FC2ブログ
--年--月--日 (--) | Edit |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2012年08月04日 (土) | Edit |
今回はレビュー記事に役立つと思われる計測データについて書いてみます。

もちろんデータが全てでは決してありません。しかし、データを「正しく」活用すれば、読者により多くのより精度の高い客観的判断材料を提供する事ができます。また、現象のメカニズム(理屈)に関する理解を深める事ができるため、その先のさらなる改善のヒントともなります。これらのデータはユーザのみならず、製造業者にとっても貴重な情報となるでしょう。当然ですが、誌面では、それらのデータを「正しく」解釈するための「知識」を読者に繰り返し提供しなければなりません。データを扱うにはいかなる場合も慎重な配慮が必要です。「正しく」扱わないと、全く逆効果になってしまう可能性すらあるからです。データを「正しく」活かそうとする努力を怠り、「データでは音が伝わらない」などと安易に片付けてしまう体質は、工業製品を扱う機械イヂリ趣味を対象とする雑誌として、早急に改善すべきであると思います。このような体質が魔境化の大きな一因となり(だって、何の裏付けもなく言いたい放題でやたら高価でしょう)、多くの人々に胡散臭さを感じさせて門戸を狭め、ひいてはオーディオ趣味の衰退を招いているように僕には思えます。

前回はバイノーラル録音データの添付について提案しました。試聴条件を厳密に揃えた上で、優れた資質と的確な表現力を持つ評者のコメント(ブラインドが好ましい)とバイノーラル録音データを組み合わせれば、かなり有用な情報を読者に伝えられると思いますが、今回は、それらを補足する情報として、どのような計測データが役立つのか、僕が実際に計測したデータを例として挙げながら、考えてみます。

1) リスニング環境
製品の評価を行うに際して、可能な限り条件を揃えるべきなのは当然です。でないとデータのみならずそのレビュー記事そのものの意味は大きく損なわれてしまいます。特にスピーカの位置とリスニング位置は大きく影響するため、毎回できるだけ正確に条件を揃える必要があるでしょう。そして、そのような標準位置で計測した部屋自体の周波数特性を毎回必ず掲示すべきであると思います。これは、20Hzまで完全にフラットに再生できる密閉型ウーハー(FrieveAudioで完全フラットに補正)を音源に使って計測できます。ディップやピークだらけの状態では、また、毎回設置位置やリスニング位置が異なるようでは、読者に正しくその製品の特徴を伝える事などできるわけがありません。「その場その時に聞いた」印象を伝えるのが目的ではなく、その製品本来の特徴を読者に伝える事がレビューの目的であるはずです。再三申しているように、音楽再生において部屋の影響は絶大であり、ユーザの部屋の環境はそれこそ千差万別であるという大前提を念頭に置いてレビューを作成すべきであるという事です。でなければ、それらの記事は単なる読み物に過ぎぬでしょう。

603_20120804063707.jpg
上図は、現在のZAP BASSの位置に置いた密閉型13cmウーハをFrieveAudioで20Hzまでフラットに補正し、これを音源として計測した部屋の特性です。青が補正済み13cmウーハの前方約20cmでの特性(20Hzまでほぼフラット)、赤が部屋の中央のやや後方で計測した結果(距離約1.4m)です。100~50Hzでディップ、50Hz以下でゲインが発生しています。僕の部屋(狭い部屋に大量の本と簡易ベッドを詰め込んでいるのでかなりデッド)の計測結果では、部屋の中央より前寄りで聞かない限り、まず例外なくこのような約±12dB程度の顕著なディップとゲインが発生します。同じ部屋であっても、スピーカの設置場所を変えると、ディップとピークの発生周波数も変化します(コーナー設置のTONO君では250Hzにディップ、70Hzにピークが発生)。また、位置関係を相似のまま部屋を大きくすると、ピーク/ディップ周波数は低周波側へ移動します。

100Hz以下の定在波は、本格的な無響室でもない限り、大きくは改善できません。試聴室においては、このようなピーク/ディップが極力発生しない位置関係を選定し、全ての製品の評価を同じ位置関係で行うべきでしょう。最大限の努力を払っても除去しきれなかったピーク/ディップを試聴時にデジタルイコライザで補正すべきかどうかの判断も必要かと思われます(スピーカの特性補正ではなく、部屋だけの特性補正)。

製品の特徴が表れやすように部屋はデッド傾向がよろしいかと思います。基本的に、その場その時に評者の主観的「良い音」で鳴らす事が目的ではなく、製品の特徴を読者に伝える事が目的であるという事を常に念頭におく必要があるでしょう。でないと単なる読み物になります。

