前の記事のBad Girlのスペクトルを見てね)ではモロ30Hzまで高い信号レベルが記録されており、これを30Hzフルブーストで再生するとデスクの振動が手に伝わって気色悪いのでブーストを落とします(A6M自体はこの低音でも破綻せず平気で再生してくれるんだけどね)。

低域応答をフラットにするために必要なイコライザ係数を下図に示します。
658.jpg
赤がAlpair6 M+2.5L密閉、青が13cmウーハー+4.0L密閉です(共に吸音材タップリ)。縦軸は200Hzを0dBとしてプロットしています。この図から、A6 Mでは+12dB、13cmウーハーではたったの+6dBで50Hzまでフラット(43Hz/-3dB、30Hz/-9dB)の特性が得られるコトが読み取れます。

FrieveAudioは内部演算を64bit分解能で行い、DACに合わせて24bitで出力するため、+48dBを超えるブーストをしない限り、オリジナルの16ビットデータの最小ビット情報を失う事はありません。また、ビットのオーバーフローが発生すると、自動的にレベルを調整してくれます。iTuneとかのオマケのイコライザとはワケが違います。+12dB程度のブーストで果たしてどの程度の音質劣化が感じられるのか?分かりませんが、バスレフ型に比較した場合の「総合的な音楽再生クオリティの向上」に比べれば、そのような「音質」の劣化は「屁」みたいなものだと思います。

デジタルブーストがどうしても受け入れられない場合は、

バイアンプ駆動の密閉型ウーハーによる低音アシストでも良質な低音再生が得られます(いわゆる新システム: 参考記事)。ただしアナログフィルタを使用する場合にはどうしても位相の問題を避けられません。下図は、アナログチャンデバの位相遅れによる波形の崩れを示しています(ピチカートベース音: 赤がCDの信号、青が再生音波形)
565_20101219084943.jpg
位相遅れによって波形は崩れますが、バスレフのようにトランジェント部で波形が大きく崩れる事がないので、ピチカートベースではほとんど気になりません。ただし、このような波形ではポールチェンバースのアルコ(弓引き)のソロパートで違和感を覚えた経験があります。
FrieveAudioは位相も補正してくれます(ON/OFF可能)。上と同条件で位相補正をONにした波形を下に示します。
564_20101219084914.jpg


。。。。。という具合に、8cmクラスのドライバでも、小容積密閉箱に入れて100Hz以下を約+12dB/Octの傾きで+12dB程度までデジタルイコライジングするだけで、いとも簡単に位相まで含めて極めて正確で十分な低音再生能力が得られます。中高域の音をイヂリたくないというのであれば、全域の音場補正をせずに200Hzなり100Hz以下の低域だけブーストすればヨロシイ。一般にアタリマエのように使用されているアナログ式の-12dB/Octフィルタは、クロスオーバー点で位相が180°もずれます(だから普通はツイータを逆相でつなぐ)。そんな代物が平気で使われているワケですから、デジタルフィルタによる多少のブーストくらい「屁」でもないでしょう。。。と思うのですが。そもそも音源は最初っからデジタルデータなんだし。。。

もちろんブースト領域の最大振幅によって音量的な制限を受けますが、Alpair6 Mにしてからは低音が破綻せず全く音量的な不足を感じません。さすがにAlpair5では無理があったなぁ。。と反省。
ブースト量を+12dB程度に抑えておけば、音量的な制限は大した問題にはならないでしょう。6畳クラスのマンションの小部屋であれば10~8cmクラス一発で全くOKだと思います。13~16cmクラスのドライバを使用すれば、一般家庭のリビングでも快適音量で聴く分には十分ですよ。きっと。

1982年にCDが発売されてからもうすぐ30年になろうとしています。音源がデジタルで配布されるようになって30年。。。。どしてコンナニ簡単な方法が未だに普及していないのか? ハチマルには不思議で不思議で不思議でと百回言っても足りないくらい不思議でなりません。

もしかして簡単過ぎてマニアにはツマライから???
オーディオってのは電線の違いを聞き分けるようなマニアだけのためにあるのではアリマセン。
鉄道だって、前照灯のちょっとした位置の違いで型式を見分ける鉄道マニアのためにあるのではないのと同じです。アタリマエだけど。。

やたらコマケー事は置いといて (前照灯の位置の違いなんか興味ないから)、普通のリスナーに (普通の通勤客を) 必要十分な音質+適正価格で肝心の音楽を低音までマヂメにキチンと聴かせてチョ (低料金で乗り心地よく安全に運んでチョ、鉄道会社はマジメに頑張っていると思うけど)。。と言いたいぞ。ハチマルは。

以上で「シツコイけど」3回シリーズはオシマイ。

追記
LEANAUDIOコンセプトにとって極めて重要なFrieveAudioMarkAudio Alpairについては、あらためてキチントした記事を書きたいと考えています。ただ書くことが多過ぎてまとまらないのよ。あと、ジャコのコトもね。

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2010年12月18日 (土) | Edit |
バスレフ型というのは、密閉型では不足しがちな低音を補強するために発明された巧妙な手法です。この手法では箱に適当な長さ/太さのダクトを設ける事により、ヘルムホルツの共鳴効果を利用して特定周波数領域の音響出力を増強します。しかし、当ブログで再三取り上げているように、この方式には避けて通れない様々な欠点が存在します。今回は、そのあたりをシミュレーションを使用して再検討してみます。

例によって「スピーカー設計プログラム アプレット版」を使用しました。このツールは、当ブログでも再三にわたって実験結果と比較し、十分な精度を持つ事を確認しています。

ツールのデータベースからMarkaudioのAlpair 6 MetalのTSパラメータをそのまま使用し、ポートの共鳴周波数を50Hzに合わせ、吸音材の量は「なし」に設定しました。

まず、50Hzに共鳴点を合わせた時に50Hzまでフラットな周波数特性が得られる容積をトライアンドエラーで探しました。その結果、容積=5L、ダクト長=120 mm、ダクト直径=30 mmで良好な結果が得られました。結果を下図に示します。クリックで拡大してご覧ください。
650.jpg
緑が振動板前方からの出力、濃い青がポートからの出力、水色がトータル出力です。赤の二山はドライバのインピーダンス、紫は振動板の振幅、一番下の緑は位相です。

100 Hz以下で振動板の出力は低下し始め、これをポートからの出力が補って共鳴点の50Hzまでほぼフラットな特性が得られています。共鳴点では振動板はほとんど動かず、専らポートから音が出ている事が分かります。共鳴点以下では、ポートと振動板の音が逆位相となるために、互いに弱め合って出力は急激に低下します。

次に容積は同じ5Lのまま密閉型にしてみました。
651.jpg
これを比較のためにバスレフ型のグラフに重ねたのが下図です。密閉型のデータは全て白でプロットしています。
652.jpg

密閉型の容積を2.5Lまで下げた結果を下に示します。
653.jpg
白抜きは5Lの結果です。容積を半分にしても、40Hzの出力は1.5dB程度しか低下しません。下はもっと極端に5.5Lから0.2Lまで容積を変化させた計算結果です(参考記事)。
567_20101218125009.jpg
密閉型の場合、容積を小さくするとドライバの機械的共振効果が下がるだけで、それ以外の領域のレスポンスはほとんど変化しません。LEANAUDIOではこの機械的共振効果をタップリの吸音材で殺してしまうので容積は重要ではなくなります。

バスレフ型を2.5Lにしてみました。共鳴点は50Hzに合わせています。この容積ではフラットな特性は得られません。
654.jpg
この容積で50Hzに同調するには、ダクト径30mmに対して300 mmものポート長が必要になります(ポチ型ボックスには入らないっす)。また、ポート自体の共振もより強くなります(音もより筒っぽ臭くなるということ)。

以上からバスレフ型の問題点を挙げてみます。
1) ポートの位相反転により、共鳴点以下で出力が急激に低下する
グラフから読み取ると、50Hz以下では-28dB/Octの傾きで急激に減衰します。これは密閉型の-12dB/Octの2倍以上の傾きです。上から3番目のグラフの左側の赤いラインは-12dB/OCtの傾きを持ち、密閉型を50Hzまでフラットにデジタルブーストした時の特性を表しています。

2) 位相遅れが大きい
グラフの最下段の緑の線が位相特性です。グラフが上に行くほど位相が遅れます。バスレフ型の場合、共鳴点前後で位相が急激に遅れる事が分かります。グラフ左上隅の時計の針は40Hzにおける位相を表しています。20kHzでの位相は時計の3時15分くらいの位置です。密閉型でも40Hzで約120度の遅れが発生しますが、バスレフ型ではその約2倍の遅れが発生しています。ちなみにFrieveAudioは、このような位相遅れも非常に正確に補正してくれます。