部屋のサイズも製品クラスに応じて変更できると良いかもしれません。通常、部屋が小さいほどピーク/ディップが発生する周波数は高くなる傾向にあります。このため、低域特性が伸びていない小型スピーカの場合、広い部屋では低音不足に聞こえても、狭い部屋では部屋による低音ゲインのおかげで丁度良く聞こえる等の現象が生じると思われます。たとえば、上図のような特性の部屋では、50Hzまフラットな密閉型スピーカでほぼ30Hzまでフラットな特性が得られます(ディップはイコライザで補正する必要あり)。逆に、30Hzまでフラットに特性が伸びた大型スピーカをこのような部屋で使うと、50Hz以下の超低音が過多となるでしょう。このように、スピーカは部屋の影響をもろに被ります。その意味でも、スピーカ位置と試聴位置を慎重に選択し、全ての評価でこの位置関係を可能な限り一定とした上で、試聴環境の特性を公表する事は極めて重要であると言えます。

また、温度と湿度はスピーカの振動板の物理特性に大きく影響するでしょうから、エアコンディショニングは年間を通して必須です。当然ですが、暗騒音も時間帯や季節によって変化があってはなりません。微小なオンシツの差や印象など、これらの環境条件の変動に完全に埋もれてしまうでしょう。

2)スピーカの周波数特性
オーディオシステムの評価において周波数特性は最重要です。何度でも言いますが、非常に安価な電気回路でも音楽再生には必要十分な周波数特性、S/N、歪特性を達成できている現代において、音楽再生に最も強く影響するのはスピーカと部屋の周波数特性です。部屋の特性は主に500Hz以下の低音領域で支配的となりますが、スピーカの特性は主に中域(500Hz~5kHzくらいかな?)の印象に強く影響するように思われます。3dB程度の差でも随分印象が変わります。評者の主観的コメントとこの領域の周波数特性曲線の形状を照らし合わせて見れば、かなり強い相関性が見られるでしょう。周波数特性は、読者がそのスピーカのキャラクタを伺い知る上で最も有用な不可欠の情報であると言えます。

616_20120802075734.jpg
黒: Alpair 5(メタル)、赤: 6M(メタル)、緑:6P(紙)の比較(2.5L密閉箱、距離20cmで計測)
振動板の材質は5と6Mがメタルで6Pが紙ですが、200Hz~10kHzのF特は5と6Pが極めて類似しているため、材質が異なるにも関わらず、両者の音には非常に近い印象を受けました。これに対し、6MはF特形状が異なるため、他から明らかに異質に聞こえて驚かされました。このように、スピーカの中域の周波数特性は大きく音の印象に影響します。F特差に比べれば、振動板材質差による印象の違いは非常に微小に感じられました。人間の聴覚は約1~5kHzで最も感度が高くなるため、この音域の差は特に大きく感じられるのではないでしょうか。

計測は、そのスピーカ自体の特性を見るための近接測定(できれば無響室が理想的)と実際のリスニング位置で行うべきでしょう。メーカの公表値や特性グラフは条件が不明であるため何の役にも立たぬと考えた方が良いと思います。また、上で書いたように、読者の実使用環境に合わせるために、スピーカのサイズに応じて異なるサイズの試聴室を用意できると理想的でしょう。

以上の周波数特性(リスニング位置の部屋の特性、リスニング位置のスピーカの特性)は、全ての試聴記事に添付すべき必須データであると言えます(たとえアンプやプレーヤの評価記事であっても常に必須です)。

今回は、ここまで。。。。次回は、スピーカだけでなくアンプの評価にも使える主に超低域の波形観察(定常歪みと動的挙動)について書きます。

追記
僕は水虫君とは殆ど無縁なのですが、ジムで貰ったと思われる足の小指にできた小さな水虫君から質の悪いばい菌君が入ってしまったみたいで、数日前からリンパ腺が酷く腫れ、全身に蕁麻疹が発生して、オシゴトも半ば休業中です。どういうわけか両手両足が腫れ上がってしまい、キーボードも打ちずらい状態が続いています。お医者で点滴と注射をしてもらったのですが、なかなか改善の兆しが見られません。トホホです。痒いし痛いし怠いし。。。最近ジムでアホみたいに毎日泳いでいたため、皮膚が水でふやけて菌が侵入しやすくなったのではないかと、お医者さんは言ってました。同じような症例は結構多いそうです。小さな水虫君でも侮れませんね。ホンマニ。。。当分水泳は禁止です。最近スピードを上げるコツを掴んだのに残念です。。

お役に立てたらクリックしてください。ランキングに参加してます にほんブログ村ランキング参加中
関連記事
スポンサーサイト
テーマ:オーディオ
ジャンル:趣味・実用

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。