3) ポートからポート自体の共振音が出てくる
ポートからの出力を見ると、約1kHz に大きなピークがあり、そこから高周波側にいくつものピークが見られます。これはポート自体の共鳴によるものです。このため、本来の狙いである低音以外にもポートの「筒っぽい音」がどうしても出てしまいます。
この周波数は下式でザット見積もれます。
共振周波数 = 34000/(ダクト長(cm)+ダクト径(cm))x2) Hz
この計算だと、共振周波数は1.1 kHzとなり、グラフにほぼ一致します。
箱に十分な吸音材を入れない場合は、箱の定在波の音もポートから放出されます。

4) 共鳴周波数を下げるには、それなりの容積が必要
一般にバスレフ型の方が密閉型より小型にできると言われていますが、デジタルブーストを前提にするならば、その関係は逆転します。

以上を過去に計測したデータと照らし合わせてみます。

1)下図は2.5Lでのバスレフvs密閉比較です(参考記事)。吸音材を全く入れていないので、定在波の影響がモロに出ています。
545_20101218114616.jpg
バスレフ型は共鳴点の80Hzから40Hzにかけて1 Octで実に36dB以上も出力が低下しています。同区間の密閉型の低下量は例によって12dB/Octです。

2) 下は、ピチカートベース音の再現性を比較したものです。554_20101218112849.jpg
556_20101218112925.jpg
赤のラインがCD内の信号波形、青がスピーカ前方で測定した音波形です。上がバスレフ、下が密閉+デジタルブーストです(参考記事)。これは共鳴点よりかなり高い周波数での結果です。共鳴点では、影響がさらに顕著になると考えられます。上の波形では、位相遅れというよりは、音の出だしのトランジェント部の波形に大きな問題が見られます。このため、ピチカートベースの音を重視するハチマルにはバスレフ型がどうしても受け入れられませんでした。ちなみに、上図のデジイコは手動でテキトーに設定したものですが、全域フラットに自動音場補正すると、下図のように信号と音波波形はほとんど一致します。
659.jpg


3) 下図はダクト音の実測値です(参考記事)。
548_20101218114040.jpg
この時のダクトの長さ8 cm、太さ2.3cmから共振周波数を計算すると約1.6kHzとなります。800Hzの立ち上がりは箱の定在波の影響が強いと思われますが、2発目のピークは明らかにポート(筒っぽ)の固有振動の影響だと考えられます。結構レベルがでかいのには驚かされますね。上の周波数特性グラフにも、定在波以外のポートの影響が見て取れます。

以上、このブログで再三述べてきた事を敢えて再度しつこく取り上げました。

バスレフ型は、信号処理技術が発達していなかった当時に低音を稼ぐために考え出された極めて巧妙な手段だと思います。過去のオーディオ技術者達の叡智に敬意を払うに吝かではありません。しかし、音源がデジタル化されたこの時代において、数多の欠点を背負いながら未だにアタリマエのように使われ続けている事には大きな疑問を感じざるを得ません。やたらと微細な「音質」に拘泥する以前に、100Hz以下の低音を正確/明確に聞き取れるようにする事は、「音楽をより楽しく深く聴くため」の「総合的な音楽再生クオリティ」にとって極めて重要であると認識するハチマルには不思議でなりません。オーディオ技術が真っ先に解決しなければならない長年の最大の課題がかくもお座なりにされ、微細な「音質?」とか「ナンタラ感」を追い続ける現在の「ピュアオーディオ」とやらには憤りすら禁じ得ません。ホンマニ。。。

マニアはどうでもヨロシイ。。。。しかし、装置の事なんか何も知らずに普通に音楽を聴く人々が、アタリマエのようにしっかりとした低音を聴けるようになる事は非常に重要だと思います。まあ、今はイヤフォンの性能が素晴らしく向上したので、根本的に進化しないオーヂオ装置で聴くよりも、そちらで聴く方が余程良いといえばそうかもしれませんが。。。

次回に続く。。。。

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2010年06月26日 (土) | Edit |
新システムの方はウーハー側の吸音材を増やす事によって微妙な違和感もなくなり、もうイヂルところは無さそうです。今まで実験君的に適当に箱を作ってきたので塗装も雑ですしバスレフポート用の穴も粘土等で適当に塞いでいるだけです。なのでそろそろ見栄えのする箱でも作ろうかなぁ。。。。B&Wみたいなのを。。。

と考えていたのですが根っからの開発屋なので綺麗に作るという事に対してはナカナカ意欲が沸きません。面倒臭い事は嫌いなのよね。それよりも夏場用に小さな音でも十分に音楽が楽しめる超ニアフィールド システムの実験を始めようかな。。。とね。そっちの方が絶対にオモシロイ。

サブウーハー用のモノラルアンプと8cmドライバーが2セット余っているので、とりあえずこれらを組み合わせて近々実験を始める予定です。スピーカーから耳までの距離は50cm以内を目標とします。キーボードの前または後に置いても仕事の邪魔にならない超コンパクトなシステムを目指しますが、ブーストなしでも50Hzまでフラットな特性は維持できそうです(昨日ちょっとだけ実験済み)。

このシステムは2.1ch構成にする予定です。卓上のコンパクトなシステムを目指すため、メインスピーカーの容積をどこまで小さくできるかが鍵となります。

と言うことで例によって「スピーカー設計プログラム アプレット版」で密閉型スピーカーにおける容積の影響を計算してみました。

567.jpg
上図はAlpair5を5.5 Lから0.2 Lの密閉箱に入れた場合の特性です。赤はスピーカーのインピーダンス、紫は振動板の振幅です。容積が減るにつれてインピーダンス(赤)のピークが高域側へ移動し、それに伴ってピークの高さ(すなわち共振の強さ)が減少します。

共振ピークが抑えられる事によってスピーカーの出力も減少します。このように密閉型の場合はスピーカーの共振によって低域のロールオフ周波数がほぼ決まります。このためドライバーの最低共振周波数(fs)が低いスピーカーほど低域を伸ばす事ができるという訳です。
容積の影響はスピーカーのインピーダンス特性が変化する領域だけに現れ、従って共振の効果がなくなる50Hz以下では箱の容積の影響はほとんど見られなくなります。言い換えれば、密閉型はスピーカの共振を利用して低域を「増強」しているとも言えます。

しかし、この共振領域では小さな入力でも振動板が大きく動こうとするため、特にダンピングファクタの低い小型の真空管アンプでは影響が顕著に表れます(制動が不足する)。僕はスピーカーの共振によるダンピングの弱まった音が嫌いなので、吸音材をたっぷりと詰め込んで共振を抑え込んでいる事は以前の記事で書きました(まだお読みでない方はコチラを先にお読みください)。従って現在のシステムでもさらに箱を小さくしても良いかもしれません(現在2.5Lですが1.5Lくらいまで減らしても良さそう)。

もちろんフルレンジ スピーカーをそのまま使用する場合には、密閉箱の容積を減らすとてきめんに低域が痩せてしまいます。しかし僕のようにデジタルイコライザとバイアンプ駆動のウーハー(またはパワードサブウーハー)を使用し、かつ、ダンピングの効いた低音を好む場合には、容積をかなり小さくできるはずです。まずは1Lから開始して0.5L程度までトライしてみようと思っています。

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2009年05月31日 (日) | Edit |
以前の記事に何度か書きましたが、僕の場合、バスレフ型ではジャズのピチカート ベースの音にどうしても違和感を感じてしまいます。逆にクラシックのオーケストラを聴く場合はバスレフ型の方が好ましく聞こえます。今回はこれについて考えてみます。

僕がバスレフに対して敏感な理由の1つは、スピーカーから近い距離で聴いている事に起因するのではないかと考えています。

バスレフポートからの音と振動板前面からの音の間には周波数によって変化する位相のずれがあり、ある周波数から下では位相が逆転してしまいます。一般的なステレオ装置のセッティングで聴く場合、リスナーはスピーカーからある程度の距離を置くため、特に低域においては部屋からの反射音の影響を近接距離で聴くよりも強く受けます。反射音は様々な経路を通って耳に届くため、最短距離で届く直接音に対して様々に遅れた位相を持ちます。従ってこのような条件で聴く場合には、バスレフポートの位相差はそれほど目立たなくなるはずです。
しかし僕のようにニアフィールドで聴く場合は反射音の影響が弱まるために、ポートの位相差が上記よりもはっきりと感じられるのではないかと考えられます。

もうひとつは、ジャズのベースラインの聞こえ方を重視する僕の癖が影響していると思われます。
クラシックのコントラバスは基本的に弓弾き(連続音)ですが、ジャズではピチカート(断続音)を多用します。パルシブな音では位相遅れの影響がより大きく感じられるはずです。バスレフ型でピチカート ベースを聴くと、弦を弾いたときの「ボン」という主体音に混じって「ボー」という感じで主体音とは分離したような不自然な低音が聞こえる事があり、これがバスレフ嫌いの最大の要因になっています。多分距離を置いて聴けば反射音と混じり合って気にならなくなるのかもしれません。

一方、クラシックのオーケストラを聴く場合にバスレフの方が好ましく感じられる点については、位相の遅れた低音が含まれる事によって擬似的な反響音(エコー)の効果が得られるためでは無いかと考えています。密閉型を近接距離で聴くと、オーケストラの低音の響きがソリッドすぎて味気なく感じる場合がありますが、音階情報の希薄な50Hz以下でバスレフ効果を使用する事によって、この傾向が和らぐように思えます。クラシックの場合、50Hz以下の信号は交響曲でも強くないのですが、「響き」の奥行きや広がりを再現する上でとても重要な帯域ではないかと思います。この部分をバスレフポートに受け持たせると響きの広がったような良い感じに聞こえます。

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2009年03月16日 (月) | Edit |
つい先日、メインスピーカーに使用しているF80AMGポチ1型の例のノーチラス尻尾を外して密閉型にしてみました。

以前はをF80AMGを密閉型にすると音がデッド(窮屈)に感じたので40cmのロングダクトを付けて背圧を抜いていたのですが、久しぶりに塞いでみると以外にOK。以前のように音が沈み過ぎるように感じる事はなく、中低音に締まりが増したような気がします。。。自慢の尻尾いらんやん。

027b.jpg
ポチ自慢の尻尾が不要に
関連記事は コチラ
さらに、先月くらいからシンバルの音がすごくクリアに聞こえるので、付けっぱなしにしていた超小型スーパーツイーターBATPUREのおかげだと思っていたのですが、3日前にスピーカーセレクターを買ってON/OFF比較してみると全然変化が感じられません。うーん。ここに来てBATPUREの効果がよく分からなくなってきました??

082c.jpg
超小型スーパーツイーターTAKE-T BATPURE
効果の程はまだ不明
関連記事は コチラ
ということで、どうやらF80AMGのエージングが進んで音に艶のようなものが出てきたようです。初期はずいぶん地味な(よく言えば癖が無い)ように感じて、もうちょっと音に色気や元気があっても良いかな?と思っていたのですが、エージングが足りてなかったんでしょうね。エージング効果恐るべしです。購入してから約4ヶ月間ほぼ毎日6から8時間は使用していますので、エージングって結構時間がかかるものなのかも知れません。あるいはニアフィールド使用なので音量が小さいために長くかかったとも考えられます。

これに気をよくしてサブウーハーのダクトにも吸音材をかなりギュウギュウに詰めてみました。実質的にほぼ密閉型になっていると思います。測定すると低域のレベルは僅かに落ちているのですが、聴感では逆に低音の重みが少し増したように感じます。サブウーハー側のボリュームはもともと1/4位置より低いのですが、これをほんの僅かに(感じとしては0.5mmくらい)上げてやれば、以前と同じイコライザ係数で30Hz/-3dBが確保できました。

という訳で、現在はメインもサブウーハーも密閉型にして使用しています。以前のようにデッドになりすぎる事もなく、もともとダイレクト感に優れていた低音がよりタイトになり、低域音の明瞭性がさらに向上したように感じます。

ただし、僕は音の明瞭性を最優先とするためスタジオモニタ的な傾向 (あるいはカナル型イヤフォン的傾向) を好みますが、音の響きや奥行きといった本来ソースにはないけれど再生場の反響を利用した臨場感や雰囲気を求める方には味気なく感じられるかもしれません。このへんは好みの問題だと思います。

今まではFrieve Audioで30Hz以下をブーストすると時々ボーボーという感じのブーミーな音がするので30Hzから20Hzにかけてイコライザで急激に減衰させていたのですが、両方のスピーカーを密閉型にする事によってこのような現象もなくなり、20Hzまで平気でブースト可能となりました。バスレフのように振幅の急増や位相の反転が無い密閉型の利点と言えます。

169.jpg
赤: バスレフ、30Hz以下を急減衰
黒: 密閉、30Hz~20Hzで+10dB

加銅氏が「十全のスピーカー」として求める低域特性(25Hz/-5dB)がほぼ達成できた事になります。グラフでは大した違いは無いように見えますが、実際に聴くとオーケストラの通奏低音の響がはっきりと異なります。

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